CALL につ いて( 1)
‑ 機能の紹介 と授業補助 を通 しての雑感 ‑
横 村 栄 美
0. は じめ に
今年
4
月 より、本学言語センター5
階にあるLL
教室の設備更新が行われ、従来のLL
システム にコンピュータを加 えた、マルチメディアLL( CALL Comput erAs s i s t edLanguageLear ni ng
l)教室 とな りました。これに伴い、助手である私が
LL
システムやサーバの管理、授業補助 な ど、LL
教室の授業運営に大 き く関わることとな りました。現在、私 は週
3
回、英語Ⅰ I B(2
年生 を対象 とす る英語科 目)を受 けている学生がLL
教室での 自習授業 をする際の授業補助 を行 っています。補助 とはいえ、学生 に とってはLL
教室での授業で は私が 「先生」です。LL
教室での授業補助 を行 いなが ら、CALL
システムについて調べ、学生 に とって効果的な使用方法 を模索 してきました。本稿 は
、LL
教室のシステム紹介 と、私が授業補助 をしている内容の紹介が主な もの となってい ます。従来のLL
教室 との変更点、新たなCALL
システムの機能 を紹介す ることで、本学のLL
教 室 を他 の授業で も活用 していただ くヒン トになれば と思いますc1. LL
教 室 の使 用状 況 と設備 ト1 利用状況今年度
、LL
教室では、授業での利用 と市民講座等の利用 を合わせ ると、週 に20
程度 の授業が 行われてい ます2。ほ とん どの授業がCALL
システムを用いて行われてい ますが、コンピュータを 使わず、視聴覚教材 を利用する目的でLL
教室が使 われることもあ ります。そして何 よ り、LL
教 室 は多分、小樽商科大学の中で、窓か らの景色が最 も良 く、語学以外の授業での利用があるのは その ことが関係 していない とは言 えないで しょう。本学 には現在
、CALL
システムを備 えた教室がひ とつ しかあ りません。よって、語学授業が重 なる曜 日、時限はひ とつ しかCALL
授業 を行 うことがで きないな ど、時間による利用の制約があります。
1
Lon gma nDi c t i o na r yofLANGUGETEACI NGANDAPPLI EDLI NGUI STI CS ( 1 9 9 6 )
によれば、CAL
Lは 次の ように定義 されています :t heus eo faco mp ut e ri nt het e a c hi n go rl e a ni n go fas e c o ndo rf o r e i gn l angua ge , CALLmayt aket hef o r m of( a)ac t i vi t i e swhi c hpa r al l e ll e ar ni ng仇r o ugho t he rme di abut whi c hus et hef ac i l i t i e so ft hec omput e r( e . g. us i ngt hec omput e rt or e pr e s e ntar e adi n gt e xt ) ,( b)a c t i vi t i e s whi c har ee xt e ns i onso radapt a t i o nso fpr i nt ‑ ba s e do rc l as s r oombas e da c t i vi t i e s( e. g. C omput e rpr og r ams t hatt e ac hwr i t i ngs ki l l sbyhe l pi ngt hes t ude ntde ve l opat o pi candTHESI SSTATEMENT andby c he c ki ngac ompo s i t i onf o rvoc a bul ar y,gr amma r ,andt o pi cde ve l o pme nt ) ,and( C )a c t i vi t i e swhi c har e u ni q uet oCALL
2本学の言語センターホームページに、教室の利用状況 を載せています。
( ht t p: / / www. ot ar u‑ uc . a c. j p/ °e pt / l a n g/ yoyaku. ht m
l)横 村 栄 美
1 ‑ 2
設備設備 として、コンソール部 には
、LL
システムはもちろんですが、サーバパ ソコン、コンソール パ ソコン、教員用パ ソコン、タッチパネルモニタ、確認用モニタ、VHS
ビデオデ ッキ、DVD
デ ッ キ、カセ ッ トデ ッキ、CD
デ ッキ、MD
デ ッキ、教材提示装置、プ リンタが各一台ずつあ ります。そのほかに、 コンソール部 には確認用 として、学生用パ ソコンとセ ンターモニタ
、MD
デ ッキが 各一台ずつあ ります。学生が使用す るもの として、学生用パ ソコン5 4
台、MD
デ ッキ5 4
台、学 生用セ ンターモニタ2 7
台、プ リンタ2
台があ ります。コンピュータのOS
はWi ndo wXP
で、授 業で使用する全てのパ ソコンで、語学授業科 目数 と同 じ8
言語 のフォン ト (日本語、英語、 ドイツ語、 フランス語、中国語、 ロシア語、スペイン語、朝鮮語) を使用す ることがで きます3。
学生用机 は
2
人1
組 の固定式 となってお り、2 7
台の机があ ります。机の上 には学生用パ ソコン モニタ と、セ ンターモニタの3
台が置かれ、学生用パ ソコンをMD
デ ッキが各机の下 に置かれて います。授業中、 コンソールに座 っていて も教員か ら学生の顔が見 えるように、 また、学生が教 員の顔が見やすいように、モニタ部分 は低 くしてあ ります。学生パ ソコンのキーボー ドとマウス は引 き出 しに置いてあ り、パ ソコンを使用 しない場合 にも邪魔 にな らないよう配慮 してあ ります。机 としての広 さもあ りますので、視聴覚教材 を使用 しなが らノー トをとることもで きます。
ト3 LL
システムの主な機能従来の
LL
システム と同様 の機能 として、ペ アレッスン、ALLCALL
(教員の声 を学生 のヘ ッ ドセ ッ トに一斉 に送 る)機能な どがあ ります。ペアレッスンとALLCALL
機能以外 は、パ ソコ ンを介 した授業 に特化 した機能 となっています。CALL
システムには多 くの機能があ ります。主な もの としてい くつか挙 げます。・マーキング :提示 している視聴覚教材の画面や任意の学生パ ソコンに、タッチペ ンで書 き込む ことがで きる。
・ブラックアウ ト:任意の学生パ ソコンの画面 を黒い画面 に変 えて しまう (画面中央 に赤い円が で る
)0
・画面転送 :視聴覚教材や教員パ ソコン画面 を任意の学生パ ソコン画面 に転送 す ることがで き る。
・ロック :任意の学生パ ソコンのマウス ・キーボー ドが動かない状態 にす る。
・電源制御 :学生パ ソコンの電源 をコンソールか ら制御す る.
これ らの機能 は語学授業ではもちろんですが、視聴覚教材 を用いた授業で も十分役 に立 ち、一度 に複数の視聴覚教材 を用いてのプレゼ ンテーシ ョンな ども行 えます。
2.英語 l旧 クラス につ いて
次 に、実際に私が補助 として行 っている授業 について と、授業の中で使 っている
CALL
機能 に ついて述べ ます。3サーバパソコンとコンソールパソコンのみ
、OS
はWin d o wsSe r v e r2 0 0 3
となっています。2 ‑1
クラスについて私が授業補助 に入 っている英語
Ⅰ I B
の授業 は、3
クラス( E2 3
1B、E2 3 2 B、E2 3 3 B)
あ り、それ ぞれ、月曜( E2 3 2
B)・水曜( E2 3 3 B)
・金曜( E2 3 1 B)
の2
講 目に行われてい ます。 どのクラス も9 0
名程度の学生が受講 してお り、学生 は2
グループに分かれ、LL
教室での課題 自習型授業 と、他 教室での授業 を交代 に隔週で受 けます4。どのクラス も担当教官の指示で
LL
教室での課題 を行 っています。テキス トは3
クラス とも共 通で、CALL
用のCD‑ ROM
教材 のついたテキス トとなっています.しか し、三者三様 の授業がな されてお り、私か らはその 日のChap t e r
のみを指示する①全 くの課題 自習型、担当教官か らの課 題 を私が指示 しなが ら授業 を進 める②教官課題提示型、 自習の課題 を担当教官 と私が調整 しながら行 う③
TT ( Te a m‑ Te ac hi ng)
課題提示型、に分かれています。ここでは、③ の
TT
課題提示型の授業 の中で行 っている内容 を中心 に、機能の使用方法 を紹介 します。2 ‑2
以前の失敗例CALL
教室での授業 については多々調べたつ もりでいましたが、実際 に授業進 めてい くと多 く の失敗があ りました。始 めの頃、各段落 を一文で要約 させたのち、学生 を指名 して発表 させていましたが、声が小 さい と聞 こえなかった り、同 じや り方 ばか りを繰 り返 しているうちに、学生 は 飽 きて しまい、で きていて も手 を挙 げて くれな くなって しまい ました
0CALL
教室以外での教室 での授業 とほ とんど同 じことしか してお らず、課題 を終わ らせ ることに気 をとられすぎていまし た。その頃 は
CALL
機能で使 っていたのは出席確認 とモニター機能 のみで した。CALL
関連 のセ ミナーにい くつか参加 し、情報 を集 め、担当教官 と相談 してLL
教室での授業方法 を変 えてみまし た。2 ‑ 3 LL
教室でのTT
課題提示型授業の流れTT
課題提示型授業では、前 もって担当教官 と打ち合わせ をしてお きます。授業では、その 日のCha pt e r
と内容量 に応 じて 目安 となる時間を指示 し、学生 は、テキス トについているCD
を聞 きな が ら自習 します。学生が 自習 している間にコンソールか ら課題 ファイル を学生パ ソコンに配布 し ます。学生 は、 自習が終わ り次第課題 に取 り組 み ます。その間、 コンソール部では学生のパ ソコ ンをモニター し、大体 の学生が終わった ら、ペアレッス ンの準備 をします。ペアレッスンの際は 近 くにペアの人が来 ないよう酉己慮 し、ペアレッスンを指示 します。学生 はヘ ッドセ ッ トを通 した 相手の声 を聞 き、話 をしなが ら課題の確認 を行 います。学生 は次の週 に、担当教官の授業 を受 けます。その中で、前の過 に行 った
CALL
での課題 をも とに、学習内容の確認 と発展授業 を行 います。2 ‑ 4 CALL
システムで使 っている機能ト2
で挙 げた機能以外 に、授業で は、主に以下 のCALL
システムを使 っています。4うち1クラスは、後期 より、他教室で自習授業 を行い
、L
L教室で教官 との双方向授業 を行 っていますOこのク ラスのみ、私 はLL
教室ではな く、他教室での授業補助 をしています0横 村 栄 美
・配布 回収 :
Cha pt e r
ごとに私が作 っている、段落 ごとの要約 (一文で まとめる)を記入す る欄 と テキス トの問題 の解答欄、その 日の感想 を記入す る欄 を作 ったWo r d
ファイルを、コンソール か ら学生パ ソコンに一斉送信することがで きる。・ペアレッスン :配布 した
Wo r d
ファイルの課題 を行 ったのち、ペアになった人 と内容の確認、テキス トの問題 の解答チェックす る際 に行 う。
・モニタ ・巡 回モニタ :学生が 自習す る際にコンソールか ら学習状況が把握で きるO
ペ アレッスンに関 しては、相手が誰 になるかわか らない とい うことと、初 めてヘ ッ ドセ ッ トで 会話す るとい うことか ら、最初 は学生が緊張 していたので、や り方 を実際に見せ、私が「もしも〜
しと言 ってみましょう」 と言 って始 めました。 これは思 った以上 に学生が楽 しんでやって くれて お り、ペアレッスンは予想以上 に好評です。学生 も、今 までやった ことのない、‑ ツドセ ッ トを 使 ってのや り取 りと、相手が誰かわか らないので、あまり話 した ことのない人 と話す ことがで き るなど、肯定的な感想が多 く見 られ ます。毎回の授業で行 っていますが、各 自で話 し合 って答 え を確認 させているので、理解 しなが ら解答の確認がで き、 また、毎回相手が変わ るので、飽 きが こない ようです。 この機能 は最大
5
人 までのグループレッスンが行 えます。時々、欠席者がいる と1
グループだ け3
名でグループレッスンすることになるのですが、ヘ ッ ドセ ッ トを通 して話す 人数が増 えると、少 しや りづ らいようです。3.誰 の ための
CALL
システム なの か ?教員 に とっての
CALL
システムの利点 として、同時 に複数の学生パ ソコンにファイル を送信 し た り、複数の学生パ ソコンのモニタがで きることが挙 げ られ ます。パ ソコンソフ トを使 えば、そ の場でテス トを行 った り、採点す ることも可能です.マーキング機能 な どを使 えば、「見せ る」授 業 をさらに発展 させ られ ます。学生 に とっての利点 としては、従来のLL
以上に、様々な視聴覚教 材 を利用で き、 自分のペースで学習で きることな どが挙 げ られ ます。「話す」「聞 く」ことに加 え、「書 く」「読 む」 こともペアやグループでや り取 りす ることもで きます。
CALL
システムには語学教育 に関 して多 くの利点があ りますが、「コンピュータだか ら」とい う だけで苦手意識 を持 って しまった り、使用 をやや こしく感 じられて しまうことがあ ります。 これ は、教員 に限 らず、学生 に関 して も時々見 られ ます。CALL
システムは最近、中学校か ら大学 ま で導入 され、 コ ミュニケー ションを必要 とす る語学授業 に とってはな くてはな らない もの とな り つつあ ります.CALL
に関す る学会、研究会、セ ミナー も多 く.開かれ、教育 に関す る情報交換 も しやす くなって きています。補助 とはいえ授業 をす るようにな り、い くつかの研究会等 に参加 し なが ら、CALL
授業の効果的な進め方 を調べてい ます。その際、いつ も疑問に思 うのが、「誰 に とっ て、何 に とって効果的なのか」ということです.CALL
システムはビデオやカセ ッ トテープ と同 じで、授業 を進 めるための道具の一つです. どのセ ミナーに参加 して も必ず話題 になることです が、機能がた くさんあるか らと言 って、先生がい くら使 い こなしていて も、学生が効率 よく学習 で きていなければ、何の意味 もない と思います。実際、私 は授業ではい くつかの決 まった機能 し か使 ってい ません。 しか し、例 えばペ アレッスンの ように、学生 に とって楽 しく、学生が理解で きる学習がで きれば、機能がひ とつ しか使われていな くて も、CALL
授業 は成立 しているといえ るで しょう。4
. おわ りに本稿 で は今年度 よ り設備更新 された
LL
教室 について、CALL
システムの紹介 と実際の授業で の使用方法 な どを述べて きました。私 の場合 は英語 の授業 で使用 してい ますので、 まさにCALL
教室 としての使用 になってい ますが、語学授業以外 での使用 も可能です。本学2号館3階 にある 第
4
実習室 は、語学授業以外での利用 もで きることか ら、別名CAL( Co mp u t e rAs s i s t e dLe a r n ‑ i n g )
教室 となってい ます。今 回紹介 しました5
階のLL
教室 も、CAL
教室 としての利用が十分可 能です。LL
教室 を 「効果的」な授業が展開で きる教室 として利用 していただ きたい と思 い ます。語学 に関 して言 えば
、7
月 よ り英語学習用のe ‑ Le a r n i n g
ソフ トが導入 され ました。導入 した ば か りで、 まだ実際 に授業 で使 わ ることはほ とん どあ りませ んが、 これか ら自習で も使 えるよう、計画 を立 ててい ます。 これ らの設備、 ソフ トを利用 し、学生 の語学力向上 に役立 て られれ ば と思 い ます。