• 検索結果がありません。

「   戸メユ導 ´ 翠≦夢

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "「   戸メユ導 ´ 翠≦夢"

Copied!
44
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

(修士論文)

歴史まちづ くり法 を活か した市町村 のまちづ くりの検証

〜第 1回計画認定都市である二重県亀 山市 を事例 に して〜

人文社会科学研 究科 110M252

玉置  大也

(2)

目次

は じめに…....・・…・…・・…・・…・・…・…・・…・・…・・…・1

1章 歴 史まちづ く り法制 定の経緯.…… … … …・3

(1)これ までの歴 史ま ちづ く りのあゆみ (法律 の観 点か ら)。… … … … 3

(2)歴史 まちづ くり法 の背景.…… … … …3

(3)歴史 まちづ くり法 の関連 法 の限界.…… … … …4

0国に よる審議会 での議論.…… … …… …… … … …… ¨… … … …8

2章 歴 史まちづ く り法 の概要 .…… … … …12

(1)法律 の特徴 … … … … 12

(2)「歴 史的風致」 とはなにか … … …… … … …… … …… … 12

0法律 に よる計画認 定 と支援措置.…… … … …14

④ 歴史 まちづ く り法 に よる既存 の法律 の克服.…… … … … 17

(5)現時′点での認 定市町村.…… … … …。18

3章 歴 史まちづ く り法 の も とでの取組 みの実際.…… …… ……… … …… … …… … … ……20

1.亀山市 での歴 史 まちづ く り。̲…… … … …20

(1)調査地域概要.…… … … …20

ω 合併以前の旧市町による取組み。……… …… ……… ……… ………21

0新市におけるまちづ くり。………・22

0亀山市の歴史的風致維持向上計画策定の背景.………… ………・24

(5)亀山市の歴史的風致維持向上計画.………… ……… …… ………26

⑥ 歴史まちづ くり法を利用 した亀 山市のまちづ くり  〜 「東海道歴史文化回廊」〜28 0歴史的風致維持向上計画 を通 じた亀 山市の歴史。文化 「活用」像̲………… 32

0亀山市の歴史まちづ くりにおける考察.………… ……Ⅲ………・…………33

2.亀山市の問題点・今後の課題.………… ……… ………35 おれ)り ¨¨¨¨¨¨¨・・…… ¨¨¨¨・……… ¨¨・………¨¨・¨・¨¨¨ ¨・¨………¨・¨¨¨¨" "・・¨¨・¨¨¨。37

(3)

歴 史 まちづ く り法 を活 か した市町村 のまちづ くりの検証

〜第 1回計画認 定都市である二重県亀 山市 を事例 に して〜

人文社会科学研究科 玉置 大也

は じめ に

近年では、「まちづ くり」 とい う言葉 が一般 の人々の間にも浸透 し、広 く用い られ るよ う にな り、その分野 も景観や防災・各地域 の特産 品を活か した ものな ど多岐にわたつてい る。

それ に伴 い、各 地域 で資源 を活か しなが ら魅力 を引き出 し、個性 を見出そ うとす る とす る 取組 み が、 ある時 は市民 自ら、また、市 民 に近 い行 政 で あ る市町村 単位 で行 われ てい る。

この よ うな取組 みの中で、 この論文で取 り上 げる 「景観」 の分野では、市町村 は 自主条例 であ る景観 条例 を制定 し、積極的 に景観 の保護 を進 めてきた。 しか し、 この景観条例 には 法的拘束力 がな く、時 に開発 業者等 との間で トラブル を生 んで きた こ ともあつた。 この後 2004年の景観法成 立によ り、 この景観条例 に法的裏付 けができ、景観 に関す る取組みは 進展 し、今 日に至 るまで一定の成果 を生んできた と言 える。

しか し、 この一方 で 日本 においては、その近代化 の過程 で発展 を重視す るあま り、歴 史 ある建物や 文化等が軽視 され 、破壊 され てきた こ とも事実 である。 さらには これ ら景観 の 乱れ に対応 すべ く制定 され たわが国初 の景観 に関す る総合 的 な法律 で ある景観 法 も含 め、

古都保存法や 文化財保護法等 、既存 の法律 の限界 も指摘 され始 めて きてい る。特 に、地域 に残 る 「歴 史 。文化」の面か ら見 る と、近年顕著 になって きてい る過疎化・ 高齢化等 によ り、地域 の祭 りや行事等 が急速 に失 われつつ ある とい う現状がある。 また、戦後の急速 な 都 市化 の過 程 において、伝 統的 な建造物 が並ぶ町並 み にふ さわ しくない電線類 の設置や 高 層建築物 が創 出 され て きた。 こ うした現状 は、地域 を一層没個性化 させ 、歴 史 ある町並み の魅力 を失 わせ てきた。

こ うした現状 を受 けて2008(平20)年に、国に よつて歴史まちづ くり法 (正式名称 は

「地域 に残 る歴史的風致の維持及び向上に関す る法律」であ り、以下、「歴史まちづ く り法」

とい う)が国会 で審議 され 、全会 一致 で成 立 した。 この法律 は、市町村 が主体 となつて計 画 を策 定 し、その計画 を国 に認 定 して も ら うとい う制 度 で あ り、 この制度 に よ り、各地域 にあ る歴 史 を この法律 を機 に も う一度見直 し、歴史的資源 を活か したまちづ くりが各地域 で取 り組 まれ てい くことが期待 され る。

そ こで本論文では、「歴史まちづ くり法」 を素材 とし、歴史まちづ くり法に基づ く計画の 1回認 定都 市である二重県亀 山市 を取 り上 げ る。亀 山市が歴 史まちづ く り法 を使 って、

うま くま ちづ く りに活 かす こ とができてい るのか、地域活性化 に資す ることができてい る のか、その現状 と課題 について考察 を行 うことを 目的 としてい る。

こ うした特徴 を持つ歴史まちづ くり法 は、文化財や都市計画等 に関す る多 くの制度 の も

(4)

とに成 立 してお り、また、その成 立の過程 では審議会等 も幾回 も開催 され るな ど、既存 の 法制度 との関わ りも無視 で きない存在 である。

そ こでまず本論文の構成 と して、第 1章では、歴史 まちづ くり法 に至 るまでの法制度 を 振 り返 り、その変遷 を見た上で歴 史 ま ちづ く り法 の経緯 について整理 した1。 さらに、なぜ この法律 が必要 となつてきたのか とい うこ とを既存 の法律 の限界 とい う観点か ら考察 して み た。 その後、審議会での議論 を整理 し、国会 での論点 を整理 した上で、歴 史まちづ くり 法制定 にお ける背景 を論 じた。

続 く第 2章では、第 1章で述べ た よ うな背景 を基 に成立 した歴史まちづ くり法の特徴や 支援 の内容等 を詳述 し、同法律 が どの よ うな法律 で あるのか を示 した。

3章で は、歴史まちづ くり法 のこれまでの議論 を基 に して、計画が認定 された市町村 で、実際に どのよ うに使 われてい るのか、うま く使 われてい るのか とい うことを検討 した。

そ こで、事例 として亀 山市 を取 り上げ、フィール ドワー クを行い、計画 の中身 を検討 した。

お わ りに、亀 山市でのフィール ドワー クでの調査 を基 に して、 これか らの課題 について 考察 を行 つた。

(5)

1章  歴 史 ま ちづ く り法 制 定 の 経 緯

この論文 で取 り上げる歴史まちづ くり法以前 にも歴史まちづ くりは行われてきた。以下、

これ までの主な法律 を中心 に振 り返 り、その後 、既存 の法律 の限界 を考察す ることで、歴 史 まちづ く り法制 定の経緯 について整理 してみ たい。

(1)これ までの歴 史 まちづ く りのあゆみ (法律 の観 点か ら)

日本 にお ける歴史的環境 に関す る保全 の制度 は、戦前の1897年 (明 30年)に 「古社 寺保 存法」が制定 され たことに始 ま る2。 その後 、史跡名勝天然紀念物保存法3、 国宝保存法

4ゃ 1966年 (昭41年)に 「古都 における歴史的風土に関す る特別措置法」(以下、「古都 保存法」 とい う)、 また、文化財保護法 な どが制定 され、特に文化財保護法はその後幾度か 改正 を加 え られ てきた5。 その結果、文化財 の指定制度や登録制度、伝統的建造物群保存地 区の制度 等 が整備 され てきた。歴 史 的景観 に関す る法律 の整備 の観 点か ら言 えば、特 に文 化財 の保護 の面か らは関連法 の整備 が進 んで きていた とい えるであ ろ う。 この ほか、近年 では都 市計画法や景観法 も整備 され6、 これ らの制度の もとにおいて一定の成果 を上げ、充 実 して きた と言 える。近年 の状況 としては、地方分権 の流れ とも重 なつて、市町村 自身 が、

また、そ こに住む市民が、 自らのまちに残 る歴 史的建物等 を積極的 に保存 してい こ うと取 り組 んでい る ところであ る。

(2)歴史 まちづ くり法 の背景

我 が国 では、国民共有 の文化的 な資産 で ある歴 史的建造物 、す なわち城や神社仏 閣等 が 人 々の生活 の中心 とな り、 これ らの建造物 を核 として、多 くの市街 地が形成 され てきた。

た とえば、重要文化財 である城址 を中心に城 下町 を形成 してい る都 市、重要文化財 で ある 寺 を中心 に門前町 を形成 してい る都 市、 さらには本論文で取 り上げ る亀 山市 の関宿 の よ う に、重要伝統的建造物群 を核 とした町並み等が存在 してい る7。 また、その歴史的建造物で 営 まれ る工芸品 の製造販売や祭礼行事 な ど、地域 の歴 史・ 文化 を反 映 しなが ら形成 され る 風情や たたず まい とい った良好 な環境 も存在 してい る。

これ まで、このよ うな歴史的建造物 においては、上記(1)に示 した法律 の制度や、文化財 保護 法 に基づ く重要文化財 の指定や重要伝 統的建造物群保存地 区8の指定等 に よ り、その保 存 が図 られ て きた。

しか しなが ら、近年では、以下に掲 げるよ うな問題 が起 きてい る。

まず第一 に挙 げ られ るのが、維持管理 に多 くの費用や手間がかか り、所有者 の高齢化や 人 口の減少 に よる担い手 の不足が顕著 にな ってい る とい う問題9であ る。

近年 で は、歴史的建造物や 良好 な環境 を保有す る地域 の多 くで、 この よ うな問題 を抱 え てい る。 こ うした地域 では、地域 で守 ってい くべ きであるもの、す なわ ち歴史的な ものを 守 ってい けな くな る とい うこ とに よ り、地域 の共同体 の崩壊や、地域のきず なが失 われて きてい る とい う問題 が起 きてい る

(6)

第二 に挙 げ られ るのが、既 存 の法律 の限界 とい う問題11である。

既 に述べ てきた よ うに、従来 は主 に歴 史的環境 の保全 に関 して、代表的 な もの として 「古 都保 存法」や 「文化財保護 法」、「都市計画法」や 「景観 法」が存在 した。

しか しなが ら、 こ うした現行 の法律 は、 これ まで一定の成果 を挙 げて きた ものの、現在 で はい くつかの問題が指摘 されてい る。 この問題 については、次項で指摘 したい。

このほか、近年 では市町村合併 の流れ か ら、合併 した市町村 内において、新 しい市 とし ての一体感醸成 の必要性か ら歴史 まちづ く りを利用 し、その活用 のための新法 の必要性が 高 ま つて きた とい うこ ともひ とつ の制定の背景 として あげ られ る12。

こ うした担い手が不足 してい る とい う背景や 、 これ までの既存 の法律 による施策 の もと で は限界がある とい うこ とか ら、歴 史的環境 が急速 に滅失 してい る。特 に現在 では、歴史 的 な町並み が残 る地域 において は、歴 史的建 造物や 地域 の祭 り等 の行事等 の人 々の活動 を 存続 させ てい くこ とが難 しくなつてい る。 そ こで この よ うな地域 に残 る歴 史的景観や 人 々 の活動等 が失われ る とい う現状 に対応す るため、既存 の法律 に代 わ る新 たな法律 の必要性 が指摘 され るよ うになつた。

以上述べ て きた よ うな、既存 の法律 の限界や 、担 い手不足や所有者 の高齢化 に よる地域 の きず なの崩壊 とい う問題 、新市の一体感醸成 のための新法の必要性 といつた ことが背景 とな り、「歴史まちづ く り法」が社会資本整備審議会Bや文化審議会M等 の審議会の議論 を経 て、制定 され るこ ととなつた。

次項 では、制定の背景 であ る既存 の法律 の限界 について、考察 してみたい。

(3)歴史 ま ちづ くり法 の関連法 の限界

これ までの歴 史的景観 に関す る施策 は、古都保存法や景観法、都市計画法等 が、地域の 歴 史的景観 を活か したまちづ くりにおいて、一定の成果 を挙 げてきた ものの、現在 では さ ま ざまな課題 を抱 えてい る。以下、①古都保存法15、 ②文化財保護 法16、 ③都 市計画法 。景 観 法17について順 に検討 してい くこととす る。

(7)

①古都保 存法

1960年代以降の高度経済成長 とそれ に伴 う急激 な都市化 によつて、全国的規模 での都市 の 自然環境 、歴 史的環境 が破壊 され た。特 に京都 、奈 良、鎌倉 といつた 日本 を代表す る古 都 にお け る環境破 壊 が進行 し、開発 に伴 う様 々な問題 が生 じてい る とい う現状 は、市 民・

文化人の景観保存 に対す る機運 を高ま らせ るこ ととなつた。 こ うした高ま りのもと、「古都 保存連絡 協議会」 が結成 され 、古都 を守 るための新 しい法律 の要請 がな された。そ して、

古都 保存 法 は、史跡・ 文化財 と一体 とな った山並 み、緑地、 田園景観 を開発 か ら守 るため 1966年 (昭41年)に 「古都保存法」は制定 された。

同法 においては、「わが国の歴 史上意義 を有す る建造物、遺跡等が周囲の 自然環境 と一体 をな して古都 にお ける伝統 と文化 を具現 し、及び形成 してい る土地の状況」 と定義 され る

「歴 史的風 土」 とい う用語 を 日本で初 めて用い、 これ を後世 に引き継 ぐべ き国民共有の文 化的資産 と して適切 に保存す るた め国等 におい て講ずべ き措置 を定 めてい る。古都 におけ る歴 史的風土 を保存す るために必要 な土地 の区域 を 「歴史的風土保存 区域」 として設 定で き、特 に枢要 な部分 については 「歴史的風 土特別保存地区」が都 市計画 で定め られ るよ う になった。

同法律 に基づ き、現在 、京都 市、奈 良市、鎌倉市、天理 市、橿原 市、桜井 市、奈 良県生 駒郡斑鳩 町、同県高市郡 明 日香村18、 逗子市及び大津市の 10市町村 が 「古都」 に指定 され てお り、 これ らの市町村 においては既述 の制度や都市計画決定等 の措置 を講 じることに よ つて、区域 内での開発行為 を規市1するこ と等 に よ り、古都 における歴史的風土の保存 を図 つている。

古都保 存行政 の結果 、奈 良、京都 、鎌倉 の山並み、緑地等、同法律 の もとで古都 の歴史 的風 土 を保 存す る とい う目的は、一定の成果 を果 た してきた と思われ る。 しか しなが ら、

現在 においては、そ こに対応 しきれ ない限界 も顕在化 してきてい る。

古都保 存法 は、その対象都 市 として、かつて古代か ら室町までの政権所在地である 4都

10地域 に限定 して適用 され てお り、市街 地 にお ける歴 史的建造物 の保全や、古都以外 の 都 市へ の適 用 が不可能 であった。 古都 以外 の文化的遺産 はその対象外 とな り、典型的 な重 点保 護 主義 、選択保護 主義 のあ らわれ であ る とされた。 このため、他 の港町や宿場町 、城 下町等 、古都以外 の歴史上重要 な都市 において も、歴 史的建造物や 工作物 の周 囲やそ の背 後 にお け る景観 の乱れ が顕著 にな つた。 古都以外 にお いて も、また、主要対象 として市街 地 に も政策 を構築す ること、そのために適用 で きるよ うな財政支援 。税制支援 を行 うこと がで きるよ うな仕組みが必要 となってきていた。す なわち、古都保存法 では、古都 以外 の 地域 は対応 しきれず、歴史的文化的遺産 を保存・ 継承 してい くことが必要 となっていた と い うところに限界があつたのである。

(8)

②文化財保護法

第 二次世界大戦後 、敗戦後 の経済的 な疲 弊 と混乱 、農 地改革や華族制度 の廃止等 の社 会 的変革 と敗戦 に よる価値観 の変化等 があいまつて、文化財 の散逸や海外流 出の危機的状況 が続 いていた。このよ うな機運が高まる中で、1949(昭24年)に世界最古の本造建築物 で あ る法隆寺金堂の焼損 、焼失 とい う事件 が起 きた。 これが契機 となって、人々の文化財 へ の意識 が高ま り、文化財保護 の動 きが活発化 していつた。その結果、1950年 (昭和 25 )に議員 立法 によ り、「文化財保護法」が成 立 した。文化財 保護法 は我 が国最初 の文化財 保護 に関す る全般 的立法で あ り、従来の法律 を統合す る とともに、大幅 に制度 の拡充 を図 つた ものである。 この立法 は、わが国の文化 を考 える うえで欠 くこ とのできない歴史 。自 然 を文化財 として総括 して保護対象 とす る法整備 であ り、 これまで種別 によって分 かれて いた国宝保存法 と史蹟名勝天然記念物法 を一元化す る と共 に、その保護対象 も無形文化財、

民俗 資料 、埋蔵文化財 も保護対象 に含 めた ものであった。

同法 はその後幾度 も改正 され 、文化財 の概念や その保護範 囲は拡大 した。 その間、重要 無形 文化財 の指定 と保持者 の認定制度や埋蔵文化財包蔵地の概念の導入 、無形民俗文化財 の指定制度 の導入 と伝統的建 造物群保存地 区制度 の新設 、民俗技術 の保護対象への追加 、 文化財登録tlJ度の拡充等がな され てい る。

文化財保護法 を通 じた歴 史的景観 の保存 には、伝統的建造物群保 存地 区制度 の活用 が挙 げ られ る。 この制度では、市町村等地元 自治体 が地 区を決定 し、保存す る等、住民 と折 り 合 い をつ けなが ら、文化財 としての価値 を保存す る とい う仕組 みであ り、文化財 を単体で 保存す るこ とか ら建物群 として面的 に保護 できるよ うに拡大 した ものである。

しか し、文化財保護法 は こ うした伝統的建造物群保存地区制度 の よ うな仕組み もあるも のの、同法 自身 は全体 として捉 える と、歴 史的建造物 の保存 に際 しては限界が あるよ うに 思われ る。す なわち第 1条に規定 され てい る内容 がそれ を表 してい る。

「この法律 は、文化財 を保存 し、且つ、その活用 を図 り、 もつて国民の文化的向上に資す る とともに、世界文化 の進歩 に貢献す ることを 目的 とす る。」(文化財保護 法第 1条)

以上 に規 定 され てい るこ とか らも明 らか な よ うに、 この法律 が 目的 としてい るのは、国 の法律制度 としての文化財 の保存 と活用 である。す なわ ち、同法 自身 は文化財 その ものの 保存及び活用 を図 るための法律 であ り、国等 に よ り指定 も しくは選 定 され た文化財 につい ては保存 され るものの、文化財 の周辺環境 の保存・整備 は直接 の 目的 としてお らず、その 保存・整備 は困難 である とい うことである。 このため、地域 において広域的な取組み を行 お うと思 って も困難 な状況 にあった。

また、文化財保護法 で指定 され ていない ものは整備 の対象 とはな らず、切 り捨 て られ て いた とい う面があ り、地域 の きず なが失われ始 めてきてい る とい う状況 が見 られ るよ うに なって きた。 ここに限界が見 られ るよ うになって きたのである。 そ こで、地域 の文化等、

(9)

その活性 化 を図 り、地域 のアイデ ンテ ィテ ィを確保 す るた めに も従来 の文化財保護法 に と らわれ ない、文化財 を活か した歴史的なまちづ くりの推進 とい うことが必要 となってきた。

③景観法・ 都市計画法

21世紀 にな り、「美 しいまちづ く り」 とい う言葉が行政施策 として捉 え られ るよ うになっ た。2003年 (平 15年)には 「美 しい国づ くり政策大綱」 として総括的な政策の指針 が 打 ち出 され、地域 の個性 が重視 され るよ うになった。この間、地方 自治体 の側 において も、

開発 の進行 に よつて都 市の景観 が損 なわれ 、村落 の景観 が衰 退す る中で、地方 自治体 が条 例 に よる景観 の保護 、形成 を図 る とい う事例が増加 してい き、2003年 (平 15年)9月 の時点では、27の都道府 県 と450の市町村 で500以上 の景観 に関す る条例が定め られてい た。 これ らの条例 で、景観形成地 区や重点地区の指定が行 われてお り、 こ うした地方 自治 体 の 自主条例 に対 して法的な根拠 を与 えるもの として、2004年 (平 16年)に国土交通 省 主導の下で、「景観 法」が成 立 した。

一方、1919年 (大8年)には旧都市計画法が成 立 し、 旧美観地 区 (後の景観地区)や

風致地 区制度が導入 された。現在 の都市計画法 に至 るのは、1968年 (昭 43年)、 1980 (昭55年)の都 市計画法全部改正 を経 ての こ とであ り、それ まで国 にあつた都 市計画 の決 定権 限が地方公共団体 に移譲 され、住 民に身近 な都 市計画制度 として、地 区計画制度 が導入 され る等の改正が行 われた。

しか し、景観法 には、歴 史的景観 に関す る制度 として景観 重要建造物 の制度 があ り、一 方 で都市計画法 は、上記 の旧美観 地 区や風致地 区等 の仕組 みがある。 ただ、 これ らの制度 は、 それ を通 じて、主要建造物 の周 囲 との調和や、市街地 をコン トロールす るための規制 をす るこ とを 目的 とした ものであ る。

この二法の問題 点 として挙 げ られ るのが、規制措置 中心であって、建築行為や開発行為 の規制 は可能であるが、歴 史的な建物 の復元等 の歴史的 な資産 を活用 したまちづ く りへの 積極 的 な支援 がない とい うこ とであ る。

まず景観法は、「我 が国の都 市の形成・良好な景観 の形成 を図 るため、景観計画 を策定 し、

景観 計画 区域 を定 め、 この地域 にお ける良好 な景観 の形成 に関す る方針及 びそのた めの規 制」 について定 めてい る。

一方、都市計画法 は、まちを健全 に維持 し、豊かに育ててい くためのまちづ くりの計画 であ り、 これ も景観法 と同 じよ うに、必然的に整備 。開発・ 規制措置 中心の法律 になって い る。 ゆえに、歴史的 な建物の維持管理 にかか る費用や、建物 を買い取 るための費用 の補 助 とい うものは期待 で きない。 ここに、現在 限界 が見 られ るよ うになって きてい る。 その ため、 こ うした 「規制」のみではな く、「支援」の面か らも利用できる法律の必要性が挙 げ

られ るよ うになつた。

(10)

こ うした既存 の法律 の限界 が認 め られ る中で、歴 史まちづ くり法 では、従来の縦割 り行 政 に とらわれず 、文化財行 政 とまちづ く り行政 とが連携す る とい う仕組 み になつてい る。

総合 的 。一体的 な計画 の下、地域 の伝統や歴 史 を トー タル に捉 えた まちづ く りの必要性 が 現在 のま ちづ く りには求 め られ てい る。 後述す る国の審議 会 の議論 の 中で もそ の方 向性 が 示 され るよ うになつて きてい る。

また、近年では各地域 において、所有者 の高齢化や人 口減少等 に よ り、歴史的な建造物 や町並み が急速 に失 われ てお り、 同時 に地域 の伝統芸能等、歴史 的風情や情緒 、たたず ま い といつた良好 な市街地の環境 が失われつつ ある。

こ うした既存 の法律 の問題や、所有者 の高齢化や人 口減少 による歴 史的建造物、伝統芸 能等 の担 い手 の問題等 の現状 を受 けて、歴 史的 な環境 を守 るために、歴 史 ま ちづ く り法が 制 定 され た。 この歴 史 ま ちづ く り法 立法 にあた つて、国で も審議会 を開催 し、今後 の歴史 的環境 の保全 に関 して議論 を行 って きてい る。歴 史 まちづ く り法 の背景 として、 これ ら審 議会 での議論 が歴史 まちづ く り法 の趣 旨 と重な る ところが ある と思 われ るЮので、次項では

この審議会の議論 に関 して述べ ることとす る。

)国による審議会での議論

既 に述 べ て きた よ うに、今 日では、少子 。高齢化や人 口減少 な どの担 い手不足や 、既存 の法律 の限界か ら、歴 史的 な環境 が失 われつつ ある とい う現状 にある。 こ うした現状 を受 け、国において も既存 の法律 の限界 を克服すべ く、審議会が開かれ た20。

①社会 資本整備審議会 に よる審議 の経緯

古都保 存法 において指定 され た古都 において は、歴 史的風 土 を保存す るた めに必要 な建 築や 宅地造成 の規制 を行 うとともに、特 に重要 な地 区は都 市計画 に定 めて現状凍結的 な厳 しい規制 を行 つた。 この古都保存法の措置 に よ り、指定 され た古都 においては文化財等の 歴 史的建 造物や遺跡等 が一体 とな つた環境 が守 られ るこ ととなつた。

一方で、古都保存法 の限界 も見 え始 めてきた。既 に述べてきた よ うに、古都以外 の地域 にお いて も歴 史的文化的遺産 を保存・継承 してい くこ とが必要 となつた。古都保存法施行

40年目の節 目にあた る平成 18年6月 に開かれた社会資本整備審議会「古都保存行政の理念 の全国展開小委員会」 において、「古都以外 にも優れた歴史的文化的遺産 を今 に伝 える都市 は多数存在す る。 よつて、京都 、奈 良、鎌倉 な どの古都 以外 の都 市 であって も国民共有の 財 産 として保存 。継承 すべ き歴 史的風 土 につい て、国 として保存・ 継承す る方策 の検討 が 必要 であ る。」 とい う報告がな された。

こ うした議論 の中で、全 国的 に も歴史的、文化的 に価値 の高い資産 をテーマ としたまち づ く りに積極的 に取 り組む事例 が各地で行 われ るよ うになつてきた。 その一方 で、既存の 法律 の限界 か ら、文化財行政 とま ちづ く り行政 が連携 し、総合的 。一体的な計画 に基づき、

(11)

自然や地形 と結びついた地域 の伝 統や文化 を表 してい る市街 地 の形成 を トー タル に とらえ たま ちづ く りの必要性 が指摘 され るよ うになってきた。

このた め 2008(平 20年)の 「歴史的風土の保存・継承小委員会報告」 において、既 存 の法制度 を最大限 に活用 しつつ 、「歴 史的風致」 とい う新 たな概念 を導入 し、文化財行政 とま ちづ くり行政 の連携 の下、歴史的文化的遺産 を復原・ 再生 してい こ うとい う方向性が 示 され てい る。

②文化審議会 による審議 の経緯

① で述 べ た社会資本整備 審議会 での審議 と同 じくして、歴 史 ま ちづ く り法 の立法化 にあ たつては、文化財保護行政 の側 において も議論がな され てい る。1994年 (平 6年)の

化財保護審議会文化財保護企 画特別委員会及び 2001年 (平 13年)の文化審議会文化財 分科会企 画調査会 の議論 か ら、そ の保護 の充実 が図 られ て きた ところである。 しか しなが ら、近年 の社会 の変化 、つ ま り、過疎化や少子 高齢化等 によ り歴 史的建造物や文化的景観 、 地域 の祭 り等、伝統的 に培 われてきた文化等が失われつつ ある。 この状況 を受 け、地域 の 文化等、その活性化 を図 り、地域 のアイデ ンテ ィテ ィを確保 し、そのきず なを維持す るこ とが重要課題 となってきた。そ こで、2006年 (平 18年)か2007年 (平 19年)に けて行 われ た文化審議会文化財分科会企画調査会 において、「文化財 を総合的に把握す るた めの方策」についての検討 がな され、同年 10月 の同会の報告において、地域 の文化財 を周 辺環境 も含 めて総合的 に把握 し、保存・活用す る地方公共団体 の取組み を国が支援す る仕 組 み の必要性 が欠 かせ ない もので ある とい うこ とが指摘 され てい る。

この報告 の中で、文化財 を総合的 に把握す るための方策 と して、地域 の文化財 を周辺環 境 も含 めて総合 的 に把握 し、保存・活用す ることで地域 の魅力の増進 につなげ るため、市 町村 において、住民等 の参カロの下で 「歴史文化基本構想」21が策定 され ることが重要 であ る と提言 してい る。 そのための支援 の方策 として、文化財 の公 開・ 活用 に関す る情報発信 、 文化財 に親 しむ機会 の充実、人 々の文化財保護 に対す る支援 の枠組みづ くりや行政 と民間 団体、市民等 との連携 の促進 が挙 げ られてい る。

これ らの社会資本整備審議会や歴史的風土部会 な どの審議会の議論等 を反映す る形で 「歴 史まちづ く り法」案 が、2008年 (平20年)1月開会 の通常国会 で審議 され、報告がま と め られ た直後の同年 1月 29日 の国会 で閣議決定 され て、同 5月 16日 に通常国会 にて全会 一致で成 立 し、同 23日 に公布 、同 11月 4日 に施行 され た。

そ こで次章の第 2章では、 この歴史まちづ くり法が どの よ うな法律 であるのか、その概 要 と特徴 を考察 してい くこ ととす る。

9

(12)

○審議会の経緯・歴史まちづ くり法の検討経緯資料

審議会での検討経緯を示す と、以下の資料22のようになる。

歴史的風土審議畿サ畿0古部におlf尋歴史的風±0保存のあり方について(H10,3)

古都以外の都市における歴史的=文化的費産についても、同様に国民共有の道産とて保存、経承 が国られるべきであるc

社会資本整僣審盛会古都晨存抒政0麗意の全国目轟小勢員会報告(H18,7)

ちづくに関るAll度等が歴史的文化的費産の保存=活用を軸とて積極的かつ有機的に活用さ るよう発想を転換するともに、歴史的文1し的費産を保存う線承する方法を、法制面、財政面、税制

与 聖土 堅 坐

L

・ノ

古都で培われた歴史的風土の保存の理念と枠組みを、古部の範囲に限られることなく広く全国に 展開する等、その方策を検討する必要がある。

│ま現存する歴史的風数の保存口盤承、及び消失するおそれのある歴史的風致の再生を図るま ちづくを積極的に推進するため、新たな支援措置または既存制度の特例措置を講ずる制度の枠

1守lL塞菫妻守化麟奈鶴全帝誦自書妻襄各爾H10101

地域の文化財を周辺環境も含ぬて総合的に把握し、保存・活用する地方公共団体が中心となつ

│ た取組を、国が支援する具体的な仕組みが必要である.

10

(13)

○歴 史 ま ちづ く り法の検討経緯資料

歴 史 まちづ く り法 の検討経緯 を示す と、以下の資料23のよ うになる。

IL書説会│二おける機l寸経綽

1寛lL薔織金分ll費

麗査費響告│‖13'

│「1ヒ

"儒

1婚0懸 Lな襲鵬J

I,1ヒ鶴景性を経慢対象に迪詢│‖:GI

1文化雷嗜書分‖争壺麗岡音姜1置豊姜長 石鼻俸ニ

l itA像Iで審議開儀lHi思 .11,

師一ュ

文化薔鱚手分料をlF硼 音舎響告lHl,lol

「■騒主文化基本構想1に財をR7i由的に偲旧するため ,方静」

「社☆全体で文化期をた承していくための方拍J

社会資本整備書議会!=お│する機討経博

t̲″

鴫問「大津市に脚サ曇古僣伸tiJど.今

"古

単保書村量0あ :ま01=あるべ書かJi‖11.41   

1壮キ資本書懺響路☆ 締市11田E史的饉

=分f4☆ 吉椰保存0電

1念童目霊閣Jll晏員会i姜員長:脇澤鋼七人像機lコIH17:

̲…L

I宙書保存0理

"壼

目層購Jヽ爵員畿40吉 Hi571

=̲̲:L

I社姜颯率整費審略☆ 椰市:1目・鑑史的凰土分f4脅 曖史的颯

1保存口増承小晏員11整員長:趙澤鋼土六像櫂i獣i卜19.:i =の J…̲̲̲L

歴史的風土の保存:継rlt晏員会報告lH2Qll

ホ整備書議会より筈申(H囲.21

169国通常目会にお与1て.F地域における慶史的風数0維持及び向上に関する法樺J制

(14)

2章  歴 史 ま ち づ く り法 の 概 要

1章で見てきた背景 か ら、市町村 によ り、文化財 を中心 として形成 され る歴史的な 風 情や情緒 を活 か したま ちづ く りを推進 し、国が地域 の取組 み を積極 的 に支援す るこ と に よ り、国及び地域 に とつて貴重 な財産である歴史的風致 の次世代への継承 を図るため、

歴 史 まちづ くり法が成 立 した。

2章では、歴史まちづ く り法の概要 を見てい くことによつて、その特徴や新 しさと い った点 を考察 してい く。

(1)法律 の特徴

歴 史 まちづ く り法 は、既 に述べてきた よ うに国会 での議決 を受 けて、2008年 (平20 )11月 に施行 された。 この法律 は文部科学省 (文化庁)と 国土交通省 、農林水産省 の 三省庁共管 であ り、従来、それ ぞれ が行 つてきたまちづ く り関係や景観保護 、町並み環 境整備 、農 山漁村 の活性化事 業、文化財 の保 存活用事業 の窓 口を一本化 して、それ まで 縦害1り で行 われ てきた事業 を、 この法律 を使 うことに よ り、一体的なまちづ く りの事業 展 開 を図 る とい うこ とがで き る とい う点で、画期的 な法律 で ある と言 える24。 また、市町 村 自身 が住 民 と連携・ 協力 して、歴 史的風致維持 向上計画 と呼 ばれ る計画 を作成 し、認 定 を受 けるこ とで重点的 な支援 を受 けることができる仕組み となってい る。市町村 自ら が地域 ごとのまちづ く りを行 つてい けることに よ り、歴史まちづ く り法 を使 つた地域づ

く りが これ か らます ます増 えてい くことが考 えられ る。

この法律 の内容 の特徴 としては、「歴 史的風致」 とい う新 たな概念 を導入 し、ハー ドと ソフ トの両面か ら支援 を受 け られ るこ と、それ に市町村 自らが計画 を作成 し、国の主務 大 臣か らの認 定 を受 ける と、計画 に基づいた さま ざまな支援 を受 けることができるとい

う点 にある。

以下、 こ うした特徴 について概説 してい きたい。

(2)「歴 史的風致」 とはなにか

歴 史 まちづ くり法 では、新 しい概念 として 「歴史的風致」 とい う言葉 を用い、法の第1 条 でその意味 を明示 してい る。

(第 1条)「この法律 は、地域 におけるその固有の歴史及び伝統 を反映 した人々の活動 と その活 動 が行 われ る歴 史上価値 の高い建造物及びその周辺の市街地 とが一体 となって形 成 して きた良好 な市街 地 の環境 (以下、「歴史的風致」 とい う)の維持及び向上 を図 るた め、文部科学大臣、農林水産 大臣及び国土交通大臣に よる歴 史的風致維持向上基本方針 の策定及び市町村 が作成す る歴史的風致維持向上計画 の認定 、その認定 を受 けた歴史的 風致維 持 向上計画 に基 づ く特別 の措置 、歴史的風致維持 向上地 区計画 に関す る都市計画 の決 定その他 の措置 を講ず るこ とに よ り、個性豊かな地域社会 の実現 を図 り、 もつて都

(15)

市 の健全 な発展及 び文化 の向上 に寄与す るこ とを 目的 とす る。」

この第1条に示 されてい る とお り、歴 史 まちづ く り法 にお ける「歴 史的風致」とは、「地 域 にお けるその固有 の歴 史及 び伝 統 を反映 した人 々の活動 と、そ の活動 が行 われ る歴史 上価値 の高い建造物及びその周辺 の市街地 とが一体 となつて形成 してきた良好 な市街地 の環境」 として、ハー ドとしての建造物 と、 ソフ トとしての人々の活動 を合 わせ た概念 であ る。

この よ うな歴 史的風致 を、特 に この法律 においては 「維持」す るのみでな く、「向上」

す るこ とが最 大の 目的 で あ る。歴 史 を活 か した こ うしたま ちづ く りを行 お うとす る市町 村 はそ のた めに、後述す る歴 史的風 致維持 向上計画 と呼 ばれ る計画 を作成 し、国の認 定 を受 けな けれ ばな らない。国の認 定 を受 ける と、市町村 が作成 した計画 に基づいて、様 々 な支援 が受 け られ る (認定 の仕組 み につ いて も後述す る。)。 市町村 が、 この歴 史 ま ちづ く り法 に基づ いた国 に よる支援 を景観 法 に よる規制 措置 とのア メ とムチ の関係25と ぃ ぅ かた ちで法律 を使 い、景観法 を補完す ることも、 この歴 史まちづ くり法 の 目的の一つで ある。

ここで、歴史まちづ く り法第 1条に言 う「建造物」26と は、建築物 に とどま らず、遺構、

庭 園等 、人 工的な もの を総称 した もの を言 うとされ るが、後 に見 る歴 史的風致維持 向上 計画 の中の重点区域 の核 とな る建物 については、①重要文化財 として指 定 され た建造物、

②重 要有形 民俗文化財 と して指定 され た建造物 、③ 史跡名勝 天然紀念物 として指定 され た建造物27、 ④重要伝統的建造物群保存 地区内の伝統的建造物群 に限 られ てい る (法 2 条第2項)。

また、「地域 にお けるその固有 の歴史及び伝統 を反映 した人 々の活動」28と は、祭 りや 年 中行 事等 の風俗慣習 、地域 において伝 承 され て きた民俗芸能 だ けでな く、伝 統的 な農 業・ 林 業・ 漁業 に関わ る生業・ 生産 、伝統 的な工芸技術 に よる生産や その販売 、鍛 冶や 大工等 の諸職 も含 んだ もの と解 され る。

こ うした歴史的風致 を通 じ、歴史的建造物等の 「ハー ド」 の面 と、伝統産業や伝統芸 能 とい つた 「ソフ ト」 の面 の両方 を守 るべ き もの として定義 してい る。従来 か ら伝 統産 業や伝統芸能 を守 る仕組 み は存在 していた ものの29、 それ は庶民 の生活 の営み とは離れた ところの もので あ り、人 々の生活 の営みに密着 した支援 とい うものは今 まではなかった と言 える。 それ は文化財保護側 とまちづ くり側 とのいわば境界線上 の ものであつたか ら で あ り、そ うした伝統産業や伝統芸能 にまちづ くりの面か らこの歴史まちづ く り法 が支 援 を行 うとい うこ とは非常 に意義 のあ る点であ ると言 える。

また、 この歴史まちづ く り法 に基づ く歴史的風致維持 向上計画 の作成 を通 じて、 自分 た ちのま ちの歴 史的風致 を定義 で き るよ うになつた30ことも大 きな点で ある。 以下では、

この よ うな市町村 それ ぞれ の歴史的風致 がいかに して歴 史まちづ く り法 を利用 してまち づ く りを進 めてい くこ とになるのか、その制度 の仕組みについて概説す る。

13

(16)

(3)法律 に よる計画認定 と支援措置 (i)歴史まちづ くり法認 定 にむ けて

(ア)仕組み

市町村 が、歴 史 まちづ く り法 に基づ く制度 を活用 してま ちづ く りを進 めてい くた めに は、まず主務大臣である文部科学大臣、農林水産大 臣及び国土交通大臣が法施行時 に作 成す る基本方針■に基づいて、「歴史的風致維持向上計画」 と呼ばれ る計画 を策定す る必 要 が あ る。 そ して この計画 の認 定 を主務 大 臣 と関係行政機 関 との同意 に よつて受 ける こ とに よ り、法律上の特例措置や支援措置 を受 けて、歴史 まちづ く りを進 めてい くことが で き る とい う仕組みになってい る。

(イ)歴史的風致維持 向上計画

歴 史 的風致維 持 向上計画 を市町村 で作成す るに当たつては、市町村 内部 局 の中で、文 化財行 政 とま ちづ くり行政 が緊密 に連携 し、計画 を作 り上 げ、 あ らか じめ計画 に記載 し

よ うとす る施設 の管理者 に意見 を聞いた り、公聴会や住 民の意見 を反映 させ る場 を設 け た りしてい く必要が あ る。 そ の上 で この計画 には、次 の よ うな事項 を記載す る必要 があ る。(法4条2項)その事項 とは、

①歴史的風致の維持及び向上に関す る方針

②重点区域の位置及び区域

③文化財の保存又は活用に関す る事項

④歴史的風致維持向上施設の整備又は管理に関す る事項

⑤歴史的風致形成建造物の指定の方針、計画期間等 である。

また、特にこの計画の作成 にあたつては、あ らか じめ地域に存在す る文化財等 を調査 によ り適切に把握 し、文化財 を周辺環境まで含めて総合的に保存・ 活用す るための基本 的な構想である「歴史文化基本構想」を策定 し、それを踏まえた歴史的風致維持向上計 画 となつていることが望ま しい とされている。

認定の基準 としては、地域の歴史的風致の維持及び向上に意義があることが重要であ る。伝統的な技術の蓄積等が行われ る場 として、地域の新たな文化や産業を創造する発 想 の源 として、また当該地域 を訪れ る人々が地域の歴史や伝統を体感 し、参加す る場 と して大きな価値 を持つ ことや、地域の歴史、文化、伝統を伝 えるための重要な観光資源 で もあ り、地場産業の振興や交流人 口の増加等、各地域のアイデンテ ィティの確立や我 が国の固有の伝統文化 を後世 に保存・継承す るとい う大きな意味を持つ ことが国の基本 方針の中で挙げられている。

そのほかにも、上記②に示 したよ うに国の基本方針においては、重点区域の設定に関 す る基本的事項等、市町村が計画 を策定す る際に、基準 となる事項が示 されている。

14

(17)

この よ うな国の基本方針 を基 に して、歴史まちづ くりを行 つてい こ うとす る市町村 は、

既 述 した よ うに歴 史的風致維 持 向上計画 を国に認 定 して もら うこ とが必要 にな る とい う 仕組 み になつてい る。 この計 画の認 定 の重要 な基 準 の一つ とな るのが、計画 に記載 され

るべ き事項 の うちの一つであ る、重点 区域 とい うものである。次項 で詳述す る。

(ウ)重 点 区域

「重点区域」 とは、「歴史的風致の維持及び向上 を図 るための施策 を重点的かつ一体的 に推進す るために市町村 が計画の中で指定す る地域」で、計画 を策定 しよ うとす る市町 村 は、必ず定 めなけれ ばな らない もの とされてい る (法 5条)。 この区域 は、市町村 の計 画 の中で も中心 となつて くるもので あ る。

重 点 区域 内には、核 とな る建造物 が存在 してい る必要が あ り、既述 した よ うに重要文 化財 建造物や重要伝統的建 造物群保 存地 区が存在す る とともに、地域住 民 に よる伝統産 業 、祭 りや年 中行事 が継承 され てい る地域32と なつてい る。 この区域 の設 定 に際 しては、

テーマ・ ス トー リー性 が必要 とされ 、総合 的 かつ一体的 に施 策 を推進 してい くこ とが必 要 となつてい る33。

だが、重点 区域 として設定 され た地域 には、特 に歴 史的 な建造物が残 されてお り、良 好 な市街 地 が形成 され てい る こ とが多い ものの、 この よ うな市街 地 において は、都 市計 画 の用途地域制 限 に よ り、歴 史的 な建造物 が本 来 の用途 で活用 され てい ない こ とが問題 となつてい る34。 その こ とと維持管理 の難 しさか ら、多 くの町屋等 が空 き地 になつてい る とい う現状がある35。 そ こで、この よ うな地域 において、「歴史的風致維持向上地区計画」

に よ り、歴史的風致 にふ さわ しい土地利用 (用)の設定 をす るこ とができる。

この歴 史的風致維持 向上地 区計画制度 は、市町村 が、歴史的風致の維持及び向上 と土 地 の合理的 かつ健全 な利用 を図 る こ とが必要 な土地 の区域 について、歴 史的風致維持 向 上地 区計画 に、当該 区域 の土地利用 に関す る基本方針 として地域 の伝統的な技術又 は技 能 に よ り、製 造 され た工芸 品等 の販 売 を主 た る 目的 とす る店舗や地域 の伝統的 な特産物 を主た る材料 とす る料理 の提 供 を主 た る 目的 とす る飲食店等 の地域 の歴 史的風致 にふ さ わ しい建築物等 の用途 、規模 等 を定 めることに よ り、用途地域 による用途の制 限にかか わ らず、歴史的風致 にふ さわ しい用途 の建築物等 の整備 を可能 とす るものであるとされ る。

また、重点 区域 内の歴史的建造物 を向上計画 に即 して 「歴史的風致形成建造物」 とし て指定す る と、建物 の復元修理等 には 「歴 史的環境形成総合支援事業」 による支援 を受 けるこ とがで きる。「歴 史的風致形成建造物」 とは、歴 史的風致の維持及び向上 に寄与す る公 共施設 で あ り、そ の保 全 を図 る必要 が認 め られ る建造物 であ る。道 路、駐車場 、公 園、河ノll、 水路 、運河 、海岸 、交流施 設 、体験 学習施 設、集 会所や案 内板等 に至 るまで 幅広 い ものが対象 となってい る。「歴 史的環境形成総合支援事業」等 の支援・ 特例措置 に ついては、次項で述べ ることとす る。

15

(18)

(五)支援・ 特例措置

市町村 が歴 史的風致維持 向上計画 を策 定 し、各種計画 をその 中に位 置 づ け、国の主務 大 臣 に よる認 定 を受 け るこ とに よつて、各市町村 は国か らハー ドとソフ トの画面か らの 支援や特例措置 を受 けるこ とがで きるよ うにな る。その支援や特例措置86と は、以下のよ

うな もので ある。

(支援〉

①歴史的環境形成総合支援事業

②都市公園事業

③まちづ くり交付金

④街なみ環境整備事業

⑤地域用水環境整備事業

特例措置)

①歴史的風致形成建造物制度 (第 12〜21条)

②農用地区域内の開発行為の特例 (第23条)

③文化財保護法の規定による事務の特例 (第 24条)

④都市公園法の特例 (第 25条)

⑤路外駐車場についての都市公園の占有の特例等 (第 26条)

⑥市街化調整区域内における開発行為の許可の特例 (第28条)

⑦屋外広告物法の特例 (規則第4条)

③特別緑地保全地区における行為の制限に関す る事務の市町村長 による実施(第 29条)

⑨電線共同溝 の特例 (第 30条)

⑩その他

このよ うな支援措置の中でも、特 に①の歴史的環境総合支援事業は、歴史まちづ くり法 に基づいて認定を受けた市町村の計画の重点区域において実施 され る歴史的風致形成建造 物の修理・ 買取、移設 。復原 を支援す るものである。それ とともに、あわせて実施す る歴 史的風致形成建造物に係 る防災設備 の整備 、歴史的風致を損なっている建造物等の景観上 の改善、歴史的風致形成建造物等の活用 を促進す るための施設の整備、伝統行事の活性化 に向けた取組みを総合的に支援す るとい う事業37でぁる。この支援措置は、重点区域に指定 されている地域のハー ドとソフ トを支援す るための事業で、既存の法律では対応できなか つた両面を補助す るものであ り、その限界 を克服す る上で大きな意義をもた らす ものであ ると考える。

またこのほか、税制面での支援や既 に述べた歴史的風致維持向上地区計画等、 さまざま な支援措置が用意 されている。 さらに、歴史まちづ くり法の計画認定そのもの と直接的に

16

参照

関連したドキュメント

のようにすべきだと考えていますか。 やっと開通します。長野、太田地区方面  

 チェンマイとはタイ語で「新しい城壁都市」を意味する。 「都市」の歴史は マンラーイ王がピン川沿いに建設した

 このようなパヤタスゴミ処分場の歴史について説明を受けた後,パヤタスに 住む人の家庭を訪問した。そこでは 3 畳あるかないかほどの部屋に

・本計画は都市計画に関する基本的な方 針を定めるもので、各事業の具体的な

溶接施工法が,溶接規格第2部に定める溶 接施工法認証標準に基づく確認試験を実

環境づくり ① エコやまちづくりの担い手がエコを考え、行動するための場づくり 環境づくり ②

民有地のみどり保全地を拡大していきます。地域力を育むまちづくり推進事業では、まちづ くり活動支援機能を強化するため、これまで

これに対し,わが国における会社法規部の歴史は,社内弁護士抜きの歴史