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マイクロティーチング授業の分析について

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(1)

マイクロティーチング授業の分析について

著者 太田 静樹

雑誌名 奈良教育大学紀要. 人文・社会科学

30

1

ページ 161‑176

発行年 1981‑11‑25

その他のタイトル An Analysis of Microteaching in Classroom URL http://hdl.handle.net/10105/2402

(2)

s。c).濫

マイクロティーチング授業の分析について

太  田  静  樹 (奈良教育大学教育学教室)

(昭和56年4月28日受理)

I 間     蒐

マイクロティーチング(MT)授業の実践において外国例に比して、わが国で特に問題になる ことは子ども役をどうするかということである。外国例では容易に子どもを使えるのに対して、

わが国では容易でない。やむをえず学生を子ども役に使うことになる。その問題点については本 紀要前号で発表したとおりである(1)。学生を子ども役に使うことにはそれなりの利点があるが究 極的には子どもを使うことに望みを托さざるをえなかった。

MTを教育実習のための有効な手段として利用する研究が最近諸大学において、また大学共 同のプロジェクトとして進められつつあり、毎年行なわれる全国国立大学教育工学センター研究 協議会において集中的に発表されている。井上のまとめによってもMTを研究しているほとん どの大学において子ども役には学生を使っており子どもを使った例は稀である(2)。藤間の実践例 は子どもの学級を4グループに分けてMTに子どもを使っているのはその稀な例である(3)。わ が国のMT研究ではMTで何を訓練するか、それには教師として望ましい資質、あるいは必 要な技術を抽出することが先決とされ重視されている。その理論と実験的研究も必要であるが、

われわれはMTを教育実習に関連させて利用する場合、いかなる条件の下で有効に運営しうる かの具体策の確立を絶って研究している。米国のようにMTのためのシステムが独立的に機能 しているのと異なって、わが国では現在の教育実習課程の中にMTを有効に導入せざるをえな いと思う。われわれは前からの研究に引き続きMTの子ども役について、子どもを使うのにい かなる問題があるか、その可能性を考察するのが本稿の第1の目的である。

次にMTの評価にかかわる問題である。 MTが教育実習にいかに有効であるかはMTを本 番授業と関連させて評価しなければならない。今までのMTの研究では教育実習とは一応切り 離してMTを反復する過程でその効果を評価するのが普通で、最終的には本番授業に応用して みるのであろうが直接本番授業に開通させていないのが多い。教授技術の訓練のためにはそれが 有効であろうが、われわれは教育実習課程に有効に位置づけしたいし、 MT授業と本番授業と を比較研究し内容を分析しながら、その評価を明らかにしたい。それが本稿の第2の目的である。

Ⅱ 方法について

われわれは1980年9月〜10月にかけての本学の教育実習期間の第3‑4週にかけてMTを3回 実施した。対象は付属小学校第2学年1組である。

第1回 9月26日(MT)   算数「3つの数の考え方と式」指導者E.K. (教生) 27日(本番授業)

161

(3)

第2回10月1日(MT) 3日(本番授業) 10月8日(MT)

9日(本番授業)

社会科「工場で働く人々」指導者S.T. (教生) 理科「糸電話」指導者H. T. (教生)

このうち第1回の算数のみMTの子ども役に子どもを使い、あとの2回は学生が子ども役にな った。その実施方式は  MT指導案の作成‑MT授業‑批評‑本番授業指導案作成‑本番授業

‑批評

MTは毎回放課後約20‑30分実施し本番授業はその翌日又は翌々日に行なった。批評はそれぞ れ直後に行ない、その指導は学級担任教師及び学生指導担当の大学教師が行なった。

実施方法

1. MTに関して教生たちには事前に指導の大学教師から簡単な説明をするだけで特にその教 育をしていない。故に教生はMTについて充分な認識をもってやったわけでない。

2. MT授業の計画は指導者(教生)の自由に任せた。 MTに何を取上げてどのようにするか は、ある程度構想されている後日の本番授業から考えられた。その際同学級の他の教生と協議を

した。

3. MTのあと20‑30分の批評会をその場でもち、それを参考に指導者(教生)は翌日の本番 授業の指導案を検討した。

4. MT及び本番授業はすべて録音、録画とりした。批評会の時には使用しなかったが、後日 授業分析の資料として利用した。

われわれの実施した以上のような方法が果してMTとしてふさわしいものであったかについて は疑問がある。何故なら上述のように教生はMTを明確に認識して計画的には行なえなかったし MTを何回かくり返し訓練的に行なうこともしなかったからである。しかし本番授業と密接に開 運せしめたMTとしたことは、 MTを本来教育実習に有効な方法たらしめるという趣旨には合致

しているのである。 MTで重要なことは単に短時間の授業をやるだけでなく評価を伴なった強化 のシステムをもつことである。われわれの趣旨からは MT‑本番授業一再MT か又は 本番授 莱‑MT‑本番授業 のサイクルを成立せしめたかったのであるが、その余裕はなかった。余程 学級担任と強力な協力体制をとらなければ寛行の教育実習課程では困難である。故にわれわれの 方法はMTと称しているけれどもMTとしての全き性格のものではない。教生にMTの計画を任

したのは教生自身が予定の本番授業から何を最もやりたいか考えさせる動機付けになるし、 MT に意欲的に取組むだろうと判断したためである。事実教生たちは本番授業の予行の如く考え、出 来るだけ本番授業に近い形で内容も多くなる傾向が強かった。教生としてはもっともな心情であ るが、出来るだけ単純な方法、内容でというMTの性櫓からは遠ざかるもので、その矛盾が問題 になる。

もう1つの問題はMTを本番授業に密接に関連せしめる限り、同じ内容を反復することはでき ないし、時間的にもその余裕がないということである。本番授業もやり直すことは出来ないから 次のMTをやるとすれば次の内容ということになる。訓練には反復練習が必要であるが、それが 出来るのは、やはりMTが独立のシステムとして本番授業とは切り離されて自由に内容が選べる 場合であろう。

(4)

それにもかかわらずわれわれがMTを教育実習課程に密着させてやろうとするのは次のような 意義を認めるからである。

1.教育実習中であればMTをやっても、すぐにその成果を本番授業で試してみることが出来 る。 MTの評価はMTの反復過程でも出来るけれども究極的には本番授業で決められねばならな いものである。但しその際は教材及び内容の展開が主になるのであって技術訓練的な面は適して いないといえよう。

2.学級担任教師の指導が常に得られることである。 MTを行なう学級の子どもの実態は担任 教師が熟知しているのであって、それに即応した指導が即時適確に出来る。 MTの授業内容が教 生の指導では(特に教生が子ども役の場合は)抽象的に陥入り易いのに対して担任教師が臨機応 変に指導できるのは実習中ならではのことである。

3.実習では本学では学級に6‑7名の教生が配当される。しかもそれぞれ専門の異なった教 生がMTの研究グループをなすことができる。 MTの計画、教材作成から評価に至るまで相互協 力、補助、批判が出来るわけでMTの内容を自主的に強化出来る意義は大きい。教生が子ども役 をするのにも、その子どもたちを常に観察しているから有利であるし、 MT実施時においても資 料としての録音録画とりは不可欠であるが、その協力分担には数名の者が必要である。 MTを実 習における教生の自己学習方法として活用することも可能であり必要であるという研究もなされ ているが(4)、学級担任教師の指導に常に依拠するのでなく可能的に自己研修の機会と場にMTを

していくことは教育実習の目的に適うことであり、そのような研究グループであることが望まし い。

4. MTの子ども役に子どもを使うには教育実習中は最適の時期である(と考えた)。何故な ら学級担任がその時々に数名の子どもを指名して残せばよいからである。わざわざ学校に出かけ て子どもを借りうけ、別の所に連れていく必要がないからである。今回のわれわれの研究計画で はMTに子どもを容易に使えるであろうと予想していたのであるが、実際は非常に困難でわずか

1回しか実現出来なかった。実施上次のような問題点があった。

(1)かりに学級の子どもを数名選んでMTを行なったとしても、その子どもたちは本番授業 で部分的であれ同内容の授業をうけることになる。同じ内容の学習を二度することは少数とい えども、その子どもたちにとっては内容の新鮮さと学習の意欲を欠く恐れが多分にある。 (学 習の二度性)このことは本授業をして正常的にしないかもしれないという恐れから、われわれ は同学年の隣の学級の子ども(6名)を借りてきてMTを実施した。これによってMTを実施

した学級における学習の二度性の問題はなくなったが、隣の学級からきた子どもはやはり同じ 問題に悩むかもしれないのでこの問題は解決したことにならない。この問題を解決するために は、 (i)その学級の子どもを選択する場合に、同じ内容を再学習してもよい子ども、例えば 反応の遅い子ども、遅れがちな子どもにとっては、かえって本番授業で分り易いかもしれない。

即ちどういう子どもを選ぶかの問題である (ii)学習内容選択の問題で学習の二度性を解消 するには本番授業に関係ない内容を選ぶことである。しかしこれはMTを教育実習期間外に別 の所でやるのと異なって、本番授業のためのMTであるとすれば、教生にとって本番授業に関 係ない内容を取り上げることには余裕もないし苦痛を感ずるであろう。それが現状である。

(2) MTに用いられた子ども自身についていえば、 MTに残された子どもたちは何故自分た ちだけが放課後授業を受けなければならないのかの疑問と不満をもつことである。そのために 学習意欲をもりたてないし真釦に学習に取組まない原因となる.また放課後普通教室を使用す

(5)

るため(そうせざるをえないのであるが)、廊下、窓外に騒音が絶えずあり、子どもたちは落 ちついた学習が出来にくいことで、これは低学年ほど難しいことである。これを解決するため には子どもたちにMT授業について理解せしめMT用の教室(特別)を設けることであろう。

(3)計画に余裕のない現行の教育実習課程(本学の教育実習期間は4週間)にMT研究を取 入れることは学級担任にとっても教生にとっても過重負担になることである。理想的にはMT の導入によって実習の効率化を図ることであり、例えばMTによって実習期間の短縮が出来、

また指導教師の負担を軽減出来ることであるD スタンフォード大学では週25時間を過10時間く らいまでに短縮出来たことを報告している(5)藤岡の研究報告によれば指導教師の負担はMT の利用によって従来の方法よりも1単位時間と約3時間30分くらい軽減している  MT利用 の効果を実証しない限りMTを実習に導入することに抵抗あることはやむをえないといえる。

わが国の研究でもその実証例は少なく今後のわれわれの課題でもある。

以上方法論について特にMTの子ども役に子どもを使う問題点について論じたのであるが、わ れわれの実践はまだ1例にすぎず、今後の多数の実践によって問題を解明していかなければなら ない。 MTの子ども役に学生を使った実践例も含めて以下その結果について考察していきたい。

Ⅲ 結果 と 考察

1. MT授業の類型について

MT授業実施の結果、次のような3つの型が見出された。これは始めから教生が意図したもの でなくて結果として分類出来たものである(7)。

図1 マイクロティーチング(MT)授業の類型

標準型i

本!番 授 業

..、一、、、‑‑.、..、一、、一一一、...、‑‑

本 番 授 業

M T

拡大型! 1‑‑‑.‑I‑‑‑‑..‑.‑‑.

S3EJ 恩 ヨ

(1)標準型(又は部分型)一一MT本来の性格を示すもので本番授業の一部分(内容又は教 授スキル)を取上げ、時間的にもほぼ同じにする。従って本番 授業に、内容を修正しても取入れ易い。

(6)

(2)縮小型‑一・本番授業の縮小版とでもいうべきもので本番授業の大部分の内容を含む。従 って各内容は短時間に圧縮せられて充分に指導出来ない。そして全体的にはM Tの時間は長くなる傾向である。内容が多すぎるのはMTの粗いに反するが教 /JIのMTにはこの型が多い。本番授業について出来るだけ多くやっておきたい という心情からであろう。下手をするとこれは本番授業の予行演習になりかね ないので警戒を要する。

(3)拡大型・‑‑本番授業の一部内容をMTでより多くの時間をかけて吟味するもので、その 結果を本番授業では内容的にも時間上も縮小して試みることになる。慎重派の やり方であるが教材研究には役立つが、それをどう圧縮するかが問題になろう。

以上3種のタイプは形式的な分類であるから、どの教科にも適応していえるであろう。時間的 内容分量的に類型化したが実はこれらは内容質的にみれば3つのタイプとも、かなり修正されて MTから本番授業に使われているのである。また修正されるところにMTの意義がある。教生は MTを試みて始めて経験として授業の不適合点を感得するのである。なかには基本的方針まで変 更する場合もある。そうなれば果してMTといえるかどうか問題である。訓練的性格がなくなる からである.しかし前述してあるようにわれわれのMTは訓練的よりも内容開運を重視し、それ も1つのケースとして認めているのであるO スタンフォードのMTは5分を標準としているが、

われわれのMTではとても無理であって少くとも10‑20分を必要とみている。それもやはりMT と本番授業との内容的展開、構成を重視しているからであって余り細分化(時間的に)された場 合にはそれが捉えにくいのである。以下実例によって考察してみる.

図2 算数の授業

MT 問題呈示

* a   W

本授

(5十3)十4i

:5+(3+4):まとめ

1‑‑‑‑I

"i"・、 ∴

(20#)

I: ‑、・・・、̲̲

問 題 呈 示 . ( 5 十 3 ) 十 4 5 + ( 3 + 4 ) ま とめ

図2は算数の例でMT授業での出題は「先生は日曜日にバッタを5匹とコオロギを3匹とりま した。月曜日にコオロギを4匹とりました。全部で何匹でしょう」である。本番授業の内容とほ とんど同じであり典型的な縮小型のMTである。

時間的にみると     第1テーマ 第2テーマ まとめ  計 MT授業      20分 本番授業   33     20        57分

これによって分るように本番授業においてはMTの内容をそれぞれ3倍〜4倍に拡張したわけ であるが、それで適切に進んだというわけでなく却ってかなりの混乱がみられた。それはMT授 業は教師中心に進めたのに対して本番授業では子ども中心に進め、粗いはよかったが、うまくま

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とめきれず予想以上に時間がかかったのであるD MTどおりにいかないことを授業者(教生)は 痛切に感得した例である。本例は特に子ども役に子どもを使ったMTの授業であったが、やはり 少人数の子どもと学級全員とでは対象の性格が異なることを示している。

図3 社会科の授業

経 験 き き 問 題 と 本 質 I O H P (工 場 とは )

番業本授

図3は社会科でこれも前例と作じく縮小型となっている。 MTの時間は24分で本番授業の半分 強に当り、その内容もほとんど相対応している。その中で目立つ点は最初の問題提示(工場とは 何をするところか)についてMTは9分に対して本番授業では14分とり、次の「工場とは何をす るところか(本質機能)についてはMTで2分に対して本番授業で5分とるなど本番授業で重要 な展開部分をなしていることである。 MT授業の問題点が修正され本番授業では具体的かつ簡潔 となり比較的要領をえたものになった。その意味では縮小版のMTが功を奏したといえる。しか

しこれも教師(教える側)の立場からの見解であって果して子どもがどの程度に把握しえたかは 分らない。その他に指導法上の問題があり、恐らく学生が子ども役をしていることからくる結果 と思われるが、それについては後述する。

図4 理科の授業

経験 きき 理由きき(なぜきこえる)

(たる∃

i Hi^^^^^^^^^^^^^^K

事業本授

図4は理科の例で拡大型のMTである。 MTの授業時間がかなり長い(32分)のは、問題提示 としての糸電話の原理について(学生が子ども役であったために)つい難しい議論をしたためで ある。あとの批評会で学級担任の助言により本番授業ではかなり廟略にし具体化した。即ちその 部分のみみればMTで16分の内容をわずか6分にまとめている。そして大部分を実験による確認 に費した。本番授業の目的は糸電話の経験を原理的に確認させることであったが、原理的な話し 合いのまとめが6分でよかったか(効果的であったか)は問題でそれを確認する(評価)必要が tJEE*

(8)

以上教生の行なった3例のMTが縮小型と拡大型とに分類されることを、やや内容に関連して 説明したが、標準型(部分型)はなかった。ということは教生はMTに内容を多くとり過ぎ、時 間をかけすぎているということであり、重点的な内容にしぼりきれなかった。その理由は教生が 本番授業を意識しすぎることにあるが(教生の心情としてはうなずけるが)、これはMTを本番 授業に関連づける欠点といえよう。さらに詳しく以上の3例の授業内容を比較検討すると、いろ

いろの問題点を見出すことが出来る。以下MT授業と本番授業の内容、経過を併列的にみて問題 点を考察してみる。

2. MT授業と本番授業との比較分析

MTの授業を従来の授業分析の方法で、あるいはそれを簡略した方法で分析する研究や、教生 の授業を熟練教師の授業と比較する研究はなされてきたが、 MT授業と本番授業との比較研究は

まだ見当らない。前述のタイプ類別はその形式的比較であるが、さらに内容、方法的に資料に即 して検討してみたい。単に両者の要素の量的比較でなくて内容の修正をふまえての意味的考察が 必要である。それは後述の評価とも関連することである。

(注意:以下の資料についてi.教師(教生)の発問のくり返しは省くことが多い。 "・ 子ど もの応答、発言を教師が受けて反復するときは省くことが多い。 iii.授業記録は時間 経過に従って叙述したが、空自のやや多い部分は沈黙、思考、作業または板書をして

いるときである。)

例1 算数「3つの数の和の考え方と式」    指導者E. K. (教生) 時間I MT授業(子どもは6人)

8

10

12

14

本  番  授  業 (教師)、問題(紙)を黒板にはる。全部で何匹

でしょう? 式がいえる人?‑(子とも)8+4 5+3+4、 7+5。

バッタとコオロギを日曜日にとったのを虫カゴ に入れました。何故入れたの?

どうしてこれだけいっしょにしたのか?

これを式に1つにまとめると

匡車重I+4 これでは面倒くさいな。こんなに 書いたら  ‑ (5+3) +4

これどういう意味か知っているか? これはか っこといってこの中を先にたす ‑8+4

バッタとコオロギをいっしょにしたらケンカし た。ケンカやめさせたいときはどうしたらよい?

‑これをこっちに‑‑

これでどう? これならよいね。これを式に書 いたら、これを式にしたら   蝣7+5

他に?皆これか? 日曜日のコオロギとバッ タをいっしょにするときは(5+3) +4, それでは‑4+3をかっこに入れてたす5。

皆どう思う? 違うと思う人? どっち?

これでよいという人? そうだね。

こっちはバッタとコオロギを1つにまとめた。

(教師)問題(紙)を黒板にはる。

‑(子ども)やろう、やろう。

誰がやれといった。ひとしはバッタを5匹、コ オロギを3匹、ますみはコオロギを4匹とった。

このままにおしたらどうなる?‑死ぬ。卵を生 む。逃げていく。

どうしたらよい?‑箱、ナイロン袋、 ‑‑

入れてみよ‑ (子ども前に出て書く) 1つに入れた。これならどう?‑よろしい。

家に持って帰ったら誰のか分らん。どうしたら よい?‑バッタとコオロギを同じに分ける。(節 に出て書く)0

どうですか?‑ちがう。

なぜ? ちがう人?‑‑‑

バッタが動く‑もう1つのカゴを

(前に出てもう1つのカゴを黒 板にかく。)

どうでしょう?‑よろしい。

これなら逃げない。こっちは誰が取ったかな?

‑ますみ、ひとし (教師、名前の紙を黒板にはる。)

こっちは7‑ますみ

( lO +C O) +^ f

(9)

IK

18

20

46

こっちはコオロギだけをいっしょに入れた。これ を先にしま叫というのがこれ。今まではこういう

(5+3+4)式だったのを‑‑

この式も2と替りのやり方がありますOバッタ とコオロギを1つにするのと、サオロギだけを1 つにするのと、 ‑‑

そしたらこれはいくら   ‑12。こっちは?

‑12。

結局答は同じ12になります。やり方は2つある が答は同じ。 (級)

ひとしが取ったのは? 何を取ったか見れば分 るな。 ‑バッタとコオロギ

これは?‑コオロギ

mmam白

全部で何匹というときどうしたらよい? これ とこれを使って式を作ったら?

全部で何匹というとき、何をどうしたらよいか

?‑ (子ども約%挙手) 全部で何匹というとき  ‑12。

12だが1、 2、 3、とするか?

皆かしこいからしないな? これとこれを使っ て合せていくらでしょう?‑たしざんをする。

これとこれを足したら全部になる。ただコオロ ギとバッタでは算数ではない。 ‑理科

コオロギとバッタは他に代えられない?‑

‑たしざんをする。

5+3になってますみが4で5+3+4,

ッタとコオロ (紙)これでよい。どうして

赤でかこっているか?‑逃げないように。大事 だから。なぜ?‑足すのだから‑‑・

ひとしのみが分るように、まぜたらだめなので これを数字の式に直したら   蝣5+3+4

これでひとしのみが分るか? 分るようにした い    8+4

どうした?‑ひとしのバッタとコオロギを1 つにしてますみのコオロギをいっしょにした。

直亘F+4ノートに書いたら面倒くさいから

‑ (5+3) +4 とかく ‑8+4 ひとしのバッタとコオロギがケンカした。どう したらよい? 注意しますか?

虫カゴは2つしかありません。 ‑‑‑

‑ますみのバッタをひろし のカゴに入れる。 (前に出てする)

どうですか?‑よろしい。

そしたら、こっちは何や‑バッタ こっちは?‑コオロギ

バッタを取ったのは?‑ひとし コオロギは?‑ひとしとますみ

V<vS 互車重司

ひとし ひとし+ますみ 全部で何匹どうしたらよい?‑‑‑‑

コオロギはますみとひろしのを合せた。 ‑よ ろしい。 これを式に直して   ・5+7

どうか?‑よろしい。

7はどうした? これでよいか? 1つにまと

;めるのにどうしたらよい? 7はどうして7と出

< n +   ( ォ + 蝣 * )   に つ い て

(10)

54

たか?‑ひろしのコオロギとますみのコオロギ を合せて‑‑ 3+4を合せて‑‑

このままでよい? 算数でどうしたらよい?

(5+3)4‑4, どうかな?‑よろしい。

これは何? どうして1つにまとめた? 3は バッタか? これはひろLが取ったので赤いカッ

コをした。そしたらこっちは? 何故先生は赤い カッコをしたか?‑ますみの入れ物に入れた。

先生がどうしてコオロギを1つに入れたかな?

この5は? そしたら   ‑5+ (3+4) コオロギをまとめるときにはこうやる。どこか ら計算するか?‑カッコから。 7+5、 5+7

8+4の答いくら  ‑12

(5+3)十4‑8+4‑12、 5+ (3+4)

‑5+7‑12。答は同じ、やり方は2つあった。

だから考え方と式。 (終)

このMT授業が典型的な縮小型であることは既に説明した通りであるが、 MTとして望ましい タイプではない。何故ならMTは本番授業の一部をとりあげて試行し教える側、教えられる側に おける問題点を指導者(教生)が見出すのが粗いであるからである。もし問題を見出さなかった ならば、それはMTに取上げる必要がなかったか、問題をよう見出し得なかったためであろう。

(この際、教授スキルの訓練については一応おいておく。)縮小版の授業では短時間に問題を見 出すことは明らかに困難である。本例はあえてそれを試みた例であるが結果からみてやはり無理 であったことを示している。

例えば、第1テーマの(5+3)十4、第2テーマの5十(3+4)について本番授業でかな り時間をかけているけれども、子どもを納得せしめにくかったのは、 (5十3)十4の( )の 意味が5+ (3+4)の( )に転移しなかったことによるo MTだけをみればスム‑スに授業 運びが出来たようにみえたのは教師中心の説明でまとめたからである。子どもの意見を取上げて もどく少人数であるため、つい教師が主導的に進めがちである。 (ここにMTの問題もある。)

( )の意味を充分に分らせるためには時間をとって簡易な類似の問題をやらせる必要があった のでないか。そのような重点的なMTが望ましい。子どものどこに問題があるかを掴んでいない と多人数の本番授業になったときに、まとめきれないのである。

しかしこのMTにも効果はあった。始めの問題提示においてMTでは「先生が日曜日と月曜日 にバッタとコウロギを取った」という想定であったのを、本番授業では「ひろLとますみがそれ ぞれとった」という想定に変えた。時間系列から個人別にしたことは子どもにとっては身近かな 親しみ易いものになったし、またバッタとコウロギの群の絵(画用紙)を黒板にはり、しかも分 割出来るようにしたのも、小2の子どもに文章題を考えさせるのに具体的で興味をもたせた。こ れはMT授業の反省から出てきたものである。

(11)

それにしても、 2つの( )の問題、即ち、大別に虫を分ける‑種類別に分け直す、 1つのカ ゴに入れる‑‑ ( )にくくる、この2種類2段階の操作的命題がうまく取扱われなかったのは 子ども側の認識と教師側の指導とが、うまくかみ合わなかったことを示している。子どもたちは

3つの数の和は簡単に出せるのに数の意味によって集合的にくくることが、われわれが考えるほ どにスムースにいかないのはその発達段階から考えてどうなのか。あるいは教師の指導に問題が あって難しくないのに、かえって分りにくくしていたかが問われるのである。この例では恐らく 後者であろうとみているのであるが、初めてMTを試みた教生にとっては短時間に指導のポイン トを見出すことは簡単のようにみえて実は難しい。故にこのMTも第1のテ‑マ(5+3) +4 の問題に限定して子どもの理解と操作能力について試してみることが望ましかったといえる。

例2 社会科「工場で働く人々」    指導者S. I. (教生) MT授業(子ども役は学生)   1    本  番  授  業 (教師)工場をみたことのある人?‑

‑ (子ども)山の近くで・‑‑、大阪で松下の‑

どんな建物ですか? 屋根の形は? 煙は?

‑煙突があった‑‑

大きさは?‑体育館より広かった。

(OHPで工場の写真を写す)これはどこかな、

町の中の大きな工場。工場の屋根、これは何かな

‑煙突。これは? ‑鉄道。 自動車が走っ ている。次のこれも屋根が三角。工場の近くに道 がある。次にここにある木材‑見たことある。

材木工場。ここは材木の集まり。これは丸太。

10

12

IE

16

18

20

皆に工場をみてもらったが、工場の中では何を しているか?‑何か物を作っている。

工場の中で作られているものを教室であげてみ たら?‑ピアノ、時計、机、テレビ、筆箱‑‑

机で考えてみると、これは何から出来ている?

‑木O机を作る工場では木から作っているO この花ぴんは何から出来ている? ‑土。

皆が給食で食べているパンも工場で作っている

‑パン屋さんは工場か?

パンの元は何や? ‑白い粉。小麦粉といい ますoチーズ(物を示す)は?チーズは何から 作られていますか?‑牛乳から出来ている。

でもこれは固まり。牛乳でよいと思う人?

そうです。牛乳から出来ています。 工場では木 を育てているのか? 工場に小麦粉があるのか?

工場の周りに道路や鉄道があったことを思い出し て、 ‑‑‑‑運んだ。 ミルクも小麦粉もよその 工場で作り、それをここに運んでくる。

始めに工場では物を作っているといったが、も っと正確にいえば工場では何をするところか?

‑生産。 始めから工場に木があってしてい

(教師)工場を見たことのある人?‑鶏を飼っ ている工場、 ‑‑関西電力、 ‑‑・

どこにある?‑電話の‑‑あやめ池の・‑・・

大きい工場? 中に入ったことある?‑家の 横にあって‑‑‑古い。 坂があって一一

他にも工場を見たことのある人?‑煙が出て いて‑‑ (OHPを見せる)

先生が見た工場‑煙突や。 これ屋根の形を みて‑変っている。 ‑‑

これ何?‑道路、線路、

これ何?‑川、用水路、

工場広いね。建物は分るね。この榛にあるもの は?‑材木o これら全部木、丸太。一杯積ん

である。一一

今、工場を見て貰ったが工場は何をする所か?

‑物を作っている所。

他に意見? 皆同じ?

この教室の中で工場で作っているものを探して みよう。 ‑机、時計、テレビ、木立、電気、‑‑

他に?‑ピアノ。 まだ一杯あると思うが机 についてこれは何から出来ているか?‑‑‑・

先生の机で考えて‑木。

木から机は出来ている。

植木鉢は何から出来ている? ‑土。

他に?‑粘土。

粘土でも土でもよいが植木鉢は粘土で出来てい る。 (パンを示す)これは?‑小麦粉、麦、

2つの意見が出たがどうかな?別の工場で麦か ら小麦粉に。どちらでもよい。

小麦粉とはどんな物? ‑白い粉。

これは何?‑チクワ、カマポコ。

これは何だろう?‑負

経験のひき出し(導入)()

(12)

22

24

る? どうかな?‑加工。 工場では物を作り 変える仕事をしている所。こっちとこっちと物を 作っている所に間違いないが‑‑

皆、今日のところをノートにかいて。 ‑・‑どん な機械で作っているか今度パン工場を見学にい く。 (終)

カマポコは魚から出来ている。

これは?‑チーズ

チーズは何から出来ているかな?‑牛の乳。

皆そう思う?‑牛乳と思う。

皆黒板を見て。赤い方と青い方と分けて赤い方 は何といえるか?‑もとになったもの。

青は何だと思う?‑もとになったものから出 来たもの。

よろしいか? この元になるもの、赤くかこん だものを(板書) ‑原料や。 この言葉聞いた 人? 青い方は?‑製品や。

それでは工場は何をする所か? ‑原料から製 品を作る。どうですか‑よろしい。

始めに工場はいろいろな物を作るといったが、

物とはどっちかな?‑青い方。

まとめると工場は原料から製品を作る所、皆で 言ってみよう。 ‑材料から机を作る。 ‑‑

今日のところをノートに書きなさい。

(教師 巡視)

それでは (OHPを見せる) これ何?‑人間や。

これは丸太を‑‑切る人が大きい機械で・‑‑

人が一杯いるねO皆がはいているもの‑靴下

‑何をしているの?

これが最後に出来たもので・・・‑箱がある。 ‑i 運んでいる。今度はパン工場を見学にいく。

p n H

U

( )

この例も例1と同じく縮小型である。しかも本授業はこの単元の第1次第1時である。子ども にとってはこの単元最初の授業である。そのような場合、 MTはまず指導内容に対して子どもの もつ知識、経験を調べることであろう。その点からいえばこの例2のMTは内容を多く取りこみ すぎたといえる。授業者(教生)はMTの粗いを本授業そのままに工場は何をするところかとい う本質把握におき、工場の本質的機能を、原料を製品化することとおさえている。いきなり本授 業の粗いをそのままにMTに求めることは無理である。子どもには難しいことである。それをM Tでかなり進めてやっているのは子ども役を学生がしているからである。当然の順序としてこの MTでは工場に関する子どもの知識、経験を予備診断的に取り上げるのがよい。このMTでもそ れを始めに8分間とって行なってはいる。その場合子どもの発言から今後の授業のための問題点 を抽出すべきであるのに問答は形式的にすぎず,むしろ重点は OHPをみせて教師の用意した 写真から工場の概観を説明することにあった。それよりかは前述のように工場に対する子どもの 興味、疑問等の内容、程度が分る発言を引き出すべきであった。しかもその OHPは工場のふ かん図(写真3枚)で非常に分りにくいものであった。指導者(教生の説明のし方もスクリーン

(13)

に向ってであったために、 MTではそれほどでもなかったのに本番授業では前の方の子どもしか 聞きとれなかった。 (ここにMTが少人数であるための弊害が表れている,) MTのあとの批評会 では OHPの写真の内容については批判されたが(それでも止むをえず本番授業でそれを使用

したが)、その説明方法については見落されていたのである。少人数からくる落し穴といえる。

MTでは工場の本質的機能について(学生が子ども役をしているため)搬入‑生産一加エーの 過程をあげている。 (子どもであればこのような概念は出てこないであろう。)これに対して学級 担任の事後の助言もあって本授教では、原料‑製品化とした。それに集約していくために原料、

製品の実物をそれぞれ示し原料‑製品の関係を確実に理解せしめようとした。そのために本授業 では14分も時間をとって授業展開の中心部をなした。そのことは効を奏したようにみえるが子ど もは既に原料、製品という言葉は個別的に知っていたようで、それを工場の機能として開運的に 把えさせ、より高次の意義を成立させたことになるが、それがどの程度に把握されたかは、さら に他の語例を出して応用質問をしながら評価していく必要があろう。

例3 理科「糸電話」    指導者 H.T. (教生) MT授業(子ども役は学生)

(教師)糸電話あそぴでノートに書いてきたはず だが分ったことを?‑ (子ども)紙コップの底 がぶるえていた、一一  どうして分った?‑

指でさわってみた。

他に?‑指でつまむと聞こえにくい‑‑I 物があたると聞こえにくい。糸がたるむと聞こ えなかった。指で紙コップの底をさわった人ある かな?

つまむ、たるむと聞こえにくいかやってみよう (やったことにする) 今度は紙コップの底にさ わるとふるえているか、やってみよう。 (やった ことにする) 他にやってみた人あるか?‑糸 をつまむとぶるえていた。もう一度やってみよう

(やったことにする)

を作ったことを思い出して ふるえていた? i

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12

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16

18

L:‑'i L TうミijJSt'‑s :'iv間こ・・u<?*蝣・‑サ・? i.l.1.1二ォ」.

音がしているところはふるえていた。ではどうし て糸電話で聞こえるのか?‑ふるえていたら聞

こえる。

どこがふるえていたか7‑底や糸が。聞いて いる方の底は分らない。 じゃやってみよう(や ったことにする) 音はどうして伝わるか?‑

糸の中を通ってきた。どうしてそう思った?‑

こっちへ通るしかない。糸電話を使ってここがふ るえていることは、ぶるえているところを伝わっ ている。音がする。ふるえているから伝わる。

‑伝わるのはどこか?        { 音がしているのはふるえていることが分った。 :

本   番   授  業

(教師)昨日糸電話で遊んでいたとき、こんなこ とに気がついたことは?‑太い糸と細い糸・・・‑

細い糸の方が高かった、よく聞こえた。他に?

‑マッチ棒をくっつけるとふるえた。

どこかさわってふるえたことは?‑糸、底、

聞く方にさわってみたか?‑ふるえていた。

他に?‑糸が下にぶよんとなったら聞こえな い。真すぐにしたら聞こえる。

他に?‑糸電話のねもとをやわらかくすると よく聞こえた。 ‑‑‑大きい声はよく響くが、小さ い声は響くのが‑・一家で兄とピンとはってしゃべ ると‑‑‑糸をもっていうと余り分らない。

他に聞こえにくかったこと?‑糸がもつれて いても聞こえる。

もつれていたら聞こえにくいように思うが聞こ えたか?

いろいろ言ったが糸電話はどうして声が聞こえ るのか?‑紙コップの振動で向うまで.

振動の分る人いるか?‑いろんなとこに通報 声を振動で送っている。どうしてか7‑紙コ ップの中で糸まで伝わる。 すると話した人の声 はこの糸を伝わっているのか?つまむと伝わらな いのはどうしてかな?‑戻っていくO

話している時は底の糸がふるえ、聞こえている 時はこっちの底や糸がふるえる。音が糸を伝わっ ていくこと分ったな。

音が伝わるのは糸だけか?‑針金、エナメル、

白糸、タコ糸一一。 これナイロンテープ。聞こ

( )

問題提示(なぜ声は伝わるか)

(14)

20

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こっちの話がこっちで分ることは音は糸を伝わっ ていることだ。それが伝ってきたことは糸がふる えてまたこっちのコップの底がぶるえていること だ。 ‑ぶるえていることが伝わる?

ぶるえていることが伝わる.ここを伝って紙コ ップの底を‑‑・話す人が早くふるえている。確 かめれば分る。 ‑糸を音が通るならビンとはっi ても、たるんでいても聞こえるはずだ。

よい質問だ。どうしてか?たるむと聞こえない のは?‑糸のふるえが途中でなくなる。

昔がしているところはふるえている。だからふ るえと共に音が伝わってきた。糸がたるんだ時と ビンとはった時とどちらがよく聞こえる?‑

ふるえないから聞こえない。 どうして?‑

ゆるやかにしたらふるえが弱くなる。

たるんだ時はふるえないから聞こえない。

音は糸を通してこっちから伝ってくる。

まとめると、ここで話が.ふるえると糸に伝わり 音はこの糸を通ってこっちから伝ってくる。

昔は糸を伝わってこっちからこっちのコップに 伝わる。分った? (終)

えるかどうかやってみよう。

ゴムはどうかな? (やってみて聞こえない) これは普通の糸(紙をつけている)。

RS

うかな? (やってみて聞こえる)

エナメル線、これはどうかな?‑聞こえる、

聞こえない。 (やってみる、聞こえた。) 糸だけでない。ナイロ

H

線も伝わった。伝わり易いものと伝わりにくい のがあること分った。

;先生が話している声はどこを通ってし

糸がないのに、見えない糸があるのか?‑空気 を横切っている。空気が見えない糸になる。

昨日作った糸電話はどれ位の長さまで聞こえる と思う   ‑20m以内、 25m‑‑‑

どれくらいまで聞こえるかやってみよう。

静かに (運動場と教室とで調節する) 聞こえるかな、どうかな、‑分らない。

普通の声では絶対に聞こえない。

ここから50mくらいかな?皆は長い糸で何mく らいあるか?‑一一

静かに静かに

‑聞こえた。

もう1回0 ‑聞こえましたOすごいな‑

何mくらいと思う   ‑200m、 50m、 ・.‑・

皆も、いろいろなもので作ったり、糸を長くし て糸電話を作ってみよう。 (級)

(

にくいもの

伝わり易いもの

実験2 (糸電話の糸の長さ)

この授業は単元の第1次第2時に当る。前日に糸電話作りの時間があり各自糸電話を作ってい る。その経験をふまえてMTが行れている。本番授業で導入から問題提示の段階まで16分要して いるものをMT授業では24分も詳しくやっている。故に本例は前の2例と異なって拡大型といえ るものである。導入の段階における糸電話経験ききはMTも本番授業もほとんど変りないものに なったのは教生も子どもも一緒に前の時間に糸電話作りをやったためであろう。容易に本番授業

(15)

で子どもの意見を取り出すことが出来たし時間も同じくらいである。

次の問題提示、即ち糸電話の原理(なぜ声が伝わるのか)に関して(それがMTの粗いであっ たが) MTで24分も要したのは、子どもレベルの話し合いでなく、子ども役であるが学生レベル の話し合いになったためで理屈めいた議論となり、特に糸がたるんでいるときにどうして聞こえ ないかに至って授業者(教生)もうまく説明出来ないようになった。あとで学級担任から高尚す ぎる議論であると批判し、小2としては音は糸の振動によって伝わる、振動しなければ伝わらな いという事実を具体的に示して理解せしめることでよいという助言をして、事実による確認をさ している。 MTと本番授業との性格の相異をこの事例はよく示している。

子どもは概念を単なる言葉として把えていることがあるが、本番授業である子どもから「振動」

という言葉が出て、他の子どもからその意味を求められて答えられなかった例があった。又子ど もらしい発想として教師の質問「糸をつまむとどうして音は伝わらないか」に対して「糸をつま むと音は戻っていく」という答えがあった。授業者はそれを取り上げなかったが、生かせば面白 い展開になると思われた。授業者はMTの反省から、糸のたるんでいるときには音が伝わらない のは何故かということについて余りふれない方針をとったためであろう。 (本番授業では僅か1 分で1人だけの子どもの発言で終っている)。子どもの経験や認識の段階からいって小2の理科 指導の難かしいところである。それだけにMTが必要であると言える。例えば本例でMTらしく やるとすれば、始めの経験のきき出しで単なる事実の確認でなく子どもの疑問点を多く掘り起こ すようにしたり、また別のMTとして音の伝わる理由を子どもに思考、説明の工夫をさせてみる などである。とかく説明に傾きがちな教生の授業を、折角製作という実経験を子どもがしている のであるから、その経験を生かすよう子どもの発言中心に展開することである。

朋 f^H^H3

以上3例のMT授業と本番授業とを比較して目的、内容、方法、時間上の問題点を若干指摘し た。 MTの授業内容が縮小型の場合特に多すぎること(そのため時間も多くなる。)が共通して いるが、それは授業者(教生)の意識に直後にやらねばならない本番授業のことを気にしている からであり、 MTを本番授業に関連づける以上やむをえないといえる。その結果本番授業の粗い までそのままMTにもちこむことは無理でありMTとしての性格に反してくる。 MTが授業者

(教生)の説明中心の授業になりがちなのもMTの時間が比較的少なく内容が多いので、それを 消化しようとする焦りからである。やはり基本的にMT授業と本番授業との性格上の相異を念頭 におく必要がある。その説明や提示方法も少人数のMTの場合と同じように本番授業でやること には要注意であって、本番授業では約6倍の人数の子どもが相手であるから当然聞こえにくくな るし、見えにくくなる。 MTと本番授業の場との相異である。

学生が子ども役をする場合、学生レベルの話し合いになり抽象的に走り易い傾向がよく出てい るが、しかし学生が子どもと同じ経験をしておれば(糸電話の例)、案外両者は接近し易いことも みられた。それでも子どもの発想や認識にはその年齢相応の特徴をもっており、それをMTで出 来るだけ出させることが授業上の問題点を発見できる糸口となる。故に望ましいMTとして内容 を重点的にしぼり、子ども中心の話し合いや、活動にもっていくことである。それにしても最後 には評価をしなければならない。 MTそのものの評価もあるけれども、 MTと本番授業の性格の 相異を留意しつつその開運の中での評価である。

(16)

以下評価の問題については紙数の関係上、別の機会に譲りたい。

(I)太田静樹,マイクロティーチングにおける役割について1980,奈良教育大学紀要 29巻1号 pp. 147'

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(2)井上光洋, E]本におけるマイクロティーチングの比較検討1980,全国国立大学教育工学センター研究協議 会論文集 pp. 45‑46

(3)藤岡完治, MTとTTをとり入れた教育実習教育の改善1981,全国国立大学教育工学センター研究協議会 発表

(4)藤岡完治,同上

星野昭彦, VTR利用による教授技術の自己訓練法の実験的研究, 1980,千葉大学教育工学研究 No. 1 pp.

27 34

松下文夫他,教生授業改善の試み‑トレーニングシステムの開発  1980,島根大学他,マイクロティ ーチングを導入した教師教育プログラムの開発pp. 1‑12

(5) Allen D. W. and Ryan K. A., Microteaching, 1969.

(6)藤岡完治,同上

(7) Allen D.W.and Ryan K.A.ibid,p.38.ここでは訓練の3つのタイプとしてマイクロ・レッスン,マ イクロ・クラス,マイクロ・クリニックをあげているが前の2つは授業時間による分類である。

本稿は昭和54、 55年度にわたる教育方法改善費によるMTの共同研究において筆者が関係した ものを個人的にまとめたものであるが、その資料は同研究の山口助教授、木村隆吉教諭との共同 研究によるものである。特にMTを実施した学級の担任・木村教諭の御協力に感謝したい。

(17)

An Analysis of Microteaching in Classroom

Shizuki Ota

Department of Education, Nara University of Education, Nara, Japan (Received April 28, 1981)

This paper that deals with the use of microteaching in the course of student teaching has two purposes: a investigation of using pupils in microteaching lessons and an establish‑

ment of strategy of evaluating microteaching in relation to classroom lessons. Student teachers practiced microteaching and classroom lessons three times within a period of teaching practice and the results were considered.

The problems to solve in using pupils in microteaching lessons are as follows:

1. duality of pupils learning both in microteaching and normal classroom lessons 2. problems of pupils themselves

3. 0verwork of classroom teachers and trainees.

Microteaching is divided into three types, such as standard, reduction and magni丘一

cation. Especially in reduction type some problems are pointed out. The trainees want to teach many more things in microteaching lessons despite a short period of time and their lessons tend to be teacher‑centered by abstract explanations. Therefore, it is too difficult for trainees to notice signi丘cant points in lessons and the attainment of normal classroom lesson's object itself in microteaching is of too high grade for pupils to learn.

Comparative investigation between microteaching and classroom lessons was done con‑

cerning their object, content, method and it must be emphasized that the evaluation of lessons based on their characters'differences is necessary for trainees.

参照

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