酸化ニッケル鉱のセグレゲーション処理
塩化剤の鉱化作用について
(昭和45年5月6日 原稿受理)
金属工学教室岡元敬蔵
金属工学教室 植 田 安 昭
金属工学教室野ロ文男
On the Segregation Process of Oxidized Nicke10res
−Effects of Chlorides added on Forsterite Formation一
Keizo OKA]班OTO
Yasuaki UEDA Fumio NOGUCHIThe experiments were carried out to丘nd the effects of chlorides upon the fors.
terite formation, when the oxidized nickel ores are roasted in the argon atmosphere.
The formation of free MgO by the decomposition of surpentine in ore was found to be maximum at the temperature range 600°C〜650°C for an hour. The amount of free MgO decreased with increasing the addition of chlorides, such as sodium or calcium chloride, and temperature droped about 550℃, too. These result showed good agreement with the result of differential thermal analysis and X−ray powder method.
Both CaCL, and NaCL were found to be effective in the formation of forsterite,
but chloridizing agents for segregation treatment considered to give a satisfactory results by the addition of CaCL2 than NaCL.
性は非常に悪るくなるといわれている。そこで白 1・緒 言 根3)は,硫酸鉄等の硫酸塩を加えてか焼すれば,
酸化ニッケル鉱に対して,適当な選鉱法がない ホルステライト結晶化は阻止できると発表してい ことから,現在極めて不合理な製錬法で処理され る。
ており,いまだ決定的な処理法を確立するまでに このような挙動を示すガーニエライト鉱に対し いたっていない。そこで数年前より筆者等は,そ て,ホルステライト結晶化温度以上で行なうセグ の処理法の一つとしてセグレゲーション法を取上 レゲーション処理にも当然ニッケルの被塩化一還 げ,その反応析出機構など種々の面から検討して 元性の低下が考えられる。また,実際にセグレ きた1)。 ゲーション処理を行なってみると,塩化剤の種類
酸化ニッケル鉱すなわちガーニェライト鉱は や鉱石によってその結果が若干異なることをしば蛇絞岩を主体とした鉱石で,これをか焼すると遊 しば経験した。したがって,セグレゲーション処
離MgOを析出する。この遊離MgOが析出す 理を行なうさいの添加塩化剤が,ホルステライトるさい,Mg++イオンと置き換ったNi++も遊離 結晶化にどのような影響を及ぼすかを検討するこ
Nioとして同時に析出するが2>,800℃前後のホ 、と・は,ニッケル収率向上の解析に非常に役立つも
ルステライト結晶化で再び固溶され,その被還元 のと期待される。
Table 1 ガー二エライト鉱の化学分析結果(パーセント)
セレベス鉱;Ga(1) 2.78 10.08 22.97 43.00 0.83 14.60 ワイル鉱;Ga(2) 3.37 ユ6.88 23.52 32.86 0.87 ユ1.92
ここでは,ガーニエライト鉱にCaC1・, NaCl るので, MgO定量前に蔭酸アンモンであらかじ の塩化剤を用い,ホルステライト生成反応に及ぼ め分離した。
す影響を追求したので,これらの結果について報
告する, 3 遊離MgO生成量と加熱条件との関係
鉱石中の主要鉱物である蛇絞岩の加熱変化につ
2.試料並びに実験方法いては,古くから数多くの報告があるc)。蛇絞岩
実験に使用した鉱石の化学分析結果を表示する は,普通クリソタィルの構造を持った3MgO・とTable 1のようになる。 2SiO,・2H,0の組成式で示され,イオン半径0.78
これらの鉱石は,いずれも一60Meshに粉砕 Aを持ったMg・・イオンはFe・・やNi・・イオし,所定濃度の塩化剤を加えて十分混合した,こ ンとほぼ同じ値を示すことから,これらイオンと れから一定量を磁性ボートに取り,反応管中の空 一部置き換った組成式のものが天然には多く産出 気を精製Arガスで置換し,移動式管状電気炉 する。そして, Ni21イオンと置換固溶したものが 中でセグレゲーション処理と同様な条件で処理し ガーニエライト鉱,と呼ばれている。
た、,すなわち,加熱開始と同時に反応管中のAr 蛇絞岩の加熱分解については,一般に次に示す ガスの流入をやめ,種々の加熱温度,処理条件で ような反応過程を取りながらホルステライト化す バイ焼した、、処理後は再びArガスを流して室 るものと予想されている,、
温まで冷却し,焼鉱中の遊離MgO量並びに重 2[3MgO・2SiO,・2H,0]→2Mg、Si、0、
量変化を測定した。このほか,遊離MgOの析 +4H、0 (1)
出状態を赤外線吸収スペクトルを用いて追求する (Mg,Si,0,−MgSi,0、÷2MgO)
とともに,示差熱分析,X線回折からも検討を行 2Mg,Si,0,→3Mg,SiO、+SiO, (2)
なった。 3Mg2SiO4十SiO2→2Mg2SiO、
析出遊離MgOの定量は,セメソト中の遊離 +2MgSio、 (3)
MgO定量など種々の方法があるがイ),ここでは (1)式に示す脱水反応は500℃〜700℃で認め 蛇絞岩に対して最も適切な分析法と考えられてい られ,それに次いで(2)式の分解反応が起る。こ
るBrandenbergの安息香酸法によった ),、これ の場合の生成物はX線的に非晶質な遊離MgOと
は焼鉱0・59に安息香酸アルコール溶液(509/ 無定形の無水ケイ酸からなっている。この遊離 300cc,95%アルコール)約40cc加え温浴上でふ MgOは,相内で格子不i整の形で,しかもゆがんりまぜながら浸出するもので,浸出時間は,鉱石 だ(Si、05)㌃の巨大イオン間にはさまれた状態で
すなわち遊離MgO量によって若干異なるが1〜 存在していると問瀬はのべている7)。反応生成物2時間を必要とした。浸出後,これをロ過,アル がこのように分子的に混合し,化学的に活性な状 コール水溶液(1:1)で十分洗浄し,ロ液はアルコ 態で混在することから(3)式のホルステライト化
一ル分を加熱蒸発したのち,水を加えてNH、OH 反応は,800℃前後で極めて短時間の発熱現象をで中和する。その際,Mgと同時に溶出した, Fe, 伴なって完了する。ここで初めて結晶質のホルス
Alなどは水酸化物として分離される。溶液は テラ・fト(Mg2Sio4)がX線的に認められ,つい pH−10に調整し, EB・T・指示薬を加え,規定 で1000℃附近の温度で結晶質エンスタタイト ED・T・AでもってMgOを定量する。この場合 (MgSiO,)も見出されるようになる。CaC1・を用いた焼鉱では, Caも同時に浸出され これらの関係を明らかにするため, Ga(2)にっ
いて生鉱並びにAr気圏中500℃より800℃の 結晶水の放出とともに全く見出されなくなること 温度でか焼した焼鉱のX線回折図を見てみると がわかった。測定結果のうち,吸収帯に著るしい
Fi9.1のようになる。 変化が認められた1200cm−1〜400cm−1間を図示
これから500℃焼鉱では,生鉱に比べ300℃ するとFig.2のようになる。前後で脱水してγ一Fe、0、に変化した針鉄鉱の回 図から,原鉱には1070cm一1と450cm−1に
折線のみがなくなっており,主要組成の蛇絞岩は Sio、,975cmヨに蛇絞岩による強い吸収特性の 全く変化していないことがわかる。650℃焼鉱で あることがわかる。これらの吸収帯は,加熱温度 は,蛇絞岩が(1),(2)式に従って脱水分解するた 500℃まで安定であるが,600℃加熱になると め,反応生成物は非晶質になり,SiO、以外の回折 975cm−1は1020cm 〕1と短波長側に移行し,こ
線はなにも認められなくなる。しかし,800℃焼 れがSiO21070cm−1のピークを吸収して単調な鉱では,(3)式に従ってホルステライト結晶化が 吸収特性を示すようになる。一方長波長側では,
起り,回折線からも明確に見出されるようにな 450cm−1のSiO・吸収帯が小さくなり525cm−1
る。しかしながら,非晶質の遊離MgOや無定形 に新しい特性吸収帯が認められるようにな の析出Sio、は, X線回折から確認できないの る。
で,さらに赤外吸収スペクトルを用いて検討して これらの吸収特性は加熱温度の上昇とともに複 みた。 雑化してくるが,700℃,800℃加熱では,ホルス
測定は日立製EPI−G3型赤外分光光度計を用 テライトの特性吸収帯525cm−1・840cm』『1・890い,KBr錠剤法で行なった、,これから原鉱並び cm一1,1020cm一1が明確に認められる。そして に500℃までの焼鉱では,粘土鉱物特有の結晶水 450cm−1のSiO2ピークは殆んどなくなり・い によるOH基の鋭い吸収ピークが波数3680cm−1 ったん消失したSiO・の1070cm−1の吸収帯に
に認められた.そしてこの吸収は,600℃以上で MgSio3の吸収ピークが見出されるようになる。
これらの吸収特性から,脱水の終る700℃附近
S;Se「pe加iエe から,すでにホルステライト結晶化の配列を取っ 原 鉱 S G;G。・七h・七・
500°C戊〜4暁
一一」_上_ ㌧
650」b《音‡尭 α_SiO2 [
__上ユー、 /
700℃焙焼 o
___L⊥τ_
ば なミ
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T。ぴC螂
/一 600℃焼鉱
/−650℃焼鉱
700℃焼鉱
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800℃焼鉱
800[}
b灯る焼
α⇒Si(た
。 E FH与 L_一一_一__一_一_⊥一⊥一一一
1 2°° °°°波8蒙(Om−1)6°° 4°°お ち ら
2θ Fig.2 ガー二工ライト焼鉱の赤外吸収
Fig.1ガーニエライト鉱バイ焼鉱のX線回折図 スペクトル線図
SiO,の存在は,その吸収ピークが見出されない (ii)保持時間の影響
ことから確認することができなかった。これは, ガーニエライト鉱の加熱重量変化をAr気圏中
遊離MgOの赤外活性振動が非常に弱く,その で測定したさい,脱水は500℃前後より始まり,量も比較的少ないことによるためで,Sio,は振動 700℃以後でも引続きごくわずかな重量減が認め の大きいSiOiイオンによって吸収されるなどの られ,構造水の完全脱水は非常に長時間を必要と 理由によるためと考えられる。 することが観察された8)。そこで,さきの実験結 このような熱的緒性質を持ったガーニエライト 果から昇温1時間とし,加熱保持時間を種々変化 鉱に,セグレゲーションの処理条件を加味しなが してその影響を調べてみた。加熱温度600℃の場
ら遊離MgO量析出の最適か焼条件を求めてみ 合の結果を図示するとFig.4のようになる。こた。 れから,保持時間は1時間もあれば十分であり,
(i) 昇温速度の影響 重量変化曲線もこれと同様な傾向を示すことがわ セグレゲーション処理では,添加塩化剤より かった。
IIC1ガスを生成するため(1)式に示した構造水が (iii)加熱温度の影響 利用される。水の放出,HC1ガスの生成, Nioの
塩化など諸反応を組合せて考えると脱水反応は除 14 々に起ることがのぞましい。そこで,脱水による ユ3 急激な重量減がほぼ一定値を示す600℃〜650℃ ユ2 の温度まで,種々の昇温速度で加熱し,その温度 一 ユ1 ぽ
で1時間保持したものの遊離MgO量を見てみる ) ユQとFig・3のようになる。昇温時間0は,所定温 § 9
度に直接装入したもので,これから昇温速度の遅 提 8
いものほどMgO量は増加してくることがわか 覆 ワσる。鉱石(1)と(2)では若干析出速度が異なるが, 剖 6●
●一一一三一一一一●
/●一 ●
●
O−O−一一〇−O
° 。加継度、・ぴC昇温・h。・。〔・) /
●加熱温度60ぴC 晃温1hち Ga〔2)
いずれの場合も1時間の昇温速度で最大値に達す 5L−=。旨⌒一「吉「
る。すなわち,Ga(1)は600℃で10%, Ga(2) 保持時1;u(mi山
は650℃で138%を示す。 Fig・4生成遊離MgO量と保持時間の関係碧
5L_
○
ユ
ノ 戸
!,
/
戸 o
∠___\。_
一___」,__
40Q 5°0 600 700 8。0 900
° 3° 6・ 9・ ユ2・ 加熱温度(℃)
昇 温 時 間(mi・・) Fig 5重量減,生成遊離MgO量と加熱温度
Fig.3生成遊離MgO量と昇温時間の関係 との関係〔(試料Ga(1))〕
103
14 15
ユ2
ユ1
10
9
言ロ
葛 嵩 7
趨 6
超 5
ノ
猶 4 咽 澗 5
2 1
など,鉱石単味のものに比べて異なった種々の 現象が見られる。そこで,これら諸反応が遊離
△一_ 竺懸このような影響を⌒を検討
!/o 最初Ga(1)にCaC12を5%,10%,15%と む
/ 添加し,昇温保持を1時間としてバ・f焼を行な
ノ タ
い,遊離MgO量を見てみるとF19.7のよう
〆 °印;蹴 になる。これか撫添加のものに比劇て,灘CaC1,添加量の増加につれて漸次低下している。 O
同様に,Ga(2)にNaC1を添加した場合の結\。 ㌶纂蒜:㍊㌶臨よ㌘;.
一⊥__L_⊥___ たものが,添加により550℃,10%と低温側に
400 500 600 ワOO 800 900
加熱温度(℃) 移行し,その最大値も添加量とともに減少してい Fig.6重量減,生成遊離MgO量と加熱温度 る。このような塩化剤添加による遊離MgO量の
との関係〔試料Ga(2)〕 減少,最大値温度の低温移行は,無添加のものに
昇温速度1時間,保持1時間で加熱温度の影 比較してホルステライト化が促進されたことを意 響を見てみると次のようになり,Fig.5にGa 味し・これら塩化剤は・鉱化作用を示したものと(1),Fig.6にGa(2)の結果をそれぞれ示した。 考えられる。
遊離MgOの析出は,400℃前後より重量減 加熱気圏中の水分が・ホルステライト合成に促
と同様な傾向を示しながら増加し,〔Ga〕(1)で 進効果を持つことを清浦等9)は・化学的純粋な は600℃で最大値10%,〔Ga〕(2)は650℃で SiO2・MgOから・大井等1°)は・ガーニエラ・fト 1a8%を示すようになる。そして,この温度以上 鉱から見出している。しかしながら・この場合鉱
では急激に減少し,800℃以下では1%以下にな9 る。重量減から,さきの反応式(1)を用い鉱石
ゴ ロ
中の蛇絞岩量を推定し,これより理論析出遊離
MgO量を計算してみると,いずれもほぼ16% ?
の値になる。分析値が理論値に比較して著るしく _ 6
低いのは,遊離MgOの生成に引続いて,その一 ご 5部が(3)式に示した反応式にしたがって順次ホル 菖 4 ステライトの結晶配列をとるためと推察される。 凝 3 娼 め ん 4.塩化剤添加の影響 刻 ユ セグレゲーション処理には,普通塩化剤として
o印ロa叫5%
一 ●印びaO丘ユo%
NaCL CaC1,などが利用される。これら塩化剤 4°° 5°°ヵ日6°; 竃゜度1;; 9°Q
を鉱石に添加してバイ焼を行なうと・塩化物の分 Fig.7CaCI,添加量と生成遊離MgOとの
解によるHC1ガスの生成,未反応塩化物の溶融 関係〔(試料Ga(1))〕
ユ4
13 12
ユ1
lO 二 9
二8
響 7
端 6
鎖 6 4
5
2
1
O
9O印Na。エ5%
●印NaOl 10%
O印 NaC1 15%
50ぴ℃焼鉱 S;Serpen七ino S F;習Ors七eri七e H;Hema七i七θ α一Sio・NaGl
55ぴC焼鉱
α一Sio2
700℃焼鉱
F 2 5
ム ら む む
加 熱 温 度CC) Fi・9 NaCI添加(10%)焼鉱のX線回折図
Fig.8NaCI添加量と生成遊離MgO量との関係〔(試料Ga(2))〕 7・・℃
1 石中の水分は,添加塩化剤,ケイ酸や脈石類と反 1 、凪、、叫
応し,次式に示すような反応式に従ってHC1ガ
スを生成する。
T一一一} 一} 一 _
2N・C1+SiO、+H,0−N・、0・SiO、+2HC1↑ ユ δ b°?:、、cご
れるものと推察される・また・このほか・生成 } −
HC1ガスがNio等の酸化物を塩化し,微量不純 賦・・・・・・…c } 6〔JbC
物の塩化除去による遊離MgO活性の増大,あるいは,N・C1やC・Cl・と賊塩イヒ物が低溶融点 1 兀ニー一「
の溶融塩を作り,融体内でのホルステライト化な . 珊c
ど種々の促進撒凌られよう. F1副鑑瓢言認惚
最後に,促進効果を確認するため,〔Ga〕(2)に
NaC110%添加した焼鉱のX線回折結果を示 5・示差熱分析
すとFig・9のようになる・これから,さきの 遊離MgOよりの検討とは別にD. T. A.を用
Fig・1に示した無添加のものに比べ,700℃焼 い塩化剤添加による影響を調べてみた。 CaC12,
鉱でもすでにホルステライトの回折線が認めら NaC1の一定量を鉱石に添加し, Ar気圏中10℃/
れ・塩化物添加により結晶化温度が低温側に移行 min.の加熱速度で測定したもので, Fig,10は
したことがわかる・ Ga(1)にCaC1、を, Fig.11はGa(2)にNaClTable 2 塩化剤と遊i離MgO量との関係
試 *1靴斉・1ナシiN・c1(・・%)1c・cl・(・・%)1ハイ焼条γ1
1 9.60 i 2.02 i 6.00 630℃.昇温保持ユ時間
Ga(1)MgO%
G・(・)M・・%1・・… i2・6・i3・6・}68ぴC・聯保持ユ1澗
〆 ・・ざc 添加ではNaClの溶融による吸熱ピークを示す 1 . N。Cl O ようになる。このピークは, CaC12では全く認め られなかったものでGa(1)とGa(2)では組成に
若干差異はあるが,CaC12の方がH20等によるユ カ ぼ え
i −r HC1ガス生成反応の起りやすいことを示したも
・ 声㌧ 、』c ×ユ゜°℃ のと殼られる・
熱
Na°エb% ついで,塩化物の促進効果を比較するため,
一一一一T_一一一丁一一一 Table 2に示すようなバイ焼条件で処理し,遊
}・醜1 18°6c 離Mg・量搬討してみた・
隔・…% ・ユδc ,JC これから,塩化剤の添加は,遊離MgO量を著
るしく減少することや,CaC1,よりもNaClの方がホルステライト促進効果の大きいことが解る。
t i これは,D・T・A・でも示したようにNaClの方が 15uC 5 °C 高温まで未反応のまま持続されるために,効果を ,↓。 ∴。 顕著に示したものと思われる。
Fig.11 NaC1添加ガーニエライト鉱の 以上のような実験結果から,セグレゲFション D.T.A.曲線〔(試料Ga(2))〕 処理に使用される塩化剤には,鉱化作用が小さ
く,HC1ガス生成反応速度の大きいCaC1,の方を添加した場合の結果を示した。 が極めて有効であろうと推論される。
Fig.10から,鉱石のみの場合,295°cに針鉄
鉱による脱水,640℃に蛇絞岩の構造水の放出に 6・結 論
よる吸熱ピークと795℃にホルステライト結晶 セグレゲーション処理を行なう際,塩化剤とし 化の発熱ピークが見出される。これにCaC1・を て利用されるNaC1, CaC1,のホルステライト結 添加すると,645℃の吸熱ピークは590℃と低 晶化に及ぼす鉱化作用の有無を,焼鉱中の遊離 温側に移行し,さきに示した遊離MgO量と焼成 MgO量や示差熱分析などから検討を行なった。
温度との関係ともよく一致している。795℃の結 これらの結果を総括すると次のようになる。
晶化ピークは,添加量の増加とともに消失する (1). ガーニエライト鉱を加熱するさい,蛇絞
が,これは構造水の放出,HC1ガス生成など複雑 岩の構造水の放出に伴なって起る遊離MgOの生な諸反応がホルステライト結晶配列化と重合して 成は,昇温 保持1時間,600℃〜650°Cの温度 逐次的に進行するためと推察される。 で最大値になることを明らかにした。
Fig.11のNaC1の場合も同様な結果が得ら (2).最大値温度は鉱石によって若干異なる れ,鉱石のみでは,310DCに針鉄鉱の脱水, が,塩化剤添加により550℃と低温側に移行し,
622℃に蛇絞岩の脱水による吸熱,805℃にホル その析出MgO量も添加量の増加とともに低くな
ステライト結晶化の発熱ピークが認められる。こ ることを見出した。そして, これらの関係は,
れにNaClを添加すると622℃のピークは605℃ D.T.A.の結果ともよく一一致した。
になり,ホルステライト結晶の発熱ピークは添加 (3).無添加の場合,800℃附近にあらわれる
量の増加とともに次第に小さくなって行き,10% ホルステライト結晶化が,塩化剤添加により700℃前後の温度でもX線回折より確認され,遊 259,Vo1・80(1964)P・850・
離Mg・の挙動ととも1こ鉱化剤としてホルステラ 2)5、㍗今將;日本鉱業会誌V°L 82(1966ぬ
イト化に有効であることを示した。 3)白根;日本鉱業会誌Vol.85(1969)P,1001.
(4). 塩化剤CaC12はNaC1に比較して,鉱 4)真田;工業化学雑誌Vol・40(1937)P・856・宮
化作用鰭干劣るカ・・⇔ゲーシ・ン処理に 5)沢五鱈三麟霊曙琉ll膓4(、94。)
は,HC1ガス化反応の起りやすいCaC1、の方が P.2.
有効であることを考察した。 6)J・W・Gruner;Amer・Mineral・Vol・33(1943)
紘本研究鴫宏和(淀川製継式会社)高 認 璽欝醸雑㌻:㍊6;筆)2漂