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エレタイパーの試作に関する研究

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(1)

47

エレタイパーの試作に関する研究

志 方 泰*・植 村 辰 久**

The Development of Eletyper

by Yutα1{a SHIKA 

TA&TatszehisαUEMURA

  We will introduce The first Electromotive and Electronic controled Japanese Pr三n−

tlng typeWrlter.

  This Ilas free setting tabulater, completely controled Printig Pressure and high speed pr三nting speed.

  And thus, if combines a Peader(for examples PTR, MTR,)to this machine, then useal)le to an output Printing machine of Computer Systems・

1.概説

 邦文タイプライターは発明以来原理的には進歩が殆ど見受けられず,現在においても朱 だ一部で使用されている見出し盤なしという形式では文字盤の活字が反対向きであること に伴い,一般の人々は索字すら困難で,実用上殆ど使用不可能である。また見出し盤つき の機械にしても,字さえ打てればよいということであれぽともかく,文字の配列は各社お よび需要老の要求によるので統一されて居らず,また清打ち,原紙抜きになると熟練老を 必要とし,かつ一日に一万字以上も打つので肉体的にも負担が多大である。この様なこと が専問のタイピストを特に必要とし,大きさ,重量,価格,便利さの問題と共に,欧文タ イプライターの様な普及を妨げる原因となっている。この様な見地および軽印刷界での必 要性より邦文タイプライターの電動化が東和タイプライター岡村社長により唱えられてか ら既に10年もの歳月が経過し,数社より近年,製品が発表されているが1)〜6),それらの機 種の全てが速度,印字濃度のむら,タブレター,罫引き,欧文,などに関して何等かの欠 点を有しており,これらが普及し難い要因の一つとなっている。筆者らは昭和47年より邦 文タイプライターの全電動,電子化の研究を進めて居たが,ここに前述の全ての欠点を除 去した機械を東和全電動組版機エレタイパーとして試作を完了し,東京軽印刷展に出品し たのでここに紹介を兼ねて発表する次第である。なお,本機の電気回路及びインターフェ イスのシステム設計より,回路設計,プリント基板パターン設計,プリント基板製作,配 線,取付け,組立てに至る全ては,電源部を除いて,筆者らと,その卒業研究生であった 小薗江君(4回生),代市君(7回生),加藤君(8回生),榎本君(9回生)(全て現トー

ワ事務機K,K)によって行なわれたものである。

* 理工学部電気工学科助教授 電子工学

**理工学部電気工学科助手  電子工学

(2)

2.性能および特長

2−1印字関係

第1図 パターン原図の一例(10ポイントカーボン複写用)

第2図 印圧読みとりパターンを文字盤に装着

 a 全ての文字毎に,文字盤を変更して活字の大きさ,又は明朝,呉竹体などの切換え を行なっても,文字盤裏面に各文字毎に用意された3ビットのパターンにより最適な印字 が得られる。このパターン原図の一例は第1図として,また実際に文字盤に装置した写真 は第2図としてそれぞれ示したとおりである。この様に考慮された結果,カーボン複写,

清打ち,原紙抜きなどあらゆる場合に,一般の人が熟練者と全く同一の印字を得ることが できる。なお,文字サイズは6ポイントより14ポイントまで任意である。

 b 各文字の印字のたびにタイプバー(印打ロット)の速度を検出し,フィードバック コントロールを行なっているので印字むらが生じない。

 c 自動制御機構を採用しているので印字速度が速く,最もスピードが遅い句読点,コ ンマなどの弱打ちでも3.5回/秒,画数の多い文字の強打ちでは5回/秒程度の速度が得ら

(3)

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       印打機構

れる。b, cに関する印打用プランジャーそれとタンデムになっている制御用ブランジャ

,速度検出機構は第3図として写真で表わしたとおりである。

難灘

2−2 タブレター関係

 a タブレターとして不揮発性メモリーを採用しているので,電源を切断してもタブセ ットには無関係である。

 b 縦タブレ/1 一一,横タブレターとも,キャリッヂ,ブラテンに完全連動となっている ので罫引きなどでプラテンをフリーにしても横,縦ともタブレターに全く影響しない。

 c メモリーとして,電子計算機に使用されているのと同様な磁気テープを横タブレタ

用に,磁気ドラムを縦タブレター用にして,磁気ヘッドによりタブセット,クリヤーを 行なわせているので精度が高く,誤差は数10ミクロン以下である。横タブレターは第4図

として,縦タブレターは第5図としてそれぞれ写真で示したとおりである。

 d 磁気ヘッドは磁性体に密着していないので両老とも長寿命である。

第4図 キャリッヂに装着された横タブレター  第5図 ブラテンに装着された縦タブレター

(4)

2−3送り関係

 a 縦,横の送りとして,別個のパルスモータを使用しているので1ポイント(0.35㎜)

より20ポイントに至る問1ポイント毎に任意に設定できる。

 b 4.5ポイント活字(ルビ活字等)等に関しては0.5ポイント送りの微動送りを有して おる。(実際には0.5ポイントきざみで40段階の送りが縦,横ともに存在するのであるが,

実用上余りに細かすぎて,かえって不便であるので1ポイントときざみにして+0.5ポイ ントを微動と名付けた次第である)。

第6図 集中化された制御ボタン

 c 縦送り,横送りともボタンスイッチにより,リピート,縦打ち横打ち切換え,送り 方向変換,リターン,自動改行リターン,プラテンおよびキャリッヂフリー,欧文文字,

語間隔自動変換をし得る。これらを含めた全ての制御は第6図として写真で示したとおり 文字盤と見出し盤の手前に集められて居り,印打動作中タイピストに負担を与えない様に 考慮されている。       .

3.構 成

 大別すると機械部と電気部になる。機械部は架台,文字盤,キャリッヂ,プラテンなど の各部に分類できる。電気部は印打部,縦送り部,横送り部,縦タブレター部,横タブレ ター部,テープ送り部,欧文用カセット部,電源部などに分類できる。ただし,実際には 機械部と電気部は連動することが多いが,この分類は主とする方に従った。これはまた,

インターフェイス部を全て筆者らが行なった結果でもある。機械部については従来の型と 余り変わらないのでここでは省略する。

 3−1 印打部

 第1図および第2図に示したとおり各文字盤の裏面に各文字が必要とする印圧の強さに 応じて,約0.7mm角で3ビットの黒白のパターンを用意して,7種類の印圧に分類する。

 これは,同じポイント数の活字に於いても印字面積の小さい,句読点,コンマなどと,

(5)

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第7図 パターン検出回路

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1⑦…・・vl

30〜50V

NW−−−−IK

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第8図 印圧分類制御回路(印打制御回路基板と共通)

印字面積の大きい盤,類などを同一印打力でタイピングを行なうと前老は濃く(極端な場 合は裏面に抜ける)。後者は薄くプリントされるので見苦しく,実用に不向きである。そ れ故に美しく印刷させる為には各文字により印圧を変える必要が生じる所以である。

 パターン検出は1ビット毎に1ケのCdS受光素子を用い反射光を利用している。回路 は第7図として示した通りである。初段をCdSで構成されたブリッヂの検出増巾器とし

(6)

        リ      ロ

エレタイパー・フロトタイフ 第9図

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(     ≒9VL.)

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文字盤

ーー○

打字構成のブロック図 第10図

(7)

1

2

鎗11−A図 動作原理ブrック図

→c

第11−B図 印打制御回路

て用い,次段をコンバレータとして用いている。なお現在コンバレータは専用の素子を使 用している。印圧分類一印打制御回路のプロトタイブは第8図に示した。3ビットのディ

ジタル量でアナログ入出力を8通りに制御できるCD4051Aを用いたので分類は非常に簡 単な回路構成となった。なお,これは速度の制御は行なっているが,電気的に加速は行な えても減速が行なえない変則なものであり,49年に完成したもので,51年5月21日の東和 タイプライター代理店会議に出品した第9図に写真で示したプロトタイプに用いられた。

 しかし結果として,この方式では不充分であるので,第3図に写真で示した様に,印打 プランジャーにタンデムに制御プランジャーを付けて,加速,減速,共に電気的に可能に して,かつフィードバックによる自動制御機構を採用している。なお図中手前に見えるも

(8)

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第12図

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印打制御関係トランスデューサ(全て発光ダイオードとフォトトランジスタの組合わせによる)

う一つのプランジャーは,活字突き上げ用として使用されている。またタイプライターの 動作は,索字,印打,送りと大別されるが,索字は人間が行なわなけれぽならない。そし て印打の指令(人間が印打のノブを押すことにより,意志の伝達が行なわれる)が発せら れてからの機械の一連の動作を第10図にブロック図として表わした。そして,その制御回 路のブロック図は第11−A図として,回路自体は第11−B図として示したとおりである。た だし複雑になるので入力部のトランスデューサ回路関係は第12図として示した。

 3−2送り装置およびタブレター

 縦,横とも送りにはパルスモータを使用しておりその制御回路と電力増巾器はそれぞれ 第13図,第14図,第15図として示したとおりである7)。タブレターの検出回路は磁気再生 ヘツドを使用している通常の回路であり第16図として示した。タブレターの駆動回路は磁 気記録ヘッドを用いて,記録および消去(タブセットおよびクリヤー)を行なっており,

その回路は第17図として示したとおりである。なお,タブレターの精度を向上するため,

パルスモータの位相検出を行ない,タブセットと検出のときの誤差を少なくせしめており,

この結果,数10ミクPン以下の誤差と言う値が得られている。

 3−3 欧字および特殊文字部

 欧字および特殊文字等はポイント数が等しくとも送りピッチが各文字によって異なると 言う特長がある。(例えば1とMのように巾が異なる文字に対して送りピッチが一定であ ると印刷した際に見苦しくなるので異ならせる必要が生じる)。そのためこれらの文字に 対しては,文字盤の最右に,縦33文字分,横3文字分の別区画を設け文字盤内に別な小箱

を挿入し,そこに活字を収納している。そして,この文字が収まっている小箱に担当す るカセットを別に設け,各活字の送りピッチをROMに記憶させておき,印打と同時に

(9)

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第13図 PM CONTROLLER(PMM−C301)回路図

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第14図 横PM POWER AMP回路図

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第15図 縦PM POWER AMP回路図

(10)

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第16図 タブレター桧出回路

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第17−A図 完成した試作品

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第17−B図 タブレター駆動回路

(11)

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        一一一一一一≡←ストローク〔mfm〕

第18図 印打川MS吸引力特性〔1〕,〔2〕Continuous duty

⑦GND ① Gxu

⑤+5V

③÷15V

第19図 印圧制御回路〔TPC〕

ROMの番地(=33×3)を指定して所定の送りピッチを得る。ポイント等を変更のため に収納箱を入れかえるときは,同時にカセットも入れかえる必要がある。なおROMの番 地指定と送りピッチの読み出しは,電子計算機のメモリーの番地指定と読み出しと全く同 様の動作をさせており,従って回路についても全く同様なので省略する。

 4. 実験結果       …

 完成した試作品の写真は第17図として示したとおりである。前述のとおりプロトタイプ

(12)

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(13)

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2.

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3.

Aunique sroting system、vith morc than 550 wor|d−wide uscrs

(360/370.DOS.OS and VS),

4

Aunique sorting systern with rnore than 550、vorld−wide uscrs

(360/370,[,OS,OS  and  VS).

5

の印字

(カセッ トつき)

3は英文原文

チー定,

図送 第22

うに

5は微動装置で字詰を行なった結果

き)

2は従来 1はカセッ トつき,

(カセッ 4は通常の打ち方

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盆芯X宮蒋Σ貿口芒忘妄阿乏琢氏亡トポ葛褒仁O轄髭紅ザ芥拝帯■た弦訪放ぴ奔劣 乳む膚仁壁竺引匿Kれ苦箆お狽ぴ麦泣莫駁只巧 ロ辺定起℃P牝藍云開景ぴ片兵丙じ⑰既轄耽h註Pロ仁若叶・れピピ︵三ぱ詑︹

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肋政⑰W15借魔朽打民栢斉官脅肇暫穿窒震再泉隻席唱昇兀笈笑妾蘭肖赤庫 償挺斑翫逗声亮醒敗佼粒日浪匹閃樟彰ゼ宥鮮民詮苦畦跡菜差駐駐姓控折抄 擢E須杉敷菅異莞衰壬水徴ロ筐艮鋸胞落浄衷劉擁冗舌

列)

(文字盤通りの 文字盤全ての印字結果

第23図

で使用したプランジャーが一つの回路では不充分なので,2ケタンデム配置した。この特 性は第18図に示したとおりである。図の〔1〕は印打用,〔2〕は制御用のプランジャー である。これに伴い印圧制御回路も変更し,第19図として示した。また,速度制御を行 なっているのでプランジャーの温度上昇による吸引力の変化は無視し得る程度と思われる が,更に安定した動作を期待して,両プランジャーの巻線とアース間に0.1Ωの抵抗を捜 入し,この電圧を前段の741Cにフィードバックを行ない,簡単な定電流回路を構成して

いる。

った結果は第

Nて徹

め速度は約一割弱遅くなる代償として安定度は10倍程度向上し 自動連続印打を

・ることは明らかである。

トは オ5よび7ポイ 6

いる。このた

 印字にあたり最も難易度の高い点(コンマ)の弱打ちの 20図として示した通りである。完全に均一に印字されてい  次に活字の大きさを変化させた場合の例を第21図として示した。

1

(14)

明朝体のみ,8および10ポイントは呉竹体のみ,9および12ポイントならびに4号活字は 左側に明朝体右側に呉竹体と並べてある。どの大きさ,字体に対しても,それぞれ印字の 濃さが全く同一である。

 英文の印字の例は第22図として示した通りである。図の1はカセッ1・を使用した例,2 は使用せず通常の邦文タイプと同様に一定の送りピッチで送った場合である。同一文に対

しカセットが如何に有用であるか明瞭に結果として現われている。以下はいずれもカセッ トを使用し,3は英文の原文,4は通常の打ち方,5は微動装置を用い字詰を行なって末 尾を合わせた結果である。ここでは微動装置の有効性が確められている。

 文字盤の全ての印字結果(ただし3×33の特殊部分は含まれていない)。は第23図に示 した通りである。全ての文字に対し全く印字むらが無く,均一に印字されている。

5.結言,謝辞

 性能に関しては現在までの何れの機種に対しても,画期的であり,軽印刷用機械として 充分である。更に改良すべき箇所は初期変動が多少あるので,これを除去すること,およ び,自動打ちの速度を点などの弱打ちで5回/秒程度に向上させることがあげられる。こ の程度になると,速度を要しない電子計算機の出力用として用いられるので,印字結果を ただちに印刷し得ることと合わせ需要が更に飛躍的に増大すると思われる。

 次に生産コストの問題であるが,一般用として,更に安価なことが望まれるので,回路 的には制御用プランジャーの代わりに,スプリング等を用いて,印打用プランジャーに対

し,逆向きの力を加えて制御を行なわせる。或は,プランジャーの代わりに動力源として モータを用いて途中に磁気流体クラッチ等を用いて結合力の制御を行なう,またはモータ の回転数を制御して印打力を一定に保つなどが考えられる。今後の量産機に対しては以上 の事項に留意して研究を進める所存である。

 末尾ながら本研究に対し御援助賜わったトーワ事務機K.K. 岡村会長,岡村社長,坂 田主任,富木技師,増山技師ならびに同社の本学卒業生の小薗江,代市,加藤,榎本の諸 氏に深謝する次第である。

 参 照

1) モトヤ:電動タイプレスEE

2) 日経タイプライター販売:クリーンターELC775 3)束京経営機K.K.:束経IC電動植字機ETC−3型

4)菅沼タイプライター製造K.K.:電動和文タイプライターSE T−2001型 5)全版タイプライターK.K.:エレックETW−201型電子和文タイプライター 6) 日本字研社:半電動和文タイプライター

7) 全て山洋電機K.K.指定回路

参照

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