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勢 語 四 段 と 日 附 規 定

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Academic year: 2021

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(1)

勢語四段と日附規定    いろいろな場合を一つ一つ考えてみて、理屈に合わないのを消していってみようではありませんか。 Ellery Queen

睦月の十日 まず、資料一として提示するのは、伊勢物語第四段の本文の全文である。] し、に、宮、る、に、り。を、と、を、に、り。ど、ば、猶、し。と、ん、る。

に、に、て、て、見、見、ど、ず。て、あばらなるいたじきに、月のかたぶくまでふせりて、こぞを思いでて、よめる、  月やあらぬ春やむかしのはるならぬ わが身ひとつはもとの身にしてと、よみて、夜のほのぼのとあくるに、なくなくかへりに (註一)は、ら「が、る。は、じ「に、る。の「は、

三一 勢語四段と日附規定  

「ほのぼのとあくる」時刻

保 科   恵

(2)

勢語四段と日附規定三二

も、ろう。でなければ、「ほかにかくれ」た期日が明示されている意味はない。再訪の期日が、前年と同じ「む月の十日ばかり」のことだったと考えることに、疑義はあるまい。では、この日附規定には、どのような意味があるのであろうか。ば、と「ば、も、は、う。は、降、る。

ていても、この期間を幾分か狭めることができるに過ぎない。ところで、伊勢物語には、それほど数多くはないけれども、本文中に日附が明記される事例がある。一例を上げれば、「時ち、め、に、る。」(る。で「は、に「で、 (註二)は、が「ら「 (註三)よ、は、と、い。に、の「も、 る。た、が、 (註四)ことからしても、この「む月の十日ばかり」という規定には、作品理解のうえでの重要な意味があるはずである。刻 ま、が「で「が、ことに、著目したい。る「が、け、く、刻、で、つ、の「 (註五)て、後、

(3)

勢語四段と日附規定三三 を「る。り、が「は、ある。たしかに、下記の事例からすれば、「明く」が日の出を指すものではないことが、諒解しうるであろう。] 人、に、ふ。り、し。月、し。も、て、に、霧りわたりたる、そこはかとなく霞みあひて、秋の夜のあはれに多く立ちまされり。(源氏物語・須磨、二︱一 (註六)] ど、ば、く、 ん。ほ、て、も、ど、も、ず、へ。ど、て、も、ど、に、ば、り。宮、ふ。語・東屋、六︱五〇〜五一)は、ら、は、だ「る。が、 (註七)も、て「

い。ち、り、明るくなるわけではないのである。も、の「の「を、て、てしまいそうだから」と訳するものも (註八)。けれども、文脈上、「明けぬれば」の時点で、それが「確実に予想される未来」は、う。も、る「ば、い。だ「が、は、

(4)

勢語四段と日附規定三四 る。詞「を、ら、旦、で、で、い。は、は、常な状態では (註九)。「明け」たのが、まだ「夜深」い時点だったと看做すのが、自然な理解である。の「は、の「車、の、ば、は「た、る。て、は、る。この考えに基づけば、勢語四段の「あくる」時刻も、午前三時を過ぎた頃だということになる。

で、る。も、ら、る。「むめの花ざかり」のための必然としても、その月の「十日」に特定した意図がないかどうか、考慮する必要があろう。ば、は、 (註一〇)ち、る。く「ら、も、は、う。た、ば、よ、る。た、ば、

ても、「月のかたぶく」のと「あくる」のとがほぼ同時に到来すると考えることに、支障はあるまい。は、が「て、に、でふせ」って、夜が「あくる」とともにそこを辞去したのである。この設定は、「む月の十日ばかり」という期日でなければ、い。ば「み、ば「る。で、て「は、る。ば、は、の「

(5)

勢語四段と日附規定三五 が成立するための、必須の設定であったといえよう。ほのぼのと この理解に難があるとすれば、「あくる」に冠されている「ほのぼのと」の語であると言えようか。この語には、午前三時という時刻に、そぐわない印象がある。「ほのぼの」という語の一般的な理解は、以下のようなものであろう。[資料四] あけぼののうす明るいさま。「夜の︱明くるに、泣く泣く帰りにけり」〈伊 (註一一)は、て、る。は「が( (註一二)も「も、

で、は、で「分だから、特段の註記がなされていないものと推測される。「ほんのりと明 (註一三)」、「うっすら(と)明 (註一四)」などとする説も、基本的には違いがないであろう。の「ば、が「ら、は、る。が、し「って来る時間帯を示しているのだとしたら、午前七時前頃の時刻を想定しなければならない。方、上、は、い。

ば、て、……と、て、に、……」で、に、る。ば、も、は「う規定の許容する誤差の範囲を超えるであろう。ん、時、て、に「も、い。て、が、

(6)

勢語四段と日附規定三六 も、 (註一五)ば、が、で、い「を、か。が、の「 (註一六)も、は、という前提による。本稿では、そこを再考しようとするのである。で、も、 (註一七) (註一八)は、い。は、も、

を、る。て、の「が、は、う。ち、語における日附の規定は、実際の期日が特定できるか否かという要因によって附加されるものではないのである。は、と「と「る。ば、の「し、ば、い。だ、し、ら、て、それと齟齬が生じているかに見える「ほのぼの」の理解について、検証してみる必要があろう。

そこで、実際の用例を調査すれば、用語「ほのぼの」は、かならずしも光線の状態と必然的に結びつくものではない。「わずかに。かす (註一九)。」という用法があるのである。] も、ま、る。と、ぞ、る。ど、く、ん。て、ず、た、たまふ。」と、ほのぼのあやしがる。(源氏物語・夕顔、一︱二五一)] て、見、と、ど、

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