• 検索結果がありません。

亀山良雄教授を送る

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "亀山良雄教授を送る"

Copied!
3
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

亀山良雄教授を送る

著者 梶浦 善次

雑誌名 北海道女子短期大学研究紀要

巻 20

ページ 1‑2

発行年 1986

URL http://id.nii.ac.jp/1136/00001798/

(2)

亀 山 良 雄 教 授 を 送 る

学 長 梶 浦 善 次

198

! 年

3月に, 亀山良雄教授が退任される。先生は,本学工芸美術科の生みの親でありまた 育ての親でもあった。 工芸美術科の発足とともに教授となり, 長く学科長としてまた学生部長 などの要職について,工芸美術科の育成のみでなく,短大の発展につくされたのであった。わ が工芸美術科の発足と発展に,その生涯のもっとも充実した時期をあてられた先生が, 本学を 去られることはまことに淋しい限りであり残念に思う。ただ先生はこれからを制作者として作 品の創造に俸げたいという強い決意であるので,私は今後のご健康と作家としての一層の充実 と成果を期待するものである。

先生と私は, 昭和47年に私がこの短大に来てからの同僚知人であり,しかも芸術には全くの 門外漢であるので,私は先生の画業について語ることはできない。先生が昭和18年に東京美術 学校を卒業され,4‑ 5年の軍隊生活を経て,読売アンデパンダ展, 自由美術展, 春陽会展に 出品され,さらに主体美術展を舞台に活躍,道展常任委員として「道展三羽鴻」とよばれ,ま た北海道秀作美術展での最高賞 (1974年),札幌市民芸術賞(1984年)などを受賞,また他の 6人の道内有力作家とともに「玄の会」を結成し, 道内における指導的立場で活躍されている 経歴が,何よりも雄弁に先生の美術家としての大きさを示していると思う。

私には,亀山先生の人聞を,否芸術家としての執念といったものを垣間見た思い出がある。

何年か前に,工芸美術専攻生の研修旅行に,私が同伴したことがあった。京都に宿泊した夜の ことである。夕食後,私たちは (亀山,小林両先生と私)街を散歩して10時近くに帰り,私は ねむりこんでしまった。どのぐらい時聞が経ったか, 私は亀山先生の熱っぽい議論の声に目を さました。話の内容はよくわからなかったが,先生の絵画論と美術界への批判のようであった。 相手をしていた小林先生が,時々短いことばで応待をしていたが,亀山氏の議論は綿々として いつ果てるとも思えなかった。真夜中を過ぎてきたのであろう,私はふたたび眠りこんで,そ れがいつ終ったのかわからなかった。 「酒に真理あり」という西洋の諺があるが,先生の芸術 家としての真の姿は,作品の創作の中にそして酒気を帯びたときの激しい議論に見らるのでは ないだろうか。先生は平素は端正で、寡黙の人であるが,芸術への強い意志が,その内部に沸騰 しているのであろう。先生は1981年の自選展の中で,長い作家生活の中で 「多くの作品を破棄 しすぎて」云々といっているが,先生の芸術家としての良心を佑沸させているように思うので ある。

先生は,近年不治と考えられる難病にかかったが,短かい期間で見事にそれを克服された。

まさに奇蹟であった。人間としての芯の強さを思わせる。これからは世間的な雑務から自由と

(3)

梶浦:亀山良雄教授を送る

なって画作に専念されるということである。先生が芸術家としてのエレメン卜の中で生きるこ とを羨むとともに,ふたたび健康を祈り,画業の成巣を期待して,先生を送ることばとする次 第である。

参照

関連したドキュメント

ロボットは「心」を持つことができるのか 、 という問いに対する柴 しば 田 た 先生の考え方を

うのも、それは現物を直接に示すことによってしか説明できないタイプの概念である上に、その現物というのが、

これはつまり十進法ではなく、一進法を用いて自然数を表記するということである。とは いえ数が大きくなると見にくくなるので、.. 0, 1,

   遠くに住んでいる、家に入られることに抵抗感があるなどの 療養中の子どもへの直接支援の難しさを、 IT という手段を使えば

彼らの九十パーセントが日本で生まれ育った二世三世であるということである︒このように長期間にわたって外国に

 今日のセミナーは、人生の最終ステージまで芸術の力 でイキイキと生き抜くことができる社会をどのようにつ

自然言語というのは、生得 な文法 があるということです。 生まれつき に、人 に わっている 力を って乳幼児が獲得できる言語だという え です。 語の それ自 も、 から

□ ゼミに関することですが、ゼ ミシンポの説明ではプレゼ ンの練習を主にするとのこ とで、教授もプレゼンの練習