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締固めた土の 一軸圧縮試験結果に 及ぼす飽和度の影響

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長野工業高等専門学校紀要 ・第28 (1994) 63

締 固めた土の一軸圧縮試験結果 に 及 ぼす飽和度の影響

常田,亮 亀井健史

(平成6928日 受理)

EFFECTS OF VARIATIONS IN DEGREE OF SATURATION ON  U N C O N F I N E D   C O M P R E S S I O N   T E S T   R E S U L T S   O F   C O M P A C T E D   S O I L

Makoto TOKIDA and Takeshi KAMEI

Toinvestigatetheeffectsofvariationsindegreeofsaturationonuncon丘ned compressiontestresultsofthecompactedsoil,uncon丘nedcompressiontestswere performedonthecompactedsoilwithdiHerentinitialdrydensityandinitialdegreeof saturation.

Theobservedeffectsofinitialdrydensityandinitialdegreeofsaturationofthe compactedsoilarediscussedbyadetailedlookatuncon点nedcompressivestrengthand deformationcharacteristics.

1. じ め に

一般的に,土 は土粒子およびその間隙を満たす水 と空気の三相混合体であ り,間隙が完全 に水 で満たされている土を飽和土,それ以外の土を不飽和土 と呼んでいる.多雨多湿 な気候 の日本では,地下水位が比較的高いために土質工学上問題 となる地盤の多 くは飽和状態 にあ り,不飽和土の問題 は特殊 な問題 として考 えられてきた. しか しなが ら,盛土や地下水位 よ り上部にある地盤等の実際に土木工事の対象となる土 は,不飽和状態にあることが知 られて お り,飽和度が100%を僅 かに低下 した り土中の間隙内に気泡が生 じて間隙水圧が負圧 にな っている試料 まで考慮す ると,不飽和土の範囲はかな り拡大 され るものと考 えられ る. また, 室内試験 に用い られている通常の試料は,完全 な飽和状態で存在す ることが少 な く,サ ンプ

リソクによる応力解放に伴い試料中に負の間隙水圧が発生 している場合には,その負の間隙 水圧が試験結果に大 きな影響を及ぼす ことが指摘 されている1). したがって,不飽和土の強 度 ・変形特性を解明することは,地盤のせん断特性を評価する上で工学的に重要 な要素のひ

とつであることが容易に想定される.

上記のような点に着 目して,不飽和土の力学的挙動を解明す ることを目的 とした研究例 が 数多 く報告 されている.その代表例 として,Aitchison2)Jennings3)およびBishop4)は,飽 和土の有効応力原理を不飽和土に対 して適用す るために,不飽和土に関す る有効応力式の提

●環境都市工学科助教授

= 基礎地盤コソサルタンツ (秩) 地盤物性研究室室長

(2)

案を行 ってお り,Bishop4)の提案式が気相 の項を含んでいる点で包括的な表現式であるとい われている.また,BishopandDonald5)は,不飽和土の排水三軸圧縮試験を実施 した結果, 試験中に側圧 と間隙水圧の差および間隙空気圧 と間隙水圧の差を一定 となるように変化 させ た場合には,不飽和土の応力‑ひずみ曲線 はiまとんど影響を受けないのに対 して,両者の ど ち らか一方のみを変化 させた場合には大 きな影響を受けることを明 らかにし,不飽和土の力 学的挙動が有効応力式4)に支配 されていることを示 した. さらに,BishopandBlight6)紘, 4種類の締固めた不飽和試料に対 して三軸圧縮試験,一軸圧縮試験および等方圧密試験を実 施 し,有効応力原理に基づいて不飽和土の強度 ・変形特性およびサクシ ョンの影響等の検討 を行 い,有効応力式中の実験定数xの決定法を提案 している.

軽部 ら7)は,締園やた不飽和 カオ リンに対 して5種類 の排気 ・排水三軸圧縮試験を行 い, 破壊応力に及ぼす ダイレイタンシーの影響やひずみの応力径路依存性 について明 らかにし, 不飽和土の力学的特性が飽和土の延長線上 にあることを示唆 した.また,向後8)は等価間隙 水圧 を導入 して有効応力を定義 し,これを修正 カムクレイ型の飽和土構成式 に適用 して不飽 和土の塑性ポテンシャル関数を提案している.

これに対 して,JenningsandBurland9)は,不飽和粘性土に対 して圧密試験を実施 した結 果,圧密の途中段階で供試体を水浸させてサクシ ョンを解放 した場合,サクシ ョンの解放 に 伴 って有効応力が減少 して体積膨張が予想 されるのにもかかわ らず,急激な圧縮変形 (コラ プス)が生 じる場合のあることを明らかにし,有効応力式4)が適用できる限界の飽和度 は, 粘性土では90%以上であ りシル ト質土 の場合には50%以上であると報告 している. しか しな が ら, コラプスは水浸に伴 って有効応力が減少 し,せん断破壊が発生 して急激な圧縮変形を 起 こす ものであ り,一概 に有効応力原理を否定す る根拠にはならない との指摘 もある10). 普 た,阿部 ・川上11)は不飽和土に対 してKo圧密試験を行 い,不飽和土を水浸 した場合に発生 す るコラプスは,粒子間力が消失することによりせん断破壊を起 こし,負のダイレイタンシ ーが生 じることに起因 しているものと考 えられ,不飽和土の コラプスは必ず しも有効応力原 理を否定す る挙動ではないと述べている.

Barden12)紘,上記のよ うな コラプスが発生す る必要条件 として,土が大 きな間隙を有 してお り不安定 な構造であること,コラプスを発生させ るために十分な大 きさの外的応力が 作用 していること,高いサクシ ョンあるいはセメンテ‑シ ョソにより土の構造が一時的な剛 性 を有 していることの三つの条件を上げてお り,不飽和土の水浸時における体積変化 は,初 期飽和度,初期乾燥密度および外的荷重により大 きな影響を受けているもの と考 えられ る.

この点に着 目して,榎本 ・亀井13)はコラプス沈下が発生 しやすいシル ト質土 に対 して圧密試 験装置を応用 した膨潤試験を実施 し,吸水前の初期飽和度および初期乾燥密度がシノレト質土 の膨潤特性 に与 える影響を定量的に明 らかにしている. また,福 田 ・中沢14)紘,盛土地盤 の 材料 としてよく利用 される火成岩系風化砂質土に対 して水浸試験を行い, コラプス沈下量 の 算出方法の提案を行 っている.

一方,不飽和土の強度 ・変形特性に関 しては,鈴木 ら15)が不飽和豊浦砂を用いてサクシ ョ ン一定三軸圧縮試験を実施 し,サクシ ョンの作用によってせん断強度が増加することを明 ら かにす るとともに,その強度増加量がBishopの有効応力式4)か ら説明できると報告 してい る. また,宇野 ら16)は締固めた不飽和試料に対 して排気 ・排水三軸圧縮試験 を行 った結果,

(3)

締 固めた土の一軸圧縮 試験結果 に及 ぼす飽和度の影響 65 サクシ ョソ応力は密度の影響を受けてお り,強度特性 に及ぼすサクションの影響 は,シル ト 質土 よりも粘性土に大 きく表われると述べている. さらに,沖積粘土 と洪積粘土を用いてサ

クシ ョソを測定する一軸圧縮試験を実施 した結果,一軸圧縮強さと初期サクシ ョンの間 には 明瞭な相関関係が認められた との報告例 もある17).

以上のように,不飽和土の有効応力式, コラプス現象および強度 ・変形特性 に及ぼすサク シ ョンの影響等に関 してはかな り解明 されてきているが,不飽和土の強度 ・変形特性 に及ぼ す初期飽和度および初期乾燥密度の影響に関しては, まだ未解明な点が多いのが現状 である

と考 えられる.

本研究では,上記のような点に着 目して,初期乾燥密度 と初期飽和度を変化 させて締 固め た不飽和試料に対 してサクシ ョンを測定す る一軸圧縮試験を実施 し,締固めた土 の強度 ・変 形特性に及ぼす初期乾燥密度 と初期飽和度の影響 について検討 している.

2.試料 および実験方法 2‑ 1

実験に使用 した試料は,主成分がシル ト分のDLクレーである.試料の物理的特性 と粒径 加積曲線をTablelとFig.1に示す.供試体は直径5cm,高 さ10cmの円柱形 とし,比較 的均質な供試体が得 られ ることを考慮 して,直径5cm,高 さ20cmのモール ド内の試料を 一定 ひずみ速度 (‑ 1cm/min)で静的に締固めて作成 した. また,供試体 の内的条件は, 初期飽和度Srl20,40,60,80,85,90,95%の7種類 とし,初期乾燥密度 pdlを1.326g/

cm3(0.85pdmax),1.482g/cm3(0.95pdmaX),1.560g/cm3(pdm8X)の3種類 とした. なお, 本 研 究 で は,供 試 体 成 形 の 都 合 上, pd.1.326g/cm3の場 合 に はS,1‑90,95%,pdI 1.560g/cm3の場合 にはSr1‑20%の条件に関す る実験を実施 しなかった.

r2‑ 2 実験方法

実施 した実験 は,サクシ ョンを測定す 100 るひずみ制御方式の一軸圧縮試験で, チ

ータのばらつ きを考慮 して同一条件の供 試体 に対 して2本以上行 った. また,せ ん断時 のひず み速 度 は1.0%/minと し た18).なお,一軸圧縮試験 は不飽和土用 三軸室を使用 し,セル圧および間隙空気 圧を大気圧 (oTc‑ ua=0)として実施 し

た .

0000

8642

1LJ2!8AAqJOLJEJB'etUOJ

DLCIay

(Non‑plastic)

0.001 0.01 0.1 GrainS;ze(mTR)

Fig.1 GrainsizedistributioncuⅣeofsample Table1 Indexpropertiesofsoilsample

SoilSample ps W L Wp p Sand Silt Clay (g/cm3) (%) (%) (%) (%) (%)

(4)

0042(月)TA

0 20 40 60 80 100

S.1(%)

Fig.2 Relationshipbetweeninitial suctionandinitialdegreeOf saturation

̲0 0ー■0 ‑

A

I A

ー ●・.

▲‑

1.2 1.3 1.4 1.5 1.6

pJi (g/cn3)

Fig.3Relationship between initial suctionandinitialdrydensity

3.実験結果および考察 3‑ 1 初期サクシ ョンと初期飽和度 および初期乾燥密度の関係

Fig.2およびFig.3は,初期サクシ ョンと初期飽和度および初期乾燥密度 の関係を示 して いる. ここで,図中の一点 は,同一条件の供試体 より得 られた初期サクシ ョンの平均値であ る.図 より,初期サクシ ョンは,全初期乾燥密度条件において初期飽和度の増加 に伴 って減 少す る傾向を示 してお り,初期飽和度が80%程度 に達す るとほぼ‑定借 (S1≒0・23)とな っていることがわかる.また,初期飽和度 の増加 に伴 う初期サクシ ョンの減少割合は,初期 飽和度が20%95%の場合を比較すると,初期乾燥密度 によらず約50%を示 した.同様 の傾 向は,既往の研究例19)20)においても認められてお り,初期サクシ ョンは初期飽和度の影響 を 大 き く受けているもの と考 えられる. さらに,初期サクシ ョンは,Fig.3に示す ように,初 期飽和度によらず初期乾燥密度の増加 に伴 ってほぼ直線的に低下 してお り,初期乾燥密度が 1.60g/cm3の場合の初期サクシ ョソほ,初期乾燥密度が1・326g/cm3の場合 よ りも5%〜10

%程度小 さな値を示 している.

以上のことよ り,締固めた土の初期サクシ コソは,初期乾燥密度 よりも初期飽和度の影響 を大 きく受けているものと考 えられる.

3‑ 2 圧縮応力ー軸ひずみの関係

初期乾燥密度を変化 させた場合の圧縮応力 と軸 ひずみの関係をFig.4(a)〜(C)に示す.初期 乾燥密度が1.560g/cm3の場合,圧縮応力一報 ひずみ曲線 には初期飽和度 によらず明瞭 など

‑クが認められ,軸 ひずみが1.1%1.5%程度に達すると破壊に至 っている. これに対 して, 初期乾燥密度が1.482g/cm3および1.326g/cm3の場合 には,圧縮応力 は軸 ひずみの増加 に伴

って増加 し,変形特性 は若干異なるものの圧縮応力ー軸 ひずみ曲線には初期飽和度によらず 明瞭 など‑クが認め られる.また,両初期乾燥密度条件 において,初期飽和度が80%以下の 場合 には軸ひずみが1.5%程度で破壊 に至 っているのに対 して,初期飽和度が80%を越 える と破壊 ひずみは約2%〜3.5%と増大 している. さらに,同軸 ひずみ条件下 における圧縮応 力は,全初期乾燥密度条件 において初期飽和度の増加に伴 って減少 してお り,初期飽和度が 95%20%の場合 (pu.‑1.482g/cm3)を比較す ると,一軸圧縮強 さの減少割合 は約50%

(5)

締固 めた土の一軸圧縮試験結果 に及 ぼす飽和度の影響

00■}

0 1 2 3 4

8.(%)

Fig.4 Typicalstressaxialstrain behaviours

(W).S

67

1 2 3 4

e.(%)

2 3 4

e.t(%)

t7 1 2 3 4,

・8.(%)

Fig.5 Typicalstressaxialstrain ・ behaviours

なっている.

3‑3 せ ん断時のサクシ ョンと軸 ひずみの 関係

Fig.5(a)〜(C)紘,初期乾燥密度 を変化 させ た場合のせん断時のサクシ ョソと軸 ひずみの 関係を示 している.初期飽和度が90%以上 の 場合 (pdI1.482,1.560g/cm3),せん断時のサクシ ョソは軸 ひずみの増加 に伴 って僅 かに 低下 し,軸 ひずみが1.0%程度 に達す ると徐々に増加す る傾向が認め られ る. この ことは,

(6)

初期飽和度が90%以上の場合には,せん断の初 期に正の間隙水圧が発生 していることを示唆 し ているものと考 えられる. これに対 して初期飽 和度が80%以下の場合には,せん断時のサクシ ョンは全初期乾燥密度条件において軸ひずみの 増加 に伴 って僅 かに増加す る傾向を示 してお り, 同様 の傾向は既往の研究例19)においても報告 さ れている.また,、サクシ ョンー軸 ひずみ曲線 は, 初期飽和度が同程度の場合には,破壊ひずみが 若干異 なるものの初期乾燥密度 によらず ほぼ同 様の挙動を示す ことがわかる.

3‑4 有効応力径路

異 なった初期乾燥密度条件における有効応力 径路 を,Fig.6(a)〜(C)に示す.なお, ここでは,

(o10)/2を平均軸差応 力, (ol+屯′)/2 平均有効応力 と定義 している.初期飽和度が95

%の場合 (pd.1.482,1.560g/cm3)には,有 効応力径路 は平均有効応力の増加 に伴 って平均 軸差応力が増加 し,等方圧密非排水三軸圧縮試 験 よ り得 られた飽和土破壊線 (Failure Enve lope)に漸近 していき最終的に破壊 に至 ってい

る. これに対 して初期飽和度が90%以下の場合 には,有効応力径路 は初期乾燥密度条件 によら ず平均有効応力の増加 に伴 って平均軸差応力が ほぼ直線的に増加す る傾向を示 してお り, この 傾向は既往の研究例21)とも一致 している. また, 破壊時のせん断応力は初期飽和度の低下 に伴 っ て増大 してお り, このときの破壊点 は,飽和度 の低下に伴 って飽和土破壊線か ら離れてい く傾 向を示 している.

以上のことよ り,不飽和土の有効応力径路 は, 初期乾燥密度によらず初期飽和度が95%程度の

0005(d宅︻)N(CbTL)) 0005(盛)N(eb.I)) Oo05)N(ebTL))

80 100 150 (ql'+q ;) / 2 (kPa)

50 100 150 (q{+ q;)/2 (良PA)

50 100 150

場合 には飽和土破壊線に漸近す る挙動を示すの (q.I+q;)/2 (kPa) に対 して,初期飽和度が90%以下 になると初期 Fig・6TypicaleffectivestresspathS 飽和度の低下に伴 って破壊点が飽和土破壊線か ら離れてい く傾向を示す ことが明 らか となっ た. また,不飽和土の有効応力径路の挙動は,初期飽和度が同 じ場合には初期乾燥密度の違 いによる影響をほとんど受けないものと考 えられる.

3‑ 5 強 度 特 性

Fig.7およびFig.8は,一軸圧縮強 さと初期飽和度 および初期乾燥密度の関係を示 して

(7)

締 固 めた土 の一軸圧縮試験結果 に及 ぼす飽和度の影響

150

ラ 100

b1

50

0 20 40 60 80 100

S,i (%)

Fig.7 Relationship between the compressive strength and initialdegreeofsaturation

いる. ここで,図中の一点 は,同一条件の供試 体 より得 られた一軸圧縮強 さの平均値を示 して いる.図よ り,一軸圧縮強 さは,初期乾燥密度

69

i..:グAI

0

A . ク /

1.2 1.3 1.4 1.5 、1.6

pdl (g/cm3)

Fig.8 Relationship between the compressive strength and initialdrydensity

によらず初期飽和度の増加 に伴 って低下す る傾

向が認められ,初期飽和度が80%を越 えるとそ

の減少割合が急増 してお り,初期飽和度が40% ) 100

95%の場合を比較す ると,その減少割合 は初 t; L

期乾燥密度 が1.560g/cm3の場合 には約30% あるのに対 して,初期乾燥 密度 が1.482g/cm3

になると40%程度を示す ことがわかる. この主 要因 としては,初期飽和度の高い試料ほど供試 体内のサクシ ョンが低下 してお り,その結果, 見掛け上の粘着力が減少す るために,初期飽和 度の増加に伴 って一軸圧縮強 さが低下 している

0 10 20 30 40 50

SuL (kPa) Fig.9 Reはtionshiplbetween the

compressivestrength and thesuctionatfailure ものと考 えられ る. また,一軸圧縮強 さは初期

飽和度 によらず初期乾燥密度 の増加 に伴 って急増す る傾 向が認 め られ;初期乾燥密度 が 1.560g/cm3の場合の一軸圧縮強 さは,初期乾燥度が1.326g/cm3の場合 よ りも2‑ 3倍程 度大 きな値を示 している. これは初期乾燥密度の増加 に伴 って土粒子の骨格構造が発達 した ものになっていることに起因 しているもの と考 えられ る. さらに,一軸圧縮強 さは,Fig.9 に示す ように,初期乾燥密度条件によらず破壊時サク シ ョソの増加 に伴ってほぼ直線的に増 加す る傾向を示 している.上記の傾向は,阿部 '・川上11)の研究においても報告 ざれてお り, このことは,一軸圧縮試験結果を破壊時サクシ ョソを用いて有効応力で整理す ることによっ て,内部摩擦角 と粘着力を算出す ることが可能であることを示唆 しているもの と考 えられ る.

(8)

0 20 40 00 80 100

S,I (%)

Fig.10 Relationshipbetween仇emodulus ofdeformationandinitialdegree ofsaturation

以上のことよ り,締国中た土の強度特性 を評 価す る場合には,土の初期飽和度 と初期乾燥密 度を十分に考慮す ることの必要性を示唆 した.

3‑6 変 形 特 性

変形係数 と初期飽和度および初期乾燥度 の関 係 をFig.10とFig.11に示 す. こ こで,変 形 係 数 は圧縮応力⊥軸 ひずみ曲線上 において,一軸 圧縮強 さの1/2となる点 と原点 を結ぶ割線係数 で定義 した.なお,図中の一点は,各供試体条 件 における変形係数の平均値を示 している.変 形係数は,一軸圧縮強 さと同様 に全初期乾燥密 度条件 において初期飽和度の増加 に伴 って減少 す る傾向を示 してお り,初期飽和度が80%を越

0

〇一●一

̲一一 〇 A一

= :二一 A

1・2 1.3 1.4 1.8 1.6

p Ji (g/cna)

Fig.ll Relationshipbetweenthemodulus of defom ation and initialdry density

70TX)OE[

10 20 30 40

S ., (kPa)

50

Fig.12 Relationshipbetweenthemodulus ofdeformationandthesuctionat failure

えるとその減少割合が急増 している. これは初

期飽和度の増加 に伴 って一軸圧縮強さが減少 していることが,その主要因であるもの と考 え られ る.また,初期飽和度の増加 に伴 う変形係数の減少割合 は,初期飽和度が40%と95%の 場合 b d1‑1.482,1.560g/cm3)を比較す ると,約50%を示 した. さらに,変形係数 は,初 期飽和度 によらず初期乾燥密度の増加 に伴 ってほぼ直線的に増加す る傾向が認め られ,初期 乾燥密度が1.560g/cm3の供試体 の変形係数は,全初期飽和度条件 において初期乾燥密度が 1.326g/cm3の場合 よ りも1.21.4倍程度大 きな値を示 している.変形係数 と破壊時 サクシ ョンの関係をFig.12に示す.図 より,変形係数は,破壊時サクシ ョンの増加 に伴 ってほぼ直 線的に増加す る傾向を示す ことがわかる.

3‑7 内部摩擦角 と初期飽和度および初期乾燥密度の関係

Fig.13は,内部摩擦角 と初期飽和度の関係を示 している.内部摩擦角は,初期乾燥密度条 件 によらず初期飽和度の増加 に伴 って僅かに増加する傾向を示 してお り,初期飽和度が40%

(9)

締固めた土の一軸圧縮試験結果に及ぼす飽和度の影響 Table2 Summaryofuncon丘nedcompressiontestresults

71

(g/cm3) .(%) ・(%) (kPa) . (kPa). 1(kPa). .(kPa) (%) (○)‑

1.560 20 5.3

40 10.5 35 37 168.8 . 22500 1.1 + ・44.4 60 15.8 32. 3°4 165.2 21100ー 1.3 44.8.

80 21.1 25 28 148.7 18000 1.4 45.5 85 22.4 24‥ 26:̲ 140.7 16500‑ 1.4 45.5 90 23.7 23 24 .‑ 135.0 15000 1.6 45.5 95 25.0 23 24 120.5 1?100 1.6 46.4

100 26.4 46.6

1.482 20 5.9 43 45 157.6 2350Q 1.2 38.6 60 17.8 32 34 138.̲7 19500 1.5 ■ 40.5

̀ 95 28.3 23 24 86.0 9800 3.6 42.0

100 29二7 42.3

40 .15.1 38 40 82.2 18600. 1.6 30.5

.90 33.9 95 35.8

注)初期飽和度100%の条件 におけ る内部摩擦角 は,等方圧密非排水三軸圧締試験結果 よ り算出 した.

60

( 40 ̲.

̀0.

20

0 20 40 80 BO 100

S.1 (%)

Fig.13 VariationinS'withinitialdegree ofsaturation

60 40

( 亡I

20

iー̲く 卓p

/ i I

1.2 1.3 7.4 1.5 1.6 pJI (dczLa)

Fig.14 Variationin4'withinitial dry density

(10)

95%の場合を比較す ると,その増加割合は5%〜10%程度 となっている. また,内部摩擦 角は,Fig.14に示す よ うに,初期乾燥密度の増加 に伴 ってはば直線的に増加 してお り,初期 乾燥密度が1.560g/cm3の供試体 の内部摩擦角は,初期乾燥密度が1.326g/cm3の場合 よ りも 40%〜50%程度大 きな値を示 している. この ことより,DLクレーの内部摩擦角は,その主 成分がシル ト分であるために密度の影響を大 きく受けていることが容易に想定 される. ・

Table2は,今回実施 したサクションを測定す る一軸圧縮試験結果を取 りまとめている.

4.

本研究では,締固めた土の強度 ・変形特性 に及 ぼす初期乾燥密度お よび初期飽和度 の影響 を解明す るために,静的締固めにより作成 した不飽和供試体 に対 してサクシ ョンを測定す る 一軸圧縮試験を実施 した.

以下に,本研究 より得 られた主要な結論を列記する.

1) 一軸圧縮強 さおよび変形係数は,初期飽和度 の増加および初期乾燥密度の低下に伴 って 減少する傾向を示 した. また,初期飽和度の増加に伴 う両者の減少割合 は,初期飽和度が 40%95%の場合を比較す ると,一軸圧縮強さで30%〜40%程度,変形係数の場合 には約 50%であった.

2) 一軸圧縮強 さおよび変形係数は,初期乾燥密度によらず破壊時サクシ ョンの増加 に伴 っ てはば直線的に増加す る傾向を示 した. このことは,試験結果を破壊時サクシ ョンを用い て有効応力で整理することによって内部摩擦角 と粘着力を算出することができる可能性 を 示唆 しているもの と考 えられる.

3).内部摩擦角は初期飽和度の増加に伴 って僅かに増加 し,その増加割合は,初期飽和度が 40%95%の場合を比較す ると,全試料 において5%〜10%程度であった. また,内部摩 擦角は,初期飽和度によらず初期乾燥密度 の増加に伴 ってほぼ直線的に増加 し,初期乾燥 密度が1.560g/cm3の試料 の内部摩擦 角 は,飽 和度 が85%以下 の場 合,初期乾燥 密度 が 1.326g/cm3の場合 よりも約40%〜50%大 きな値 を示 した.

以上のことより,締固めた土の強度 ・変形特性 を評価す る場合 には,初期飽和度お よび初 期乾燥密度が,そのせん断特性に重要な影響 を与 える主要因のひとつであるものと考 えられ

る.

参 考 文 献

1) 川上 一浩 :不飽和土の強度 と変形,不飽和土の工学的性質研究の現状シンポジウム論文集, pp.1‑10,1987.

2) Aitchison,GD.:Relationshipofmoisturestressandeffectivestressfunctionsinunsaturated soils,PorePressureandSuctioninSoils,pp.47‑52,1960.

3) Jennings;∫.E.B.:Arevisedeffectivestresslawforuseinthepredictionofthebehaviour ofunsaturatedsoils,PorePressureandSuctioninSoils,pp.26‑30,1960.

4) Bishop,A・Ⅴ∴Themeasurementofporewaterpressureinthetriaxialtest,PorePressure

、andSuctioninSoils,pp.38‑46,1960.

5) Bishop,A.W.andDonald,.B∴Theexperimentalstudyofpartlysaturatedsoilinthe

参照

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一方,過圧密試料の場合,過圧密比が2 の試料の同ひずみ条件下における過剰間隙水圧 の 発生量は,ひずみ速度の増加 に伴 ってわず かに低下 している.. )に漸近

1.まえがき 近年、水浸した締固め土と正規圧密、過圧密土の剪断 特性を藤の森粘土1)2)とまさ土3)で比較してきた。この結 果、内部摩擦角φ’は正規圧密土がD値≦95% の締固め土 より大きくなること、全応力では正規圧密と過圧密の破 壊包絡線は先行圧密応力で折曲がる直線で近似されるが、 締固め土ではD値に関係なく1本の直線で近似でき、締

態でせん断した.図−2左に各せん断試験の限界状 態を e~logp’平面で示す.飽和土と同様に不飽和土に おいても正規圧密曲線と平行な限界状態線が得られ

  表−2 で示した供試体を用いて一軸圧縮試験を行った結果を図−3 に示

供試体は,緩詰め供試体( Dr =30%),密詰め供試体( Dr =60%) ともに含水比 5%に調整した試料を,高さ 10cm,直径 5cm

content at compaction       ゛’`

構造物に発生するひび割れを正確に予測する検討が進 められている。最近では,コンクリート部材の収縮が外

有効高さに対する回帰曲線の指数は,封緘供試体が-2/5 乗に,乾燥供試体が-1/2 乗に則った。既報 5),6) の強度レベ ル(30N/mm 2 ,