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強皮症における心病変の解析研究:

心臓 MRI と心血管疾患の炎症性バイオマーカー によるアプローチ

日本大学大学院医学研究科博士課程 内科系膠原病リウマチ学専攻

杉山 海太 2017 年

指導教員 武井 正美

(2)

強皮症における心病変の解析研究:

心臓 MRI と心血管疾患の炎症性バイオマーカー によるアプローチ

日本大学大学院医学研究科博士課程 内科系膠原病リウマチ学専攻

杉山 海太 2017 年

指導教員 武井 正美

(3)

目次

第 1 章 概要 1

第 2 章 緒言 4

2-1 概念 -強皮症と心病変について- 5

2-2 強皮症の心病変の機序 6 2-3 心病変の診断と心臓 MRI の意義 6

2-4 研究背景と目的 8

第 3 章 対象と方法 11

3-1 対象患者 12

3-2 選択基準 12

3-3 除外基準 13

3-4 MRI の撮影法と評価法 14

3-5 MRI の機種及び撮影施設 16 3-6 心血管の炎症性バイオマーカーなど

採血データの項目と測定法 17 3-7 採血と MRI の検査スケジュール 18

3-8 強皮症患者の比較に用いたスコアリングの説明 18

(4)

3-9 統計法 18

第 4 章 結果 20

4-1 Study 1 の結果 21

4-1-1 患者背景因子 21

4-1-2 LGE と T2WI の頻度及び LGE の造影パターン 21 4-1-3 患者背景因子と LGE 及び T2WI との関連性 22 4-1-4 左室機能との関連性 23 4-1-5 左室の geometry と LGE 及び T2WI との関連性 23 4-1-6 BNP 値と心病変の関連性 24 4-1-7 LGE と最も関連していた因子 24 4-1-8 ROC 曲線を用いた BNP と LGE の関連性 24 4-1-9 LGE segment 数と心形態、バイオマーカー

及び心肥大の型との関連性 25 4-2 Study 2 の結果 25

4-2-1 患者背景因子 25

4-2-2 LGE と T2WI の頻度 26 4-2-3 患者背景因子と LGE の関連性 26

(5)

4-2-4 心病変と NT-proBNP 及び

心血管の炎症性バイオマーカー

の関連性 27 4-2-5 心病変と adiponectin の関連性 27 4-2-6 LGE segment 数と心形態、バイオマーカー

及び心肥大の型との関連性 28 4-2-7 LGE 陽性者 11 名だけでの検討 28

第 5 章 考察 30

5-1 心病変と LGE/T2WI 及び geometry の考察 31 5-2 心病変と BNP/NT-proBNP の考察 33 5-3 心病変と患者背景因子(抗 Scl-70 抗体など)

の考察 34

5-4 心病変と心血管の炎症性バイオマーカーの考察 35 5-4-1 TNFαと心病変の考察 35

5-4-2 IL-6 と心病変の考察 36 5-4-3 PTX3 と心病変の考察 37 5-4-4 MMP-9 と心病変の考察 38 5-4-5 Leptin と心病変の考察 39

(6)

5-4-6 Adiponectin と心病変の考察 40 5-4-7 心血管の炎症性バイオマーカーと心病変の考察 41 5-5 LGE segment 数の考察 41 5-6 LGE 陽性者 11 名だけでの検討(Study 2)

に対する考察 42 5-7 Limitation 42

第 6 章 まとめ 45

謝辞 47

図表 48

図説 80

引用文献 85

研究業績目録 104

(7)

1

第 1 章

概要

(8)

2

第 1 章. 概要

本 研 究 は 、 低 侵 襲 な 検 査 で あ る 心 臓 MRI ( cardiac magnetic resonance imaging;CMR)を用いて、強皮症(systemic sclerosis;SSc)における無症候 性の心病変の評価と、心病変と geometry などの関連を明らかにすることを目的 とした。

心臓疾患や動脈硬化疾患がなく、心症状のない SSc の患者を対象に、CMR を行 った。心筋の線維化の評価ができる遅延ガドリニウム造影(late gadolinium enhancement;LGE)、心筋の浮腫が判定できる T2 強調画像(T2-weighted image;

T2WI)を用いて無症候性の心病変の検討を行い、更に無症候性の心病変が左室 の geometry と関連しているかどうかを評価した。また、LGE 及び T2WI と SSc の 疾患背景因子、脳性ナトリウム利尿ペプチド(brain natriuretic peptide;BNP)、 ヒト脳性ナトリウム利尿ペプチド前駆体 N 端 フラグメント(N-terminal pro-BNP;NT-proBNP)、及び心血管の炎症性バイオマーカー(TNF-α、IL-6、PTX3、

MMP-9、leptin、adiponectin)に関連性があるかどうか評価した。

今回、後ろ向き研究(49 名の SSc 患者を対象;Study 1)と前向き研究(13 名の SSc 患者を対象;Study 2)の二つを行った(二つの研究の詳細は第 3 章を 参照)。

Study 1 では 55 %、Study 2 では 85 %の患者で LGE が陽性であった。T2WI は、

(9)

3

Study 1 で 22 %、Study 2 で 38 %の患者に陽性であった。Study 1 では 30 %の 患者に geometry の変化が見られ、LGE 陽性患者の内の 45 %で geometry の変化 が見られた。Cine MRI で患者の駆出率は全例正常範囲内であった。心筋の線維 化を示す LGE 陽性群と陰性群を比較したところ、BNP 及び NT-proBNP において有 意差を認めた。BNP は 16.7 pg/ml 以上で線維化が生じている可能性を示した。

Study 1 において LGE 及び T2WI 陽性群と陰性群を比較したところ、抗 Scl-70 抗 体において有意差を認めた。Study 2 で心血管の炎症性バイオマーカーは、症例 数が少ないためか一定の見解は得られなかった。

SSc の心病変は無症候性に進行することが多く認められ、線維化や浮腫性変化 だけでなく心臓の形態学的な変化も起きていることを示した。放射線被曝もな く、安全な侵襲の少ない CMR を行い心病変の合併を診断することは発症予防や 治療戦略に有用である。さらに前述したとおり、BNP/NT-proBNP や抗 Scl-70 抗 体の測定は無症候性の心病変の診断に有用であることを示唆した。

(10)

4

第 2 章

緒言

(11)

5

第 2 章. 緒言

2-1. 概念-強皮症と心病変について-

強皮症(systemic sclerosis;SSc)は肺、腎臓、心臓といった主要内臓臓器 や皮膚の血管病変と線維化で特徴づけられる、原因不明で進行性の結合組織病 である。皮膚硬化の範囲が四肢近位(上腕、大腿)または体幹に硬化が及び、

内臓臓器病変の合併を伴うびまん型強皮症(diffuse cutaneous SSc;dcSSc)

と、皮膚硬化が四肢遠位(前腕と下腿まで)および顔面に限局的に存在し内臓 臓器病変の合併が少ない限局型強皮症(limited cutaneous SSc;lcSSc)に大 別される(1)。

欧米では初診から 10 年の生存率は 65%であり、死因は間質性肺炎、肺高血圧 症(pulmonary hypertension;PH)、心不全・不整脈などの心病変によるものが 多い(2-4)。SSc の剖検例の 12-80%に心病変が確認され(5)、死因の 36%は心病 変によるとの報告もあり(6)、予後に大きく関わる(7-9)(図 1)。また SSc の 心病変は比較的頻度の高いものであるにもかかわらず、多くは無症候性である ため、心病変の早期診断は困難であることが多い。

さらに、SSc の心病変の合併は予後不良因子の一つであり生命予後を考える意 味でも重要な病態である。

(12)

6

2-2. 強皮症の心病変の機序

SSc の心病変は病理学的には心筋線維症が特徴で、冠動脈アテローム硬化型の 疾患に伴う線維形成と明らかに識別可能である。これは小血管の血管攣縮によ って引き起こされると考えられており(10,11)、しばしば心筋虚血の後の再灌 流によって引き起こされる contraction band necrosis を伴う(12)。

SSc 患者は、広範な進行した心筋線維症(60 %)と contraction band necrosis

(40 %)を認め、それらの所見は微小血管の冠動脈血管攣縮(心筋レイノー現 象)と一致している(13)。以上より微小冠動脈血管の繰り返しの攣縮が心筋壊 死、線維化を引き起こしており、心病変の機序であり、動脈硬化による虚血性 変化とは無関係と考えられる。

また心症状のある 25 名の SSc に心内膜生検を行ったところ、線維化と炎症細 胞の浸潤を認めた報告(14)や 52 名の SSc の剖検例では組織学的に心筋の線維 化と壊死を認めた報告(15)があり、心筋の線維化及び炎症・浮腫を評価する ことは、SSc の無症候性の心病変の診断に重要であると考えられる。

2-3. 心病変の診断と心臓 MRI の意義

SSc の患者の無症候性の心病変を評価する方法として、心筋生検が診断学的に 最も確定的だが、侵襲的であるため、施行は困難なことが多い。低侵襲で早期

(13)

7

に心病変を評価する方法として心臓 MRI(cardiac magnetic resonance imaging;

CMR)や心臓超音波検査や核医学検査など様々なモダリティが提案されてきた。

SSc の心病変では、心不全や拡張障害、収縮障害を引き起こすと言われている。

実際、核医学検査、心臓超音波検査で心機能の低下や拡張障害が確認されてい る(16-22)。病理学的に、SSc の心病変は心筋の線維化であり(23)、線維化の 評価に優れる CMR を用いることは有用である。また、放射線被曝がなく、再現 性が高く客観性に優れた CMR は、若年者の患者が多く、繰り返し検査が必要と される膠原病患者で他のモダリティより優位であると考えられる。

最近、SSc の患者に無症候性の心病変の合併があることを、CMR を用いた報告 があり、約 30%の患者に LGE を認めた(24-26)。Kobayashi らの報告では CMR で LGE を認めた部位で局所心機能の低下を認めたとの報告がある(27)。病理学的に contraction band necrosis あるいは線維化と思われる病変が、LGE として心筋 中層に線状に検出される。このような所見は SSc の 66%にみられ、レイノー現象 の期間が長いほど MRI 上の病変部位が大きい(28,29)。また CMR の LGE の病理 学的意義として、動物モデルではあるが、CMR で LGE を示した領域は組織学的に 心筋の壊死や線維化を示していた報告(30)があり、線維化の診断に LGE は有 用であることが報告されている。

以上より CMR は SSc による心筋の線維化を特定する非侵襲的方法としてその

(14)

8

有用性が高まっている。

2-4. 研究背景と目的

前述のように SSc の死因の約 3 割は心病変によるとの報告があり(6)、SSc の 心病変は予後に大きく関わる。また心病変があっても臨床的に心症状を現しに くいとされている。近年 CMR の進歩は極めて急速であり、低侵襲に心病変を検 出してその程度を定量化できるようになった。CMR は様々な病態の心病変を高い 検出能で診断可能で、その性状や程度の診断が低侵襲かつ的確に評価可能であ る。SSc の予後を大きく規定する心病変を心症状が発現する前に早期に捉えるこ とは重要である。CMR を用いて、SSc における無症候性の心病変の真の頻度を明 らかとすることより、心病変の予後の推定においても重要な役割を有すると考 えられる。

Kobayashi らは、これまでに SSc の無症候性の心病変の合併があることを、CMR を用いて報告した(29)。また、SSc に合併する心病変は、CMR では LGE で検出 されることが報告されている(24-26,31)。

線維化を示す LGE が SSc の心病変では認めることより、心臓に何らかの形態 学的な変化が起きていることが予想される。しかし、今まで LGE と形態学的変 化の関連などについての報告はまれで geometry で分類した報告は今までない。

(15)

9

心臓超音波検査を用いた検討では、LVMI や心臓の geometry の異常は急性心筋 梗塞の罹患率死亡率の予測因子になり、Concentric hypertorophy は心血管病変 のリスク及び死因になる(32)との報告や、Concentric remodeling は虚血性心 疾患の予後に大きく関わる(33)といった報告がある。また SSc と同じく自己 免疫疾患である関節リウマチでは、疾患活動性が左室の形態学的変化、特に Concentoric remodeling と関連しているとの報告(34)もあり、geometry に 分類し形態学的変化を評価することは、SSc の無症候性の心病変の予後推定につ ながる可能性がある。

またこれまで T2WI を用いて PH や心病変の既往のない SSc の無症候性の心病 変を示した報告は過去にない。本研究で SSc の無症候性の心病変を CMR で LGE や T2WI を用いて評価し、さらに形態学的変化の関連性について評価を行った。

また心病変と疾患背景因子(抗 Scl-70 抗体など)の関連性も合わせて検討した。

一方で脳性ナトリウム利尿ペプチド(brain natriuretic peptide;BNP)や ヒト脳性ナトリウム利尿ペプチド前駆体 N 端 フラグメント(N-terminal pro-BNP;NT-proBNP)は、主として心室にて壁応力(伸展ストレス)に応じて 速やかに生成・分泌される(35-38)。従って、形態学的な変化が起こると、壁応 力が増大するため、重症度に応じて血中の BNP 濃度が増加すると考えられる。

BNP を測定することにより、潜在的な心病変を予測することが可能か検討した。

SSc の発生機序は未だに不明ではあるが、血管障害、炎症・自己免疫、および

(16)

10

線維化の 3 つの病態が相互作用することにより、その複雑な病態が形成されて いる。炎症・自己免疫に関わるサイトカインである Tumor necrosis factor(TNF- α ) や Interleukin-6 ( IL-6 )、 細 胞 外 matrix を 分 解 す る Matrix metalloproteinase-9(MMP-9)、免疫や炎症を制御している leptin、adiponectin、

急性反応性蛋白である Pentraxin 3(PTX3)は SSc の病態と関わっている可能性 を示唆する報告がある(39-44)。Leptin、adiponectin、IL- 6、TNFα、PTX3、

MMP-9 はそれぞれ心病変や動脈硬化に関わる因子である報告があり(45-52)、心 血管の炎症性バイオマーカーである。以上より、血清 BNP/NT-proBNP 以外の心 血管疾患の炎症性バイオマーカーも評価し SSc の無症候性の心病変と関連性が あるかどうか検討した。

(17)

11

第 3 章

対象と方法

(18)

12

第 3 章. 対象と方法

3-1. 対象患者

2012 年 12 月から 2015 年 4 月までの期間に、板橋中央総合病院リウマチ科に SSc の診断で通院されていた患者 49 名を対象に CMR のデータを使い検討を行っ た(研究番号 RK-160913-15、承認日 2016 年 9 月 21 日)(以下この研究を“ Study 1 ”と呼ぶ)。さらに、2016 年 2 月 5 日から 2017 年 3 月 31 日までの期間で、日 本大学医学部附属板橋病院血液・膠原病内科に、SSc と診断をうけ、通院もしく は入院した患者を対象に CMR を行い、並行して心血管疾患の炎症性バイオマー カーを測定し心病変の評価とバイオマーカーの前向きに解析研究を行った(研 究番号 RK-160112-07、承認日 2016 年 2 月 5 日)(以下この研究を“ Study 2 ” と呼ぶ)。SSc の診断基準に関しては 2013 Classification Criteria for Systemic Sclerosis(ACR/EULAR)を満たすものとした(53)。

3-2. 選択基準

以下の項目を満たす患者を対象とした。

1)SSc と確定診断された満 20 歳以上の患者 2)自他覚的に心症状がない患者

(19)

13

3-3. 除外基準

以下 1)から 9)に該当する患者は除外した。

1)家庭血圧が 130/80 mmHg より高い血圧の患者、及び降圧剤内服中の患者 2)身体所見、診察、心電図、胸部レントゲン、心臓超音波検査を施行し、肺高 血圧症、冠動脈疾患、重症弁膜症、心房粗細動が疑われる患者

3)糖尿病と診断された患者

4)LDL コレステロール(間接法)140 mg/dL 以上もしくは、HDL コレステロール 40 mg/dL 未満もしくは中性脂肪 150 mg/dL 以上の患者

5)心臓超音波検査、心電図で異常がある患者

6)腎機能障害(eGFR が 60ml/min/1.73m 2未満)の患者 7)担当医師が不適当と判断した患者

8)造影剤が禁忌の患者( 6)で述べた腎障害のある患者、気管支喘息の既往の ある患者、造影剤アレルギーのある患者)

9)今回使用する MRI は 1.5 テスラ及び 3.0 テスラである。以下の除外基準をよ り厳密に順守することとする。

・心臓ペースメーカーなどの体内電子機器の入っている人

・脳動脈瘤クリップなどの体内金属の入っている人

(20)

14

・化粧品や刺青などの付着品をつけている人

・妊娠している人

・閉所恐怖症の人

・検査中に安静臥位が保てない人

3-4. MRI の撮影法と評価法

シネ MRI と造影 MRI を行った。MRI は Study 1 では 1.5 テスラと 3.0 テスラで、

Study 2 は 3.0 テスラで行った)。MRI の装置は、Achieva 1.5 T A (Philips, The Netherlands)、Achieva 3.0 T TX (Philips, The Netherlands)を用いた。解析 アプリケーションは、AZE 及び ZIO soft 社製の心機能解析アプリケーションを 使用した。

造影剤はガドリニウム造影剤(Gadolinium diethylenetriamine pentaacetic acid;Gd-DTPA;Magnevist, Schering AG, Berlin, Germany)を用いた。投与 量は 0.1 mmol/kg で行った。撮影は 3D ターボエコーシークエンスを含でおり、

撮影後、左室機能(駆出率(ejection fraction;EF)(%)、収縮末期容積

(end-systolic volume;ESV)(mL)、拡張末期容積(end-diastolic volume;

EDV)(mL)、1 回心拍出量(stroke volume;SV)(mL)、心拍出量(cardiac output;

CO)(L))と、左室肥大(左室心筋重量(left ventricular mass;LVM)(g)、

(21)

15

左室心筋重量比(LVM index;LVMI = LVM / body surface area)(g/m2)を計測 した。また心筋の壊死や線維化を示す LGE の示した領域と心筋の浮腫を示す T2 強調画像(T2-weighted image;T2WI)の分布を調べた。撮影結果、評価に関し て、患者の臨床情報を得ていない二人の別々の放射線科医が読影して、その後 二人の同意を得て最終結果とした。

50~60 歳台の動脈硬化の明らかでない健常な日本人に対し cine MRI を用いた 心機能や構造を評価した報告は、Kobayashi らの報告(54)が唯一である。欧米 でも cine MRI を用いた心機能や構造を評価したデータはあるが、施設ごとでデ ータが一定でない。Kobayashi らの報告で使用している MRI の施設と今回の研究 の施設は同一であり、本研究のコントロール群として使用した。この報告を基 に LVMI と LVM/ EDV の基準値はそれぞれ 66.6(g/m2)以下と 1.02(g/ml)以下 とした(mean+2 standard deviation)。これらの基準値を用いて以下のように

左室の geometry を分類した。すなわち、左室の geometry は、①concentric remodeling(LVMI < 66.6, LVM/EDV > 1.02)、②concentric hypertrophy(LVMI

> 66.6, LVM/EDV > 1.02)、③eccentric hypertrophy(LVMI > 66.6, LVM/EDV <

1.02)、④normal geometry(LVMI < 66.6, LVM/EDV < 1.02)の 4 つに分類した

(図 2)。また LGE の造影パターンに関して Kobayashi らの報告(55)を元に分 類した。American Heart Association(AHA)分類による心筋のセグメント(56)

(22)

16

を用いて、LGE の分布するセグメント数を範囲として半定量化(LGE segment 数)

した。

※LGE と T2WI に関して

LGE とは、ガドリニウム造影剤静注後 10 分程度で造影効果が認められる現象 である。造影剤投与早期には造影剤は心筋血管床に分布しているが、その後は 間質に漏出して細胞外スペースを満たす。LGE は細胞外スペースの拡大と造影剤 の間質蓄積を反映するとされる。また、造影剤は健常心筋細胞膜を通過しない が、急性心筋梗塞などで細胞膜が破綻すると造影剤は受動的に細胞内スペース に拡散すると推測されている。このため陳旧性心筋梗塞や心筋症では線維化に よる間質増大のために、急性心筋梗塞や心筋炎では心筋細胞膜の破綻および浮 腫による間質増大のために LGE が出現すると推測されている(57)。

T2WI は、心筋の浮腫を高信号領域として描出可能であり、心筋炎や急性心筋 梗塞の評価が可能である。

3-5. MRI の機種及び撮影施設

3.0 テスラ MRI は、従来の 1.5 テスラの MRI と比較し、高画質・高精細な画像 であり、特に定量化においてはより正確性の高い検査が可能である。3.0 テスラ

(23)

17

の MRI による心臓 MRI は技術を要し、また、tagging MRI や T1 mapping 等の一 部の sequence は 3.0T MRI(Philips/Siemense)のみしか撮像できないため当院 の 3.0T MRI(GE)では試行困難であった。以上より、CMR は当院ではなく八重洲 クリニック(東京)で行った。

Study 1 は後ろ向き研究であり、過去の症例を扱っている。3.0 テスラの MRI が普及していない時代背景上、Study 1 では 1.5 テスラの MRI で撮影された患者 も含まれている。

3-6. 心血管の炎症性バイオマーカーなど採血データの項目と測定法

SSc の診断に必要な各種抗体の検査(抗 Scl-70 抗体など)、動脈硬化の程度を 客観的に測定するために、生化学検査(HbA1c、中性脂肪、総コレステロール、

HDL コレステロール、LDL コレステロール;間接法)、Study 1 では BNP を測定し た。また、Study 2 では BNP と比較し分離前の時間や温度に影響を受けにくく、

採血後の検体での保存安定性の良好である NT‐proBNP と、心血管の炎症性バイ オマーカーである TNF-α、IL-6、PTX3、MMP-9、leptin、adiponectin を行った。

TNFα(Enzyme linked immunosorbent assay;ELISA 法、製造社名;R&D SYSTEMS, USA)、IL-6(CLEIA 法、製造社名;富士レビオ株式会社, 日本)、PTX3(ELISA 法、製造社名;株式会社ペルセウスプロテオミクス, 日本)、MMP-9(Enzyme

(24)

18

immunoassay;EIA 法、製造社名;協和ファーマケミカル株式会社, 日本)、leptin

( Radioimmunoassay 2 ; RIA2 抗 体 法 、 製 造 社 名 ; Millipore Corporation, Germany )

、adiponectin(Chemiluminescence enzyme immunoassay;CLEIA 法、

製造社名;富士レビオ株式会社, 日本)、BNP(CLEIA 法、製造社名;富士レビオ 株式会社, 日本)、NT-proBNP(Electro chemiluminescence immunoassay;ECLIA 法、製造社名;ロシュ・ダイアグノスティック株式会社, 日本)は、市販の添 付されたマニュアルを用いて株式会社 SRL(日本)で測定した。

3-7. 採血と MRI の検査スケジュール

Study 1、2 とも採血後 1 週間以内に CMR を行った。

3-8. 強皮症患者の比較に用いたスコアリングの説明

動脈硬化の指標に Framingham risk score(58)、SSc の皮膚硬化の重症度の 指標に modified Rodnan total skinthickness score(59)を用いた。

3-9. 統計法

グループの比較は Wilcoxon rank-sum test、Kruskal-Wallis test 及び、

Fisher’s exact test を使用した。Spearman's rank correlation coefficient

(25)

19

を用いグループの相関を検討した。単および重線形回帰分析は、LGE 及び T2WI と疾患の背景との関連を評価した。重線形回帰分析を用いて、LGE 及び T2WI と、

BNP/NT-proBNP 値との関連を評価した。また重線形回帰分析を用いて LGE 及び T2WI と、心血管の炎症性バイオマーカー(TNF-α、IL-6、PTX3、MMP-9、leptin、

adiponectin)の関連性も評価した。ROC 曲線を用いて LGE を検出するための BNP のカットオフ値を分析した。すべての統計分析は、JMP9 及び JMP11 ソフトウェ ア(SAS Institute, Cary, NC, USA)、EZR を用いた。今回の研究では、有意水 準αは 0.05 とし、p < 0.05 の場合統計学的に有意であるとした。

(26)

20

第 4 章

結果

(27)

21

第 4 章. 結果

4-1. Study 1の結果

:Study 1 で用いた MRI は 1.5 もしくは 3.0 テスラで、後ろ向き研究である。

4-1-1. 患者背景因子

49 名の SSc の女性患者(中央値 58 歳;50‐61)を対象に研究を行った(表 1)。 49 名の患者のうち、25 名は、dcSSc、24 名は、lcSSc であった。また、13 名(27%)の患者は指尖部潰瘍があり、25 名(51%)の患者は抗 Scl-70 抗体陽 性であり、17 名(35%)は、間質性肺炎を合併していた(表 2)。副腎皮質ステ ロイド薬は未使用である。

4-1-2. LGE と T2WI の頻度及び LGE の造影パターン

49 名の患者の内 LGE 陽性となった患者は 27 名(55%)であった。27 名のう ち、16 名(59%)で Linear pattern、7 名(26%)で Nodular pattern であっ た(表 3)。T2WI は 13 名(27%)の患者で陽性となり、T2WI と LGE がともに陽性 となった患者が 11 名(22%)、T2WI だけが陽性となった患者が 2 名(4%)であっ た。

(28)

22

LGE の造影パターンの種類の中で比較した。Linear enhancement pattern と none enhancement pattern の間で、LVMI は Linear enhancement pattern で有 意に高値を示した(p = 0.034)(図 3)が、LVM/EDV では有意差はなかった。

本 研 究 で LGE の 典 型 的 な 画 像 を Linear enhancement pattern 、 Nodular enhancement pattern 、 Patchy enhancement pattern 、 Diffuse enhancement pattern に分けて掲載し、また T2WI の典型的な画像も提示する(図 4 A-E)。 Study 1 の LGE 陽性者 27 名に関して、AHA のセグメントにわけて造影部位を検 討したところ冠動脈の支配領域とは一致しなかった(表 4)。セグメントで分類 したところ LGE を認めた部位では前壁 7%、側壁 33%、下壁 77%、中隔 78%で中下 壁が最も多かった。

4-1-3. 患者の背景因子と LGE 及び T2WI との関連性

LGE 陽性群と陰性群を比較したところ、LGE 陽性群で抗 Scl-70 抗体は有意に 高値を示した(p = 0.01)。T2WI 陽性群と陰性群を比較したところ、T2WI 陽性 群で抗 Scl-70 抗体は有意に高値を示した(p = 0.02)。LGE 及び T2WI 陽性群と 陰性群を比較したところ、年齢、罹病期間、Framingham risk score、modified Rodnan total skinthickness score、diffuse type、または指尖部潰瘍既往の 有無で頻度の差はなかった(表 5,6)。LGE 及び T2WI 陽性群と陰性群を比較した

(29)

23

ところ、血圧、LDL コレステロールといったアテローム性動脈硬化のリスクファ クターおよび抗セントロメア抗体は、有意差は示さなかった。

4-1-4. 左室機能との関連性

LGE 及び T2WI 陽性群、陰性群を比較したところ EF、ESV、EDV、SV、CO で有 意差はなかった。左室の geometry の結果は 49 名中、正常が 34 名(70%)、

concentric remodeling は 5 名(10%)、eccentric hypertrophy は 7 名(14%)、 concentric hypertrophy は 3 名(6%)であった。

4-1-5. 左室の geometry と LGE 及び T2WI との関連性

LVMI と LVM/ EDV は LGE 陰性群に比べ陽性群で有意に高値を示した。(各々 p

< 0.001)(図 5 及び 6)。同様に LVMI と LVM/ EDV は T2WI 陰性群に比べ陽性群で 有意に高値であった(LVMI は p < 0.01、LVM/ EDV は p < 0.05)。

左室の geometry を LGE 陽性群と陰性群で分けると、LGE 陽性群の内 15 名(45%)

で左室の geometry の異常が見られた。内訳は concentric remodeling は 4 名

(15%)、eccentric hypertrophy は 5 名(19%)、concentric hypertrophy は 3 名(11%)であった。LGE 陰性群の内 19 名(86%)は、geometry は正常であっ た。LGE 陽性群と陰性群を比較したところ、geometry において有意差を認めた

(30)

24

(p = 0.002)(図 7)。抗 Scl-70 抗体陽性群と陰性群を比較したところ、LVMI と LVM/EDV には有意差は認めなかった。

4-1-6. BNP 値と心病変との関連性

LGE 陰性群より LGE 陽性群において BNP 値は有意に高値を示した(p < 0.01)

(図 8)。BNP 値は LVMI と有意に相関していた(r = 0.75, p < 0.001)(図 9)。 T2WI 陽性群と陰性群を比較したところと、BNP において有意差はなかった。ま た LV geometry で比較したところ、BNP は Concentric hypertorophy と normal 及び、Eccentric hypertorophy と normal との間で有意差を認めた(図 10)。

4-1-7. LGE と最も関連していた因子

重線形回帰分析を用いたところ年齢、罹病期間、抗 Scl-70 抗体及び LVMI の 中で LGE と最も相関したのは LVMI であった(R2 = 0.31)(表 7)。

4-1-8. ROC 曲線を用いた BNP と LGE の関連性

ROC 曲線を用いて、LGE 陽性となる SSc 患者の BNP 値のカットオフ値を調べ た。BNP 16.7 pg / ml 以上で、LGE 陽性となることがわかった(感度 81%、特 異度 60%)(p = 0.01)(図 11)。

(31)

25

4-1-9. LGE segment 数と心形態、バイオマーカー及び心肥大の型との関連性 Geometry4 群間で LGE segment 数には有意差を認めなかった(Kruskal-Wallis test, p=0.079)。LGE segment 数は LVMI と弱い正の相関を示した(Spearman's rank correlation coefficient, ρ=0.37, p=0.008)。LGE segment 数と LVM/EDV 及び BNP 間は相関しなかった(表 8)。Geometry4 群と LGE パターン間に有意な 関連がなかった(Fisher's exact test, p=0.321)。

4-2. Study 2**の結果

**:Study 2 で用いた MRI は 3.0 テスラで、前向き研究である。

4-2-1. 患者背景因子

13 名の SSc の患者(中央値 56 歳;49‐64)を対象に研究を行った。 13 名 の患者のうち、6 名(46%)は、dcSSc であった。また、1 名(8%)の患者は指 尖部潰瘍があり、3 名(23%)の患者は抗 Scl-70 抗体陽性であり、5 名(38%)

は、間質性肺炎を合併していた(表 9、10)。副腎皮質ステロイド薬は未使用で あり、血管拡張薬の使用者が 6 名(55%)認めた。

(32)

26

4-2-2. LGE と T2WI の頻度

13 名の患者の内 LGE 陽性となった患者は 11 名(85%)であった。T2WI は 5 名(38%)の患者で陽性となり、T2WI と LGE がともに陽性となった患者が 5 名(38%)、 T2WI だけが陽性となった患者が 0 名(0%)であった。

LGE 陽性群の内 2 名で左室の geometry の異常が見られた。内訳は concentric remodeling は 2 名(18%)のみで他は正常であった。

LGE 陽性者 11 名に関して、AHA の segment にわけて造影部位を検討したとこ ろ冠動脈の支配領域とは一致しなかった(表 11)。セグメントで分類したところ LGE を認めた部位では前壁 27%、側壁 36%、下壁 55%、中隔が 72%で、中隔が最も 多かった。

4-2-3. 患者背景因子と LGE 及び T2WI の関連性

LGE 陰性群より陽性群で、Framingham risk score は有意に低値であった(p = 0.04)。LGE は、年齢、罹病期間、抗 Scl-70 抗体、modified Rodnan total skinthickness score、diffuse type、または指尖部潰瘍既往の有無で頻度の差 は な かっ た ( 表 12 )。 T2WI 陰性 群 より 陽 性 群で 、 modified Rodnan total skinthickness score は有意に低値であった(p = 0.01)(表 13)が、年齢、罹 患期間、抗 Scl-70 抗体、Framingham risk score、diffuse type 及び指尖部潰

(33)

27

瘍とは有意差は示さなかった。LGE 及び T2WI の陽性群と陰性群を比較したが、

血管拡張薬の使用の有無で有意差はなかった。

4-2-4. 心病変と NT-proBNP 及び心血管の炎症性バイオマーカーの関連性 今回 Study 2 で考察した NT-proBNP 以外の心血管疾患の炎症性バイオマーカ ーにおいて、TNFα、PTX3 は 13 名中、正常上限値を越えた患者は存在せず、MMP9、

IL-6 は 13 名中 1 名が正常上限値を越えていた。Leptin は 13 名中 7 名が正常上 限値を越えており、adiponectin は 13 名中 10 名が参考上限値を越えていた。以 上より TNFα、PTX3 、MMP9、IL-6 に関してはほとんどの症例で正常値の範囲内 であり、それらと心病変との比較は、統計解析をする臨床的意義が乏しいと考 えられるため、leptin、adiponectin に関してのみ心病変と比較検討を行った。

LGE 陽性群と陰性群を比較したところ、NT-proBNP は有意差を認めた(p = 0.03)

(図 12)。LGE 陽性群と陰性群を比較したところ、leptin、adiponectin におい て有意差を認めなかった。T2WI 陽性群と陰性群を比較したところ、NT-proBNP は有意差を認めなかった。T2WI 陽性群と陰性群を比較したところ、leptin、

adiponectin において有意差を認めなかった。

4-2-5. 心病変と adiponectin の関連性

(34)

28

13 名中 10 名で adiponectin は参考値以上となり、その 10 名全員が LGE 陽性 であった。3 名は参考値以下となったが、3 名のうち LGE 陽性となったのは 1 名 だけであった。Adiponectin が参考値以上となった 10 名中 5 名で T2WI が陽性と なった。参考値以下となった 3 名の中で T2WI が陽性となった症例はなかった(表 14)。

※心血管の炎症性バイオマーカーのうち adiponectin は値が大きい場合、心血 管病変を抑制するマーカーである点で評価の仕方が他のマーカーと異なるため 項を分けた。参考値は文献(60)を参照とした。

4-2-6. LGE segment 数と心形態、バイオマーカー及び心肥大の型との関連性 Geometry4 群間で LGEsegment 数に有意差を認めなかった(Kruskal-Wallis test, p=0.252 )。 LGEsegment 数 は adiponectin と 強 い 正 の 相 関 を 示 し た

(Spearman's rank correlation coefficient, ρ=0.72, p=0.005)が、NT-proBNP や leptin とは相関を示さなかった。また LVMI や LVM/EDV とも相関しなかった

(表 15)。Geometry4 群と LGE パターン間に有意な関連がなかった(Fisher's exact test, p=0.218)。

4-2-7. LGE 陽性者 11 名だけでの検討

(35)

29

Study 2 において LGE 陽性例が 85%と極めて高率であり、症例数も少なかった ため LGE 陽性例 11 名だけで、心形態やバイオマーカーと比較検討した。11 名の うち geometry は Normal 9 名、Concentric remodeling2 名、他の geometry は存 在しなかった。LVMI 及び LVM/EDV は NT-proBNP、leptin、adiponectin と相関 しなかった。LGEsegment 数は NT-proBNP、leptin、adiponectin と相関しなかっ た。Geometry4 群間で比較したところ LGEsegment 数は有意差を示さなかった。

*前述の通り今回 Study 2 で考察した NT-proBNP 以外の心血管疾患の炎症性 バイオマーカーにおいて、TNFα、PTX3 、MMP9、IL-6 に関してはほとんどの症 例で正常値の範囲内であり、それらと心病変との比較は、統計解析をする臨床 的意義が乏しいと考えられるため、leptin、adiponectin に関してのみ心病変と 比較検討を行った。

(36)

30

第 5 章

考察

(37)

31

第 5 章. 考察

5-1.心病変と LGE/T2WI 及び geometry の考察

今回 SSc で CMR を施行したところ、Study 1 では 55 %、Study 2 では 85 %の患 者で LGE 陽性となり、他の報告(61-63)より高率に無症候性の心病変を認めて いた。Study 1、2 とも、AHA の segment にわけて LGE の造影部位を解析したと ころ冠動脈の支配領域とは一致しなかった。以上より心筋の線維化は冠動脈の 動脈硬化による虚血性変化ではないと考えられる。Rodríguez-Reyna らは断層 撮影法を用いて、SSc の心病変は虚血とは無関係であると述べており(64)、今回 の結果を支持するものであった。さらに LGE 陽性群に、形態学的な変化がおこ っているか否かを CMR で検討した報告は 1 例のみで、左室の壁肥厚を認めたと いう報告であった(65)。今回のように形態学的変化を geometry で分類した報告 はない。Geometry のパターンは多岐にわたっている。また本研究では cine MRI や心臓超音波検査上、EF は正常ではあった。すなわち EF が正常でも無症候性に 心臓の形態学的な変化は起こっている可能性がある。今回の結果では、LGE 陽性 群の多くは geometry の変化を認めた。LGE のパターンの種類の中で比較したと ころ、Linear enhancement pattern と none enhancement pattern の間で、LVMI は Linear enhancement pattern で有意に高値を示した。以上より LGE が Linear

(38)

32

pattern の場合は geometry の分類では hypertorophy である可能性があることを 示唆した。以上より心筋の線維化の結果、形態学的な変化を起こした可能性が ある。しかし、SSc の LGE 陽性群と形態学的な変化の関連についての報告は少な く、今後さらなる検討が必要である。

また今回 LGE だけでなく T2WI も用いて心病変の合併の評価を行った。LGE も T2WI も陽性となった症例は、前述の通り Study 1 では 22 %、Study 2 では 38 %、

の患者であった。心筋病変の示した範囲を検討すると、LGE を示した範囲の中に T2WI を示した範囲が見られた。T2WI が陽性だった範囲が時間の経過で線維化し た可能性があると推測された。また T2WI と LGE が混在している症例が存在する ことは、心病変の病期が異なっているものを見ている可能性がある。本研究で T2WI の症例が少なかった理由としては、心筋の線維化が進んだ症例が多かった 可能性が考えられた。T2WI を用いて SSc の無症候性の心病変を示した報告は過 去にない。SSc の無症候性の心病変の病態を考える上で T2WI と LGE の関連性を 評価していくことは重要であり、T2WI 陽性群は今後経過をみていく必要がある と考えられた。

LGE が様々な形態学的変化をもたらす機序に関して報告はされていない。一般 的に心肥大が特徴的である心筋症では、病理組織学的に心筋の線維化や浮腫が 認められる。LGE や T2WI が陽性の場合も同様な組織変化を起こしているため、

(39)

33

形態学的な変化をもたらしているかもしれない。

5-2. 心病変と BNP/NT-proBNP の考察

過去に BNP を用いた SSc の心病変の評価の報告はあるが、PH の合併があった 報告であり(66-68)、本研究は臨床所見、診察上 PH を疑う所見はなく、胸部レ ントゲン、心電図、心臓超音波検査でも PH を疑う所見のない症例を集めて検討 しており、BNP のデータは心病変の純粋な左室の変化を反映していると考えられ る。今回の結果では心筋の線維化を示す LGE 陽性群と BNP が関連しており、BNP 16.7 pg/ml 以上で線維化が生じている可能性を示した。BNP は一般に 18.4 pg/ml 以上で心不全の可能性を示す。つまり SSc ではより低い値で心病変が生じてい ることを示唆していた。PH 合併のない BNP 値正常の SSc では、潜在的な心病変 は否定できない可能性がある。また血清 BNP の濃度の増加は心臓の形態学的変 化と正の相関を示していた。また形態的変化により心室に壁応力が働くため、

血清 BNP の濃度の上昇がおこる可能性を示唆した。BNP の測定は簡便であり、繰 り返しのフォローにも優れ SSc において、心病変の診断法として大変有用であ ることを示唆した。また LV geometry で比較したところ、BNP は geometry が hypertorophy を示す群で有意に高値であり Concentric remodeling では有意差 がなかった。BNP は一般的に心肥大を示す場合に高値となるマーカーであるがそ

(40)

34

れを裏付ける結果となった。

なお Study 2 では NT-proBNP を用いて LGE 陽性群と陰性群間で比較を行った。

BNP と同様、NT-proBNP は LGE 陰性群より LGE 陽性群で有意差を示したが、ROC 曲線を用いた LGE 陽性を疑うカットオフ値は測定できなかった。症例数が少な い点が理由として考えられた。

5-3. 心病変と患者背景因子(抗 Scl-70 抗体など)の考察

イタリアの大規模調査では、dcSSc の 25~32%、lcSSc の 23%に心病変の合併 が見られた(6)。自己抗体別では抗 Scl-70 抗体陽性例の 19%、抗セントロメア 抗体陽性例の 23%に見られた。米国での大規模調査では、抗 Scl70 抗体陽性例に おいては、dcSSc の 30%、lcSSc の 18%に心病変の合併がみられる(69)。 このことより抗 Scl-70 抗体は心病変に関与している可能性がある。また今回の Study 1 の結果においても、同様の可能性を認めた。LGE 陽性群で抗 Scl-70 抗 体が高かった患者は、現在は無症候性であるが、今後心病変を発症しうる可能 性があり、注意深くフォローしていく必要がある。

Study 2 では LGE 及び T2WI と抗 Scl-70 抗体との関連は認めなかったが、症例 数が少ない事が影響された可能性がある。

Study 2 では LGE 陰性群より陽性群で Framingham risk score が有意に低か

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35

った。Framingham risk score が高い方が心病変のリスクが高いが、逆の関係 であった。T2WI 陰性群より陽性群で modified Rodnan total skinthickness score が有意に低値であった。心病変をはじめとする内臓臓器障害を伴うものは進行 性の SSc である皮膚硬化も進行するのが一般的であるが、逆の関係となってい た。これらに関しては症例数が少ない影響があるため、今後症例数を増やし検 討する必要がある。

5-4. 心病変と心血管の炎症性バイオマーカーの考察

5—4-1. TNFαと心病変の考察

1975 年に腫瘍の壊死を起こしうる液性因子として同定された。TNFαは IL-6 など他の炎症性サイトカインの産生や接着因子の発現を誘導すること、一部の 腫瘍細胞にアポトーシスやネクローシスを起こすことが知られている。

1990 年、Levine らによって炎症性サイトカインである TNFαの血中濃度が慢 性心不全患者で上昇しており、重症度と相関することが報告された(45)。また 心不全症状のない心疾患患者においても心血管病リスクの予測因子となりうる ことがこれまで報告されている(46)。また TNFαが高値の SSc では、肺線維症 を合併しやすい可能性があるとの報告(40)があり SSc の病態との関連が示唆

(42)

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されている。

本研究で TNFαは 13 名中、正常上限値を越えた患者は存在せず全例正常であ った。症例数が少ない中での検討ではあるが、SSc の無症候性の心病変は TNFα の影響によらず、SSc そのものの病態もしくは他の要因で起こっている可能性が 示唆された。また TNFαは、SSc の無症候性の心病変の予測因子にはならない可 能性を示唆した。

5-4-2. IL-6 と心病変の考察

慢性心不全患者の血中バイオマーカーとして TNFαに次いで多くの検討がな されているのが、IL-6 である。1986 年に Hirano らによってクローニングされ た IL-6 は B 細胞分化や抗体産生に関わる液性因子であり、肝臓で急性炎症蛋白 である C 反応性蛋白(C-reactive protein;CRP)の産生を刺激する因子でもあ るが、心臓局所でも産生され心臓の炎症反応を調整している(70)。

血中 IL-6 濃度は、TNFαと同様に慢性心不全患者において健常人と比較して 上昇していることが多くの研究で報告されている。心筋梗塞や心不全の既往の ない患者集団において、IL-6 の血中濃度が高い症例は高率に心不全になること が大規模な疫学研究で示されている(45,71,72)。心筋梗塞や心不全の既往のな い患者集団において、IL-6 の血中濃度が高い症例は高率に心不全になることが

(43)

37

大規模な疫学研究で示されている(45)。さらに、TNFαと同様に心不全治療に より低下することが示されており、予後予測バイオマーカーであるとともに治 療効果判定のバイオマーカーになる可能性がある。近年 SSc の心病変と IL-6 と の関連の可能性が示唆されている(39)。

IL-6 は直接心筋を傷害する報告(73)や、SSc では IL-6 が高値であり、左室 の拡張障害と正の相関を示した報告(74)がある。

本研究で IL-6 は 13 名中 1 名が正常上限値を越えただけであり、ほとんどの 患者で正常値であった。症例数が少ない中での検討ではあるが、SSc の無症候性 の心病変は IL-6 の影響によらず、SSc そのものの病態もしくは他の要因で起こ っている可能性が示唆された。また IL-6 は、SSc の無症候性の心病変の予測因 子にはならない可能性を示唆した。

5-4-3. PTX3 と心病変の考察

CRP は pentraxin family に属する蛋白であり、急性期反応蛋白である。PTX3 は CRP と同じ pentraxin family に属する。Pentraxin にはいくつかの蛋白が存 在し superfamily を形成している。Pentraxin domain に隣接する N 末端側の長 さは異なり、短い short pentraxin family と長い long pentraxin family に分 けられる。PTX3 は long pentraxin である。PTX3 は血管内皮細胞など肝臓以外

(44)

38

の炎症発生局所において、interleukin-1(IL-1)や TNFαなどの炎症性サイト カインにより誘導される。PTX3 濃度の上昇は、冠動脈疾患を引き起こす文献が いくつかあり(47-49)、動脈硬化に促進的に働くと考えられている。また心不 全患者では血清 PTX3 の上昇がみられるとの報告もある(50)SSc の心病変で PTX3 上昇するという報告もある(41)。

本研究で PTX3 は 13 名中、正常上限値を越えた患者は存在せず全例正常であ った。症例数が少ない中での検討ではあるが、SSc の無症候性の心病変は PTX3 の影響によらず、SSc そのものの病態もしくは他の要因で起こっている可能性が 示唆された。また PTX3 は、SSc の無症候性の心病変の予測因子にはならない可 能性を示唆した。

5-4-4. MMP-9 と心病変の考察

MMP は単球および組織球から分泌される細胞外 matrix(collagen や elastin、

fibronectin などの細胞間に存在する間質結合組織)を分解する酵素の一種であ る。MMP の内 92-96 kD の基底膜の type Ⅳ collagen に含まれる MMP- 9(75)

は、基底膜の細胞間に侵入し関節炎(76)を促す。MMP-9 は関節リウマチ、全身 性エリテマトーデスなどの自己免疫による慢性炎症と関連している(77,78)。

さらに、MMP-9 は、特発性肺線維症や気管支喘息を含む線維化に特徴づけられ

(45)

39

る疾患の病態の原因であると報告されている(79,80)。SSc の皮膚硬化の線維化 の病態との関連の報告(42)もあり、SSc の病態と関わっている可能性があると 考えられた。SSc の無症候性の心病変と MMP-9 を比較した報告は今までない。

本研究では MMP-9 は 13 名中 1 名が正常上限値を越えただけであり、ほとんど の患者で正常値であった。症例数が少ない中での検討ではあるが、SSc の無症候 性の心病変は MMP-9 の影響によらず、SSc そのものの病態もしくは他の要因で起 こっている可能性が示唆された。また MMP-9 は、SSc の無症候性の心病変の予測 因子にはならない可能性を示唆した。前述のように SSc の皮膚硬化と関連性が あるため心病変と関連性がないとは言い切れない。今後症例の蓄積が必要と考 えた。

5-4-5. leptin と心病変の考察

Leptin は脂肪組織より作り出される 16 kDa のペプチドホルモンで、食欲と代 謝を調節している。血清 leptin 濃度の上昇は動脈硬化に促進的に働くとされて いる(52)。さらに、血清 leptin 濃度の上昇が心筋梗塞の予測因子になること 示されている(81)。SSc の modified Rodnan total skinthickness score が高い 患者群で血清 leptin 値が低かった(43)という報告があり、SSc の病態と関わ っている可能性がある。本研究では leptin が基準値より低い症例はなく、基準

(46)

40

値より高値の症例は 13 名中 7 名いたが、今回 LGE 陽性群と陰性群で有意差は認 めなかった。症例数が少ないため、有意差がでなかった可能性もあり、今後の 検討が必要である。

5-4-6. adiponectin と心病変の考察

脂肪細胞から分泌される蛋白である。脂肪細胞から分泌される TNFα、leptin などに比べ動脈硬化抑制作用(82)、抗糖尿病性機能(83)を有するという報告 がある。また、肥満において血清中の adiponectin の濃度が低いほど、冠動脈 疾患、心筋梗塞の発症が増加していた(84)。Adiponectin は動脈硬化病変、つま り心病変において重要な役割をしている。SSc の心病変と adiponectin の関連性 の報告はないが、dcSSc でより血清の adiponectin 値が低値であった(44)。

本来 adiponectin は心病変を抑制する蛋白にもかかわらず、LGE 陽性患者のほ とんどが adiponectin は高値であり、T2WI 陽性患者に adiponectin が低値の症 例は存在しなかった。LGE もしくは T2WI 陽性となった場合、それを抑制するた めに adiponectin が出現した可能性が考えられた。

LGE 及び T2WI 陽性群と陰性群を比較したところ、adiponectin において有意 差を認めなかった。症例数が少ないため、有意差がでなかった可能性もあり、

今後の検討が必要である。

(47)

41

5-4-7. 心血管の炎症性バイオマーカーと心病変の考察

SSc の無症候性の心病変と心血管の炎症性バイオマーカーの関連を評価した 報告はなかった。IL-6 や PTX3 は SSc の心病変では高値となるとの報告があった が(39,41)、無症候性の心病変での検討ではない。少なくとも本研究より現状 では SSc の無症候性の心病変の発症に心血管のバイオマーカーの関連はしてい ないと考えられる。心血管のバイオマーカー以外の要因が無症候性の心病変を 引き起こしている可能性や SSc そのものの病態が関連している可能性がある。

症例数が少ない影響が多分にあるため、今後の症例数の蓄積が必要である。

5-5. LGE segment 数の考察

Study 1 で LGE segment 数は LVMI と弱い正の相関を示したことより、LGE の 範囲が広い程、心肥大が起きている可能性が示唆された。Study 2 ではそのよう な相関はみられなかったが、症例数が少ない影響が考えられた。

Study 2 において LGE segment 数は adiponectin と強い正の相関を示したが、

心病変が出現したときにそれを抑制するために adiponectin が増加すると考え られた。

Geometry4 群間で LGEsegment 数に有意差を認めなかったことより、LGE の範

(48)

42

囲とは geometry の変化は無関係であることがわかった。しかし、LGE 陽性群と 陰性群の比較においては関連が認められており、今後症例の蓄積が必要である と考えらえる。

セグメントで分類したところ Study 1、2 に共通して LGE を認めた部位では中 隔が頻度としては最も多く、他の報告(85)と同様の結果であった。

5-6. LGE 陽性者 11 名だけでの検討(Study 2)に対する考察

LVMI 及び LVM/EDV 及び LGEsegment 数は NT-proBNP、leptin、adiponectin と 相関しなかった。症例数が少ない中での検討のため、相関しなかった可能性が あるが無症候性の心病変はこれらのバイオマーカーの影響によらず、SSc そのも のの病態もしくは他の要因で起こっている可能性が示唆された。また今回測定 したバイオマーカーは無症候性の心病変の予測因子とはならない可能性を示唆 した。

5-7. Limitation

Study 1、2 では様々な limitation がある。第 1 に cross sectional study で あり、長期予後について検討がなされていない。ゆえに、この後のフォローア ップが必要である。第 2 に、Study 1 では明らかな心病変を自・他覚的にももっ

(49)

43

ていなかったこと、さらに明らかな古典的な動脈硬化のリスクを持っていない 症例に限定したものであった。しかし、実際には高血圧症など古典的な動脈硬 化性疾患の既往をもつ SSc の患者に心病変を認めることがあり、これらの患者 を含まなかったことは今回の研究の limitation である。最近では SSc の患者は 関節リウマチや全身性エリテマトーデスと同じように動脈硬化性病変が SSc の 病態そのもので起きているとの報告があった(86-88)。そのメカニズムは解明 されつつある。動脈硬化性病変のない症例で心病変があったことは、SSc が心病 変を起こす可能性を示唆するのかもしれない。この病態に関して、症例のさら なる蓄積を行い検討する必要がある。Limitation の第 3 として心筋生検を行っ ておらず、LGE を示す所見の病理的裏付けがなくい。心臓カテーテル検査を施行 しておらず、心血管病変の虚血の変化をみている可能性がある。しかし、LGE を 示した心筋の部位は冠動脈の分布に一致せず、虚血では説明できないことより、

否定できると考えた。

第 4 に Study 1 では副腎皮質ステロイド薬は未使用でそれ以外の治療に関して は検討しておらず、薬剤と心病変との関連については評価できていない。今 後評価をしていく予定である。

第 5 に今回 AHA の segment に関して T2WI には言及していない。心筋の浮腫を 評価する T2WI は、特に 1.5 テスラの CMR において LGE に比べ境界が不明瞭であ

(50)

44

るため、範囲の同定がはっきりしない。Segment 分類を行うことは正確性を欠く と考えられる。

(51)

45

第 6 章

まとめ

(52)

46

第 6 章. まとめ

SSc の心病変は無症候性に進行することが多く認められ、線維化だけでなく心 臓の形態学的な変化も起きていることを示した。放射線被曝もなく、安全な侵 襲の少ない検査 CMR を行い心病変の合併を診断することは発症予防や治療戦略 に有用である。さらに前述したとおり、BNP/NT-proBNP や抗 Scl-70 抗体の測定 は無症候性の心病変の診断に有用である可能性が高い。

今後症例数を増やし、より簡便で早期の診断法を検討していく必要があると 考えられた。

(53)

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謝辞

本研究にあたり、研究に対する姿勢・態度から、科学者としての使命・意 思に至るまで熱心な御指導を頂き、卒業論文指導教員の日本大学医学部内科学 系血液膠原病内科学分野、武井正美教授に心より感謝致します。直接研究の御 指導を頂いた、北村登准教授、小林(原岡)ひとみ診療准教授に心より感謝致 します。本研究の CMR の解析、読影に関し全てに携わり、御指導及び御支援を 頂きました聖マリアンナ医科大学先端生体画像情報研究講座小林泰之特任教授 に心より感謝致します。日常の病棟・外来業務から研究に至るまで様々な面で 御指導および御支援頂きました日本大学医学部内科学系血液膠原病内科学分野 医局員の皆様ならびにスタッフの皆様に深く感謝申し上げます。

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図表

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図説

Figure 1. The cause of death of SSc. It has been reported that myocardial abnormalities account for 26% of deaths among patients with systemic sclerocsis (Tyndall AJ, et al. Causes and risk factors for death in systemic sclerosis : a study from the EULAR Scleroderma Trials and Research (EUSTAR) database. Ann Rheum Dis 2010; 69 : 1809).

Figure 2. Left ventricular geometry. Based on LVMI and LVM/EDV of healthy volunteers, the “mean + 2 standard deviations” of each measure was defined as the values for elevated LVMI and LVM/EDV (66.6 and 1.02, respectively). LV geometry was classified as (1) concentric remodeling (LVMI

< 66.6 and LVM/EDV > 1.02); (2) concentric hypertrophy (LVMI > 66.6 and LVM/EDV > 1.0); (3) eccentric hypertrophy (LVMI > 66.6 and LVM/EDV <

1.02); or (4) normal geometry (LVMI < 66.6 and LVM/EDV < 1.02). LVM: left ventricular mass. LVMI: left ventricular mass index. EDV: end-diastolic volume.

Figure 3. Pattern of LGE and LVMI (Study 1). LVMI was significantly higher

in the Liner enhancement pattern group than in the none enhancement

group (p = 0.034). Group comparisons were made using the Steel Dwass test.

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Study 1 was evaluated by MRI at 1.5 or 3.0 Tesla. LGE: late gadolinium enhancement. LVMI: left ventricular mass index.

Figure 4. This is actual photographs of LGE or T2WI. (A) LGE showed linear enhancement in basal layer of inferior wall. (B) LGE showed nodular enhancement in middle layer of lateral wall. (C) LGE showed diffuse enhancement in basal layer of entire circumference. (D) LGE showed patchy enhancement in middle layer of septal wall. (E) T2WI showed diffuse high intensity area in left ventricular wall. LGE: late gadolinium enhancement.

T2WI: T2-weighted image.

Figure 5. LVMI of LGE (+) and LGE (-) groups (Study 1). LVMI was significantly higher in the LGE (+) group than in the LGE (-) group (p <

0.001). Group comparisons were made using the Wilcoxon rank-sum test.

Study 1 was evaluated by MRI at 1.5 or 3.0 Tesla. LGE: late gadolinium enhancement. LVMI: left ventricular mass index.

Figure 6. LVM/EDV of LGE (+) and LGE (-) groups (Study 1). LVM/EDV was significantly higher in the LGE (+) group than in the LGE (-) group (p <

0.001). Group comparisons were made using the Wilcoxon rank-sum test.

Study 1 was evaluated by MRI at 1.5 or 3.0 Tesla. LGE: late gadolinium

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enhancement. LVM: left ventricular mass. EDV: end-diastolic volume.

Figure 7. Left ventricular geometry (Study 1). About 44% of patients in the LGE (+) group had abnormal LV structures (11% with concentric hypertrophy, 19% with eccentric hypertrophy, and 15% with concentric remodeling), while 86% of patients in the LGE (-) group had normal LV structure. Left ventricular geometry was significantly higher in the LGE (+) group than in the LGE (-) group (p = 0.002). Group comparisons were made using the Fisher’s exact test. Study 1 was evaluated by MRI at 1.5 or 3.0 Tesla. LGE: late gadolinium enhancement.

Figure 8. The levels of BNP in LGE (+) and LGE (-) groups of patients with scleroderma (Study 1). The mean BNP level of the LGE (+) group was significantly greater than that of LGE (-) group (p < 0.01). Group comparisons were made using the Wilcoxon rank-sum test. Study 1 was evaluated by MRI at 1.5 or 3.0 Tesla. LGE: late gadolinium enhancement.

BNP: brain natriuretic peptide.

Figure 9. Correlation between BNP and LVMI. BNP levels were significantly

correlated with LVMI in the SSc group (p < 0.001). Group comparisons were

made using the single liner regression. Study 1 was evaluated by MRI at 1.5

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or 3.0 Tesla.

Figure 10. LV geometry and BNP (Study 1). BNP was significantly higher in the CH group than in the nomal group (p = 0.027). BNP was significantly higher in the EH group than in the N group (p = 0.023). Group comparisons were made using the Steel Dwass test. Study 1 was evaluated by MRI at 1.5 or 3.0 Tesla. CH: concentric hypertrophy. CR: concentric remodeling. EH:

eccentric hypertrophy. N: normal geometry. BNP: brain natriuretic peptide.

Figure 11. Correlation between BNP and LGE (Study 1). An ROC curve for BNP for detection of overall cardiac involvement is shown (p = 0.01). Using a cut-off concentration of 16.7 pg/ml and defining patients with SSc with normal CMR, the sensitivity and specificity of BNP in the detection LGE were >81% and >60%, respectively. BNP: brain natriuretic peptide. LGE: late gadolinium enhancement. CMR: cardiac magnetic resonance imaging.

Figure 12. The levels of NT-proBNP in LGE (+) and LGE (-) group of patients

of SSc (Study 2). The mean NT-proBNP level of the LGE (+) group was

higher than that of LGE (-) group (p = 0.03). Group comparisons were made

using the Wilcoxon rank-sum test. Study 2 was evaluated by MRI at 3.0

Tesla. LGE: late gadolinium enhancement. NT-proBNP: N-terminal-pro

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brain natriuretic peptide.

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引用文献

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Causes and risk factors for death in systemic sclerosis: a study from the EULAR Scleroderma Trials and Research (EUSTAR) database. Ann Rheum Dis. 2010; 69: 1809-15.

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参照

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