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全身性強皮症肺病変(間質性肺疾患)の診療ガイドラインの作成

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Academic year: 2021

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全身性強皮症肺病変(間質性肺疾患)の診療ガイドラインの作成  

研究分担者  桑名正隆  日本医科大学大学院医学研究科アレルギー膠原病内科学分野 教授  研究分担者  浅野善英  東京大学医学部附属病院皮膚科 講師 

研究分担者  川口鎮司  東京女子医科大学リウマチ科 臨床教授  研究分担者  後藤大輔  筑波大学医学医療系内科 准教授 

研究分担者  神人正寿  熊本大学大学院生命科学研究部皮膚病態治療再建学 准教授  研究分担者  竹原和彦  金沢大学医薬保健研究域医学系皮膚分子病態学 教授  研究分担者  波多野将  東京大学医学部附属病院循環器内科 助教 

研究分担者  藤本  学  筑波大学医学医療系皮膚科 教授  協力者      佐藤伸一  東京大学医学部附属病院皮膚科 教授 

研究代表者  尹  浩信  熊本大学大学院生命科学研究部皮膚病態治療再建学 教授 

 

研究要旨 

全身性強皮症(SSc)の死因の第一位は間質性肺疾患(ILD)で、予後規定因子としてきわめ て重要である。現状ではSSc-ILDの診断、将来の進行予測、治療の適応と内容については主に 各施設での経験に基づいて実施されてきた。そこで、診療の標準化を目指し、現状で公表されて いる研究成果に基づいた診療ガイドライン案を作成した。文献検索からSSc-ILDの診断、評価 法、予後予測因子、治療を扱った研究成果を無作為に抽出し、その中からエビデンスレベルを考 慮した上で診療に有用と考えられるものを選択した。さらに、14のクリニカルクエスチョンに 層別化して各論文を落とし込み、推奨文、推奨度、さらに解説文を作成した。また、診療に関す るアルゴリズムを作成し、各クリニカルクエスチョンの位置付けをその中に記載した。今後、パ ブリックコメントを求めた上で最終案を策定する予定である。

 

A.  研究目的 

  全身性強皮症(SSc)の死因の第一位は間 質性肺疾患(ILD)で、予後規定因子として きわめて重要である。おもに支持療法の進歩 により SSc の生命予後は改善傾向にあるが、

死因に占めるILDの割合はむしろ増えている。

ILDの経過は多様で、初診時から全く進行し ない例から数年の経過を経て呼吸不全に陥る 例まで幅広い。ただし、特発性肺線維症にみ

られる急性増悪や皮膚筋炎など他の膠原病に 特に伴う急速進行性の経過を呈することはな い。症例数が少なく、またエビデンスレベル の高い研究が少ないことから、診療における 診断、予後予測による病型分類、治療法につ いて、専門施設でも必ずしもコンセンサスが 得られていないのが現状である。そこで、エ ビデンスに基づいた診療ガイドラインの作成 は、診療の標準化を促進することできわめて

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有用と考えられる。国際的には、ヨーロッパ リウマチ学会(EULAR)の委員会(EULAR Scleroderma Trials and Research group;

EUSTAR)により2009 年に公表されたSSc 治療レコメンデーションがあるものの、治療 に限定した内容となっている1)。この中でILD の治療に関する記載があるが、すでに6 年を 経過しているため情報のアップデートが必要 である。そこで、今回は2015 年5 月時点で 公表されている研究成果をもとに、SSc-ILD の診断、病型分類、治療を包括したエンビデ ンスに基づいた診療ガイドライン案の作成を 試みた。

 

B.  研究方法 

PubMed(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/)

を用いて 2015 年 5 月 1 日現在、systemic sclerosisまたは scleroderma と interstitial lung diseaseまたはinterstitial pneumonia、 pulmonary fibrosis、pulmonary interstitial

fibrosis の両者をキーワードとして設定して

論文を検索した。その上で、症例報告(case report)、言語が英語以外の論文を除外した。

抽出されたすべての論文の抄録からSScにお けるILDの診断、評価法、予後予測因子、治 療を扱ったものを選び、全文を入手した。個々 の論文を上記カテゴリーに分類した上でエビ デンスレベルを判断した。最終的には昨年度 に設定した 14 のクリニカルクエスチョンに 分けて各論文を落とし込み、推奨文、推奨度、

さらに解説文を作成した。また、診療に関す るアルゴリズムを作成し、各クリニカルクエ スチョンの位置付けをその中に記載した。

  (倫理面への配慮)

  本研究は一般に公開されている情報をもと に実施したため、倫理面への配慮は不要であ る。

 

C.  研究結果

  2015年5月1日時点にPubMedを用いて キーワード検索でヒットした 1441 件の論文 のうち、SSc-ILDの診断、評価法、予後予測 因子、治療を扱った122件の論文を抽出した。

それらの論文を 14 のクリニカルクエスチョ ンをカテゴリーとして分類し、推奨文、推奨 度、さらに解説文を作成した(表 1)。また、

SScの診断からILDの評価、進行リスク評価、

治療法について順を追って理解しやすいアル ゴリズムを作成した(図1)。

 

D.  考  案 

今回、文献検索からSSc-ILDの診療ガイド ライン案を作成した。SSc-ILDの治療薬の多 くでエビデンスレベルの高い無作為二重盲検 比較試験が実施されていない。そのため、高 いエビデンスを有するシクロホスファミド以 外は推奨度が2となっている。現在、ミコフ ェノール酸モフェチル、トシリズマブ、ニン テダニブなどのSSc-ILDに対して有用な可能 性のある治療薬の大規模臨床試験が実施中で あるが、現時点で結果が未発表なため今回の ガイドラインには含めていない。今後数年以 内にこれらの研究成果が発表されることが予 想され、本ガイドラインのアップデートが必 要になる可能性がある。

 

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E.  結  論 

  文献検索から現状でのエビデンスに基づい

たSSc-ILDの診療ガイドライン案を作成した。

今後、本ガンドラインについてパブリックコ メントを求めた上で最終化する予定である。

 

F. 文  献 

1. Kowal-Bielecka O, Landewé R, Avouac J, et

al. EULAR recommendations for the treatment of systemic sclerosis: a report from the EULAR Scleroderma Trials and Research group (EUSTAR). Ann Rheum Dis 2009;

68(5): 620-8.

G. 研究発表 

なし   

H. 知的財産権の出願・登録状況 

    (予定を含む) 

1.    特許取得        なし 

2.    実用新案登録        なし 

3.    その他        なし

 

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図1.   全身性強皮症に伴う間質性肺疾患の診療アルゴリズム全身性強皮症に伴う間質性肺疾患の診療アルゴリズム全身性強皮症に伴う間質性肺疾患の診療アルゴリズム全身性強皮症に伴う間質性肺疾患の診療アルゴリズム全身性強皮症に伴う間質性肺疾患の診療アルゴリズム

図 1.    全身性強皮症に伴う間質性肺疾患の診療アルゴリズム 全身性強皮症に伴う間質性肺疾患の診療アルゴリズム 全身性強皮症に伴う間質性肺疾患の診療アルゴリズム 全身性強皮症に伴う間質性肺疾患の診療アルゴリズム 全身性強皮症に伴う間質性肺疾患の診療アルゴリズム

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