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資本主義経済の近来における⊥つの基本的動向は︑政府の経  

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(1)

ボールディングの政府行動論   稲 各 満 春   

資本主義経済の近来における⊥つの基本的動向は︑政府の経  

済的分野における活動の比重計徐々に増大せしめてせていると   いうことである︒このような環境の中紅あって経済政策論の一  

つの森題は︑それが最適な経済政策の立案に重点をおくにせよ︑   叉歴史的及び現行経済政策の評価に重点なおぐにせよ︑経済に  

おける政府行動についてのよりよい理論をもつことである︑︒従  

来から︑一つの論争点として問題にされてきている政策主体論   ほ︑このような政府行動の理論によって補完されなけれほ複雑  

な経済政策過程を十分解明することができないであろう︒これ   から紹介しようとするボトルデインタ教授の政府行動論は︑全 

く入門的ではあるけれども︑これらの問題にかんしてかなり包 括的な取扱いをしている︒これほ︑ボトルデイング教授の近著  

きざ鼠首隼ミ/浮官箋訂セ&す一票申の一部分であり︑本章 ︵  1︶   についてほ既に賽評の形でその概要を述べたことがあるが︑彼  

の政府行動論につノいてほふれることがで計なかったので︑改め   てとりあげたいと思う︒︑叙述はまず一般的に行為の問題が論じ  

られ︑次いでこれを政府行為の問題に応用するという形をとっ  

⊥ているり  

酷−ルディソグの政府行動論    紹 介   ︵1︶ 拙稿一・番評ポールディング﹃経済政策原理﹄香川大  

学経済論叢昭和三十三年十一月号︒  

一行為の 理論  

およそいかなる行為もその行為の原則によって支配されてい  

牒︒ひげ剃りというのは一つの行為であるが︑この場合の行為  

原則はひげを啓えるか常紅さっぱりと剃っているかの決定であ  

って︑一度そういう決定が行われると︑それに関する行為の全  

体系が洩ってくるのである︒もし私が常にさっばりと剃ってい  

ることに決めるならば︑私ほ毎朝ひげ剃れをしなければならな  

い︒反対妃ひげを蓄えをことに決めるならば︑それとは興って  

週に一度刈込んで手入れをしなければなむないであろう︒しか  

し︑︑このような行為原則を決めるには︑個別的行為の帰結に閲  

する知識がなければならない︒もしもひげの剃り方を知らなけ  

れほ︑常にさっばりと剃っていようと決意するわけにほいかな  

い︒更に︑行為原則の決定には個別的行為の遂行上必要とされ  

る権力を持っていなければならない︒すなわち︑ひげの剃り雰  

を知っていても︑.もし剃刀を持っていなければ︑常にさっばり  

と剃っているという行為原則を決定することほできないであろ  

ちノ0   

ところで︑行為とほ一体何かという問題を厳密に論じようと  

すると︑論理的ないし哲学的な非常紅沢山の雉しい問題に入込  

んでいかなければならないことになる︒例えば︑古くからの白  

︵六六七︶ 八五   

(2)

第三十一巻 罪六号\  

由意志と宿命との矛盾だとか︑変化とはそも々も何かという一  

層基本的な問題が起せぺく督しかし︑ポールディシグほこの  

方面に深く立入ることなく︑︑宇宙の状態 stateOニhe uni諾・  

HSeという概念から出発しょうとする︒宇宙の状態というのほ  

一時点における事物のあるがままの姿を記述するものであり︑  

一時点における事物の閃光撮影写真である︒あらゆる行為ほと  

の宇宙の状態を変える︒したがって︑或各行為は︑他の諸行為  

が起らなかったと仮定するなら塔その行為の前後の状態を此  

奴することによって記述される︒午前七時五〇分にほひげの生  

えた顔があり︑七時五十五分には剃られた顔がある︒ひげ射り  

という行為は︑これらの二つの宇宙の状憩の相異虹よって記述  

されるのである︒   

このよシに行為を宇宙の状態の変化として眺める七き明らか  

になってくることは︑宇宙の一部分の状態を変えるのには︑残  

余の部分も変えざるを得ないということで臥る︒すなわち︑あ  

−    らゆる行為ほ取引tranSaCtiOnである︒これは基本的な恒存原   理princ亘愉OfcOnSer星山昌に由来するも町であるが︑∵それ   によると宇宙の状態のあらゆる変化はその成分である﹁物質﹂   の再配儲からなる︒例えば︑ひげ剃りという行為は︑あごの上   紅ひげのある宇宙の状態からひげ剃り水の中にひげのある宇宙   の状態へと状態を変化さ軋る︒ひげほ配罠換えされたのであ   る︒同じどとが経済行為転ついてもいえるであろう︒  

取引としての行為は︑外部的取引と内部的取引とに分けられ   ︵六六八︶ 八六  

る︒前者ほ或る他町行為者を含んでいるが︑後者はその行為者  

内部の諸部分の再組織である︒外部的取訃ほ翠監父換e誓bange  

と移転 transfe︻とに分けられるが︑交換は二人の交換者の問  

匿おいて始めて起り得る︒そして︑彼らの問の少くとも二つの  

資産ないし交換物・卜l卜・例えば貨幣と商協−の再分配から篭っ   ている︒すなわち︑二つの主体間の方向を異乾する二つの取引  

からなるのである︒移転とほ贈物や租税の支払の如く︑或る物  

の単なる一方かむ他方への移動である︒︑同様濫︑内部的取引も  

変換−書SfOrma−iOnど破壊ないし創造desきc−iOnOrCr2a−  

t仙Onとに分けられる︒変換とほ︑生産活動にみられるように破  

壊と創造との結合であるが︑純粋に破壊ないし創造だけの行為   もある︒しかし︑ 

とは無意義庵ものを有意義なものとする変換︑破壊とほその逆   の変換であ右と定義することができるであろう︒    このように︑ノあらゆる行為を各種め吸引に分類することがで  

きるが︑諸行為ほまた単純行為slmp−eactと規制的行為計▲  

gu−atOryaCtと紅分けることができる︒前者ほ︑その行為の帰  

結がそれを記述する取引を超えて他に及ばない行為であ玖︑後  

者は他の諸行為の︑特に結局ほ全ての嘩純行為︑の︑条件となる  

ような行為である︒抑えば︑郵便励での切手玖購入の帰結は︑  

郵便局の貨幣の増加と切手のストッグの減少︑他方購入老の貨   幣の減少と切手のストックの増加とである︒そして︑この行為  

の帰結はこかことをそう大して超えるものでない︒しかし∵郵   

(3)

政省︑¢郵便料金の引上げという行為は︑郵便に関係ある全ての  

取引に静響せ及ぼすという意味でそれは規制的行為である︒   

ところで︑或る目的のため紅は︑諸行蕗を自発的行為spOn一  

ta完OuSaCt︑と反応ないし反作用蒜SpOnSe︒r′reaCtiOコ とに  

区別することが塞要である︒決定論者にとっては︑この区別は  

仝くなくなってしまうかもしれないが︑⊥現実分析虹あたっては  

﹁為し得ることが幾つかある中でそれらの一つが為される﹂よ  

うな状況と﹁為サぺきことほ唯一つ﹂というような状況との区  

別ほ意味のある区別である︒  

さて︑︑どのような組織体においても︑行為者セちのヒエラル  

キー濫大体対応する諸行為のヒエラルキーがある︒そして︑支  

配者の行為は被支配者の行為よりも一般に一層自発的であり︑  

また一層規制的である︒もっとも︑規制のヒエヲルキーほ百発  

性のヒエラルギ十と同一である必要はない︒いかなる組織構造  

紅おいても︑上級者たちが下位老たちを﹁支持する﹂成る程の  

必然性がある︒したがって︑自発性のヒエラルキーが実際上逆  

転している−行為のヒエラルキーや規軋の順序匿おいて下位  

紅ある者がその行動に関して自発性を持ち︑形式上上位紅ある  

考が部下や部外者の行為粧反作用しなけれはならない1よう  

な組織体を見出す′ことは全く可能である︒例えば︑不況ほ政府  

欄ヒエラルキーの外部鱒ある経営者や投資家や消費者たちの無  

数の行為の累積的結農奴よって﹁惹起された﹂ものである笹も  

拘わらず︑政府行為ないし政府政策の強い反作用を生みだすの  

ポールディソグの政府行動論   である︒    ここでボールディングほ︑日発的行為と反応的行為との区別   を一層明確にするために︑純粋恒常性purehO莞OStaSisとい   う原理による組織体の行動の極端なモデルの構成を試みる︒恒   常性というものは生理学に由来する重要な言葉であって︑諸環   境に面しての一状態の維持maintenance阜a stateという活   動を襲わすものである︒すなわち︑︑いかなる生物に為それが維   持するようにつくられている或る種の状態﹂−体温︑血圧︑水   分など1−がある︒例え呼人間ではもしも外界の温度が非常   に上り︑体温が正常な九四・四度以上に上昇する恐れのあると   きには︑汗腺が開き︑呼吸が増え︑楽な仕事をしたい欲求が増   え︑そして身体が冷えてくる︒反対に︑外界の温度が非常に下   り︑体温が九四・四度以下になる恐れのあるときには︑汗腺が   周じ︑歯ががくがくん︑筋肉の熱生産活動が増え︑暖房や屏衣   に対する欲求が増えてくるのである︒同様に︑もしも或る組織   体の物的資産が販売︑減価︑或いは消費によって撹乱されるな   らば︑それらは単純妃補充される︒もちろん︑或る事象とそれ   に対応する補充という恒常的行為との問には或るタイム・ラグ   があり︑維持される﹁状態﹂には短期的な変動があるかもしれ   ない︒以上のような組織体には日発的行為というもの軋全然な   い︒その行為は全ぐ反作用的なのであるか    もちろん︑組織体ほその行動において完全に恒常的でほなく   多少とも前進的な変化を示す︒例えば︑生物は受精卵からその  

︵斉六九︶ 八七   

(4)

第三†一▲巻 第六号  

最後的な死滅紅至るまでのライフ・′サイクルを経過してゆく︒  

社会的組織体 − 企業︑教会︑国家−1の場合は︑糞退の期間  

と回役や若返りの期間とをしばし濾交替させながら︑もっと敵  

雑なライフ・サイクルを示す︒ 

うな︑それを死滅に向って一途紅追いやるところの生来的なも  

のは社会的組織体にほ何もないよう粧みえるり 

ないし︑或いは従来貧困問題をそれ自体としては問題にしなか   国家は征服され︑︑教会ほ死滅する如く︑社会的組織体も﹁死亡   ﹂するけれども︑受胎︑誕生︑成長︑成熟︑老衰↓死亡という   ような生物学的ライフ・サイクルの如き単純な喀のはト十たと   えアナロガスはあるとしても ー 社会的組織体紅ほない︒社会   的組織体の場合一層重要なことは︑′状態の意志的変化召≡仙?   已−cFange すなわち恒常性の反作用を通して維持されよ㌢と   する理想状態自体の前進的かつ逆転不可能な変化を導く計発的  行為或いは決定である︒政策p01icyという名に最も催する逐   のは︑・まさにこれらの理想状態の意志的変化である︒それほ理   想状態を記述する変数の大きさを変えることからなるかもしれ   

った政府が全市民の所得を或る最低水準以上に維持することを  

企てるときのように︑理想状態に新しい変数を導入し結合する  

ことからなる場合もあるであろう︒  

二.政府行為への応用︑  

以上簡単にスケッチした行為の理論︑或いは少くとも行為の   ︵六七〇︶ 八八  

分類︑は抽象的で複雑な政府操作ないし政策とは縁遠いもので  

ある守うにみえるかもしれない︒しかし多面的な政府行為を全  

て濫わたって検討し︑政府行為の経済生活への衝撃を吟味する  

有用な手械りを与えてくれるものと考えられる︒′例えば︑政府  

と民間との間の取引と︑民間相互の取引紅影響滋及ぼすものと  

しての政府の規制ないし法律とⅥ間紅は重要な相異があること  

は明らかである︒   

政府の取引ほ常に政府と民間部門との問の或る種の資産再分  

配を伴っている︒例Aば︑租税欄支払は民間勘定から政府勘定  

への貨幣の移転であり︑ネガデイブな租税としての補助金︑救  

済金︑年金︑失業保険金等の支払ほ政府勘定から民間勘定への  

貨幣の移転である︒また労働や商品の政府購入ないし販売ほ既  

に述べたような二部門問の方向を異にする二つの移転からなる  

ところの交換を意味している旬移転も交換も共に少くとも二つ  

の当事者間に起るものであるから︑たとえ政府が関係する移転  

や交換といえども︑取引相手である民間側の同意がなければな  

らない︒例えば︑収めたがらない相手から租税を徴収すること  

ほ︑  ほいえ︑なかなか推しいり時にほ徴兵とか強制的公骨肯うな  

強制交換もあるがヽ最近の政府畔一般に自由交換によって大部  

分の取引を行っている︒したがって︑政府がこれらの交換の  

相手を見付け得るか否かほ︑一般紅交換の条件1価格︑利子  

率︑賃金等1に依存すること紅なるのである︒   

(5)

政府が歌劇を行っているというととの意味は︑政府の行動は  

民間部門紅その方向を異正する対応物があることを考えればは  

っきりとするパ これは政府取引における対応原理 cOunterpart  

prぎcip−e と呼ばれる︒すなわち︑全ての政府受取ほ支払者の  

支出であり﹂全ての政肝購入はその販売者牒実現ざれた収入で  

あり︑また政府の債務ほその所有者にとってほ資産であ号政  

財に関する談論にみられる多くの混乱は︑このような取引や傾  

務の二面的性質を認識せず︑あたかも取引の政府側のみが問題  

の全てであるかのように考えることから起っている︒このよう  

な二面性ほ︑更に次のような相互取引の一般原理ともて定式化  

することができる︒すなわち︑.いかなる資産私闘しても︑政府  

放出高の政府吸収高直対する超過分は︑この政府取引に直接起  

因するその資産の民間保有高の増加分に等しいヾその資産が民  

掛部門で生産されかつ消費されるものである場合にほ︑民間保  

有高ほ政府の購入販売のためばかりでなく︑民間の生産消沓紅  

よっても変るから︑事態はもっと複雑疫なる︒すなわち︑民間  

保有高の増加分イコしル政府販売高マイナス政府購入高プラス.  

民間生産高マイナス民間消費高となり︑政府の販売超過が民間  

の消費超過によって相殺されて︑民間ストッグを増加せしめな  

いような場合も起り得るてとになるのである︒   

政府取引の経済への術艶を評撤するのが特に難しいのほ︑政  

府取引が民間部門の諸決定紅対して間接的効泉を及ぼす場合で  

臥るぺ例えば政府が民間部門の小麦ストックを減じるため幣  

ポールデ小ソグの政府行動論   政府購入計画を立案しで実施したとしよう︒これらの購入の結   果小麦価格が上昇し.たどする︒小麦価格の上昇は小麦生産を刺   戟し︑他方その消費を圧迫するであろう︒政府購入による民間   の小麦スビ﹁ツクの減少は︑こ阻ような価格変化による民間スト   ックの増加によって一部或いは完全に相殺されることになった   であろう︒もし相殺運動が大きければ︑初期の目的に反して民   間部門の小麦ストックは増加するかもしれないのである︒   

このように︑外部的取引とその直接的間接的効果を通して︑  

政府ほ経済に対しその巌も直接的かつ明白な衝撃を与える︒し  

かし︑政府は民間部門の取訃の枠を定めるところの法律や規制  

紅よってむ︑将に長期的にタた像合︑大きな衝撃を経済に与え  

るのである︒すなわち︑政府ほ財産権を保謎したり︑爽約の腐  

朽を監視する︒また︑或る種の生産や消由﹁或る層の取引︑或  

る種の組織を禁止する︒また︑差別課税︑補助金︑関税︑輸入  

制限などによっで或る産業や事業を育成したり︑圧迫したりす  

る︒これらを行う手段は︑強制道具と同意の表明や誘導との故  

雑な混合物である︒今日までの壱ころ︑政府は或る種の強制道  

具︑例えば刑罰や罰金等︑を用意しないでほ行動し得なかった  

し︑また﹂方法砕や規制や法規に従串うという広範囲にわたる  

意志なしにほ行動し得なかった︒この基本的な合意がなくなれ  

ばどのよシな強制も無力化することは︑ 

ば暫察や軍隊︑が彼らの行動に対する全国的な批難紅慣而して  

効力を失うか或いほ士気を保ち得なくなる場合を考えてみれは  

︵六七一︶ 八九   

(6)

第三十一巻︑罪六号  

よいであろう︒   

このような汲律が民間取引に対してなすも⑪は︑まさに民間  

奴引への新たな変数︑政府要因gOくe岩邑ent訂ctOr︑の導入で  

ある︒射しも取引が合法的なものでありそれ自体完全なもので  

あればバ▼政府要因は全く介在しない︒この要周が特に重要とな  

るのはその取引が合法的でない場合である︒政府要因ほその取  

引を全て阻止することはできないかもしれない牒しかし︑罪紀  

聞われる危険という大きな要素を導入しで︑少くともその取引  

を圧迫するであろう︒また︑順法的精神乾富んだ国民Ⅵ場合に  

ほ︑不法な取引を圧迫するものは外部から課せられる刑罰ばか  

りでなく︑良心のおののきという形の内的刑罰があり︑実際上  

ほむしろこの方がより効果をもつかもしれない︒したがって︑  

いかなる規制の経済への衝撃を評価するにあたっても︑常に服  

従要因cOmp−iance.factOrが考慮されなけれほならない︒禁止  

された取引は実際上ほ一部分しか無くならないであろう︒国民  

大衆の十分な支持を得ている政府の場合には︑この要因は一〇  

〇パーセントに近いかもしれないが︑嫌われた支配権力の場合  

にはこの要因は全く小さいかもしれない︒そして︑服従要因が  

大きいときは適当である政策も︑それが小首い 

適当なものとなる可能性があるのである︒   

守ころで︑法律を守ろ㌢とする忠志が一般にある場合にも︑  

政府の親制が社会法則︑すなわち社会を記述する変数の可能な  

集合を規定し︑これらの変数の同時的存在について制約を課す   ︵六七二︶ 九〇  

るところの諸条件や諸関係の関連︑を侵害するならば︑効力を  

失ってしまうであろう︒例えば政府ほ法律を制定しただけで貧  

乏国を豊かにできないし︑せたいかなる権力をもってしても一  

人当り所得は総所得を人口で除した数に等しいというような祉  

全的恒等式を打破ることほできない︒更に︑諸資源の需給渕係  

を無視した価格の設定も効果がないであをう︒   

上述の政策用具としての焼酎と取引とは︑或る場合には前者  

が効果的であり︑或る場合紅ほ後者が効果的である︒例えば思  

慮物価格支持政策とほ政府の購入販売によって農産物価格を山  

定水準に維持しようとする政策であるが︑支持価格が﹁正常﹂  

水準以上であるとき軋は︑政府の農産物のストックが絶えず増  

加してゆくような事憩が起り︑︑政策の崩壊か︑ストックの適切  

な処分か︑ノ或いほ直接的生産統制という規制のいずれか虹向わ  

ざるを得ないであろう︒しかし一般に︑緊急状態のもとでほ︑  

直接的強制力の使用が取引カの使用に代って増えてゆくであろ  

う︒例えば︑平和な時期にほ︑政府は徴兵制度を志願制に切換  

え︑価格統制を各種の取引による方法転換え︑禁止菖グも奨励  

鞋重点を置く︒しかし︑戦争や盟張や恐慌の時期紅なると︑直  

接的強制力の使用が貯えてくるのである︒この理由は・︑零さに  

一方的な強制力の使用ほその程度が増大するにつれで︑その報  

酬がてい減せざるを得ないという点にあ瓢よう紅思われる︒   

これまでの議論でほ︑﹁政府﹂とほまず一つの等質的主体で  

あり︑また政府が支配する大衆とは別個の何物かであるという   

(7)

仮定がおかれている︒このどちらの仮定も︑厳密にいえは正し  

くない︒経済生活に対する政府行為の衝撃について考えるに当  

っては︑極め瑠複雑な乳実をみるわれわれの目を基いでしまシ  

ような抽象︑すなわち政府と大衆とは別個のものでむるとい㌢  

概念︑を容認しないことが大嘩である︒まず︑政府は等質的な  

女体でほなくて︑途方もなく複雑な諸機関の複合体であり︑そ  

れぞれ成る種の独白の生活と自律性とを持っている︒また︑独  

自の諸政策を持っていて︑必ずしも他の諸機関の政策七調和す  

るものであるとほかぎらないけしたがっで︑或る目的のために  

ほ︑政府とほそれ自体三の巨大な生態学紆体系ec︒SyStemで  

あっ 

かも交渉や談論や会話の複雑な過程の結果学窓意雇われるも  

のであると考えなければならない︒しかし︑政府に瞥見任のヒ  

壬フルキ﹂が︑またしたがって統卸の中核︐COre且cOコt邑が  

ある︒そして︑われわれが﹁政府﹂五っいて語るとき言わんと  

しているのほ︑まさにこれらの決雇的な決意についてなのであ  

る︒これらの決意を行ったのが大統領か︑大臣か︑議会指導者  

か︑・姐いほ鼓高裁の判事であるれは大して問題でない︒   

次に政府の大衆に対する関係であるが︑一これはもっと俊雄な  

問題である︒上述の分析では︑政府牢一つのセクター︑また大  

衆戎い咋民間ほ別のセクターであるとし・て取扱われた︒しか  

し⁚政府とはすなわち大衆であるという主張はデモクラレーの  

\\︑しトスの少くトも一部分であり︑このような政府と大衆との  

ポール︼ディングの政府行動論  明確な分離ほ︑近代的デモクラレーを記述するものでないかも   しれない︒西欧的民主主義国の諸政府は世論の動向に椀端に感   応的であるJだが︑このことは決して政府と大衆とが同等なも   のであることを意味しない︒政府とは意志決定者たちからなる   一つ打紐放体である︒彼らは感応的な意思決定者respOnSi諾   骨cisi00makerであって︑彼らの決意ほ彼らを選出した大衆   によって影響を受けるかもし.れない︒しかし︑彼れらの決意が   選挙民や市民の決意と別個のむのであると仮定しても非現実的   ではないであろう︒政府の葺任respOnSibi−ityということの忠   義は︑まさに大衆から政府へのインホメー.ショyのフィードバ   ックの程度とこのインホメ﹂レサンに対する政府の志志決定者   たちの感応にあるのである︒.すなわち︑宝任ある政府とほ感応   的なフィードバックのメカニズムを持つ政椅の七とである︒  

︵山九五九二・・二〇︶  

︵六七三︶九一   

参照

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