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Academic year: 2021

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卒業論文要旨

歩行想起時の脳活動による方向意図同定方法に向けた特徴抽出

知能ロボティクス研究室 大谷祐貴

1. 緒言

先行研究(1)において下肢障がい者が自立して生活を 行うことを目的とした室内移動支援ロボットの開発を 行っている.しかし,この移動支援ロボットはジョイ スティックにより操作を行うため双腕動作等の日常生 活動作を行うことが困難であることが考えられる.そ こで,本研究では脳活動情報からロボットを動かすこ とのできる Brain-Computer-Interface(BCI)に注目し た。BCI を用いることによる室内移動支援ロボットの 操作方法を開発することを目的としている。具体的に は脳活動計測を行うにあたり,機能的近赤外線分光法 (fNIRS)を用いた移動方向意図同定方法を開発してい る.本報告では前後左右4 方向に向かって歩行するこ とを想起(イメージ)する脳活動をfNIR装置により計測 し,各方向における歩行想起の脳活動の特徴を抽出す る.

2. 実験および解析方法

各方向における歩行想起の脳活動の特徴を抽出する ために,移動意図を持つ状態での実験を行う。被験者 は20代の成人男性とした。移動意図を持つ状態として モニターで 1 人称視点での歩行動画を参考動画として 見せ,歩行想起を行ってもらう.実験タスクは初期安 静を 30[s]の後,歩行想起の課題を 20[s],課題後の安 静30[s]の計80[s]を1セットとし,1方向で3セット 行い,前後左右4 方向分計測する.本実験での脳活動 計測には光トポグラフィ装置ETG-7100(日立メディコ 製)を使用した.また,計測位置は歩行に影響がある一 次運動野,体性感覚野を計測するため頭頂部とし,被 験者には全 22 チャンネルから構成されるプローブを 使用する.解析方法としては得られた酸素化ヘモグロ ビン(Hb)変化量について課題前安静 0~20[s]における 酸素化 Hbの平均,標準偏差を用いた標準得点(z スコ ア)を算出し,加算平均を行うこととした.今回実験環 境とプローブの配置を図1に示す.

図1 実験風景とプローブ装着図

3. 解析結果と特徴

各方向の歩行想起における標準得点の違いの特徴に ついて述べていく.チャンネル毎の各方向における課 題時標準得点の平均のグラフを図2,3に示す.

図2 各方向の課題時標準得点の平均(CH1~CH11)

図3 各方向の課題時標準得点の平均(CH12~CH22)

前方向においてはプローブ前側のCH1やCH2,CH3 等のチャンネルで標準得点が高く,CH11,CH12,

CH20 の中央部分の標準得点が少なくなっている.そ のため前側の運動野において標準得点が高くなってい る.後方向においてはCH22では他方向に比べ標準得 点が高く,CH20 が最も小さくなっている.また,中 央部分でも減少が見られている.右方向では CH2,

CH11 で標準得点が大きく減少し,右側や右後方にお いては標準得点が上昇している.左方向においては前 側よりも後側において標準得点が上昇している.また 右側のチャンネルでは全体的に標準得点が高くなる傾 向にある.また,方向別に特定のチャンネルに注目し た場合各方向で特徴が見られた.これより方向意図の 違いにより,脳活動反応には変化があると考えられる.

4. 結言

本報告では4 方向の歩行想起における脳活動変化を 調査し各方向における特徴の抽出を行った.これより 移動方向意図同定法の開発が可能となる.しかし計測 毎で標準得点の大きさが異なり閾値等での識別が困難 であるため,今後はこれらの特徴抽出法の開発を行う。

文献

(1) 王碩玉,石田健司,藤江正克,新型生活支援ロボ ット,第 23回BMFSA 年次大会論文集,PP227

~228

参照

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