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6  排熱を再利用するトランスヒートコンテナが実用化最終段階へ

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Academic year: 2021

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科 学 技 術 動 向 2006 年 8 月号

8 Science & Technology Trends August 2006 9

  エネルギー分野  TOPICS Energy

 環境省 「地球温暖化対策技術開発事業」において、工場等の排熱を専用コンテナで輸送する 「トラン スヒートコンテナ」システムの実用化にあたり、年間を通した熱利用を可能とする冷房への適用を目的と した実証試験が、東京都下水道局清瀬水再生センターで開始された。日本全国の清掃工場では未利用の排 熱が年間約 9.8 万 TJ 放出されているが、本システムが実用化された場合、ボイラー燃料使用量 (A重 油換算)約 250 万褌の削減に寄与し、二酸化炭素排出量を大幅に削減可能となる。

トピックス 6

 排熱を再利用するトランスヒートコンテナが実用化最終段階へ

 三機工業譁および北海道大学エネルギー変換 マテリアル研究センター秋山友宏教授らは、環境 省「地球温暖化対策技術開発事業」の一環として、

2006 年度までの三カ年計画で、トランスヒートコ ンテナの実証試験に取り組んできた。実用化への 最大の課題とされる 100℃程度の低温排熱を冷房用 に活用する実証試験をこのほど開始した。

 「トランスヒートコンテナ」システムは、未利用 の排熱を利用可能とするエネルギーの有効利用技 術で、製鉄所、発電プラント等の工場や、下水汚 泥焼却プラント、ごみ焼却プラントなどから発生 する 200℃以下の低温排熱を、コンテナ内の「潜熱 蓄熱材注)」に高密度に蓄え、病院やオフィス、公 共施設などへトラックで輸送し、熱エネルギーと して利用するものである。

従来の熱供給は、温水を直接導管を介して供給す る方式が一般的であるが、これと比較して、トラ ンスヒートコンテナには下記のようなメリットが ある。

① 配管敷設の制約に縛られず、インフラ整備コスト も大幅削減可能

② 遠方に熱供給可能(従来2km →本方式 20km)

③ 中低温(100℃〜)の排熱を活用可能

 今回の実証試験では、東京都下水道局清瀬水再 生センター(東京都清瀬市)内の汚泥焼却施設か ら発生する排熱を、トランスヒートコンテナシス テムで約 2.5km 離れた清瀬市民体育館に輸送し、

吸収式冷凍機で冷房として利用した。輸送した排 熱の利用方法としては、これまでは冬場の暖房を 中心に検討が進められてきたが、夏場も利用する ことが実用上の課題であり、冷房用途が実現すれ ば、年間を通じた排熱の有効活用が可能となる。

 本システムの技術的な改善点は、コンテナ内部 で潜熱蓄熱材と熱媒油が直接熱交換する構造とす ることで、熱交換器が不要な構造とした点にある。

この結果、熱交換ロスが低減し、蓄熱容量は同量 の温水に比べて約3倍となる。コンテナ一台あた りで輸送可能な熱エネルギーは、一般世帯で使用 する 55 日分に相当する。日本全国の清掃工場では、

未利用の排熱が年間約 9.8 万 TJ 放出されている1)

が、本システムを導入した場合、ボイラー燃料使 用量(A重油換算)を約 250 万褌削減することが 可能となる。この値は、国内民生部門の二酸化炭 素排出量の約 1.7%にあたる約 670 万 t‐CO2の削 減に相当する2)

参考  1)  「工場群の排熱実態調査研究」、譛省エネルギ ーセンター

    http://www.eccj.or.jp/wasteheat/index.html   2)  http://www.env.go.jp/earth/ondanka/ghg/

2004gaiyo.pdf

注 潜熱蓄熱材:物質が相変化(固体⇔液体、液体⇔気体)

する際の潜熱を熱エネルギーとして蓄える物質。排熱の温 度域により使用物質を変えている。

トランスヒートコンテナシステムの概要

図表提供:三機工業譁

写真提供:三機工業譁 トランスヒートコンテナ実証機の概観

参照

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