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1 担い手の属性とコミュニティ

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1. はじめに

ここでは, 上福岡市における福祉コミュニティの担い手の属性を明らかにし, 続けてその担 い手自身がコミュニティをいかに捉えているかをみていきたいと思う。 そのためにもまず, 上 福岡市の福祉の担い手とは何かを確認したい。 上福岡市では, いかなる担い手が生まれ, どの ように形成されていったのであろうか。

「上福岡市史 通史編下巻」1)によれば, 上福岡が町から市へと, 組織編成されたのは1972 年 (昭和47年) であった。 初代市長は市の前身である福岡町長, 近藤克郎氏であった。 市制施 行の翌年には基本構想が策定されたが, 以前の町制を引き継ぐようなものであった。 その基本 構想は高度経済成長期に作られたこともあって, どちらかといえば施設づくり中心のものであっ たのである。 しかし, 時代の変化とそれに伴う街の変化により, 改めて1981年6月に 「上福岡 市基本構想 (新基本構想)」 が作られ, 市民のよりよい生活づくりが目指されていったのであっ た。

上福岡市において, 大きな問題となっていったのは高齢化であった。 なぜなら上福岡市には, 二つの大規模な団地 (上野台, 霞ヶ丘) があったからである。 団地という集合住宅によって営 まれる暮らしは, その構造から核家族世帯によって行なわれていることが多い。 上福岡のこの 二つの団地においても, 子ども達の自立という時を経て, 高齢者のみによる世帯へと変化して いった。 市ではこの高齢者問題について, 1973年の基本構想で老人のための施設の建設や生き がいづくりの目標が掲げられた他, 1980年代においては, 対象者別に幾つかの施策が作られた り, 老人福祉センターを建設するといった事業がなされた。 また単身老人については, 事故な どを防ぐために, 1973年12月から 「上福岡市単身老人特別援護対策事業実施要綱」 を定め, 対 象者と①隣人である, ②精神的なつながりがある, ③民法にいう扶養義務関係にないという条 件のもと, 協力員を作り, 一日一回以上の電話か訪問による把握と問題の通報などを行なうこ とを委託した。

加えて上福岡市ではその他高齢者に向けた福祉事業を, 社会福祉法人である社会福祉協議会 にも委託し, 施策を展開してきた。 一人暮らし高齢者に対する 「見守り活動」 等がそれである。

1 担い手の属性とコミュニティ

宮 田 まり子**

*Communities and Attributes of the Leaders

**Mariko MIYATA (立正大学社会福祉学部人間福祉学科) キーワード:上福岡市, コミュニティの担い手, 福祉コミュニティ

(2)

地域に学び地域に根付く社協づくりをめざして 上福岡市社協一〇年史 2)によれば, 1951年 に村民の有志によって創られた 「福岡村社会福祉協議会」 が, 社会福祉法人として認可された のは1974年のことであった。 法人化初年には, それまで住民組織で行なわれていた歳末たすけ 合い運動に対する組織的取り組み, 地域における支部の設置, 善意銀行の開設, 他市からの委 託業務や民生委員と連携しての老人福祉事業が行なわれている。 中でも地域における支部の設 置は, その年, 行政連絡区長と協力し, 20支部を結成させている。 その取り組みは次年におい て引き続き行なわれ, 25になる支部を設置するに至っている。 そしてその支部の一役員職とし て置かれたのが 「福祉委員」 であった。 「福祉委員」 は, 当時の市社協の会員として, 法人に なる前の市社協においても存在していた。 しかしここで置かれた 「福祉委員」 は前身のものを 引き継いだのではなく, ここでまた改めてその設立を区長に依頼する等して創られたものであっ た。 よって当初, 福祉委員のほとんどは, 区長会, 自治会, 町内会, 民生委員であった。 法人 3年目となる1976年にはモデル支部を発足し, 指導者研修会を実施する等, 支部活動に対する 取り組みが行なわれている。

1976年度に, 支部は小地域において支部役員がその活動を担い, ボランティアは広域におい て一般市民がその活動をすることだと決定された。 法人化4年目の1977年には, ボランティア 活動が進められた。 上福岡市のボランティア活動は, 支部との役割分担の中で創られたのであ る。 ボランティアスクールという研修会が開かれた。 そしてそこに集まった人々により, 老人, 子ども, 障害者と課題別に作られた三つのグループが, 法人最初のボランティアグループとなっ た。

簡単ではあるが, 以上のように上福岡市の福祉史を顧みると, 上福岡市における担い手は, 市政に多分に影響を受けながらも, 社会福祉協議会の様々な試みをもとに生まれ出てきたとい うことが見えてきたと思う。

現在, 上福岡市に設置されている支部は27支部, 支部役員は27名である。 ボランティア登録 をしているのは22団体, 472人である。 その内, 上福岡市ボランティア連絡協議会を組織して いる9〜10の団体は, 他の団体に比べて社協との関わりも深く, 活動も安定していると言われ ている。 うち1団体はNPO法人を目指している。 また近年では, 平成元年頃より, 住民参加 型在宅福祉サービス 「ふれあいサービス事業」 が実施され, その協力員の登録者数は35名となっ ている。 その他, 精神障害者家族の会等といった当事者による組織があり, 民生委員は市内3 地区で98名である。

それらのメンバーが, 上福岡市の福祉コミュニティを支える担い手であると思われる。

2. 調査の概要

目 的

本調査は, 上福岡市の福祉コミュニティを支えていると思われる担い手について, その属性

(3)

を確認し, 活動や意識を明らかにすることを目的としている。 そしてその結果, そこに形成さ れているコミュニティがどのような人々によって担われているのか, ひいては, そこに形成さ れているコミュニティがいかなるものなのかを探るものである。

方 法

聞き取り調査などで把握した上福岡市の担い手に対し, ボランティアと福祉委員に関しては, 質問紙を作成し, 郵送調査法にて回答を得た。 民生委員については, 民生委員協議会の定例会 にて配票し, 郵送によって回答を得た。

対 象

民生委員98人, 社会福祉協議会に登録をしているボランティア198人, 福祉委員200人 合計496人

期 間

2003年, 7月〜8月

結 果

民生委員75人 (有効回収率76.5%), 社会福祉協議会に登録をしているボランティア122人 (有効回収率61.6%), 福祉委員98人 (有効回収率49%), 合計295人 (有効回収率59.5%) より 調査に有効な回答を得ることができた。

3. 結 果

担い手の属性

性別では全体として, 女性が8割以上という回答になっている。 平成12年の上福岡市におけ る国勢調査の結果では, 総人口 (54,630人) における男性の数は27,380人, 対する女性の数は 27,250人であり, 一般市民としては男性のほうが女性よりも多い3)。 このことから上福岡市の 福祉の担い手は, 女性の参加率の方が高いということがいえる。

また, 担い手の分類別に見ると, 民生委員, ボランティアは圧倒的に女性が多い。 ボランティ 表1−1 性 別

男 性 女 性 合 計

民 生 委 員 8(10.7) 67(89.3) 75(100.0) ボランティア 10( 8.2) 112(91.8) 122(100.0) 福 祉 委 員 35(35.7) 63(64.3) 98(100.0) 合 計 53(18.0) 242(82.0) 295(100.0) 実数, ( ) 内%

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アにいたっては9割という結果になっている。 しかし, 福祉委員については, 男性の割合が35

%と, 他の担い手と比して多い結果となっている。

全体として, 60〜69歳が5割近くを占めるという結果であった。 上福岡市民の年齢構成と比 べてみても, 上福岡市は特に60歳以上の年齢が高い地域なのではない。 市としては30〜39歳が 一番多く8,987人 (16.4%), 20〜29歳は8,442人 (15.4%), 50〜59歳は8,298人 (15.1%), 60〜

69歳は8,208人 (15.0%) と各年齢区分ともおおよそ15〜16%となっている4)。 とすれば, この 担い手の年齢について見たとき, 注目すべきはやはり60〜69歳が多いということであろう。 様々 な社会経験があり, また生活的にもゆとりのある人々によって担われていることが推察される。

さらに担い手のそれぞれを見ていくと, 民生委員と福祉委員については, 20〜30歳が0人で, 60〜69歳にかけて緩やかな山を描くという, 同じような人員構成であることがわかる。 ボラン ティアについては, 担い手分類の中で唯一20代からの参加があり, 20〜39歳という年代で8人 (6.6%) の人々が活動にかかわっている。

ここで先の性別と掛け合わせてみた。 すると, 特に少なかった男性の年齢とのかけ合わせの 結果から, 次のようなことがわかった。 まず, 民生委員の8人は全て60歳以上であった。 福祉 委員は, 担い手の中でも最も男性が多い担い手であったが, その内の60歳以上者は30人 (85.7%) であった。 しかしボランティアに限っては, 30歳からどの年齢も1人, 2人, 4人 という数で存在していた。 この結果は後の職業の質問結果と合わせて見ていきたい。

「夫婦二人世帯」 と 「夫婦と未婚子の世帯」 という回答がともに3割弱と, 回答の中では一 番高くみられた。 合わせると7割近い数字になる。 一方, 「単身世帯」 の割合は, 全体として 1割を下まわり, 単身世帯が一番多いボランティアにおいても10.7%と, 二人以上による世帯 者の方が割合は高い。 しかしながらまた, 「三世代世帯」 の割合も1割弱と高くなく, 総じて 少人数世帯者が多いということがわかる。

表1−2 年 齢

実数, ( ) 内%

20〜29歳 30〜39歳 40〜49歳 50〜59歳 60〜69歳 70歳以上 無回答 合 計 民 生 委 員 0(0.0) 0(0.0) 7(9.3) 23(30.7) 37(49.3) 8(10.7) 0(0.0) 75(100.0) ボランティア 1(0.8) 7(5.7) 7(5.7) 32(26.2) 52(42.6) 23(18.9) 0(0.0) 122(100.0) 福 祉 委 員 0(0.0) 0(0.0) 5(5.1) 17(17.3) 52(53.1) 24(24.5) 0(0.0) 98(100.0) 合 計 1(0.3) 7(2.4) 19(6.4) 72(24.4) 141(47.8) 55(18.6) 0(0.0) 295(100.0)

表1−3 世帯構成

単身世帯 ( ひ と り ぐ らし)

夫婦二人世

夫婦と未婚 子の世帯

本人と親も しくは子の 世帯

三世代世帯 その他 無回答

民 生 委 員 7( 9.3) 22(29.3) 29(38.7) 4(5.3) 12(16.0) 1(1.3) 0(0.0) 75(100.0) ボランティア 13(10.7) 35(28.7) 42(34.4) 12(9.8) 13(10.7) 6(4.9) 1(0.8) 122(100.0) 福 祉 委 員 6( 6.1) 45(45.9) 27(27.6) 8(8.2) 8( 8.2) 4(4.1) 0(0.0) 98(100.0) 26( 8.8) 102(34.6) 98(33.2) 24(8.1) 33(11.2) 11(3.7) 1(0.3) 295(100.0) 実数, ( ) 内%

(5)

また, この結果を年齢とかけ合わせてみたところ, 民生委員と福祉委員で答えられた単身世 帯者は全て, 60歳以上であることがわかった。

職業については, 専業主婦と無職という回答が多く, 合わせると78.0%にもなる。 この二つ の項目は他の項目と比べ, 比較的時間にとらわれず, 活動ができる人々であるとみることがで きる。 ゆえに, 上福岡市の担い手のおよそ8割は時間にゆとりを持っているといえる。 また, 担い手のそれぞれを見てみると, 勤め人 (常勤) はボランティアに多く, 自営業・農林業は福 祉委員に多く見られる。

さらにこの結果を, 先に見た年齢と掛け合わせてみた。 すると男性の職業の内訳では, 民生 委員の8人は, 無職が7人, 自営業・農林業が1人という結果であった。 福祉委員については, 無職が25人, 自営業・農林業が5人, 勤め人 (常勤) が4人, パートが1人であり, ボランティ アでは, 常勤 (勤め人) が5人, 無職が5人という結果であった。 このことと, 「年齢」 のと ころで得た結果とをふまえ, 次のようなことが推察される。 まずは民生委員の男性の無職者7 人は60歳以上であったことから, 勤めを終えて無職となり活動をしている人物なのではないか ということである。 福祉委員についても, 男性の60歳以上である割合が85.7%であり, 無職者 (年齢は全員が60歳以上であることが掛け合わせによりわかった) の割合も71.4%と高く, 民 生委員と同様, 勤めを終えた人々なのではないかということである。

また, 担い手の中で唯一見られたボランティアの20代の1人は, 女性の勤め人 (常勤) であ ることがわかった。 同じく唯一見られた学生は, 30代と40代にそれぞれ1人ずつという内訳で あった。 そしてボランティアの無職者は全員が60歳以上であった。

居住形態としては, 一戸建ての持ち家という回答が圧倒的に多い。 平成12年の国勢調査では, 上福岡市の持ち家率は50.6%である5)。 半数が持ち家であり, 半数が借家であるという上福岡

表1−4 職 業

勤め人 (常勤)

パート・

嘱託

自営業・

農林業 専業主婦 無回答

民 生 委 員 1(1.3) 6(8.0) 4( 5.3) 48(64.0) 0(0.0) 16(21.3) 0(0.0) 75(100.0) ボランティア 10(8.2) 6(4.9) 9( 7.4) 74(60.7) 2(1.6) 20(16.4) 1(0.8) 122(100.0) 福 祉 委 員 5(5.1) 9(9.2) 12(12.2) 39(39.8) 0(0.0) 33(33.7) 0(0.0) 98(100.0) 16(5.4) 21(7.1) 25( 8.5) 161(54.6) 2(0.7) 69(23.4) 1(0.3) 295(100.0) 実数, ( ) 内%

表1−5 居住形態

持ち家 (一戸建て)

持ち家 (マン ションなどの 集合住宅)

(一戸建て)

賃貸アパート・

マンション 公営住宅 社宅・公

務員住宅 その他

民 生 委 員 59(78.7) 4(5.3) 1(1.3) 4(5.3) 7(9.3) 0(0.0) 0(0.0) 75(100.0) ボランティア 99(81.1) 5(4.1) 2(1.6) 6(4.9) 9(7.4) 1(0.8) 0(0.0) 122(100.0) 福 祉 委 員 82(83.7) 0(0.0) 0(0.0) 6(6.1) 8(8.2) 1(1.0) 1(1.0) 98(100.0) 240(81.4) 9(3.1) 3(1.0) 16(5.4) 24(8.1) 2(0.7) 1(0.3) 295(100.0) 実数, ( ) 内%

(6)

市の状況のなか, 担い手の持ち家率は81.4%であり, その割合はかなり高い。

上記の表を見ていく前に, まず, 各地区の人口を述べたい。 それぞれの地区の人口は, 表の 左 「上福岡1, 北野, 大原, 上野台」 地区より, 10,758人, 6,704人, 5,444人, 7,525人, 2,536 人, 4,956人, 3,569人である6)。 ゆえに, その人口との比較で担い手の割合を見ていくと, 左

「上福岡1, 北野, 大原, 上野台」 地区から順に, 0.6%, 0.6%, 0.6%, 0.5%, 1.5%, 0.6%, 1.2%であった。 つまり, 地区の住民人口との担い手数の割合で見ると, 「西沼, 川崎, 清見, はけ」 地区が一番多く, 次に 「新田, 滝, 中福岡, 下福岡」 地区になるということがわかった。

しかしながら, どの地区も0.5%か0.6%といった割合で, 平均的に担い手がいることもうかが えた結果であった。

全体的に30年以上の間, この地域において暮らしているという人からの回答が多い。 一番顕 著なのは福祉委員で, 0〜20年未満の人の割合は5.1%にすぎない。 30年前といえば, はじめ にでも見てきたように, 社協が認可を受けたあたりである。 そのころには, あるいはそれより 以前から, 上福岡市に生活をしてきた人々によって担われているということがわかる。 一方, 民生委員とボランティアは30年以上の居住者が半数以上ではあるものの, ごく少数ではあるが, 3年未満や3〜10年未満のものもあり, 一概に古くからの住民のみによって担われているとは いえない。 ただ, 往々にして, 長く上福岡市に居住する人々によって担われているということ, それはどの担い手についても同じような傾向を持っているということが見られる。

コミュニティ

上福岡市は, 古くは町を流れる新河岸川をもとに水運等を中心として栄えた街である。 現在 はその川と反対側に鉄道 (東武東上線) が通り, それと並行するような形で国道を結ぶ有料道

表1−6 居住地区

上福岡1, 北野, 大 原, 上野

上福岡2・

3, 中央1・

2 , 富 士 見台

上福岡4, 南台12, 武蔵野, 丸山

上福岡5・

6 , 西 , 霞ヶ丘

西沼, 川 崎, 清見, はけ

南 台 1 , 駒林西, 駒林

新田, 滝, 中福岡, 下福岡

無回答

民 生 委 員 18(24.0) 11(14.7) 5( 6.7) 14(18.7) 6( 8.0) 7( 9.3) 13(17.3) 1(1.3) 75(100.0) ボランティア 22(18.0) 12( 9.8) 15(12.3) 10( 8.2) 22(18.0) 17(13.9) 18(14.8) 6(4.9) 122(100.0) 福 祉 委 員 29(29.6) 17(17.3) 10(10.2) 13(13.3) 10(10.2) 7( 7.1) 11(11.2) 1(1.0) 98(100.0) 69(23.4) 40(13.6) 30(10.2) 37(12.5) 38(12.9) 31(10.5) 42(14.2) 8(2.7) 295(100.0) 実数, ( ) 内%

表1−7 居住年数

3年未満 3年〜10年未満 10年〜20年未満 20年〜30年未満 30年以上 無回答

民 生 委 員 2(2.7) 2(2.7) 7(9.3) 21(28.0) 43(57.3) 0(0.0) 75(100.0) ボランティア 2(1.6) 11(9.0) 11(9.0) 28(23.0) 68(55.7) 2(1.6) 122(100.0) 福 祉 委 員 0(0.0) 3(3.1) 2(2.0) 16(16.3) 76(77.6) 1(1.0) 98(100.0) 4(1.4) 16(5.4) 20(6.8) 65(22.0) 187(63.4) 3(1.0) 295(100.0) 実数, ( ) 内%

(7)

路があり, 上福岡市の流通の一端を担っている。 周囲には大井町, 富士見市, 川越市がある。

市の面積は6.81とそれほど大きくはない。 土地利用については, 市税務課の資料によれば, 平成15年の上福岡市における田畑や山林の面積は全体の23.6%であり, 宅地の面積は49.9%で ある7)。 確かに, 駅から町を歩いているとすぐに田畑を目にすることができる。 そしてともす ればすぐに, 隣町である富士見市や大井町へと足を踏み入れることになる。 次の表は, 担い手 に住んでいる地区の特徴を尋ねたものである。

結果としては, どの担い手においても市街住宅地域と答えた割合が高く, 全体で7割となっ ている。

この質問において, どの担い手においても一番多かった回答は, 「ある程度ある」 という回 答で, 「大いにある」 と合わせると8割になる。 特に福祉委員と民生委員においては, 「ない」

という回答はみられない。 地区のまとまりを感じている人々が多いことを示している。 しかし ボランティアの回答では, 「まったくない」 という回答もあった。

全体の回答を見てみると, 「こまったときには助け合うようなつき合い」 が一番多く, つい で 「会えれば世間話をする程度のつき合い」 となっている。 困ったときには助け合わなければ ならないという意識がある。 しかしそれぞれについて見てみると, 民生委員と福祉委員では似

表1−8 地区の特徴

市街住宅地域 商業地域 郊外住宅地域 農山村地域 無回答 合 計

民 生 委 員 57(76.0) 3(4.0) 10(13.3) 3(4.0) 2(2.7) 75(100.0) ボランティア 80(65.6) 6(4.9) 26(21.3) 7(5.7) 3(2.5) 122(100.0) 福 祉 委 員 70(71.4) 7(7.1) 14(14.3) 4(4.1) 3(3.1) 98(100.0) 合 計 207(70.2) 16(5.4) 50(16.9) 14(4.7) 8(2.7) 295(100.0) 実数, ( ) 内%

表1−9 地区のまとまり

実数, ( ) 内%

大いにある ある程度ある あまりない まったくない わからない 無回答

民 生 委 員 7( 9.3) 52(69.3) 14(18.7) 0(0.0) 2(2.7) 0(0.0) 75(100.0) ボランティア 10( 8.2) 80(65.6) 24(19.7) 2(1.6) 5(4.1) 1(0.8) 122(100.0) 福 祉 委 員 14(14.3) 77(78.6) 7( 7.1) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 98(100.0) 31(10.5) 209(70.8) 45(15.3) 2(0.7) 7(2.4) 1(0.3) 295(100.0)

表1−10 近所づきあい

実数, ( ) 内%

こまったときに は助け合うよう なつき合い

ときどき行き来 する程度のつき 合い

会えれば世間話 をする程度のつ き合い

あいさつをする 程度のつき合い

つき合いはほと

んどない

民 生 委 員 38(50.7) 9(12.0) 23(30.7) 5( 6.7) 0(0.0) 75(100.0) ボランティア 47(38.5) 13(10.7) 37(30.3) 24(19.7) 1(0.8) 122(100.0) 福 祉 委 員 57(58.2) 12(12.2) 23(23.5) 6( 6.1) 0(0.0) 98(100.0) 142(48.1) 34(11.5) 83(28.1) 35(11.9) 1(0.3) 295(100.0)

(8)

たような割合での回答が見られるのだが, それと比べてボランティアでは, 「こまったときに は助け合うようなつき合い」 は少なく, 「あいさつをする程度のつき合い」 が多い。 「つき合い はほとんどない」 という回答も唯一見られた。

住み続けたいと答えた人が, 全体で8割を超えるという結果であった。 ただし, わからない とする回答も11.2%とあり, ボランティアにおいては特にその割合が15.6%と高いように思わ れる。 先にみた 「地区のまとまり」 の回答と掛け合わせて見てみると, どの担い手においても, 地区のまとまりは 「大いにある」 と答えた人々の中に, 「転居したい」 と答えた人はいなかっ た。 民生委員においては, 「転居したい」 と答えた人々の半数が地区のまとまりは 「あまりな い」 と答えていた。 しかし, ボランティアの回答で, 地区のまとまりは 「まったくない」 と答 えた人は, 「住み続けたい」 と思っていると答えていた。

4. まとめ

ここでは, 上福岡市の福祉コミュニティの担い手に関する調査結果のうち, まずはその性質, 属性について見てきた。 そこで明らかになったことは, ①女性が多く, 高年齢層が多い②職業 は専業主婦と無職である人が多い③二人以上の世帯に住み, 30年以上のあいだ上福岡市に暮ら している人が多く, その住まいは持ち家であることが多いということであった。 これらのこと から, 上福岡市における担い手は, 時間的にも経験的にもゆとりがある人が多く, その街に長 年にわたって生活していることから, そこでの生活についてもよく知っているものと思われる。

総じて, 上福岡市において安定した暮らしを続けている人によって担われているということが 推察された。 またその活動には, 女性の視点が多く持ち入られているのではないかと思われる。

さらに, 担い手のそれぞれに見られた特徴を, いくつか挙げてみたい。 まず, ボランティア に見られる特徴は, 他の担い手と比べ, 若い世代の参加が唯一ある担い手であったということ であろう。 男性の担い手が60歳以上とは限らないということも他と比べ特徴的であった。 そし て, 福祉委員に見られた特徴は, 女性の方が多いという担い手全体の特徴の中でも割に男性の 参加があること, その8割以上が60歳以上であるということ, 男女ともに39歳までの世代が全 くいないということ, 夫婦二人世帯者が多いということ, 他の担い手と比べ 「自営業者・農林 業者」 が多く, 無職者と合わせると8割を超えるということ, 居住年数が3年以上であるとい うことであった。 民生委員では, 結果を得た担い手の全ての男性が60歳以上であり, 「無職」

か 「自営業者・農林業者」 であった。

表1−11 定住意思

住み続けたい 転居したい わからない 合 計

民 生 委 員 63(84.0) 4(5.3) 8(10.7) 75(100.0) ボランティア 95(77.9) 8(6.6) 19(15.6) 122(100.0) 福 祉 委 員 91(92.9) 1(1.0) 6( 6.1) 98(100.0) 合 計 249(84.4) 13(4.4) 33(11.2) 295(100.0) 実数, ( ) 内%

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以前に, 福祉委員のある男性にインタビューを行なった時も, 「勤めを定年で退職し, その 後, 福祉委員になった」 という話をうかがった。 この調査結果においても, 上福岡市の男性の 福祉委員や民生委員という担い手は, 仕事を定年した人々によってなされていることが多いの ではないかということが思い浮かぶ結果であった。

次に, 担い手がそのコミュニティをいかに意識し, 捉えているのかをみた。 そこでわかった ことはまず, この上福岡という地区を, 「市街住宅地域」 であると捉えている人が7割いると いうことであった。 そして地域のまとまりがあると答えた人は8割, 住み続けたいと思ってい る人も8割になるという結果であった。 近所とのつきあいについては, 困ったときは助け合う とする意識が高く見られた。

ここで特徴的だったのは, 「定住意思」 の質問項目の福祉委員の回答と, 「地区のまとまり」

と 「近所づきあい」 の質問項目におけるボランティアの回答であった。 福祉委員の 「定住意思」

の質問項目における回答は, 「住み続けたい」 という回答が多かったことが特徴的であった。

ボランティアの 「地区のまとまり」 の質問項目における回答では, 唯一 「まったくない」 とい う回答があった。 また, 「近所づきあい」 の質問項目におけるボランティアの回答では, 他の 担い手と比べ, 「こまったときには助け合うようなつき合い」 が少なく, 「あいさつをする程度 のつきあい」 が多く見られた。 ボランティアの, 地区のまとまりや地区とのつき合いへの関心 は, 民生委員や福祉委員といった担い手と比べると, 若干低いようである。 上福岡市における 担い手の, 活動や意識については, この後に続く結果報告と分析で明らかになっていくと思う。

1) 上福岡市の歴史に関しては全て, 上福岡市教育委員会 上福岡市市編纂委員会編2 「上福岡市史 通 史編下巻」 (2002年3月) を参照した。

2) 上福岡市社会福祉協議会の活動に関しては全て, 社会福祉法人上福岡市社会福祉協議会 地域に学び 地域に根付く社協づくりをめざして 上福岡市社協一〇年史 (1984年10月) を参照した。

3) 上福岡市総務部情報推進部編 統計かみふくおか 平成14年度版 p.17 2003年11月 4) 同上 pp.12〜13

5) 同上 p.19 6) 同上 p.9 7) 同上 p.1

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