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Vol.42 , No.1(1993)070「生命倫理委員会報告」

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Academic year: 2021

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印 度 學 佛 教 學 研 究 第 四 十 一 巻 第 一 号 平 成 五 年 十 二 月

長 

日 本 印 度 学 仏 教 学 会 で は 、 昭 和 六 三 年 七 月 北 海 道 大 学 で 開 催 さ れ た 第 三 九 回 学 術 大 会 理 事 会 に お い て 、 臓 器 移 植 問 題 検 討 委 員 会 を 設 置 し た が 、 平 成 二 年 六 月 、 東 北 大 学 で 開 催 せ ら れ た 第 四 一 回 学 術 大 会 で シ ン ポ ジ ゥ ム を 行 な い 、 同 年 一 〇 月 に は 委 員 会 見 解 を ま と め 、 本 誌 第 三 九 巻 第 一 号 に 報 告 し た 。 そ の 後 新 た に 平 成 三 年 七 月 二 〇 日 、 仏 教 大 学 で 開 催 さ れ た 第 四 二 回 学 術 大 会 に お い て 改 め て 生 命 倫 理 委 員 会 が 発 足 す る こ と と な り 、 二 四 名 の 委 員 が 選 ば れ 、 互 選 の 結 果 再 度 私 が 委 員 長 と な っ た 。 そ れ 以 来 、 第 一 回 は 、 平 成 三 年 一 二 月 一 四 日 、 東 京 大 学 仏 教 青 年 会 会 議 室 。 第 二 回 は 、 平 成 四 年 四 月 二 日 、 東 京 大 学 山 上 会 館 。 第 三 回 は 、 平 成 四 年 六 月 二 一 日 、 愛 知 学 院 大 学 。 以 上 、 三 回 に わ た っ て 委 員 会 を 開 き 、 ﹁ 生 命 倫 理 ﹂ の 名 の 下 で ど の よ う な 問 題 を 取 り 上 げ る か 、 議 論 を 重 ね た 。 そ の 結 果 、 ︹ A ︺ 生 命 操 作 の 問 題 ︹ B ︺ 脳 死 ・ 臓 器 移 植 の 問 題 ︹ C ︺ タ ー ミ ナ ル ・ ケ ア の 問 題 の 三 つ に 主 題 を ま と め る こ と が で き た 。 そ こ で 平 成 四 年 一 〇 月 一 五 日 、 京 都 種 智 院 大 学 に お け る 第 四 回 委 員 会 で は 、 次 の よ う な 提 案 を 行 な っ た 。 一 、 平 成 五 年 五 月 二 二 日 、 高 野 山 大 学 で 行 な わ れ る 日 本 印 度 学 仏 教 学 会 第 四 四 回 学 術 大 会 に お い て 、 ﹁ 生 命 倫 理 ﹂ に 関 す る シ ン ポ ジ ウ ム を 行 な う 。 ま た 別 に ﹁ 生 命 倫 理 ﹂ の 部 会 を 設 け て 研 究 発 表 を 募 る 。 二 、 ﹁ 仏 教 と 生 命 倫 理 ﹂ に つ い て 基 本 的 視 座 を 明 ら か に す る た め に ア ン ケ ー ト を 作 成 し 、 全 委 員 の 回 答 を 集 め て 集 計 し 、 委 員 会 と し て の 見 方 、 考 え 方 を 明 確 に す る 。 こ の 提 案 が 委 員 会 で 賛 同 を 得 、 ア ン ケ ー ト の 質 問 作 製 は 中 野 東 禅 、 伊 藤 道 哉 二 氏 に 依 頼 す る こ と と な っ た 。 ア ン ヶ ー ト の 作 製 に 当 っ て は 、 中 野 氏 の 原 案 を 基 に 伊 藤 氏 が 手 を 加 え る と い う 経 過 を た ど っ た 。 ア ン ヶ ー ト 作 製 に 当 っ て は 次 の 点 が 考 慮 さ れ た 。 a 生 命 倫 理 の 基 本 問 題 を 設 定 し 、 仏 教 な い し 仏 教 学 と し て の 見 方 が 提 示 で き る よ う に す る こ と 。

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生 命 倫 理 委 員 会 報 告 b 生 命 の 尊 厳 性 を 絶 対 視 す る 立 場 (S O L ) と 生 命 の 質 を 主 張 す る 立 場 ( Q O L ) の 間 に あ っ て 、 仏 教 の 取 る べ き 位 置 を 見 出 す こ と 。 c 多 様 な 考 え 方 を 許 容 す る 方 式 に す る こ と 。 d 仏 教 的 な 考 え 方 を 原 理 、 原 則 と し て 押 し つ け る こ と な く 、 日 本 思 想 の 立 場 、 日 本 文 化 の 立 場 も あ り 、 特 に 現 実 に 即 し た 柔 軟 な 考 え 方 を 提 示 で き る よ う に す る こ と 。 e 身 近 か な 仏 教 徒 、 特 に 僧 侶 を 想 定 し た 回 答 に な る よ う に す れ ぽ 、 医 師 や 一 般 人 に も 分 り 易 く な る と 考 え ら れ る 。 た だ し 生 命 倫 理 委 員 会 は 学 会 の 理 事 会 に 対 し て 報 告 す る こ と が 責 任 で あ る と 考 え る こ と 、 が 確 認 さ れ た 。 ア ン ケ ー ト の 質 問 表 は 、 六 〇 頁 を 超 え る 大 部 の も の と な っ た 。 全 委 員 ( 二 四 名 ) に 送 付 せ ら れ 、 二 〇 名 の 回 答 を う る こ と が で き た 。 回 答 を 寄 せ ら れ た の は 、 次 の 諸 氏 で あ る (敬 称 略 ) 。 石 上 善 鷹 伊 藤 瑞 叡 伊 藤 道 哉 庵 谷 行 亨 大 野 榮 人 梯 實 圓 木 村 清 孝 久 保 縫 成 篠 田 正 成 田 代 俊 孝 塚 本 啓 群 中 野 東 輝 奈 良 康 明 鍋 島 直 樹 西 村 恵 信 藤 本 浄 彦 松 長 有 慶 丸 山 孝 雄 里 道 徳 雄 た だ し ア ン ヶ ー ト の 集 計 に あ た っ て は 、 敢 え て 実 名 を 用 い ず 、 要 点 を 簡 潔 に 記 載 す る た め に ア ル フ ァ ベ ッ ト を 用 い た り し て い る が 、 こ の 点 に つ い て は 、 御 了 解 を い た だ き た い 。 こ れ ら の 回 答 は 、 い っ た ん 中 野 氏 の 下 で 集 計 せ ら れ た が 、 そ の 上 で さ ら に ︹ A ︺ ︹ B ︺ ︹ C ︺ に 三 分 せ ら れ 、 そ れ ぞ れ 中 野 東 禅 ・ 丸 山 孝 雄 ・ 伊 藤 道 哉 の 三 氏 の 許 に 送 ら れ て 再 検 討 さ れ 、 さ ら に そ れ ぞ れ コ メ ン ト を 付 せ ら れ た 。 ( 三 氏 に 依 頼 し た の は 、 委 員 全 員 が 投 票 し た 結 果 に よ る 。 ) 五 月 二 二 日 、 高 野 山 大 学 の シ ン ポ ジ ウ ム は ﹁ 仏 教 と 生 命 倫 理 ー 生 命 操 作 ・ 脳 死 臓 器 移 植 ・ タ ー ミ ナ ル ケ ア ー ﹂ と 題 し 、 パ ネ ラ ー と し て 中 野 東 禅 ・ 丸 山 孝 雄 ・ 伊 藤 道 哉 の 三 氏 に は 、 ア ン ケ ー ト の 結 果 を ま と め て 報 告 し て い た だ い た 。 さ ら に タ ー ミ ナ ル ・ ケ ア に つ い て は 、 実 際 に ビ ハ ー ラ 活 動 に 取 り 組 み 、 仏 教 大 学 に 新 設 さ れ た ビ ハ ー ラ ・ コ ー ス に 関 係 さ れ て い る 田 宮 仁 氏 に 現 状 の 説 明 を 聞 い た 。 室 寺 義 仁 氏 に は ア ン ケ ー ト を ふ ま え て 自 由 な 立 場 か ら の 意 見 を 述 べ て も ら っ た 。 ま た 高 木 諦 元 氏 に は 日 本 学 術 会 議 の 死 と 医 療 特 別 委 員 会 に お け る 審 議 状 況 や 宗 教 学 研 究 連 絡 委 員 会 が 計 画 し た ﹁ 死 と 宗 教 ﹂ に つ い て 報 告 を 聞 い た 。 司 会 は 私 、 前 田 が 担 当 し た 。 翌 五 月 二 三 日 午 前 一 〇 時 三 〇 分 、 生 命 倫 理 委 員 会 を 開 催 し た 。 本 委 員 会 は 、 二 年 の 予 定 で 発 足 し た の で 、 今 回 の シ ン ポ

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仏 教 と 生 命 倫 理 に つ い て の ア ン ケ ! ト ジ ウ ム を も っ て 委 員 会 は そ の 主 要 な 活 動 を 終 了 す る こ と と な り 、 あ と は 残 務 整 理 と な る と し て 了 承 を 得 た 。 同 日 正 午 よ り 行 な わ れ た 理 事 会 に お い て 、 私 は 委 員 長 と し て 、 生 命 倫 理 委 員 会 の 活 動 が あ と 残 務 整 理 を 残 し て 終 了 し た こ と を 報 告 し 、 今 後 ま た 改 め て 緊 急 の 課 題 を 取 り あ げ て 、 学 会 に 対 す る 社 会 的 な 期 待 に 応 え 、 そ の 責 任 を 果 す べ き で あ る と 訴 え た 。 仏 教 と 生 命 倫 理 に つ い て の ア ン ケ ー ト 担 当 者  中 野 東 禅

A

I 人 工 妊 娠 中 絶 に つ い て ( 1 ) 中 絶 は 基 本 的 に は 行 う べ き で は あ り ま せ ん ら ら 、 家 族 計 画 ( 避 妊 ) も 必 要 で あ り ま し ょ う 。 ( 2 ) し か し 、 そ の 上 で 尚 且 つ 、 人 工 妊 娠 中 絶 を 考 え な く て は な ら な い 状 況 が 生 じ る こ と が あ り ま す 。 ﹁ 優 生 保 護 法 ﹂ は 、 ﹁ 人 工 妊 娠 中 絶 と は 、 胎 児 が 、 母 体 外 に お い て 生 命 を 保 続 す る こ と の で き な い 時 期 に 、 人 工 的 に 胎 児 及 び 付 属 物 を 母 体 外 に 排 出 す る こ と を い う ﹂ (第 二 条 第 二 項 ) と 定 義 し て い ま す 。 ( 3 ) 現 行 の ﹁ 優 生 保 護 法 ﹂ は 、 イ 母 体 の 安 全 と 言 う 理 由 を 認 め る と 共 に 、 ロ 経 済 的 理 由 を 認 め て い ま す 。 ( 第 一 四 条 第 三 項 ) ( 4 ) 一 九 九 一 年 一 月 一 日 か ら 人 工 妊 娠 中 絶 の 基 準 を 、 妊 娠 二 四 週 未 満 か ら 二 二 週 未 満 に 引 き 下 げ ら れ ま し た 。 ( 一 九 九 〇 年 三 月 二 〇 日 厚 生 省 事 務 次 官 通 知 ) こ れ は 、 母 親 の 権 利 と 胎 児 の 生 存 権 と が 対 立 し た 場 合 、 胎 児 が 母 体 か ら 分 離 し て は 生 き て い け な い 段 階 で は 、 母 体 の 権 利 が 優 先 し 、 胎 児 が 、 母 親 か ら 分 離 し て も 生 き て 行 け る 段 階 か ら は 胎 児 の 権 利 が 優 先 す る と 言 う 考 え 方 か ら 、 医 療 の 進 歩 に 応 じ て そ の 分 岐 点 を 早 め る べ き か 否 か が 問 題 に な っ て い ま す 。 短 縮 は 、 人 口 減 少 に 対 応 す る た め の 人 口 増 加 策 だ と 批 判 す る 人 も あ り 、 一 方 、 中 絶 許 容 時 期 の 短 縮 は 女 性 の 選 択 権 を 狭 め る も の で あ る と し て 反 対 し て い る 人 も い ま す 。 国 連 の ﹁ 女 子 に 対 す る あ ら ゆ る 形 態 の 差 別 の 撤 廃 に 関 す る 条 約 ﹂ を 日 本 は 批 准 し ま し た が 子 の 数 及 び 出 産 の 間 隔 を 自 由 か つ 責 任 を も っ て 決 定 す る 同 一 の 権 利 を 、 男 女 平 等 を 基 準 と し て 確 保 し て い く 協 定 に も 相 反 す る と の 声 が 上 が っ て い ま す 。 ( 5 ) 年 次 別 の 人 工 妊 娠 中 絶 の 数 は 次 の よ う に ま と め ら れ て い ま す 。 (略 ) 以 上 の よ う な 点 を 踏 ま え て 、 以 下 の 質 問 に 付 い て お 考 え を 記 し て 下 さ い 。

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仏 教 と 生 命 倫 理 に つ い て の ア ン ケ ー ト 問 [ 母 親 と 胎 児 の 生 存 権 が 対 立 し た 場 合 に 、 仏 教 学 の 立 場 か ら 、 ど の よ う に 対 応 し た ら 良 い と 考 え ま す か 。 以 下 の 回 答 支 に 丸 印 を 付 し て 理 由 を 記 述 し て く だ さ い 回 答 支 ・ 集 計 1 、 い か な る 場 合 も 中 絶 を 認 め る べ き で は な い と 思 う 1 2 、 一 定 の 条 件 の も と で 認 め る の も や む を え な い と 思 う 19 3 、 積 極 的 に 認 め て 良 い と 思 う 。 0 (末 尾 の 数 字 は 回 答 数 ) コ メ ン ト 1 い か な る 場 合 も 中 絶 を 認 め る べ き で は な い と 思 う 。 1 A 主 体 的 に 生 ま れ て こ よ う と し て い る ( 業 生 に せ よ 、 願 生 に せ よ ) 胎 児 の 生 存 権 を 奪 う 権 利 は 、 何 人 に も な い で あ ろ う か ら 。 2 一 定 の 条 件 の も と で 認 め る の も や む を え な い と 思 う 19 A 経 済 的 理 由 は 認 め る べ き で は な い 。 親 族 ・ 社 会 ・ 国 家 が 協 刀 し て 中 絶 を し な く て す む よ う に 援 助 す る 。 B 一 方 の 生 命 の み を 救 わ ね ば な ら な い 場 合 に は 母 を 優 先 さ せ る べ き で あ ろ う 。 因 み に 、 ア ー ユ ル ベ ー ダ で は 、 い か な る 場 合 で も 人 工 妊 娠 中 絶 は 許 さ れ な い ( た と え で も ) 。 流 産 の 場 合 、 母 体 を 救 う た め に 、 胎 児 に 対 し て 切 断 術 等 の 処 置 が な さ れ る 場 合 が あ る 。 し か し 、 そ れ は 中 絶 と は 考 え ら れ て い な い 。 現 代 イ ン ド は 全 く 違 う 。 一 九 七 八 ∼ 八 二 年 の 間 に ボ ン ベ イ で 出 世 前 性 別 検 査 の 後 、 中 絶 さ れ た 女 の 胎 児 の 数 は 七 八 〇 〇 〇 人 で あ る と い う 。 C 1 、 母 親 の 生 命 が 危 機機 的 状 態 に な っ た 場 合 。 2 、 レ イ プ な ど の 暴 行 に よ っ て 妊 娠 し た 場 合 。 3 、 そ の 場 合 、 医 師 だ け の 独 断 で な く 、 事 後 に 司 法 当 局 へ 報 告 す る こ と を 義 務 づ け る 。 4 、 中 絶 が 医 師 と 当 事 者 の 独 新 で な さ れ る こ と に 問 題 が あ る 。 D 仏 教 に は 、 あ ら ゆ る 行 為 ( 倫 理 的 観 点 か ら 悪 と さ れ る 行 為 を 含 め て ) を " 絶 対 的 に 否 定 す る " 思 想 は な い と 思 い ま す 。 む し ろ " 絶 対 的 に 否 定 す る " 立 場 を 否 定 す る 立 場 で し ょ う 。 そ こ で 、 だ か ら こ そ 二 定 の 条 件 ﹂ に つ い て の 厳 格 な 姿 勢 が 求 め ら れ る と 思 い ま す 。 但 し そ の 姿 勢 は 当 事 者 で あ る 母 親 と 父 親 側 の 直 接 的 関 係 者 に 先 ず 問 わ れ 、 そ れ を 支 え る べ き 社 会 的 連 帯 の 視 点 か ら 客 観 的 に 論 じ ら れ る こ と が 重 要 だ と 思 い ま す 。 コ 定 の 条 件 ﹂ は 厳 格 に 考 え れ ば 変 化 す る も の で あ り 、 今 日 的 に は 何 か を 論 じ る 場 に 欠 け る 観 が あ り ま す 。 具 体 的 に は 母 体 の 問 題 に 限 ら ず 、 生 き 方 、 個 人 に 及 ぼ す 社 会 的 要 因 に 及 ぶ べ き で し ょ う 。 E S O L の 原 則 か ら ひ と た び 結 ば れ た 生 命 は 可 能 な 限 り 尊 ん で い か ね ば な ら な い 。 し か し 、 母 親 の 生 命 の 危 機機 な ど 、

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仏 教 と 生 命 倫 理 に つ い て の ア ン ケ ー そ の 阻 却 性 が 認 め ら れ る と き に 限 っ て 許 さ れ る 。 F 仏 教 的 に み た ら 生 命 の 絶 対 性 は 存 在 論 の 基 本 だ と 思 い ま す 。 そ の 上 で 、 レ イ プ や 不 用 意 な 男 女 関 係 や 、 男 女 間 の 愛 が 憎 し み に 変 わ っ た り 、 特 殊 な 病 気 や 、 不 測 な 事 態 に よ る 母 体 の 安 全 確 保 や 、 母 親 の 権 利 が 胎 児 の 生 存 権 に 優 先 せ ざ る を え な い 場 合 に は 、 や は り 最 終 的 決 定 権 は 母 親 に あ る と 思 い ま す 。 胎 児 を 無 条 件 に 受 け 入 れ る か 、 受 け 入 れ ら れ な い か は 、 母 親 自 身 ( 及 び 男 性 ) の 責 任 と し か 言 い 様 が あ り ま せ ん 。 こ う し た 状 況 で の 行 為 は そ の 人 自 身 の 責 任 選 択 と 言 う 面 か ら ﹁業 ・ 因 果 ﹂ の 問 題 で あ り ま す 。 仏 教 の 目 的 は 輪 廻 か ら の 解 脱 で す か ら 、 人 工 妊 娠 中 絶 と い う 行 為 も 、 本 人 が そ の 輪 廻 を 背 負 っ て い こ う と 言 う こ と が ﹁ 業 縁 ﹂ で あ り 、 そ こ に 腹 落 ち し て 行 く こ と が ﹁ 解 脱 ﹂ へ の 修 行 で あ り 、 ﹁ 宿 縁 ﹂ ﹁ 仏 縁 ﹂ に 成 っ て い く べ き で し ょ う 。 G 倫 理 は 他 律 的 定 型 倫 理 で な く 、 あ く ま で 自 立 的 主 体 的 状 況 倫 理 で あ る べ き と 考 え る 。 仏 教 に 於 け る 倫 理 の 判 断 基 準 は 、 悟 り の 知 恵 に 基 い た も の で な け れ ば な ら な い 。 H 現 実 に 直 面 し て の 摂 取 門 的 思 考 。 1 母 体 の 生 存 が 危 な い 場 合 、 緊 急 避 難 と し て や む を 得 な い 。 ﹂ 母 親 及 び 親 族 の 意 思 を 尊 重 し て 結 論 を 出 す こ と が 望 ま し い 。 母 親 の 意 思 が 確 認 で き な い 状 態 に 陥 っ た 場 合 は 夫 及 び 近 親 者 の 意 思 を 尊 重 す べ き で あ る 。 ﹁ 仏 教 の 立 場 ﹂ は 多 岐 に 別 れ る 。 例 え ぽ ﹁ 悟 り ﹂ を 目 的 と す る 布 施 ( 積 極 的 場 合 は ﹁ 捨 身 ﹂ ) に も 本 人 の 意 思 決 定 が 必 要 で あ る 。 現 代 社 会 に お い て は 、 本 人 の 意 志 が 優 先 さ れ る べ き で あ る 。 但 し 、 法 治 国 に 於 い て は 違 法 行 為 は 許 さ れ な い 事 を 付 記 し て お く 。 H 体 外 受 精 に つ い て 子 供 を 生 む こ と が で き な い 人 が 子 供 を 欲 し い と 言 う 要 求 を も つ こ と に つ い て は 、 他 人 が ど う こ う 言 う こ と の 出 来 な い 個 人 的 な 切 実 な 要 求 で あ る と も 考 え ら れ ま す 。 現 在 出 産 に 関 す る 人 工 的 技 術 は ① 正 常 な 夫 婦 間 に 於 け る ー 人 工 授 精 試 験 管 受 精 ② 無 精 子 症 夫 に 代 わ っ て 精 子 を 借 り る ( ま た は 買 う )ー 性 交 人 工 授 精 試 験 管 受 精 ③ 無 排 卵 妻 等 に 代 わ っ て 卵 子 を 借 り る ( ま た は 買 う ) ー 人 工 授 精 試 験 管 受 精 ④ 排 卵 は あ る が 妊 娠 し な い 妻 に 代 わ っ て 第 三 者 女 性 が 行 う 代 理 母 (借 り 腹 ) ー 試 験 管 受 精 ⑤ 独 身 女 性 が 子 供 を 欲 し い た め に 精 子 を 買 う 1 人 工 授 精 試 験 管 受 精 と 言 っ た タ イ プ が 有 り ま す 。 こ う し た 場 合 に 、 a 、 生 ま れ た 子 供 に 障 害 な ど が あ っ た 場 合 に 、 医 師 や 仲 介 業 者 を 訴 え た り 、 子 供 を 放 棄 し た り す る 事 態 が 生 じ て い ま す 。 b 、 代 理 母 が 、 情 が 移 っ て 親 権 を 主 張 し て 卵 子 の 親 と 対 立 す る 争 い が 起 こ っ て い ま す ( ベ ビ i M 事 件 ) 。 c 、

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仏 教 と 生 命 倫 理 に つ い て の ア ン ケ ー ト 試 験 管 受 精 は 遺 伝 子 等 を 傷 つ け る 危 険 が あ る の で 、 ま だ 安 全 な 医 療 と は 言 い 切 れ ま せ ん 。 ﹁ 日 本 産 科 婦 人 科 会 ﹂ 見 解 は 次 の 通 り で す 。 ﹁ ヒ ト 精 子 ・ 卵 子 ・ 受 精 卵 を 取 り 扱 う 研 究 に 関 す る 見 解 ﹂ 1 、 研 究 の 許 容 範 囲 精 子 ・ 卵 子 ・ 受 精 卵 は 生 殖 医 学 発 展 の た め の 基 礎 的 研 究 な ら び に 不 妊 症 の 診 断 治 療 の 進 歩 に 貢 献 す る 目 的 の た め の 研 究 に 限 っ て 取 り 扱 う こ と が で き る 。 2 、 精 子 ・ 卵 子 ・ 受 精 卵 の 取 扱 に 関 す る 条 件 精 子 ・ 卵 子 お よ び 受 精 卵 は 提 供 者 の 承 諾 を 得 た う え 、 ま た 、 提 供 者 の プ ラ イ バ シ ー を 守 っ て 研 究 に 使 用 す る こ と が で き る 。 ( 1 ) 非 配 偶 者 間 に お け る 受 精 現 象 に 関 す る 研 究 は 、 そ の 目 的 を 説 明 し 、 十 分 な 理 解 を 得 た 上 で 、 こ れ を 行 う 。 (2 ) 受 精 卵 は 2 週 間 以 内 に 限 っ て 、 こ れ を 研 究 に 用 い る こ と が で き る 。 ( 3 ) 上 記 期 間 内 の 発 生 段 階 に あ る 受 精 卵 は 凍 結 保 存 す る こ と が で き る 。 3 、 研 究 後 の 処 理 研 究 に 用 い た 受 精 卵 は 、 研 究 後 、 研 究 者 の 責 任 に お い て 、 こ れ を 法 に 準 じ て 処 理 す る 。 4 、 精 子 ・ 卵 子 ・ 受 精 卵 の 取 り 扱 い 者 ヒ ト 精 子 ・ 卵 子 ・ 受 精 卵 を 取 り 扱 う 責 任 者 は 、 原 則 と し て 医 師 と し 、 研 究 協 力 者 は 、 そ の 研 究 の 重 要 性 を 十 分 認 識 し た も の が こ れ に あ た る 。 5 、 研 究 の 登 録 報 告 等 ヒ ト 精 子 ・ 卵 子 ・ 受 精 卵 を 取 り 扱 う 研 究 を 本 学 会 員 が 行 う に 当 た っ て は 、 学 会 指 定 の 書 式 に 準 じ て こ れ を 報 告 す る 。 (﹃ 医 学 の あ ゆ み ﹄ 一 五 〇 五 、 一 九 八 九 ・ 七 ・ 二 九 日 本 産 科 婦 人 科 学 会 、 昭 和 六 〇 年 三 月 会 告 ) こ う し た 実 状 を 踏 ま え て 以 下 の 質 問 に 答 え て 下 さ い 。 問 二 人 工 授 精 、 試 験 管 受 精 、 代 理 母 に つ い て 回 答 支 ・ 集 計 1 本 人 が 子 供 を ほ し い と 思 う な ら こ れ を 認 め る の も や む を え な い と 思 う 。 0 2 そ れ に よ っ て 生 じ る リ ス ク は 望 ん だ 本 人 の 責 任 で あ る こ と を 明 示 し た 上 で 認 め る し か な い 。 2 3 正 常 な 夫 婦 間 で の 受 精 の み は 本 人 の 責 任 で 認 め て 良 い 。 13 4 生 命 は 神 仏 に 任 せ る べ き だ か ら 人 為 的 な 行 動 は 認 め る べ き で は な い 。 5 5 そ の 他 0 コ メ ン ト 2 そ れ に よ っ て 生 じ る リ ス ク は 望 ん だ 本 人 の 責 任 で あ る こ と を 明 示 し た 上 で 認 め る し か な い 。 2

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仏 教 と 生 命 倫 理 に つ い て の ア ン ケ ー ト A 仮 に 無 事 、 人 工 授 精 等 の 処 置 が 成 功 し て も 、 問 題 は そ の 後 に あ る 。 妊 娠 中 に 両 親 が 精 神 的 に も 肉 体 的 に も 安 心 し て 歓 び を も っ て 胎 児 の 成 長 を 見 守 る こ と が で き な け れ ば 、 受 胎 そ の も の が 不 幸 と な ろ う 。 誕 生 後 も 人 工 的 な 操 作 を 経 て い る と 言 う こ と が 、 様 々 な 負 担 と な り 伸 び 伸 び と し た 発 育 が 阻 害 さ れ て し ま う こ と も 考 え ら れ る 。 メ リ ッ ト ・ デ メ リ ッ ト に つ い て 十 分 な イ ン フ ォ ー ム ド コ ン セ ン ト が 行 わ れ 、 か つ 長 期 的 な 見 通 し の も と で 、 操 作 が な さ れ る べ き で あ る 。 3 正 常 な 夫 婦 間 で の 受 精 の み は 本 人 の 責 任 で 認 め て 良 い 。 13 A 夫 婦 は 自 然 の 摂 理 ( 縁 起 の 道 理 ) に よ り 苦 楽 を と も に 分 ち あ っ て 子 供 を 生 み 育 て る の が 法 の 因 縁 に 適 っ た 人 生 態 度 で あ る こ と を 基 本 原 理 と し て 判 断 す べ き で あ ろ う 。 B イ 、 基 本 的 に 正 常 な 夫 婦 間 の 人 工 授 精 の み を 認 め る 。 ロ 、 但 し 人 工 授 精 で 子 供 に 恵 ま れ な け れ ば 試 験 管 授 精 ま で は 認 め な け れ ぽ 仕 方 な い で あ ろ う 。 ハ 、 代 理 母 は い か な る 理 由 が あ ろ う と も 認 め る べ き で は な い 。 C 現 在 か ら 未 来 に か け て ﹁ 夫 婦 ﹂ と い う 在 り 方 が 法 的 に 明 確 に 保 た れ る と 考 え て ﹁ 夫 婦 ﹂ と い う 男 女 関 係 だ け が 認 め ら れ る 場 合 は 3 が 適 当 。 D 生 命 の 秩 序 、 続 き 柄 の 順 序 等 を 乱 し て は な ら な い 。 そ れ ら を 人 為 的 に 混 乱 さ せ て は な ら な い 。 E ﹁ 正 常 な 夫 婦 間 ﹂ で あ れ ぽ 在 家 の 五 戒 の 中 の ﹁ 不 邪 婬 戒 ﹂ に は 抵 触 し な い 。 但 し 、 代 理 母 は 認 め ら れ な い 。 4 生 命 は 神 仏 に 任 せ る べ き だ か ら 人 為 的 な 行 動 は 認 め る べ き で は な い 。 5 A こ れ 以 上 、 科 学 (医 学 ) 優 先 は 、 ま さ に 、 人 間 の 生 命 操 作 の も て あ そ び と も う け と ら れ か ね な い 。 B あ ら ゆ る 存 在 は 因 縁 所 生 。 特 に こ の 場 合 、 人 間 が ﹁ 縁 ﹂ を 人 為 的 に 作 る こ と は 仏 教 の 教 え に 真 っ 向 か ら 反 す る 。 C ﹁ ∼ で あ る べ き ﹂ と 言 う 当 為 的 考 え 方 で 抑 止 門 的 思 考 。 D 仏 教 で は 子 供 の な い 夫 婦 の あ り 方 に つ い て も 教 化 す べ き で あ ろ う 。 子 供 を ほ し い と い っ て た だ ち に そ れ を 充 た す 方 法 に 直 結 す る の は 邪 道 で あ る 。 皿 無 脳 症 児 ・ 中 絶 胎 児 等 の 医 学 的 利 用 に つ い て こ れ ら は 医 学 的 調 査 ・ 実 験 ・ 薬 品 用 の 物 質 採 取 や 、 臓 器 移 植 の 臓 器 提 供 者 な ど の 利 用 価 値 を 持 っ て い ま す 。 現 に そ う し た 技 術 に よ っ て 新 薬 が 開 発 さ れ て 医 学 に 貢 献 し 、 人 類 は 恩 恵 を 受 け て い ま す 。 ﹁ 日 本 産 科 婦 人 科 学 会 ﹂ の ガ イ ド ラ イ ン ( 一 九 八 七 年 一 月 ) は 次 の 通 り で す 。 ﹁ 死 亡 し た 胎 児 ・ 新 生 児 の 臓 器 等 を 研 究 に 用 い る こ と の 是 非 や 許 容 範 囲 に つ い て の 見 解 ﹂ 流 産 ・ 早 産 な ど に よ り 死 亡 し

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仏 教 と 生 命 倫 理 に つ い て の ア ン ケ ー ト た 胎 児 ・ 新 生 児 の 臓 器 等 を 研 究 に 用 い る こ と の 是 非 や 許 容 範 囲 を 、 本 委 員 会 で は 、 慎 重 に 協 議 し た が 、 問 題 の 対 社 会 的 ・ 道 義 的 責 任 の 重 大 さ に か ん が み 、 本 会 会 員 が 、 次 の 諸 事 項 を 守 ら れ る よ う 要 望 す る 。 ( 1 ) 妊 娠 期 間 の 如 何 に か か わ ら ず 、 死 亡 し た 胎 児 ・ 新 生 児 の 取 り 扱 い は 死 体 解 剖 保 存 法 が す で に 定 め て い る と こ ろ に 従 う 。 ( 2 ) 死 亡 し た 胎 児 ・ 新 生 児 の 臓 器 等 を 研 究 に 用 い る こ と は 、 .そ れ 以 外 に 研 究 の 方 法 が な く 、 か つ 期 待 さ れ る 研 究 成 果 が 、 き わ め て 大 き い と 思 わ れ る 場 合 に 限 ら れ る べ き で あ る 。 ( 3 ) 死 亡 し た 胎 児 ・ 新 生 児 の 臓 器 を 用 い て 研 究 を 行 う も の は 、 原 則 と し て 医 師 で な け れ ば な ら な い 。 ま た 、 そ の 協 力 者 も 、 す べ て 、 研 究 の 特 殊 性 や 対 社 会 的 重 要 性 な ど を 、 十 分 に 認 識 し た も の で な け れ ば な ら な い 。 ( 4 ) 死 亡 し た 胎 児 ・ 新 生 児 の 臓 器 等 を 研 究 に 用 い よ う と す る も の は 、 予 め そ の 目 的 を 母 親 及 び 父 親 ( 親 権 者 ) に よ く 説 明 の 上 、 そ の 許 可 を 得 て お く 必 要 が あ る 。 ま た 胎 児 ・ 新 生 児 及 び 両 親 な ど の プ ラ イ バ シ ー は 、 十 分 尊 重 さ れ な け れ ば な ら な い 。 な お 、 生 存 中 の 胎 児 ・ 新 生 児 に 関 し て は 、 明 ら か に そ の 予 後 を 好 転 さ せ る と 考 え ら れ る 研 究 的 処 置 に 限 り 、 母 親 及 び 父 親 (親 権 者 ) の 同 意 が 得 ら れ た 場 合 に 行 う こ と が で き る 。 ( ﹃周 産 期 医 学 ﹄ 二 一 三 、 一 九 九 一 ー 三 ) こ う し た 現 実 を 踏 ま え て お た つ ね し ま す 。 問 三 流 産 ・ 早 産 な ど に よ り 死 亡 し た 胎 児 ・ 新 生 児 や 中 絶 さ れ た 胎 児 を 医 学 的 に 利 用 す る こ と に つ い て ど う 考 え ま す か 。 回 答 支 ・ 集 計 1 人 類 の 福 祉 の た め な ら 命 を 無 駄 に し な い た め に も 積 極 的 に 行 っ て 良 い 。 0 2 医 学 的 倫 理 規 定 や 、 そ れ を 維 持 す る 態 勢 と 、 公 開 性 が 有 る な ら 人 類 の 福 祉 の た め に 認 め て 良 い と 思 う 。 11 3 こ う し た こ と は 絶 対 に 行 う べ き で は な く 、 そ の た め に 人 類 の 福 祉 が 遅 れ て も 我 慢 す べ き で あ る 。 10 4 そ の 他 0 コ メ ン ト 2 医 学 的 倫 理 規 定 や 、 そ れ を 維 持 す る 態 勢 と 、 公 開 性 が あ る な ら 人 類 の 福 祉 の た め に 認 め て 良 い と 思 う 。 11 A 確 か に 胎 児 の 組 織 を 採 取 し て 、 例 え ば パ ー キ ン ソ ン 病 患 者 に 対 す る 脳 内 組 織 移 植 を 行 う な ど 、 医 療 資 源 と し て の 価 値 は 大 き い と 思 う 。 し た が っ て 、 売 買 の 対 象 と し て 胎 児 や 母 親 ま で が 商 品 化 さ れ モ ノ と し て 取 り 扱 わ れ る 可 能 性 も 高 く な る 。 そ こ で 日 本 産 科 婦 人 科 学 会 の ガ イ ド ラ イ ン を 厳 格 に 適 用 し 、 か つ 、 十 分 な チ ェ ッ ク 機 構 が 有 効 に 機 能 す る よ う ま な ざ し を 向 け る こ と が 大 切 で あ ろ う と 思 わ れ る 。

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仏 教 と 生 命 倫 理 に つ い て の ア ン ケ ー ト B 3 が 原 則 で あ る が 。 厳 し い 条 件 付 き の も と で 2 も や む を え な い と 思 わ れ る 。 尚 、 そ の 場 合 、 い た み と 戯 悔 が と も な う も の で な け れ ぽ な ら な い 。 C 合 わ せ て 、 親 権 者 等 の 希 望 に も と づ き 、 葬 礼 が な さ れ る こ と が 望 ま し い 。 D 自 然 流 産 や 母 体 保 護 な ど 、 や む を 得 ず 流 産 早 産 し た 胎 児 で あ れ ば 父 母 の 了 解 を 得 て 医 学 的 に 使 用 し て よ い と 思 う が 、 人 為 的 に 中 絶 児 を 生 産 す る よ う な こ と に 、 決 し て な ら な い よ う に し な く て は な ら な い 。 E あ ら ゆ る も の の 無 駄 こ そ か え っ て 広 い 意 味 で の 殺 生 で は な い か 。 た と え 死 せ る も の と い え ど も 有 効 に 利 用 す べ き で あ ろ う 。 F 医 学 に 利 用 と 言 う 考 え 方 よ り も 、 人 類 へ の 貢 献 。 3 こ う し た こ と は 絶 対 に 行 う べ き で は な く 、 そ の た め に 人 類 の 福 祉 が 遅 れ て も 我 慢 す べ き で あ る 。 10 A 胎 児 ・ 新 生 児 の 意 識 化 さ れ て い な い 意 思 を 考 慮 す る の が 道 徳 的 本 性 あ る も の と し て の 人 間 の 立 場 で は な い か 。 B イ 、 胎 児 を そ の ま ま 病 院 に 置 き 去 り に し て く る こ と 自 体 が 問 題 で あ る 。 ロ 、 死 亡 し た 胎 児 は 、 火 葬 場 に お い て 僧 侶 が 読 経 し 、 水 子 な い し 戒 名 を 付 し て 、 一 個 の 仏 と し て 供 養 す る 。 ハ 、 医 学 的 に 利 用 す る こ と は 否 定 さ れ る べ き で あ る 。 C こ う し た 行 為 は 条 件 付 き で も 許 可 す る と ﹁ 人 類 の 福 祉 の た め L と 言 う 大 義 名 分 を 盾 に エ ス カ レ ー ト し て 行 く 危 険 が あ る か ら 禁 止 し て お い た ほ う が い い 。 D 胎 児 は 勿 論 行 う べ き で は な く 、 む し ろ 動 物 の 実 験 ま で 、 制 限 す べ き で あ る 。 や む を え な い 時 の み に す る 。 E 胎 児 ・ 新 生 児 と い え ど も 、 通 常 の ヒ ト の 死 と 考 え る べ き で あ り 、 決 し て モ ノ や 医 療 資 源 と 考 え て は な ら な い 。 W 先 天 異 常 児 に 対 す る 倫 理 的 対 応 出 産 し た 子 供 が 重 症 の 先 天 異 常 児 で あ っ た 場 合 、 親 の シ ョ ッ ク や 、 長 期 生 存 の 困 難 さ な ど を 勘 案 し て ラ ン ク を 設 け て 選 別 を せ ざ る を 得 な い 状 況 が 病 院 に は 現 に あ り ま す 。 例 え ば 、 D ラ ン ク の 場 合 ほ と ん ど 数 日 も 生 存 で き な い の で ﹁ 死 産 で し た ﹂ と 告 げ 、 C ラ ン ク で は 父 親 に 相 談 し て 選 択 し 、 B ラ ン ク で は 母 親 に も 相 談 し 、 A ラ ン ク で は 無 条 件 に 生 存 の 努 力 を す る と 言 っ た よ う な 内 規 を 作 っ て 行 っ て い る よ う で す 。 ( .﹂ の 問 題 は 障 害 者 差 別 に な る 危 険 が あ り ま す の で 、 あ く ま で も 医 学 的 、 生 命 倫 理 的 視 点 の 範 囲 で 扱 っ て 下 さ い ) 問 四 生 命 の 持 っ て い る 必 然 性 と し て 先 天 異 常 児 は ︱ 定 の 率 で 発 生 し ま す 。 そ う し た 状 態 に 陥 っ た と き 、 仏 教 は ど う 答 え た ら 良 い で し ょ う か 。 回 答 支 ・ 集 計 1 そ れ も 生 命 の 事 実 で あ る が 、 人 の 苦 し み を 未 然 に 防 ぐ た め

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仏 教 と 生 命 倫 理 に つ い て の ア ン ケ ー ト に は 選 別 も や む を え な い と 思 う 。 0 2 こ う し た 苦 し み は 社 会 全 体 の 福 祉 に よ っ て 支 え る 道 を 強 化 し た 上 で 、 尚 且 つ 選 別 し な け れ ば な ら な い の な ら 、 チ ェ ッ ク 機機 構 と 、 当 事 者 の 幟 悔 と 責 任 に お い て 行 う し か な い で あ ろ う 。 9 3 生 命 は 絶 対 で あ る か ら 人 為 を 挟 む べ き で は な い 。 福 祉 に よ っ て 支 え 、 個 人 は 苦 悩 に 甘 ん じ る こ と こ そ 宗 教 的 在 り 方 と 言 う べ き で あ ろ う 。 10 4 そ の 他 1 コ メ ン ト 2 こ う し た 苦 し み は 社 会 全 体 の 福 祉 に よ っ て 支 え る 道 を 強 化 し た 上 で 、 尚 且 つ 選 別 し な け れ ば な ら な い の な ら 、 チ ェ ッ ク 機 構 と 、 当 事 者 の 餓 悔 と 責 任 に お い て 行 う し か な い で あ ろ う 。 9 A 当 事 者 の 俄 悔 と 責 任 倫 理 と を 強 調 し た い 。 B 生 命 の 危 険 度 に よ っ て 異 な る と 思 う が 、 小 児 の 能 力 は し ぼ し ば 経 験 的 判 断 以 上 で あ る 。 大 江 健 三 郎 氏 の 子 息 ・ 光 氏 の 例 の よ う に 、 と う て い 生 き ら れ ま い 、 た と え 生 き の び て も コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン が 取 れ な い ま ま 重 度 の 障 害 者 と し て 短 い 一 生 を す ご す ほ か は な い と 考 え ら れ た 子 供 が 、 実 は 想 像 以 上 に 秀 れ た 才 能 の 持 ち 主 で あ っ た こ と が わ か っ た り す る こ と が あ る 。 そ こ で 、 仏 教 で は あ ら ゆ る 子 供 に も 仏 性 を み と め つ つ 、 尊 厳 を も っ て 接 す る べ き で あ ろ う と 思 わ れ る 。 ま た 、 不 幸 に も 死 産 で あ っ た り 、 短 命 っ あ っ た 場 合 、 そ の 父 母 の 悲 し み 、 苦 し み を 癒 す 工 夫 を す べ で あ ろ う 。 C 極 重 度 の 異 常 は 胎 児 診 断 の 時 点 で 2 の 処 置 を と る 方 が い い の で は な い か 。 D 何 も 言 い 得 な い 。 仏 意 を 伺 い た い 思 い の み 。 E こ う し た 問 題 を 水 子 供 養 と 言 う 庶 民 仏 教 儀 礼 の 中 に 閉 じ 込 み て き た 事 は 、 日 本 仏 教 の 思 想 性 欠 如 、 現 実 逃 避 の 証 左 と し か 言 い 様 が あ り ま せ ん 。 生 命 の 自 己 決 定 と 言 う と き 、 産 児 の 生 存 権 と 親 権 者 の 意 思 が 一 致 し え な い と き ど う す べ き か 。 産 児 の 生 存 権 は 、 親 権 者 の 思 い 込 み が 入 り 込 ま な い 範 囲 に お い て 親 権 者 に よ っ て 維 持 さ れ る と 言 う べ き で し ょ う 。 親 権 者 が 産 児 に 代 わ っ て 意 思 を 行 使 す る 場 合 、 欲 望 や 恐 怖 心 を 挟 ま な い よ う に す る た め に は 、 社 会 的 支 援 態 勢 が 必 要 で す 。 そ れ が あ っ て こ そ 人 間 と し て の 知 性 は 維 持 さ れ ま す 。 一 方 、 生 命 の 自 然 な 在 り 方 に 対 し て 過 度 な 医 療 に よ る 強 制 的 生 命 維 持 も 自 然 に 反 し ま す 。 従 っ て こ う 言 う 辛 い 現 実 に 直 面 し て も 、 基 本 的 に は 、 自 然 に 任 せ る 知 恵 と 勇 気 が 必 要 で す 。 そ の 意 味 で は 回 答 は 3 と 言 う べ き で す 。 し か し 、 そ れ で も 生 存 に 耐 え ら れ な い 重 症 の 先 天 異 常 児 の 積 極 的 治 療 放 棄 に よ る 消 極 的 ﹁ 選 別 ﹂ を す る よ り 他 に 産 児 が 生 存 す る こ と の 苦 し み を 軽 減 す る 方 法 が な い と 言 う と き に は 、 当 事 者 は 痛 み を 共 有 し て 、 俄 悔 し つ つ 行 う よ り 他 に 方 法 は な い と 思 い ま す 。 F 2 の 最 も 難 し い 道 を え ら び た い 。

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仏 教 と 生 命 倫 理 に つ い て の ア ン ケ ー ト 3 生 命 は 絶 対 で あ る か ら 人 為 を 挟 む べ き で は な い 。 福 祉 に よ っ て 支 え 、 個 人 は 苦 悩 に 甘 ん じ る こ と こ そ 宗 教 的 在 り 方 と 言 う べ き で あ ろ う 。 10 A 心 は 揺 れ 動 く 、 し か し ⋮ 。 B 生 命 倫 理 と は 生 命 の 相 対 的 価 値 の 有 無 を 規 定 す る の で あ れ ば 、 そ の 思 想 は 危 険 で あ る 。 人 格 の 有 無 と が 、 能 力 の 有 無 な ど に よ り 生 命 を 差 別 す る こ と は 認 め る べ き で は な い 。 人 の 苦 悩 と 言 う が 、 す で に 生 命 を 得 て い る も の の 自 我 愛 が 基 本 に あ る の で は な い か 。 C 自 然 に ま か せ る ㌻ 苦 悩 か ら も ま た 得 る も の が あ る こ と も 考 え ら れ る 。 D 選 別 ・ 中 絶 の 問 題 も 含 め て 、 次 の 伝 統 が 仏 教 に は あ っ た 。 そ れ は 、 日 本 の 近 世 に お い て 、 広 島 、 山 口 、 北 九 州 、 和 歌 山 の 真 宗 の 盛 ん な 地 方 で 、 ほ と ん ど 間 引 き が お こ な わ れ な か っ た と 言 う 点 で あ る 。 そ の 意 味 で 、 そ の 授 か っ た 命 の 死 に 直 接 す る よ う な 、 積 極 的 安 楽 死 は お こ な っ て は な ら な い 。 E 人 間 の 意 思 に よ っ て 生 命 の 存 在 を 決 す る べ き で は な い 。 あ く ま で 自 然 の 法 に ゆ だ ね る べ き で あ る と 思 う 。 F 先 天 異 常 児 と 共 に 生 き る 生 き 方 も 指 導 す べ き 。 4 そ の 他 1 A 最 終 的 に は 選 別 し な け れ ぽ な ら な い ヶ ー ス が 残 る と 思 い ま す 。 但 し 、 そ の 為 に も 担 当 医 の 密 室 的 判 断 に な ら な い よ う 、 選 別 の 一 般 的 基 準 を 医 師 の み で な く 公 開 の 議 論 を 踏 ま え た 形 で 常 識 化 し (制 度 ・ 法 制 に の み 頼 る 発 想 で な く 良 識 化 し ) 、 そ の 上 で 担 当 医 の 判 断 を 尊 重 す る 気 風 を 作 る べ き で し ょ う 。 臓 器 移 植 、 生 み 分 け の 問 題 な ど と 同 様 、 議 論 の 中 に 仏 教 の 精 神 を 提 示 し て ゆ く 必 要 は 充 分 に あ る と 思 い ま す 。 V 遺 伝 子 繰 作 に つ い て 遺 伝 病 や 癌 の 治 療 な ど に お い て 遺 伝 子 操 作 の 研 究 が な さ れ て い ま す 。 農 業 分 野 で は 優 秀 な 花 卉 育 成 や 、 家 畜 の 種 の 改 良 の た め に 研 究 さ れ 実 用 化 さ れ て い ま す 。 ま た 薬 品 工 業 で は 新 し い 酵 素 な ど を 作 製 す る た め に 遺 伝 子 を 解 明 し 、 操 作 し て い ま す 。 ま た 遺 伝 子 を 解 明 す る こ と は 、 人 間 を 知 る 上 で も 重 要 な 問 題 と し て 解 明 の 研 究 が 進 ん で い ま す 。 こ う し た 状 況 の 中 で 、 特 に ヒ ト の 遺 伝 子 に 手 を 加 え る 治 療 法 の 研 究 は 、 人 間 の 生 命 に 係 わ る 倫 理 上 の 問 題 を 含 ん で い ま す 。 ﹁ 日 本 産 婦 人 科 学 会 ﹂ は 会 告 に よ っ て 、 ク ロ ー ニ ン グ . 異 種 ハ イ ブ リ ッ ト ・ キ メ ラ な ど を 人 工 的 に 行 う 遺 伝 子 操 作 を 禁 止 し て い ま す 。

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問 五 遺 伝 子 操 作 に 対 し て 仏 教 で は ど う 考 え た ら 良 い で し ょ う か 。 回 答 支 ・ 集 計 1 遺 伝 子 治 療 が ど ん な 新 し い 矛 盾 を 生 み 出 す か は 分 か ら な い が 、 現 に 遺 伝 病 な ど の 恐 れ が あ る 以 上 、 治 療 と し て 応 用 す る こ と は 患 者 を 救 済 す る た め に や む を え な い と 思 う 。 1 2 患 者 を 救 う た め に は 止 む を え な い と は 言 え 、 そ れ は 人 間 の エ ゴ が 、 生 命 と い う 神 仏 の 領 域 に 手 を 加 え る こ と で あ る か ら 最 少 限 に 押 さ え 、 新 た な 危 険 が 生 じ た ら 、 直 ち に 対 応 で き る よ う な 社 会 的 態 勢 を 作 る こ と に よ っ て ブ レ ー キ を か け つ つ 行 う よ り 他 に 仕 方 無 い と 思 う 。 13 3 生 命 と い う 神 仏 の 世 界 に 人 為 を 加 え る こ と は 絶 対 許 さ れ な い の で 、 人 類 は 苦 し く と も 、 遣 伝 子 操 作 か ら 手 を 引 く べ き で あ る 。 4 4 そ の 他 2 コ メ ン ト 1 遺 伝 子 治 療 が ど ん な 新 し い 矛 盾 を 生 み 出 す か は 分 か ら な い が 、 現 に 遺 伝 病 な ど の 恐 れ が あ る 以 上 、 治 療 と し て 応 用 す る こ と は 患 者 を 救 済 す る た め に や む を え な い と 思 う 。 1 A 遺 伝 子 疾 患 が 組 み 替 え な ど の 操 作 で 軽 快 す る こ と 自 体 は 幸 福 で あ ろ う が 、 そ の 後 、 そ の 疾 患 か ら 解 放 さ れ た 人 が 幸 福 な 人 生 を 送 れ る か ど う か は 全 く 別 の 問 題 で あ る と い え よ う 。 や は り 、 治 療 後 の 生 き 方 に こ そ 、 仏 教 の か か わ る 場 が 生 仏 教 と 生 命 倫 理 に つ い て の ア ン ケ ー ト ま れ て く る と 思 う 。 2 患 者 を 救 う た め に は や む を え な い と は い え 、 そ れ は 人 間 の エ ゴ が 、 生 命 と 言 う 神 仏 の 領 域 に 手 を 加 え る こ と で あ る か ら 最 少 限 に 押 さ え 、 新 た な 危 険 が 生 じ た ら 、 直 ち に 対 応 で き る よ う な 社 会 的 態 勢 を 作 る こ と に よ っ て ブ レ ー キ を 掛 け つ つ 行 う よ り 他 に 仕 方 無 い と 思 う 。 13 A 2 の な か の ﹁ 神 仏 の 領 域 ﹂ と 言 う 語 句 を ﹁ 自 業 自 得 の 領 域 ﹂ と 換 言 し た い 。 B 遺 伝 子 治 療 に よ っ て の み 苦 痛 か ら 解 放 さ れ る 病 気 に 限 っ て 、 規 制 を 厳 し く し た 上 で 慎 重 に 行 う こ と が 望 ま し い 。 C 倫 理 的 チ ェ ッ ク を 行 う 機 関 を 、 政 府 機機 関 で も な く 、 私 的 団 体 で も な く 、 一 大 学 で も な く 社 会 全 体 を ま と め る 機 関 と し て 組 織 し て い く こ と が 必 要 で し ょ う 。 生 命 は 無 条 件 で す 。 仏 教 的 に は ﹁ 縁 起 ・ 無 常 . 無 我 . 浬 藥 ﹂ の 立 場 か ら は 地 球 環 境 や 生 命 に 対 し て は 自 然 に 任 せ る こ と が 基 本 で し ょ う 。 し か し 、 人 間 の 知 が 科 学 技 術 を 進 化 さ せ て い る 上 に 、 人 間 の 生 存 欲 が ﹁ よ り 良 き 状 態 ﹂ を 求 め て い る た め に 、 癌 の 遺 伝 子 治 療 な ど を 開 発 し 、 そ の 技 術 を 獲 得 し 、 そ こ に 患 者 が い て 、 治 療 を 求 め て い る と き 、 ﹁ 自 然 の ま ま = 無 条 件 ﹂ と ﹁ 人 間 の 欲 求 = 有 条 件 ﹂ を 調 整 し 、 生 命 の 事 実 を 受 け 入 れ て 、 欲 求 を 諦 め る 手 続 き に は 、 ﹁ 人 間 と し て 努 力 ﹂ を し た 上 で 、 自 然 の 事 実 を ﹁ 摂 理 ﹂ と し て 受 け 入 れ 諦 め る 道

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仏 教 と 生 命 倫 理 に つ い て の ア ン ケ ー ト 筋 が 必 要 で す 。 そ の 為 に は 、 ① 適 度 な 努 力 と 、 ② 無 条 件 な 事 実 を 受 容 す る こ と を 支 え る 無 条 件 な 愛 と 信 頼 が 必 要 で す 。 そ の 信 頼 が チ ェ ッ ク 機 構 に よ っ て 成 立 し て い る こ と が 必 要 で す 。 D 操 作 が 恣 意 的 に な る こ と を 恐 れ ま す 。 E 危 険 が 生 じ た と き 直 ち に 対 応 し 得 る 社 会 的 態 勢 を 作 る こ と は む ず か し い と は 思 う が 。 3 生 命 と い う 神 仏 の 世 界 に 人 為 を 加 え る こ と は 絶 対 許 さ れ な い の で 、 人 類 は 苦 し く と も 、 遺 伝 子 操 作 か ら 手 を 引 く べ き で あ る 4 A い か な る 理 由 が あ ろ う と も 遺 伝 子 を 操 作 す る 権 利 は 人 間 に 与 え ら れ て い な い 。 な ぜ な ら ぽ 、 生 命 は 与 え ら れ た も の で あ っ て 、 人 間 自 ら が 創 造 し た も の で は な い か ら で あ る 。 4 そ の 他 2 A 内 容 の 上 か ら は 2 と し た い が 、 人 間 の 限 界 と し て ﹁ 直 ち に 対 応 で き る よ う な 社 会 的 態 勢 を 作 る こ と ﹂ が 果 た し て 可 能 で あ ろ う か 。 や は り 、 権 力 、 金 力 に よ っ て 差 別 さ れ る の で は な か ろ う か 。 ︹ B ︺ 脳 死 ・ 臓 器 移 植 の 問 題 5 1 仏 教 の 生 命 観 と ﹁ ヒ ト ﹂ の 生 の 始 ま り と 死 の 考 え 方 に つ い て 日 本 仏 教 の 生 命 観 は 幾 つ か の 文 化 の 複 合 の 上 に 成 り 立 っ て い る よ う で す 。 そ れ は 、 a 、 イ ン ド 仏 教 の 生 命 観 、 b 、 日 本 仏 教 の 生 命 観 、 c 、 民 俗 的 な 生 命 観 等 で し ょ う 。 一 方 、 中 絶 等 の 実 際 的 視 点 か ら 見 た ら 、 ど こ か ら ﹁ ヒ ト ﹂ と し て み た ら 良 い か と 言 う こ と は 哲 学 的 宗 教 的 に 答 え を 求 め ら れ て い る わ け で す 。 ﹁ 日 本 産 科 婦 人 科 学 会 ﹂ の " ヒ ト 精 子 ・ 卵 子 ・ 受 精 卵 を 取 り 扱 う 研 究 に 関 す る 見 解 と こ れ に 対 す る 考 え 方 " で は 、 ﹁ 受 精 卵 は 2 週 以 内 に 限 っ て 、 こ れ を 研 究 に 用 い る こ と が で き る ﹂ と 規 定 し て い ま す 。 ま た 、 以 下 の よ う な 様 々 な 考 え 方 が あ り ま す 。 勿 論 、 生 命 の 始 ま り は 受 精 し た 瞬 間 で あ る と す る 考 え 方 が あ る 。 こ の よ う な 、 受 精 の 瞬 間 を 生 命 の 始 ま り と す る 立 場 に 立 て ば 、 ヒ ト 胚 を 用 い た 研 究 は 、 全 面 的 に 否 定 さ れ て し ま う 。 そ こ で 、 研 究 上 の 必 要 性 と 倫 理 的 妥 当 生 と の 妥 協 点 を 見 出 す べ く 、 ひ と は 、 生 物 学 的 な 意 味 で の 固 体 性 の 確 立 を も っ て 、 個 と し て の 生 命 の 始 ま り と す る 立 場 に た っ

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仏 教 と 生 命 倫 理 に つ い て の ア ン ケ ー ト て 、 い ろ い ろ な 考 え 方 を 提 示 し 、 こ の 墜 路 を 突 破 し よ う と 試 み た 。 す な は ち 、 胚 が 個 体 性 を 確 立 す る と 考 え ら れ る 、 あ る を 想 定 し 、 そ の 以 前 の 胚 に 限 り 、 研 究 に 供 す る こ と が で き 、 そ れ 以 降 の ヒ ト 胚 は 保 護 さ れ る べ き で あ る と 言 う 理 論 を 展 開 し た 。 例 え ば 、 機 能 す る 脳 を 持 っ こ と が " 人 格 " の 条 件 と い う 立 場 に た っ て 、 人 格 を 有 す る 個 体 と し て 認 め ら れ る 時 期 を と 考 え て 、 受 精 後 六 週 ま で (あ る い は 一 八 週 と か 二 〇 週 説 あ り ) の 実 験 は 可 能 と す る 考 え 方 、 オ ー ス ト ラ リ ア の カ ト リ ッ ク 牧 師 で あ る 師 の ご と く 、 胚 に 原 始 線 条 の 出 現 す る 受 精 後 一 六 日 を と す る 考 え 方 、 オ ー ス ト ラ リ ア の 教 授 ( 哲 学 ) の よ う に 痛 覚 認 知 の 能 力 を 獲 得 し た 受 精 後 六 週 を と す る 考 え 方 、 ま た 、 前 に 述 べ た 委 員 会 に お け る 受 精 後 一 四 日 に は 感 覚 認 知 の 潜 在 的 能 力 が 備 わ っ て い る と い う 推 定 か ら 、 こ の 時 期 を と し て 、 こ の 時 期 以 降 に ヒ ト 胚 に 関 す る 研 究 を 行 う こ と を 非 合 法 と す べ き で あ る と す る 考 え 方 、 ま た こ の 時 期 を そ れ よ り さ ら に 後 、 妊 娠 六 週 と す る 考 え 方 、 等 々 が あ る 。 日 本 産 科 婦 人 科 学 会 の 受 精 卵 を 取 り 扱 う 研 究 の 実 施 基 準 も 、 こ の 委 員 会 の 考 え 方 と 同 様 の 見 解 を と っ て い る よ う で あ る 。 の 倫 理 委 員 会 、 受 精 後 一 四 日 ま で 胚 で は 個 体 性 が 確 立 し て お ら ず 、 こ れ を と 呼 ぶ と し て い る 。 と い う 語 は 、 委 員 会 の 報 告 、 英 国 下 院 で の 討 議 等 を 経 て 、 一 九 八 六 年 に も た れ た 以 降 盛 ん に 用 い ら れ る よ う に な っ た 。 こ の 用 語 に 関 し て は 、 後 に 、 も う 一 度 触 れ る つ も り で あ る が 、 本 邦 で も 、 京 大 産 婦 人 科 の 森 教 授 も 指 摘 さ れ て い る よ う に 、 子 宮 内 移 植 を 前 提 と し た は 、 と き に 人 命 に 準 じ た 生 命 体 と 考 え 、 そ の 扱 い 方 は 慎 重 で あ る べ き で あ ろ う 。 ( ﹃ 産 婦 人 科 治 療 ﹄ ) 問 六 そ こ で お 尋 ね し ま す 。 医 療 倫 理 と し て 狭 い 意 味 で 考 え て 、 仏 教 で は ど こ か ら ヒ ト と し て 考 え た ら 良 い で し ょ う か 。 回 答 支 ・ 集 計 1 受 精 の 瞬 間 か ら 10 2 着 床 し た 時 か ら 1 3 感 覚 認 知 の 潜 在 的 能 力 が 備 わ る 受 精 後 一 四 日 頃 4 4 胎 盤 が 形 成 さ れ た と き か ら 5 胎 芽 と な っ て か ら 6 心 〓 が 動 き 出 す 四 週 頃 7 感 覚 認 知 の 能 力 を 獲 得 し た 受 精 後 六 週 頃 1 8 大 脳 の 神 経 細 胞 が 連 結 さ れ る 七 週 頃 9 ほ と ん ど の 器 官 が 揃 う 八 週 頃 、 こ の 頃 か ら 胎 児 と 言 わ れ る 。

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仏 教 と 生 命 倫 理 に つ い て の ア ン ケ ー ト 10 母 体 か ら 分 離 し て も 保 育 器 等 で 生 き て い か れ る 二 二 週 こ ろ 。 1 11 陣 痛 を 起 こ し て 生 ま れ よ う と す る こ ろ 。 12 出 産 に よ っ て 自 発 呼 吸 を し て か ら 。 13 そ の 他 無 回 答 1 コ メ ン ト 1 受 精 の 瞬 間 か ら 10 A ク リ テ イ ヵ ル ・ ポ イ ン ト と 言 う 考 え 方 は 便 宜 的 な 思 考 に よ る の で は な い か 。 で は 授 精 の 瞬 間 か ら 精 神 の 関 与 が あ る と 見 な す 。 か つ 、 仏 教 も の 説 を 採 用 し て い る の で 。 C ﹁ 仏 教 で は ﹂ と 言 う よ り も 、 人 格 を 形 成 す る 生 命 の 始 ま り と 言 う 点 か ら ー が 当 然 。 D 個 体 発 生 の 始 源 は 授 精 し た 瞬 間 と 見 な し た 上 で 、 そ れ ぞ れ の 進 展 段 階 に 応 じ て 社 会 的 医 学 的 な 、 意 味 が 付 与 さ れ て い く と 考 え 、 各 段 階 ご と の 対 応 を 考 え た ら ど う で あ ろ う か 。 E 仏 教 で は ﹁ 入 胎 ﹂ の 解 釈 に よ り 意 見 が 分 か れ る で あ ろ う 。 生 物 学 、 医 学 な ど の ﹁ 発 生 学 ﹂ に お い て も 様 々 な 意 見 が あ る 。 ﹁ 母 体 か ら 独 立 し た 個 人 の 成 立 ﹂ と 言 う 観 点 か ら は 上 記 12 の 時 点 と 言 う こ と に な る が 、 肉 体 的 、 精 神 的 に 真 に 独 立 で き る の は 、 ず う と 成 長 し て か ら で あ る 。 授 精 卵 の ﹁ 何 回 目 か の 分 裂 ・ 卵 分 割 か ら ﹂ と 言 う 諸 説 も あ る が 、 こ れ ら の 出 発 点 は ﹁ 授 精 ﹂ で あ る 。 2 着 床 し た 時 か ら ー A 仏 教 に お い て ﹁ 倶 舎 論 ﹂ な ど に 示 さ れ る が 、 私 は 子 宮 に 着 床 し た 時 か ら を ﹁ ヒ ト ﹂ と 考 え る 。 3 感 覚 認 知 の 潜 在 的 能 力 が 備 わ る 授 精 後 一 四 日 頃 4 A こ の 決 定 は 極 め て 難 し い 。 し か し 、 3 程 度 が 仏 教 の 立 場 と 考 え た い 。 B ﹁ 五 纏 和 合 ﹂ の 見 方 に 対 応 す る と 思 わ れ る か ら 。 C ﹁ 識 ﹂ を 存 在 把 握 の 前 提 と す る 仏 教 の 基 本 的 思 想 を 重 視 し て 。 D 主 体 的 活 動 (感 覚 ・ 認 知 ) を 人 格 の 出 発 点 と 考 え る 。 6 心 臓 が 動 き 出 す 四 週 頃 7 感 覚 認 知 の 能 力 を 獲 得 し た 授 精 後 六 週 頃 1 8 大 脳 の 神 経 細 胞 が 連 結 さ れ る 七 週 頃 A 現 代 の こ う し た 状 況 に 仏 教 か ら 答 え よ う と す る と き 、 基 本 的 視 座 を 提 供 す る 縁 起 観 は ﹁ 四 大 縁 起 ・ 五 纏 縁 起 ・ 命 根 ・ 胎 内 五 位 ﹂ な ど で あ ろ う 。 (輪 廻 の 生 存 と し て は 四 有 も ふ く

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仏 教 と 生 命 倫 理 に つ い て の ア ン ケ ー ト ま れ よ う ) 五 纏 縁 起 で は 受 ・ 想 ・ 行 ・ 識 の 意 識 能 力 が 重 視 さ れ て い る 。 命 根 で は 寿 ・ 媛 ・ 識 で や は り 識 が 重 要 で あ る 。 胎 内 五 位 は 、 ヵ ラ ラ ン ア ・ プ ド ン な ど の 考 察 を 通 し て 生 命 の 自 立 能 力 が ど う 成 立 獲 得 し て い く か を 明 ら か に し よ う と し て い る 。 い ず れ も 生 命 の 条 件 と し て 意 識 を 排 除 し て い な い 。 そ れ は 生 命 の 自 立 は 意 識 を 伴 わ な く て は な ら な い と 言 う 見 方 で あ り 、 か つ 仏 教 の 真 実 を 成 立 さ せ る も の は 発 心 自 覚 に よ ら ね ば な ら な い か ら で あ る 。 従 っ て 身 心 一 如 の 成 立 を 以 て ヒ ト の 成 立 と す る ・な ら ぽ 脳 と 心 臓 の 形 成 さ れ る 頃 を 以 て 先 ず 第 一 次 的 な ヒ ト の 成 立 と し て 良 い の で は な い か 。 そ し て 、 母 体 と 分 離 し て 生 き て 行 け る 二 二 週 頃 を 二 次 的 な 段 階 と し 、 出 産 を 以 て ヒ ト と し て の 存 在 を 確 か な も の に す る と 考 え て 良 い の で は な い か 。 す る と 、 四 ∼ 七 週 以 前 は 生 命 の 準 備 段 階 と し て 良 い と 思 う 。 無 回 答 1 コ メ ン テ ー タ ー の ま と め ー ﹁生 命 操 作 ﹂

今 回 の 委 員 に 対 す る ア ン ケ ー ト 調 査 は 、 A 生 命 操 作 の 問 題 B 脳 死 ・ 臓 器 移 植 の 問 題 、 C タ ー ミ ナ ル ・ ケ ア の 問 題 の 三 部 門 を 立 て 、 そ れ に た い し て 一 六 間 の 質 問 を 用 意 し た 。 こ の う ち 初 め の 六 間 が ﹁ 生 命 操 作 ﹂ に 関 係 す る 問 題 で あ っ た 。 回 答 者 は 委 員 二 四 名 の う ち 二 〇 名 で あ っ た 。 回 答 の 傾 向 に つ い て 以 下 に ま と め て み よ う 。 一 、 人 工 妊 娠 中 絶 に つ い て は ﹁ ( 1 ) い か な る 場 合 も 中 絶 を 認 め る べ き で は な い ﹂ と い う 、 原 則 に 立 つ べ き で あ る と い う 価 値 観 を 指 向 す る タ イ プ の 回 答 は 一 名 で あ っ た 。 そ れ に 対 し て ﹁ ( 2 ) 一 定 の 条 件 の も と で 認 め る の も や む を え な い と 思 う ﹂ と い う よ う な 、 生 命 の 絶 対 性 の 立 場 に 立 と う と し つ つ 現 実 を 認 め ざ る を え な い と 言 う 回 答 が 一 九 名 と い う 事 で 、 現 実 と の 調 整 的 立 場 を と る 人 が 大 多 数 を 占 め て い る こ と が 分 る 。 た だ 、 そ の 場 合 で も 生 命 の 絶 対 性 と 言 う 宗 教 的 立 場 は 崩 さ ず 、 母 体 と の 対 立 状 況 の と き 、 そ の 中 で 仏 教 的 な 判 断 基 準 と 、 繊 悔 と 言 う よ う な 宗 教 的 な 責 任 の 取 り か た を 求 め つ つ 行 う べ き で あ る と 言 う 方 向 を 回 答 者 の 多 く が 求 め て い る 。 こ の ア ン ケ ー ト は 仏 教 徒 に 対 し て ど う 答 え る か と 言 う 点 に 焦 点 を 合 わ せ て 質 問 を 行 っ て い る か ら 、 人 工 妊 娠 中 絶 に 対 し て 仏 教 徒 は ど う い う 行 動 を と る べ き か と 言 う 方 向 を 示 し て い る わ け で あ る 。 そ う い う 視 点 か ら 見 る と ﹁ 俄 悔 ﹂ と 言 う 責 任 の 取 り 方 が 、 負 い 目 に よ る ﹁ 祈 疇 的 な 回 向 ﹂ や 、 ﹁ た た り 鎮 め 的 供 養 ﹂ で な い 、 内 省 的 ・ 仏 教 的 な 戯 悔 は 果 た し て 今 の 日

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仏 教 と 生 命 倫 理 に つ い て の ア ン ケ ー ト 本 仏 教 の 信 者 に 実 現 し 得 る か ど う か は 疑 問 の ま ま の 回 答 で あ る と 言 う こ と を 忘 れ て は な る ま い 。 二 、 体 外 授 精 や 代 理 母 に つ い て は 、 ﹁ ( 2 ) 本 人 の 責 任 で ﹂ 三 名 、 ﹁ ( 3 ) 正 常 な 夫 婦 間 で の み 本 人 の 責 任 で ﹂ 二 二 名 、 ﹁ ( 4 ) 認 め る べ き で は な い ﹂ 五 名 と い う よ う に 別 れ た 。 現 代 の 性 の 開 放 の 中 で こ そ こ の 問 題 は 意 味 を 持 つ の で あ る か ら 、 夫 婦 間 に の み 限 定 す る こ と は 意 味 が な い と 言 う 見 方 も あ り 得 る わ け だ が 、 仏 教 徒 に 対 す る 指 針 を 示 す と 言 う こ と か ら す れ ば 、 先 ず 、 正 常 な 夫 婦 間 に の み 限 定 す る こ と は 当 然 で あ ろ う 。 注 目 す べ き 提 言 は ﹁ 貸 し 卵 子 ・ 貸 し 精 子 ﹂ は ﹁ 邪 婬 戒 ﹂ に な る と 言 う 指 摘 で あ る 。 ま た 、 子 供 を 授 か る こ と に 対 し て 自 然 に 任 か せ る と い う 態 度 を 求 め て い る こ と は 仏 教 的 に は 妥 当 で あ り 、 そ の 上 で 、 本 人 の 責 任 の 範 囲 で 求 め る の な ら 認 め て 良 い と し て い る 。 と こ ろ が 、 ( 4 ) の 自 然 に 任 せ る べ き で あ る か ら 一 切 認 め る べ き で は な い と い う 意 見 の 五 名 と の 違 い に こ そ 問 題 が あ ろ う 。 自 然 に 任 せ る と い う 仏 教 的 な 立 場 を 立 て つ つ 、 本 人 が 強 く 求 め る な ら と い う の は ﹁ 価 値 観 の 多 元 化 ﹂ に 対 応 し よ う と す る 現 実 調 整 的 態 度 と 言 う こ と に な る 。 そ れ に 対 し て ( 4 ) は 原 則 的 立 場 に 立 と う と す る 姿 勢 だ と い う こ と が 分 る 。 こ の 立 場 は 予 防 教 育 の と き は 良 い が 、 既 に 罪 を 犯 し た 人 間 に は 救 い に な ら な い こ と に な る 。 逆 に 、 ( 3 ) の 立 場 は 予 防 教 育 的 に は 強 い 信 念 的 な 方 向 を 指 示 す る こ と が 弱 い と い う こ と が い え よ う 。 三 、 無 脳 症 児 ・ 中 絶 胎 児 の 医 学 的 利 用 に つ い て は ﹁ ( 2 ) 医 学 的 倫 理 規 定 や 、 公 開 性 が あ る な ら 認 め て よ い ﹂ と い う 回 答 と 、 ﹁ ( 3 ) 絶 対 に 行 う べ き で は な く 、 福 祉 が 遅 れ て も 我 慢 す べ き で あ る ﹂ と い う 回 答 と が 一 〇 人 つ つ 二 極 に 別 れ た 。 ( 3 ) の 意 見 で は 、 中 絶 胎 児 に つ い て も ホ ト ケ と し て 供 養 す る 姿 勢 を 求 め る 意 見 が あ る 。 現 代 日 本 の 生 命 科 学 の 研 究 者 に そ れ を 要 求 す る に は 、 応 答 し 得 る チ ヤ ン ネ ル を も っ て い て こ そ 現 実 味 を 持 つ わ け だ が 、 そ の 現 実 味 が 欠 如 し て い た ら 、 仏 教 側 の 人 間 観 も 単 な る 犬 の 遠 吠 え に す ぎ な く な る よ う で あ る 。 四 、 先 天 異 常 児 に 対 す る 倫 理 的 対 応 に つ い て は 、 ﹁ ( 2 ) 福 祉 に よ っ て 支 え た 上 で 、 尚 且 つ 選 別 し な け れ ば な ら な い な ら チ ェ ッ ク 機 構 と 当 事 者 の 峨 悔 と 責 任 に お い て 認 め る ﹂ の が 九 名 、 ﹁ ( 3 ) 選 別 は 行 う べ き で は な く 苦 悩 に 甘 ん じ る べ き で あ る ﹂ と い う の が 一 〇 名 で あ っ た 。 こ れ も 問 三 と 同 様 に 二 極 化 し た 。 ( 2 ) は 消 極 的 選 別 肯 定 で あ り 、 ( 3 ) は 他 人 が 当 事 者 に こ れ を 要 求 す る こ と は 第 三 者 的 立 場 に 止 ど ま り 、 当 事 者 と し て の 愛 と 痛 み を 共 有 し 得 る 具 体 的 行 動 に よ る 実 証 が 伴 わ な い と 、 こ の 回 答 は 真 実 な も の に な ら な い わ け で あ っ て 、 こ れ に は 今 後 の 仏 教 界 の 行 動 に よ る 回 答 が 求 め ら れ る で あ ろ う 。

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仏 教 と 生 命 倫 理 に つ い て の ア ン ケ ー ト 五 、 遺 伝 子 操 作 に つ い て は 、 ﹁ ( 1 ) 患 者 救 済 の た め に は や む を え な い ﹂ 一 名 、 ﹁ ( 2 ) 危 険 が 生 じ た ら 対 応 で き る 態 勢 を 作 り ブ レ ー キ を 掛 け つ つ 行 う し か な い ﹂ 一 三 名 、 ﹁ ( 3 ) 絶 対 許 さ れ な い ﹂ 四 名 、 ﹁ そ の 他 ﹂ 二 名 で あ る 。 回 答 の 中 で 目 を 引 く の は ﹁ 生 命 の 事 実 を 受 け い れ る た め に は 、 努 力 と 信 頼 の 形 成 が あ っ て こ そ 成 り 立 つ の だ か ら 、 チ ェ ッ ク 機 構 に よ っ て 信 頼 を 作 る 必 要 が あ る ﹂ と 言 う 指 摘 で あ ろ う 。 六 、 ヒ ト の 生 の 始 ま り に つ い て は 、 ﹁ ( 1 ) 受 精 の 瞬 間 か ら ﹂ 一 〇 名 、 ﹁ ( 2 ) 着 床 し た 時 か ら ﹂ 一 名 、 ﹁ ( 3 ) 感 覚 認 知 の 潜 在 的 能 力 が 備 わ る 受 精 後 一 四 日 頃 ﹂ 四 名 、 ﹁ 感 覚 認 知 の 能 力 を 獲 得 す る ﹂ ﹁ 大 脳 の 神 経 細 胞 が 連 結 さ れ る ﹂ ﹁ ほ と ん ど の 器 官 が 揃 う ﹂ ﹁ 六 ・ 七 ・ 八 週 頃 ﹂ 一 名 、 ﹁ ( 10 ) 母 胎 か ら 分 離 し て も 生 き ら れ る 二 二 週 頃 ﹂ 一 名 、 に 分 か れ た 。 ( 1 ) と ( 2 ) は 生 命 の 発 生 そ の も の に 全 て の 根 拠 を 認 め る 立 場 で あ る 。 ( 3 ) か ら ( 8 ) ま で は 意 識 活 動 の 発 生 に ヒ ト と し て の 根 拠 を 見 よ う と す る 立 場 で あ る 。 ( 10 ) は 生 命 と し て の 自 立 に ヒ ト と し て の 出 発 を み よ う と す る 立 場 で あ る 。 エ ン ゲ ル ハ ー ト 氏 の よ う な 人 格 の 自 立 に こ そ ヒ ト と し て の 自 立 を 認 め る べ き だ と い う 極 狭 い 見 方 は 今 回 の ア ン ケ ー ト の 回 答 支 に は 用 意 し な か っ た が 、 恐 ら く 用 意 し て も そ こ ま で 極 端 な 考 え 方 は 出 て こ な か っ た で あ ろ う 。 ( 3 ) 以 降 の 回 答 者 は い ず れ も ﹁ 識 ﹂ の 活 動 を 以 て ヒ ト と し て い る 。 そ の 拠 り 所 は 仏 教 の ﹁ 五 纏 縁 起 ﹂ や ﹁ 命 根 ﹂ な ど に よ っ て い る 。 ( 1 ) ( 2 ) の 人 は 識 の 活 動 の 出 発 は 受 精 に あ る 。 と 受 け 止 め て い る 。 勿 論 受 精 そ の も の が ﹁ 業 風 ﹂ や ﹁ 種 子 ﹂ な ど の よ う な 生 命 の 根 拠 を 成 す 力 そ の も の を も ﹁ 識 ﹂ と 見 る 見 方 も あ る で あ ろ う 。 し か し 、 医 療 と い う も の が 発 生 学 的 な 生 命 の 各 段 階 に 対 応 し て 区 別 し て 考 え ざ る を え な い 状 況 に 臨 ん で い る と き に 、 ( 1 ) は 原 則 的 で は あ る が 具 体 的 な 事 態 に 対 応 で き な い こ と が 起 こ り 得 る 。 例 え ぽ 、 避 妊 薬 の 中 に は 、 受 精 し た 卵 子 の 着 床 を 妨 害 す る も の が あ る 。 こ の 場 合 に 、 こ の 避 妊 法 は 殺 人 に な る の で あ ろ う か 。 あ る い は 、 殺 人 に な る か ら 仏 教 徒 は 使 用 し て は い け な い と 言 う べ き だ ろ う か 。 生 命 を ﹁ 識 ﹂ を 主 と し て み よ う と す る 立 場 は そ の 延 長 に は 、 人 の 自 覚 ・ 悟 り と い う 意 識 の あ り よ う を 重 視 す る 傾 向 が あ る と い え る 。 以 上 の よ う に ま と め る こ と が で き よ う 。 医 療 に 係 わ る 人 々 が 仏 教 に 求 め て い る 所 の 、 生 命 に 対 す る 仏 教 的 考 え 方 の 座 標 軸 を 提 示 す る 作 業 と し て 、 こ の ア ン ケ ー ト の 結 果 は 問 題 点 を あ る 程 度 は 浮 き 彫 り に す る こ と が で き た と 言 っ て い い と 思 う 。 原 理 的 立 場 に た つ か 、 現 実 と の 調 整 的 立 場 に 立 つ か 、 そ し

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仏 教 と 生 命 倫 理 に つ い て の ア ン ケ ー ト て そ れ を 現 場 に 携 わ る 関 係 者 に 仏 教 徒 と し て の 行 動 規 範 と し て 支 え て 行 け る の か 、 と い う 迷 い の 中 で 苦 悩 し て い る こ と が 回 答 の コ メ ン ト に は っ き り 出 て い る 。 そ れ が 今 後 の 研 究 の 出 発 点 に な る と 言 っ て い い で あ ろ う 。 ︹追 補 ︺ 回 答 に み る 仏 教 的 生 命 倫 理 の 今 後 一 、 生 命 問 題 の 特 徴 は 現 実 が 先 行 し て し ま っ て い る と 言 う こ と で あ る 。 そ の 現 実 あ る い は 現 実 化 す る こ と が 予 測 さ れ る 状 態 の 中 で 、 原 則 的 立 場 で 突 き 放 す こ と で 宗 教 的 立 場 を 維 持 し よ う と す る か 、 あ る い は 折 衷 的 立 場 で 、 生 じ て し ま っ た 事 態 の 中 に 苦 し む 人 を 救 う こ と に ウ エ イ ト を 置 く か 、 大 き く 分 け て こ の 二 つ の 立 場 が 対 立 し て い る と 言 え る 。 二 、 今 回 の ア ン ケ ー ト は 、 前 半 で は 回 答 支 を 設 け て い る 。 そ の 柱 は A 原 則 的 立 場 、 B 折 衷 的 立 場 の 二 つ で あ る 。 こ の 二 つ の 柱 を 中 心 に 並 べ て み る と 次 ぎ の よ う に な る 。 原 則 的 立 場 折 衷 的 立 場 1 、 人 工 妊 娠 中 絶 に つ い て 一 一 九 2 、 人 工 授 精 に そ つ い て 五 二 二 5 、 遺 伝 子 操 作 に つ い て 四 一 三 3 、 中 絶 胎 児 の 医 学 的 利 用 に つ い て 一 〇 一 〇 4 、 先 天 異 常 児 の 選 別 に つ い て 九 一 〇 こ う し て み る と 、 1 の 人 工 妊 娠 中 絶 は 、 現 実 が 先 行 し て 日 常 化 し て し ま っ て い る と 言 う 背 景 か ら 折 衷 的 立 場 が 圧 倒 的 に 多 い 。 2 、 5 の 人 工 授 精 、 遺 伝 子 操 作 の 問 題 は 未 だ 実 感 と し て 余 り 実 害 が 感 じ ら れ な い 問 題 で あ る 。 従 っ て 原 則 的 立 場 も 二 五 % に 止 ど ま っ て い る 。 3 、 4 の 中 絶 胎 児 の 医 学 的 利 用 と 先 天 異 常 児 の 選 別 と は 、 人 間 と し て の 態 度 の 決 定 を 迫 ら れ る 問 題 で あ る 。 そ の た め 、 原 則 的 立 場 と 、 折 衷 的 立 場 と が 拮 抗 し て い る と 言 え る 。 こ の こ と は 将 来 的 に 、 仏 教 の 態 度 を 考 え る 場 合 の 一 つ の 示 唆 を 与 え て い る よ う に 思 わ れ る 。 三 、 生 命 倫 理 に 於 け る 仏 教 的 態 度 と は 何 だ ろ う か 。 一 つ は 人 間 を ど う 見 る か に よ っ て か な り 違 っ て く る よ う で あ る 。 例 え ば 、 6 生 命 の 発 生 に つ い て は 、 授 精 の 瞬 間 か ら と 言 う 生 命 の 発 生 条 件 の 最 初 の 段 階 に 出 発 点 を 見 る 立 場 が 一 〇 名 で あ る 。 そ れ に 対 し て 、 着 床 ・ 意 識 の 発 生 等 に 根 拠 を 置 く 回 答 は 四 名 ( ま た は 六 名 ) で あ る 。 こ れ は 人 間 の 人 間 た る 根 拠 を 生 命 の 発 生 に み る か 、 意 識 の 活 動 や 自 覚 と 言 う 精 神 的 活 動 が 伴 う こ と を 重 視 す る か 、 宗 教 的 人 間 観 に よ っ て 異 な る の で は な い か と 思 わ れ る の で あ る 。 更 に 宗 教 的 人 間 観 の 原 則 に 立 て ば 罪 を 犯 し た 人 を 救 う こ と は 困 難 に な り 、 罪 を 犯 し た 事 実 か ら 出 発 し て 対 応 し よ う と す る 立 場 で は 現 実 に 引 き ず ら れ て し ま う 事 が よ く 分 か る の で あ る 。 そ し て 更 に 、 人 間 は ど の 様 に 責 任 を と る べ き か を 仏 教 的 に 示 さ な く て は な る ま い 。

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仏 教 と 生 命 倫 理 に つ い て の ア ン ケ ー ト 今 回 の ア ン ケ ー ト は 今 後 の 生 命 倫 理 に 対 す る 仏 教 的 対 応 を 模 索 す る 上 で 多 く の 示 唆 を 与 え て い る と 思 わ れ る 。

者 

問 七 で は 、 ヒ ト の 死 は 何 を も っ て 死 と 見 た ら 良 い で し ょ う か 。 回 答 支 ・ 集 計 1 心 拍 、 呼 吸 が 人 工 的 に 維 持 さ れ て い た と し て も 、 脳 幹 反 射 が 消 失 し て 、 生 命 と し て 自 立 で き な く な っ た ら 、 何 時 間 か の ち の 再 確 認 を 経 て 死 と 認 め て 良 い 。 (脳 死 ) 3 2 立 花 隆 氏 が 言 う と お り 、 脳 血 流 が 完 全 に 停 止 し て い る こ と を 確 認 で き れ ぽ 脳 死 は 死 で あ る と 言 っ て 良 い 。 1 3 脳 幹 反 射 の 消 失 は 明 瞭 で あ っ て 、 呼 吸 は レ ス ピ レ ー タ ー に よ っ て 維 持 さ れ て い た と し て も 、 心 拍 ・ 呼 吸 等 が あ る う ち は 死 と は 言 え な い 。 脳 幹 反 射 の 消 失 と 共 に 心 拍 ・ 呼 吸 が 停 止 し た と き ( 三 徴 候 死 ) 死 と 言 う べ き で あ る 。 8 4 三 徴 候 死 (法 律 上 の 死 の 認 定 ) で あ っ て も 、 全 て の 細 胞 が 死 ぬ 二 〇 数 時 間 後 を 死 と 言 う べ き で あ る 。 4 5 そ の 他 4 コ メ ン ト 1 心 拍 、 呼 吸 が 人 工 的 に 維 持 さ れ て い た と し て も 、 脳 幹 反 射 が 消 失 し て 、 生 命 と し て 自 立 で き な く な っ た ら 、 何 時 間 か の ち の 再 確 認 を 経 て 死 と 認 め て 良 い 。 ( 脳 死 ) 3 A 人 工 の 力 が な い と 維 持 さ れ な い と き は 既 に 死 で あ る 。 B 日 本 で は 、 仏 教 思 想 に 、 儒 教 や 日 本 固 有 の 思 想 が 影 響 を 与 え て い る 。 設 問 ( 6 ) と 同 様 に 、 仏 教 の 基 本 的 立 場 か ら 脳 死 を も っ て 死 と 判 定 す べ き で あ ろ う 。 C 既 に 大 脳 の 機 能 が ほ と ん ど 停 止 し て い て も 、 心 拍 ・ 呼 吸 が 人 工 的 に 維 持 さ れ て い れ ば 脊 髄 や 延 髄 の 一 部 の 機 能 が 生 き 残 っ て い て 微 弱 な 生 命 反 応 が あ っ て も 不 思 議 は な い と 思 い ま す 。 し か し 、 意 識 を 意 識 活 動 た ら し め る 大 脳 ・ 中 脳 ・ 脳 幹 の 三 機機 能 が 不 可 逆 的 に 停 止 し て い る か ぎ り 意 識 の 復 活 は 有 り 得 な い で し ょ う 。 し か し 、 一 部 の 生 体 反 応 が あ れ ば 完 全 な 死 と は 言 え な い で し ょ う 。 従 っ て 基 本 的 に は レ ス ピ レ ー タ ー を 外 し て 自 然 に 任 せ る こ と こ そ 必 要 で し ょ う 。 し か し 、 大 乗 仏 教 で は 、 解 脱 を 求 め る 修 行 の 目 的 で 自 ら の 命 を 捨 て る こ と は 認 め て い ま す 。 従 っ て 、 解 脱 の 実 現 の た め に は 本 人 の 希 望 に よ っ て 、 脳 死 段 階 で の レ ス ピ レ ー タ ー の 取 り 外 し は 成 り 立 ち ま す 。 レ ス ピ レ ー タ ー を 一 時 的 に 取 り 外 し て み て 、 そ れ が 間 違 い な く 自 然 な 三 徴 候 死 を 導 く こ と を 確 認 し た 上 で 、 そ こ を 以 て 死 亡 時 と し 、 確 認 の た め の 時 間 を 取 り 、 更 に 家 族 が 納 得 す る た め の 時 間 と し て レ ス ピ レ ー タ 1 の 継 続 を 望 む な ら 本 人 負 担 で 継 続 し 、 更 に 本 人 が 臓 器 提 供 を 望 む な ら 状 態 を 維 持 す る た め に レ ス ピ レ ー タ ! を 継 続 し 、 費 用 は 保 険 で 賄 う と 言 う こ と に す る の が 良 い で し ょ う 。

参照

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