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この症例において 長年の診断名は最近得られた臨床的 生化学的データと矛盾していた 生化学的データは 実際の尿中のホモシスチンの過剰排出と 血漿中の高い総ホモシステイン濃度によって特徴づけられた 歴史的に先天性代謝異常を示すときに使われている用語であるホモシスチン尿症の特徴を示した ホモシスチン尿症は

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Clinical Case Study

Increased Homocysteine in a Patient Diagnosed with Marfan Syndrome

Olajumoke Oladipo1, Laurie Spreitsma2, Dennis J. Dietzen1,2,* and Marwan Shinawi2

1 Department of Pathology and Immunology and 2

Department of Pediatrics, Washington University School of Medicine, St. Louis, MO.

*

Address correspondence to this author at: Department of Pediatrics, Box 8116, Washington University School of Medicine, One Children's Place, St. Louis, MO 63110. Fax 314-454-2274; e-mail Dietzen_d@kids.wustl.edu.

臨床症例研究

マルファン症候群と診断された患者の、高い血漿ホモシステイン濃度

症例 53 歳白人女性は、特徴的な痩せた容貌と左右両側の水晶体偏位によって、小児期後期にマルファン症候群と 診断された。重篤な左心室障害と心房細動を持った非虚血性心筋症、2 型糖尿病、脂質異常症、進行性認知症、 両下肢のしびれ、甲状腺癌のための甲状腺摘出による甲状腺機能低下症の病歴を持っている。身体検査で追加 で明らかになったことに、上顎/下顎比が 0.88、翼幅/身長比が 1.02(上顎/下顎比が<0.85 で、翼幅/身長比が >1.05 は、マルファン症候群の診断基準である)、細長い顔、高口蓋、込み入った歯列があった。心臓専門医 がマルファン症候群の 2 つ特性、すなわち大動脈根肥大と僧帽弁逸脱を見つけられなかったので、最近になっ て更なる臨床検査を受けた。彼女の総血漿ホモシステインとメチオニン濃度はそれぞれ、198 µmol/L(基準値 5–15 µmol/L)と 370 µmol/L(基準値 10–50 µmol/L)に上昇していた。その患者の血漿ホモシステイン濃度は 48 µmol/L(基準値<2 µmol/L)で、尿中ホモシステチン濃度もまた、顕著に上昇していた。これらの生化学的 異常な状態は、マルファン症候群の特徴ではない。彼女の診断は、これらの新しいデータを踏まえて再考され た。

(2)

2 この症例において、長年の診断名は最近得られた臨床的、生化学的データと矛盾していた。生化学的データは、 実際の尿中のホモシスチンの過剰排出と、血漿中の高い総ホモシステイン濃度によって特徴づけられた、歴史 的に先天性代謝異常を示すときに使われている用語であるホモシスチン尿症の特徴を示した。ホモシスチン尿 症は、シスタチオニンβ-シンターゼ活性の欠損である常染色体劣性遺伝によって、最も一般的に引き起こさ れる(1)。世界中での発症率は 200,000 から 335,000 人に 1 人と推定されており(2)、カタールで報告され た発症率は最も高い(1,800 人中で 1 人)(3)。この患者のホモシスチン尿症の診断は、CBS(シスタチオニ ンβ-シンターゼ)遺伝子シークエンシングによって確診され、エクソン 12 で 2 つのへテロ接合体ミスセンス 変異が現れた(c.1111 G>A and c.1135 C>T)。これらの変異は成熟ポリペプチド中で、それぞれ V371M と R379W のアミノ酸の変異を引き起こす。 疑問点 1. 分子欠損は、マルファン症候群の何に関与しているのか? 2. どのような病状と水晶体偏位は関係しているのか? 3. どのような状態が、血液および尿中の増加したホモシステインと関係しているのか? ホモシスチン尿症は、その他の病態で起こるかもしれない。これらの要因には(a)栄養学的ビタミン B12 欠 損、(b)後天性、先天性内因子欠損、(c)ビタミン B12 の選択的腸吸収不良、(d)トランスコバラミンⅡ 欠損、(e)細胞内メチルコバラミン合成(MTRR、MTR はそれぞれ cblE と cb1G 相補群としても参照される) の異常に関係する遺伝子の変異、(f)N(5,10)-メチレンテトラヒドロフォレートレダクターゼ欠損がある。細 胞内メチルコバラミンとアデノシルコバラミンの異常を持った患者では、メチルマロン酸尿症を併発している かもしれない。この状態は MMACHC、MMADHC、LMBRD1 遺伝子の遺伝的な欠損がある。 ホモシステイン(還元もしくはチオール型)の対称ジスルフィドは、ホモシスチン(酸化型)と呼ばれてい る;両方の名前はこれらの化合物の各炭素鎖がシステインとシスチンの炭素鎖よりも、1 つメチレン基を多く 含んでいることを示している(4)。ヒトにおける総血漿ホモシステイン濃度の上限値は、遺伝因子、年齢、 性別、閉経状態、その他の生理学的ライフスタイルの変化によってある程度変化するけれども、15µmol/L で ある。総ホモシステインの約 30%はフリー型で、残りは蛋白、主にアルブミン中のシステインと、ジスルフ ィド結合で結合している(4)。蛋白と結合していない 1-2%のホモシステインは、チオール型として存在し、 残りの 98%はジスルフィド型(ホモシステイン-システインとホモシスチン)である(4)。ホモシスチン尿症 では、チオールホモシステイン画分の総濃度が 150–400 µmol/L に達するときに、10-25 まで上昇する。

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3 未治療の自然経過は、血栓塞栓症、水晶体転位症、発達遅延、骨粗鬆症、その他の骨格合併症への発展がみら れる(1)。ホモシスチン尿症とマルファン症候群の共通の症状である水晶体転位症は、亜脱臼(レンズ小帯 がまだ定位置にある)、もしくは脱臼(小帯が定位置にない)によるものである。フィブリリンは、定位置で のレンズを覆う小帯中の主要な蛋白である。 水晶体転位症の異なった診断には、外傷、梅毒、亜硫酸酸化酵素欠損症、Weill–Marchesani 症候群がある。良 好な治療歴と診察は、外傷、梅毒、Weill–Marchesani 症候群を除外するであろう(5)。眼の前眼部を注意深く 観察することは、水晶体転位症の原因の手がかりとなるかもしれない。マルファン症候群では、小帯は伸び切 っており、脱臼が側頭上部方向で起こっている、一方 CBS 欠損症では、小帯はレンズの前方表面に離れ、スク ロールしている(5)。故に、脱臼は下鼻側である。決定的な外傷がない場合、ホモシステイン測定はレンズ 亜脱臼、もしくは脱臼したすべての患者で行われる。 ホモシスチン尿症におけるマルファン様の特徴 水晶体転位症に加え、ホモシスチン尿症とマルファン症候群は長骨肥大、高口蓋、叢生歯列、脊柱側弯症とい った、その他の共通の臨床所見を共有している。しかしながら、それらは動静脈血栓症(ホモシスチン尿症で みられる)、発達遅延と認知障害(ホモシスチン尿症)、大動脈拡張(マルファン症候群でみられる)のよう なその他の臨床症状の観点から、実質的には異なっている(6)。 マルファン症候群は FBN1(フィブリリン 1)遺伝子の変異によって起こり、一方ホモシスチン尿症は、CBS 遺 伝子の変異によって多くの場合引き起こされる。フィブリリンは細胞外基質タンパク質に属し、3 つのフィブ リリンイソ型(フィブリリン-1、フィブリリン-2、フィブリリン-3)と TGF-β結合タンパク質を含んでいる。 フィブリリンは 6-8 のドメイン間ジスルフィド結合、cbEGF ドメイン、TGF-β結合タンパク質様(TB/8-cys)ド メインを含んでいる。これらのドメインはフィブリリンの構造的整合性と、機能的特性にとって必要不可欠で ある。マルファン症候群を引き起こすと報告されている最も一般的な変異は、これらのドメイン中のシステイ ンの欠如、もしくは生成をもたらし、分断したジスルフィド形成を導く。マルファン症候群とホモシスチン尿 症の類似点は、システインの一時的変異が関係しているかもしれない。システイン-ホモシステインのジスル フィド形成は、細胞内のフィブリリン-1 とのジスルフィド結合を分断していることを示している(7)。その 後、変異した分子は不適切に折れ曲がり、タンパク質分解をより受けやすくなり、カルシウムとの結合能力を 失い、その結果異常二次構造物となる。ホモシステイニル化はまた、皮膚、肺、動脈中の弾性繊維の維持に重 要なトロポエラスチンの折れ曲がり構造を変え、その結果、これらの組織の構造と機能を妨害するかもしれな い。 ホモシステイン測定 総ホモシステインを測定する方法には、蛍光検出器の付いた HPLC、ガスクロマトグラフィー-質量分析、酵素 法、免疫測定法がある。これらの分析はジスルフィド結合を分解し、チオールホモシステインを遊離するため

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4 の試薬の使用を必要とする。血漿および尿中のホモシスチンは、古典的なアミノ酸分析(ニンヒドリン共役物 の検出ポストカラムの付いたイオン交換クロマトグラフィー)、もしくは液体クロマトグラフィー-タンデム 質量分析により、事前のジスルフィド分解なしに測定されるかもしれない。 新生児検診とホモシスチン尿症 乾燥血斑中のメチオニン濃度の測定は、一般的にホモシスチン尿症の新生児集団検診で使われている。カター ルにおける最近の研究で、液体クロマトグラフィー-タンデム質量分析(誘導体化なし)による総ホモシステ インの血斑新生児検診は、ホモシスチン尿症を持った赤ちゃんの鑑定において、メチオニン測定よりも感度が 高いことが報告された(3)。その研究は典型的なケースを報告し、それらを超えないメチオニン濃度を示し たビタミン B6 反応性ホモシスチン尿症が、病気の発症していない子どもで見つかった。従ってこれらのビタ ミン B6 反応性の患者は、メチオニン測定に頼っている現在の新生児検診では見つからない(8)。検診ツール としてメチオニン測定を行うことに対する議論は、サンプリング(早期に家に戻った赤ちゃんはミスしがちで ある)のタイミングによって高い偽陰性率を示すことと、乳児用調整乳と比べて母乳では低いメチオニン濃度 を示す可能性がある。メチオニン濃度は、メチオニンアデノシルトランスフェラーゼ I/III 欠損、S-アデノシル メチオニンヒドロラーゼ欠損、グリシン N-メチルトランスフェラーゼ欠損、全身性の肝疾患、メチオニンが 豊富な調整乳を飲んだ乳児でも上昇している。 血斑中の総ホモシステイン測定は、その安定性に関して問題を引き起こしているが、報告によれば乾燥血液中 のホモシステインは室温で安定しており、28 日の保存で約 9%の小さな分解が起こっている(3)。この程度 の不安定さは検診目的では許容範囲であり、新生児検診プログラムの近い将来ではメチオニンに置き換わるか もしれない。 遺伝学 現在、CBS 遺伝子の 153 の変異が報告されている(9)。3 つの最も一般的なタンパク質変異は、I278T、 T191M、G307S である。CBS 変異は多重機能的結果と同様に、地域および人種分布を持つ。G307S 変異活性は ビタミン B6 に反応性を持たず、一方 I278T 変異を持った患者は、ビタミン B6 の投与に反応する。ある研究で T353M タンパク質産物は、アフリカ系アメリカ人でもっぱら見つけられ、ビタミン B6 非反応性表現型と関連 があった(8)。 覚えておくべきポイント ・ マルファン症候群は、分子内と分子外の相互作用を乱すフィブリリン-1 の変性によって引き起こされ る。フィブリリン-1 は多くの組織における細胞外マトリックスの重要な構成成分である。異常フィブリリン-1

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5 は、長身、長い手足と指、動脈拡張、心臓弁機能不全、水晶体脱臼といったマルファン症候群の種々の特徴に 関わっている。 ・ 水晶体脱臼の鑑別診断には、外傷、梅毒、マルファン症候群、Weill–Marchesani 症候群、亜硫酸酸化酵 素欠損症、ホモシスチン尿症が含まれる。ホモシスチン尿症での水晶体脱臼は、ジスルフィド結合したホモシ ステインによるフィブリリン-1 中のシステイン残基の変異と関連しているかもしれない。 ・ 血中および尿中のホモシステイン濃度の上昇は、栄養的コバラミン欠乏、コバラミン吸収不良、コバ ラミンと葉酸代謝の遺伝的欠損、シスタチオニンβ-シンターゼ欠損によって引き起こされる可能性がある。 シスタチオニンβ-シンターゼ欠損はホモシスチン尿症の最も一般的な原因である。 ・ ホモシスチン尿症のいくつかのケースにおいて、残存シスタチオニンβ-シンターゼ活性はピリドキシ ン(ビタミン B6)の薬理学的濃度で最大になる可能性が知られている。その他のケースでの生化学的な改善 は、ホモシステイン除去のための補体活性化第 2 経路を刺激するベタインの投与で達成される可能性がある。 ・ 説明できない水晶体転位症のあるすべての患者は、ホモシスチン尿症の検査を受けるべきである。 ・ ホモシスチン尿症の新生児検診プログラムでの偽陰性率は、現在のアプローチ、すなわち血斑中のメ チオニン濃度の測定のみ行っている方法よりも、血斑ホモシステチンの測定のほうが改善するかもしれない。 私たちの患者で見つかった 2 つのアミノ酸変異(V371M、R379W)は非常に稀で、両方ともビタミン B6 の反 応性と関係している。V371M 酵素変異はオランダとオーストラリアに祖先をもつ患者で以前に記述があり、 R379W 変異は中央ヨーロッパ出身の 1 名で記述があった(10)。この報告中の患者は白人とアメリカ系イン ディアンの混血であり、彼女の血中ホモシステイン濃度はビタミン B6(500mg/日)と葉酸(5mg/日)の投与 で直ちに減少した。 治療 全 CBS 欠損患者の約半分は、ピリドキシン療法に反応する。メチオニン制限食、葉酸、システイン投与、ベタ イン(別のホモシステイン再メチル化経路を活性化する;図 1 参照)もまた使われており、特にビタミン B6 非反応性の患者では使われている。もしも治療が早期に開始されるならば、合併症とマルファン様の兆候は改 善、もしくは予防すらできる。この患者は最初にピリドキシンで治療され、ホモシステイン濃度が 26 µmol/L まで劇的に減少し、メチオニン濃度も正常化したが、その投与量は晩期の糖尿病の合併症である進行性の既存 の感覚異常のために減らさなければならなかった。彼女は低用量のビタミン B6 とベタインに変更したが、ベ タインのノンコンプライアンスが更なる合併症をなくすために、元々のビタミン B6 の投与量に戻すことを必 要とした。

(6)

6 図 1. ホモシステイン-メチオニンサイクル

脚注

3 Nonstandard abbreviations:OMIM, Online Mendelian Inheritance in Man; CBS, cystathionine β-synthase; cbEGF,

calcium-binding epidermal growth factor–like; TB/8-Cys, transforming growth factor β binding protein–like (TB/8-Cys).

4

Human genes: CBS, cystathionine-beta-synthase; MTRR, 5-methyltetrahydrofolate-homocysteine methyltransferase reductase; MTR, 5-methyltetrahydrofolate-homocysteine methyltransferase; MMACHC, methylmalonic aciduria (cobalamin deficiency) cblC type, with homocystinuria; MMADHC, methylmalonic aciduria (cobalamin deficiency) cblD type, with homocystinuria; LMBRD1, LMBR1 domain containing 1; FBN1, fibrillin 1.

Author Contributions: All authors confirmed they have contributed to the intellectual content of this paper and have met the following 3 requirements: (a) significant contributions to the conception and design, acquisition of data, or analysis and interpretation of data; (b) drafting or revising the article for intellectual content; and (c) final approval of the published article.

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Role of Sponsor: The funding organizations played no role in the design of study, choice of enrolled patients, review and interpretation of data, or preparation or approval of manuscript.

Received for publication March 29, 2010. Accepted for publication May 25, 2010.

参考文献

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論説

Gerard Berry* and Harvey Levy

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8

* Address correspondence to this author at: Boston Children's Hospital, 300 Longwood Ave.,Boston,MA02115.Fax 617-730-0788; e-mail gerard.berry@childrens.harvard.edu.

マルファン症候群の診断とホモシスチン尿症の診断の混乱は、ホモシスチン尿症により初めて説明された(2) 後 2 年後の 1965 年に、Johns Hopkins から Schimke らの有名な報告(1)以降、知られている。Johns Hopkins 報 告以前、水晶体転位と長い四肢の人は、ほとんど確実にマルファン症候群であると広く思われていた。Johns Hopkins の報告は、劇的にこの考え方を変えた。マルファン症候群とこの最近発見された先天性代謝疾患のホ モシスチン尿症の類似点に気づき、Johns Hopkins グループは、水晶体転位および/または、その他のマルファ ン症候群の特徴を持った患者の尿サンプルを検査し、38 人の患者(20 家族から)がホモシスチン尿症で、マ ルファン症候群ではなかった。この論点を述べた臨床症例研究は、これら 2 つの遺伝性疾患を識別するために 必要なものである。 マルファン様の体型は、マルファン症候群とシスタチオニンβシンターゼ欠損症の患者で見られるので、医学 界で診断ミスが続いている。いくつかの重要な要素を覚えておくことは、この混乱を最小限にするであろう: (a)動脈硬化性心疾患と静脈/動脈の血栓および塞栓は、ホモシスチン尿症の重要な要素であるが(3)、マ ルファン症候群の最初の特徴とはなっていない;(b)認識機能障害は、ホモシスチン尿症の患者で起こるか もしれないが(3)、マルファン症候群の特徴ではない;(c)大動脈拡張は、マルファン症候群の主要な特徴 であり、ホモシスチン尿症の子ども、青年では見られない。 人生の早い段階でのホモシスチン尿症の正確な診断の確立は、傑出して重要である。なぜならば蛋白質制限食、 ビタミン B6、および/または、ベタインが血栓症と塞栓症による死と同様に、結合組織と血管合併症をなくす かもしれない。ホモシスチン尿症の一部の患者は、一般的な表現型を示していないかもしれない(4)。この ように、青年期に血管病の痕跡を持ったすべての患者は、血清中の総ホモシスチン濃度を測定するための検査 を受けるべきである。 脚注

Author Contributions: All authors confirmed they have contributed to the intellectual content of this paper and have met the following 3 requirements: (a) significant contributions to the conception and design, acquisition of data, or analysis and interpretation of data; (b) drafting or revising the article for intellectual content; and (c) final approval of the published article.

Authors' Disclosures of Potential Conflicts of Interest: No authors declared any potential conflicts of interest.

Role of Sponsor: The funding organizations played no role in the design of study, choice of enrolled patients, review and interpretation of data, or preparation or approval of manuscript.

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9 参考文献

1. Schimke RN, McKusick VA, Huang T, Pollack AD. Homocystinuria. Studies of 20 families with 38 affected members. JAMA 1965;193:711–9.

2. Carson NAJ, Cusworth DC, Dent CE, Field CMB, Neill DW, Westall RG. Homocystinuria: a new inborn error of metabolism associated with mental deficiency. Arch Dis Child 1963;38:425–36.

3. Mudd SH, Skovby F, Levy HL, Pettigrew KD, Wilcken B, Pyeritz RE, et al. The natural history of homocystinuria due to cystathionine beta-synthase deficiency. Am J Hum Genet 1985;37:1–31.

4. Skovby F, Gaustadnes M, Mudd SH. A revisit to the natural history of homocystinuria due to cystathionine β-synthase deficiency. Mol Genet Metab 2010;99:1–3.

論説

Michael J. Bennett*

Department of Pathology and Laboratory Medicine, Children's Hospital of Philadelphia, Philadelphia, PA.

* Address correspondence to the author at: Department of Pathology and Laboratory Medicine, Children's Hospital of Philadelphia, 5NW58, 34th St. and Civic Center Blvd., Philadelphia, PA 19104. Fax 215-590-1998; e-mail

bennettmi@email.chop.edu. マルファン症候群とホモシスチン尿症は、長身、不釣合いに手足が長く、クモ指症、脊柱側弯症、眼科検診後 の水晶体転位といった外観状の特徴が現れている患者にとって、異なった診断をしてしまうリストのトップ 2 である。この症例報告は、シスタチオニンβシンターゼ欠損によるホモシスチン尿症であるという最終的な正 当な評価を受ける前の 30 年から 40 年間は、マルファン症候群という診断を受けていた患者である。 私たちはホモシステインの測定を、比較的新しい臨床検査のレパートリーの 1 つとして考えがちであるけれど も、尿中のフリーのホモシスチンの測定方法は長年用いられてきた。この特別な患者が、子どものときにホモ シスチン尿症の検査を受けていたかどうかは明らかではない。それはその時代での比色スポット分析法の検査 感度が不十分であり、マルファン症候群では除外診断として放置されてきたことによって、ホモシスチン尿症 が間違って除外されたといってよい。 この症例は、遺伝的に証明されていない状態で、どのような患者に分類すべきかを見極める上で素晴らしい例 である、なぜならば医学知識が広がり、正確な診断による治療法がしばしば改善するからである。これらの2 つの状態は共通の特徴を持っているけれども、これらは死因において明らかに異なっている。マルファン症候 群はしばしば大動脈解離を引き起こすが、一方ホモシスチン尿症は動脈、もしくは静脈血栓を導く。適切で異 なった医学的モニタリングが必要とされる。

(10)

10 2 つの状態の治療選択もまた、かなり異なっている。ビタミン B6 療法を含むホモシスチン尿症の治療は、幾 人かの患者にはとても効果的であり、数十年の経験がある。追加の治療介入には、ベタインもしくはメチオニ ン制限食があるかもしれない。この特別な患者は生化学的にビタミン B6 に反応性を示し、より早期の治療は 厳しい病状への進展を軽減するかもしれない。マルファン症候群の治療は、まだ試験的である。ロサルタンの ようなアンジオテンシンアンタゴニストは、大動脈ストレスを減少させる可能性がある。 (訳者:小治 健太郎) 脚注

Author Contributions: All authors confirmed they have contributed to the intellectual content of this paper and have met the following 3 requirements: (a) significant contributions to the conception and design, acquisition of data, or analysis and interpretation of data; (b) drafting or revising the article for intellectual content; and (c) final approval of the published article.

Authors' Disclosures of Potential Conflicts of Interest: Upon manuscript submission, all authors completed the Disclosures of Potential Conflict of Interest form. Potential conflicts of interest:

Employment or Leadership: M.J. Bennett, Clinical Chemistry, AACC. Consultant or Advisory Role: None declared.

Stock Ownership: None declared. Honoraria: None declared.

Research Funding: None declared. Expert Testimony: None declared.

Role of Sponsor: The funding organizations played no role in the design of study, choice of enrolled patients, review and interpretation of data, or preparation or approval of manuscript.

参照

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