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感染症の診断は 原因微生物を患者検体から検出することにより確定される 病原微生物の検出方法 顕微鏡検査培養 同定検査免疫学的検査核酸同定検査 ( 遺伝子検査 ) 信頼できる結果を得るためには? 用いられた検体の品質が検査に適したものでなければならない!

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Academic year: 2021

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(1)

新入会員研修会 平成25年10月27日

微生物 編

「データの見かた・読みかた」

~ちょっと苦手をやっつけろ!~

佐賀大学医学部附属病院検査部 於保 恵

(2)

感染症の診断は、原因微生物を患者検体から

検出することにより確定される

病原微生物の検出方法

顕微鏡検査

培養・同定検査

免疫学的検査

核酸同定検査(遺伝子検査)

信頼できる結果を得るためには?

用いられた検体の品質が

検査に適したものでなければならない!

(3)

検査成績に影響を及ぼす要因

1.検体採取の良否

2.検体の輸送・保存

正しい方法

で確実に採取しなければならない!

検査目的にかなった条件

を遵守!

検体採取 輸送・保存 検査技術 結果の解釈

検査の重要性

(4)

検体採取時の注意点

1.検体採取時期

・発病初期、抗菌薬投与前

抗菌薬投与中

投与中止後24時間以上

投与中止不可

体内の抗菌薬濃度が最も低い時期

(次回投与直前)

(5)

0

30

60

時間(分)

体温

採血のタイミングで最も適切な時期はどれか

(6)

0 30 60 時間(分) 体 温 菌 量 採血 ●血液培養の採血は悪寒や発熱が認められたらできるだけ早く行うこと. 発熱後、時間が経てば経つほど微生物の検出率が低下する。 ●敗血症では抗菌薬投与が1時間遅れるごとに死亡率が7.6% 上がると言われている。

最適なのは

①番!

● 24時間のうちに2~3回、採血部位を変えて行うのが良い。

(7)

2.常在菌・消毒薬の混入をさける

・起因菌の推定を誤る!

・検査が煩雑化し、検査結果報告の遅延を招く!

M1 : 唾液,完全な粘液痰 M2 : 粘液痰に少量の膿性痰を含む P1 : 膿性部分が1/3以下の痰 P2 : 膿性部分が1/3~ 2/3の痰 P3 : 膿性部分が 2/3以上の痰

Miller & Johns 分類

M : Mucus P : Purulence

大日本住友製薬資料 小栗豊子先生より引用

(8)

グループ 好中球 扁平上皮細胞 1 <10 >25 2 10~25 >25 3 >25 >25 4 >25 10~25 5 >25 <10 6 <25 <25

喀痰の鏡検による品質管理

Gecklerの分類

(×100) ◎ ○

(9)

⾁眼的観察 顕微鏡(×100)

(10)
(11)

3.検体の乾燥をさける

・乾燥すると多くの微生物は死滅する!

・微量検体は、直接液体培地に接種

・綿棒などは輸送培地の入った試験管に入れる

4.嫌気性菌目的の場合(悪臭、閉鎖的病巣)

専用容器

(嫌気ポーター)に入れる

・材料で満たし死腔を少なくする

・菌の死滅を防ぐために直ちに検査室へ届ける

※糞便検体のスワブでの採取は不可。 量が少なく、乾燥により病原微生物が死滅する可能性があるため。 適量採取…小指頭大から拇指頭大、水様便は10~15ml 嫌気ポーター 炭酸ガス が充填 ○ ○

×

滅菌スワブ 滅菌スピッツ

(12)

5.検体の室温放置は厳禁!!

・検体が培地の役目をし、菌が増殖

検査結果を狂わせる

・常在菌混在例では発育の遅い病原菌の検出が困難になる

※Vibrio cholerae、Vibrio parahaemolyticusは冷蔵すると死滅しやすい。 →室温保存。

※Shigella spp.は糞便中では死滅しやすいのでできるだけ早く検査する。 (できれば2時間以内で)

6.冷蔵保存が原則!

※例外

Neisseria gonorrhoeae

Neisseria meningitidis

赤痢アメーバ(栄養型)は低温に弱い

7.外部委託検査

(13)

グラム染色の利点&欠点

利点

迅速検査として有用

(検査所要時間約30分)

菌属(菌種)が推定できる

(抗菌薬の選択に役立つ)

炎症像の有無が推定

(白血球・上皮細胞が観察できる)

治療効果の判定

(起炎菌の消失、減少を確認)

安価である

(染色場所と顕微鏡があればよい)

欠点

菌数に検出限界

(≧105/mlが検出可能)

鏡検に熟練を要する

(菌属<菌種>の推定、生体細胞の推定、結果の解釈)

難染性の微生物がある

(結核菌、レジオネラ、バルトネラ)

検出不可能な微生物あり

(マイコプラズマ、リケッチア、クラミジアなど)

(14)

グラム染色の種類

ハッカーの変法 フェイバー法 (西岡の方法) バーミー法 (Bartholomew& Mittwerの変法) グラムハッカー染色Ⅰ (クリスタル紫液) グラムハッカー染色Ⅱ (ルゴール液) グラムハッカー染色Ⅲ (サフラニン液) 分別 エタノール (又はアセトン アルコール) 染色液A (ビクトリアブルー液) 脱色液 (ピクリン酸・ エタノール) 染色液B (サフラニン液 又はパイフェル液) バーミーM1 (クリスタル紫水溶液) バーミーM2 (ヨウ素・ 水酸化Na水溶液) バーミーM3 (アセトン・ エチルアルコール) バーミーM4 (フクシン水溶液)

(15)

塗抹標本の作り方

患者検体 採取部位 使用器具 塗抹方法 喀痰 膿性部分 膿性部分がない場合は粘 液性の濃い部分 釣型白金線(尖端 の2~3mmを直 角に曲げたもの 釣型白金線で膿性部分をつ り上げ、米粒大の約1/3量 をとり、薄く引き伸ばして 塗抹 尿 均一になるよう混和 毛細管ピペット 毛細管ピペットにて1滴滴 下し、広げることなくその まま乾燥。ただし、膿尿は 薄く塗り広げる。 髄液などの 穿刺液 遠心後、沈渣を使用 毛細管ピペット 尿に準ずるが、透明な場合 は乾燥後、さらに1滴追加、 乾燥する。 綿棒や綿球の 採取物 材料のよく付着している 部分 滅菌ピンセット (綿球) 綿棒はそのまま、綿球は滅 菌ピンセットでつまみ、塗 抹。 組織材料 膿性部分 滅菌ピンセット 滅菌ピンセットでつまみ、 軽くスタンプ。必要に応じ 塗り広げる。 バイオプシー 各種臓器、組織 滅菌ピンセット 滅菌ピンセットでつまみ、 塗り広げる。 ホモジナイズ した材料 各種臓器、組織 毛細管ピペット 毛細管ピペットにて1滴滴 下し、塗り広げる。 臨床微生物検査ハンドブック第4版より引用

(16)

— 痰の前処理 —

1)最低1回以上、滅菌生理食塩水で 膿性部を洗浄する 2)吸引力の強いピペットなどで膿性 部のみを採取する 3)均質化剤(スプタザイムなど)に 同量の膿性痰を加える 4)物理・化学的に痰を漿液化する

— 標本作製法 —

1)洗浄した膿性痰を直接使用する 2)スライドグラスに薄く塗布する 均質化した喀痰は塗抹検査 には使用しない!

(17)

スライド作製

濃すぎず、薄すぎず!

新聞紙を下に敷いて

(18)

グラム染色法

(19)
(20)
(21)

×1000 ×1000

グラム染色 (胸水 : 好酸球)

好酸球 好酸球

メタノール固定

火炎固定

(22)

【自然乾燥】

【クリスタルバイオレット溶液】

※ 青紫色

(23)

-【水洗】

※ 青紫色

(24)

【ルゴール溶液】

※ 茶色

※ 黒褐色

媒染

(25)

【アルコ-ルでの脱色】

(26)

※ 青色の流れが止まるまで脱色する

※ 青色の流れが止まったら直ぐに水洗する

(27)

【パイフェル溶液】

後染色

-※ スライドの裏側から弱く水洗する

(28)

完全に水分を除いた後の脱色 水分を表面に含んだ状態での脱色

(29)

塗抹標本の見方の実際

— 弱拡大視野 —

まず、弱拡大視野で全体像を把握 ① x100で標本全面を観察し、全体像および検体品質の 適、不適を判断 ② 適当と判断したら、感染所見の有無を判断。 具体的には炎症細胞の有無、有れば一視野あたりの 最大数や鮮度を判定 新鮮な好中球を300個以上/視野あたり認めたら 感染有りと判断する ③ 同時にフィブリンの有無を確かめ、その炎症の アクティブ度を判断 ④ 扁平上皮細胞が有るか、無いか、有れば多いか少ないか、 炎症細胞との関係は? ⑤ 大型の異物は無いか、あれば、それは何か? その他異常な現象は無いか?

(30)

強拡大視野(x1000)では、細胞の同定と感染菌の推定を! ① 弱拡大視野で最も感染所見(炎症)の強かった部位に 焦点を合わせる ② 炎症細胞と思われた細胞は好中球か? または他の細胞か? ③ 炎症細胞の内外に認められる菌の特徴から何菌の感染 が疑われるのか? 最も優勢な菌は何か? ④ 炎症に特徴は無いか? 細胞の破壊、壊死等、壊死が あれば、その付近に壊死の原因となった可能性のある 微生物や要素は無いか? 貪食像は? ⑤ 誤嚥を裏付ける要素は無いか? 異物の正体は?

塗抹標本の見方の実際

— 強拡大視野 —

(31)

形態学的性状によるグラム陽性菌の推定

(32)

形態学的性状によるグラム陰性菌の推定

(33)

胸水

同定菌種

(34)

水泡侵出液

同定菌種

(35)

同定菌種

Streptococcus pneumoniae

(36)

尿

同定菌種

(37)

血液

同定菌種

(38)

喀痰

同定菌種

(39)

喀痰

喀痰

同定菌種

(40)

喀痰

同定菌種

(41)

喀痰

同定菌種

(42)

喀痰

同定菌種

(43)

皮膚分泌物

同定菌種

(44)

血液

同定菌種

(45)

膣分泌物

同定菌種

(46)
(47)
(48)

喀痰

(49)

Mycobacterium spp

(50)

チール・ネルゼン染色

【抗酸菌染色】

(51)

 検査の信頼性を得るにはまず検体採取から!

採取方法、採取時期、保存方法…

これを誤ると結果が全然違ったものに!!

 グラム染色は、

迅速・安価

で起因菌の推定、

治療効果判定ができる!

ぜひ、

グラム染色

マスターしましょう!

参照

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