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腎炎症例研究 27 巻 2011 年 図 1 図 2 入院時検査所見 (2008 年 8 月 ) 尿所見 比重 ph 6.0 蛋白 3+ 潜血 3+ RBC >51 /HPF 顆粒円柱 1-3 /WF 蝋様円柱 1-3 /WF 赤血球円柱 1-3 /WF 尿蛋白 /Cr 比 4.5 g/

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症  例

症 例:41歳 女性 現病歴:平成16年初めて検診で尿蛋白と血 尿を指摘され,平成17年4月に他院で腎生検を 施行し,巣状糸球体硬化症の診断で経口ステロ イド薬を開始となった。その後,寛解し平成 18年10月ステロイド中止となった。平成19年 9月より尿潜血陽性,平成20年3月には尿たん ぱく陽性,同年7月に血清Cr1.3㎎/dlに上昇。 MPO-ANCA76EUと上昇を認め,8月当科に紹 介され腎生検及び加療目的で入院となった。 既往歴:17歳虫垂炎 31歳左乳癌(手術)  シェーグレン症候群による脂肪織炎にて平成 15年8月と平成16年7月にPSL投与 家族歴:妹:糖尿病 嗜好歴:飲酒:機会飲酒,喫煙:なし アレルギー歴:特記事項なし 現  症: 身 長 156cm, 体 重 55.5kg, 血 圧 132/74mmHg,脈拍数 64分,整,体温35.7℃, 四肢に下腿浮腫を認める以外特記事項なし 入院時検査所見(2008年 8 月):図①,② 腎生検所見(2008年 8月):図③,④,⑤  38個の糸球体が採取され,6個ほど全節性硬 化に陥っている。細胞性半月体を2個,線維細 胞性半月体を7個,線維性半月体を1個の糸球 体に認め,Mesangial proliferation は軽度であっ た。蛍光抗体ではメサンギウム領域にC3の沈 着を認めたが,硬化した糸球体であり滲出性の 変化が疑われた。また,IgAもメサンギウム領 域に沈着を認めた。電顕ではメサンギウム領域 と上皮化にdense substanceを認め,足突起の癒 合が目立つ。 経 過:図⑥ 腎生検後,ステロイドパル ス療法を施行し,その後比較的早期にMPO-ANCAと血尿は陰性化したが,蛋白尿が遷延し たため,2009年7月に第二回腎生検を施行した。 入院時検査所見(2009 年7月):図⑦,⑧ 腎生検所見(2009年 7月):図⑨,⑩,⑪, ⑫ 51個の糸球体が採取され半分以上の硬化 を認める糸球体は完全硬化のものを含め,36 個ほど認めた。半月体の形成が比較的目立ち, 線維性半月体を1個,線維細胞性半月体を6個 程度の糸球体に認め,線維細胞性半月体の中に は,Segmentalだが細胞成分がやや目立つ半月 体も見られ,血管炎の活動性を疑わせる。また, 硬化した糸球体周囲の間質には,PATCHYな 炎症細胞浸潤を認めるが,一部は軽度から中等 度の単核細胞浸潤があり尿細管の委縮を伴って いる。

ネフローゼ症候群を呈しMPO-ANCA陰性となっても

半月体形成が持続する腎炎の1例

柳   麻 衣

1

  三 橋   洋

1

  金 岡 知 彦

1

東   公 一

1

  吉 田 伸一郎

1

  大 澤 正 人

1

田 村 功 一

1

  戸 谷 義 幸

1

  梅 村   敏

1

長 濱 清 隆

2

  稲 山 嘉 明

2

  

(2)

図1 図2 尿所見 比重 1.015 pH 6.0 蛋白 3+ 潜血 3+ RBC >51 /HPF 顆粒円柱 1-3 /WF 蝋様円柱 1-3 /WF 赤血球円柱 1-3 /WF 尿蛋白/Cr比 4.5 g/g Cr 蓄尿:尿蛋白 5.5g /日 Selectivity Index 0.32 24時間Ccr 16.3 ml/min 尿中β2-MG 7659 μg/l 生化学 TP 7.0 g/dl Alb 2.8 g/dl AST 13 U/l ALT 10 U/l ALP 143 U/I LDH 182 U/l γ-GTP 13 U/I T-Bil 0.3 mg/dl AMY 154 IU/l CK 92 U/l BUN 29 mg/dl Cr 1.92 mg/dl UA 5.6 mg/dl Na 140 mEq/l K 5.6 mEq/l Cl 107 mEq/l Ca 7.5 mg/dl iP 4.5 mg/dl CRP 1.31 mg/dl Glu 90 mg/dl T-C 249 mg/dl LDL-C 178 mg/dl TG 195 mg/dl 免疫学的検査 IgG 1577 mg/dl IgA 341 mg/dl IgM 207 mg/dl C3 103 mg/dl C4 43 mg/dl CH50 51.1 U/ml RF 2.7 IU/ml ANA 40× 抗DNA抗体 陰性 抗Sm抗体 陰性 抗SS-A抗体 267 抗SS-B抗体 13.3 抗カルジオリピン抗体 陰性 MPO-ANCA 89 IU/ml PR3-ANCA 陰性 抗GBM抗体 陰性 血算 WBC 7600 /μl RBC 384 万/μl Hb 10.7 g/dl Plt 31.3 万/μl 凝固 APTT 35.2 秒 PT(INR) 1.04 Fib 532 mg/ml 眼科受診 シルマーテスト 右13m 左2mm 両側の点状表層角膜炎あり 入院時検査所見(2008年8月)

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図3 図4 尿所見 比重 1.021 pH 7.5 蛋白 3+ 潜血 - RBC 1-5 /HPF 硝子様円柱 6-10 /LPF 尿蛋白/Cr比 2.9 g/g Cr 蓄尿:尿蛋白 3.49 g/日 Selectivity Index 0.43 24時間Ccr 34.6 ml/min 尿中β2MG 11136 μg/L 尿中NAG 14.9 U/L 生化学 TP 5.6 g/dl Alb 3.2 g/dl AST 15 U/l ALT 21 U/l ALP 124 U/I LDH 318 U/l T-Bil 0.4 mg/dl CK 34 U/l BUN 35 mg/dl Cr 1.26 mg/dl UA 9.6 mg/dl Na 144 mEq/l K 4.4 mEq/l Cl 109 mEq/l Ca 8.5 mg/dl iP 2.6 mg/dl CRP 0.07 mg/dl Glu 113 mg/dl T-C 230 mg/dl LDL-C 120 mg/dl TG 211 mg/dl 免疫学的検査 IgG 553 mg/dl IgA 149 mg/dl IgM 180 mg/dl C3 86 mg/dl C4 28 mg/dl CH50 41.9 U/ml ANA 40×(SPEC) 抗DNA抗体 <2 IU/ml 抗Sm抗体 陰性 抗SS-A抗体 39.5 抗SS-B抗体 ︽7 MPO-ANCA <10 IU/ml PR3-ANCA <10 IU/ml 抗GBM抗体 <10 IU/ml 血算 WBC 140000 /μl RBC 380 万/μl Hb 10.0 g/dl Plt 27.5 万/μl 凝固 APTT 21.7 秒 PT(INR) 0.88 Fib 212 mg/ml 第2回入院時検査所見(2009年7月)

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図5 2009年7月HE 図6 図7 2009年7月PAS 図8 2009年7月HE

問題点

◦ ステロイドパルス後に比較的早期にMPO-ANCA陰性化し血尿は消失したが,2回目の 腎生検では糸球体硬化が高度に進行してお り,また少数ではあるが細胞性半月体も残存 しており,現時点でもANCA関連腎炎の活 動性が持続していると考えるべきか。 ◦ MPO-ANCA陰性化し血尿も消失したが,尿 蛋白が持続しており,ANCA関連腎炎の活動 性によるものというより,巣状硬化巣等の炎 症後の変化に伴うものと考えるべきか。 ◦ 間質性腎炎を伴っており,これはシェーグレ ン症候群との関連と考えてよいか。 ◦ 上記を踏まえ今後の治療方針についても,コ メントいただきたい。

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討  論

座長 続いてI-2,「ネフローゼ症候群を呈し, MPO-ANCA陰性となっても半月体形成が持続 する腎炎の一例」。横浜市立大学病態制御内科 学,柳先生,お願いします。 柳 横浜市立大学の柳です。よろしくお願いし ます。  症例ですが,41歳の女性です。現病歴ですが, 平成16年に初めて健診で尿蛋白と血尿を指摘 されております。平成17年4月に他院で腎生検 を施行し,巣状糸球体硬化症の診断で経口ステ ロイド薬を開始となっております。その後,緩 解しまして,平成18年10月よりステロイドが 中止となっています。その後,平成19年9月か ら尿潜血が陽性となり,平成20年3月には尿蛋 白,陽性。同年7月に血清クレアチニン値が1.3 と上昇したため,MPO-ANCAを測定したとこ ろ,76と上昇を認めまして,同年8月に当科に 紹介されまして,腎生検および加療目的で入院 となりました。  既往症ですが,17歳で虫垂炎の手術。31歳 で左乳癌の手術を受けておりますが,再発はな く他院でフォローアップ中です。また詳細不明 ですが,シェーグレン症候群による脂肪織炎で 平成15年8月と平成16年7月にプレドニン投与 を受けております。家族歴ですが,妹に糖尿病 があります。嗜好歴,アレルギー歴は記載のと おりです。  現症ですが,四肢に下腿浮腫を認める以外は 特記すべき事項はありませんでした。 【スライド】 第1回目の入院時の検査所見で す。尿所見ですが,尿蛋白3+,潜血3+,沈 渣でも多数の赤血球を認めております。また各 種円柱を認めました。尿蛋白/クレアチニン比 4.5 ,蓄尿での尿蛋白は1日5.5gでした。selec-tivity indexは0.32と不良でした。クレアチニン クリアランスが16.3と低下しております。また 尿中β2MGが7650と著明な上昇を認めており ました。血清生化学所見ではアルブミン2.8と 低下しておりました。またアミラーゼは154と 軽度上昇しておりました。BUNのクレアチニ ンが上昇しておりまして,腎機能障害を認めて おります。またCRPは1.31と軽度上昇を認め ました。LDLコレステロール178と高脂血症を 認めております。 【スライド】 免疫学的検査ですが,免疫グロブ リンに異常を認めておりません。補体の低下も 認めませんでした。リウマチ因子は陰性でした。 抗核抗体は40倍と軽度上昇を認めております が,抗DNA抗体,抗Sm抗体,抗カルジオリ ピン抗体は陰性でした。抗SS-A抗体,抗SS-B 抗体の上昇を認めております。MPO-ANCAは 89と上昇しておりましたが,PR-3 ANCA,抗 GBM抗体は陰性でした。血算ですが,ヘモグ ロビン10.7と貧血を認めております。凝固系で はフィブリノーゲンが532と上昇しておりまし た。既往でシェーグレン症候群が疑われるとい うことと,後は抗SS-A抗体,抗SS-B抗体が上 昇しておりましたので,眼科を受診したところ, シルマーテストで右が13mm,左が2mmと,左 のほうで低下しておりました。また両側の点状 表層角膜も認めておりまして,シェーグレン症 候群が疑われました。 【スライド】 病理ですが,38個の糸球体を採 取されております。そのうち6個ほど全節性の 硬化を認めていました。間質には中等度の単核 細胞浸潤を認め,また形質細胞の浸潤があり, ところどころ尿細管の萎縮を認めました。 【スライド】 細胞性半月体を2個,線維細胞性 半月体を7個,線維性半月体を1個の糸球体を 認めました。またmesangial proliferationは軽度 でした。 【スライド】 蛍光抗体ではmesangium領域に C3の沈着を認めましたが,硬化した糸球体で あって滲出性の変化が疑われました。またme-sangium領域にIgAの沈着も疑われました。電 顕ではmesangiumにdense sub-stanceを認めてい ますが,糸球体が硬化しつつある上,IgA腎症 で認められるような典型的なdense depositとは

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やや異なっており,滲出性のものであると考え ました。同様のdense substanceが上皮下とおぼ しき部分にも見られました。足突起の癒合が目 立ちました。 【スライド】 臨床経過ですが,2008年9月に第 1回の腎生検を行いまして,その直後にメチル プレドニゾロンを1g,3日間によるステロイド パルス療法を施行しました。その後,プレドニ ン35mgから後療法を開始しまして,徐々にta-pering をいたしました。2008年11月にはMPO-ANCAが陰性化し,2008年12月には尿潜血も 陰性化しました。しかし,血清クレアチニン値 は一時3.6まで上昇し,速やかに低下したので すが,尿蛋白はご覧のとおり持続いたしました。 外来でプレドニゾロン,tapering中に再度,尿 蛋白が一時上昇し,プレドニンをさらに30mg 増加いたしまして,ただその後も尿蛋白が若干 減ったのですが持続するために第2回の腎生検 を2009年7月に施行しております。 【スライド】 2回目の入院時の検査所見です。 尿所見ですが,蛋白3+を認めておりますが, 潜血は陰性となっています。円柱は硝子様円柱 を認めましたが,ほかの円柱は陰性となってお りました。尿/蛋白クレアチニン比は2.9,蓄尿 での尿蛋白は1日3.49gでした。selectivity index は0.43と不良でした。クレアチニンクリアラン ス34.6と低下しておりますが,前回入院時より は改善しておりました。また尿中β2MG,尿 中NAGともに上昇しておりました。生化学所 見ですが,総蛋白,アルブミンの低下を認めて おります。BUNのクレアチニンは35の1.26と 上昇しておりますが,前回入院時よりは改善し ておりました。CRPは0.07と陰性でした。 【スライド】 免疫学的検査ですが,IgG553と 低下しておりました。また抗核抗体は40倍と 軽度上昇しておりました。抗SS-A抗体39.5と 上昇しておりましたが,抗SS-B抗体は陰性化 しておりました。MPO-ANCAも陰性化してお ります。血算ですが,ヘモグロビン10.0と貧血 を認めております。 【スライド】 第2回目の腎生検ですが,51個の 糸球体が採取されております。半分以上の硬化 を有する糸球体は完全硬化のものも含め36個 程度認めております。ほかの糸球体も程度の差 はありましたが,比較的高度の硬化を伴ってい ました。また間質ではpatchyな炎症細胞浸潤を 認めました。 【スライド】 半月体の形成が目立ち,線維性半 月体1個,線維細胞性半月体は6個ほどの糸球 体に認めました。 【スライド】 左上のほうですが,線維細胞性半 月体で癒着,巣状硬化層を伴っています。右下 のほうですが,segmentalですが,細胞性の目 立つ半月体が見られます。この所見からは活動 性を疑わせる所見と考えました。 【スライド】 間質にpatchyな炎症細胞浸潤を認 めましたが,この左上のものですが,それは硬 化した糸球体の周囲でした。ただし,一部では 軽度から中等度の単核細胞浸潤を認め,尿細管 の萎縮も伴っていました。硬化した糸球体の数 が多くて,蛍光抗体,電顕には糸球体が含まれ ておりませんでした。 【スライド】 この症例での問題点ですが,ステ ロイドパルス後に比較的早期にMPO-ANCAが 陰性化し,血尿も消失しておりましたが,2回 目の腎生検では糸球体の硬化が高度に進行して おりまして,また少数ではありますが,細胞性 半月体も残存していて,現時点でもANCA関 連腎炎の活動性は持続していると考えるべきで しょうか。  またMPO-ANCAは陰性化し,血尿も消失 しましたが,尿蛋白が持続しておりまして, ANCA関連腎炎の活動性によるものというより も,炎症後の巣状硬化層などの変化に伴うもの と考えるべきでしょうか。また間質性腎炎を 伴っておりまして,これはシェーグレン症候群 との関連を考えてよいでしょうか。  上記を踏まえまして,今後の治療方針につい てもコメントをいただければ幸いです。以上で す。

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座長 ありがとうございました。早速,臨床の ほうで質問やコメントがありましたら,お願い します。 前田 大変面白いと思いますが,尿中β2ミク ログロブリンを測っていますね。あれが第1回 目に比べて,第2回目が多いですね。それはやっ ぱり間質性変化が強くなったというふうに考え るんです。ただクレアチニンクリアランスはむ しろ良くなっています。それは本当に良くなっ たのか,それとも尿を,どこかを取るところが 抜けているのか,それはどうなんですか。その 辺の検討についてうかがいたい。 柳 恐らく蓄尿がきちんとできていましたの で,クレアチニンクリアランスはきちんと評価 されていると思うのですが,恐らくクレアチニ ンクリアランスが2回目のほうが良くなってい たというのは,ステロイドの治療によって半月 体形成の糸球体腎炎のほうが良くなって腎機能 としては良くなったのではないかと考えており ます。 前田 β2が尿中で増えているというのは。 柳 そうですね,間質性腎炎については,まだ ちょっと活動性が高いのではないかというふう に考えています。 前田 だからβ2だけではなくて,ほかのアル カリフォスファターゼとか,ほかの酵素を測っ てみるとそれは分かるのではないかと思う。も し,こういう症例が出たときに尿中のそういう のを検討していただけたらありがたいかなと思 います。 柳 ありがとうございます。 座長 ありがとうございました。ほかに臨床の 面でお願いします。 原 虎の門病院の原です。一つお教えいただき たいのですが,MPO-ANCAはdouble negativeで しょうか。ANCAはELISAで測るのと,もう一 つ蛍光抗体法で見るANCAともに陰性のdouble negativeなのかどうかとうかがいたかったので す。 柳 現時点でですが,ELISAでしか測ってない と思うのですが,すみません。 原 MPO-ANCAは,両方が-の場合と片方が +の場合,両方+の場合があります。MPO-ANCAというのが最初は分からないのですが, 変化しうるものなのかどうかというところで, 完全にnegativeといっていいのかどうかと思い まして。 柳 調べておりませんでしたので,ありがとう ございます。 原 それから第1回目の腎生検所見というの は,よそでやっていらっしゃいますよね。 柳 ここで申し上げている第1回目というのは 当院で行った第1回目で,確かにその前に他院 でやっているのですが,そちらのほうは問い合 わせたのですが,詳細不明でわたしどもは病理 をあまり確認できておりません。 原 分かりました。最初の他の病院の腎生検所 見とか,その当時の所見が分かれば,今回3回 目の腎生検ですから病変の推移や診断に関して より適切と思ってうかがいました。どうもあり がとうございました。 柳 ありがとうございます。申し訳ありません。 座長 ありがとうございました。ほかにご意見, コメントはないでしょうか。では早速,病理の ほう,ご検討をお願いします。重松先生,お願 いします。 重松 この病変を演者はANCAの半月体形成 性の腎炎がずっと持続しているという見解をお 取りになっているというふうに聞いたのです が,本当にそれでいいだろうかということをお 話ししてみたいと思います。 【スライド01】 第1回目のbiopsyですが,この 時点で間質の細胞浸潤もさることながら,かな り硬化糸球体もあるし,間質の線維化もある。 だからこれは急性RPGN症候群が来る前に病変 があった。それがFGSで説明できるかどうか ということがあると思います。 【スライド02】 この続きの標本ですが,フレッ シュなANCA関連の腎炎が加わった部分もあ るし,それから前のFGSと診断を受けたそれ

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が持続しているところも,どうもありそうだと いうことであります。 【スライド03】 それで病変として見られるの は,こういう多くはsegmentalのFGSまがいの 病変がまずあることが一つ指摘されます。 【スライド04】 それからRPGN,ANCA関連の 糸球体腎炎というためには,とにかく病理では necrotizing lesion が必須で,この病変はnecrotiz-ing and crescentic GNでANCA関連腎炎の一つ の特徴です。基底膜が断裂して,しかもそれが pauci-immuneで起こってきているという,こう いう壊死巣があるということは,これは確か にこの標本ではANCA関連の糸球体腎炎が起 こっているという大きな組織学的な証拠になる と思います。 【スライド05】 これはPAM染色のものと同じ ところですね。PAS染色でも一緒だけれど, PAMのほうが鮮やかに見られると思います。 こういうfibrinoid necrosisといわれるような病 変を糸球体の中に見つけることがANCA関連 の糸球体腎炎をうんぬんするときに一番大事な ところではないかと思います。 【スライド06】 この症例ではmesangiumにはか なり硬化があるわけです。そういう硬化がある ところにバーッと壊死性病変,これはfibrinoid 壊死ではないですが,基底膜が断裂して管外病 変が起こっていますね。これもANCA関連腎 炎として見てもおかしくない。ただ,こうい う硬化が先行しているということは,これは ANCAだけの腎炎ではどうもないということが 言えるのではないかと思います。 【スライド07】 ここは半月体になってしまっ ていますが,これはANCAでも起こることで すね。半月体ができています。 【スライド08】 これはFGS的なところがあっ て,そこに半月体様の病変がありますので,こ れはANCA関連の糸球体病変というよりも, むしろ最初,FGSだと診断を受けた,その病変 がまだ一方ではあるということを示している所 見ではないかと思います。 【スライド09】 ここでは硬化してしまったと ころのほかに,かなりフレッシュな半月体形成 があって,ボーマン嚢が破れて間質のほうに炎 症が進展している。こういうのもANCA関連 の腎炎でよくあることです。 【スライド10】 ここなんかはこれだけ硬化が 急に一遍に起こるということは考えにくいで すから,これは先行病変で起こったところに pseudo-tubular reactionみたいなのが起こってい る変化だというふうにわたしは見ました。 【スライド11】 それで蛍光抗体を見てみます と,IgAは十分に軸部に染まっていると思いま す。だからIgA腎症があるのだろう。それか らIgMも染まっていますね。ただIgAがこれだ けパターンとして染まっているのだとすると, FGSというふうに見られたその変化もIgA腎症 のFGSのタイプを取るような亜型があります から,そういうもので考えても矛盾はないとわ たしは考えました。 【スライド12】 そして電顕はたくさん撮って あって非常にありがたいのですが,なかなか解 析が難しいです。解析ができる例ですが,ここ は基底膜で,ここはcapillary lumenですね。そ うしてきますと,ここにあるのは半月体とい うことになります。半月体の中にはこういう 遊走細胞のmonocyteがあるし,上皮細胞の変 性したものも入っている。基底膜はBowman's capsuleがまだちゃんと保持されています。 【スライド13】 これも半月体のところだと思 うのですが,ここはBowman's capsuleがずっと ちゃんと厚みは持っていますが,ここだけ急に 細くなってしまって,まだ破けていませんが, この半月体が破け出る寸前みたいな状態であ る。ここにもやはり上皮細胞だけではなくて, 炎症細胞,macrophageがたくさんのlysosomeを 持って入り込んでいます。 【スライド14】 それでIgA腎症ならばdeposit が見えるはずだということですね。こういう ANCA関連腎炎みたいに管外性になるような 激しい炎症があると,IgAのdeposition自身が

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washed outされてしまうということでIgA沈着 が落ちることがあるのですが,この症例では結 構残っていると思います。 【スライド15】 何か変な膜構造がスライド上 に出てしまいましたが,structureではなくて何 かの画像を作る上での間違いで入ってしまった ので,無構造のdepositがあるということです。 これはmesangium細胞です。 【スライド16】 そして今度はB2に入ります。 B2ではご覧のようにglobal sclerosisになったの が過半数あって,間質には石灰沈着もあるよう です。 【スライド17】 恐らく管外性病変であるもの は治療が効いて部分的な硬化巣になっていると 見られます。 【スライド18】 それからここなんかも恐らく 管外性の部分が硬化を起こして細胞線維半月体 様のものになっているということです。ここの ところは癒着病変で,これはFGSとかIgA腎症 なんかでも見られる変化で,これが炎症として 持続しているということは確かだと思います。 【スライド19】 これも恐らく管外性病変が硬 化して,ここでは炎症は終結しているとみなし ていいと思います。 【スライド20】 これは山口先生がお出しにな ると思いますが,間質の病変が強いので,尿細 管がつぶされてしまってできたatubular glom-erulusです。間質が硬化,癪痕化するとよく起 こってくる現象です。 【スライド21】 線維性の半月体になったりし て,管外性の病変は大体決着がついて,ANCA が陰性化すると同時にその病変も落ち着いてい るのだけれども,最初にFGSといわれた病態 はまだ続いているというのがB1,B2を通して 見たわたしの印象です。  そういうことで,とにかくANCA関連の腎 炎で一番大事なのは,係蹄壊死を伴った糸球体 があるのか,ないのかということですね。これ があった場合には,まだ炎症が持続しているこ とになりますが,この症例ではB2になるとこ れがゼロになっていますね。管外性病変はある 程度残っていますから,治療が効いて治るもの は治ってしまう。そして駄目なものは全節性硬 化になるので,全節性硬化は増えています。け れども,やはり分節性病変というのは依然とし て残っているわけですね。ということでわたし 自身は,これはIgA腎症がずっと初めからあっ て,その間にANCA関連の腎炎がばっとかぶっ て,そしてその腎炎は治療によって改善されて, そしてまだIgA腎症としての慢性の炎症経過は 依然として残っている。そういうふうに解釈い たしました。以上です。 座長 ありがとうございました。では引き続き, 山口先生,お願いします。 山口 いみじくも原先生が言われた最初の生検 の情報がわれわれにないということが,2番目, 3番目の生検をどう解釈するかということで, 随分左右されてしまう症例だろうと思います。 重松先生はFGSといってもIgAがある程度古く なるとFGS 様の病変になりますので,それだ ろうと。僕はあまり考えなくて,ANCA関連腎 炎でも(★②21:38 /一語不明,スモールザリ ング)のものはFGS likeになって,ときどき間 違えられて見られていることがありますので, ずっと連続してANCA関連腎炎が続いている のかなというふうに割り切って考えてしまいま した。そうするとそれによって,また見方が変 わってしまうんですね。ですから,やっぱり最 初の生検でどういう情報があったのかを,正確 にわれわれのほうに言っていただかないと,こ の症例の解釈がだいぶ変わると思います。  それから私自身,シェーグレンがあるという 話を,プロトコルだけを見ただけでは全くあり ませんでしたので,またそこを解釈し直さない といけないということがありますね。なるべく 情報は前もってすべて出しておいていただきた いなと思います。 【スライド01】 比較的弱拡で見ますと,びま ん性の間質炎あるいは尿細管炎,それから糸球 体には比較的新旧の糸球体炎,それから古い

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つぶれ,そういったものが混在しているんです よね。場所によってやられ方が非常に違いま す。もちろん間質炎が非常に強いというのは, ANCA関連腎炎では特徴的な所見ですし,古い つぶれでリンパ濾胞様になってくるのは,もし かしたら,それはシェーグレンが絡んでいるの かもしれないと言われれば,それまでになって しまいますね。尿細管上皮障害もある。 【スライド02】 こういうのはANCA関連でも, ある程度globalにつぶれていますが,後で銀で 確認すればcrescenticなものでscleroticになっ てきたということがうかがえるわけですよね。 fibrinがfibrinoid壊死があって一部はscarになっ ているということですね。あと尿細管障害と赤 血球円柱が見られています。 【スライド03】 この辺はどちらかというと peritubular capillaritisですね。毛細血管炎。これ もANCA関連腎炎で非常に出やすい病変です。 シェーグレンですとperitubular capillaritisはそ んなに目立たないですね。それから非常にmild なtuft necrosis,necrotizingな病変ですね。ある いはこういうところもそうです。  ではmesangium側の反応があるのか。IgA腎 症があるのか,ないのか。なかなか難しいよ うに思います。われわれもときどきmesangial deposit,paramesangial depositがはっきりしてい る症例はいいのですが,分からない症例ですと, 光顕でもPAMでもparamesangial depositを見逃 してしまうことはよくあります。  この辺はどうでしょうか。少し増殖性の病変 がある。あるいは外来性の細胞がだいぶ入り込 んでいますが,こういうsegmentalな病変のあ るところというのは,どうしてもhypercellular になる。あるいは外来性の細胞も入り込んでく るということで,もともとIgA腎症があるかど うかというのは,これだけでは分からないです ね。 【スライド04】 先ほどつぶれたところはどう でしょうか。少し新旧が。だから平成16年の FGSといわれた時点での病変が,というか,そ こから連続しているのが,いつから始まった。 大体crescentでも半月ぐらいでscleroticになり ますので,これ自身はボーマン嚢が壊れてfi-brous crescentになっていますので,一部は少し cellularなところ。後でアクティビティを見る 上で非常に重要だと思います。この辺はほとん どfibrousになってtuftが巻き込まれてsclerotic になってきているわけで,全部crescentの病変 ということでtuftが二次的にそこがruptureして scleroticになったと考えれば,crescenticなもの だけで十分解釈が可能であるということです。 plasma,リンパ球が比較的びまん性に出ていま すが,これもANCA関連ですから,当然あり うると思います。それから尿細管上皮障害もあ ります。 【スライド05】 先ほどのtuft necrosisのところ ですね。こういうような軽いfibrin様のmaterial が外へ出ていますが,こっち側の,mesangium 側の反応というのはないです。ただ,ここは病 変がもっと幅が広いのだろうと思うので,こう いうようにちょっと分からなくなっています。 mesangiumのところが全体にhypercellularで外 来性の細胞が混ざっていたところですね。それ から尿細管炎も,もちろんシェーグレンでも 尿細管炎は出てきますが,ANCA関連腎炎でも lymphocyticなtubulitisというのが大体。好中球, neurotrophicなtubulitisと,一応,最近は入って きている細胞によって区別しようという考え方 が出てきています。 【スライド06】 先ほど,これは重松先生がちょ うど銀で見せたところのMassonですね。fibrin materialでtuftがnecrosisになって,ここが線維 性に置換しますとsegmental sclerosisになってし まうわけですね。じゃあ,ここに古いのがある ではないか。よくANCAでも新旧がいろいろ 混ざるということはあります。 【スライド07】 全く銀で同じで,fibrinoid ne-crosisで,あちこちでtuftが消失して,そこの 部分は最終的にはsclerotic。ただ,こちらは少 し古いんじゃないのと言われれば,恐らくそう

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だろうと思います。ただ原因はこちらで来ても, そう変わらないようには思います。 【スライド08】 こういうようにあちこちに癒 着病変があるので,これはIgAでも来るだろう。 それから内皮が嫌に増えたように,あるいは二 重化が起きている。血行動態が非常に異常な状 態になってきているわけで,もちろんこういう 小さなfibrous cellular crescentということも否定 できないように思います。 【スライド09】 cellular crescentで部分的には明 らかにcrescentの病態が不随していることは間 違いないです。 【スライド10】 これは尿細管間質炎が非常に 強いところですね。いわゆるtubulitisが非常に 顕著なところ。あるいはperitubular capillaritis の 顕 著 な も の で す。peritubular capillaritisが ANCAでは先行する場合も,そういう症例も報 告されていますし,あるいは尿細管炎も実際に われわれは,ANCA関連の場合は,大体は随伴 するということは見ています。 【スライド11】 ですからこれだけではいわゆ るシェーグレンによる病変なのか。こういう apoptotic bodyもありますし,尿細管炎が起きて いることは事実だろうと思います。peritubular capillaryも少し炎症細胞浸潤があってtubulitis を起こしてきている。apoptotic bodyも上皮細 胞のapoptotic bodyも見られるということだろ うと思います。 【スライド12】 rebiopsyがこれです。いろいろ なつぶれ方をしています。こういうように尿細 管間質が非常に幅広く障害を受けてしまって いる場所です。それからこのようにatubularに なってglobalなscleroticに完全になってしまっ ている領域。ですから尿細管もだいぶ混ざって いますから,われわれは例えばANCAですと, 動脈炎が何か随伴していなかったかどうか。そ ういったことも一応考えなくてはいけない。生 検でうまく動脈炎がつかまってくることはなか なか少ないように思います。 【スライド13】 あるいはこのように軽いとこ ろもあります。尿細管系が比較的よく残って います。リンパ濾胞様のところでsegmentalな scleroticな病変が主体で病変も全周性ではなく て,比較的軽微なところで尿細管も比較的保存 されて,capillarisとかtubularisはほとんど見ら れない場所もあります。 【スライド14】 あるいはリンパ濾胞様に集積 してくる。ANCAでわれわれはrebiopsyの症例 を何例か見ましたが,濾胞様に残っていた症例 もあったようには思います。globalにつぶれて きて,あるいはsegmentalに硬化してきている。 【スライド15】 ほとんどこういうつぶれた糸 球体はtuftの一部が不完全な形で残っています ので,こういうようにfibrousなものに置換され て向こう側にtuftの一部が残っていますので, ほとんどcrescenticに障害を受けてつぶれてき た糸球体ということが言えると思います。 【スライド16】 ちょっと分からないのももち ろん。少し毛細血管腔が残っているので,虚血 とは言えない。やはりcrescentでボーマン嚢が なくなっていますから,crescenticでいいのだ ろうとは思います。間質炎の程度は糸球体のつ ぶれのわりには間質炎がまだ比較的残っている かなという印象はあります。ただ,全然ない場 所もあるんですね。 【スライド17】 しつこいようですが,このよ うにtuftが部分的に残っていますから,こうい うのは,やはり虚血では言えませんので,大部 分は,糸球体全体が大きいですね。やはりscar になった糸球体ということが言えると思いま す。完全にこういう炎症細胞がなくならないの も,組織修復がまだ十分に終わっていないとい うことを示唆しているのだろうと思います。 【スライド18】 それでactive lesionと見るかど うかの問題です。演者は細胞がこういうところ にいる。それから硬化,癒着がある。それから こういうところも細胞が少しいます。adenoma-toid。日医の山中先生たちはadenomatoidの所見 を連接して,基本的にはadenomatoidというの は,修復起点であってアクティブなcellularな

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変化とは言えないというふうに山中先生も言っ ていらっしゃるのですが,こういうところを 修復性の上皮のliningと見るかどうかなのです ね。それをcellular crescentと言ってしまうかど うか。そこが見解が違ってくるところですね。 比較的こちらは尿細管系はよく残っています。 【スライド19】 ですからこういうところです ね。どうするか。確かに細胞は多いんですね。 こういうところもそうです。ただ,こういうの は,いわゆるadenomatoidで連続切片を切って いきますと,ボーマン嚢腔につながったlumen が,上皮がそこをliningするのであるというこ とが連続切片の山中先生たちの仕事では確認さ れているわけで,そうしますと癒着とか硬化性 の病変が尿細管極の腔につながっていますと, このような上皮のliningがあちこちに起こる。 それは修復起点として行われるわけで,アク ティブなcellular crescentとは言えないというこ とですね。 【スライド20】 似たような,この辺をどう見 るかです。確かに細胞が多いのです。ただ癒着 して,硬化している。こういうふうになってい れば,われわれは何も問題を感じないのですが, このような上皮が反応して,そこを置換して くるということです。それから部分的にcastが あって,間質炎と尿細管炎がまだ部分的に残っ ているようなところがあります。 【スライド21】 後はつぶれがよく分からな かったのも,globalでcrescentの跡があまりはっ きりしないつぶれがあります。これはIgA腎症 がベースにあってつぶれてきたのか。真ん中 にcollapseしているわけではないのですね。断 裂もない。よく分からないつぶれがあります。 それからatubular,これは尿細管炎でatubularに なってもいいと思います。こちらがどちらとも 言えない病変だろうと思います。 【スライド22】 間質炎が強くて,巨細胞なん かが反応しているところが部分的に。それか ら好中球,cell debrisみたいなものが尿細管炎, 先ほど尿細管系のデータがまだ残っているとい うことで,もしかしたら糸球体よりは尿細管間 質炎のほうが普通は残っていることはあまりな いのですが,そちらが残ってしまっているのか なと。シェーグレンとは私自身は分かりません でしたが,何かそういう病変が持続してしまっ ているのかなというふうには思います。 【スライド23】 IgAは,これは1+なので,わ

れわれはmesangial IgA depositionというのは1 +以下ということにしていますので,C3も出 ていますので,顕性のIgA腎症,あるいはme-sangial IgA depositionでも,どちらでも取りう る所見だろうと思います。 【スライド24】 電子顕微鏡は先ほど重松先生 がcrescentがあるということと,depositが何カ 所か,paramesangialあるいはhANP likeのもの があったように思います。 【スライド25】 これがそうですかね。上皮下 沈着物,hANP様のものですかね。それから好 中球,macrophageが基底膜の断裂を起こしてい るように思います。これも好中球か何かだと思 います。paramesangium,どこでしたか。この 辺にかすかにあるかなという程度で,そんなに depositが目立たないように思います。 【スライド26】 これは間質炎でplasma,リン パ球が主体です。 【スライド27】 先ほど重松先生が分布でパー センテージをきれいに出されたのですが,確か にcellularなものは少なくてfibrous cellularで, やはりnecrosisはいみじくも重松先生と同じ数 になったので僕も安心したのですが,normal なものもある。それからperitubular capillaritis, tubulitisがあるということですね。この問題は fibrous,adenomatoid crescentというのは基本的 におとなしくなったcrescentである。with seg-mental sclerosisというのはほとんどで,それを 既存にFGSがあったかどうかというのは,こ れは一番最初の生検をもう1回,見直さない限 りは結論は出ないように思います。sclerosisが やっぱりglomerular cystも二次的に出てきた。 これは,私自身は逃げています。どちらでもい

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いという考え方であります。hANP様のもの, それからparamesangialにdense depositがあると いうことですね。 【スライド28】 最近はいわゆるrenal progenitor cellでCD24とCD133陽性のものがボーマン嚢 上皮にあって,それがいろいろな修復に働くと いうことです。尿細管の修復にも働きますし, あるいは上皮のpodocyteの,われわれはよくこ ういうところはtransitional cellというか,両方, foot processを持ったpodocyte。ですから(★②

39:57/一語不明)が陽性のものもボーマン嚢 側に見ることはあります。血管局部側に比較的 多いです。この細胞はどちらにも移行します し,修復にも働くということで,この症例は シェーグレンがどのくらい絡んでいるのか,あ るいは最初のIgA腎症がどのぐらい絡んでいる のか,非常に分からないですね。ただ糸球体 に関しては,あまりアクティビティはなくて, tubularinterstitialに,じゃあ,なぜ蛋白が出てい るのか。全体に非常に硬化が進んでしまってい ますので,ある程度,8割ぐらいはつぶれてき ていますから,hyperfiltrationの影響も少しはあ るのだろうと思われます。以上です。 座長 ありがとうございました。実はこの患者 さんは,僕が外来で診ている患者さんで共同演 者ということになるのですが,シェーグレンの ことのご連絡がなくてすみませんでした。それ で実際,今のお話から言うと,ANCA自体は2 回目のbiopsyを見る限り,落ち着いてというか, 修復過程にあると両先生がおっしゃっていまし たので,そう思います。やはり一番大事なのは, 今,聞いていて,一番最初の腎生検で何があっ たかというのが,やはり今後の治療にすごく大 事かなと思いました。  実際,この方は42歳ぐらいの女性の方で, ステロイドで今,白内障が出てしまって,今後 どう治療していくかということを本当に悩んで いる状態でして,ANCAがもし再発で,一番最 初から実はANCAであれば,今後ももしかし たらANCAの再燃ということがあり得るので, 完全にステロイドを切るというわけにはいかな いのかなと。  あとIgA腎症があれば,少し硬化が進んでい るので,積極的な治療にならないのかもしれな いのですが,その辺,やはり一番最初の腎生検 をもう一度,何とか手に入れて検討をしたいと 思いました。ほかにご意見,コメントがありま したらお願いします。 乳原 虎の門病院腎センターの乳原です。質問 ではないのですが,ちょうどこの患者の年齢 が40歳ですね。尿所見が出てきたのが4年前だ から,36歳発症ということになり若年発症の ANCA関連疾患ということになります。ANCA 関連疾患の多くの症例が60代や70代という高 齢発症であり,急速に腎機能が悪くなる症例が 大多数だと思います。腎生検をしてみると半月 体形成が主体の半月体形成性腎炎と診断されま す。一方で10代,20代,30代発症のANCA関 連疾患があります。この場合の腎組織像や臨床 像についてはあまり報告されていないので詳細 は不明ですが,高齢者のものとは少し違うよう に思えます。我々の経験した症例を含めて若年 齢の報告もみますと発症時或は診断時の腎機能 が高齢者のものと比べると少しよい症例が多い ようです。すなわち,Creが1-2ぐらいの症例 が目立つようです。我々が経験した30代の症 例では,Cre2.5mg/dLの症例で,ANCA値は70-80IUで腎生検では半月体形成は目立たず巣状 糸球体硬化症(FGS)と診断されました。その 症例はステロイド治療をしましたところ,腎機 能もANCA値も良くなってくるのですが,数 年たってステロイドを減らしてくると再発する といったことを繰り返しました。10年たって もう一度腎生検をしますとやっぱり半月体形成 は目立たずFGS的なのですが,よく見ると係 蹄壁の断裂とfibrinoid沈着が目立ち壊死性血管 炎と診断されました。10年前のものをもう一 度見直してみますとFGS的ではありますが壊 死性血管炎と診断されました。臨床像も高齢者 では最初にステロイド治療でしっかり治療する

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と腎機能もANCA値も落ち着く症例が多いよ うに思えるのですが,若年齢ではステロイドに 反応するのですが容易に減量により再発してス テロイドが切れず,すっきりしない症例が多い ように思えます。あげくのはては徐々に腎機能 が悪くなり透析ということになる症例もあるよ うです。この症例もこのような群に属するので はないかと思えますし,こういう症例をどう治 療していくかというのが今後一番の問題だと思 います。 座長 ありがとうございました。ほかにコメン トあるでしょうか。柳先生,ありがとうござい ました。第I部を終了します。

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