外国籍住民にかかる行政施策とその法的課題
その他のタイトル The Measures of Local Governments for Foreign Residents and Their Legal Problems
著者 池田 敏雄
雑誌名 關西大學法學論集
巻 52
号 6
ページ 1599‑1635
発行年 2003‑03‑20
URL http://hdl.handle.net/10112/00023497
外 国 籍 住 民 に か か る 行 政 施 策 と そ の 法 的 課 題
は じ め に
目 次 一 は じ め に 二外国籍住民の現状把握 三外国籍住民に対する行政施策と課題 四外国籍住民の地域社会への参加と課題
五むすぴー外国籍住民施策の推進体制について
21世紀は︑情報化の世紀であると同時に国際化・グローバル化の世紀︑さらには人権の世紀であるといわれる︒
今世紀においても国際社会における国家の存在は不変であろうが︑交通・通信の飛躍的な発展により︑国境という垣
根は低くなっている︒わが国を例にとって国際的な人口移動を数字でみても︑年間約1600万人の日本人が海外に
出かけ︑約
500
万人の外国人が日本を訪れている︒外国人登録数も1969
︵昭
和 4 4 )
年以降
3 3 年間連続して過去
池 田
外国籍住民にかかる行政施策とその法的課題
︵一
五九
九︶
敏
雄
最高記録を更新しているという︒特徴的なことは︑従来からわが国に居住している在日韓国・朝鮮人や中国人の増加
はそれほどでもないが︑ニューカマーと呼ばれるタイ︑フィリピンなどの東南アジア系やプラジル︑ペルーなどの南
(1 )
米系の渡日人が急増して︑その定住化が進んでいることである︒
このような国際化・グローバル化現象のもとで︑地域社会のあり方も変化を余儀なくされている︒従来︑地域社会
にはある意味のボーダー性が伴っていたといえるが︑今日では︑地方自治体が国際交流︑民際交流を推進する立場に
あることは︑半ば常識となっている︒そもそも地方自治体の国際交流活動に枠をはめる国の法令は︑現行法上︑見当
(2 )
たらないわけで︑地方自治体の諸活動の中でも独自性を発揮できる特異な分野といわれてきた︒とりわけ近時の地方
分権の流れの中で、地方自治体が独自性を発揮して、国際交流・民際交流を地域のまちおこし•まちづくりのために、
政策的︑戦略的に活用する姿が見受けられるようになった︒多彩な実利重視の﹁交流から協力の時代﹂に入ったとい
(3 )
われる所以である︒
たとえば︑関西活性化戦略の一環として︑産学協同で組織された﹁
2 1 世紀の関西を考える会﹂︵座長・小林正一郎
関西電力相談役︶が︑2
0 0
0年
1 2 月に策定・公表した﹃
2 1 世紀の関西のグランドデザインー関西の自立と繁栄にむ
けて
ー﹂
は︑
2 1 世紀に向けた行動指針の一っとして︑﹁国際社会が抱える課題の解決を通じ︑世界の平和と繁栄に貢
献するとともに︑諸外国との活発な人と情報の交流により︑新たな文化を創造し︑学術を発展させていく﹂ことを提
言し︑﹁世界と共に発展する関西﹂の姿として︑世界から注目される﹁国際交流拠点︿関西﹀の実現﹂を掲げている︒
そして︑ステータスの向上のためには︑関西の魅力を積極的に世界へ情報発信していくとともに︑関西域内での国際
交流も積極的に展開していく必要があるとして︑外国人受入れ体制の整備・強化を掲げる︒すなわち﹁関西が世界と
関 法 第 五 二 巻 第 六 号
︵一
六
00
)
る ︒
外国
籍住
民に
かか
る行
政施
策と
その
法的
課題
︵一
六
O
I )
共に発展していくためには︑外国人との共生を大切にする住民意識の醸成も含めて︑外国人にとって訪れやすく︑住
みやすい魅力的な地域環境を整備していくべきである﹂とする︒それは︑定住外国人との多文化共生社会の姿を描い
(4 )
てい
ると
いえ
る︒
一方︑人権尊重の理念を掲げた施策が地方自治体で中核的な存在となってきた︒自治体の中には人権擁護都市を宣
言し︑人権理念を地域社会づくりのコンセプトとするところも少なくない︒そこでは︑国際人権規約に謳われる内外
人平等の原則のもと︑互いに歴史や生活習慣︑文化等のちがいを理解しあい︑共に生きる社会の実現に向けて︑施策
の推進が図られる︒2
0 0
0年
1 2 月に
2 1 世紀の大阪づくりの指針として大阪府が策定した﹃大阪再生・元気倍増プラ
ン│大阪
2 1 世紀の総合計画﹄が
2 1 世紀の大阪づくりに必要な考え方として︑誰もがお互いの人権を尊重し支えあう共
生の視点から﹁外国人が能力を発揮できる社会づくり﹂を掲げ︑︿取り組みの基本的方針﹀として﹁国籍や民族を問
わず︑すべての人が違いを認め合って共生していく地域社会づくりをめざします﹂と述べているのは重要なことであ
いず
れを
とっ
ても
︑
2 1 世紀の望まれる地域社会は︑そこに居住する定住外国人とともに構築された多文化共生社会
であり︑﹁内なる国際化﹂の促進を要請しているといえる︒
大阪を例にとって︑多文化共生社会の構築を考えると︑まず大阪府内に約
2 1 万人︑大阪市域に限っても約
1 2 万
人の
定住外国人が居住している事実がある︒国際交流の促進という点では︑これらの外国籍住民が住みやすい生活環境の
中で暮らしているかどうかが先決であろう︒かれらがどのような行政施策の下で︑いかなる環境意識をもって生活し
ているかが重要である︒かれらが関西を住みやすい魅力的な地域であると感ずることが地域社会づくりの原点である
留期間︵最長で3年︑期間更新は可能︶の定めがある︒ このような方向づけのもとで︑大阪市及び大阪府では︑定住外国人を意識した行政施策が積極的に実施されるよう
(5 )
になってきた︒そこでは︑定住外国人は﹁外国籍住民﹂と位置づけられる︒
そこで︑本稿では︑主として大阪市を例として︑地方自治体の外国籍住民に対する行政施策の推進状況を現状認識
し︑併せてその課題や問題点について検討を加えることにしたい︒
外 国 籍 住 民 の 現 状 把 握
わが国の﹁出入国管理及び難民認定法﹂︵以下﹁入管法﹂という︒︶は︑外国人が日本に入国し在留するための基本
的な枠組みとして︑在留資格制度を採っている︒したがって︑入国者は他の法律に特別の規定がある場合を除き︑入
管法上のいずれかの在留資格を必要とする︒ひと口で外国籍住民といってもその在留資格等は多様であるので︑まず︑
どのような範囲の外国人が多国籍住民に該当するのかをみることにしよう︒
最初に︑多国籍住民は﹁永住者﹂と﹁非永住者﹂に分けられる︒永住者はその在留期間は無制限で︑非永住者は在
永住者は︑さらに︑﹁一般永住者﹂と﹁特別永住者﹂に区別される︒前者は入管法に基づき法務大臣から在留資格
として永住許可を受けた者で︑5年以上在留した日本人の配偶者等が申請できる︒後者は﹁日本国との平和条約に基
づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法」(1991年11月11日施行•以下「出入国管理特例法」
という︒︶に基づき特別永住者の資格を付与された者をいう︒出入国管理特例法によると︑特別永住者の資格を与え ように思われる︒
関 法 第 五 二 巻 第 六 号
四
︵一 六〇
外国
籍住
民に
かか
る行
政施
策と
その
法的
課題
増えたことによる︒ 1
4人
(5 .3
%︶の順となっている︒ られる者は︑サンフランシスコ平和条約の発効
(1 95
2年4月
2 8 日︶に伴い日本国籍を離脱した者及びその子孫と
︵同
法
2条 ︶
︒
また︑非永住者については︑その在留資格は﹁日本人の配偶者等﹂︑﹁永住者の配偶者等﹂︑﹁定住者﹂︑﹁留学﹂︑﹁家
族滞在﹂など入管法別表に定められており︑その種別は
2 5 種
に及
ぶ︒
法務省入国管理局の統計によると︑
8462人で︑過去最高を更新した︒
この
数は
︑
ラジ
ル︑
される
2
0 0
1 年末現在において︑外国人登録を行っている在日外国人数は
177
万
1 0 年前の1991年と比べると
5 5 万9771人
(4 5. 9%
︶の増加となっている︒その内訳は︑永住者
が
6 8 万
4853
人
(3 8. 5%
︶︑非永住者
109
万
3609
人
(6 1. 5%
︶
万
1225
人
(2 1. 4%
︶︑
プラ
ジル
2 6 万
5962
人
(1 5. 0%
︶ ︑
フィ
リピ
ン︑
五
で︑
永住
者の
うち
︑
︵一
六 0 1
︱‑︶
071
人︵外国人登録者総数の構成比の
10 .3
%︑以下同じ︶︑特別永住者は
5 0 万
782
人
(2 8. 2%
︶である︒非
永住者については︑日本人の配偶者等
2 8 万
436
人
(1 5. 8%
︶︑
定住
者
2 4 万
4460人
(1 3. 7%
︶︑
留学
9万
3 6
これを国籍︵出身地︶別でみると︑韓国・朝鮮
6 3 万
2405
人︵外国人登録者総数の構成比の
35 .6
%︶
︑中
国 3 8
フィリピン
1 5 万
6667
人
(8 .8
%︶
︑ペ
ルー
5万
052
人
(2 .8
%︶となっており︑韓国・朝鮮は1位であるが︑その比率は年々低下傾向にある︒それは︑プ
ペルー︑タイなどの南米や東南アジアからのいわゆるニューカマーと呼ばれる外国人の在留が
都道府県別の外国人登録者数をみると︑東京都が
3 1 万
8996人
(1 7. 9%
︶︑
大阪
府
2 0 万
9700人
(1 1. 8%
︶ ︑
一般永住者は
万41 8
はいうまでもない︒ リ
ピン
2.0
%の
順に
なる
︒
愛知県
1 4 万
9612
人
(8 .4
%︶︑となっており︑以下︑神奈川県︑兵庫県︑埼玉県︑千葉県︑静岡県︑京都府と
(6 )
続い
てい
る︒
この都道府県別と国籍︵出身地︶別をクロスして各都道府県の外国人登録者数における国籍︵出身地︶別割合をみ
ると︑東京都は︑中国が
32 .1
%︑韓国・朝鮮が
31
.6
%と両者で全体の
6 0 %以上を占めるが︑以下フィリピン︑米
国と続き︑比較的偏りが少ない︒しかし︑大阪府︑京都府は韓国・朝鮮だけで
7 0 %以上を占め︑大きな偏りが見受け
られる︒大阪府の場合︑韓国・朝鮮が
74
.3
%で
1位
︒以
下︑
2位中国
14 .5
%3位プラジル2.5%4位フィ︑︑
これを大阪市に限ってみると︑
1 2 万
251
人の外国人登録者数のうち︑9万4948人が韓国・朝鮮で全体の
7 9 .
(7 )
0%を占める︒外国人登録者5人のうち約4人が韓国・朝鮮籍ということになる︒さらに︑行政区別人員数をみると︑
生野区が3万4508人とずば抜けて多い︒生野区の人口は
万1 4 1295人
(2 0 0
1年
1 0 月
1日
現在
︶
であ
るか
ら︑
生野区の住民のうち約4人に1人が韓国・朝鮮籍住民ということになる︒大阪市にこのような韓国・朝鮮籍の人たち
が集
住す
るの
は︑
1910年代半ば以降︑日本の労働力不足を補う形で︑労働条件の厳しい職場を中心に応募や強制
(8 )
連行により来日した町工場労働者が多いという過去の経緯があることによる︒このように韓国・朝鮮籍住民が多数生
活し︑集住する地域が存在することは︑地方自治体が外国籍住民施策を策定する際には︑
以上は︑外国人登録を行った適法在留者の話であるが︑さらにいえば︑わが国には︑不法滞在者としての定住外国
人が存在することも事実である︒法務省入国管理局の統計によると︑減少傾向を示しているとはいえ︑2
0 0
3年1
関 法 第 五 二 巻 第 六 号
一定の配慮要素となること 六
︵一
六0
四 ︶
外国
籍住
民に
かか
る行
政施
策と
その
法的
課題
こと
があ
る︒
としては︑先に述べたように︑
外国籍住民に対する行政施策と課題
の下で︑課題とされているといえよう︒ 月1
日現
在︑
七
(2 4. 6%
︶︑②フィリピン2万9649人
(1 3. 2%
︶︑
③中
国
2万7582人
(1 2. 3%
︶
︵一
六
0
五 ︶
2 2 万
4067
人の不法残留者が在留しているという︒国籍︵出身地︶別では︑①韓国5万5164人
の順となっているdこ
れらに加えて統計上に現れない不法入国者や不法上陸者が存在する︒このような不法滞在者がいずれに分布している
かという地域別統計はないが︑
多く過ごしやすいので︑不法滞在者がかなりの割合で居住していることが予想される︒
地方自治体は︑これらを含めた全体としての外国籍住民のための施策を検討し推進することが︑グローバル化現象
1990
年代に入り︑わが国でも経済・社会・文化など様々な分野でグローバル化︑ボーダーレス化が進展し︑そ
れに伴い︑わが国の地方自治体で外国籍住民に対する行政施策を推進する動きが目立つようになってきた︒その背景
り組む動きを見せ始めたこと︑ いずれかの地方自治体に居住していることは疑うべくもない︒大阪市は外国籍住民が︱つには︑地方分権の潮流に乗って︑地方自治体が地域主体の国際交流に積極的に取
いま︱つには︑人権意識の高まりを受けた人権行政の推進が強調されるようになった
国際交流活動は︑従来︑国の主導で行われてきたが︑今日では﹁国際交流﹂のみならず﹁民際交流﹂︑﹁民際協力﹂
の動きが活発である︒民際交流は︑国とは異なる自治体の国際交流活動をイメージし︑そこでは︑姉妹・友好都市提
携による単なる国際親善ではなく地域の活性化と結びつけた戦略的発想が用いられる︒そして︑地域の国際化や活性
に関する指針﹂︑など︑各自治体の取組みは多様である︒ 化のためには﹁内なる国際化﹂が要請されることになり︑外国籍住民が︑住民として共生することのできる︑開かれ 他方︑人権行政は行政運営そのものが人権尊重の視点から推進すべきことを意味する︒人権行政を推進するに当
たっては︑誰もが個人として等しく尊重され共生していく︑差別のない地域社会の構築を実現していく必要がある︒
それゆえ︑外国籍住民の人権を尊重し︑多文化共生社会の実現を図るために外国籍住民が地域社会に参画できる行政 加えて︑グローバル化による来日外国人の増加や外国籍住民による公務就任権・地方参政権の保障要求の動きなど
手元にある資料だけでも︑
1992
年5月の﹁大阪府国際化推進基本指針﹂︑
1993
年3月の﹁川崎市国際政策
のガイドラインづくりのための提言﹂︑
1994
年3
月の﹁兵庫県地域国際化推進基本指針ー外国人県民との共生社
会をめざしてー﹂︑同年12月の﹁東京都国際政策推進大網﹂︑
1995
年4月の﹁京都府国際化プラン﹂︑同年5
月の
﹁在日外国人施策の充実に向けてー大阪府在日外国人問題有識者会議記録・報告集ー﹂︑同年5月の﹁﹃世界にひらか
れたまち﹄をめざしてー外国人県民復興会議からの提言﹂︵兵庫県︶︑同年12月の﹁神戸市在住外国人問題懇話会報告
書 ﹂ ︑
1998
年3月の﹁大阪市外国籍住民施策基本指針ー共生社会の実現をめざしてー﹂︑2
0 0
0年5月の﹁国際
化施策推進基本方針ー共に生き共にすすめる地域の国際化ー﹂︵豊中市︶︑2
0 0
2年12月の﹁大阪府在日外国人施策
そこで︑これらのうち外国籍住民が多数居住する大阪市の行政施策をについて︑﹁大阪市外国籍住民施策基本指針 も追い風の働きをなしたものと思われる︒ 施策を実施することが要請される︒ た地域づくりを推進することが意識されることになる︒
関 法 第 五 二 巻 第 六 号
J¥
︵一
六0
六 ︶
(1)
外国
籍住
民に
かか
る行
政施
策と
その
法的
課題
﹁大阪市指針﹂は︑世界人権宣言が1948 ー共生社会の実現をめざしてー﹂︵以下﹁大阪市指針﹂という︒︶を取り上げ︑その主な取組みを中心に︑地方自治体
﹁大
阪市
指針
﹂は
︑
1994年に市長の諮問機関として設置された大阪市外国籍住民施策有識者会議が1997年
7月に答申した﹁大阪市における今後の外国籍住民施策のあり方について﹂︵提言︶に基づいて︑1998年3
月に
策定された指針で︑﹁はじめに﹂︑﹁1基本指針の考え方﹂︑﹁2﹃内外人平等の原則﹄をふまえた行政サーピスの充
実﹂
︑﹁
3
教育
﹂︑
﹁
4相互理解の促進﹂︑﹁5地域社会への参加﹂︑﹁6外国籍住民施策の推進にあたって﹂からなっ
ている︒以下にその内容を要約して︑法的課題についてコメントする︒
基本指針の考え方
九
︵一
六
0七 ︶
︵昭
和 2 3 )
に国連総会で採択されて以来︑さまざまな国際人権諸条約
が﹁内外人平等の原則﹂をはじめとする人権に関わる国際的な基準を示しており︑人権問題は国際的にも最重要課題
の一っととらえられている︑として︑国内においては︑国籍や民族を問わずすべての人が違いを認めあい︑尊重しあ
う共生の地域づくりが求められている︑と述べる︒そして︑市域に居住する外国人は地域社会を共に構成する﹁外国
籍住民﹂であると位置づけて︑その多数を占める在日韓国・朝鮮人の多くは︑戦前の植民地政策によって日本に来住
し︑戦後も日本に住むことを余儀なくされた人々とその子孫であり︑﹁特別永住﹂の資格を持っていることなどの歴
史的経緯を十分に配慮することが重要である︑とすると同時に︑新たに来住した外国人について︑福祉や医療︑住宅︑
雇用︑教育などの分野での課題が顕在化しており︑特に言葉や生活慣習等の違いに配慮した施策の充実を図る必要が の外国籍住民にかかる行政施策の法的課題を検討する︒
(2) 推進するものとしている︒ して︑①外国籍住民の人権の尊重︑②多文化共生社会の実現︑③地域社会への参加︑を掲げる︒ 流を深める必要があり︑そのための環境づくりに努めていかなければならない︑とし︑そのための基本指針の目標と くことも極めて重要な課題である︒外国籍住民が地域社会の発展のためにその持てる能力を十分に発揮できるよう交 ある︑と述べる︒また︑共生社会の実現をめざすうえで︑外国籍住民の地域社会活動への積極的な参加を促進してい
2
0 0
2年
1 2 月の﹁大阪府在日外国人施策に関する指針﹂︵以下﹁大阪府指針﹂という︒︶も在日外国人を含むすべ
ての人の人権が尊重され︑その個性と能力を発揮できる豊かな社会の実現を図ることが︑ひいては世界都市大阪を実
現させていくことになる︑として︑﹁目標﹂として﹁すべての人が︑人間の尊厳と人権を尊重し︑国籍︑民族等の違
いを認めあい︑ともに暮らすことのできる共生社会の実現﹂を掲げて︑その﹁視点﹂として︑①人権尊重の社会づく
り︑②個々の文化を保持しながら共生できる社会づくり︑③地域社会の住民として安心して暮らせる社会づくり︑を
いずれも︑人権尊重の地域社会づくり︑多文化共生社会の実現︑をキーフレーズとした考え方を基本指針として採
用している点は共通しており︑外国籍住民に対する行政施策の必要性が掲げられている︒基本的コンセプトは正鵠を
射ているが︑それをどのように行政施策に盛り込んでいくかが問われることになろう︒
外国籍住民と行政サービス
﹁大阪市指針﹂は︑内外人平等の原則を踏まえて行う行政施策のうち︑行政サービスの充実を図る項目として①住
民としての同等な行政サービス︑②情報提供と相談体制︑③公的年金︑④高齢者︑⑤障害者︑⑥児童・母子父子︑⑦
関 法 第 五 二 巻 第 六 号
10
︵一
六0
八 ︶
外国
籍住
民に
かか
る行
政施
策と
その
法的
課題
に延長されるなど︑ うに取り組んでいる︒
︵一
六
0九 ︶
保健︑⑧医療︑⑨防災︑⑩住宅︑⑪雇用︑を掲げている︒その概要と課題は︑次の通りである︒
① 住民としての同等な行政サービス
地方自治法
2項が﹁住民は︑法律の定めるところにより︑その属する普通地方公共団体の役務の提供をひとし1 0 条
く受ける権利を有し︑その負担を分任する義務を負う﹂と規定するように︑地方自治体は︑外国籍住民が﹁住民﹂と
して日本国籍を有する住民と同等な行政サービスを受け得るように︑施策を推進すべきことは当然である︒大阪市で
は ︑ 1996
︵平
成 8)
年から外国人登録事務のシステム化を実施するとともに︑居住している区以外でも登録済証
明書の発行を行っている︒その登録データは︑プライバシー保護に留意しつつ︑住民サービスの基礎として活用され
ている︒住民登録者と同等な行政サービスを受けることができるよう︑常に外国籍住民の存在を念頭において各種施
策のあり方を検討して行く必要があるとし︑そのために各施策の行政情報は︑鋭意︑多言語で提供するよう努めてい
る︒また︑外国籍住民の言葉や生活習慣等の違いに配慮したサービスの提供ができるよう検討し︑施策に反映するよ
もっとも︑大阪市では︑2
0 0
1
︵平
成 1 3 )
年7月に外国人登録原票の写しを公安調査庁の依頼で︑国に容易に交
( 1 0 )
付し︑その取扱いが問題視された︒外国人登録情報は︑2
0 0
2
︵平
成
1 4 )
年8月から稼動した﹁住基ネットワーク
システム﹂から除かれているが︑組み込まれることになった場合には︑人権に対する十分な配慮を必要とする︒
外国人登録制度については︑2
0 0
0
︵平
成
1 2 )
年4月1日の外国人登録法の一部改正で︑これまで外国籍住民の
大きな負担となっていた指紋押捺制度が完全に撤廃され︑永住者︑特別永住者について切り替え期間が5年から7年
一定の改善が行われている︒しかし︑登録証明書の常時携帯義務は依然として残されるなど︑
vヽ
③ 公 的 年 金
協力し︑情報提供等の支援を行っていく必要がある︒ まだ不十分な状態にあるので︑外国籍住民の人権尊重と負担軽減を図る立場から︑制度の抜本的改正について︑国へ
( 11 )
強く要望して行くことが要請される︒
情報提供と相談体制
大阪市では︑生活情報冊子﹁エンジョイ・オオサカ﹂
(5
言語
︶
ための専用電話としてトリオフォン
︵三
者通
話︶
を設
置し
︑
︵昭
和 5 7 )
年1月1
日時
点で
︑①
60
歳を
超え
てい
た
の配布や大阪国際交流センターに﹁インフォメー
ション・プラザ・オオサカ﹂
(7
言語︶を設けて︑市政情報や各種生活情報を提供している︒区役所に外国籍住民の
7言語で区政相談に対応している点も評価できる︒しか
し︑外国籍住民のための相談窓口等の認知度が低いことから︑より一層の情報提供の充実が望まれる︒特に︑新渡日
外国籍住民のなかには︑言葉や生活習慣︑社会システムなどの違いに戸惑う者が少なくないので︑利用しやすい市政
相談窓口や生活情報の提供を工夫する必要があろう︒
一方︑ボランティア団体やNGo団体なども独自の情報提供や相談活動を行っているので︑こうした団体と連携︑
公的年金制度には︑国民年金と厚生年金等があり︑現在︑外国人登録を行っていることや適用事業所に雇用されて
( 12 )
いることを満たせば︑国籍の区別なく外国籍住民にも適用される︒被用者年金である厚生年金等にはもとより国籍条
項がなく︑国民年金については︑
1981
︵昭
和 5 6 )
年の﹁難民の地位に関する条約﹂批准により制定された﹁難民
条約加入に伴う関係法律整備法﹂︵昭和
5 6 法
8 6 )
で国籍条項が撤廃された︒
しかし︑外国人が国民年金に加入できるようになった
1982
②
関 法 第 五 二 巻 第 六 号
︵一
六一
0)
外国
籍住
民に
かか
る行
政施
策と
その
法的
課題
在日外国人や②すでに障害者で
2 0 歳を超えていた在日外国人等は︑経過措置がとられなかったので︑受給資格を得ら
( 1 3 )
れず無年金者となった︒そこで︑大阪市では︑これらの者に国の制度改正による救済措置が図られるまでの間︑代償
措置として受給資格を得られなかった外国人障害者に対しては1992
︵平
成
4)
年4月から﹁外国人心身障害者給
付金事業﹂︑外国人高齢者に対しては
1996
︵平
成 8)
年4月から﹁在日外国人寓齢者給付金支給事業﹂を立ち上
げて︑現在︑外国人重度障害者︵身体障害者手帳
1.2
級又は療育手帳A又は認定カード所持者︶には月額2万円
︵当
初は
3万6
0 0
0円であったが︑府の制度が実施された時点で府内の大半の市町村と同額にした︒︶︑外国人高齢
外国人重度障害者については︑大阪府が1994
︵平
成 6)
年4月から都道府県としては初めて上乗せ給付制度を
国民年金の受給資格のない者への特別給付金の支給は︑各自治体の施策によるもので評価できるが︑支給対象者の
認知度が低いので周知を図る方策が必要である︒また︑金額も少ないので︑その改善について検討するとともに︑引
大阪市の場合︑外国籍住民の高齢者の大多数を占める在日韓国・朝鮮人の中には︑歴史的経緯から日本語を十分に
学べなかった者も多く︑言葉の問題や文化・生活習慣の違いなどもあって︑老人クラプなど地域団体に加入していな
い人が多い︒そこで︑
④ 高 齢 者
き続き︑年金制度の改善に向けて国に要望すべきである︒ 実施し︑月額2万円の給付金を支給している︒ 者
(1 92
年4月1日以前に生まれた外国人で︑6
︵一
六
一定の要件を満たす者︶には月額1万円の給付金を支給している︒
1997
︵平
成 9)
年に﹁大阪市高齢者保健福祉計画﹂を見直した際︑外国籍住民の高齢者が
適切にサービスを受けることができるよう︑言葉や文化︑生活習慣の違いに配慮した施策の展開を図ることを盛り込
⑥ ⑤ 障
害
者
先の﹁在日外国人高齢者給付金支給事業﹂の実施に際し︑その﹁制度のお知らせ﹂をハングル版で配布し︑対象者
また
︑
2
0 0
0
︵平
成 1 2 )
年4月から実施された﹁介護保険制度﹂において︑在宅介護者支援事業者としてケアプ
ランを作成し︑要介護高齢者のニーズに沿った介護計画をたてるなど︑外国籍住民の高齢者が利用しやすいように
在日韓国・朝鮮人高齢者のためには︑
機能訓練を中心にした﹁生き生き教室﹂が実施されている︒軽い体操やゲームを通して外国籍高齢者の生活意欲の向
上や社会参加を促す措置で評価されよう︒
1998
︵平
成 1 0 )
年に策定された﹁大阪市障害者支援プラン﹂では︑﹁外国籍住民の障害者がサービスを適切に
利用できるよう配慮する﹂としており︑今後の障害者支援は︑国際障害者年の﹁完全参加と平等﹂の理念にのっとり︑
多文化共生の視点から外国籍住民を含むすべての人を対象に︑普遍的かつ平等に推進される︒
2
0 0
3
︵平
成 1 5 )
年度より﹁支援費支給方式﹂に移行し︑受給内容を選択できるようになるので︑外国籍住民の
文化的背景への配慮や多言語によるサービス提供方策などを検討する必要があろう︒
児童・母子・父子 1999
︵平
成 1 1 )
年から地域の集会所や小学校等の身近な場所で︑社会的
大阪市は︑外国籍住民のために︑各種言語での児童扶養手当等の周知パンフレット
(3
言語︶及び保育所ガイド サービスの充実を図っている︒ で未申請の人には直接自宅へ送付している︒ ん
でい
る︒ 関
法 第 五 二 巻 第 六 号
一四
︵一
六︱
二︶
外国籍住民にかかる行政施策とその法的課題
⑧ 医
大阪市では︑外国籍住民が地域社会で安心して生活するために︑健康診断や予防接種︑母子手帳の交付等の情報が
適切に提供される必要があり︑多言語の案内が作成されるなどの配慮がなされている︒たとえば︑母子健康手帳は︑
多言語対応として︑8言語の解説書を用意している︒また︑
フレットはそれぞれ9言語で作成されている点は評価できる︒
公的医療保険制度には国民健康保険と健康保険等があり︑外国人登録を行い︑かつ入国時に滞在期間が1年以上の
者又は日本に1年以上滞在すると認められる者や健康保険適用事業所等に雇用される者には︑これらの保険が国籍の
区別なく適用される旨法律で定められているが︑実際には未加入者が多い︒在留資格や雇用形態により公的医療保険
⑦ 保
きる
︒ ︑ つ
゜
療 健
一 五
︵ 一 六 ︱
︱ ︱ ‑ ︶
しかしながら︑市の施策を知らないがために利用していない家庭や︑言語︑文化︑生活習慣の違いなどから育児に
不安を感じている家庭も増えているので︑多文化共生を視野に入れた児童・保育施策の運営を実施していく必要があ
り︑その際︑異なる文化的背景を有する園児に配慮した保育について︑職員や保護者の意識啓発が望まれるといえよ
また︑近時︑児童虐待やドメスティック・バイオレンスの被害者救済が問題となるが︑外国籍住民の文化的背景や
言語の違いにより︑被害者が不利益を被ったり︑適切な保護が受けられなかったりしないよう配慮する必要を指摘で プック
(5
言語︶を作成している︒
エイズ及び結核に関する正しい知識・啓発のためのパン
られているといえる︒
それゆえ︑外国籍住民や短期滞在者等が不慮の傷病等により緊急の治療を要する場合に︑自己弁済が困難なために 医療費が未払いになるケースが生じて社会問題となっている︒大阪府の調査では︑府下医療機関における医療費の未
払い
金額
は︑
1995
︵平
成
7)
年度
で︑
このため外国人未払い医療費対策補填措置が神奈川県
(1993年︶︑群馬県(1993年︶︑東京都(1994
年︶︑千葉県(1994年︶︑埼玉県(1994
年︶などで採られた︒これらの措置内容は︑基本的には︑当該地方自 治体内に居住あるいは就労している外国人の救急医療であって︑公的医療保険又は公的医療扶助の適用を受けない者
に係る医療費について︑医療機関側の債権回収努力を前提として︑
( 14 )
補填するという仕組みである︒
の提
言を
受け
て︑
1996
︵平
成
8)
年度から救命救急センターにおける重症の外国人医療について未収金が発生し た場合︑その一定額を超える部分については国と都道府県︑救命救急センター設置者が
3分
の
1ずつ負担する制度を
( 15 )
実施した︒地域医療とりわけ救急医療の円滑な運営を確保するために︑大阪府・大阪市においても早急な対応が求め 医療・救急体制の面では︑外国籍住民が医療機関を利用する際︑言葉の違いから円滑なコミュニケーションを図る
うえで支障をきたす場合もあり︑医療機関の外国語での対応が求められる︒大阪市では︑生活情報冊子﹁エンジョ イ・オオサカ﹂に各種言語で診療が可能な医療機関を紹介するなど︑医療情報の提供に努めている︒また︑災害に備
えて︑外国語による﹁市民防災マニュアル﹂
(5
言語︶を作成し︑火災や地震︑救急時の対応︑通報の仕方等につい
の対象とならない場合もある︒
関 法 第 五 二 巻 第 六 号
国は︑﹁外国人に係る医療に関する懇談会﹂︵座長・加藤一郎成城学園名誉学園長︶ 一定の範囲内で︑主として民間医療機関に対して
6 0 件余り︑金額は
3400
万円にのぽっている︒
一 六
︵一
六一
四︶
外国
籍住
民に
かか
る行
政施
策と
その
法的
課題
この点︑公営住宅については︑1979 滑に住宅を確保できるよう適切な対策を立てる必要がある︒
⑩ 住
宅
システムを構築している点では進んでいるといえる︒ いて推進を図る︒
めて
いる
︒
一 七
︵一
六一
五︶
て広報に務めている︒また︑救急活動では救急隊に
1 5 言語で作成されたチェックリストを配布し︑外国籍住民との意
大阪市では︑災害に備えて︑外国語による﹁市民防災マニュアル﹂
(5
言語︶を作成し︑火災や地震︑救急時の対
応︑通報の仕方等について広報に務めるとともに︑英語併記した避難誘導標識︑広域避難場所案内板などの設置を進
また︑阪神・淡路大震災の教訓を踏まえて︑外国籍住民支援を視野にいれたボランティア団体の育成・組織化につ
外国人の防災については︑東京都が災害時に﹁外国人災害時情報センター﹂を設置し︑外国人が必要な情報を迅速
かつ適確に把握し︑適切な防災行動がとれるように外国人や区市町村︑NGo等の関係団体に対して情報支援を行う
住宅の確保は人権にも関わる問題であり︑ともに生きる国際性豊かなまちづくりを進めるうえで︑外国籍住民が円
︵昭
和 5 4 )
年の国際人権B規約の批准後︑︵旧︶建設省通達﹁公営住宅の
賃貸における外国人の取扱いについて﹂が出され︑外国人登録者は日本国民に準じて取り扱われるようになった︒大
阪市でも︑外国人登録をしていることを要件に入居資格を認めている︒
⑨ 防
災
思疎通が図れるように工夫している︒
⑪ 雇
用
民間住宅については︑家主が国籍を理由に外国籍住民の入居を拒否する事例が見受けられ︑入居差別が生じている︒
家主側は︑入居拒否の根拠として契約自由の原則や私的自治の原則を主張するが︑国籍を理由とした賃貸借契約締結 の拒否は信義則上の義務に違反する旨の裁判例︵大阪地裁平成
5年6月
日判決・判例タイムズ1 8
844
号
183
頁以
下︶もあり︑大阪市では府とも連携・協力して︑宅地建物取引業者等への啓発に努めている︒この点︑自治体が外国 人に対する入居差別を解消するために︑より実効性のある取組みを求めるならば︑条例制定が望ましいといえる︒東
京都新宿区が
1991 高齢︑障害︑乳幼児︑児童︑国籍等による居住の差別を解消するよう努めるものとする﹂
( 1 4
条︶と区長の努力義務
を定めているが︑努力規定ではあれ︑自治体が入居差別の解消に向けてできる限りの措置を講じようとする努力の現
われで︑評価できる︒
︵平
成 3)
年2
月に制定した﹁東京都新宿区の住宅及び住環境に関する基本条例﹂は﹁区長は︑
民間企業への就職に際して︑外国籍住民とりわけ在日緯国・朝鮮人に対する﹁就職差別﹂の実態があり︑また︑企 業に採用されても会社の中で通名で働くことを指示される場合があるなど︑人権問題が生じている︒そこで︑大阪市 では︑人権に係る労働相談については関係機関・団体と連携し適切に対応することとしている︒労働基準法
3条は
﹁使用者は︑労働者の国籍︑信条又は社会的身分を理由として︑賃金︑労働時間その他の労働条件について︑差別的 取扱をしてはならない﹂と規定し︑国籍による差別を禁止している︒労働者災害補償保険法や最低賃金法等の労働関 係法令も︑制度上︑外国人労働者について日本国民と同様に適用されることになっている︒しかし︑雇用者の理解不 足︑外国人労働者への情報提供が十分でないことや本人の立場の弱さなどから︑権利の行使ができない場合がある︒
関 法 第 五 二 巻 第 六 号
一八
︵一
六一
六︶
外国
籍住
民に
かか
る行
政施
策と
その
法的
課題
に力を注いできたという︒ 大阪市教育委員会では︑1999
︵平
成
1 1 )
年に﹁人権教育基本指針﹂を策定し︑日本人と在日外国人の幼児・児
童•生徒が共に学び、共に生きるため、互いの人権を尊重し、違いを豊かさとして認め合う子どもを育てる教育実践 て
いる
︒
それゆえ︑就職差別や不利益処遇等の撤廃に向けて関係機関・団体と連携し企業啓発の推進を図ることが重要である
と思
われ
る︒
一 九
︵一
六一
七︶
なお︑︵旧︶労働省の推計によると︑
1999
︵平
成
1 1 )
年時点で︑わが国には
6 7 万人の外国人労働者が滞在して
おり︑そのうち約
2 5 万人以上が超過︵不法︶滞在就労者とされる︒このような超過︵不法︶滞在就労者のうち︑日本
( 17 )
社会に定着した外国籍住民に対する救済措置が緊急の課題といえる︒
外国籍住民と教育・相互理解の促進
多文化共生社会の実現に向けては︑国際社会に対する深い認識と多様な文化を理解・尊重する開かれた市民意識を
醸成することが求められており︑そのような意識づくりに教育の果たす役割はきわめて大きい︒
そのため︑大阪市の小学校では︑従来から人間尊重の教育の充実に努め︑国際理解を深める基礎教育を行っている
が︑なかでも︑在日韓国・朝鮮人の子どもや帰国・来日等の子どもの教育に意を配り︑民族的な自覚を高めることやそ
れまでに身につけた能力や特性などを保持・伸長させることを課題として取り組んでいる︒各校園で︑在日外国人教
育カリキュラムを実践しており︑先進校の実践を活かしつつ﹁人権教育カリキュラム﹂の作成に向け作成作業を進め
(3)