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UnderstandingandPracticeofFathersinChildCare 育児における父親の理解と実践

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BulletinofFacultyofEducation,NagasakiUniversity :CurriculumandTeachingNo.39(2002)75‑79

育児 にお ける父親 の理解 と実践

後藤 ヨシ子 * 北達 勝久 **

(平成14年 3月15日受理)

Und e r s t a nd i n ga ndPr a c t i c eo fFa t he r si nChi l dCa r e

Yos hi koGOTO, *Ka t s uhi s aKI TATSUJ I

* *

(ReceivedMarch15,2002)

は じめ に

核家族世帯 にお いて祖 父母か らの援助や育児知識や技術の伝承 もな く, また近所や友 人 な どとの付き合 いが減 るな ど, 母親 に とって孤独な子育ては辛 く,育児不安感 はつのるば か り‑・,特 に初めて の子育て にお いて は,発熱, 下痢, けが,母乳 を飲 まない,夜泣 きを す るな ど,育児の心 配や悩みは尽きな く,育児書数冊 を抱 えて,試行錯誤 の育児 にな る。

家族の中に生活 を支える大人は二人だ けで ある。 母親 ともう一人の大人, 父親の育児へ の 理解 と育児参加の必要性 は当た り前の ことをあ らためて実感す る。そ して また父子関係 の 形成は一朝一夕にできる もので はな い ことも承知 の ことである。 父親の ライ フスタイル, 男性 の生き方 にも意識や行動面 にお いての変化が一層 もとめ られて きて いる。

今回は核家族世帯 にお ける父親の育児へ の理解 と実践 につ いて.その実情 と課題 を明確 にす る。

研究方法

対 象は長崎市お よび近隣の幼稚園 ・保育園に通園す る乳幼児 を もつ保護者 (父母715組) である (表1)。核家族世帯 は83.7%。祖父母 同居 は16.3%。 父方祖 父母 と母方祖父母 同居 の割合ははば 6対4で父方 の祖父母 同居が多か った。 世帯 の子 ども数は,2人が最 も多 く 59.2%,次 いで3人 (23.2%), 1人 (15.8%)の順 であ り,4人以上はわずか1.8%で あっ た。子 どもの出生順位 は, 第1子 が51.1%と半数 を 占め,第2子 が34.1%,第3子以 降が ll.0%で あった。 父親の就業状況 は,常勤85.7%,自営業9.1%を占め,母親はパ‑ トタイム 15.4%,常勤 は少な く1割程度, 専業主婦が約7割 を占めて いた。

調査内容 は父親,母親双方 に育児ス トレス, 子育て に対す る考 え方,子育て満足度, 父 親の理解 と役割意識,社会 ・行政 に望む内容等 につ いて, 質問紙法 による調査 を実施 した。

調査実施時期 は平成12年 7月か ら9月である。

*長崎大学教育学部家政教育講座 **長崎県立上対馬高等学校

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表1 対象

人数 (%)

子 どもの数 21人人 421133((519.5.8)2) 3人 166(23.2) 4人以 上 13(1.8)

出生順位 第21子子 24365(4(3514..11)) 第 3子 79(ll.0) 無記入 27(3.8) 世帯 の形態 核 家族 599(83.7) 拡 大家 族 116(16.3)

母親 の就 業 常勤 66(9.2) パ ー トタイム 110(15.4) 育 児休暇 中 9(1.2) 自営業 22(3.1) 専業主婦 489(68.4) 無記入 19(2.7)

父親 の就 業 常勤自営 業 6165(9.3(85.7)1) パ ー トタイム 1(0.1)

研 究結 果

1) 育 児 の ス トレス の有 無 で は, 母 親 の約4人 に1人 (23.8%), 父 親 で は約19人 に1人 (5.5%)が常 にス トレス を感 じてお り,育児 の負担 は母親 によ り強 くかか って いる こと が分か った。 そ の母親 の7割 は 「子 どもを ど こか に預 けて のんび りした い」等,リフ レッ シュの機 会 を もちた い と望んでお り, 地域 の 中で安心 して預 け られ る一時預 か りの施 設 や情 報 を望 んで いた。 また相談 相手 と して も世代 の近 い友達 を望 んで いる ことが 「いつ

も, 時 々」 を加 えて 父親 の40.8%, 母親 の60.2%にみ られ た。

ス トレス の要 因 として は① 子 どもの性 別 によ る差 異 はみ られ なか ったo(診原 因は, 父 親, 母親共 に第1位 に 「子 どもが ぐず る時」をあげて いた。 次 いで父親 は 「身体 的な疲 れ」, 「時 間がな い

「精神 的な疲 れ」をあげて いる。 母親 は 「時 間が な い

「身体 的疲れ

「家事 に追 われて」 が原 因の上位 とな って いた。特 に父親 と母親 との相違 の大 きい項 目 は 「家事 に追 われ て」で あ り, 「育児 に加 え家事 も母親が担 って いる」 ことが推察 され た。

③ 仕事 を もつ母親で は さ らに 「仕事 と育 児 の両立」 が ス トレス原 因 に加わ って いる。④ 祖 父母 との 同居 また は近 隣 に住 む専業 主婦 にはス トレス を 「常 に感 じる」 は58.3%とか な り高 く,一方仕事 を もつ母親 で は7.1%と低 い割 合で あ った。 祖 父母 との 同居 は共働 き の母親 に とって は, 大 きな支援 とな って いる と考 え られ る。

2)「自分 は親 と して適 して いな いので はな いか」と父親 の約3割, 母 親 の約5割 が 「い つ も ・時 々思 う」 と回答 して いる。 父親 よ りも母親 にそ の割 合が 高 い ことは,子 どもと 接 す る時 間 の長 さ ・実践 の程度 との関連 が考 え られ よ う。 子育 て にお いて親 と して適 し て いな いので はな いか と感 じつつ 日々子 ども と向 き合 って いる親 への心 理 的援助,周 囲

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後藤 ・北達 :育児にお ける父親の理解 と実践 77

のサポー トの必要性 は早急 に解決 を迫 られて いる課題で ある といえよ う (表2)0

3)「子育てか ら学んだ ことはた くさんある」 (父親53.6%,母親81.6%),「子 どもを通 して, 友達や近所 の付 き合いが広が っている」 (父親23.1%,母親63.5%), 「子育てを しなが ら 親 自身 も成長 して いる」(父親46.0%,母親60.0%),等 の子育てを通 して のプラス面に対 す る回答は, 父親 よ りも母親 の方が圧倒的 にそ の割合 は高か った。

他方 「子 どもを喜ばせ た り楽 しませた りす る ことが得意」 (父親31.1%,母親20.8%),

「子 どもと一緒 にいる ことが好きだ」 (父親58.8%, 母親43.6%), 「子 どもと遊ぶ時は, 自分 も一緒 にな って楽 しんで いる」 (父親33.7%, 母親22.4%) ことは, 父親の方が母親 よ りも高 い割合 を示 し, また 「現代では 子どもは親の背 中をみて育つ とい うだけでな く, 直接 子どもと関わ る ことが必要である と, 父親の7割 は育児に直接向きあ うことが必 要だ とい う認識 をもって いる ことが示 されて いた (表 2, 3)0

表2 育児 に関す る内容(1)

項 目 又はいつ も思 う 時 々思 う に 又は 時 々 少 し思 う又は たまに 全然思わな い又は な い 育児のス トレス有無 父 34(5.5) 116(18.6) 220(35.4) 252(40.5)

母 166(23.8) 252(36.2) 218(31.2) 61(8.8) た まには子 どもを預 けて 父 99(15.5) 243(38.0) 186(29.1) 111(17.4) のんび りしたい 母 236(34.1) 294(42.5) 131(19.0) 31(4.5) 祖父母の同居 または近隣 主婦 63(58.3) 36(33.3) 9(8.3) 0(0.0)

に住 むス トレス比較 仕 事 4(7.1) 46(82.1) 6(10.7) 0( 0.0) 相談できる友達が欲 しい 父 45(7.0) 216(33.8) 248(38.8) 131(20.5) 母 167(24.3) 247(35.9) 195(28.3) 78(ll.3) 親 として適 して いな いの 父 25(3.9) 164(25.7) 237(37.1) 212(33.2) ではな いか と感 じて いる 母 66(9.6) 252(36.5) 257(37.2) 115(16.7) 子育て を しなが ら親 自身 父 295(46.0) 251(39.2) 87(13.6) 8(1.2) も成長 して いる 母 415(60.0) 223(32.4) 45(6.5) 8(1.1) 子 どもと一緒 にいる こと 父 376(58.8) 217(33.9) 44(6.9) 3(0.5) が好 きだ 母 301(43.6) 335(48.6) 52(7.5) 2(0.3) 一緒に喜んだり悲 しんだり 父 275(43.0) 295(46.2) 61(9.5) 8(1.3) という心の共感ができる 母 367(53.2) 282(40.9) 37(5.4) 4(0.6) 育児は楽 しい 父 155(24.4) 359(56.5) 110(17.3) ll(1.7) 母 180(26.1) 425(61.6) 80(ll.6) 5(0.7) 育児 をす る ことはす ば ら 父 550(85.8) 86(13.4) 4(0.6) 1(0.2) しい 母 575(83.1) 113(16.3) 4(0.6) 0(0.0) 親 にな って本 当によか つ 父 484(75.5) 133(20.7) 19(3.0) 5(0.8)

4)子どもの理解 にお いて 「一緒 に喜んだ り悲 しんだ りとい う心 の共感」 は 「いつ も ・大 体 できる」 と9割 の父親, 母親 は答えて いる0‑万 「子 どもの好 きな もの, 興味のある ものはよ く知 って いる」は母親 (62.6%)の方が父親 (33.9%)よ りも知 って いる と回答 して いた。

5)父親 の育児参加 は, 父親 と母親 の育児負担割 合でみ る と, 「父親 の2割」 に対 し 「母 親の8割」負担 というケースが最 も多 いが, 父親 の3‑ 5割 の参加 も3割 は見 られたo

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しか し未だ父親 の1割負担 も3割 いる ことも事実である。

他方家事負担では,母親 は3時間以 上が6割 を占めるのに対 し, 父親 は15分以下が6 割 を占め,その内の3割 は 「家事 は しな い」で あった。家事負担 は未だ母親が大 き く担 っ て いる。 しか し 「子 どもが 出生 してか ら, 父親 の家事参加が増 えた」 と父親 の52.1%, 母親の52.8%が認めて いる。男女共同参 画社会が幕 を開けた今, 父親の家事参加 は今後

もっと進行 して い くことが望 まれ る。

6)現状 の育児 に対す る満足 は父親 (17.2%),母親 (18.2%)共 に2割 も満たな い。 「育児 は楽 しい」は父親24.4%,母親26.1%と2割強で あるが,3害耶こも満たな い。一方 「育児 をす る ことはすは らしい」 は父親 (85.8%),母親 (83.1%)共 に8割強 を示 し,そ して

「親 にな って本 当によか った」 も父親 (75.5%),母親 (75.4%) 共 に7割強 を示 しては いる。 しか し 「子 どもと接す る時間は十分足 りて いる」と思 って いる父親はわずか8.1%

にすぎず,母親 も35.9%と,揺す る時 間の十分でない ことを示 して いる。

7)「職場や社会は育児 に理解が ある」 と思 って いる父親 は40.1%,母親では29.8%であ り 半数 にもみたな い。 まだ まだ職場や社会 の子育て に対す る理解 は不十分な現状である こ

とを示 して いる といえよ う (表3)0 表3 育児 に関す る内容(2)

項 目 当ては まる 大体当て はまる あま り当ては ま らない 全然 当てはま らな い 子どもは親の背中をみて育つとい 父 174(27.3) 264(41.4) 154(24.1) 46(7.2)

うだけでなく直接子どもと関わる 母 257(37.3) 298(43.3) 115(16.7) 19(2.8) 子育てか ら学んだ ことはた く 父 42(53.6) 248(38.9) 41(6.4) 7(1.1) さんある 母 563(81.6) 118(17.1) 8(1.2) 1(0.1) 子 どもを通 して友達や近所 の 父 143(23.1) 215(33.8) 210(33.0) 64(10.1) つきあいが広が って いる 母 438(63.5) 179(25.9) 69(10.0) 4(0.6) 子 どもと遊ぶ時 は 自分 も一緒 父 216(33.7) 312(48.7) 107(16.7) 6(0.9) にな って楽 しんで いる 母 154(22.4) 402(58.3) 118(17.1) 15(2.2) 子 どもの好 きな もの興味のあ 父 217(33.9) 304(47.4) 111(17.3) 9(1.4) るものはよ く知 って いる 母 432(62.6) 237(34.4) 18(2.6) 3(0.4) 子 どもを喜 ばせた り楽 しませ 父 199(31.1) 301(47.1) 126(19.7) 13(2.0) た りす る ことが得意 母 143(20.8) 374(54.4) 156(22.7) 15(2.2) 現状の育児 に満足 して いる 父 110(17.2) 292(45.7) 190(29.7) 47(7.4) 母 126(18.2) 370(53.6) 168(24.3) 27(3.9) 子 どもと接す る時間は十分足 父 52(8.1) 178(27.9) 295(46.2) 114(17.8) りて いる 母 248(35.9) 266(38.5) 160(23.2) 17(2.5) 子 どもが出生 してか ら父親 の 父 114(17.9) 218(34.2) 204(32.0) 102(16.0) 家事参加が増 えた 母 131(19.1) 231(33.7) 207(30.2) 116(16.9) 職場や社会 は育児 に理解があ 父 61(9.6) 194(30.5) 246(38.7) 135(21.2) る 母 41(6.0) 162(23.8) 326(47.8) 153(22.4) 仕事 よ りも子育て を中心 に生 父 52(8.1) 170(26.5) 314(48.9) 106(16.5) 活 を考 えて いる 母 383(55.7) 213(31.0) 76(ll.0) 16(2.3) 休日は自分の趣味や楽しみよりも 父 164(25.7) 271(42.5) 159(24.9) ‑44(6.9)

(5)

後藤 ・北達 :育児にお ける父親の理解 と実践 79

おわ Uに

現在 「父親の育児参加が声高に もとめ られて いる。 また 「男女共同参画」 という声 に, どのよ うに父親 は理解 し応 えよ うとして いるのだ ろうか。核家族世帯 にお いては, 母親以 外の大人は父親だけである。育児の参加は,育児 を楽 しもうとす る姿勢 を もち,そ して直 接子 どもと関わ る ことの中か ら,子 どもの理解が進み, 子育ての喜び ・す ぼ らしさ,他方 大変 さも実感す る ことにな る。親子間の心 の秤 ・信頼関係 はその中か ら育 まれ, 子どもの 安定 した情緒 と豊かな心 の発達 に とって最 も基本的な親の役割 と考 え られ る。

今 日家族や地域 の伝統的な子育て機能 の低下の中,新 しい父親像 の模索 の時期 としての 現状である。今回の調査 にお いて, 父親 の認識やかかわ りにお いて は,両親の役割 の柔軟 な互換が徐 々に進行 して いるといえる内容や行動 もみ られた。 しか しまだ まだ子育て にお ける理解や実践 にお いて, 母親 (55.7%)に くらべ 「仕事 よ りも,子育て を中心 に生活 を 考 えて いる」 父親は8.1%と少な く, 「休 日は 自分 の趣味や楽 しみ よ りも,子 どもと遊ぶ時 間 を優 先 して いる」父親 は25.7%,一方母親の42.7%に見 るよ うに,父親の理解や実践 にお いての割 合の低 さがみ られ る。

父親 としての在 り方 は,各家庭 の事情 に合わせた子育て ・父母共同の価値観 を構築す る ことが必要であ り, 同時 に職場や社 会にお いて もさ らな る子育て重視社 会の構築が進行 さ れ る こと,他方家庭科 「保育商域 にお ける子 ども理解 の深 め も大事な課題 として今 日提 示 されて いる と考 える。

1) 中央児童福祉審議 会 :今後 の児 童の健 全育成 に関す る意 見 ‑ 子育て 重視社 会の構築 を 目指 して 一小児保健研 究 57(5)719‑723,1998

2)菅原 ますみ :父親 に何が で きるか ‑誕 生か ら児 童期 まで 一 児垂心理.49(18.62‑68,1995 3)樋 田大二郎 :平成 の 父親た ち 児 童心理,49(1 78‑86,1995

表 1 対象 人数 ( %) 子 どもの数 2 1 人人 42 11 3 3(( 5 1 9. 5. 8)2) 3 人 1 6 6( 2 3. 2) 4 人以 上 1 3(1

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