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研究者の倫理神奈川大学大学院経営学研究科

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Academic year: 2021

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神 奈川大学大学院経営学研究科 『研究年報』第11号 20073月 1

研究者の倫理

神奈川大学大学院経営学研究科

委員長 照 屋 行 雄

Ⅵl l doTe r u y a

今年度の院生諸君の研究成果 を取 りまとめた研究論文集 と して、 『研究年報』 第11 号が発行 され ま した。研究論文1件 と修士論文要 旨8件か ら構成 されています。今回 も 研究論文の掲載が1件 にとどまり、 また、博士論文要 旨の掲載 がなかった ことで、本 誌のボ リュームは既刊の もの より少な くなっていますが、掲載論文のテーマは多彩で、

その内容 も真撃な研究成果 となっています。

さて、昨今、研究論文の剰窃、実験結果の控造、研究資金の不正使用など研究者の 研究不正や不祥事が国内外で多発 しています。 このような状況 の中で、研究者 に対す る社会の批判がいよいよ厳 しくなるとともに、研究者倫理の確立 が ます ます強 く求め られ るようになっています。 そこで、専門研究 を職業 とす る者 あるいは専門研究 を志 す者が遵守すべ き倫理 について、改めて考 えたいと思います。

今 日の社会 にあっては、何人 も人種 ・性別 ・宗教等に関係 な く、真理 を探究す る権 利 が与 えられ、かつ、学問研究の自由が保障 されていることは周知の事実 に属 します。

あ らゆる分野 における真理の探求 な くして人洋の進歩 は絶望 的であ り、人間の幸福 は 悲観的 とな らざるを得 ません。真理探究の権利 は本源的な もの とい えます。 そ して、

その権利が行使 され る制度 的保障が学問研究の自由とい うことにな ります。

真理探究の権利 と学問研究の自由が保障 された中で、我々が専門研究 に取 り組む基 本 的姿勢 を3点 ほど指摘 してお きたい と思います。なお、 ここでは、研究者 が遵守 し なければな らない倫理について考察 しているのであって、研究者 が準拠 しなければな らないコンプライアンス (法令順守)の問題 を取 り上 げているわけではない とい うこ とです。法規制 に抵触す る行為は明 らかに違法行為であ り、倫理以前の問題 だか らです。

第1には、研究 における知 的正直 を徹底す ることです。 自ら設定 した研究 テーマに ついて、論文の構成や論述の展開、調査結果の分析や参照文献の研究 など論文の完成 に至 る全プロセスで、一貫 して謙虚で真撃な態度 を堅持 して取 り組むことが求 め られ ます。あるいは研究 が及ばず不明な点が残 ったとして も、論文作成 の過程で知的不正 直 が介在 した り、思考プロセスに嘘があってはいけないとい うことです。

第2には、学問研究 における独立性 を確保す ることです。学問研究の自由が制度的 に保障 されているといって も、研究遂行や論文作成の過程で種 々の制約が発生す るの が常です。研究 における独立性 とは、研究活動における身分的独立性、研究遂行 にお ける経済的独立性、そ して、研究姿勢 における精神的独立性 か ら構成 され ます。学問

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2 神奈川大学大学 院経営学研究科 F研究年報』 第 11号 20073月

的良心 として尊重 され るのが精神的独立性であることは言 うまで もあ りません。

第3には、研究者 としての研究の自立 を達成す ることです。研究の設計において自 主性 を堅持 し、研究の遂行において自立性 を確立 し、そ して、研究の成果において自 尊性 を確保す るとい う営為が、研究者 としての研究の自立 を保障す ることにな ります。

研究の 自立 を達成す ることは、研究の独 自性 (オ リジナ リテ ィー) と独創性 (ク リエ イテ ィビテ ィ‑) を確保する必須の要件 とい えます。

本経営学研究科 に所属する我 々教育研究 スタッフはもとより、専門研究の緒 につい たばか りの院生諸君 にあって も、研究行為における法令順守 は もとより、研究者 とし ての高度 な倫理 を遵守 し、社会の期待に応 えるべ く研究 に精励することが求め られて います。最後 に、院生諸君の研究の一層の発展 を祈念す るとともに、その研究成果 が 本誌への掲載 を通 じて社会に広 く公表 され、学問の発展 に貢献す ることを願 っていま す。

参照

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