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人の 営みの中で ことばを 捉える

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Academic year: 2021

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2 Field+ 2012 01 no.7

Endangered Languages

巻頭 特集

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3 Field+ 2012 01 no.7

人の 営みの中で ことばを 捉える

責任編集 

中山俊秀

Endangered Languages

 今、世界では7,000近くの言語が話されています。しかし、その大半は 話し手の数が非常に少ない言語で、多くはこの数十年で消滅してしまうと 予測されています。こうした言語は研究もほとんどなく、早急に記録と研 究を進める必要があります。未知のものへの好奇心と失われる伝統を記録 する使命感を胸に言語学者たちはフィールドに飛び込んでいきます。この 特集は、そんな若手研究者たちの奮闘の物語です。

 情熱を持って向かうフィールドワーク。これは、しかし、なかなか一筋縄 ではいかないのです。政治的な制約などによって、研究したい言語が使わ れている村に足を踏み入れることがかなわないことも少なくありません。「本 場」のコミュニティーで調査をしたいと思うのが常である言語学者には辛い 障壁です。村に入ることができても、コミュニティーの「日常」の中に迎え 入れてもらえるとは限りません。言語コミュニケーションは単なる情報の伝 達ではなく、社会的つながりを作り維持する営みです。本来その輪に含ま れない人には「内輪の言葉」である現地の言葉はかけてもらえません。

 研究への理解も決して得やすくはありません。言葉は人々の営みのあら ゆる側面に絡んでいますが、その仕組みや規則はその言語の話し手には意 識しにくいもの。そんな無意識の知識を捉えようとする調査の意義は話し 手自身にはわかりにくいのです。

 フィールドワーカーたちが直面するこうした問題は、言語を人々の営み から切り離して考えがちな研究上の言語観と、生きた言葉の現実との衝突 とも言えるでしょう。言語学者が突き止めようとするのは言葉を司る規則 の体系、文法です。大学の研究室での議論では、そのシステムとしての 側面にもっぱら意識を向けるため、言語という現象を人々の社会的営みと 切り離して考えがちです。フィールドでの挫折感、焦り、驚き、喜び、そ して心のつながり、それがフィールドワーカーたちの言語観を変えさせま す。フィールドワークはそんな研究の変化をもたらす出会いでもあります。

さあ、言語フィールドワークの現場へようこそ。

この特集は、東京外国語大学AA研で進められている文部科学省特別経費に よる大型プロジェクト、言語ダイナミクス科学研究プロジェクト(正式名:

「急速に失われつつある言語多様性に関する国際研究連携体制の構築」)と の共同企画として組まれました。本プロジェクトについて詳しくはウェブサ イト(http://lingdy.aacore.jp/jp/)をご覧ください。

参照

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