博士論文審査報告
学位申請者: 王 一茹(WONG Yat Yu)
学位論文題名: Chinese Ethnic Schooling in Japan: Identity Formation
among Students (日本における華僑華人の学校教育―生徒
たちのアイデンティティ形成)
論文審査委員: 主査 首都大学東京大学院人文科学研究科 教授 伊藤 真 副査 首都大学東京大学院人文科学研究科 教授 何 彬 副査 首都大学東京大学院人文科学研究科 教授 綾部真雄
1. 研究目的
学位申請者王一茹氏は、アジア人材留学生として社会人類学研究室に在籍するかたわら、
横浜中華街にあるA中華学校(本文中では仮称Yangzhen School)のボランティア講師と して延べ19ヶ月にわたる参与観察調査を同学校および横浜中華街において実施した。堪能 な語学力を生かし、北京語のみならず、英語、日本語での授業にも従事した。本論文はそ のフィールドワークの成果である。
本論文の目的は、日本における中華学校で行われる民族教育、特に教師から学生へ伝達 されるアイデンティティに関するメッセージ、及び華僑華人学生のアイデンティティが形 成される過程を、彼らの教育の経験や個人の語りを辿りながら明らかにすることである。
中華学校においてアイデンティティは如何に民族教育を通じて伝達および継承されるのか という問題を考察し、学生が如何に日中文化に順応・適応し、社会化していくかという過 程を検討する。また、学校コミュニティ内で立ち現れる人間模様を描き出すことで、集団 内の秩序と日常的な経験の意味を明らかにする。そこからより広い社会領域との関係性を 分析し、多文化共生のあり方と可能性を探求する。
いままでの日本における華僑華人研究は、商人を主な対象として、かれらが如何に華僑 華人社会を維持しているかという問題や華僑華人の歴史、華僑華人のアイデンティティの 現状を論じたものが多い。しかし、華僑華人社会の存続に重要な影響を与えている華僑華 人の学校教育に関する研究は少ない。本論文は筆者が華僑華人の民族学校おいて実施した 参与観察、そして教師、生徒及び保護者に対するインタビューを通して、学校教育と家庭 背景は如何に生徒のアイデンティティ形成に影響を与えるているかを考察し、華僑華人研 究に貢献することを目指す。
2. 論文構成
本論文は、目次・謝辞・凡例i~vii、本文189頁(1頁20行)からなる。なお本文には参 考文献一覧、付録A・B、表4枚、写真10枚が含まれる。本文はつぎのような章構成であ る。
Chapter One: Introduction
(第1章 序章)
Chapter Two: Chinatowns and Chinese Ethnic Schools in Japan
(第2章 日本における中華街と中華学校)
Chapter Three: Parents’ Expectations and Educational Strategies
(第3章 保護者の期待と教育戦略)
Chapter Four: Multicultural and Chinese Ethnic Messages Taught at Yangzhen School
(第4章 中華学校で伝えられた多文化的及び中国的アイデンティティに関するメッセー ジ)
Chapter Five: Students’ Identity Formation
(第5章 生徒のアイデンティティ形成)
Chapter Six Conclusion (第6章 結論) Bibliography
(参照文献)
Appendix A: References in Japanese
(付録A: 日本語文献目録)
Appendix B: Photos of School Life
(付録B:学校生活の写真)
3. 論文概要
第1章 序章
序章では、本論文を中心的に検討するアイデンティティ(identity)、文化化(enculturation) 等につき、まず概念の由来と概念の射程を確認した上で、学校と民族文化教育、生徒のア イデンティティ形成における家庭と教育環境の影響などの問題提起をする。さらに、本論 文における研究手法、理論的な着眼点を記述した。本論文のテーマである文化的アイデン ティティの定義はスチュアート・ホール[Hall 1989]を援用する。ホールが定義した文化的ア イデンティティには二つの視点がある。まず、共有された文化によって文化的アイデンテ ィティを定義するものである[Hall 1989:69]。中華学校の生徒の場合、共有された文化は学校 や家庭で伝達される中華文化であり、他方、生活している日本社会の文化でもある。第二 の視点は、文化的アイデンティティを本質主義的な視点によらず、歴史や文化の言説にお ける自己確認、位置取りとして捉える[Hall 1989:71]。つまり、アイデンティティは完成され るものでも、固定的、永続的なものでもなく、複数のアイデンティティが共存することが 可能である[山本 2002:21-22]。このような視点を中華学校の生徒に当てはめるならば、かれ らは家族親族から固定な文化を継承するだけではなく、継続的に学校の教育を含む日常生
活の中で自己確認を行う存在としてとらえることができる。別言すれば、文化的アイデン ティティは自己形成の過程で、個人の選択と自己確認とに深く関わっている。なお、本調 査においてインタビュー対象となったのは、生徒27 名(出生地の内訳は、日本 16名、中 国大陸9名、台湾1名、マレーシア1名)、教職員17名(国籍の内訳は、台湾籍9名、日 本籍7名、中国香港籍1名)、保護者11名(国籍の内訳は、台湾籍6名、中国大陸籍3名、
中国香港籍1名、日本籍1名)である。
第2章 日本における中華街と中華学校
本章では、文献をもとに日本における三つの中華街とそこに見出される五つの中華学校 の歴史を概観する。特に、横浜中華学校の歴史、元来一つであった学校が二つに分裂した 経緯を考察する。華僑華人生徒の生活空間と社会背景を考察し、さらに中華学校は如何に 華僑華人団体・組織の一つとして華僑華人社会を支えているのかについて明らかにする。
本章では従来の研究を踏まえ、まず日本における華僑華人をつぎの4タイプに分類する。
すなわち「日本国籍を持つ華人」、「外国国籍をもつ華僑」、「1972 年 以前来日した老華僑」
と「1972 年以降来日した新華僑」の4タイプであり、それぞれの形成と特徴等を述べた。
第二次世界大戦以前、日本における華僑華人のアイデンティティは、国よりも出身地への 帰属に基づいていた。例えば、その当時、横浜中華街では広東出身者が多く、日常生活で は広東語が用いられ、学校でも広東語による教育が行われていた。第二次世界大戦を経て 1949 年に中国で共産党と国民党により二つの政府が生まれると、日本の華僑華人社会も両 者のいずれを支持するかにより分かれ、それぞれが別個の団体、学校をもつようになった。
そうした中で、中華学校の教育では、地方への帰属意識ではなく、政治的なアイデンティ ティが強調される時期が続いた。しかし、近年、徐々に華僑華人社会にもグローバル化の 波が押し寄せにつれて、中華学校への入学生とも多様化するようになった。それまで、華 僑華人だけを対象としてきた学校にも新たな対応が迫られるようになったのである。
第3章 保護者の期待と教育戦略
本章はインタビューした11人の保護者のうち4人の事例を取り上げ、華僑華人の保護者 が自分の子供を中華学校に入学させる動機及び保護者としての家庭教育の方針について考 察する。保護者が子供に対する期待、特に子供のアイデンティティ形成に対する期待が如 何に子供たちのアイデンティティに影響を与えるのかを考察する。また、保護者自身の異
文化経験についての個人的な語りを通して、保護者の観点と態度を分析し、彼らの観点と 態度がどのように子供たちのアイデンティティ形成過程の一部になることを明らかにする。
事例の分析からわかるのは、保護者は二つまたは二つ以上の言語が話せるという文化資 本を有し、それを子供たちに継承したいと考えていることである。彼らはこのような文化 資本は子供たちの将来の成功に繋がると信じているので、保護者は子供たちに中華学校で 勉強させようとする。また本章では、家族の類型と子供のアイデンティティとの関連性を 明らかにする。夫婦が同じ出身地である場合、子供に保護者自身の出身地のアイデンティ ティと中国語の習得を強く期待し、子供もそのアイデンティティを持つ傾向がある。一方、
国際結婚による家庭の保護者でも、子供が中国語の学習することを期待し、少なくとも片 方の親は、中国人というアイデンティティを伝えることを望むが、子供はそれを受けいれ ようとしないという現状が指摘される。
第4章 中華学校で伝えられた多文化的及び中国的アイデンティティに関するメッセージ 本論文は、異文化接触状況での人間形成に関わる教育人類学的研究や、文化的アイデン ティティ及びエスニック・マイノリティへの教育研究に焦点をあてている。志水によれば、
学校というのは、「文化伝達の機関としての学校が持つ、文化的特徴」という意味を持つと 説明する。学校文化は「内容としての学校文化」と「型としての学校文化」という二つの 要素から成り立ち。前者は、「学校で伝達されることを期待される文化=知識の具体的な中 身である」と考えることができ、後者は、「前者の知識を子供たちに伝える際の、学校とい う組織なり制度なりが持つ特徴である」を考えることができる。具体的には授業の時間割 のあり方、教師の統制のあり方、授業や評価の方法、生徒集団の編成の方法、校則のあり 方など様々なものとされている[2005:38-39]。本章ではこのような学校文化と子供たちのア イデンティティ形成との関連を検討する。
まず A 中華学校の現状、教師の教育理念、そして実践を考察する。学校の教育方針は主 に中華文化を継承することであるにも関わらず、学校の課程では中国語と日本語両方の習 得が重視されており、事実上、民族教育よりも多言語・多文化教育が進められている。グ ローバライゼーションと世代交代にともない、教師が伝達するエスニック・アイデンティ ティのメッセージも国家帰属にとらわれないものになりつつあることが指摘される。
第5章 生徒のアイデンティティ形成
教育人類学の中心的概念は「文化化」(enculturation)である [山本 2002:13]。江淵によれば、
この文化化の要素は、文化化の代行者、文化の習得者、伝達・習得される文化内容、及び シンボル・システムの四つであり、「言語、道具・技術、集団関係、信仰等のすべてが、何 らかのシンボルを介して個人に内面化されることによって、個人はその文化およびその文 化をもつ集団に対する帰属感、すなわち集合的アイデンティティを獲得する」[1994:36]。本 章では「文化の習得者」である生徒に焦点を当て、この文化化の要素を検討することによ って、二つまたは二つ以上の文化がどのように多文化教育という環境で獲得されるのかを 明らかにする。
具体的には、筆者がインタビューした27人の生徒のうち7人の事例を取り上げ、生徒が 如何に自己のアイデンティティを選択し、認識するのかを記述し、分析する。事例の分析 の結果から、生徒のアイデンティティは主に台湾人、中国人、日本人、ダブルアイデンテ ィティ、及びトランスナショナル・アイデンティティという五つの類型に分類することが でき、その中ではダブルアイデンティティが最も多数を占める。ダブルアイデンティティ とは、生徒が場所と状況によって、自分が中国人または日本人であることを主張する者で ある。そこでは、アイデンティティの非固定性、状況依存性が明らかになる。
第6章 結論
本論文は、在日中華学校に通っている子ともたちの教育経験を調査し、そのような教育 経験がどのようにアイデンティティ形成に影響を与えているかを、参与観察とインタビュ ーにより検討した。本章では、その結果をエスニシティ論との関連で整理する。
エスニシティは人々が「エスニック集団への帰属感およびエスニックな文化的連帯感と プライドに基づき、相互に結び付いている心理的・社会的状態を指す」[過 1999:6]。エスニ シティ論では、「エスニック・アイデンティティがなぜ存続するのか、その源泉となるもの は何かが中心的な関心とされてきた」[山本 2002:23]。山本はエスニシティ論の中で、アイ デンティティの個人的な経験と、集合的な記憶との連結の問題を提起した。山本はロンド ンの中国系第二世代のアイデンティティを研究し、中国系の若者と日系アメリカ人のエス ニシティの違いを指摘した。日系アメリカ人は強制収容のようなマーカーとなる共通の歴 史的記憶があり、個人的アイデンティティと政治に関する集合的アイデンティティとを結 びつけている。しかし、ロンドンの中国系の若者は政治に関する記憶には無関心であり、
彼らのアイデンティティは政治に関する集合的アイデンティティに連結せずに、個人の経 験に基づき形成された[2002:23-27]。本論文で議論した生徒のアイデンティティの形成は、
個人が自分の意志に基づき、周囲の人との相互作用の中で自分の位置取りを選択する過程 であることを主張し、同時に政治に関する集合的アイデンティティと関連していることも 明らかにした。
本論文は、アイデンティティ形成のプロセスの一部として、中華学校の教育を取り上げ、
華僑華人学生は如何に多文化の環境に、多様なアイデンティティの形成過程を明らかにし た。日本社会における中華民族教育とエスニック・アイデンティティに関する研究を通し て、現代のグローバル化のなかで日中の文化関係について理解を深め、両者間の今後の活 動に貢献できると考えられる。日中の言語を同時に教える中華学校での調査は、マイノリ ティへの民族教育の意義と将来性について教育人類学的視座から提言が可能である。また、
在日華僑華人教育の歴史と現状、及び現場での参与観察に基づき、華僑華人教育がどのよ うに生徒たちのアイデンティティ形成に関わり、それが海外華僑華人のエスニシティに影 響しうるかについても提言した。
21 世紀に入り、中華街には新しい変化が起きており、それに伴い、中華学校の役割、位 置づけ、生徒の知識習得以外にも、学校のエスニック教育によるアイデンティティの形成 の面にも変化を示す諸現象が起こっている。本論文はその動向を示した、最新の研究の一 つである。21 世紀以来の中華学校の生徒構成の新しい変化、保護者の心境の変化、生徒の 意識動向について、新鮮なデータ・資料を提供できた。それらは、とくに学校教育とアイ デンティティ形成に関する今後の華僑華人研究に貢献しうると信じる。
4.審査報告
王一茹氏が提出した学位請求論文の公開審査は、2014年7月31日、5号館367室でおこ なわれた。以下、審査内容を要約する。
評価すべき点
1) 横浜華僑華人社会についての研究はこれまでに少なからずあるが、その多くは歴史的、
あるいは「商人列伝」といった伝記的な記述であり、そこで生きる人々、とくに青少年の意 識に目を向けた研究はきわめて稀である。王氏は、香港人であるという立場を生かし中華 学校のボランティア教員として、中華学校生徒、保護者、そして教員にアプローチし、現 在、彼らのおかれている状況を詳細に描き出した。それにより、従来、どちらかといえば 歴史的研究に偏りがちであった華僑華人の研究の不足を補うという当初の試みはほぼ達成 されている。
2) 王氏の調査を通して、中華学校について部外者が抱きがちな初次的な認識が誤りである ことが指摘されたことも重要である。たとえば、政治的に二分されたとされる台湾系 A 中 華学校、大陸系のB中華学校について、私たちはA中華学校には台湾系の子弟が、B中華 学校には大陸系の子弟が学んでいると考えがちであるが、実際には、少なくとも A 中華学 校を見る限り、台湾系、大陸系の子弟のいずれもが入学しており、学校側も政治的理由で 入学者を制限していない。さらに驚くべきことには、2012-2013年時点では、生徒のうちで 最大多数を占めるのは、日本人生徒であり、しかも日本人生徒数は近年上昇傾向にあると いう事実である。こうした事実の指摘は、私たちが抱く「民族学校」のイメージを更新する ものであり重要ある。
3) グローバル化のなかで民族学校がどのようにその性格を変えつつあるかを本論文は明 らかにしている。民族学校として成立したA 中華学校では、生徒構成の多様化という現実 の前で当初の目的である「民族教育」の実施は困難になりつつある。したがって、当初目的 とした「中国人」としてのアイデンティティ伝達の場としての役割も果たし得なくなり、
かわって中国語、英語、日本語を授業に取り込んだ多言語教育を進め、学校の教育方針と しても「国際的人材の育成」を全面に掲げるようになっている。
4) 王氏による生徒とその親に対する詳細な聞き取り調査は、A中華学校のもつ別の役割を
明らかにする。両親の教育への期待は「中国人アイデンティティの形成」ではなく、北京語 の読み書き能力の向上である。たとえ両親が中国語を話すにしてもそれは広東語なり閩南 語(福建語)である場合が多く、家庭は必ずしも北京語学習の場にはならない。一方、王 氏は、生徒たちにとって学校がアイデンティティの「交渉」の場である点を指摘する。両親 が中国人であるにも関わらず、「自分は日本人だ」と主張する生徒もいれば、社会の授業で 教員が「中華思想」について説明を始めると「だから中国は嫌いだ」と騒ぎ始める生徒もい る。その一方、中国人の生徒どうしで話すときには「自分は中国人」であることを主張する。
こうした対面的状況でのアイデンティティのコード・スィッチングが認められるのに対し て、課外活動として生徒たちに義務づけられている「獅子舞踊り」(中華街行事で中心的役割 を果たす)の練習には、熱心に取り込み、中国文化の担い手としての集団的アイデンティテ ィを表明する。王氏は、学校が、こうした複数の、位相を異にするアイデンティティ表出 が行われる生活=社会空間であると指摘する。
以上は、本博士論文が「学校のエスノグラフィー」として精彩ある記述をおこなっている として評価された点である。一方、審査員からはつぎのような注文もなされた。
1) 横浜中華社会における中華学校をエスノグラフィーの対象とした調査は数少なくその 点は評価できる。しかし、学校に関わるのは、教職員、生徒、生徒の両親のほか、保護者 会(PTA)、学校OB会も含まれる。さらに横浜華僑華人社会の主な構成員そのものがA中 華学校もしくは、B中華学校の卒業生または保護者といってもよい。本論文における調査対 象が教職員、生徒とその親(母親)にほぼ限定されていることは、対象把握のために包括
性を追求するエスノグラフィーとしては、まだ不十分な部分が残る。
2) 学校そのもの(たとえば生徒の民族構成)の変化について、より長期的な時間軸をもっ て考察すべきである。本論文により、近年の生徒の民族構成に変動があることはわかるが、
それをより長期的視点からたどるならば、民族学校の変貌についてのより深い考察が得ら れるのではないか。
3) 移民社会としての横浜華僑華人社会という視点の不足。インフォマントの生徒の大半が、
異国人同士の国際結婚の子弟であり、多くの場合、両親の一方は移民である。本論文では、
すでに中華学校に所属する生徒たちの存在を前提しているために、対象自体が移動しうる 存在であるという視角からの考察が不足している。とくに、A中華学校の生徒たちは、卒業 後どのような進路をとるのか。日本に定住するのか、海外に移動するのか、この点に関す るデータの提示、考察が欲しかった。
4) 全体的に記述部分が多く、理論的考察が少ない。アイデンティティ、エスニシティ、文 化化等の概念に関する先行研究についてはよく整理されているが、学校のエスノグラフィ ーを通じて、現代世界における「民族学校」のあり方を俯瞰的に議論するための視点、切り 口を提示することができれば、より完成度の高い論文となったと考えられる。
総じて言えば、学位申請者王一茹氏は、3年という最短の博士後期課程在学期間内におい て、長期のフィールドワークを実施し、その成果を学位論文にまとめ得た。調査データの 理論的精緻化にはまだ努力の余地を残すものの、博士後期課程3年間の研究成果としては。
一定水準に達していると認めることができる。
5.評価
2014年7月31日、博士論文公開審査を実施し、論文内容を吟味した結果、審査委員3名 は一致して、王一茹氏に「博士(社会人類学)」の学位を授与するに値すると判断した。
履 歴 書 本籍:中国(香港)
現住所:〒192-0372 東京都八王子市下柚木3-3-5-803
ふりがな うぉん やっゆう 氏 名: 王 一茹 生年月日:1981年1月31日 学 歴
1. 2001年7月 保良局百周年李兆忠紀念高等学校 卒業
2. 2003年7月 立命館大学 One Year Program課程 修了
3. 2005年9月 京都大学 日本語‧日本文化課程 修了
4. 2005年12月 香港中文大学 日本研究学科 卒業
5. 2007年7月 香港中文大学大学院 言語学修士課程 卒業
6. 2009年7月 香港中文大学大学院 日本研究修士課程 卒業
職 歴 1. 2006年4月-6月 Crestec (Asia) Limited
翻訳、社長アシスタントなど担当 2. 2010年1月-2011年8月 中国銀行香港支店
ニュース及び香港市場に関するレポート作成、
翻訳など担当 賞 罰 1. 2002年9月-2003年7月 大和銀行奨学金
留学費用一部支給
2. 2004年10月-2005年9月 日本政府(文部科学省)奨学金
留学費用全額支給
3. 2007年8月-2009年7月 大学院生奨学金(香港中文大学)
パートタイム教育助手担当、学費・生活費支給 4. 2009年1月 The H. Paul Varley 大学院生奨学金賞
第15回日本研究協会学会(The Fifteenth Annual Conference of the Japan Studies Association)で学生論文発表賞受賞
5. 2011年10月-現在 アジア人材育成基金(東京都政府)奨学金
留学費用全額支給
上記のとおり相違ありません
2014年7月30日
氏名:王 一茹 ㊞
研究業績一覧
〈論文〉
1. 2014 年1月31日『知性と創造-日中学者の思考』第5号pp.215-228に登載(日中人
文社会科学学会)
題目:在日華僑華人教育と子供たちの文化的アイデンティティ-中華学校で伝えら れるメッセージ
2. 2013年3月30日『人文学報』第468号pp.87-112に登載(首都大学東京人文科学研 究科)
題目:Perceptions of “the Others”: Overseas Experiences of Japanese and Chinese University Students
3. 2007年HKBU Papers in Applied Language Studiesに登載(共著論文)(Language Centre, Hong Kong Baptist University)
題目:The Acquisition of Four Types of ‘There be’ by Chinese Learners of English 著者:Groves, Julie, Cheng Mingming Minne, and Wong Yatyu Mena
〈学会発表〉
1. 2013年6月16日日中人文社会科学学会総会及び第11回研究発表大会にて学会発表(日
本・東京・首都大学東京)
題目:華僑華人学生のエスニック・アイデンティティ養成に関する人類学的考察 2. 2009年7月2日-5日SEAA Taipei 2009: Conference of the Society for East Asian
Anthropology, American Anthropological Associationにて学会発表(台湾・台北市)
題目:Perceiving Media and “the Others”: Overseas Experiences of Japanese and Chinese University Students
3. 2009年2月12日-14日The 8th Annual East-West Center International Graduate Student Conference on the Asia Pacific Regionにて学会発表(米国・ハワイ州)
題目:Disappointed Pursuits and Satisfactory Adventures: Chinese Students in Japan and Japanese Students in China
4. 2009年1月8日-10日The Fifteenth Annual Conference of the Japan Studies
Associationにて学会発表(米国・ルイジアナ州)
題目:Perception of “the Other”: Japanese and Chinese University Students’ Overseas Experiences
上記のとおり相違ありません
2014年7月30日
氏名:王 一茹 ㊞