外科総論②: 外傷外科・急性腹症の
診断と治療
北海道大学大学院医学研究科 医学教育推進センター 消化器外科学分野Ⅱ 村上 壮一 April 6th, 2016 外科学特論腹部救急疾患でなぜ生命が失われるのか？
迷走神経反射
出血
虚血(穿孔、感染、再灌流障害)
感染(臓器感染、膿瘍、腹膜炎)
脱水、電解質異常
化学物質によるDIC、MOF
臓器不全
臓器打撲、痛み
外傷、動脈瘤破裂
腸管絞扼、血栓塞栓
胆管炎、腸管穿孔
腸閉塞
膵炎
肝不全、腎不全
どのくらいの時間で生命が失われるのか？
迷走神経反射
出血
虚血(穿孔、感染、再灌流障害)
感染(臓器感染、膿瘍、腹膜炎)
脱水、電解質異常
化学物質によるDIC、MOF
臓器不全
数分
数分∼数時間
数分∼数日
数日∼数十日単位
数日∼数十日単位
数日∼数十日単位
数十日単位
治療開始までのリミットは？
迷走神経反射
出血
虚血(穿孔、感染、再灌流障害)
感染(臓器感染、膿瘍、腹膜炎)
脱水、電解質異常
化学物質によるDIC、MOF
臓器不全
即時
数分∼数時間以内
5∼6時間以内
5∼6時間以内
数時間単位
数時間∼数日単位
数日単位
外科治療
迷走神経反射 出血 虚血(穿孔、感染、再灌流障害) 感染(臓器感染、膿瘍、腹膜炎) 脱水、電解質異常 化学物質によるDIC、MOF 臓器不全 心肺蘇生 輸血、止血 虚血部切除、(血栓除去) 抗生剤、穿孔部修復、 ドレナージ 補液、電解質補正 膵酵素阻害剤、抗凝固剤 透析等代替療法、臓器移植小括
生命を奪う腹部救急疾患
出血
虚血
炎症(感染、化学物質)によるDIC、MOF
腹部救急疾患の特殊性
消化管内容(特に便)
消化液
1. 急性腹症
総論
-急性腹症とは、急激な腹痛によって
緊急手術の適応か否かの判断が要求
される症候である
重症患者がストレッチャーで来
るとは限らない…
診療室に来る患者さんのfirst impressionも重要!! 歩行状況は? 独歩か介助か? 姿勢はまっすぐか屈んでるか? 歩みは正常か足を引きずっているか? 坐位もしくは臥位の姿勢は? 楽な体位はあるか? 体位変換も出来ないほどの痛みか?重症患者がストレッチャーで来
るとは限らない…
診療室に来る患者さんのfirst impressionも重要!! 顔面診断 顔色良好か不良か? • 貧血、黄疸、チアノーゼ 顔貌はどうか? 呼吸の状況は? 呼吸回数は? 肩で息をしていないか?【生理学的評価】
まずは生理学的な問題をチェック
A 気道に問題はないか?
B 呼吸に問題はないか?
C 循環に問題はないか?
D 意識に問題はないか?
E 体温に問題はないか?
急性腹症の診断
}
解決した後
(しながら)
解剖学的評価
を行う
※手術は診断
解決手段の
1つである
急性腹症の診断
【問診】
現病歴
既往歴
服薬状況
妊娠の有無・可能性、最終月経
経口摂取の状況(少なくとも24時間前から)
アレルギーの有無、発現する薬剤・食物等原因と
出現する症状
アナムネーゼ
(anamnese)
急性腹症の診断
【自覚症状】
腹痛
ほとんどの腹部救急疾患は腹痛を伴う
部位
経時的変化
性質
強さ
影響因子
食思不振
嘔気・嘔吐
下痢・便秘
腹満・腹部膨隆感
腹鳴
心窩部痛
よく認められる疾患 一般的ではないが見落 としてはならない原因 腹痛の他の原因 胃腸炎 胃十二指腸潰瘍･ 孔 急性びらん性胃炎 逆流性食道炎 急性虫垂炎 急性胆嚢炎・胆管炎 急性膵炎 心筋 塞、狭心症 急性大動脈解離 肺炎、胸膜炎 肺血栓塞栓症 気胸 胃癌 参考文献 : 真弓俊彦. 救急診療指針 改訂第4版 Ⅷ章 4. 消化器系疾患. へるす出版, 2011, 394p (一部改変)右上腹部痛
よく認められる疾患 一般的ではないが見落 としてはならない原因 腹痛の他の原因 急性胆嚢炎・胆管炎 胃十二指腸潰瘍･ 孔 肝癌破裂 肝膿瘍 急性肝炎 肝胆道系腫瘍 肝周囲炎(Fitz-Hugh-Curtis syndrome) 参考文献 : 真弓俊彦. 救急診療指針 改訂第4版 Ⅷ章 4. 消化器系疾患. へるす出版, 2011, 394p (一部改変)左上腹部痛
よく認められる疾患 一般的ではないが見落 としてはならない原因 腹痛の他の原因 急性膵炎 胃潰瘍 脾破裂 脾 塞 脾腫 参考文献 : 真弓俊彦. 救急診療指針 改訂第4版 Ⅷ章 4. 消化器系疾患. へるす出版, 2011, 394p (一部改変)右下腹部痛
よく認められる疾患 一般的ではないが見落 としてはならない原因 腹痛の他の原因 急性虫垂炎 尿管結石、尿路感染症 大腸憩室炎 卵巣･精巣捻転 付属器炎 Meckel憩室、 孔 腸間膜(回盲部)リンパ節 炎 大腸癌 参考文献 : 真弓俊彦. 救急診療指針 改訂第4版 Ⅷ章 4. 消化器系疾患. へるす出版, 2011, 394p (一部改変)下腹部痛
よく認められる疾患 一般的ではないが見落 としてはならない原因 腹痛の他の原因 子宮外妊娠 卵巣出血 排卵による中間痛 月経困難症/子宮内膜症 骨盤内の炎症性疾患 卵巣嚢腫破裂 参考文献 : 真弓俊彦. 救急診療指針 改訂第4版 Ⅷ章 4. 消化器系疾患. へるす出版, 2011, 394p (一部改変)腹痛(腹部全体)
よく認められる疾患 一般的ではないが見落 としてはならない原因 腹痛の他の原因 イレウス 汎発性腹膜炎 腸重積 子宮外妊娠 骨盤内の炎症性疾患 ヘルニア嵌頓 薬物服用 胸部大動脈瘤破裂 腸の炎症性疾患 回盲部末端炎 溶連菌性咽頭炎 虚血性腸疾患(急性腸間膜 動脈閉塞症、虚血性腸炎) 急性(狭隅角)緑内障 特発性細菌性腹膜炎 腹直筋 出血 急性間欠性ポルフィリン症 クロゴケグモ 傷 家族性地中海熱 鎌状赤血球症 糖尿病神経(根)障害 高カルシウム血症 副腎不全 医原性血管神経性浮腫 鉛中毒 脊髄疾患(癆、結核、腫瘍) 腸結核 参考文献 : 真弓俊彦. 救急診療指針 改訂第4版 Ⅷ章 4. 消化器系疾患. へるす出版, 2011, 394p (一部改変)痛みを伴わない
腹部救急疾患
• 食道静脈瘤破裂 • 胃静脈瘤破裂 • 出血性胃潰瘍・胃腫瘍(胃癌・GIST等) • 出血性十二指腸潰瘍・十二指腸腫瘍(GIST等) • 出血性小腸腫瘍(GIST等) • 大腸憩室出血 • 大腸腫瘍出血(大腸癌等)消化管出血
急性腹症の診断
視診 腹壁は平坦か膨隆しているか
腹部局所や鼠径部に膨隆はないか?
それは全体的か局所か?
発赤や紫斑はないか?
聴診 腸蠕動は正常か? 血管雑音はないか?
【解剖学的評価】
診察は、視診、聴診、打診、触診の順
急性腹症の診断
【解剖学的評価】
診察は、視診、聴診、打診、触診の順
触診 圧痛の有無(場所・深部浅部の別)
抵抗の有無、波動の有無
筋性防御・Blumberg徴候
Murphy徴候
Rovsing徴候、Rosenstein徴候
肝脾腫の有無
腫瘤の有無(拍動はないか)
急性腹症の診断
【解剖学的評価】
診察は、視診、聴診、打診、触診の順
打診 鼓音の有無、場所
濁音界の異常
打診痛の有無
理学所見で疾患を
絞り込んでいく
時間はあまりない…かもしれない…所見が重篤であるほど、
疾患を絞り込むことは難しい
(目立つ所見に目を奪われることもある)
☞ 急性腹症の主な原因を網羅する
検査セットが有用
急性腹症の診断
【血液検査】
全血算(CBC)、末梢血液像緊急手術を考慮した項目で!!
末梢血液像 炎症では好中球が増多 白血病など血液疾患が急性 腹症の原因であることも ある 白血球数 炎症を反映して増多 重症例では低下することも 赤血球数、Hb、Htc 貧血、出血の有無の評価 血小板数 止血の評価、DICの評価急性腹症の診断
【血液検査】
凝固系緊急手術を考慮した項目で!!
PT(比) 外因系凝固の評価 APTT 内因系凝固の評価 Fib 止血機能、DICに対する抗 凝固療法の効果判定 FDP 血栓形成・溶解の指標 Dダイマー急性腹症の診断
【血液検査】
生化学検査緊急手術を考慮した項目で!!
TP Alb Albを忘れがち… T.bil (D.bil) 胆道系疾患(溶血) GOT GPT ALP LDH 肝胆道系疾患 CHE 肝実質障害の有無(肝機能) BUN Cre 腎機能 Na K Cl Ca Caを忘れがち… CPK (CK-BM) 筋肉・脳の障害(心筋) AMY Lip 膵疾患 CRP 炎症や組織障害の程度を推測急性腹症の診断
【血液検査】
血液ガス分析緊急手術を考慮した項目で!!
pH アシデミアかアルカレミアか pCO2 肺胞換気量の指標 pO2 呼吸不全の有無 CHE 肝実質障害の有無(肝機能) HCO3-、BE、AG 酸塩基平衡の評価 Lac 末梢循環障害(虚血)の指標 基本は動脈血 その他 血液型、交叉試験用採血 出血時、手術時の輸血準備 感染症 病院規定のもの急性腹症の診断
【その他】
心電図【尿検査】
一般検尿 潜血 尿管結石、腎盂腎炎、膀胱炎 細菌 腎盂腎炎、膀胱炎 尿生化学検査 尿中アミラーゼ 急性膵炎 ACSの除外、術前検査急性腹症の診断
【画像検査】
被曝線量はCT(5∼30mSv)より少ないが、1回1∼2mSv であり、胸部XP(0.06mSv)と比べるとかなり多いこ とを認識する必要がある) 膵管拡張、膵腫大、実質エコーの低下･不明瞭化 腸管拡張、腸管壁肥厚・血流低下、蠕動低下 門脈血栓・気腫、血流低下 腹部XP 虫垂腫大、結石、血流不良、穿孔 腸間膜血管の血流途絶・血栓像、リンパ節腫大 腎盂・尿管拡張、腎・尿管結石、腎肥大・炎症像急性腹症の診断
【画像検査】
胆嚢腫大・壁肥厚・血流不全・結石 膵管拡張、膵腫大、実質エコーの低下･不明瞭化 腸管拡張、腸管壁肥厚・血流低下、蠕動低下 胆管拡張･狭窄･結石 門脈血栓・気腫、血流低下 腹腔内不正貯溜の有無(出血、腹水、膿瘍等) 腹部US 肝腫瘍(破裂像) 虫垂腫大、結石、血流不良、穿孔 腸間膜血管の血流途絶・血栓像、リンパ節腫大 腎盂・尿管拡張、腎・尿管結石、腎肥大・炎症像急性腹症の診断
【画像検査】
単純・造影の両方を撮像する事を基本とする 腎障害については診断を優先し造影を行う事も多い 造影剤アレルギーは造影を行う事は出来ない 腹部CT 冠状断のみならず、前額断、矢状断の画像構成も 行い評価する free airの評価はウインドウ値、ウインドウ幅を変更 することで診断が容易となる 血管などはthin sliceでの評価が有用である 血管3D-CTは真の血流を反映していない場合があるの で読影には注意が必要である急性腹症の診断
【画像検査】
生理学的問題(A・B・C)が解決出来ていない状態 でCT撮像を行ってはならない ハイブリッド初療室などではA・B・Cが安定していな くても、厳重に監視しながら短時間で撮像する事 も可能な場合がある 腹腔臓器血管の動脈瘤など、止血手段にカテーテル治 療(塞栓術)が有用な場合は、急速輸液を行いながら 造影CTを撮像する場合もある カテーテル治療が間に合わないと予測される場合は、 CT撮像前に開腹止血(あるいは開胸大動脈遮断)を 行う事を躊躇すべきではない 腹部CT急性腹症の診断
【画像検査】
胆嚢腫大・壁肥厚・壁内気腫・血流不全・結石 膵管拡張、膵腫大、壊死像 腸管拡張、腸管壁肥厚・血流低下、ヘルニア像 胆管拡張･狭窄･結石 門脈血栓・気腫、血流低下 腹腔内不正貯溜の有無(出血、腹水、膿瘍等) 腹部CT 肝腫瘍(破裂像) 虫垂腫大、結石、血流不良、穿孔 腸間膜血管の血流途絶・血栓像、リンパ節腫大 腎盂・尿管拡張、腎・尿管結石、腎肥大・炎症像 腹腔内free air急性腹症の診断
【画像検査】
CT vs US
所要時間
侵襲
片手間に
繰り返し
準備時間
CTまでの距離による なし 数分 数分∼数十分 出来ない 出来る 被爆、造影剤 なし 出来れば避けたい 出来る急性腹症の診断
【画像検査】
腸間膜静脈血栓症 門脈血栓症 冠動脈狭窄・閉塞 腹腔動脈、腸間膜動脈の狭窄・閉塞 腹部AG (胸)腹部大動脈瘤(破裂) 腹腔動脈、腸間膜動脈(及びその分枝)動脈瘤(破裂) 手術よりは低侵襲。また診断に引き続き治療を行 う事が出来る場合も多い。適応疾患が強く疑わ れ、準備時間や検査時間が許容されるバイタル サインであれば、first choice。2. 急性腹症
各論
-出血性疾患
上部消化管出血
大動脈食道瘻
食道静脈瘤出血
マロリーワイス裂傷
胃・十二指腸潰瘍出血
胃・十二指腸腫瘍出血
上部消化管血管腫
上部消化管動静脈奇形
大動脈十二指腸瘻
胆道出血
仮性膵嚢胞
膵癌出血
ほとんどの場合
吐血を伴う
胃腫瘍(GIST)出血
小腸・下部消化管出血
小腸血管腫
小腸動静脈奇形
メッケル憩室
小腸腫瘍
大腸血管形成異常
虚血性大腸炎
放射線性大腸炎
感染性大腸炎
大腸癌
大腸ポリープ
大腸憩室
潰瘍性大腸炎
クローン病
裂孔
内痔核
ほとんどの場合
下血を伴う
空腸静脈瘤出血
空腸静脈瘤出血
腹腔内出血
大動脈瘤破裂 腸間膜動脈瘤破裂 臓器動脈瘤破裂 肝腫瘍(肝細胞癌、肝細胞性腺腫、肝囊胞等)破裂 脾破裂 出血性膵炎 卵巣嚢腫破裂、特発性卵巣出血、卵巣過剰刺激症候群 子宮外妊娠、破裂チョコレート嚢胞 子癇前症による肝の自然破裂痛みを伴うことが多いが
痛みを伴わない
ものもある
虚血性疾患
腸管血流障害によるもの
急性腸間膜血行不全
腸間膜動脈閉塞
・腹腔動脈 ・上腸間膜動脈 ・下腸間膜動脈
・塞栓症 ・血栓症 ・動脈解離
NOMI(非閉塞性腸間膜虚血)
腸間膜静脈閉塞
慢性腸間膜血行不全
腹腔動脈起始部圧迫症候群
上腸間膜動脈血栓症
腸管以外の血流障害によるもの
肝臓
肝膿瘍
胆道
胆管壊死・穿孔、胆汁性腹膜炎
膵臓
急性膵炎
脾臓
脾梗塞、脾膿瘍
腎臓
急性腎不全、腎梗塞
副腎
急性副腎不全
腸管の絞扼・捻転・重積・拡張によるもの
機械的イレウス 単純性イレウス 絞約性イレウス(癒着、索状物) 機能的イレウス 麻痺性イレウス 痙攣性イレウス 内ヘルニア嵌頓 鼠径部ヘルニア嵌頓 腹壁ヘルニア・腹壁瘢痕ヘルニア・横隔膜ヘルニア嵌頓 胃軸捻転、腸捻転 腸重積イレウス(腸閉塞)の画像所見
小腸ひだ （Kerckringひ だ）絞約性イレウス
S
状結腸軸捻転
S状結腸Coffee bean sign
S
状結腸軸捻転
閉鎖孔ヘルニア
③ ③ ④ ④腸管以外の臓器の絞扼・捻転によるもの
精巣捻転
卵巣(腫瘍)茎捻転
子宮捻転
胆嚢捻転
脾臓捻転
炎症性疾患
肝・胆道系
肝膿瘍
肝炎症性偽腫瘍
急性肝炎(アルコール性、ウイルス性)
急性胆嚢炎
急性胆管炎
急性閉塞性化膿性胆管炎
原発性硬化性胆管炎
先天性胆道拡張症
膵・胆管合流異常症
膵臓
急性膵炎
急性膵炎
Sentinel loop sign
空腸起始部（左上腹部）に 限局したイレウス像
急性膵炎
急性膵炎
上部消化管
食道炎
下部食道破裂
急性胃炎
胃・十二指腸潰瘍(穿孔)
胃アニサキス症(穿孔)、小腸アニサキス症(穿孔)
急性腸炎
メッケル憩室炎
下部食道・胃・小腸異物(穿孔)
胃潰瘍穿孔
下部消化管穿孔
急性虫垂炎(穿孔)
大腸憩室炎(穿孔)
急性腸炎
大腸異物(穿孔)
急性虫垂炎
消化管 孔
腹腔内遊離ガス像（free air） 孔部 癌 消化管 孔を疑ったら立位で胸部レントゲン もしくは左下側臥位で腹部レントゲンを撮影膣・子宮・付属器
付属器炎
卵管炎
卵管留嚢腫(破裂)
卵巣炎
卵巣膿瘍
月経痛
排卵痛
腟炎
子宮炎
子宮頸管炎
子宮内膜炎
子宮筋層炎
子宮留膿症(破裂)
泌尿器
急性腎盂炎
尿管結石
急性膀胱炎
腹腔内・腹膜
原発性細菌性腹膜炎
骨盤腹膜炎
腸間膜蜂窩織炎
腹腔内膿瘍
ダグラス窩膿瘍
後腹膜膿瘍
その他
腹部以外の病気によるもの
肺炎
糖尿病
膠原病
尿毒症
急性副腎不全
副甲状腺機能亢進症
急性ポルフィリン症
急性鉛中毒
家族性地中海熱
IgA血管炎
遺伝性神経血管性浮腫
3. 外傷外科
総論
-救急では
ないのですか?
防ぎ得た外傷死(PTD)
外傷死のうち、適切な対応が取られていれば
回避できた死亡。
予測生存率が0.5を超える外傷症例の死亡は、
PTDの可能性が高い。
2001年、2002年に全国の救命センターを調
査した結果、外傷死亡症例の4割にPTDの可
能性があった。
Preventable Trauma Death
外傷初期診療
PTD(避けられうる外傷死=医原性死)を撲滅せよ!! (PTD : Preventable Traumatic Death)
外傷初期診療における原則
生命に関わることを最優先すること。 最初に生理学的徴候の異常を把握すること。 確定診断に固執しないこと。 時間を重視すること。 不必要な侵襲を加えないこと。重症救急診療の基本
チーム医療は傷病の発生時から始まっている 情報の伝達、共有が重要 リーダーは、職種による守備範囲の違い(救急隊、 救命士、看護師、医師、臨床検査技師、臨床放射線 技師、薬剤師)を理解し、指示する必要がある。 医療というあいまいな共通言語ではなく、出来れば 疾患に応じたガイドライン講習会などで、職種に応 じた役割分担と情報の共有法を学ぶべき!!外傷死亡の3つのピーク
即死∼数分 受傷後2∼3時間後 受傷後2∼3週間後•
事故予防以外の 対策はない 原因は •大量出血 •胸部外傷 •頭部外傷 等 ➡傷病者の生命は病院前救護 と医療機関における初期治 療の良否に大きく左右され る． 原因は •ショックの遷延 •感染 •敗血症 等 による多臓器不全 受 傷 60 分ゴールデンアワー
搬 入 手術JPTEC
Japan Prehospital Trauma Evaluation and Care-外傷現場において適切かつ迅速な観察を行う． ロード&ゴー(Load & Go)の適応を判断する． 生命危機に関わる処置のみを行い，可及的すみやか に現場を出発する． 適切な処置が行える医療機関に，適切な搬送手段を 用いて早期に搬入する．
