Ⅰ . 構成員名簿
2
平成22年度 免疫アレルギー疾患予防・治療研究事業
適切なスキンケア、薬物治療方法の確立とアトピー性皮膚炎の発症・増悪予防、自己管理に関する研究
構成員名簿
氏名 職名 所属 所属施設の所在地
代表 斎藤 博久 副研究所長 国立成育医療研究センター 〒157-8535
東京都世田谷区大蔵2-10-1
分担 大矢 幸弘 医長 国立成育医療研究センター 生 体防御系内科部 アレルギー科
〒157-8535
東京都世田谷区大蔵2-10-1
分担 新関 寛徳 医長 国立成育医療研究センター 感 覚器形態外科部 皮膚科 医長
〒157-8535
東京都世田谷区大蔵2-10-1
分担 坂本なほ子 室長 国立成育医療研究センター 研 究所 成育疫学研究室 室長
〒157-8535
東京都世田谷区大蔵2-10-1
分担 左合 治彦 部長 国立成育医療研究センター 周 産期診療部 部長
〒157-8535
東京都世田谷区大蔵2-10-1
分担 松本 健治 室長
国立成育医療研究センター 研 究所 免疫アレルギー研究部 室長
〒157-8535
東京都世田谷区大蔵2-10-1
分担 片山 一朗 教授 大阪大学大学院医学系研究科情 報統合医学皮膚科学
〒565-0871
大阪府吹田市山田丘2-2
分担 木戸 博 教授 徳島大学疾患酵素学研究センタ ー
〒770-8504
徳島県徳島市蔵本町3-18-15
分担 菅井 基行 教授 広島大学医歯薬保健学研究院細 菌学
〒734-8551
広島市南区霞1丁目2番3号
3
Ⅱ. 総括研究報告
4
厚生労働科学研究費補助金(免疫アレルギー疾患予防・治療研究事業)
総括研究報告書
適切なスキンケア、薬物治療方法の確立とアトピー性皮膚炎の発症・増悪予防、自己管理に関する研究
研究代表者:斎藤 博久 独立行政法人 国立成育医療研究センター 副研究所長
研究要旨:アトピー性皮膚炎(AD)は掻痒や慢性・反復性経過を特徴とし、掻痒による生活の質(quality of life;
QOL)の低下が著しいが、実証された有効な発症予防法はない。AD患者の皮膚局所においては抗原感作が
経皮的にも行われている可能性が高く、湿疹の悪化がアレルギー疾患の引き金になりうることが示唆されて いる。そこで、湿疹がまだ出現していない生後1週未満の新生児期からスキンケアを予防的(proactive)に 行う群と必要時(reactive)に行う群において、AD予防として有効かどうかを検討した。平成24年中に79 例のリクルートができ予定参加者数である70例を達成した。中間解析53例の結果において、予想したよう
にproactive群のほうがreactive群よりも発症が少なかったが、70例では検出力が不足することが明らかとな
った。その理由として、reactive群のドロップアウト率がやや高いことなどが挙げられる。今後、中間解析の結果 に基づき、本研究の仮説の検証に必要な症例数を継続してリクルートし、プロトコール遵守率を高めて、本研究を 完了し我が国初のエビデンスを発信する必要がある。従来、血液の抗原特異的IgE測定に使用されてきた
ImmunoCAPは、1項目の測定に必要とする検体量が多く患者の採血負担の大きいこと、測定感度が低く臍
帯血の抗原特異的IgEの検出ができないこと、測定域が狭いこと等が問題となっていた。これらの問題を解 決するために平成22年度に続いて、アレルゲンを高濃度にマイクロアレイ上に固定化できるDiamind-Like
Carbon (DLC) アレルゲンchipを使用することで検討した。その結果、数マイクロリッターの微量血清で30
アレルゲンに対するIgE抗体価を一度に測定でき、ImmunoCAPに比べて約7-10倍の高感度化が達成され、
従来測定困難とされていた臍帯血のアレルゲン特異的IgE抗体価が測定可能となった。
研究分担者
大矢幸弘:国立成育医療研究センター 生体防御系内 科部 アレルギー科 医長
新関寛徳:国立成育医療研究センター 感覚器形態外 科部 皮膚科 医長
坂本なほ子:国立成育医療研究センター 研究所 成 育疫学研究室 室長
左合治彦:国立成育医療研究センター 周産期診療部 部長
松本健治:国立成育医療研究センター 研究所 免疫 アレルギー研究部 室長
片山一朗:大阪大学大学院医学系研究科情報統合医学 皮膚科学教授
木戸博:徳島大学疾患酵素学研究センター教授 菅井基行:広島大学医歯薬保健学研究院細菌学 教授
研究協力者
堀向健太:国立成育医療研究センター 生体防御系内 科部 アレルギー科 医師
野崎誠:国立成育医療研究センター 感覚器形態外科 部 皮膚科 医員
本村健一郎:国立成育医療研究センター 周産期診療 部 医師
森田英明:国立成育医療研究センター研究所 免疫ア レルギー研究部 医師
室田浩之:大阪大学大学院医学系研究科情報統合医学 皮膚科学 助教
寺尾美香:大阪大学大学院 医学系研究科 G-COE特任 研究員
5 A.研究目的
近年、アトピー性皮膚炎の患者の数は、増加し てきており社会問題化している。この背景にはア トピービジネスに代表されるように医療機関以外 での民間療法やドクターショッピングを繰り返す 患者の存在が考えられ、通常のアトピー性皮膚炎 に対する治療方針に疑問を感じていることが懸念 される。「日本皮膚科学会アトピー性皮膚炎治療ガ イドライン 2009 改訂版」では、治療の基本方針 として生理学的機能異常に対しては保湿剤外用な どのスキンケアが推奨されているものの、特に乳 幼児のアトピー性皮膚炎においてはエビデンスの 不足からそれぞれの医療機関・医師により実際の 治療および指導にばらつきを生じているのが現状
である。
アレルギー疾患の有効な発症予防法を開発する ことは喫緊の重要な課題であるが、リスクを大幅 に下げるような方法は存在しない。我々は以前に、
生後1カ月時の乳児湿疹がアレルギー疾患発症に 先行すること (Matsumoto K, et al. Int Arch Allergy Immunol 2005)、および予防的なアトピ ー性皮膚炎治療により血清IgEが低下することな ど(Fukuie T, et al. Br J Dermatol, 2010)を見い だしている。そこで本研究事業において、アトピ ー性皮膚炎の既往のある母胎から出産する新生児 を対象として、アトピー性皮膚炎・乳児湿疹の発 症、および2歳児に
おけるアレルゲン特異的 IgE 抗体の獲得とア レルギー疾患発症の予防を到達目標に設定し、
皮膚バリア機能補助剤を使用したスキンケアの 予防効果を無作為ランダム化介入試験により検 討する。
介入試験は国立成育医療研究センターにて実 施するとともに、大阪大学で先行しているパイ ロット試験参加者の追跡調査を実施する。さら に本研究と同様に、国立成育医療研究センター において実施している出生コホート調査参加者 のうちアレルギー疾患発症高リスク者を対象と する免疫ヒト化マウスによるアレルギー疾患モ デルの樹立に関する研究(理化学研究)と連携 し、効率的に研究を実施する。アレルゲン特異 的 IgE 抗体の測定は、徳島大学で開発したアレ ルギー診断タンパクチップをもちいた特異 IgE 抗体測定をもちいる。また、健常人皮膚からの 黄色ブドウ球菌検出率は極めて低い一方で、ア トピー性皮膚炎患者患部皮膚の大多数から黄色 ブドウ球菌が検出されることが知られている。
よって、本研究において介入試験に参加する新 生児の皮膚に常在する黄色ブドウ球菌の性状を 調査し、アトピー性皮膚炎発症に及ぼす影響に ついて検討する。
B.方法
1.【介入試験】無作為化オープン並行群間試験 で実施する。生後 1 週未満の健康な新生児を対 象とし、24週間、スキンケアを予防的(proactive) に実施する群と必要時( reactive)に実施する群 において、乳児湿疹、アトピー性皮膚炎の発症 率を比較する。さらに、TEWL(transepidermal water loss)、角質水分量、皮膚黄色ブドウ球菌 および2歳時の特異的IgE抗体などを測定する。
これら主要評価項目および副次評価項目を含む 内容は UMIN 臨床試験登録システムに前登録
(UMIN000004544)した。
2.【パイロット研究】①平成 20 年度より片山 らはアトピー素因のある新生児に対するスキン ケア介入の効果を検討している。方法は、保湿 剤を1日最低1回(入浴後は必ず)顔面全体に 外用するよう指示した。生後1週間以内、1ヶ 月後、4ヶ月後、6ヶ月後の皮膚症状の有無を観 察するとともに、経皮水分蒸散量測定すると同 時に、皮膚の細菌培養を行った。本年度は平成 20 年度に行った新生児スキンケア介入試験にお いて児が 3 歳になる本年度にあたり、アレルギ ー症状に関する追跡調査を行った。②2003年10
6 月1日〜2005年12月31日にかけて国立成育医 療研究センターにて実施した出生コホート参加 者1460名において湿疹と食物アレルギーの関係 について解析した。
3.【高感度IgE抗体測定法開発】高密度抗原蛋 白 質 の 固 定 化 が 可 能 な diamond-like carbon
(DLC)-chip に抗原蛋白質を搭載した測定システ
ムを用いて、乳幼児や臍帯血からの微量検体を 用いた網羅的な抗原特異的IgE, IgA, IgG4の高 感度測定系を確立する。この方法により IgE 測 定でUniCAPに比べ測定感度を7-10倍に上げる ことができた。
4.【皮膚バリアに関する動物実験】①100倍希 釈石鹸ないし1%SDSを1回/日 7日間、25往 復 ヘアレスマウス(Hos:HR-1)背中皮膚に塗 布し、最終塗布24時間後に皮膚のバリア機能 を評価した。②ステロイドのバリア機能への影 響をみる目的にて 5 日間 0.1%デキサメサゾン/
エタノール液を外用し、24時間後に1%SDS液 を塗布し皮膚バリア機能を評価した。また培養 ケラチノサイトに 0.01%SDS を添加し、IL1β
をELISA法にて測定した。③C57BL/6マウスの
耳介に種々の濃度のV8 proteaseを隔日塗布し、
耳介の厚さ、および組織学的変化を経時的に測 定した。
5.【新生児、乳児皮膚黄色ブドウ球菌解析】介 入試験参加新生児の両頬部より採取したサンプ ル を 培 養 し 、 生 え た コ ロ ニ ー を PCR 法 や
multiplex-PCR 法にて解析し、さらにパルスフ
ィールドゲル電気泳動後のバンドパターンによ る系統解析により遺伝子型を同定した。
C.結果
1.【介入試験】 研究計画立案当初、P群20%
以下、R群47%以上のアトピー性皮膚炎発症を
仮定して各群35名の登録を開始した。研究計画 書に従い中間解析をした結果、2012年11月の
時点でP群24%、R群43%の発症率であり、各
群108例が必要と判明した。よって、登録作業 を継続し2012年11月現在、89名より参加同意 を得ている。なお、これまでの登録例で試験試 料によると考えられる副作用は1例も起きてい ない。その他、現状では有意差は検出されてい ないものの、経表皮水分蒸散量(transepidermal water loss;TEWL)が予測因子となる可能性が 示唆された。卵白など多種の特異的IgEやIgG4 などに関しても、検討を進めている。さらに57 例中6例(10.5%)において日本人で同定されてい るフィラグリン遺伝子変異8種が判明した。
2.【パイロット研究】検討を行った児、21例(介 入群12例、非介入群9例)全例を対象に郵送に よる追跡調査を行った。介入群の 3/11、非介入 群の4/10が食物アレルギーを発症していた。介 入群は6〜9ヶ月、非介入群は1ヶ月〜2歳で食 物アレルギーを発症していた。そのほとんどが 特異的 IgE を測定することで小児科医が診断し ていた。3歳時点で介入群の食物アレルギー1例 を除き、除去は継続されていた。保湿剤による スキンケアを介入群ではほぼ全例が継続してい たが、非介入群では食物アレルギー発症群でア トピー性皮膚炎症状を改善させる目的で発症後 に保湿剤を開始していた。②生後 6 か月までに 湿疹があると12か月および36 か月までに食物 アレルギー発症のリスクが高まることが明らか となった。
3.【高感度IgE 抗体測定法開発】DLC アレル ゲンchipを使用することで、微量検体による患 者負担の軽減、アレルゲン特異的IgE, IgA, IgG, IgG4測定の幅広い測定域を確保して、高感度化 が実現された。特に感度不足にために標準的な 測定方法であるImmunoCAPでは測定できなか った臍帯血の IgE や、アレルギー疾患の治療経 過により変動するIgG4、IgAの検出も可能であ った。1の【介入試験】において生後12週より も32週の方が卵白特異的IgE抗体が高値を示す 傾向が認められた。
7 4.【皮膚バリアに関する動物実験】①バリアの 指標の一つとなる経皮水分蒸発発量(TEWL)
は用いた 3 種類の石鹸すべてにおいて、無処置 マウスや脱イオン蒸留水を塗布したマウスに比 し、上昇していた。角質水分保持能もすべての 石鹸において低下がみられた。②ステロイド外 用は SDS によるバリア機能障害を増幅したが、
エタノールと差が見られず、大きな影響はあた えないと考えられた。In vitroにおいて界面活性 剤の成分であるSDS はIL1βのケラチノサイト の産生を有意に上昇させた。③不活性化したV8 protease を塗布した群に比して、V8 protease を塗布した群では濃度依存的に耳介の腫脹を認 めることが判明した。また、組織学的な検討で は、表皮の肥厚や、真皮への多核球の浸潤を認 めた。
5.【新生児、乳児皮膚黄色ブドウ球菌解析】黄 色ブドウ球菌が検出された被験者は、2012年12
月時点で78人中31人(約40%)であった。こ
のうち、出生時から検出されたのは4人(約13%)
であった。各被験者の各週齢の株は、病原因子 関連遺伝子の保有パターン及びPFGEバンドパ ターンの結果から、ほぼ同一ゲノタイプと考え られた。
D.考察
1.【介入試験】予防的に保湿剤を使用したP群 ではアトピー性皮膚炎、乳児湿疹の発症が少な い傾向が得られた(P=0.19)。しかし中間解析の 結果、当初の予想数と比較し、アトピー性皮膚 炎発症率には著しい違いはないものの、当初予 定していた2倍以上の被験者数が必要であるこ とが判明した。
2.【パイロット研究】出生コホート研究のデー タ解析の結果から、乳児期の湿疹は食物アレル ギーの発症リスクを高めることが示された。
3.【高感度IgE抗体測定法開発】1の【介入試 験】における調査においても有用性が示唆され
るデータを得ることができた。
4.【皮膚バリアに関する動物実験】石鹸の使用 は皮膚バリア機能を障害し、また界面活性剤成 分のSDSが炎症を促進させることより、適切な 使用、洗浄法の指導が重要と考えられた。また、
黄色ブドウ球菌由来の V8 protease は湿疹局面 における感作を促進するだけでなく、皮膚炎自 体の発症や遷延化に直接関与し、アトピー性皮 膚炎及び、その後のアレルギー疾患の発症に関 与する可能性が示唆された。
5.【新生児、乳児皮膚黄色ブドウ球菌解析】1 の【介入試験】において、比較的高率に黄色ブ ドウ球菌が検出された。被験者皮膚に黄色ブド ウ球菌が検出された場合、同一ゲノタイプの株 が居続ける事が示唆された。
E.結論
本研究は、皮膚バリア機能補助剤による新生児 期からの介入がアトピー性皮膚炎の発症、ひい てはアレルゲン感作を予防する効果があるかど うかを検討する独創的かつ実現性が高い介入試 験であり、この成果はアレルギー疾患の発症予 防という点で広く社会に還元でき、また医療費 の削減にも繋がる可能性が期待される。
F. 健康危険情報
なし
G. 研究発表 1. 論文発表
Kamemura N, Tada H, Shimojo N, Morita Y, Kohno Y, Ichioka T, Suzuki K, Kubota K, Hiyoshi M, Kido H. Intrauterine sensitization of allergen-specific IgE analyzed by a highly sensitive new allergen microarray.J Allergy Clin Immunol. 2012 Jul;130(1):113-21.
8 Morita H, Arae K, Ohno T, Kajiwara N, Oboki K, Matsuda A, Suto H, Okumura K, Sudo K, Takahashi T, Matsumoto K, Nakae S.ST2 requires Th2-, but not Th17-, type airway inflammation in epicutaneously antigen- sensitized mice.Allergol Int. 2012 Jun;61(2):265-73.
Suzukawa M, Morita H, Nambu A, Arae K, Shimura E, Shibui A, Yamaguchi S, Suzukawa K, Nakanishi W, Oboki K, Kajiwara N, Ohno T, Ishii A, Körner H, Cua DJ, Suto H, Yoshimoto T, Iwakura Y, Yamasoba T, Ohta K, Sudo K, Saito H, Okumura K, Broide DH, Matsumoto K, Nakae S. Epithelial cell-derived IL-25, but not Th17 cell-derived IL-17 or IL-17F, is crucial for murine asthma. J Immunol. 2012 Oct 1;189(7):3641-52.
Morita H, Nomura I, Orihara K, Yoshida K, Akasawa A, Tachimoto H, Ohtsuka Y, Namai Y, Futamura M, Shoda T, Matsuda A, Kamemura N, Kido H, Takahashi T, Ohya Y, Saito H, Matsumoto K.
Antigen-specific T-cell responses in patients with non-IgE-mediated gastrointestinal food allergy are predominantly skewed to TH2. J Allergy Clin Immunol. 2013 Feb;131(2):590-592
2. 学会発表
大矢幸弘. 教育セミナー「アレルギー発症予防へ のチャレンジ〜スキンケアを日常診療において 役立てる〜」日本小児科学会総会 2012 年 4 月 22日
Ohya Y, Narita M, Futamura M, Sakamoto N, Saito H. Immediate type food allergy at twelve months old does not associated with timing of introduction of weaning diet but associated with episodes of eczema and gastroenteritis. 67th Annual Meeting of American Academy of Allergy, Asthma &
Immunology, San Francisco, USA. Mar 18-22, 2011.
H. 知的財産権の出願・登録状況(予定も含む)
1.特許取得
特許第 4660756 号 ダイヤモンドチップへの蛋
白質/ペプチドの固定化方法(登録日、平成23年 1月14日)
2.実用新案登録 なし
3.その他 なし
9
Ⅲ . 分担研究報告
10
厚生労働科学研究費補助金(免疫アレルギー疾患予防・治療研究事業)
分担研究報告書
適切なスキンケア、薬物治療方法の確立とアトピー性皮膚炎の発症・増悪予防、自己管理に関する研究 分担研究項目:スキンケアによる乳児湿疹・アトピー性皮膚炎予防に関する研究
研究代表者:斎藤 博久 独立行政法人 国立成育医療研究センター 副研究所長
分担研究者:
松本 健治 (独) 国立成育医療研究センター 研究所 免疫アレルギー研究部 部長 大矢 幸弘 (独)国立成育医療研究センター 生体防御系内科部 アレルギー科 医長 新関 寛徳 (独)国立成育医療研究センター 感覚器・形態外科部 皮膚科 医長 坂本なほ子 (独)国立成育医療研究センター 研究所 成育疫学研究室 室長 左合 治彦 (独)国立成育医療研究センター 周産期センター センター長 研究協力者:
堀向 健太 (独)国立成育医療研究センター 生体防御系内科部 アレルギー科 医師 成田 雅美 (独)国立成育医療研究センター 生体防御系内科部 アレルギー科 医師 森田久美子 (独)国立成育医療研究センター 生体防御系内科部 アレルギー科 医師 野崎 誠 (独)国立成育医療研究センター 感覚器・形態外科部 皮膚科 医員 本村健一郎 (独)国立成育医療研究センター 周産期センター レジデント 徳永 秀美 (独)国立成育医療研究センター 薬剤部
青木 智子 (独)国立成育医療研究センター 6 西病棟看護師 西海 真理 (独)国立成育医療研究センター 医療連携室 看護師
早瀬 和子 (独)国立成育医療研究センター 生体防御系内科部 アレルギー科
研究要旨:アトピー性皮膚炎(AD)は掻痒や慢性・反復性経過を特徴とし、掻痒による生活の質(quality
of life;QOL)の低下が著しいが、実証された有効な発症予防法はない。AD患者の皮膚局所においては
抗原感作が経皮的にも行われている可能性が高く、湿疹の悪化がアレルギー疾患の引き金になりうるこ とが示唆されている。そこで、湿疹がまだ出現していない生後1週未満の新生児期からスキンケアを予 防的(proactive)に行う群と必要時(reactive)に行う群において、AD 予防として有効かどうかを検討 した。平成24年中に79例のリクルートができ予定参加者数である70例を達成した。中間解析53例の 結果において、予想したようにproactive群のほうがreactive群よりも発症が少なかったが、70例では検 出力が不足することが明らかとなった。その理由として、倫理的配慮から対照群を無治療観察群ではなく 必要時塗布を許可したreactive群としたため当初の予測よりも対照群の発症率が低くなったこと、reactive群の ドロップアウト率がやや高いこと、試験プロトコール違反(参加者が自主的に proactive 療法を開始する)などが 挙げられる。今後、中間解析の結果に基づき、本研究の仮説の検証に必要な症例数を継続してリクルートし、プ ロトコール遵守率を高めて、本研究を完了し我が国初のエビデンスを発信する必要がある。
13 A.研究目的
20 世紀後半の経済成長や生活環境の激変に伴 い、我が国のアトピー性皮膚炎の患者数は急増し た。また、日常生活に支障を来す重症患者も増加 し、医療不信とステロイド忌避の現象が相まって 社会問題化した。日本皮膚科学会および日本アレ ルギー学会がガイドラインを作成し混乱に終止 符を打つ努力を行った結果、少しずつ混乱が収束 しつつあるが、アトピー性皮膚炎の発症を予防す る方法はまだ実証された水準のものはない。
「日本アレルギー学会アトピー性皮膚炎診療ガ イドライン 2012」では、アトピー性皮膚炎を発 症した患者に対しては、治療の基本方針として生 理学的機能異常に対する保湿剤外用などのスキ ンケアが推奨されているが、未発症の乳幼児に対 する発症予防効果は謳われていない。
アレルギー疾患の有効な発症予防法を開発す ることは喫緊の重要な課題であるが、これまで国 外で行われた各種抗原を除去する方法はいずれ も発症予防に失敗しており、現時点では、ランダ ム化比較試験で実証された予防法は存在しない。
ある種の乳酸菌を妊娠中と授乳中に母親に児の アトピー性皮膚炎の発症率を低減したとの報告 はあるが、北欧の一国に限られ豪州での追試はネ ガティブであり、まだ結論が出ていない。我々は 以前に、生後1カ月時の乳児湿疹がアレルギー疾 患発症に先行すること (Matsumoto K, et al. Int Arch Allergy Immunol 2005)、および予防的なアト ピー性皮膚炎治療により血清 IgE が低下するこ となど(Fukuie T, et al. Br J Dermatol, 2010)を見い だしている。そこで本研究では、アトピー性皮膚 炎の既往のある母胎から出産する新生児を対象 として、アトピー性皮膚炎・乳児湿疹の発症、お よび2歳児におけるアレルゲン特異的IgE抗体の 獲得とアレルギー疾患発症の有無をアウトカム 評価とし、皮膚バリア機能補正のために保湿剤を 使用したスキンケアのアレルギー疾患予防効果
についてランダム化介入試験を実施した。
本研究と同様に、国立成育医療研究センターに おいて実施している出生コホート調査参加者の うちアレルギー疾患発症高リスク者を対象とす る免疫ヒト化マウスによるアレルギー疾患モデ ルの樹立に関する研究(理化学研究)と連携し、
効率的に研究を実施してきた。アレルゲン特異的 IgE 抗体の測定は、徳島大学で開発した DLC チ ップを用いた。
B.方法
研究デザインは無作為化オープン並行群間試 験で、生後1週未満の健康な新生児を対象とし、
24週間以上、スキンケアを予防的(proactive)に 実施する群と必要時(reactive)に実施する群に おいて、乳児湿疹、アトピー性皮膚炎の発症率を 比較する。このとき、フィラグリンの遺伝子変異 の有無について検討し、層別化して検定する。さ らに、TEWL(transepidermal water loss)、角質水 分量、皮膚黄色ブドウ球菌および2歳時の特異的 IgE抗体などを測定する。これら主要評価項目お よび副次的評価項目を含む内容は UMIN 臨床試 験 登 録 シ ス テ ム に 前 登 録 ( UMIN-CTR:
UMIN000004544 スキンケアによる乳児湿疹・ア
トピー性皮膚炎予防に関する研究)した。
(倫理面への配慮)
乳児湿疹、アトピー性皮膚炎の発症時、診断時 には速やかに加療を開始する。また、試験試料に よると思われる有害事象が出現した場合は、即座 に試験試料の使用を中止し、治療を行う。本研究 は国立成育医療研究センター倫理委員会の承認 を得て実施された。
C.結果
2010 年 11 月より症例登録を開始した。東日本大 震災に続く原発事故の問題などで、東京周辺から
14 離れる家族が多く、正常分娩の入院数の減少が続 いたこと、新たに登録が開始された出生コホート研 究との来院スケジュール重複、スキンケアが有効で あるとの噂により試験に参加せず独自にスキンケア を実施するケースなど予期しない事態が続き、試験 参加登録が遅れた。しかし、入院数の回復してきた 2011 年 10 月より、他の研究との調整を行い、さらに 妊娠初期より積極的に参加呼びかけを行った結果、
2012 年末までに、89 名より参加同意を得た。すでに その多くは出生し、出産後の母体、児の体調不良な どでリクルート基準に達しなかった児を除く 79 例が ランダム化登録を完了し、当初のリクルート予定数を 突破した(Fig.1)。
研究開始当初より、半数を超えた時点での中間 解析を行った上で症例数の調整を行う計画となって いたため、2012/11月末時点で32週までの観察期 間を終えた 47 例と、32 週に達する前にすでにアト ピー性皮膚炎発症などでプロトコールオフとなった6 例の、計53例において、中間解析を行った。
Proactive 群で同意撤回 1 例を除いた 23 例、
Reactive群で同意撤回3例を除いた26例で検討 を行った(Reactive群の同意撤回は4例であったが、
そのうち 1 例はアトピー性皮膚炎と食物アレルギー を発症していたことが、偶然当院アレルギー外来を 初診したことにより判明し、発症例数に組み入れ た。)。アトピー性皮膚炎の発症をアウトカムとした χ 二乗検定によるp値は0.19であり、今後100〜200 例程度に参加者が増加すると有意差が検出される 可能性が示された(Fig2)。中間解析時点での結果 に基づき、Proactive群の発症率を24%、Reactive 群のそれを 43%とすると仮説検証に必要なサンプ ルサイズは各群 108 例となる。この結果に基づき、
参加者のリクルートを継続して行うこととした。なお、
これまでの登録例で試験試料によると考えられる副 作用は1例も起きていない。
さらに、本研究では、アレルギー疾患の発症予 防という観点から、各種の検査を並行して行なっ ている。
経 表 皮 水 分 蒸 散 量 (transepidermal water
loss;TEWL)、角質水分量、皮膚 pH はセンサ
ーを用いた非侵襲性の検査であり、新生児期から 導入可能である。これらの変化がAD発症予測に 貢献する可能性があり、AD発症まで定期検査に 組み入れている。中間解析の時点で 47 例が 32 週まで達成しており、解析可能なデータのある 32 例で検討を行った。経過観察中にADを発症 した場合はその加療に入り、それ以降の定期検査 は施行しないことから AD 発症群の例数は経過 に従い減少していく。そのため、データとして有 用なのは12週程度までと考えられる。現状では 有意差は検出されていないが、角質水分量より TEWL が予測因子となる可能性が示唆された
(Fig3-7)。
また、アレルギー感作と防御因子の検索として、卵 白、卵黄、オボムコイド、オボアルブミン、牛乳、カゼ イン、ラクトアルブミン、小麦などコンポーネントを含 め多種の特異的IgEやIgG4などに関しても、検討 を進めている。新生児を対象とした研究であるため、
採血量は少量が求められるため、蛋白チップを用い た新しい検査方法であるが、従来の CAP-RAST と 相関性も高いことが確認されている(Suzuki K, et al..Anal Chim Acta. 2011 ; 14;706(2):321-7. 2011.)。
未発症群でも、32 週の段階で、特異的 IgE が高値 になる例も観察され、現状ではその傾向は明らかで はないが、IgG4は12週時に高値で、32週では低 下する傾向が見られ、興味深い動きが見られた、今 後も検討を進めていく(Fig.8-12)。
また、本研究では、先行研究でアトピー性皮膚炎 の増悪因子とされる黄色ブドウ球菌や日本人で同 定されているフィラグリン遺伝子変異8種(Hirota T. et al,Nat Genet. 2012 ;7 ; 44(11): 1222-6.)の有無 の検索も同時に行なっている。フィラグリンに関して、
前半の登録者では全例の臍帯血が採取できなかっ たため、同意撤回やプロトコール違反を除いた 57 例の検体採取が可能であったが、そのうち 6 例(=10.5%)においてフィラグリン遺伝子異常
15 が検出されている。47 例目以降は、臍帯血の確保 ができなかった場合に関して児の採血を新生児期 に追加することで DNA サンプルを抽出する体制を 構築し、検体の確保に努めた。従って、47 例以降の 参加者に関してはほぼ全例でフィラグリン遺伝子変 異の検索を行なうことが可能と思われる。
黄色ブドウ球菌の検出に関しては、定期検査毎 に頬部よりスワブ擦過にて検体を確保し、単に菌の 検出のみならず、黄色ブドウ球菌の菌株の違いに 関しても検索中である。
D.考察
我々は以前に新生児を対象とした前向きコ ホート研究から、生後1カ月時に乳児湿疹がアレ ルギーマーチに先行することを見いだしている (Matsumoto K, et al, Int Arch Allergy Immunol
2005;37:S69)。また、AD の治療によって、血清
IgEが低下することを示した(Fukuie T, et al. Br J Dermatol, 2010 Jun 10 Epub)。アトピー性皮膚炎患 者皮膚局所においては抗原感作が経皮的にも行 われる可能性が高い(Lack G. et al, J Allergy Clin Immunol. 2008;121:1331)という仮説が提唱され、
湿疹の悪化がアレルギー疾患の引き金になりう ることが示唆されている。実際に、皮膚バリア機 能に関連するフィラグリン遺伝子変異により、
AD を高率に発症する(Fleckman P. et al, Exp Dermatol. 2002 ;11(4): 327-36)ことは、皮膚バリア 機能を良好に保つことが重要であることを示し ている。また、ADでは、皮疹部のみならず無疹 部においても、角質細胞間脂質のひとつであるセ ラミド量が低下しておりバリア機能が低下して いると報告されており(Imokawa G,et al. J Invest Dermatol. 1991 ; 96:523-6)、乾燥肌に保湿剤を7 週間使用することによって皮膚のバリア機能が 改善することを示した報告がある(Buraczewska I,
et al. Br J Dermatol.2007 ; 156:492-8)。上記のよう な先行研究が示す「乳児湿疹がアレルギー疾患発 症に先行すること、および Proactive なアトピー 性皮膚炎治療により血清 IgE が低下すること」と いう結果から類推される「スキンケアがアトピー 性皮膚炎やアレルゲン感作に有効かもしれない」
という仮説を検証することを本研究は目指して おり、中間解析時点では有意差はないものの、で
はP群24%、R群43%の発症率が得られており、
この比率が変わらなければ、今後参加者が増加す ることで検証が可能となる。先行研究である大阪 大学皮膚科による予防研究に比べ発症率が高いが、
途中リクルートを強化した時期の影響で出生季節が 秋以降に多かったことなどが影響していると考えら れる。
また、TEWL(transepidermal water loss)、角質 水分量、皮膚pHなど非侵襲的な皮膚検査が行わ れており、その中でもTEWLはAD発症の予測 因子として参考にできる可能性が示唆された。新 生児期のこのような検査の報告自体極めて少な いうえ、新生児期から6ヶ月以上に渡りこれらの 測定をした報告はほとんどなく、これらの結果は AD 予防の観点だけでなく基礎的な研究結果と して重要なものとなりうると思われる。
また、抗原特異的 IgE値を測定することで、乳 児の抗原感作状況を調べているが、どの時期から 発生するかは、胎内感作、経母乳感作、経皮感作 など、その経路に関しての報告は交錯しており、い まだ明らかになっていない。未発症群でも特異的 IgE が陽性になっている群もあり、経皮感作ばかり ではない可能性はあるが、さらに精査検討する必要 がある。
フィラグリン遺伝子変異や皮膚の黄色ブドウ 球菌保持の有無などに関しても、これらの情報を 組み合わせることで、AD予防に役立つ可能性が ある。フィラグリン遺伝子変異に関して 10.5%
16 においてフィラグリン遺伝子異常が検出されて いる。先行研究とほぼ一致した率であり、今後さ らに詳細な検討を実施する。
同様の研究が海外、国内でも計画されてきてい るが、いまだ、少数例の結果のみである(Lowe AJ, et al. BMC Dermatol. 2012; 4;12:3.)(Lavender T, et al. BMC Pediatr. 2011; 13;11:35).。その理由として、
リクルートの困難さや同意撤回率の高さなどが 指摘されており、新生児を対象とした試験の困難 さが伺える。本研究においても、実施の継続には 様々な困難に直面しているが、各科、各方面から の協力により、諸外国の研究より遅れることなく 研究が続行できているうえ、研究内容は多岐にわ たっている。
当初、P群20%以下、R群47%以上のアトピー
性皮膚炎発症を仮定して各群35名を登録したが、
研究計画書に従い53例にて中間解析をした結果、
現時点で、各群108例が必要と判明した。当初対 照として設定を想定していた 無治療観察群 を倫 理審査委員会の意見を取り入れて修正し、ある程度 の試験試料の塗布を許可した“reactive 群”を対照 としたことは、検出率が低下した一因と思われる。ま た、reactive群のドロップアウト率がproactive群に 比べるとやや高いこと、試験プロトコールに対するコ ンプライアンスの問題が挙げられる。reactive 群が 毎 日 試 験 試 料 を 塗 布 し て い る 場 合 が あ っ た り 、
proactive群の洗浄方法や塗布法に関して問題が
あれば、その差は小さくなる可能性がある。プロトコ ール遵守に関して、さらなるチェックアップ体制を構 築し、実行開始したところである。
E.結論
本研究は、保湿剤による皮膚バリア機能補正に よる新生児期からの介入がアトピー性皮膚炎の 発症、ひいてはアレルゲン感作を予防する効果が あるかどうかを検討する介入試験である。検証さ れた有効な発症予防法が存在しないなか、本研究 が計画通りに貫徹されれば、アレルギー疾患の発
症予防の一翼を担う方法を発見したという点で 広く社会に還元でき、また医療費の削減にも繋が る可能性と次世代の国民に対する大きな貢献が 期待できる。
F. 健康危険情報
G.研究発表 1. 論文発表
Fukuie T, Nomura I, Horimukai K, Manki A, Masuko I, Futamura M, Narita M, Ohzeki T, Matsumoto K, Saito H, Proactive treatment appears to decrease serum immunoglobulin-E levels in patients with severe atopic dermatitis.
Ohya Y. Br J Dermatol. 163: 1127-1129, 2010
Nomura I, Morita H, Hosokawa S, Hoshina H, Fukuie T, Watanabe M, Ohtsuka Y, Shoda T, Terada A, Takamasu T, Arai K, Ito Y, Ohya Y, Saito H, Matsumoto K. Four distinct subtypes of non-IgE-mediated gastrointestinal food allergies in neonates and infants, distinguished by their initial symptoms. J Allergy Clin Immunol. 127: 685-688 e681-688, 2011
Morita H, Nomura I, Orihara K, Yoshida K, Akasawa A, Tachimoto H, Ohtsuka Y, Namai Y, Futamura M, Shoda T, Matsuda A, Kamemura N, Kido H, Takahashi T, Ohya Y, Saito S, Matsumoto K. Antigen-specific T-cell responses in patients with non-IgE-mediated gastrointestinal food allergy are predominantly skewed to TH2. J Allergy Clin Immunol 131: 590-592, 2013.
2. 学会発表
大矢幸弘. 教育セミナー「アレルギー発症予防へ
17 のチャレンジ〜スキンケアを日常診療において 役立てる〜」日本小児科学会総会 2012 年 4 月 22日
Ohya Y Recent paradigm shift in the prevention and treatment for atopic disease.
Korean Pediatric Society Invited Lecture Oct 19th, 2012. Gangwan-do, Korea.
Ohya Y, Narita M, Futamura M, Sakamoto N, Saito H. Immediate type food allergy at twelve months old does not associated with timing of introduction of weaning diet but associated
with episodes of eczema and gastroenteritis.
67th Annual Meeting of American Academy of Allergy, Asthma & Immunology, San Francisco, USA. Mar 18-22, 2011.
H. 知的財産権の出願・登録状況(予定も含む)
1.特許取得 なし
2.実用新案登録 なし
3.その他 なし
18
0 2 4 6 8 10 12
リクルート人数(人)
リクルートを出産前 から強化し、安定し
た数を確保した
Fig.1. リクルート状況
10
15 13
9
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
Proactive群 Reactive群
未発症 発症
Proactive群 総数 24
実数 23
AD 10
乳児湿疹 3
同意撤回 1
Reactive群 総数 29
実数 24
AD 15
乳児湿疹 2
同意撤回 4
プロトコール違反 1
32週までにプロトコールオフR群5例、P群1例
χ二乗検定 P=0.191
Fig.2. 中間解析結果(アトピー性皮膚炎AD発症率)
19
20
21
100.0 1000.0
1 2
BUe/ml
Reactive群
系列1 系列2 系列3 系列4 系列5 系列6 系列7 系列8 系列9 系列10 系列11 系列12 系列13 系列14
12週 32週
N=20 N=14
100.0 1000.0
1 2
BUe/ml
Proactive群
系列1 系列2 系列3 系列4 系列5 系列6 系列7 系列8 系列9 系列10 系列11 系列12 系列13 系列14 系列15 系列16 系列17 系列18 系列19 系列20
267±59 274±58
497±492
12週 32週
310±124
Fig.9. Egg White specific IgE
10.0 100.0 1000.0
1 2
BUg4/ml
Eczema発症群
系列1 系列2 系列3 系列4 系列5 系列6 系列7 系列8 系列9 系列10 系列11 系列12 系列13 系列14 系列15 系列16 系列17 系列18 系列19 10
100 1000
1 2
BUg4/ml
Eczema未発症群
系列1 系列2 系列3 系列4 系列5 系列6 系列7 系列8 系列9 系列10 系列11 系列12 系列13 系列14 系列15
12週 32週 12週 32週 N=19
N=15
Fig.10. Egg White specific IgG4 186±147
76±45
433±396
64±34
22
100.0 1000.0
1 2
Bue/ml
Eczema発症群
系列1 系列2 系列3 系列4 系列5 系列6 系列7 系列8 系列9 系列10 系列11 系列12 系列13 系列14 系列15 系列16 系列17 系列18 系列19 100
1000
1 2
BUe/ml
Egcema未発症群
系列1 系列2 系列3 系列4 系列5 系列6 系列7 系列8 系列9 系列10 系列11 系列12 系列13 系列14 系列15
12週 32週 N=15 12週 32週 N=19
280±109
286±84 261±43
280±62
Fig.11. Milk White specific IgE
10.0 100.0 1000.0
1 2
BUg4/ml
Eczema群
系列1 系列2 系列3 系列4 系列5 系列6 系列7 系列8 系列9 系列10 系列11 系列12 系列13 系列14 系列15 系列16 系列17 系列18 10.0 系列19
100.0 1000.0
1 2
BUg4/ml
Eczema未発症群
系列1 系列2 系列3 系列4 系列5 系列6 系列7 系列8 系列9 系列10 系列11 系列12 系列13 系列14 系列15
12週 32週 12週 32週
N=15 N=19
Fig.12. Milk White specific IgG4 261±43
280±62 206±505
442±790
23
厚生労働科学研究費補助金(成育疾患克服等次世代育成基盤研究事業)
分担研究報告書
適切なスキンケア、薬物治療方法の確立とアトピー性皮膚炎の発症・増悪予防、
自己管理に関する研究
分担研究項目:アトピー性皮膚炎の発症・増悪予防に関する基礎検討
分担研究者:松本 健治 (独)国立成育医療研究センター 研究所 免疫アレルギー研究部 免疫アレルギー研究部 部長
研究協力者:森田 英明 (独)国立成育医療研究センター 研究所 免疫アレルギー研究部 医師 共同研究員
研究要旨:近年の疫学研究から、食物抗原に対するアレルギー感作の成立には、食物抗原の経皮的な曝 露が重要である可能性が示唆されている。食物抗原に対するアレルギー感作の成立はその後のアトピー 性皮膚炎の治療やQOLに大きく影響する問題である。しかし、これまでに、なぜ皮膚から浸入した抗原 がTh2型の免疫応答を誘導するかについては不明な点が多く残されていた。今回、私たちはアトピー性 皮膚炎の皮膚に常在し、皮膚炎の重症度に強く相関する黄色ブドウ球菌の関与に着目し、黄色ブドウ球 菌が産生するV8 proteaseのマウス経皮感作における影響を検討した。その結果、V8 proteaseはOVAと 同時に皮膚に曝露させた場合に、OVA に対する IgE 抗体の産生を増強した。その機序として、protease 活性による皮膚のバリア傷害だけでなく、湿疹の惹起が関与する可能性が示唆された。今後はこの皮膚 の湿疹面での食物抗原曝露が食物アレルギーの発症に関わることを想定した予防法の開発が望まれる。
A. 研究目的
近年の疫学研究から、食物抗原に対するアレル ギー感作の成立には、食物抗原の経皮的な曝露 が重要である可能性が示唆されている。食物抗 原やダニ抗原に対するアレルギー感作の成立 はその後のアトピー性皮膚炎の治療や QOL、
アレルギーのマーチに大きく影響する問題で ある。しかし、これまでに、なぜ皮膚から浸入 した抗原が Th2 型の免疫応答を誘導するかに ついては不明な点が多く残されていた。私たち は昨年度までに、アトピー性皮膚炎の皮膚に常 在し、皮膚炎の重症度に強く相関する黄色ブド ウ球菌の関与に着目し、黄色ブドウ球菌由来の 皮膚のバリア傷害分子であるV8 proteaseが食 物抗原やダニ抗原に対するマウス経皮感作を 増強する事を見いだした。しかし黄色ブドウ球 菌がどのようなメカニズムで皮膚炎を誘導し、
その後の抗原感作につながるのかはほとんど 分かっていなかった。
そこで本年度は種々のアレルギー疾患のな かで最初に発症する湿疹に着目し、黄色ブドウ 球菌由来のプロテアーゼが皮膚炎(湿疹)形成 にどのように関与するかについて検討した。
B. 方法
1.C57BL/6マウスの耳介に種々の濃度のV8
proteaseを隔日塗布し、耳介の厚さを経時的測
定し、耳介の炎症を組織学的に検討した。
C. 結果
不活性化したV8 proteaseを塗布した群に比し
て、V8 proteaseを塗布した群では濃度依存的に
耳介の腫脹を認めることが判明した。また、組 織学的な検討では、表皮の肥厚や、真皮への多 核球の浸潤を認めた。
24 D. 考察
①黄色ブドウ球菌由来の protease に暴露され ることによって、皮膚炎が生じることが明らか となった。
②このことから、黄色ブドウ球菌を除去するこ とにより湿疹を初めとした皮膚炎の発症を予 防し、その後のアレルギーマーチの発症予防に 繋がる可能性があり、今後更に詳細にその機序 を検討する必要があると考えられた。
E.結論
黄色ブドウ球菌由来の protease は皮膚炎を 誘導し、皮膚炎からの抗原感作を介してアトピ ー性皮膚炎及び、その後のアレルギー疾患の発 症に関与する可能性が示唆された。
G.研究発表 1.論文発表
1. Activation of human synovial mast cells from rheumatoid arthritis or osteoarthritis patients in response to aggregated IgG through FceRI and FcgRII. Lee H, Kashiwakura J, Matsuda A, Watanabe Y, Sakamoto-Sasaki T, Matsumoto K, Hashimoto N, Saito S, Ohmori K, Nagaoka M, Tokuhashi Y, Ra C, Okayama Y. Arthritis Rheum. 65: 109-19, 2013.
2. Interleukin-33 in allergy. Ohno T, Morita H, Arae K, Matsumoto K, Nakae S. Allergy. 67:
1203-14. 2012.
3. Antigen-specific T-cell responses in patients with non-IgE-mediated gastrointestinal food allergy are predominantly skewed to TH2.
Morita H, Nomura I, Orihara K, Yoshida K, Akasawa A, Tachimoto H, Ohtsuka Y, Namai Y, Futamura M, Shoda T, Matsuda A, Kamemura N, Kido H, Takahashi T, Ohya Y, Saito S,
Matsumoto K. J Allergy Clin Immunol 2012 in Press.
4. Epithelial cell-derived IL-25, but not Th17 cell-derived IL-17 or IL-17F, is crucial for murine asthma. Suzukawa M, Morita H, Nambu A, Arae K, Shimura E, Shibui A, Yamaguchi S, Suzukawa K, Nakanishi W, Oboki K, Kajiwara N, Ohno T, Ishii A, Korner H, Cua DJ, Suto H, Yoshimoto T, Iwakura Y, Yamasoba T, Ohta K, Sudo K, Saito H, Okumura K, Broide DH, Matsumoto K, Nakae S. J Immunol. 189:
3641-3652, 2012.
5. Omalizumab inhibits acceleration of FcepsilonRI-mediated responsiveness of immature human mast cells by immunoglobulin E. Okayama Y, Kashiwakura J, Sasaki-Sakamoto T, Matsumoto K, Hashimoto N, Ohmori K, Kawakami T, Saito H, Ra C. Ann Allergy Asthma Immunol. 108: 188-194 e182, 2012.
6. Non-IgE-mediated gastrointestinal food allergies: distinct differences in clinical phenotype between Western countries and Japan.
Nomura I, Morita H, Ohya Y, Saito H, Matsumoto K. Curr Allergy Asthma Rep. 12:
297-303, 2012.
7. ST2 requires Th2-, but not Th17-, type airway inflammation in epicutaneously antigen- sensitized mice. Morita H, Arae K, Ohno T, Kajiwara N, Oboki K, Matsuda A, Suto H, Okumura K, Sudo K, Takahashi T, Matsumoto K, Nakae S. Allergol Int. 61:265-73, 2012.
8. Anti-inflammatory effects of high-dose IgG on TNF-alpha-activated human coronary artery endothelial cells. Matsuda A, Morita H, Unno H, Saito H, Matsumoto K, Hirao Y, Munechika K, Abe J. Eur J Immunol. 42: 2121-31, 2012.
25 9. Salivary cortisol response to stress in young
children with atopic dermatitis. Kojima R, Matsuda A, Nomura I, Matsubara O, Nonoyama S, Ohya Y, Saito H, Matsumoto K. Pediatr Dermatol. 30: 17-22, 2013.
10. Factors associated with steroid phobia in caregivers of children with atopic dermatitis.
Kojima R, Fujiwara T, Matsuda A, Narita M, Matsubara O, Nonoyama S, Ohya Y, Saito H, Matsumoto K. Pediatr Dermatol. 30: 29-35, 2012.
11. Histamine-releasing factor has a proinflammatory role in mouse models of asthma and allergy. Kashiwakura JC, Ando T, Matsumoto K, Kimura M, Kitaura J, Matho MH, Zajonc DM, Ozeki T, Ra C, MacDonald SM, Siraganian RP, Broide DH, Kawakami Y, Kawakami T. J Clin Invest. 122: 218-228, 2012.
12. The role of Staphylococcal enterotoxin in atopic keratoconjunctivitis and corneal ulceration. Fujishima H, Okada N, Dogru M, Baba F, Tomita M, Abe J, Matsumoto K, Saito H.
Allergy. 67: 799-803, 2012.
13. Effects of diesel exhaust particles on primary cultured healthy human conjunctival epithelium.
Fujishima H, Satake Y, Okada N, Kawashima S, Matsumoto K, Saito H. Ann Allergy Asthma Immunol. 110: 39-43, 2013
14. The association between oxytocin and social capital. Fujiwara T, Kubzansky LD, Matsumoto K, Kawachi I. PLoS One. 7:e52018, 2012.
15. Role of Interleukin-33 in innate-type immune cells in allergy. Nakae S, Morita H, Ohno T, Arae K, Matsumoto K, Saito H. Allergology Int 2013 In Press.
16. Pretreatment with low-levels of FceRI- crosslinking stimulation enhances basophil mediator release. Koketsu R, Yamaguchi M, Suzukawa M, Arai H, Nagase H, Matsumoto K, Saito H, Ra C, Yamamoto K, Ohta K. Int Arch Allergy Immunol 2013 In Press.
2.学会発表 なし
H.知的財産権の出願・登録状況 1.特許取得
なし
2.実用新案登録 なし
3.その他 なし
26
平成22年度厚生労働科学研究費補助金 免疫アレルギー疾患等予防・治療研究事業 分担研究報告書
適切なスキンケア、薬物治療方法の確立とアトピー性皮膚炎の発症・増悪予防、自己管理に関する研究 研究分担者 (氏名)片山一朗 (所属)大阪大学大学院医学系研究科皮膚科
研究協力者 (氏名)室田浩之 (所属)大阪大学大学院医学系研究科皮膚科
(氏名)寺尾美香 (所属)大阪大学大学院 医学系研究科 G-COE特任研究員
A.研究目的
(1)乳児期早期の適切なスキンケアがその後の アレルギー疾患の発症に与える影響、(2)スキン ケアにおける角質細胞間脂質の機能について検討 する。アトピー性皮膚炎治療の基本方針として生 理学的機能異常に対しては保湿剤外用などのスキ ンケアが推奨されているものの、特に乳幼児のア トピー性皮膚炎においては個々の医療機関・医師 での実際の外用療法やスキンケア指導に一定の指 針がなく、エビデンスにも乏しいのが現状である。
本研究では乳児期早期の適切なスキンケアがその 後のアレルギー疾患の発症に与える影響について 昨年度に継続して検討を行う。
また日常生活での入浴習慣、石鹸の適切な指導、
外用ステロイドのバリア機能への影響に関しても、
エビデンスに基づいた患者指導が必要であると考 える。
B.研究方法
1.平成20年度に私たちは以下のような検討を 行った:アトピー素因のある新生児をスキンケア 介入群と非介入群を封筒法によって無作為に割付 け、前者に対しては顔面には洗浄料を使わず、ぬ るま湯のみで洗うよう指示し、保湿剤を1日最低
1 回(入浴後は必ず)顔面全体に外用するよう指 示した。生後1週間以内、1ヶ月後、4ヶ月後、6 ヶ月後の皮膚症状の有無を観察するとともに、経 皮水分蒸散量(TEWL)、皮膚表面pH を測定する と同時に、頬部、前胸部、および下腿の細菌培養 を行った。対象児のアレルギー症状に関する追跡 調査を行った。
2 患者のスキンケア指導のためのアトピー性皮 膚炎患者の皮膚バリア機能と発疹型の検討。
患者の皮膚バリア機能を経皮水分蒸散量(TEWL)
はMPA-5システム(300 probe (Courage&Khazaka electronic, GmbH 社)、角層内水分量は 3.5MHz Skicon-200 (IBS,Japan 社)で測定し、評価した。特 に肘窩部を中心とした皮膚炎の好発部位における 皮疹の性状、発疹型と皮膚バリア機能の関連性を 検討した。
C.研究結果
(1)検討を行った児、21例(介入群 12例、
非介入群 9例)全例を対象に郵送による追跡調 査を行った(表1)。介入群の3/11、非介入群 の4/10が食物アレルギーを発症していた。介 研究要旨 近年、アトピー性皮膚炎の患者の数は、増加してきており社会問題化している。「日本皮膚科学 会アトピー性皮膚炎治療ガイドライン 2009 改訂版」では、治療の基本方針として生理学的機能異常に対して は保湿剤外用などのスキンケアが推奨されているものの、特に乳幼児のアトピー性皮膚炎においてはエビデン スの不足からそれぞれの医療機関・医師により実際の治療および指導にばらつきを生じているのが現状であ る。本研究では(1)乳児期早期の適切なスキンケアがその後のアレルギー疾患の発症に与える影響、(2)
石鹸、ステロイド外用剤が皮膚バリア機能に与える影響を検討した。
27 入群は6〜9ヶ月、非介入群は1ヶ月〜2際で食物 アレルギーを発症していた。そのほとんどが特異 的 IgEを測定することで小児科医が診断していた。
3歳時点で介入群の食物アレルギー1例を除き、除 去は継続されていた。保湿剤によるスキンケアを 介入群ではほぼ全例が継続していたが、非介入群 では食物アレルギー発症群でアトピー性皮膚炎症 状を改善させる目的で発症後に保湿剤を開始して いた。
(2)バリアの指標の一つとなる経皮水分蒸発発 量(TEWL)は用いた3種類の石鹸すべてにおい て、無処置マウスや脱イオン蒸留水を塗布したマ ウスに比し、上昇していた。角質水分保持能もす べての石鹸において低下がみられた。ステロイド 外用は SDS によるバリア機能障害を増幅したが、
エタノールと差が見られず、大きな影響はあたえ ないと考えられた。In vitroにおいて界面活性剤の 成分であるSDS はIL1βのケラチノサイトの産生 を有意に上昇させた。(図1)
D.考察
症例数は少ないながら、新生児からの保湿剤によ るスキンケア介入は児のその後のアレルギー疾患 の発症率を低下させる可能性が示唆された。スキ ンケア介入は6ヶ月間と限られており、この期間 がその後のアレルギーマーチの発症にどのくらい の影響を及ぼすかに興味がもたれた。その結果、
2歳時でのアトピー性皮膚炎有病率は非介入群に 比し介入群で低い結果となった。
さらなる追跡調査によって食物アレルギーのアウ トグローの経過を観察する必要があると考えられ た。
石鹸の使用に関しては、皮膚バリア機能を障害し、
また界面活性剤成分のSDSがケラチノサイトから の IL1βなどを亢進させることより、適切な使用、
洗浄法の指導が重要と考えられた。
E.結論
スキンケアの重要性を支持する所見と思われ、今 後も症例数、検討数を増やして検討していく予定 である。
G.研究発表 1.論文発表
1) Periostin Facilitates Skin Sclerosis via PI3K/Akt Dependent Mechanism in a Mouse Model of
Scleroderma.Yang L, Serada S, Fujimoto M, Terao M, Kotobuki Y, Kitaba S, Matsui S, Kudo A, Naka T, Murota H, Katayama I. PLoS One. 2012;7:e41994.
2) Positive link between STAT3 activation and Th17 cell infiltration to the lesional skin in vitiligo vulgaris.
Tanemura A, Kotobuki Y, Itoi S, Takata T, Sano S, Katayama I.J Dermatol Sci. 2012 ;67(3):207-9.
3) Artemin causes hypersensitivity to warm sensation, mimicking warmth-provoked pruritus in atopic dermatitis.Murota H, Izumi M, Abd El-Latif MI, Nishioka M, Terao M, Tani M, Matsui S, Sano S, Katayama I.J Allergy Clin Immunol.
2012 ;130(3):671-682.e4.
4)Upregulation of N-acetylglucosaminyltransferase-V by heparin-binding EGF-like growth factor induces keratinocyte proliferation and epidermal hyperplasia.
Kimura A, Terao M, Kato A, Hanafusa T, Murota H, Katayama I, Miyoshi E. Exp Dermatol.
2012 ;21(7):515-9
5) Periostin, a matricellular protein, accelerates cutaneous wound repair by activating dermal fibroblasts. Ontsuka K, Kotobuki Y, Shiraishi H, Serada S, Ohta S, Tanemura A, Yang L, Fujimoto M, Arima K, Suzuki S, Murota H, Toda S, Kudo A, Conway SJ, Narisawa Y, Katayama I, Izuhara K, Naka T.
Exp Dermatol. 2012;21(5):331-
28 6) Severe dermatitis with loss of epidermal Langerhans cells in human and mouse zinc deficiency.Kawamura T, Ogawa Y, Nakamura Y, Nakamizo S, Ohta Y, Nakano H, Kabashima K, Katayama I, Koizumi S, Kodama T, Nakao A, Shimada S.J Clin Invest.
2012;122(2):722-32.
7) Dysregulation of melanocyte function by Th17-related cytokines: significance of Th17 cell infiltration in autoimmune vitiligo vulgaris.Kotobuki Y, Tanemura A, Yang L, Itoi S, Wataya-Kaneda M, Murota H, Fujimoto M, Serada S, Naka T, Katayama I.Pigment Cell Melanoma Res. 2012:25(2):219-30.
8)A novel application of topical rapamycin
formulation, an inhibitor of mTOR, for patients with hypomelanotic macules in tuberous sclerosis
complex.Wataya-Kaneda M, Tanaka M, Nakamura A, Matsumoto S, Katayama I. Arch Dermatol.
2012 ;148(1):138-9.
9)Characterization of dsRNA-induced pancreatitis model reveals the regulatory role of IFN regulatory factor 2 (Irf2) in trypsinogen5 gene transcription.
Hayashi H, Kohno T, Yasui K, Murota H, Kimura T, Duncan GS, Nakashima T, Yamamoto K, Katayama I, Ma Y, Chua KJ, Suematsu T, Shimokawa I, Akira S, Kubo Y, Mak TW, Matsuyama T. Proc Natl Acad Sci U S A. 2011;108(46):18766-71.
10)Diminished regulatory T cells in cutaneous lesions of thymoma-associated multi-organ autoimmunity: a newly described paraneoplastic autoimmune disorder with fatal clinical course. Hanafusa T, Azukizawa H, Kitaba S, Murota H, Umegaki N, Terao M, Sano S, Nakagiri T, Okumura M, Katayama I.
Clin Exp Immunol. 2011 ;166(2):164-70.
(日本語論文)
1)片山一朗 : 包括的カユミ対策をスキンケアはア
レルギーマーチを阻止できるか? . 日本小児皮 膚科学会雑誌 30(1):1-7,2011
2)片山一朗 : アトピー性皮膚炎の病因 . 日本医
師会雑誌 , 140(5):978-982,2011
3)片山一朗 : アトピー性皮膚炎の診断と治療 .
日本医師会雑誌 , 140(5):945-958,2011
4)片山一朗 : アレルギー性皮膚炎と診療ガイド
ライン . アレルギア , 40:2011
5)片山一朗 : 中毒疹・紅斑の考え方と治療の進め
方 . 日本臨床皮膚科医会雑誌 , 28(5):2011
6)片山一朗 : 中毒疹・紅斑の考え方と治療の進め
方 . Asahi Medical 40(11):2011
7)片山一朗:序〜「アトピー性皮膚炎の病態と治 療 アップデート」特集にあたって.アレルギー免 疫,18(10):9.2011
8)片山一朗:アトピー性皮膚炎の診療ガイドライ ン.アレルギー免疫,18(10):10-20.2011
9)片山一朗:神経原性炎症の増幅のメカニズムと アトピー性皮膚炎,アレルギーと神経ペプチド,日 本医学館,7,12,2011
10)片山一朗:皮膚バリア機能とアレルギー.アレル ギーと神経ペプチド.日本医学館,7,28-31,2011 11)片山一朗:皮膚科からみた総合アレルギー医.
ア レ ル ギ ー 免 疫,医 薬 ジ ャ ー ナ ル 社,18(7) 34-41.2011
2.学会発表
1)片山一朗、生体の恒常性とアレルギー.第2 4回アレルギー学会春季臨床大会、2012, 5 2)北場俊、室田浩之、高橋 彩、松井佐起、片 山一朗.乳児期早期のスキンケアによるアトピー 性皮膚炎発症予防効果の検討.第24回アレルギ ー学会春季臨床大会、2012, 5
3)楊 伶俐、室田浩之、仲 哲治、片山一朗 リ モデリングの新たな視点 アレルギー疾患と組織 リモデリング ペリオスチンの新たな役割 第2
4回アレルギー学会春季臨床大会、
.
表1:新生児スキンケア介入、
4回アレルギー学会春季臨床大会、
表1:新生児スキンケア介入、
4回アレルギー学会春季臨床大会、
表1:新生児スキンケア介入、3歳時の追跡調査結果 4回アレルギー学会春季臨床大会、2012, 5
歳時の追跡調査結果
29
H.知的財産権の出願・登録状況 なし
歳時の追跡調査結果
知的財産権の出願・登録状況 なし
知的財産権の出願・登録状況
図1:石けんの使用皮膚のバリ アを障害する。シャワーや入浴 後のスキンケアが重要である 知的財産権の出願・登録状況
図1:石けんの使用皮膚のバリ アを障害する。シャワーや入浴 後のスキンケアが重要である 図1:石けんの使用皮膚のバリ アを障害する。シャワーや入浴 後のスキンケアが重要である 図1:石けんの使用皮膚のバリ アを障害する。シャワーや入浴