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口腔ケア

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Academic year: 2021

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増補版 複製義歯 - 慣れた義歯こそ高齢者の求める義歯 - 地域包括ケアシステムで活かせる!  

在宅・施設で行う口腔ケアに必要な介護技術 冊

現場で役立つ知識とテクニックが満載!

2

3 1.2025 年問題

2025 年(平成 37 年)は、650 万人を超える 第1次ベビーブー

ム(1947 〜 1949 年)世代

が 75 歳以上、つまり後期高齢者になる年で あ

る。後期高齢者 になると、74歳未満の者と比

図1 後期高齢者医療 費の特性(保険局調査

課「医療保険に関する 基礎資料」)

図中の「若人」

とは、後期高齢者医療制度以外の医療保険加入者を指す 1人当たり診療費の若人との比較(平成22年度)

※なお、後期 高齢者の1件当たり診療費を

若人と比較すると、

入院1.1倍、外来1.5倍であり、一年間の受診頻度を示す 1人当たり日数

で比較すると、入院9.1倍、外来3.2倍である。 三要素の比較(平成22年度)

1人当たり診療費 19.3万円 89.1万円 うち入院 6.4万円 45.6万円 うち外来 11.0万円 40.7万円

後期高齢者 4.6倍

後期高齢者 3.7倍 後期高齢者

 7.1倍 若人

若人

若人

1日当たり診療費1.1倍 1件当たり受診日数 受診率2.4倍 1.3倍

外来 1日当たり診療費

0.8倍 若人

若人 1件当たり受診日数

1.4倍 入院 後期高齢者

後期高齢者 受診率6.6倍   2025 年は第1次ベ

ビーブーム世代が後期高齢者に なることから、在宅療養の需要がこ

まで以上に高まる。

  住み慣 れた地域で最後まで

自分らしく生活できるよう 支援するための地域

包括ケアシステ

ムが推進さ れ、介護・医療をは

じめとする地域の社 会資源の連携が求められる。

  地域包 括ケアシステムに歯

科が位置づけられ、

口腔管理に関連した診療・介護報酬の改定

が行われている。

  口腔機 能管理を推進するうえで、日常的な介護職が行う支援ととも

に、歯科専門職が行う

支援による シームレスな

支援体制づくりが重要である。

  看護職 をはじめとする多職

種連携が強く求めら れている。

Point !

地域包括ケアシステムに おける口腔ケアの位置づけ

べて、受診率が入院 で 6.6 倍、外来

で 2.4 倍に

なるこ とから、1人あたり

の診療費は 4.6 倍と

なる(図1)。

I

また、高齢者数の増加により身体介護が 必

要な者の増加 に加え、認知

症患者の増加な

ど、介護の必要量も 増加することが予想され ている(図2)。この

ことから、2025 年は、わ

図 2 「認知症高齢 者の日常生活自立度」Ⅱ

※以上の高齢者 数(厚生労働省)

2010 2015

2020 2025

︶人 万︵者の 上以 立Ⅱ度 自活 生常 日

0 100 200 300 400 500

280

(9.5%)

345

(10.2%)

410

(11.3%)

470

(12.8%)

※認知症高齢 者の日常生活自立度判

定基準

ランク 判断基準

みられる症状・行動の例

Ⅰ 何らかの認知症を有するが、

日常生活は家庭内 および社会的にほぼ自

立している

Ⅱ 日常生活に支

障をきたすような症状

・行動や意

思疎通の困難 さが多少みられても、誰かが注意 していれ

ば自立できる

Ⅱ a 家庭外で上記Ⅱの状態がみられる

たびた び道に迷うとか、買物

や事務、金銭管理

などそれ までできたことにミスが目立つ等

Ⅱ b 家庭内でも上記Ⅱの状

態がみられる 服薬管理ができない

、電話の応対や訪問者との 対応など一人で留守番

ができない等

Ⅲ 日常生活に支障をきたすよう

な症状・行動や意 思疎通の困難さがみられ、介護を必要とする

Ⅲ a日中を中 心として上記Ⅲの

状態がみられる 着替え、食事、排便

、排尿が上手にできない、

時間がかかる。やたらに物 を口に入れる、物を 拾い集める、徘徊、失

禁、大声、奇声をあげる、 火の不始末、不潔行為、性的異常行為等

Ⅲ b夜間を 中心として上記Ⅲ

の状態がみられる ランクⅢa に同じ

Ⅳ 日常生活に支

障をきたすような症状・行動や意 思疎通の困難さが頻

繁にみられ、常に介護を必

要とする ランクⅢに同じ

M著しい精 神症状や周辺症状あ

るいは重篤な身体

疾患が 見られ、専門医療を必要とする

せん妄、妄想

、興奮、自傷・他害等の精神症状 や精神症状に

起因する問題行動が継続する状態

平成 18年 4 月3 日 老発第  0403003 号「「痴呆性老人の生活自立度判定基準」の活用について」の

一部改正について が国にとっ

て、社会保障施策だけでな く、人

口政策や財政にとって 大きな節目の年とな

ことから、「2 025 年問題」と言わ

れている。

1.2025 年問題

76

77

Ⅵ 事例集

対象者本人が大丈 夫と回答して

も、動かしてもよい状態なの か、事前にスタッフ

確認を行いましょ

①看護師・介護士等のスう。

タッフへ対象者の体調などについて情報収集を行う。

②対象者およ び介護者へ口腔ケアを行うことを説明し、承諾を得る。

③バイタルサインの測定を行う。 

※Ⅳ章参照

(2)口腔ケアを行うため、

仰臥位から側臥位に変 換する

⑧術者は、対象者の足に近い腕で、対象者の膝を術者の肘で、対 象者の大腿部(麻痺側)を術者の手のひらで支える。

⑨術者は、対象者の顔に近い腕で、対象者の肩(麻痺側)を支える。

⑪大きめのクッションを対象者の背中に入れて安定を図り、側臥位 にする。

2.坐位が とれない対象者の口

腔ケア

④口腔ケアを行う側と逆側へ対象者を水平移動する。

麻痺があ る場合は、麻痺側へ対象者を水平移動する。

※ P.61 参照 口腔ケアを行う側に水平移動すると、側臥位になった ときにベッドから落下する危険性があります。

麻痺側を下にした側臥位にすると、身体を支 えること ができません。それだけでなく、麻痺側の脱

臼、骨折 等につながる危険性があります。また、麻痺側には、

摂食嚥下機能にも麻痺が及ぶ場合があり、麻痺側を下 にしての口腔ケアは、水を誤嚥してしまう可

能性が高く なります。

⑤術者は、対象者が側臥位になる側

(健側)。

健側の手が使えるようであれば、声かけをし て枕を対象者にずらして もらいましょう。

⑥対象者の麻痺側の腕を健側の腕で保護するように胸の上に おいてもらう。

⑦対象者の両膝は、かかとをお尻に近づけるよう にして高く立ててもらい、術 者は対象者の膝を支えておく。

体を出来るだけ一つにまとめまし ょう。

⑩対象者のら腰を回転膝を肘で押しなが させる。次に、

肩を手前に起こす。

⑫術者は、対象者の後ろに回り、腰部を後ろに 引き、下半身を安定 させる。

身体を「く」の字にするような感じがよいで しょう。

⑬対象者の麻痺側の手、膝、足首など強く当たる部分(褥瘡になり やすい)にバ頭が下がるスタオルを入場合は、バスタオルをれて保護する。

入れ、握りこぶし一 つ分頭を起こすことで誤嚥しにくくなります。

緊急時の対応 事例集

口腔機能管理の実際

口腔ケア前の承諾と健康状態の把握 介護技術の基本

口腔ケアに必要な移動・歩行の介助

地域包括ケアシステムにおける口腔ケアの位置づけ 目次

I

在宅・施設での口腔機能管理のニーズが高まるなか、介 護技術と口腔ケアの技術をセットで、写真とともにわか りやすく説明しました。

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地域包括 ケアシステムで

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口腔ケア 必要 介護技術

24

25 3.体位の種類

口腔ケアの際、対象者にとら せる体位として、

坐位、車いす坐位、ファーラー位、セミフ ァー

ラー位、仰臥位、側臥位がある(

表 1)。

4.介護用クッションの活用 介護用クッションは

、褥瘡防止や、体位変換、

体位の安定のために用いられる。口腔ケア 時に

おいても、対象者の安全・安楽な姿勢を確 保す

るために、介護用クッションやバスタオル を使

用すると便利である。

Ⅲ 介護技術の基本

図 8 介護用クッシ ョン

図 9 両脚間のクッ ション

図 10 車いすでのクッションの応用

① 対象者を側臥位で口腔ケアを行う場合 対象者を側臥位にした際、三角になった介 護

用クッションを背中に差し込むと、姿勢が 崩れ

ず口腔ケアが行 える(図 8)。介護用クッショ ンがない場合は、大判バスタオルをきつめに巻 いて背中に差し込むとよい。

両脚は交差しないようにする。両脚が開か な

い場合は、クッションを挟み込む(

図 9)。

足のかかと等に強く体圧がかかると褥瘡の 要

因になるため、バスタオルなどでできるだ け広

い接触面積になるようにする。

② 対象者をセミファーラー位、ファー ラー位で口腔ケアを行う場合 介護用クッションを膝の下と足底に置くこと

で、ずり落ちを予防でき、体幹が安定する

。必

要に応じてバスタオル等で 整えると安定が増 す。

③ 車いす上で 口腔ケアを行う場合 麻痺で車いすを使用している対象者では、麻 痺側に体が傾きやすい。傾く側にクッションを 入れ込み、体幹を安定

させ、車いす坐位の姿 勢を確保すること

で、安全安楽に行える(図 10)。

引用文献 1)公益社団法人社会福祉振興・試験センター:介護

福祉士国家試験試験実技試験出題基準,

公益社団法人社会福祉振興・試験セ

ンター:東京,2016.

2)冨田 かをり:基礎から学ぶ介護シリーズ 摂食嚥下を滑らかに 

介護のなかでできる口腔ケアからの対応,

中央法規出版:東京,

1995.

3.体位の種類

表 1 口腔ケア時に採用する体位坐位 車いす坐位

足関節、膝関節

、股関節が 90°になる状態 ファーラー位

セミファーラー位

 上半身を 45°程度起こした状態  ※口腔機能訓練を行う場合は、できるだけ(60°程度)   起こした方が

望ましい。

  上半身を 15°から 30°起こした状態

仰臥位 側臥位

 仰向けの状態   横向きの状態

30°

45°

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