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クローン病肛門部病変に対する治療指針の改訂案   

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Academic year: 2021

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厚生労働科学研究費補助金難治性疾患等政策研究事業  難治性炎症性腸管障害に関する調査研究  分担研究報告書(平成 26 年度〜平成 28 年度) 

 

クローン病肛門部病変に対する治療指針の改訂案   

研究協力者    二見喜太郎    福岡大学筑紫病院外科  教授        東  大二郎    福岡大学筑紫病院外科  講師        平野由紀子    福岡大学筑紫病院外科  助教  

 

研究要旨:クローン病肛門部病変に対する治療指針は、2010 年 1 月に採用されたもので、今回時代に即 した形で改訂をすすめてきた。この 3 年間の改訂作業により①自覚症状に客観的所見を加味した重症度 の指標として PDAI の採用、②生物学的製剤投与に関する記載、③一時的人工肛門の閉鎖の可否に関す る記載の 3 点を追加掲載した改訂案を提示し合意を得られ、平成 27 年度の治療指針に採用された。 

 

共同研究者 

杉田 昭(横浜市立市民病院)、舟山 裕士(仙台赤 十字病院 外科)、根津 理一郎(西宮市立中央病 院)、福島 浩平(東北大学大学院 医工学研究科消 化管再建医工学分野・医学系研究科分子病態外科 分野)、渡辺 聡明(東京大学 腫瘍外科・血管外科)、

池内 浩基(兵庫医科大学病院 IBD センター)、藤 井 久男(吉田病院)、楠 正人(三重大学大学院医 学系研究科 消化管・小児外科)、板橋 道朗(東京 女子医科大学 第2外科)、前田 清(大阪市立大学  腫瘍外科)、亀山 仁史(新潟大学歯科学総合病院  消化器外科)、高橋 賢一(東北労災病院 大腸肛門 外科)、木村 英明(横浜市立大学附属 市民総合医 療センター)、水島 恒和(大阪大学 消化器外科)   

A. 研究目的 

  クローン病肛門病変に対する治療指針は 2010 年 1 月に採用されたもので、5 年を経過して新た な問題も生じており、平成 26 年度から改訂に着 手した。①客観的指標としての重症度分類、②生 物学的製剤の有効性、③一時的人工肛門閉鎖の可 否を改訂のポイントとして、外科系施設にアンケ ート調査を行い、集積した症例の分析、ならびに 質問表により現状を評価した。 

 

 

B. 研究方法 

  重症度の客観的指標としては、最も広く用いら れている PDAI(Perianal Crohn s Disease  Activity Index)1)を取り上げ、その有用性を検討 した。PDAI は日常臨床の中で判断可能な 5 つの事 項が 5 段階で評価されており、点数化により内科 医にも分かりやすい客観的指標となるが、Sexual  activity については若年者が多いことなどから 不明なことも多く、Social activity に置き換え た modified PDAI を提案してその有用性も検討し た。生物学的製剤については短期的な効果はすで に示されており、長期的な有用性について質問を 行った。人工肛門については、肛門部病変に起因 した一時的人工肛門症例を集積し、人工肛門閉鎖 の可否を検討した。 

 

C. 研究結果 

  PDAI に関しては、集積した 166 例の検討を行い 5 つの構成因子のうち Type of disease が最も重 要な因子となっていた。Sexual activity が評価 できた症例は 57 例(34.3%)のみで点数的にも最 も低い値であった。一方、Social activity につ いては 126 例で評価可能であった。治療法の選択 だけでなく治療効果の指標としての有用性も示

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114 唆された2)。人工肛門については集積した 829 例 のうち 659 例が一時的人工肛門症例で、61.2%が 肛門病変に起因していた。659 例中 197 例(29.8%) に人工肛門の閉鎖が行われていたが、肛門病変起 因例ではわずかに 10.0%で、このうち 78.9%に 人工肛門閉鎖後に肛門病変の増悪が生じていた3)。 生物学的製剤の長期効果については、長期的な寛 解維持が難しく、とくに直腸肛門狭窄例には効果 が期待できないとの意見が多くを占めた3)。   

D. 考察 

  重症度の評価として、PDAI を加えることにより 肛門病変に不慣れな内科医にも分かりやすく、治 療法選択の指標としての有用性も期待できる。 

生物学的製剤の長期的な有用性については安全 性とともに今後に残された問題だが、とくに直腸 肛門狭窄に留意した対応が必要である。 

  肛門病変に起因した一時的人工肛門に対して は、肛門病変増悪のリスクから閉鎖が難しいこと が明らかとなった。 

 

E. 結論 

  この 3 年間の改訂作業により、前記した 3 点を 追記した改訂案が平成 27 年度の治療指針に掲載 され、臨床的に活用されることを期待したい。 

今回の改訂を踏まえて 2010 年 11 月に刊行した

「クローン病肛門部病変のすべて」についても改 訂を予定している。 

 

F. 健康危険情報  なし 

 

G. 研究発表  1.論文発表 

  なし   

2.学会発表 

  石橋由紀子、二見喜太郎:クローン病肛門 部病変に対する重症度の検討.JDDW2013,2013 年 10 月,東京 

H. 知的財産権の出願・登録状況 

(予定を含む) 

1.特許取得  なし 

2.実用新案登録  なし 

3.その他  なし   

  参考文献 

  1)Irvine EJ. Usual therapy improves   perianal Crohn s disease as measured by a  new disease activity index. 

J Clin Gastroenterol 20: 27‑32, 1995  2)二見喜太郎ほか:クローン病肛門病変の重 症度の検討 

厚生労働科学研究費補助金  難治性疾患等政 策研究事業(難治性疾患政策研究事業)「難治性 炎症性腸管障害に関する調査研究」平成 26 年 度研究報告書:P122‑125, 2015 

3) 二見喜太郎ほか:クローン病肛門病変に対 する人工肛門症例の検討 

厚生労働科学研究費補助金  難治性疾患等政 策研究事業(難治性疾患政策研究事業)「難治性 炎症性腸管障害に関する調査研究」平成 26 年 度研究報告書:P126‑128, 2015 

 

参照

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