密教文化 Vol. 2004 No. 212 004静 春樹「聚会曼荼羅 ganamandala 考 PL83-L107」
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(2) (84). 結 論 の 先 取 りに な るが、 そ の結 果 と して 、 現 今 の曼 茶 羅 儀 軌 研 究 で は、 曼 茶 羅 を っ くる に際 して、 二 っ の方 軌 の 内 の 一 方 に過 ぎな い図 絵 曼 茶 羅 作 聚会曼茶羅. 成 で曼 茶 羅 全 体 を代 表 さ せ る場 合 しか 見 られ な い。 これ で は貧 欲 行 を根 底 に置 く こ とで 成 立 した無 上 喩 伽 階 梯 の 実 践 総 体 と曼 茶 羅 と の関 連 を統 一 的. g an amandala考. に把 握 す る研 究 の 糸 口 は失 わ れ て しま うで あ ろ う。 従 って、 本 稿 の 論 題 は これ まで の 曼 茶 羅研 究 史 で 、 正 面 切 っ て論 じ られ る こ と の無 か った 〈聚 会 曼 茶 羅 〉 を 取 り上 げ、 そ の 内 容 を 明 らか に して曼 茶 羅 概 念 の内 に正 し く位 置 づ け る こ とを意 図 した。 そ の 過 程 で イ ン ド密 教 史 の 那 辺 に 〈聚 会 曼 茶 羅 〉 が現 れ るか の文 献 的跡 づ けを 併 せ て 追 求 した。. 1.. 曼茶 羅 とは. 〈聚 会 曼 茶 羅 〉 につ い て述 べ る前 に、 「曼 茶 羅 」 にっ い て 研 究 者 の 見 解 の い くっ か を 簡 単 に見 て お き た い。 先 ず 、 イ ン ド密 教 に お け る曼 茶 羅 の 基 本 的 理 解 を桜 井 (1996: 56) か ら引 用 す る。. (略) 曼 茶 羅 は宮 殿 を模 した 一 定 の 区 画 の 中 に尊 格 が集 会 して い る様 子 を描 い た画 (ま た は像) で あ り、(略). 密 教 思 想 を 可 視 的 に表 現 し. た 「密 教 の世 界 図」 と も言 うべ き もの で あ る。 しか しなが ら、 そ れ は 静 止 した 「密 教 世 界 の模 式 図」 と して表 象 され て は い な い。 儀 軌 類 の 述 べ る と ころ に よ れ ば、 師 の行 う喩 伽 観 法 に よ り真 実 在 が 尊 格 とい う 具 象 化 され た姿 を取 って そ の場 に顕 現 し曼 茶 羅 上 に描 か れ た各 々 の座 へ と導 か れ て い るの で あ り、 従 って そ の 曼 茶 羅 は い わ ば "生 きた 聖 所". と し て 入 門 を 果 た す 弟 子 を待 ち受 け て い る こ と に な る。 さて 、. Sarpksiptabhisekavidhi. は用 い るべ き曼 茶 羅 と して 色 粉 曼 茶 羅 、 布 な. ど に描 い た絵 曼 茶 羅 、 観 想 に よ って 生 起 され た曼 茶 羅 の三 種 を挙 げて い る。. ‑31‑.
(3) (85). この理 解 は桜 井 に よ る灌 頂 儀 礼 研 究 の 大著 の 前段 にお か れ て い る もの で 密. あ る。 ま さ し く金 剛 阿 闊 梨 の喩 伽 修 習 に よ って真 実 在 が 色 身 と して 成 就 す る の で あ る。 こ こに 述 べ られ て い る 「曼 茶 羅 上 に描 か れ た 各 々 の座 」 にっ. 教. い て は個 々 の テ キ ス トで 見 て い く こ とに な る。 は、 イ ン ド後 期 密 教 の 大 学 匠 Abhayakaragupta. バ ヤ ー カ ラ) の著 した 『曼 茶 羅 儀 軌 書 」(Vajraval1). (以 下 、 ア. に基 づ い て 書 か れ. と 「儀 礼 の た め の マ ンダ ラ」 と名 づ け る二 っ の カ テ ゴ. リー1) を提 示 す る。 前 者 は密 教 行 者 の観 想 上 に現 れ る意 識 内 存 在 で あ り、 後 者 は揮 地 され 整 地 さ れ た 地 面 の 上 に形 成 され る曼 茶 羅 で あ って 、 聖 別 さ れ た地 面 と制 作 材 料 な ど と不 可 分 な もの と して の 「実 在 」 で あ る。 密 教 行 者 の修 法 の 場 と して 作 成 され る 「儀 礼 の たあ の マ ンダ ラ」 は、 尊 格 た ち が 招 来 され る聖 な る場 で あ り、 そ の 説 明 と して 、 こ こで は シ ャー マ ニ ズ ム の 「愚 代 」 概 念 が援 用 され て い る。 森 (1997: 116) が取 り上 げ てい るアバ ヤー カ ラが 出 した 曼 茶 羅 作 成 の指 南 箇 所 を以 下 に 引用 す る。. め ぐ り合 わ せ の よ くな い 時期 に は標 幟 や 印契 を 〔 曼 茶 羅 に〕 適 宜 、 描 く。 め ぐ り合 わ せ の よ い時 期 に は尊 格 の身 体 〔そ の もの〕 を表現 す る。 す な わ ち画 像 、 ブ ロ ンズ、 浮 彫 、 塑 像 を 〔 曼 茶 羅 上 に〕 安 置 せ よ2)。. こ の アバ ヤ ー カ ラの 記 述 は、 画 像 ・ブ ロ ンズ ・浮 彫 ・塑 像 な ど で尊 像 を 表 す の が 望 ま しい の で あ り、 それ が 出来 な い場 合 に は便 宜 的 に 、 尊 格 を 表 す 標 幟 や サ イ ンで あ って も構 わ な い と言 う意 味 に な ろ う。 続 いて 、 筆 者 が 見 出 した アバ ヤ ー カ ラ の記 述 を引 用 す る。 彼 は 『サ ンプ タ』(Sarppua‑tantra) 書 『Amnayamanjar1」. 第 二 kalpa 第 四 prakarapa. を 同 タ ン トラの註釈. 第 十 二 章 で 「観 想 され た曼 茶 羅 と等 しい 描 か れ た. 曼 茶 羅 を釈 説 す る た め に説 か れ て」3)い る との 文 言 で 始 め る。 そ し て 同 章 の 中 で 「描 か れ た 曼 茶 羅 」 を さ ら に細分 して そ の種 類 を 以 下 の如 く述 べ て ‑30‑. 化. た概 説 書 で あ る。 森 は 、 曼 茶 羅 理 解 の た め に 先 ず 「観 想 上 の マ ン ダ ラ」 (bhavyamapdala). 文. 森 (1997).
(4) (86). い る4)。. 聚 会 曼 茶 羅 gabamandala考. 「仏 の 姿 」 と は 適 切 な 住 処 に 月 な ど の 諸 々 の 座 を 描 い た 上 で 、 適 切 な 部 族 と して 持 金 剛 た ち な ど の種子 あ るいは諸 々の標 幟 あ るい は手 の諸 々 の 印 契 を 描 く べ き で あ る。 ま た 次 の よ う に 『Abhidhanottara‑tantra」 で も説 か れ て い て 、 「絵 曼 茶 羅 は 第 一 に し て 、 第 二 は 標 幟 の 曼 茶 羅 で あ る。 第 三 は手 の 印契. 〔 の 曼 茶 羅 〕 に して 、 第 四 は 姿 を 取 る も の で あ. る 。 第 五 は 花 供 養5)〔 の 曼 茶 羅 〕 で あ り、 第 六 は 〈聚 会 曼 茶 羅 〉 で あ る 」6)と 言 わ れ る。 「姿 」 と は 、 画 布 に. 〔 描 か れ た〕 画 像 や彫 像 や ブ ロ. ン ズ や 新 し い 技 に よ っ て 集 め られ た も の で あ る。. ア バ ヤ ー カ ラ の 『Abhidhanottara‑tantra』. 理 解 で は 、 最 初 の 「絵 曼 茶. 羅 」 と は 、 「画 布 に 〔描 か れ た 〕 画 像 や 彫 像 や ブ ロ ン ズ 」 等 と は 異 な っ て 、 教 尊格の色身. (本 尊 の 大 印). が 地 面 に描 か れ る色 粉 曼 茶 羅 に属 す る もの で あ. ろ う 。 曼 茶 羅 の 分 類 に つ い て は 、 も う一 っ を 引 用 す る 。 こ れ は Viravalra 作. 『サ ン プ タ 広 釈 宝 婁 』(Toh. 第 一 prakarapa. 1199). に お い て 、 『サ ン プ タ 』 第 五 kalpa. の 註 釈 箇 所 に現 れ る文 言 で あ る。. 「妙 勝 な る親 しい 者 全 員 の 集 会 」 と は 喩 伽 者 と 喩 伽 女 た ち の 集 会 で あ る。 そ れ に つ い て 、 な ぜ 妙 勝 と 言 わ れ る の か は 、 香 り の 標 点 の 曼 茶 羅 と花 束 の 曼 茶 羅 と 文 字 建 立 の 曼 茶 羅 と 標 幟 曼 茶 羅 と手 の 印契 建 立 の曼 茶 羅 と の聚 輪. (聚 会 曼 茶 羅). 建立 の. 〔 色〕 身 の 大 印 契 の曼 茶 羅 よ り も こ. の 方 が 妙 勝 と な る か らで あ る7)。. この よ う に 『Amnayamanjari」 tantra」. (三 昧 耶). (bindu). の 中 で、ア バ ヤ ー カ ラ が 『Abhidhanottara. の 文 言 で は あ る が、 曼 茶 羅 の種 類 に. 〈 聚 会 曼 茶 羅 〉 を 持 ち 出 して. い る こ と、 お よ び 『サ ン プ タ広 釈 宝 婁 』 の 文 言 は、 イ ン ドの 阿 闊 梨 た ち の 曼 茶 羅 分 類 を 窺 う こ と が 出 来 る も の で あ り、 本 稿 の 論 題 に と っ て も重 要 で ‑29‑.
(5) (87). あ る。 以 上 は 〈聚 会 曼 茶 羅 〉 を論 じる に際 して の 理 論 的 前 提 と して考 え ら. 教. 2.. 密. れ る もの で あ る。. 文 献 に 現 れ た 〈聚 会 曼 茶 羅 〉. 文. 二 儀 軌 』 に 見 る 〈聚 会 曼 茶 羅 〉. 化. 1)『. 前 章 で は一 般 的 に認 め られ て い る曼 茶 羅 につ いて の 定 義 、 お よ び イ ン ド の 阿 闊 梨 た ち に よ る曼 茶 羅 理 解 の ため の 枠 組 み を 紹 介 した。 この 章 で は、 イ ン ド密 教 文 献 に現 れ る gapamandala. の 用 例 と して 、 母 タ ン トラ の 根 本. 典 籍 の 地 位 を 占 め る 『ヘ ー ヴ ァジ ュ ラ二 儀 軌』(以 下 『二 儀 軌 」) を代 表 さ せ て 、 先 ず そ の 〈飲 食 品 〉 の 当 該 箇 所8) を 引用 す る。 この 章 品 の表 題 につ いて Krspa papdita. は 「 〈飲 食 〉 と言 う語 で 以 下 の 戯 論 の 行 と聚 輪 な ど. の儀 軌 が 説 示 さ れ る」9)と註釈 す る。. パ ッチ リ した眼 の女 尊 よ、 〈聚 会 曼 茶 羅 〉 に お け る、 飲 食 (饗 宴) が どの よ う な もの か を 聞 き給 え 。 飲食 を 為 せ ば、 そ こ に お い て 、 すべ て の 者 の 願 い の 内実 が 満 た され る悉地 が 獲得 され る。 こ の飲 食 を 屍 林 ・ 山 間 の 洞 窟 ・人 け の な い 都 城 ・淋 しい場 所 に て と り行 な うべ し。 そ の 場 所 に座 を しっ らえ (kalpayed asanam. tatra)、 そ の 数 は九 つ で あ. り、 死 体 や 虎 の皮 ま た は墓場 か ら取 った橿 襖 布 を 用 うべ し。 中央 には、 Hevajra 尊 〔の役 割 〕 を行 ず る者 が 占 め、 先 の如 くに 〔 適 正 な〕 位 置 を知 って 、 喩 伽 女 た ち を 四方 ・四維 に配 置 す べ し。 次 に 〔修行 者 た ち は〕 虎 の 皮 の上 に坐 して、 三 昧耶 〔 食 〕 と薬 草 を摂 取 し、 人 肉 を貧 る べ し。 満 足 い くま で飲 食 して 後、 母 た ち に そ こで供 養 す べ し。 母 は、 姉妹 ・姪 ・姑 で あ って もか まわ な い。 彼 女 た ち に よ く供 養 す べ し。 そ うす れ ば 、 彼 女 た ち の 〈聚会 曼茶 羅 〉 の 内 に あ って 悉 地 が 得 られ る で あ ろ う。 大 き な福 分 を持 つ者 は、 継 ぎ目 の な い、 全 体 が 一 っ の断 片 ‑28‑.
(6) (88). よ りな る聖 な る頭 蓋 杯 に酒 を満 た して、 阿 閣 梨 に捧 げ、 讃嘆 を な して、 聚会曼茶羅. 自 ら も飲 む べ し。 頭 蓋 杯 は、 左 手 で 受 け取 り与 え られ るべ し。 そ の場 で修 行 者 た ち は繰 り返 し阿 閣 梨 に頂 礼 す べ し。(6‑12偶). ganama考 ndala. 引 用 に は 〈聚 会 曼 茶羅 〉 は二 回 現 れ る。 この 〈聚 会 曼 茶 羅 〉 が 示 す もの は、 修 法 に相 応 しい と され る特 定 の 地 を 選 ん で 行 な わ れ る集 会 〔 の場〕 で あ り、 八 人 の喩 伽 女 とヘ ー ヴ ァ ジ ュ ラ尊 の 役 を 演 じる阿 闊 梨 の 合 計 九 名 を 最 少 の 必 要 人 員 と して形 成 され る曼 茶 羅 (集 会) で あ る。 八人 の女 性 はヘ ー ヴ ァ ジ ュ ラ曼 茶 羅 の八 女 尊(Gaurl, Sabari, CapOali, Domb1). Cauri, Vetal1, Ghasmari,. Pukkasi,. に相 応 す る生 身 の 喩 伽 女 で あ る。 こ こ で 喩 伽. 女 た ち が 「母 ・姉 妹 ・姪 ・姑 」 と言 った親 族 の名 称 で 呼 ばれて い る こ とは、 彼 女 た ち が半 ば 恒 常 的 な グ ル ー プ で あ る こと を示 唆 して い る。 この よ う に 観 念 さ れ た曼 茶 羅 の 尊 格 (「観 想 上 の マ ン ダ ラ」) と等 しい数 の喩 伽 女 た ち が 女 尊 に扮 して、 観 念 の曼 茶 羅 の構 成 ど お りに八 方 向 に場 所 を 占 め、 そ の 中 央 に主 尊 で あ るヘ ー ヴ ァジ ュ ラ尊 に扮 した金 剛 阿 闊 梨 が 座 す 。 「先 の 如 くに 〔 適 正 な〕 位 置 を知 って」(sthanam jnatva. yathapUrvamp). とあ る. こ とか ら、 澤 地 ・浄 地 に始 ま る土 地 の 聖 別 か ら、 曼 茶 羅 の観 想 (観 想 さ れ た曼 茶 羅) まで の一 連 の手 続 きが、 少 な く と も阿 闊 梨 の 意 識 上 で は、 喩 伽 女 の召 請 に先 行 して為 され終 わ って い る こ と を 示 して い る。 そ れ に 続 く 「喩 伽 女 た ち を 四方 ・四 維 に配 置 す べ し」 で 、 〈 聚 会 曼 茶羅 〉 は完成 を見 る。 この点 で桜 井 (1996: 56) の 「(尊格 が)曼 茶 羅 上 に描 か れ た各 々 の座 へ と 導 か れ 」 る との記 述 が 想 起 さ れ よ う。 後 に述 べ るよ う に、 〈聚 会 曼 茶 羅 〉 が authentic な曼 茶 羅 で あ り、 観 想 され た曼 茶 羅 が 、 〈聚 会 曼 茶 羅 〉 の 形 成 に先 行 して い る こ とが わ か る。 当 該 箇 所 を Bhavabhadra『 解 』(Toh. 1182). 喜 金 剛註 釈. は以 下 の よ う に註 釈 して い る。. 「聚 会 曼 茶 羅 の飲 食 」 と言 うに つ い て 、 飲 食 と は説 か れ て る限 りの 特 徴 を もっ もの で あ る。 「聚 会 」 と は喩 伽 女 た ち の集 合 で あ る。 自体 が ‑27‑.
(7) (89). 曼 茶羅 で あ り、 清 浄 な尊 格 た ち が適 切 に住 す る ヘ ー ル カ の 曼 茶 羅 の と お りに 外境 に は楡 伽 者 た ち が住 して荘 厳 さ れ た もの で あ る10)。 密. 形態 が イ メ ー ジ され る。Vajragarbha. は Hevalrapindartha‑tlka. (Toh 11. 下 は 〈聚 会 曼 茶 羅 〉 関 連 箇 所 の み の 引用 で あ る。. 誰 で あ れ この聚 輪 を 行 い た い者 (施主) は、 比丘 と比 丘 尼 と在 家 喩 伽 者 や長 老 た ち な どそ れ ぞ れ の 列 を別 個 に作 って 粗 暴 な輩 〔か ら〕努 め て守 護 す べ し。同 様 に ガ ウ リー を始 め とす る種 姓 の 女 性 を 召 請 して、 一 人 は導 師 の左 に 配 し、残 りの八 人 は連 弁 の四 方 ・四 維 に順 番 通 り に 坐 る よ うお願 い す るの で あ る。彼 女 た ち に対 して 一 肘 四 方 の人 間 の 皮 にそれぞれの 〔 尊 格 の〕姿 を 描 いて 座 と して献 ず べ し。 導 師 に は虎 ま た は象 か 牛 の皮 を座 と して 献 ず る。あ るい は ま た別 に 全 員 に人 間 の 皮 か、虎 の 皮 か、象 の皮 か、牛 の皮 か、屍 林 の 布 か を 手 に 入 れ た と お り に献 ず べ し。そ の 故 に 「〔 集 会 の〕中 央 に はヘ ー ヴ ァ ジ ュ ラの 姿 を した 者 を、前 も って 知 って い る場 所 ど お りに 〔四〕 方 ・ 〔四 〕維 に 喩 伽 女 た ち を配 す べ し」 と詳 し く説 か れ て い る ので あ る11)。. 以 上 の よ うに、『二 儀 軌 」 の本 文 と註 釈 書 に現 れ た 〈飲 食 品 〉 の 〈聚 会 曼 茶 羅 〉 と は、森 の カ テ ゴ リー を使 え ば、「儀 礼 の ため の マ ンダ ラ」に 当 て は ま る もの で あ って、 選 別 され た土 地、配 布 され る座 具、 ヘ ー ヴ ァ ジュ ラ 尊 の 役 割 を 演 じる阿 閣 梨 と八 人 の喩 伽 女 な どか ら構 成 さ れ る 「実 在 」 の 曼 と共食 儀礼 が こ. こで は修 法 の 内 容 で あ り、この 曼 茶 羅 は そ う した修 法 の 場 と して 機 能 す る べ く定 め られ て い る。修 道 論 の 文 脈 で 言 い換 え るな らば、 導 師 で あ る金 剛 ‑26‑. 化. 80) にお いて、 この 〈飲 食 品 〉 の意 趣 釈 と して 自 らの 聚 輪 儀 軌 を 説 く。 以. 茶 羅 で あ る。女 尊 〔 を 演 じ る印契 女 〕へ の供 養 (性 喩 伽). 文. が 「内 院」を 構 成 し、その 周 囲 を喩 伽 者 た ちが 取 り囲 む 円 輪 (曼 茶 羅) の. 教. この記 述 か ら中央 の ヘ ー ヴ ァ ジュ ラを演 じる金 剛 阿 闊 梨 と八 人 の 喩 伽 女.
(8) (90). 阿 閣 梨 は ヘ ー ヴ ァ ジ ュ ラ尊 を 自 らに生 起 し、八 人 の喩 伽 女 た ち もヘ ー ヴ ァ ジ ュ ラ曼 茶 羅 の そ れ ぞ れ の ダ ー キ ニ ー女 尊 を 具現 して い る こ と に お い て 、 聚会曼茶羅. 〈聚 会 曼 茶 羅 〉 が現 成 して い るの で あ る。 こ こで は ま さ し くヘ ー ヴ ァ ジ ュ ラ九 尊 曼 茶 羅 と い う理 念 的 存 在 の 遊 戯 (饗 宴) が地 上 で 再 現 され て い るの. ganama考 ndala. で あ り、「天 上 」の集 会 の地 上 で の似 姿 に他 な らな い。 〈飲 食 品 〉 後 半 の 記 述 で は、そ の曼 茶 羅 は修 行 者 た ち の参 加 を も っ て 実 際 に転 じ られ て い る。 Bhavabhadra のVajragarbha. は 「修 行 者 と は施 主 た ち で あ る」12) と述べ、 そ の こ と は上 記 註 か らも明 らか とな る。 これ か ら判 断 して 、 〈飲 食 品 〉 は. 簡 潔 な記 述 な が らも 『二 儀 軌 』に お け る聚 輪 儀 礼 を説 示 す る章 品 とな っ て い る。 と ころ で研 究 者 に と って の問 題 点 と は、多 くの註 釈 家 た ちが この 〈聚 会 曼 茶 羅 〉 を聚 輪 と同義 と して取 り扱 って い る こ とで あ る。 これ につ い て 筆 者 は、 〈聚 会 曼 茶 羅 〉 が タ ン ト リス トの 饗 宴 の核 と して 、 中 心 的 な役 割 を 果 た して い る こ とか ら、 〈聚 会 曼 茶 羅 〉 と聚 輪 の 関係 は部 分 を 以 て 全 体 を、 あ る い は そ の逆 を表 す 修 辞 法 で 言 う換 喩 法 (synecdoche) あ る と考 え て い る。上 記 のVajragarbha. に 当 た る もの で. の 註 釈 で そ の例 を 見 る と、金 剛 阿. 閣梨 と八 人 の喩 伽 女 が 狭 義 の 〈聚 会 曼 茶 羅 〉 を形 成 して い る。そ れ とそ れ を取 り囲 む 「比 丘 と比 丘 尼 と在 家 喩 伽 者 や 長 老 た ち な ど そ れ ぞ れ の 列 」 で 構 成 され る総 体 が 聚輪 で あ る。 そ して、 この聚 輪 も広 義 の 〈聚 会 曼 茶 羅 〉 で あ る こ と は論 を 待 た な い。 〈飲 食 品〉 の記 述 は この時 点 で終 わ って い るが 、 〈聚 会 曼 茶 羅 〉 が 、 タ ン ト リス トた ち の 「成 就 の 手 段 」13) としての集会(聚 輪) の 核 で あ り、成 就 の た め の舞 台 装 置 とな って い る こ とが理 解 さ れ よ う。 次 に 『二 儀 軌 』 〈金 剛 王 出現 品 〉 で作 成 され る曼 茶 羅 で は、 先 ず 「大 い な る慧 を具 え た mahajnani」. で あ る金 剛 阿 闊 梨 が 自 ら図 絵 曼 茶 羅 を地 面. に常 の 如 くに描 く。曼 茶 羅 の 中央 に は八 弁 の蓮 華 が画 か れ、そ こにヘ ー ヴ ァ ジ ュ ラ八 女 尊 の標 幟14)と され る獅 子 ・比 丘 ・車 輪 ・金 剛杵 ・カル ト リ曲刀 ・ ダマ ル 太 鼓 ・亀 ・蛇 が 描 か れ る。(『二 儀 軌 』S本pp. ‑25‑. 82‑84)。 従 って こ れ は.
(9) (91). 『Amnayamanjar1』. で ア バ ヤ ー カ ラが 言 う標 幟 (三 昧 耶) 曼 茶 羅 で あ る。 密. 『二 儀 軌 」 の記 述 で は、 図絵 曼 茶 羅 が完 成 し、 そ こに五 宝 と米 で 満 た さ れ た尊 勝 瓶 が 置 か れ た段 階 で 、八 人 の 印契 女 が曼 茶 羅 に召 請 され る。 こ の は 『Yogaratnamala』. の 中 で、 以. 文. 下 の よ うに述 べ て い る。. で あ る。「姉 妹 」 と は この 「母 」の仲 間 で あ る。「娘 」 と は阿 闊 梨 の女 性 弟 子 で あ る。「姪 」 とは女 性 弟 子 の弟 子 で あ る。 「母 方 の 叔 父 の 妻 」 と は 「母 」 の親 しい 仲 間 の 妻 で あ る。「母 方 の叔 母」 と は阿 闊梨 の 仲 間 で あ る。「姑 」 と は弟 子 の愛 妾 で あ る。「父 方 の 叔 母 」 と は 阿 闊 梨 の姉 妹 で あ る15)。. 以 上 の 親 族 名 称 で 呼 ば れ る喩 伽 女 た ち に関 す る註釈 か ら も、 この 〈金 剛 王 出 現 品 〉 で の修 法 の舞 台 装 置 とな る曼 茶 羅 が 先 に見 た 〈飲 食 品 〉 で の そ れ と同一 の 構 成 を持 って い る こ とが わ か る。 〈金 剛 王 出 現 品 〉 で は 、 この 段 階 で先 に作 られ て い る図絵 曼茶 羅 に八 人 の 印契 女 が オ ヴ ァー ラ ップ して、 修 法 の場 に 〈聚 会 曼 茶 羅 〉 が 出現 す る と理 解 して よ い。既 に八 女 尊 の 標 幟 を描 い た 図 絵 曼 茶 羅 が 完 成 して い るに も関 わ らず、八 女 尊 を 演 じる喩 伽 女 た ち が曼 茶 羅 に引 入 さ れ るの はや は り貧 欲 行 と して の修 法 の性 格 に規 定 さ れ る か らで あ ろ う。 〈金 剛王 出 現 品 〉 の この箇 所 で は、阿 閣 梨 が 曼 茶 羅 の 構 成 どお り八 人 の ダ ー キ ニ ー女 尊 を 演 じ る女 性 た ち と為 す タ ン トリ ック な交 歓 が描 写 され て い る。 タ ン トラ 自体 の 記 述 で は、「喩 伽 者 yogin」 は単 数 で あ り、Krspa で、「喩 伽 者 と は阿 闊 梨 で あ る」16)と す る。 そ う だ と. す れ ば、 この 行 法 は金 剛 阿 闊 梨 の 自行 とな る。 しか し形 成 さ れ た 〈聚 会 曼 茶 羅 〉 が 〈飲 食 品〉 と同 一 構 造 で あ る こ とか ら、 この箇 所 を 聚 輪 儀 礼 と理 解 す る こ と も可 能 で あ る。事 実 、 この箇 所 を秘 密 灌 頂 に先 立 っ て 「弟 子 が ‑24‑. 化. 「母 janani」 と は灌 頂 阿 閣梨 の愛 妾 で あ り、 そ の 女 性 は 弟 子 の 「母 」. は 『Yogaratnamala」. 教. 喩 伽 女 た ち の グル ー プ に つ い て Krsna.
(10) (92). 阿 闊梨 に聚 輪 を献 じる」 ユ ニ ッ トと して 、 灌 頂 儀 礼 に組 み 込 ん で い る儀 軌17)も見 られ る。 聚会曼茶羅. 〈金 剛王 出現 品 〉 は こ の後 、第 二 段 階 に移 り、金 剛 阿閣梨 が顔 を布 で 覆 っ た弟 子 を曼 茶 羅 に引 入 し、投 華 得 仏 を な さ しめ、次 いで 弟 子 に 曼 茶 羅 を 見. ganama考 ndala. る こと を許 す とい う順 番 で 阿 閣梨 灌 頂 以 下 の 灌 頂 が 行 わ れ る こ とが 示 唆 さ れ る18)。 従 って 、 〈金 剛 王 出 現 品〉 で形 成 され る 〈聚 会 曼 茶 羅 〉 は、第 一 段 階 で は、狭 くとれ ば 「喩 伽 者 」 と して 記 され て い る阿 闊 梨 の 自行 の た め に、 広 くと れ ば召 請 した喩 伽 者 た ち が す る聚 輪 の場 と して 供 され る の で あ る。 第 二 段 階 で は弟 子 の灌 頂 の た め の舞 台 装 置 とな るべ く意 図 され て い るの で あ る。 2)『. サ マ ー ヨ ー ガ 』 と 〈聚 会 曼 茶 羅 〉. これ まで 『二 儀 軌 』 に現 れ る 〈聚 会 曼 茶 羅 〉 の検 討 か ら、 そ れ が 密 教 行 者 た ち の修 法 の場 にお いて 、生 身 の男 女 喩 伽 者 に よ って 実 際 に形 成 され る サ ー クル (円 輪) で あ る こ とが 理 解 で き た。 この 〈聚 会 曼 茶 羅 〉 は、 イ ン ド密 教 史 の どの 時点 で そ の 姿 を 現 して くるの で あ ろ うか 。 田中 (1996: 208‑9) は従 来 の 研 究 史19) を踏まえて、不 空 の 『金 剛 頂 楡 伽 十 八 会 指 帰 」 に説 か れ る一 連 の聖 典 の配 列 に は、実 際 の歴 史 的 成 立 順 序 が あ る程 度 反 映 され て い る と した上 で、『サ マ ー ヨ ー ガ」 に比 定 さ れ る第 九 会 「『一 切 仏 集 会 肇 吉 尼 戒 網 喩 伽 』 こそ 、『理 趣 経 』系 の 喩 伽 密 教 か ら、無 上 喩 伽 母 タ ン トラへ と、 は じめて 一 歩 を 踏 み 出 した記 念 碑 的 な密 教 聖 典 で あ っ た」 と結 論 づ け て い る。 そ こで 本 節 で は先 ず 『サ マ ー ヨー ガ」(Samayoga‑uttaratantra). を取. り上 げ る。 そ こで は 〈聚 会 曼茶 羅〉 は次 の よ う に説 か れ て い る。. rang gi lha dang 'dra ba yi //bud med dag ni legs bsgrubs pa // skal bzang rang gi phyag rgyas mtshan // tshog kyi dkyil 'khor brtag par bya20)// ‑23‑.
(11) (93). 自身 の尊 格. 〔の 装 束 〕 を 身 に 着 け た 者 が 、 自 ら の 印 契 と 標 幟 〔を 具 え 〕. 愛 ら し い 、 よ く飾 ら れ た 女 性. 〔た ち 〕 を 〈聚 会 曼 茶 羅 〉 に っ く る べ 密. し21)。 教. tib.〈brtag. Par. bya〉. を キ ー ワ ー ド と し て 取 り上 げ た い 。Anandagarbha は 『初 会 金 剛 頂 経 」 と ざ れ る 『真 実 摂 経 』 「金 剛 界 品 」. を 意 趣 釈 し た 儀 軌 で あ る 。 同 儀 軌 で Anandagarbha. は三三 摩 地 と. 〈前 親. 近 〉 の 釈 説 に 引 き続 き 、森 (1997: 88) が 述 べ る 「前 段 階 で 実 質 的 な 土 地 の 準 備 を 終 え た 阿 闊 梨 は、 さ ら に そ の 土 地 の 聖 性 を 高 め る た め に い く っ か の 儀 礼 」 に 入 っ て い く。 そ の 〈勧 請 〉23) 箇所では、 「amuko mandalam. pkalpayamy. aham/吾. namaham. vajri. れ は持 金 剛 某 甲 な り。吾 れ は マ ン ダ ラ. を 描 く」 と あ る 。 こ の 箇 所 は 実 際 の 曼 茶 羅 作 壇 に 先 だ っ て 、 阿 闊 梨 が 浄 化 した 土 地 に 坐 し て 、 百 八 名 讃 に よ っ て 諸 尊 を 勧 請 し 、観 念 上 で 曼 茶 羅 を 作 成 す る 段 階 で あ り、 〈kalpayami〉 際 に 観 想 に よ っ て 、 「manasa. の チ ベ ッ ト語 訳 は 〈bri〉 で あ る 。 そ の. sarvamandalam. Parikalpya/意. 茶 羅 全 体 を 構 想 」 す る25) の で あ り 、 〈parikalpya〉 〈yongs su brtag〉. mapdalam. の チ ベ ッ ト語 訳 は. で あ る。. さ て 儀 軌 の 記 述 は 進 行 して saha. kalpayet/歌. 〈作 壇 作 法 〉24) の中で、 「gltasabdabhyarp や 調 べ の 奉 納 と共 に マ ン ダ ラ を しっ らえ る. べ し」 と述 べ ら れ て お り、 同 箇 所 の チ ベ ッ ト語 訳 は 、 「glu dang sogs pa. dang. bcas. を も って 曼. pas dkyil'khor. brtag. 面 に 墨 打 ち が 為 さ れ (sutrapavidhi)、. par bya'o」. rol mo. la. で あ る。 こ れ は 地. 実 際 に曼 茶 羅 の 作 壇 が 始 ま る箇 所. で あ る 。観 想 上 で 構 成 さ れ た 曼 茶 羅 が 、 実 際 に 特 定 の 浄 め ら れ た 場 所 で 阿 闊 梨 と そ の 助 手 (uttarasadhaka). に よ り作 成 さ れ て い く。 こ こ で は 接 頭. 辞 の 無 い 〈kalpayet〉(tib.. par bya'o). brtag. さ れ て い る こ と に 注 目 した い 。 こ の. が. 〈kalpayet〉. 〈kuryat>と. 同義 で使 用. が 「し っ ら え る(作. る). べ し」 の 意 味 で あ る 点 は 先 の 章 に 引 用 し た 『二 儀 軌 』 〈飲 食 品 〉 「そ の 場 所 ‑22‑. 化. 著 Sarvavajrodaya22). 、. 文. 『サ マ ー ヨ ー ガ 」 に お け る 〈聚 会 曼 茶 羅 〉 の 検 討 で は、skt.〈kalpayet〉.
(12) (94). に座 を しっ らえ (kalpayed asanam. tatra)」 か ら も 明 らか で あ る。 『サ マ. ー ヨー ガ』で も 〈聚 会 曼 茶 羅 〉 が っ く られ る場 合 に使 わ れ て い る動 詞 は 聚会 曼茶 羅. √klp で あ る。 ここか ら 〈聚 会 曼 茶 羅 〉 が 色 粉 曼 茶 羅 と 同 様 に現 実 に 「っ く られ る」修 法 の 場 と して の 曼 茶 羅 で あ り、「実在 」 で あ る こ とが 明 らか に. ganama考 ndala. な る。 整 理 す る と、 この地 面 に墨打 ち が 終 わ った 段 階 で、色 粉 を 使 って 地 面 に 描 か れ る のが 図 絵曼 茶 羅 で あ る。Sarvavajrodaya. で あれば、金 剛界 大 曼. 茶 羅 が 描 か れ る。金 剛 阿 闊梨 を 中心 に弟 子 が そ れ ぞ れ の役 割 の尊 格 を 自 身 に生 起 した上 で、曼 茶 羅 作 成 に取 りか か るの で あ る。 他 方 〈聚 会 曼 茶 羅 〉 の 場 合 は次 の よ う にな る。地 面 に尊 格 の似 姿 (大 印) や標 幟 (三 昧 耶 印) や 種 子 (法 印) が 描 か れ る の に代 わ って 、 『二 儀 軌 』 〈飲 食 品 〉 で は、「そ の場 所 に座 を しっ らえ」るの で あ り、Kalyapavarman 著 『聖 四 座 釈 」で は、「様 々 な 荘 厳 さ れ た座 〔具 〕 を 地 面 に広 げ る」(Toh 1608 Ya. 132a3‑4) の で あ り、本 章 で論 じて い る 『サ マ ー ヨ ー ガ』 の場 合 で あ れ ば、以 下 の 如 くで あ る。. そ こで は最 初 に座 を用 意 し、柔 らか くて 触 り心 地 の よ い雑 色 蓮 華 の 〔 描 か れ た〕 布 で覆 うべ し。 そ れ は全 員 に設 け られ る座 で あ る26)。. とな る。 こ う して、座 が 整 っ た段 階 で 、『サ マ ー ヨー ガ」の 引用 箇所 で は、 観 想 され た 曼 茶 羅 の 女 尊 の 装 束 を 身 に着 け た生 身 の女 性 が 聖 化 され た場 所 に座 を 占 め る。 これ は密 教 教 理 の文 脈 で は 「真 実 在 」が 具 象 化 さ れ た 喩 伽 女 とい う色 身 と して、曼 茶 羅 上 で指 定 さ れ た座 に導 か れ る と言 う意 味 と な る。 こ の こ と に よ って 形 成 さ れ る現 実 の曼 茶 羅 が 〈聚 会 曼 茶 羅 〉 、 っ ま り 集 団 的 な修 法 の舞 台 装 置 と して の authentic な 曼 茶 羅 な の で あ る。 従 って、曼 茶 羅 作 成 の 具 体 的 手 順 で見 る と、円輪 へ の 墨 打 ち は 図 絵 曼 茶 羅 の 場 合 で は不 可 欠 な手 続 きで あ り、 それ に 引 き続 く色 粉 曼 茶 羅 の 作 成 も 実 際 に阿 閣 梨 と助 手 の手 で な さ れ る行 為 で あ る。他 方 〈聚 会 曼 茶 羅 〉 の 場 ‑21‑.
(13) (95). 合 で あ れ ば、 こ う した手 続 き はす べ て 金 剛 阿 闇 梨 の 観 念 上 の操 作 で 為 し う る こ とで あ って、 む し ろ座 具 の 獲 得 と配 置 、お よ び生 身 の喩 伽 女 の 手 配 に 密. 重 点 が置 か れ て い た と考 え られ る。 〈聚 会 曼 茶 羅 〉 を 核 と して行 わ れ る修. 文. れ て い る。生 身 の 女 性 か らな る 〈聚 会 曼 茶 羅 〉 の 場 合 で あ って も、 こ の. 教. 法 を説 い た多 くの 儀 軌 に お い て は、 この 座 具 の 準 備 に多 くの記 述 が 費 や さ. 「座 」に こだ わ る こ とで 、イ ン ド密 教 は観 想 され た 曼 茶 羅 と そ の 「愚 代 」 で. と も言 え る の で あ る。 本 節 で取 り上 げ た 『サ マ ー ヨ ー ガ』 に は、 〈聚 会 曼 茶 羅 〉 は 明 確 に そ の 姿 を現 して い る。従 って 〈聚 会 曼 茶 羅 〉 の起 源 を 求 め る た め に は更 な る遡 及 が 必 要 と な る。 3)『. 理 趣 広 経 」 と 〈聚 会 曼 茶 羅 〉. こ の節 で は、『サ マ ー ヨー ガ』か ら遡 る形 で 『理 趣 広 経 』 「真 言 分 」 を 取 り上 げ る。無 上 喩 伽 タ ン トラ階梯 が未 だ成 立 を 見 な い 段 階 、 つ ま り 『真 実 摂 経 』で確 立 した 喩 伽 タ ン トラ階梯 が 「大 楽 思 想 」 の路 線 上 で 展 開 して 、 無 上 喩 伽 階 梯 が成 立 して くる移 行 期 に焦 点 を当 て て 、 〈聚 会 曼 茶 羅 〉 の 様 相 を探 りた い。 田 中 (1996: 203‑9) に よ って 、『理 趣 広 経」 チ ベ ッ ト語 訳 第 三 部 (「吉 祥 最 勝 本 初 」) は 『金 剛 頂 経 」第 八 会 に比 定 され る。 〈聚 会 曼 茶 羅 〉 の 用 語 は そ の中 で 「秘 密 の 一 切 喩 伽 の最 勝 秘 密 の 儀 軌 」 に 現 れ る。 漢 訳 『理 趣 広 経 』 の法 賢 訳 『仏 説 最 上 根 本 大 楽 不 空 三 昧 大 教 王 経 」(大 正8, No. 244). で は、. 「一 切 相 応 儀 軌 分 第 二 十 三 」で あ る。 しか し 『真 実 摂 経 』以 後 の 『金 剛頂 経 』 の 展 開 の 中 に 「秘 密 成 就 法 」を 研 究 して きた北 村 太 道 の 論 究 の ひ とっ27)に も あ る とお り、 この 〈聚 会 曼 茶 羅 〉 が 現 れ る部 分 は漢 訳 で は何 故 か 抜 か れ て い る。以 下 に示 す の は そ の漢 訳 で は抜 か れ て い るが チ ベ ッ ト語 訳 テ キ ス トに は存 在 す る 「秘 密 喩 伽 の ダ ー キ ニ ー輪 」の 説 示 お よ び 「最 勝 喩 伽 の 三 昧 耶 」の説 示 箇 所 の 訳 で あ る28)。 ‑20‑. 化. あ る現 成 した曼 茶 羅 と の同 一 性 を確 保 し、曼 茶 羅 の 真 理 性 を保 障 し て い る.
(14) (96). 次 に最 勝 微 細 で極 め て優 れ た金 剛 の大 悉 地 を 秘 密 喩 伽 の ダ ーキ ニ ー輪 と して 説 こ う。都 城 や 園 林 な どを 如 実 に息 災 と為 して、阿 闊 梨 は一 切 聚会曼茶羅. 持 金 剛 を如 実 に成 就 して か ら 〔 欲 ・触 ・愛 ・慢 な る〕 喜 悦 の 四 〔 人の 女 性 〕 と一 緒 に 自 らの 印 契 で 散 華 して 、如 実 に都 城 (曼 茶 羅 に指 定 さ. ganama考 ndala. れ た 地) に入 るの で あ る。 〔四人 の女 性 は〕左 の 顔 を上 方 に傾 け て 、葱 怒 金 剛 の 呵 々大 笑 す る最 勝 な る音 声 の 印契 で入 って、尊 主 に頂 礼 す べ し29)。 そ こで金 剛 喩 伽 者 で あ るそ の 教 師 が 喩 伽 女 を 自 らの両 脇 に配 置 す るの で あ って 、月 輪 の相 で曼 茶 羅 に配 置 す べ し。荘 厳 して か ら一 切 の 最 勝 に して妙 勝 な る悉 地 を 成就 す べ し。一 切 の 鉤 召 と大 供 養 と 自身 加 持 な ど の成 就 に よ り、そ の極 秘 密 な る曼 茶 羅 を しっ らえ 、 成 就 して か ら、 さ らに一 切 持 金 剛 で あ る 阿 闊 梨 が 金 剛 弟 子 た ち を 引 入 す べ し。 そ れ (曼 茶 羅 行) に つ い て は、先 ず 最 初 に阿 闊 梨 が趣 入 して、聚 会 曼 茶 羅 と して 三 三 昧 耶 の加 持 によ り、金 剛 喩 伽 女 た ち を 両 側 に 配 置 して か ら、 男 性 た ち もま た 引入 して菩 提 心 に よ って 大 金 剛 葱 怒 の三 昧 耶 と三 昧 耶 の 律 儀 を 獲 得 せ しめ る。若 者 と娘 た ち を良 く配 置 した 上 で 、聚 会 〔曼 茶 羅 〕を伴 っ た 〔 金 剛 阿 闊 梨 〕 自身 が 住 して 、守 護 と救 護 と 隠 密 の 一 切 を 為 す べ し30)。. 『理 趣 広 経 』の 註 釈 書 と して 、喩 伽 タ ン トラに善 巧 で あ ったAnandagarbha の 『理 趣 広 経 広 釈 」(以 下 『広 釈 』) が あ る。Anandagarbha. は 先 に、 金 剛. 火 炎 日輪 尊31)の 秘 密 図 絵 曼 茶 羅 儀 軌 を註 釈 し終 わ って 、引 き続 き、 同 尊 の 図 絵 曼 茶 羅 自 体 の 第 二 の 儀 則 を 説 く32)。 この 最 初 の 部 分 は、 図 絵 曼 茶 羅 作 成 の後 の灌 頂 儀 礼 で あ る。続 い て、金 剛 阿 闊 梨 へ の世 尊 遍 入 の喩 伽 お よ び 四 人 の娘 た ち へ の 四 女 尊 の遍 入 の 喩 伽 が 説 か れ る。 この金 剛 火 炎 日 輪 尊 曼 茶 羅 形 成 に必 要 な 喩 伽修 習 に続 い て 、灌 頂 儀 礼 で 灌 頂 を得 た者 と遍 入 の 喩 伽 に よ って 標 幟 を得 た喩 伽 の 自在 者 と喩 伽 女 に よ る曼 茶 羅 成 就 へ と繋 が っ て い く。そ う した註 釈 の流 れ に立 っ て 、Anandagarbha ‑19‑. は 「真 言 分 」 の こ.
(15) (97). の 箇 所 を釈 して、修 法 の た め の曼 茶 羅 作 成 の二 っ の 方 軌 に つ い て 以 下 に、 順 番 に述 べ て い く。先 ず は 〈聚 会 曼 茶 羅 〉 の場 合 で あ る。 密 文. 入 して 、金 剛 貧 欲 火 炎 〔 女 〕 な ど 四女 尊33)の喩 伽 を 具 足 さ せ る 。真 実. 教. も し この曼 茶 羅 が聚 会 曼 茶 羅 の 方 軌 で 作 られ る時 に は、女 性 た ち を 引. と法 と三 昧 耶 の標 幟 を持 っ 〔 金 剛 杵 と鈴 と印 契 〕で 三 三 昧 耶 の 加 持 を. させ て 、正 し く配 す べ きで あ る。男 性 た ち も また 前 親 近 さ せ て 、金 剛 火 炎 日輪 尊 (Vajrajvalanalarka). の喩 伽 〔を具 え〕、 三 三 昧 耶 で 加 持. され た そ の 者 た ち を 四女 尊 の髭 の 中央 に配 置 し、 そ の楡 伽 成 就 を 正 し く執 持 させ るべ し。大 金 剛 葱 怒 大 王 の三 昧 耶 と律 儀 の両 者 を も獲 得 せ しあ るべ し。「娘 と若 者 」 と は即 ち、凡 夫 の慧 を 自性 に持 つ 者 た ち を 円 輪 に 配 置 す るの で あ り、聚会 〔 曼 茶 羅 〕を 伴 っ た 阿 閣 梨 自 身 が 正 し く 守 護 す るの で あ る35)。 そ こで 如実 に弟 子 受 認 と尊 格 準 備36)を為 す。 太 陽 が昇 っ た時 に 円 輪 に 対 して 墨打 ち して か ら、 外 輪 は そ の ま ま で描 い た と こ ろで 、 そ の半 分 の寸 法 で 内 に風 輪 〔 を 描 くべ し〕。 半 月 形 を した そ の 上 に 火 炎 輪 を 八 本 の柱 で荘 厳 し、 鉄 粉 が 燃 え 盛 って い る と描 く。 〔 次 に〕 内 輪 の贋 で 蓮 華 の 図絵 で 覆 わ れ た 座 に、 四 女 尊 が 正 し く集 ま る喩 伽 に よ って 自身 の本 尊 と喩 伽 を為 した 四 人 の 娘 と一 緒 に阿 闊 梨 が 坐 す べ し。 外 輪 の四 隅 に は葱 怒 形 を した 嬉 女 な ど 〔 八 人 〕 の喩 伽 女 た ち を配 す べ し。 四 門 に は葱 怒 の 金 剛鉤 女 な どの 四 人 の 喩 伽 女 、 あ る い は、 そ の 喩 伽 を具 え た弟 子 た ち を配 置 す べ きで あ る。 か くの 如 く前 親 近 を 為 させ て か ら、 聚 会 (男 女 喩 伽 者 の集 団) が 存 在 す る時 に は、 聚 輪 を しっ らえ るの で あ っ て、 一 切 の被 甲 を 随行 す べ し。 自身 が 趣 入 す る時 と弟 子 引 入 の 時 に 自 らが 〔 聚 会 の〕 阿 閣梨 〔とな るか〕、 あ るい は 阿 闊 梨 の 徳 を 具 え た別 の者 を 〔聚 会 の導 師 gananayaka る37)。 ‑18‑. と して〕 中 央 に 配 す べ きで あ. 化. 為 して か ら、 〔そ の女 性 た ち を 〕 自 らの 両 脇 で 前 親 近 (pUrvaseva)34).
(16) (98). 曼 茶 羅 作 成 の 手 順 どお り、「円輪 に対 して 墨 打 ち」 して か ら 「内輪 の騰 で 蓮 華 の 図絵 で 覆 わ れ た 座 」に金 剛 火 炎 日輪 尊 を演 じ る阿 闊梨 と四 親 近 の 四 聚会 曼 茶 羅 gan aman dala考. 人 の喩 伽 女 が坐 る。 この方 軌 で は、そ れ に加 え て 初 重 と二 重 の 四 維 に 配 さ れ る八 人 の楡 伽 女、 お よ び四 門 に配 され る男 女 何 れ か の 四人 で 合 計 十 七 人 か ら成 る生 身 の曼 茶 羅 が形 成 さ れ る。 Anandagarbha. は、 この箇 所 で明 快 に聚 輪 の語 を使 用 して い る。 聚 輪 儀. 軌 の作 成 や 聚 輪 へ の言 及 は無 上 喩 伽 階 梯 に あ る学 匠 や 阿 闊 梨 に よ って為 さ れ る場 合 が 殆 ど で あ る。聚輪 儀 軌 と銘 打 った もの で は な くて も、主 に喩 伽 タ ン トラ階 梯 で の 阿 閣梨 と して知 られ る Anandagarbha. が この 『広 釈 」 に. お いて 、聚 輪 の語 を 二 回挙 げ て い る事 実 が示 唆 す る意 味 は大 きい と言 わ ね ば な らな い。 以 上 の 〈聚 会 曼 茶 羅 〉 の場 合 の 方 軌 の alternative と して 、次 は 図絵 曼 茶 羅 を描 く場 合 の 金 剛 阿 闊 梨 と女 性 た ちの 所 作 が 説 か れ る。. 何 処 に も聚 会 (曼茶 羅 をっ くる に相 応 しい男 女 喩 伽 者) が な い時 に は、 そ の 中央 の 円 輪 の 部 分 で 四女 尊 の輪 の 中 央 に住 さ れ る世 尊 を 以 下 の 心 真 言 で 図 絵 に描 くべ し。 〔 世 尊 の心 真 言 は〕HUrp と 言 わ れ る。 大 貧 欲 金 剛火 炎 〔女〕 の 心真 言 は Hpi で あ る。 第 二. 〔の 女 尊 の 心 真 言 〕 は. Hurp と言 わ れ る。第 三 .〔の 女 尊 の心 真 言 〕 はOm. vajra ru lu ru lu. lam hni で あ る。第 四 〔の女 尊 の心 真 言 〕 は Spe で あ る。葱 怒 形 を した 嬉 女 な ど の女 尊 た ち は先 に釈 説 した心 真 言 に よ って 配 置 す べ し。 次 に 曼 茶 羅 の 四門 の外 で 〔 智 慧 曼茶 羅〕 の召 請 を為 し、 〔 尊 格 た ち を〕 百 名 号 で 讃 歎 して、「金 剛 火 炎 日輪 尊 の大 曼 茶 羅 」 の 中 で 説 か れ た 印 契 と マ ン トラ の両 者 で春 属 を引 き連 れ た世 尊 を 〔 図 絵 〕曼 茶 羅 に招 入 して、 ヴ ィナ ー ヤ カ放 逐 等 を 為 して か らフ ー ン字 で 關 伽 を 献 じて、三 昧 耶 の 諸 印契 で 成 就 す るの で あ る38)。. ま さ し く問題 は こ こで、「この曼 茶 羅 が 〈聚 会 曼 茶 羅 〉 の 方 軌 で つ く ら ‑17‑.
(17) (99). れ 」な い場 合 の alternative と して、図 絵 曼 茶 羅 の作 成 が持 ち 出 さ れ て い る こ と で あ る。 図 絵 曼 茶 羅 と 〈聚 会 曼 茶 羅 〉 の こ の よ う な 相 互 関 係 は 、 密. Anandagarbha. に は明 確 に 区別 して理 解 さ れ て い た ので あ る。 教. 4). チ ベ ッ ト仏 教 の 学 匠 と 〈聚 会 曼 茶 羅 〉 文. この 章 の 最 後 に、 イ ン ド密 教 を受 け継 いだ チベ ッ ト仏教 に 〈 聚 会曼 茶羅 〉. skya papdita. サパ ン1182〜1251). の 『聚 輪 儀 軌 』か ら引 用 す る。. 「我 生 起 」 〔に よ り聚 会 曼 茶 羅 〕を 本 尊 と為 す な らば ヘ ー ヴ ァ ジ ュ ラ、 あ るい はサ ンヴ ァ ラ等 の 尊 格 の 数 と相 応 した虎 皮 の座 、 あ る い は 屍 林 の衣 、 あ るい はそ れ が得 られ な い と き に は他 の何 で あれ 相 応 しい 座 を 曼 茶 羅 を 転 じる次 第 どお り に準 備 す べ し。 「前 面 生 起 」 〔させ た葱 代 〕を本 尊 と為 す と きに は、 成 就 した 香 曼 茶 羅 を ヘ ー ヴ ァジ ュ ラあ るい はサ ン ヴ ァ ラの教 説 に相 応 して 並 べ るべ し。 金 剛 阿 闊梨 を 上 首 と した聚 会 の座 を年 長 者 順 に並 べ ろ。「我 生 起 」 〔に よ り聚 会 曼茶 羅 〕を 中 心 と して 行 う こ と は 『二 儀 軌 」の 中 で 説 か れ る。 「前 面 生 起 」 〔さ せ た 愚 代 〕を 中心 と して 行 う こ と は 『サ ン プ タ』 等 て 説 か れ る39)。 金 剛 阿 闊梨 に 香 曼 茶 羅 と何 で あ れ用 意 で きる花 を献 じて 「一 切 衆 生 の た め に、世 間 と 出世 間 の お 方全 員 を供 養 しま す か ら聚 会 の金 剛 阿 闊 梨 を為 さ って下 さい 」 とお願 い す べ し。 その 際 に 「我 生 起 」 〔に よ り聚 会 曼 茶 羅 〕を 中 心 と して供 養 す るな らば金 剛 阿 閣梨 は 〔 聚 会 の 〕中央 に、 「前 面 生 起 」 〔させ た愚 代 〕 を中 心 と して 供 養 す る と きに は 〔 金 剛 阿闊 梨 に は〕聚 会 の 最 上 列 の 用意 され た座 に住 して頂 くの で あ る40)。. 「我 生 起 atmotpada」. と 「前 面 生 起 pUrvotpada」. は、現 在 に至 る も チ. ベ ッ ト仏 教 が 忠 実 に実 践 して い る生 起 次 第 ・成 就 法 の 中心 的 な 心 的 機 制 の ‑16‑. 化. を 眺 め て み た い。先 ず は、 サ キ ャ ・パ ンデ ィ タ ・ク ンガ ー ゲ ル ッ ェ ン (Sa.
(18) (100). 方 法 で あ る41)。 サパ ンが 、阿 閣 梨 を筆 頭 に して 参 会 者 の全 員 が 各 本 尊 と喩 伽 して、つ ま り 「我 生 起 」 に よ って各 人 が 自身 に尊 格 を生 起 して 尊 格 自体 聚 会 曼 茶 羅 gan amandala考. と な り 〈聚 会 曼 茶 羅 〉 を構 成 す る方 軌 と して 引 用 して い る 『二 儀 軌 」 の 該 当 す る章 品 は既 に見 た 〈飲 食 品 〉 で あ る。「前 面 生 起 」 〔させ た愚 代 〕 と は、 サ パ ンの こ の 引 用 で は 「成 就 し た 香 曼 茶 羅 」 で あ る 。 一 般 的 に 言 え ば、 〈聚 会 曼 茶 羅 〉 以 外 の 曼 茶(へ)羅 で あ り、 『サ ン プ タ』 第 二 kalpa 第 一 prakarapa「 菩 提 心 灌 頂 」 で最 初 に作 成 され る図絵 曼 茶 羅 な ど を 指 す も の で あ ろ う。 次 は大学 匠 プ ト ゥ ン (1290〜1364) 法 儀 軌 大 楽 遊 戯 』(Toh. の 『聚 輪 儀 軌 並 び に 勇 者 の 饗 宴 の 作. 5067) に 見 られ る 〈聚 会 曼 茶 羅 〉 へ の 言 及 箇 所 の. い くっ か を 引用 す る。. 他の 〔 聚 輪 に〕集 ま る に値 す る者 と は、灌 頂 を既 に 受 け て お り、 三 昧 耶 と律 儀 に住 して、二 っ の道 次 第 の三 摩 地 を具 え、符 牒 と符 牒 に よ る 返 答 、印契 と印 契 に よ る返 答 な ど聚 輪 の儀 軌 に適 った こ とを 根 本 と し て い る者 で あ る。 あ る曼 茶 羅 を 〈 聚 会 曼 茶 羅 〉 の方 軌 と して 成 就 す る 場 合 に は、あ る曼 茶 羅 で 灌 頂 を受 け、そ の曼 茶羅 の 二 次 第 の 三 摩 地 が 明 らか で あ る 〔そ の よ うな 〕そ の曼 茶 羅 の尊 格 と等 しい数 の 勇 者 と喩 伽 女 で あ り42)、(後 略)。 あ る曼 茶 羅 を 〈聚 会 曼 茶 羅 〉 を核 とす る もの とそ れ以 外 の 場 合 〔が あ る。 そ の〕二 つ の 内 の第 一 は、聚 会 の家 に お い て尊 格 の 住 処 を 混 乱 さ せ て は い け な い か ら、基 本 線 と 〔そ の 〕 支 分 で あ る 内 部 の 線 を 引 き、 中 の線 を打 って、部 分 に巧 く分 割 す べ し。尊 格 の住 処 そ れ ぞ れ に、『行 合 集 灯 」の 如 くな らば 「雑 色 蓮 華 を描 い た な らば布 で覆 う」、 あ る い は 『心 髄 荘 厳 』 の如 くな らば 布 に雑 色 蓮 華 を描 い た もの を 準 備 し、 そ し て 「地 面 は碁 盤 目 に作 って か ら、蓮 華 の 図 絵 を もっ 様 々 な色 彩 の布 を 全 員 の 座 と して 与 え る べ し」43) と言われている。 第 二 〔の図 絵 曼 茶 羅 の 場 合 〕に は、 〔 曼 茶 羅 〕地 儀 軌 の 準 備 を前 行 と し ‑15‑.
(19) (101). て か ら、聚 会 の 家 の中 央 に曼 茶 羅 を描 くべ き で あ る。 『サ ン ヴ ァ ロ ー 密. ダ ヤ』の 中 で は、「前 行 を為 して阿 闊 梨 は善 い曼 茶 羅 を 描 くべ し」 と言 わ れ て い る44)。. 文. 〔で あ る。 そ〕 の 第 一 は、 あ る曼 茶 羅 を 〈聚 会 曼 茶 羅 〉 と し て しっ ら. 教. 第二 〔 の 正 行 〕に つ い て は、曼 茶 羅 の成 就 と供 物 で 広 大 供 養 す る二 っ. え る場 合 に は、金 剛 阿 閣 梨 が 儀 軌 通 りに成 就 して、無 量 宮 を 生 起 す る. を 円満 した座 を具 え た無 量 宮 と して 生 起 され る。本 尊 を 生 起 す る 際 に は阿 闊 梨 自身 を曼 茶 羅 の主 尊 と して 生 起 す る45)。 あ る曼 茶 羅 を 〈聚 会 曼 茶 羅 〉 と して つ くるの で は な く、色 粉 曼 茶 羅 を 描 く方 軌 に お い て は、始 め に全 員 が 我 生 起46)を 完 全 に 円 満 した 上 で 、 読 諦 の終 わ りに至 って作 るべ し。そ こで色 粉 曼 茶 羅 の洗 浄 と清 浄 を 前 行 と して、そ れ ぞ れ の 経 儀 軌 通 り に完 全 に 円満 して、成 就 し た 部 主 の マ ン トラを百 回 、春 属 の 〔マ ン トラ は〕 二 十 一 回 な ど を 調 す べ し47)。 (後 略)。. チ ベ ッ ト仏 教 で著 名 な二 人 が理 解 して い た 〈 聚 会 曼 茶 羅 〉 の概 念 も先 に 検 討 し た 『二 儀 軌』 の典 型 的 な例 と何 ら変 わ らな い こ とが 理 解 さ れ よ う。 サ パ ンは、チ ベ ッ トへ 巡 錫 した ヴ ィ ク マ ラ シ ー ラ大 僧 院 最 後 の 僧 院 長 で 顕 密 兼 修 の学 匠 シ ャキ ャー シ ュ リーバ ドラ (Sakyasribhadra. 1127〜1225). か ら1208年 に具 足 戒 を受 け て い る。彼 はそ の 活 動 年 代 が イ ン ドの 地 で 密 教 が滅 亡 す る時 期 と重 な って お り、 イ ス ラ ムの 躁 躍 か らチ ベ ッ トの 地 へ 逃 れ て き た密 教 の 学 匠 や 阿 闊 梨 た ち か らイ ン ド密 教 の実 践 を親 し く伝 え 聞 い た 人 物 で あ る。「ア テ ィー シ ャ と私 の規 範 師 で あ る シ ャー キ ャ シ ュ リ ーバ ド ラた ち な どの 聚 輪 の 作 法 は これ で あ る」48) とそ の 権 威 と正 統 性 を 主 張 す る サパ ンの 『聚 輪 儀 軌 』 の具 体 的 内 容 は本 稿 の論 題 に と り重 要 な 参 考 と な る もの で あ る。 プ ト ゥ ンの 場 合 は、 イ ン ドにお け る集 団 的 儀 礼 に も詳 しい 彼 が 「曼 茶 羅 ‑14‑. 化. 際 に は、聚 会 の 家 自体 が 四 角 四 門 で 四鳥 居 門 を もっ な どす べ て の標 幟.
(20) (102). を 〈聚会 曼 茶 羅 〉 の方 軌 と して作 る場 合 」 と 「聚 会 曼 茶 羅 と して 作 る の で は な く、色 粉 曼 茶 羅 を描 く方 軌 」 と二 っ の 仕 方 で 明確 に区 別 して 記 述 して 聚 会 曼 茶 羅 gan amabd ala考. い る こ と は重 要 で あ る。集 団 的修 法 に際 し曼 茶 羅 を成 就 す る の に二 っ の 方 法 が あ る こ と、 そ して そ の一 つ は 〈聚 会 曼 茶 羅 〉 と して成 就 す る方 法 で あ る こ とが イ ン ド密 教 の サ ー クル で 承 認 され て いた こ とを 意 味 す るか らで あ る。同 時 に こ の こ と は曼 茶 羅 を 〈聚 会 曼 茶 羅 〉 と して持 た な い聚 輪 が 行 わ れ て い た こ とを告 げ る もの で あ り、本 稿 の論 題 と不 可 分 で あ る 〈聚 会 曼 茶 羅 〉 と聚 輪 の概 念 の相 違 を解 明 す る重 要 な手 が か り とな るか らで あ る。. 3.〈. 聚 会 曼 茶 羅 〉 と 〈ガ ナ チ ャ ク ラ 〉. 前 章 まで の 『二 儀 軌 』か ら、『理 趣 広 経 」 「真 言 分 」 へ 遡 及 す る論 述 を 踏 ま え て、本 章 で は聚 輪 と 〈聚 会 曼茶 羅〉 の 術 語 を 明確 に し、続 い て 〈聚 会 曼 茶 羅 〉 に定 義 を 与 え た い。 本 稿 で の これ まで の 論 述 か ら、イ ン ド密 教 が展 開 した 集 団 的 修 法 に お い て 、 〈聚 会 曼 茶 羅 〉 が揮 地 に始 ま る曼 茶 羅 地 儀 軌 か ら墨 打 ち ま で の 儀 礼 の プ ロセ ス を、観 念 上 で既 に終 了 した プ ロセ ス と して前 段 に持 つ こ と、 お よ び イ ン ド ・チ ベ ッ トの 阿 闊 梨 た ちが 実 際 の 修 法 の 場 で は 、 〈聚 会 曼 茶 羅 〉 と図 絵 曼 茶 羅 とを altanative な 存 在 と して 考 え て い た こ と は 明 らか に し 得 た と信 じる。 こ こで 考 慮 しな け れ ば な らな い本 質 的 な 問 題 と して、『二 儀軌 』 〈 飲 食 品〉 の 箇 所 で 述 べ た如 く、部 分 を以 て 全 体 を、あ るい はそ の逆 を 表 す 修 辞 法 で 言 う換 喩 法 の 問 題 が 自体 を複 雑 に して い る。っ ま り 〈聚 会 曼 茶 羅 〉 を 核 と して 聚輪 が 行 わ れ る場 合 、そ の 核 を も って 、聚 輪 が含 意 され て い る場合 と、 聚 輪 を も って 〈 聚 会 曼 茶 羅 〉 が意 味 さ れ て い る場 合 で あ る。 本 題 に 入 って 、先 ず聚 輪 で あ るが、喩 伽 タ ン トラ階梯 か ら無 上 喩 伽 階 梯 へ の移 行 期 に あ る と され る 『サ マ ー ヨ ー ガ」 九 分 に は 、 「妙 勝 な る 聚 輪 は 親 しい者 全 員 の 集 会 で あ る。即 ち一 切 諸 仏 の 符 牒 に よ って 、か くの 如 く親 ‑13‑.
(21) (103). し く集 ま る」49) とある。 『吉 祥 勝 楽 広 釈 句 義 明 」(Toh Viravajra. 1412). にお いて 、. は、当 該 箇 所 を以 下 の如 くに解 説 して い る。 密 文. 茶 羅 を 別 に して 、人 間 の喩 伽 者 と喩 伽 女 が尊格 の飾 り と色 と装 束 に作 っ. 教. 薫 香 の 標 点 と花 の荘 厳 と文字 と標 幟 建 立 の 印 契 と身 の 大 印 契 建 立 の曼. て成 就 す るの が 聚 輪 と言 わ れ る。か くの如 く 『サ マ ー ヨ ー ガ』 の 中 で 化. 説 か れ て い る50)。. ま た 『ヘ ー ル カ の現 生 」 と名 づ け られ た サ ン ヴ ァ ラ系 の タ ン トラ第 七 品 に は、「曼 茶 羅 は円 輪 と言 わ れ る。全 員 す べ て の集 会 は最 勝 な る聚 輪 であ っ て、全 員 が 親 し く平 等 に交 わ る」 と説 か れ て い る5')。こ う した タ ン ト リス トた ち の集 会 は理 念 と して の 「一 切 諸 仏 に よ る平 等 喩 伽 」 で あ る。 つ ま り 『サ マ ー ヨー ガ』が 説 く 「一 切 の女 尊 と の 平 等 な る喩 伽 は 一 切 諸 仏 の集 会 で あ る」52) は、一 切 諸 仏 の聚 会 で あ る曼 茶 羅 を 具 現 して い る。さ らに 『サ ン ヴ ァ ロー ダ ヤ ・タ ン トラ」 第 八 品 〈Samayasamketavidhi‑patala〉. に見. られ る よ うに、聚 輪 自体 が 現 実 に転 じ られ て い る曼 茶 羅 と見 な さ れ て い る 如 くそ れ は広 義 の 〈聚 会 曼 茶 羅 〉 で もあ る。 しか し他 方 で 、聚 輪 はユ ニ ッ トと して の 「狭 義 」 の 〈聚 会 曼 茶 羅 〉 の 形 成 と供 養 に尽 き る もの で は な く、そ れ 以 外 の別 な内 実 を も併 せ持 っ 儀 礼 複 合 と して の集 会 で あ る。言 い換 え る と、聚 輪 自体 が広 義 の 〈聚 会 曼 茶 羅 〉 で あ る と は言 い 得 るが 、反 対 に 〈聚 会 曼茶 羅 〉 は必 ず し も聚 輪 と等 同 で は な い。前 章 で 引 用 した よ う に、サパ ンや プ トゥ ンは修 法 に不 可 欠 な 曼 茶 羅 を 〈聚 会 曼 茶 羅 〉 と して で な く図 絵 曼 茶 羅 と して作 成 して行 わ れ る聚 輪 に っ い て も述 べ て い る。即 ち、「狭義 」 の 〈聚 会 曼 茶 羅 〉 を持 た な い 「広 義 の 〈聚 会 曼 茶 羅 〉 」、 っ ま り聚 輪 も想 定 で き るの で あ る。. 本 章 の最 後 に、 これ ま で述 べ て きた 〈聚 会 曼 茶 羅 〉 に概 念 規 定 を 与 え て お き た い。 ‑12‑.
(22) (104). イ ン ド密 教 に オ リ ジ ナ ル な成 就 法53)の エ ッ セ ン ス と は 、共 に観 念 的 な 「存 在 」で あ る三 昧 耶 薩 埋 ・三 昧 耶 曼 茶 羅 と智 慧 薩 唾 ・智 慧 曼 茶 羅 を 二 重 聚 会 曼 茶 羅 ganamandala考. 化 して意 識 内 に定 立 し引 き続 き両 者 を合 一 さ せ る観 念 操 作 で あ る。 こ の操 作 に よ り密 教 行 者 は全 くの無 か ら全 世 界 (曼 茶 羅 世 界) の 創 成 を 成 し遂 げ る。 この 生 起 した曼 茶 羅 世 界 (「観 想 上 の マ ンダ ラ」) が 密 教 行 者 の観 念 内 存 在 で あ る こ と は言 うま で もな い。 しか し集 団 的 な 修 法 に あ って は参 加 者 全 員 が 共 有 し う る実 在 す る特 定 の対 象 を シ ンボ ル (標 幟) と して 、集 会 の 場 に曼 茶 羅 を 「現 成」 させ る こと の効 果 は明 らか で あ る 。 こ う した 共 同 的 な観 念 の 物 象 化 で あ る 「葱代 」 こ そが 森 の言 う曼 茶 羅 の実 際 の あ り方 で あ る。 先 ず 曼 茶 羅 を 現 成 させ る予 定 地 と して の 円 輪 が 聖 別 され た空 間 と して 設 営 され る。 こ の聖 性 を帯 び て い る と言 って も未 だ無 限 定 な空 間 に、 観 念 上 の 曼 茶 羅 の構 造 に合 わ せ た墨 打 ち に よ っ て局 部 性 と全 体 と の相 互 関 係 性 を 併 せ 持 っ い くっ か の定 点 が誕 生 す る。 こ う した 定 点 は空 間 の 質 点 で あ り、 全 体 との 関 連 で言 うな らば鎖 の結 節 点 に当 た る もの で あ る。 この場 所 に 図 絵 曼 茶 羅 の場 合 で あ れ ば、特 定 の 尊 格 を表 す もの が 描 か れ た り置 か れ た り す る。 〈聚 会 曼 茶 羅 〉 の 場 合 で あ れ ば 、先 ず 座 具 が配 ら れ、 続 い て 男 女 喩 伽 者 が そ の 位 置 を 占 め る ので あ る。 こ の よ うに 集 会 の 中 核 と して の 曼 茶 羅 は仏 教 徒 た ち に と って は ど こ まで も本 質 的 な matrix. で あ る。仏 教 徒 た ち. の集 団 的 な 修 法 にお いて 、曼 茶 羅 作 成 は不 可 欠 で あ り、 さ も な け れ ば 成 就 の手 段 と して の 集 会 に はな らな い。 さ らに貧 欲 行 と して の 修 法 の 性 格 が この曼 茶 羅 を 〈聚 会 曼 茶 羅 〉 と して 強 く要 請 す るの で あ る。仏 教 徒 た ち の集 会 が 集 団 的 な 修 法 で あ る所 以 は 、 そ の根 幹 に核 とな る曼茶 羅 、 さ らに は こ う した 〈聚 会 曼 茶 羅 〉 が現 成 して い る限 りに お い て な の で あ る。つ ま り 〈聚 会 曼 茶 羅 〉 は 「真 実 在 の顕 現 」 で あ り、そ の現 成 して い る 「真 実 在 」 が根 源 的 な ユ ニ ッ トと して 仏 教 徒 の 集 会 を 支 えて い る と して性 格 づ け られ る もの で あ る。 以 上 か ら、仏 教 徒 た ち の共 同観 念 で あ り、「真 実 在 」が 色 身 を具 え た もの ‑11‑.
(23) (105). と して の意 識 内存 在 で あ る曼 茶 羅 が 、現 実 の集 会 の 場 に生 身 の男 女 喩 伽 者 の 姿 で以 て外 化 (聖 体 顕 現). した の が 〈聚 会 曼 茶 羅 〉 で あ る と定 義 で き. る。 これ を 宗 教 学 の文 脈 に 置 き換 え る と、 エ リア ー デ の 言 う 「聖 体 顕 現 (hierophanie)」 と な る。 また 宗 教 的 実 践 の視 点 か らは 「儀 礼 の た め の マ ン. 密 教. ダ ラ」(森1997: 25‑6) に位 置 づ け られ る。 こ の 〈聚 会 曼 茶 羅 〉 こ そ 生 身 の シ ンボ ル (印 契 女) を用 い て仏 教 タ ン ト リス トた ち が 『金 剛 頂 経 』 以 来 追. 文. 求 して き た 「真 実 在 」 と の合 一 を 意 図 す る 「即 身 成 仏 」 の 場54)で あ って 、. 化. そ れ を核 と して行 わ れ る修 法 は初 期 の 「大 喩 伽 タ ン トラ」 文 献 に そ の 明 確 な 姿 を現 して く るイ ン ド密 教 に特 徴 的 な 基 本 と な る修 法 で あ る。そ の 意 味 か ら、ま さ し く食 欲 行 の 舞 台 装 置 で あ る と言 え る もの で あ る。. 参照文献 北 村太道. 1988「 マ ン ダ ラ地 儀 軌 にっ いて 」『密教 学 研 究 』No. 20 2002「 『理趣 広 経 』に お け る秘 密 成 就 法 に つ いて 」『密 教 学 研 究 』No. 34. 桜井 宗信. 1988「Kriyasarpgrahapanjika. の 灌頂 論 (1) 瓶 灌 頂 の梵 本 校 訂 テ ク ス. ト及 び考 察 」『智 山 学 報 』No. 37 1990「Anandagarbha. の灌 頂 論 」『智 山 学 報 』No. 39. 1996『 イ ン ド密 教 儀 礼 研 究 後 期 イ ン ト 杉木恒彦. 1995「Anandagarbha. 高橋 尚夫. 1980「Prajnpayavini6cayasiddhi‑和. 密 教 の 灌 頂 次 第 』法 蔵 館. の曼 茶 羅 成 就 法 論 」 『イ ン ド哲 学 仏 教 学 研 究 』. No. 3 訳‑」 『豊 山 学 報 』No. 25. 1987「 金 剛 界 大 曼 茶 羅 儀 軌 一 切 金 剛 出現 第 一 喩 伽 三 摩 地 一 和 訳 一」 『密 教 文 化 』No. 161 田中公明. 1989「 『一 切 仏 集 会 學 吉 尼 戒 網 喩 伽 』所 説 『九 味 』考 」『 東 方』No. 5 1992「 『 一 切 仏 集 会 撃 吉 尼 戒 網 鍮 伽 』所 説 『九 味 』再 考 」『 印 仏研』No. 414 1996『 イ ン ド ・チ ベ ッ ト曼 茶 羅 の研 究 』法 蔵 館. 野 口圭也. 1993「 マ ン ダ ラの 成 立 根 拠 」『曼 茶 羅 と輪 廻 』佼 成 出版 社. 森. 1992「 観 想 上 の マ ンダ ラ と儀 礼 の た あ の マ ンダ ラ」 『日本 仏 教 学 会 報 』. 雅秀. No. 57 1997『 マ ン ダ ラの 密 教 儀 礼 」春 秋 社 Janardan. Sastri Pandey. (ed.) CARYAMELAPAKAPRADIPA. ‑10‑. (RBTS. 22).
(24) (106). 2000, India. Ram Shankar. Tripathi. PINDIKRAMA. & PANCAKRAMA. (BITS 25) 2001,. 聚 会 曼 茶 羅 gan amandala考. India. Snellgrove,. D. L. The Hevajra. Tantra. A Critical. Study, 1976 (1959) London.. 註 1). こ の 二 っ の 枠 組 み を ア バ ヤ ー カ ラ の 著 作 に 即 して 言 え ば 、 主 に 前 者 を 対 象 と し た も の が Nispannayogavali (1992: 73‑4). で あ り、後 者 を 説 く の が Vajravali. 参照。. 2). Toh. 3140. Phu.. 39b2‑3.. 3). Toh. 1198. Cha.. 106a4.. 4). Toh. 1198. Cha.. 107b1‑3.. 5). 北 村 (1988: 6). は 『Abhihanottara‑tantra』. 当 該 箇 所 に っ い て 、 チ ベ ッ ト仏 教. ゲ ル ク 派 の 説 を 引 用 した 中 で 、 「五 番 は 花 の 陳 列 (metogdgram)」 6). Toh. 369Ka.. 344b2‑3.. 7). Toh. 1199Ja.. 40a5‑7.. 8). Snellgrove. 9). Toh. 10). Ka.. 270a6‑7.. 11). Ka.. 114b6‑115a3.. 12). Ka.. 270b2.. 13). 二 儀 軌S本p.. 14). 八 女 尊 の 標 幟 は そ れ ぞ れ の 持 物 で あ る。 野 口 (1993: 105). 15). 二 儀 軌S本p.. 154.. 16). 二 儀 軌S本p.. 154.. 17). Toh. 18). 二 儀 軌S本p.. 19). 田 中 (1989)(1992). 20). Toh. 21). (1959:. 1183Kha.. とす る。. 但 し こ こ で は 第 一 は 文 字 (種 子 曼 茶 羅). で あ る。. に類 似 した記 述 が 見 られ る。. 88) 参 照 。. 58a2‑3.. 82‑84.. 1270『 ヘ ー ル カ 生 と名 づ け る曼 茶 羅 儀 軌 』Ta.. 366Ka. と な ろ う。 森. 参 照。. 88a6.. 84 (64‑65). 参照。. 160a2.. こ の 文 言 は Aryadeva. 著 『行 合 集 灯 』第 九 章. (RBTS. 22p.. 83.). か ら skt.. が 回. 収 さ れ る。 22). Sarvavajrodaya. の 性 格 に つ い て は 高 橋 (1987)、. に つ い て は 杉 木 (1995). 参照。. 23). 密 教 聖 典 研 究 会 (1986: 288‑9§33). 参照。. 24). 密 教 聖 典 研 究 会 (1986: 272‑3§51). 参照。. ‑9‑. 同 儀 軌 の三 三 摩 地 と. 〈親 近 〉.
(25) (107). 25). 密 教 聖 典 研 究 会 (1986: 283‑3§39). 26). Toh. 27). 北 村 (2002: 12‑3). 28). 訳 出 に 際 し て は 北 村 (2002). 29). Toh. 488Ta.. 235a6‑b1.. 30). Toh. 488Ta.. 237a5‑b1.. 31). 金 剛 火 炎 日 輪 尊 と は 、金 剛 薩 埋 の 変 現 し た 姿 で あ り 、 田 中 (1996: 199‑202). 366Ka.. 参照。. 159b7.. 密. 参照。 を参 考 に した。. 教 文. によ. れ ば 、 『サ マ ー ヨ ー ガ 』 に 出 る ヘ ー ル カ の 前 身 と さ れ る尊 格 で あ る 。 Toh. 33). 北 村 (2002: 12‑3). 25121.. 34). sngon. 35). Toh. 化. 32). 70b. 3‑4.. du. 参照 。. bsnyen. 25121.. pa. (purvaseva). に つ い て は 杉 木 (1995: 38‑9). 36)「 尊 格 準 備 」 の 用 語 は 桜 井 (1996: 57) しい 内 容 は 、 密 教 聖 典 研 究 会. に よ る。Sarvavajrodaya. (1986: 274‑288). 37). Toh. 25121.. 38). Toh. 25121.. 39). Bibliotheca. Tibetica. I‑5.. 127b5‑128a2.. 40). Bibliotheca. Tibetica. I‑5.. 128b1‑2.. 41). 北 村 (1988: 3‑6). 42). Toh. 5067. 386b2‑4.. 43). Toh. 2490. Zi. 239b3.. 44). Toh. 5067. 388a3‑7.. 45). Toh. 5067. 392a7‑b2.. 46)「. 参照。. 75b5‑76a1. に お け る そ の詳. 参照。. 77a3‑7 77a7‑b3.. 参 照。. 我 生 起 」 の 儀 軌 に お け る 意 味 に つ い て は 、 北 村 (1988). 47). Toh. 5067. 48). Bibliotheca. Tibetica. 49). Toh. 366Ka.. 184a6‑7.. 50). Toh. 1412Ma.. 51). Toh. 374Ga.. 5b6.. 52). Toh. 366Ka.. 185a6‑6.. 53). 森. (2000: 37). 54). 野 口 (1993). 参照。. 392b6‑7. I‑5.. 131a4‑5.. 390b7‑391a1.. 参照。 は 「聖 体 顕 現 」 を 『二 儀 軌 』 〈清 浄 品 〉 の 曼 茶 羅 に 即 し て 論 じ て い. る。. 〈 キ ー ワ ー ド〉. 聚 会 曼 茶 羅 (gapamandala) サマ ーヨーガ. 理趣広経. ‑8‑. ガ ナ チ ャ ク ラ (聚 輪) サパ ン. プ トゥ ン.
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