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第27回北海道小児循環器研究会

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日本小児循環器学会雑誌12巻6号801〜803頁(1996年)

第27回北海道小児循環器研究会

日時平成8年ll月9H(土)

会場道民健康教育センター研修室(北海道医師会館9F)

 1.小児期のペースメーカー治療例の臨床的検討     旭川医大小児科

      岡  隆治,梶野 浩樹       梶野 真弓,津田 尚也     市立名寄総合病院小児科   藤保 洋明  小児期のペースメーカー治療に伴う問題について臨 床的に検討した.対象は,当科でフォローされている 15例で,先天性心奇形術後11例と心奇形を伴わない先 天性完全房室ブロック3例,洞機能不全症候群1例で ある.ペースメーカー機能不全は,術後例で有意に多

く,ペースメーカーの交換回数は,チアノーゼ型心疾 患術後群で有意に多かった.交換回数が多くなること は,患者や家族への精神的負担となっている.外来で の定期的Holter心電図によるペースメーカー機能 チェックが大切と考えられた.

 2.Infantile Scimitar Syndromeの1例     北海道大学医学部小児科

      上田 恵子,南雲  淳,武田宏一郎       問  峡介,信太  知,小田川泰久       清水  隆

 患児は,在胎38週,体重2,505gにて出生した女児.

新生児期より体重増加が不良で,胸部X線で右胸心と 右肺低形成を認めた.生後5カ月と1歳3カ月の時に 心臓カテーテル検査を行った.右上〜中肺野に分布す る細い右肺動脈・下大静脈へ還流する右肺静脈・腹部 大動脈から起始し右下肺野に流入する2本の異常血 管・軽度の肺高血圧が確認されたので,Scimitar Syn−

dromeと診断した.本症例に対する治療は,まず肺高 血圧の主要要因である肺分画症の治療を行い,心不全 を軽快させた後に,体重増加を待ってから部分肺静脈 還流異常の修復を行う予定である.肺分画症の治療は,

侵襲の少ないコイル塞栓術を施行する予定である.

 3.ファロー四徴,肺動脈閉鎖術後の肺動脈分岐部 狭窄に対するステント移植術の経験

    札幌医科大学医学部小児科

      辰巳 正純,富田  英,布施 茂登     Texas Children s Hospital, Baylor College     of Medicine

      Charles E Mullins  術後の肺動脈狭窄に対してはバルーン拡大術が第一 選択として行われるようになってきたがその有効率は 50〜60%で再狭窄の頻度も高い.演者らはバルーン拡 大術が無効であったファロー四徴術後の11歳11カ月男 児の肺動脈分岐部狭窄に対しKissing Balloon法に準 じてロングシースを挿入し同時にstentを留置する方 法を行い良好な結果を得た.術後4カ月が経過したが 大きな合併症も無く経過しており,今後は術後の血管 狭窄に対するstent移植術の可能性が広がることが考

えられた.

 4.成人期に死亡したCo/A+VSD+PH症例の剖

検所見

    市立旭川病院胸部外科

      大場 淳一,青木 秀俊,吉田 俊人       上久保康弘,森本 清貴

 症例は21歳女性.昭和50年,新生児期にCo/A+

VSD+PHと診断され,一期的根治術を予定されたが,

家庭の事情で延期されていた.5歳時の心カテではす でにEisenmenger化していたので適応外として外来 で経過を観察.21歳時に喀血から呼吸不全となり,死 亡した.剖検では肺動脈瘤が認められ,瘤内には陳旧 性血栓が層状構造を形成していた.肺の組織所見では 肺動脈の硬化像,中膜の肥厚,内膜の結合織性肥厚が あり,一部には内腔の閉塞と再疎通像を見た.Heath−

Edwardsのgrade 4と判定された.血栓を有する肺動 脈瘤の報告は多くないが,肺高血圧に伴う肺血流の減 少,多血症の存在,内皮障害などが要因と考えられた.

 5.純型肺動脈閉鎖症に対するtranspulmonary

valvotomyの経験

    北海道大学循環器外科,同 小児科*

      窪田 武浩,村下十志文,瀧上  剛       松崎 賢司,安田 慶秀,武田宏一郎*

      南雲  淳*,問  峡介*,信太  知*

      小田川泰久*,清水  隆*

 いわゆる純型肺動脈閉鎖症に対する初期治療として 当科では心エコーでのinfundiblumの形態によって 方針を決定しbiventricle repairが可能と思われた症

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802−(64)

例には左側方開胸にて直視下にtranspulmonary

valvotomyを人工心肺は用いずに施行している.今回

transpulmonary valvotomyを施行した2症例と

biventricle repairが不能と考えmodified B−T shunt を施行した1症例を提示する.

 6.生後14時間後に根治手術を要した総肺静脈還流 異常症の1例

    北海道大学循環器外科,同 小児科*

      瀧上  剛,村下十志文,窪田 武浩       松崎 賢治,安田 慶秀,武田宏一郎*

      南雲  淳*,間  峡介*,信太  知*

      小田川泰久*,清水  隆*

 総肺静脈灌流異常症(TAPVC)下心臓型は,生後数 日で生理的に肺血管抵抗が低下し肺血流が増加する 頃,肺静脈灌流障害(PVO)が顕著になり,肺響血を 来し,新生児早期に根治術を要する症例が多い.今回,

生直後より高度低酸素血症と代謝「生アシドーシスを来 たし,生後24時間以内に根治術を施行し救命した TAPVC症例を経験した.本症例の術後の肺高血圧症 に対する管理に於いてHyperventilation,血管拡張剤 投与が非常に有効であった.

 7.体重1,800gの大動脈縮窄, Taussig−Bing奇形 に対する拡大大動脈再建と肺動脈絞拒術の経験     北海道大学循環器外科

      松崎 賢司,村下十志文,窪田 武浩       瀧上  剛,安田 慶秀

    同 小児科

      武田宏一郎,南雲  淳,間  峡介       信太  知,小田川泰久,清水  隆  症例は日齢21日目の男児.心雑音指摘され.Taussig−

Bing奇形CoAの診断.術前体重は1,800gであった.

この症例に対し術前BASの後,拡大大動脈弓再建,

PA bandingを施行した.術後経過は極めて良好で あった.Taussig−Bing奇形に対しPA bandingを施行 する場合,術前にBASを考慮すべきであると思われ

た.

 8.Jatene手術7例の検討

    北海道立小児総合保健センター胸部心臓血管     外科

      菊地 誠哉,樫野 隆二     同 循環器科        東舘 義仁     東京女子医科大学循環器小児外科

      高梨 吉則  TGAに対するJatene手術の手術成績は,近年非常

口小循誌 12(6),1996 に安定したものとなってきている.しかし,術後肺動 脈狭窄をはじめ問題点も少なからずみられる.1993年 から1996年まで7例のJatene手術を行った.疾患は TGA 5例, DORV十CoA l I列, SLV{SXLt}十restric・

tive BVF+CoA 1例. TGA一期的Jatene 4例,二期 的Jatene 1例, CoA合併症例はまず大動脈弓再建+

PABを行った後,二期的にDORVにはJatene+心内

トンネル,SLVにはpalliative Jatene⊥ASD拡大+

BT shuntを施行した.6例にLecompte変法,大血管 並列関係のDORVにはJatene原法を用いた.肺動脈 再建は初期の4例で異種心膜補填物を使用.最近3例 でPacifico法を行った. DORVの1例が手術死亡し た.術後肺動脈狭窄を補填物を使用した2例に認めた が,Pacifico法では認めなかった.

 9.両側Unifocalizationの後Rastelli手術を

行ったファロー四徴症・肺動脈閉鎖・MAPCAの1例     手稲渓仁会病院心臓血管外科,同 小児循環     器科*,東京女子医科大学循環器小児外科**

      湊屋 洋一,酒井 圭輔,俣野  順       牧野  裕,中西 克彦,菅原  啓       浜田  勇*,高梨 吉則**

 MAPCAを伴うファロー四徴症においては,

MAPCAの形態と肺動脈の発育の程度によって治療

方針が選択されるが,病態は多様であり,外科的介入 が困難な場合も多い.

 今回我々は,本症の1例に対してstaged operation にてRastelli手術を施行し良好な結果を得たので報

告する.

 症例は5歳,男児.2歳,3歳時に左側のunifocal−

ization,4歳時に右側のunifocalizationを行った後,

4回目の手術でRastelli型根治術を施行した.

 本症に対する外科治療のstrategy,問題点について 検討を加えた.

 10.Ebstein病に対するCarpentier法による外科 治療の経験

    札幌医科大学医学部第2外科

      佐藤 真司,森下 清文,高木 伸之       深田 穣治,池田 勝哉,印宮  朗       安倍十三夫

 当教室では,1989年より連続4症例のEbstein病に 対してCarpentier法を施行し,満足し得る結果を得て おり,最近の1症例の手術手技を供覧する.症例は30 歳,女性で,術前CTR 58%, IV度のTRを認めた.

術中所見では,前尖は大きく可動性は良好で,中隔尖

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平成8年12月ユロ 803 (65)

と後尖は下方に偏位し,交連は形成されていなかった.

前尖約2/3と後尖すべてを弁輪より切離し,心房化右室 を縦方向に縫縮した.切離した弁尖は時計方向に回転 させ,前尖弁輪も縫縮しながら本来の房室弁輪部に再

固定した.最後に新しい弁輪をCarpentier ringを用 いて形成し補強した.術後はCTR 43%, TR II度に 改善した.

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