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<報 告> 日本放射線影響学会の令和元年度賞等授与のご報告

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Academic year: 2021

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<報 告>

日本放射線影響学会の令和元年度賞等授与のご報告

日本放射線影響学会 賞等選考委員会委員長 今岡 達彦*

日本放射線影響学会では、放射線科学研究や学会運営に貢献された、あるいは将来の活躍が期 待される会員・元会員に対し、各賞や称号を授与しております。機会を頂きましたので、令和 元年度の授与についてご報告させて頂きます。

(1) 名誉会員

名誉会員は、10 年以上の会員歴をもち、理事又は学術集会会長経験者等、本学会に特に功労 のあった先生、又は放射線科学研究の発展に関し功績のあった先生に贈られる称号です。本年 度は 4 名の先生が名誉会員となられました。

小野公二先生(大阪医科大学関西 BNCT 共同医療センターセンター長・教授)は、BNCT 研究を 中心として放射線科学研究の発展に貢献されたほか、委員長等として学会活動、特に日本放射 線腫瘍学会との連携に尽力され、日本放射線研究連合、国際放射線研究連合でも本学会のプレ ゼンス向上に勉められました。授賞式では、薫陶を受けた先生への感謝や、日本放射線腫瘍学 会との連携についてのご苦労を述べられました。

兒玉和紀先生(放射線影響研究所業務執行理事)は、原爆被爆者を対象とする臨床研究、放射 線疫学の発展に多大な功績がおありで、学術集会の事務局長、UNSCEAR 委員等の活動を通して本 学会のプレゼンス向上にも寄与されました。ご用務のため残念ながら式は欠席されましたが、

放射線影響研究の伝統のすばらしさに触れ、感謝の念を伝えるメッセージをお送り下さいまし た。

小林克己先生(高エネルギー加速器研究機構名誉教授)は、放射光を用いた放射線生物研究を 黎明期から牽引し、現在でも使用されるマイクロビーム照射装置の基礎を確立されて、国際共 同研究も多く主導されたほか、国際学会の主催等でも活躍され、学会運営にも委員長等として

*

〒263-8555 千葉市稲毛区穴川 4-9-1

量子科学技術研究開発機構 放射線医学総合研究所 放射線影響研究部幹細胞発がん研究チーム

TEL: +81-43-206-4057, FAX: +81-43-206-4138, E-mail: [email protected]

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大きな寄与をされました。授賞式では、多くの分野・領域の研究者が協力して本学会を発展さ せていただくよう希望を述べられました。

鈴木元先生(国際医療福祉大学大学院教授)は、放射線医学、生物研究の発展に長年の多大な 功績がおありで、有識者としても社会に幅広く貢献され、福島原発事故に関しては当学会を代 表する専門家としても大きな貢献をされました。授賞式では、これまでのご自身の研究歴の大 きな変遷に触れられ、後続の研究者を激励されました。

(2) 功労会員

功労会員は、10 年以上の会員歴をもち、本学会に特に功労のあった先生、又は放射線科学研 究の発展に関し功績のあった先生に送られます。本年度は、井尻憲一先生(オフィスケーアイ 代表・東京大学名誉教授)が、放射線影響研究、宇宙環境を利用した研究、RI 教育等の研究教 育や、学会運営、社会活動等における特筆すべき功労に対し、功労会員の称号を授与されまし た。授賞式では、本学会にて、ご旧知の先生方の講演を聴いたり懇親したりする喜びについて、

お話しされました。

(3) 功績賞

功績賞は、放射線科学研究を通じた社会貢献および学会の運営への寄与などにより、本学会の 進歩発展に対する総合的な貢献が顕著な先生に授与されます。本年度は、高橋千太郎先生(京 都大学名誉教授)が、当学会の会計幹事、庶務幹事、副理事長、大会長等の要職を長く務めて 学会運営に尽力され、放射線・原子力利用や放射線リスク評価の基礎研究を通して本学会のプ レゼンスの向上に貢献された功績により、本賞を受賞されました。授賞式では、学会の財政に 関して、賛助会員やご寄付を募ったり大会運営の経費節約にご苦労されたりしたエピソードを ご披露下さいました。

(4) 学会賞

学会賞は、放射線科学研究における業績がきわめて顕著であり、かつ本学会の進歩発展に多大

な寄与をし、さらなる活躍が期待される先生に授与されます。本年度は、田内広先生(茨城大

学大学院理工学研究科教授)が、ナイミーヘン症候群原因遺伝子の研究、放射線誘発突然変異

に関する研究で顕著な成果を上げられたほか、有識者としての社会貢献も大きく、当学会にお

いて数々の委員長等の役職を務められたご貢献も絶大であることで受賞されました。授賞式の

後、若き頃のお世話になった先生方とご一緒の写真等も含め、DNA 二重鎖切断修復機構に基づく

放射線誘発突然変異および放射線感受性の研究に関して、受賞講演をされました。

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(5) 奨励賞

奨励賞は、放射線科学研究において顕著な成果を発表し、将来の発展が期待し得る若手の先生 に授与されます。本年度は2名の先生が受賞されました。

戒田篤志先生(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科助教)は、細胞周期レポーターを利 用して放射線照射後の腫瘍内微小環境変化を解明した業績が評価されたほか、学会においても 委員会活動に貢献されていることで、本賞を受賞されました。授賞式は、ご留学中のため残念 ながらご欠席でした。

吉田由香里先生(群馬大学重粒子線医学研究センター助教)は、正常脳組織への放射線影響解 明を初めとする放射線治療の高度化に関わる基礎的研究の成果が評価され、将来の発展が期待 されることで、本賞を受賞されました。授賞式の後は、放射線による脳障害の機序に関する研 究に関して受賞講演をいただきました。

(6) 女性研究者顕彰・岩崎民子賞

本賞は、放射線科学の領域で継続的に研究活動を行い、その研究活動によって放射線科学領域 の研究の活性化と日本放射線影響学会の発展に顕著な貢献をした女性研究者に対して授与され ます。本年度は、笹谷めぐみ先生(広島大学原爆放射線医科学研究所准教授)が、放射線発が んの分子機構解明で着実に成果を積み重ねながら、学術評議員、委員会活動等で当学会にも貢 献し、後続の女性研究者の良きロールモデルとなられていることが評価され、本賞を受賞され ました。授賞式の後、放射線発がんに関してこれまでの研究成果を受賞講演としてご発表いた だきました。

(7) 終わりに

本年度は、昨年度と比べかなり多くの応募があり、特に女性会員の応募が増加しました。これ は理事会や評議員を含む会員の先生方が声かけや推薦にご尽力下さった成果であると考えてお ります。その結果、学会や放射線科学に大きく貢献された先生、将来の期待される先生に授賞 することができたと考えております。一方で、ご応募頂いたにもかかわらず、活躍されている 先生、ご貢献が深い先生であったにもかかわらず、賞等選考委員会から理事会へ推薦できない 方がおられたことは、心残りにもなっております。

日本放射線影響学会では、本学会の賞の競争率を高め、 「何度でも再挑戦する文化」を醸成す

ることをめざしております。今回の選考における競争率の向上は、それが反映された結果であ

り、目標に少しでも近づいていることを願っております。

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授賞式後の受賞者の集合写真:(手前向かって右から)小野先生、小林先生、鈴木先生、島田理 事長、児玉編集委員長、野田先生(兒玉先生代理) 、井尻先生、 (奥向かって右から)田内先生、

吉田先生、三浦先生(戒田先生代理) 、高橋先生、笹谷先生、臺野先生(JRR 寺島論文賞受賞)

(撮影:大会事務局)

参照

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