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平均および分散共分散行列のロバスト推定法

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Academic year: 2021

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多変量解析における潜在変数モデルの理論と応用

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         平均および分散共分散行列のロバスト推定法        関西大学経済学部渡邊美智子*

       立教大学社会学部山口和範

 多くの多変量解析において,まず標本平均および標本共分散行列が計算され,それらに基づ いてパラメータの推定や検定が行われる.この場合,一般にデータに対して多変量正規性が仮 定されているが,外れ値の存在するデータに対して正規性に依存する推測法が効率的でたいこ とはよく知られている.外れ値が存在する場合の平均ベクトルと分散共分散行列のロバストた 推定法として,Rubin(1983)やLitt1e(1988)は,多変量広分布や混清多変量正規分布等の正 規分布の尺度混合分布族に基づく最尤法を提唱している.ここでは,正規分布よりも裾の重い

(尖度の大きい)分布をデータに適合させることで外れ値の影響を受けないパラメータの推定を 意図している.一方,多変量才分布等の楕円分布では各周辺分布の尖度が等しいため,現実の データヘの適合に際して不十分である場合も多い.実際,Cook andJohnson(1981)やKano et a1.(1990)に周辺分布の尖度に一様性を仮定できない実際例が挙げられている.

 本研究では,Dempster et a1.(1980),Litt1e(1988)等で使用されている正規分布の尺度混合 分布族を拡張する観点からある分布族を考え,その下での平均ベクトルと分散共分散行列の最 尤推定量を計算するアルゴリズムを与える.

 平均μ,分散Σの力次の多変量正規分布に従う確率ベクトル兄は,互いに独立た標準正規 変数を要素にもつ確率ベクトルe(i.e.,e〜N(0,7ク))の線形変換により得られる:κ=五一1e

+μ,ただし,方1(λ一王) =Σで,∠は対角成分が正である上三角行列とする.多変量才分布だ との正規分布より尖度の大きい正規分布の尺度混合分布族は,一般に,ある正の確率変数αが 与えられた下で,エの条件付分布がx〜N(μ,ΣI/σ)であると仮定することにより得られる.こ のことは,σが与えられた下で,eの条件付分布をθ〜N(0,∫ヵ/α)とおくことと等しい.ここで は,各変数に対して共通の確率変数σを用いているため各変数の周辺分布の尖度は等しくた る.そこで,周辺分布に多様性をもたせるため,確率変数αを互いに独立た力価の正の確率変

数からたる確率ベクトルα=(σ、,σ。,...,α力) に置き換えて得られる分布族を考える.即ち,あ る正の確率ベクトルαが与えられた下でのeの条件付分布がN(0,Q■1),ここに,Q=diag{α。,

σ。,...,σク}である場合に得られる分布を対象とする.一般に,五(x)=μ,Cov(κ)=λ一1Q*方1

ただし,Q*はr舳(の)吻1を(1,1)成分にもつ対角行列である.また,観測値カ1得られた 下でのα7の条件付期待値は,のの確率(密度)関数をM5(α5)としたとき,

(1)

         ル・ ρ…(一σ・・l/・)仏(舳・

亙(クタ1κ;μ,λ)=

         μρ…(一の・l/・)舳・)物1

とたる.ここに,eゴはe=∠(x一μ)の第ブ成分である.とくに,のが退化した確率変数(定数)

でなければ,亙(σ51兆;μ,λ)はe葦の非増加関数である.

 次に,この分布の仮定の下で,μとΣの最尤推定量を得るためのアルゴリズムを導く.ここ では,直接Σを推定する代わりにλを推定する.xの分布型を具体的に規定し,その下で直接 に尤度関数を評価し,最尤推定量を求めるアノレゴリズムを構築する方法も考えられるが,アル

‡現東洋大学経済学部

(2)

112 統計数理 第39巻 第1号 1991

ゴリズムの具体化は煩雑であろう.しかし,{ル,α{;5=1,2,...,m}を完全データ,{篶;6=1,

2,...,m}を{αオ;ク=1,2,...,m}が欠測した不完全データとみたしてEMアルゴリズムを適用 することにより,比較的容易に最尤推定量を求めるアルゴリズムを構築できる.それぞれの Stepは以下のとおりである.

E−steP:

M−steP

(2)

(3)

肌=亙(¢1篶;μ,λ)を計算する.

次の方程式を解く.

       n

      Σ肌ユ(κrμ)=0,

      一11       m

    dia9{α言,漏,...,α訓一(1/m)Σ肌五(xrμ.)(κrμ) =0        {11

 (2)と(3)からも明らかたように,㈹はタ番目の観測個体の誤差ベクトノレe{のブ変量に対 する重みの役割を果たしていて,観測値と期待値のがい離が大きくたるほど小さた値をとる.

従って,一のの分布に含まれるパラメータは,データの外れ具合に応じてどの程度の重みを与え るかの調整を行っている.実際のデータ解析において,これらのパラメータはあらかじめ規定 できたいのが普通である.よって,これらのパラメータを所与あデータから推定する必要があ る.一般に,〃ゴ(αゴ;θ)に未知パラメータθが含まれている場合,E−stepにおいて観測値とパ ラメータの暫定値が与えられた下での1ogMゴ(αゴ;θ)の条件付期待値を計算し,M−stepでθ に関する1og〃5(α5;θ)の条件付期待値の最大化を行う.この繰り返しで,パラメータの最尤推 定量を導出できる.しかし,混合多変量正規分布の場合,θで微分可能でたいため上記の方法で 最尤推定量を導くことはできたい.そこで,Yamaguchi(1990)はこのようた分布のための一 般化EMアルゴリズムを与えている.

      参考文献

Cook,R.D.and Johnson,M.E.(1981).A family of distributions for mode11ing non−e11iptica11y symmet−

    ric mu1tivariate data,∫沢。γ∫勉眺た∫oc.∫eκ8,43,210−218.

Dempster,A.P.,Laird,N.M.and Rubin,D.B.(1980).Iterative1y reweighted least squares for linear     regression when errors are normaI/independent distributed,Mm肋m肋加λm伽ゐ(ed.P.R.

    Krishnaiah),5,35−57,North−Ho11and,Amsterdam.

Kano,Y.,Berkane,M.and Bentler,P,M.(1990).Covariance structure ana1ysis with heterogeneous     kurtosis parameters,励。me炉娩α,77,575−585.

LittIe,R.J.A.(1988).Robust estimation of the mean and covariance matrix from data with missing

    values,メφψκea∫勉あ∫杉。∫,37,23−38.

Rubin,D.B.(1983).Iteratively reweighted least squares,互m卿 加亙mψcZoφe励αげ肋e∫枷5∫此αZ     ∫cづmce∫,4(eds.S.Kotz,N.L.Johnson and C.B,Read),Wi1ey,New York.

Yamaguchi,K.(1990).Genera1ized EM a1gorithm for mode1s with contaminated norma1error terms,

    ∫彦α桃枕αZ Me肋。a∫αma Dα妨λmα伽タ∫(ed.N.Niki),107−114,Scientist Inc.Tokyo.

参照

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