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線形代数 I ( 担当 松下勝義 ) I. 連立一次方程式と行列

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Academic year: 2021

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(1)

線形代数 I ( 担当 松下勝義 ) I. 連立一次方程式と行列

教科書

§ 2.1-2.2, pp.9–16

講義ノート

連立

1

次方程式は行列と数ベクトルで表現することができる. 連立

1

次方 程式は消去法で解くことができるが,行列でもそれは再現できる. 今回はこの 行列による方程式の表現と,消去法に対応する掃き出し法を説明する.

連立一次方程式

{

2x +3y = 7

x 2y = 0 (1)

この連立一次方程式は次のように解ける.

1. 1

番目の式と

2

番目の式を入れ替える.

{

2x +3y = 7 x 2y = 0

1

2 {

x 2y = 0

2x +3y = 7 (2)

2. 2

番目の式から

1

番目の式の2倍を引く

. {

x 2y = 0 2x +3y = 7

2

2

1 {

x 2y = 0

0 +7y = 7 (3)

3. 2

番目を

1/7

倍する.

{

x 2y = 0 0 +7y = 7

2

/7

{

x 2y = 0

0 +y = 1 (4)

4. 1

番目の式に

2

番目の式の2倍を足す.

{

x 2y = 0 0 +y = 1

1

2

2 {

x 0 = 2

0 +y = 1 (5)

従って解は

x = 2, y = 1

である. この式変形は

x, y

の文字に寄らず,係 数だけでできる事に注目する

.

実際係数行列というものを考えると係数 だけでこの連立一次方程式を解くことができる.

2

(2)

連立一次方程式の行列とベクトルによる表現

(例えば例題 2. 2)

係数行列

A(今後 ˆ

がついた文字は行列とする.)

A ˆ = (

2 3 1 2

)

. (6)

ベクトル

(今後太文字をベクトルとする),

x = (

x y )

, b = (

7 0

)

(7)

を使って

Ax ˆ = b (8)

行列とベクトルの掛け算

2

2

列行列

A ˆ = (

a

21

a

22

a

11

a

12

)

(9)

とベクトル

x

Ax ˆ = (

a

11

× x + a

12

× y a

21

× x + a

22

× y

)

(10)

とする.

例の連立一次方程式では

Ax ˆ = (

2 3 1 2

) ( x y )

(11)

= (

2 × x + 3 × y 1 × x + ( 2) × y

)

= (

2x + 3y x 2y

)

(12)

ベクトルの同値 二つの

3

次数ベクトル

a = (

a

1

a

2

)

, b = (

b

1

b

2

)

(13)

を考えたとき,

a = b

a = b

 

a

1

= b

1

a

2

= b

2

. (14)

3

(3)

従って,

Ax ˆ = b (

2x + 3y x 2y

)

= (

7 0 )

(15)

{

2x + 3y = 7

x 2y = 0 (16)

行列の用語

:

横の数字の並び

A ˆ

2

行目の行ベクトル

a

2

r

2

= (

1 2 )

(17)

:

縦の数字の並び

A ˆ

2

列目の列ベクトル

a

2

c

2

= (

3

2 )

(18)

成分: 成分

A ˆ

2

2

列成分

a

22

a

22

= 2 (19)

消去法による連立一次方程式の解法

三つの連立一次方程式の基本変形で未知数を消去して解を求める. 三つ の操作とは

1. 1

つの方程式に

0

でない定数を掛ける

2. 1

つの方程式の定数倍を他の方程式に掛ける

3. 2

つの方程式を入れ替える

例題

2.2

の場合は補足

1

を参照

.

この解法は係数の操作のみで行えることに注意すれば行列でも同様に 解くことができる. この消去法を行列で行うため次の連立一次方程式

Ax ˆ = b

の拡大係数行列を考える

( A ˆ b )

= (

a

11

a

12

b

1

a

21

a

22

b

2

)

(20)

例の連立一次方程式では,

( A ˆ b )

= (

2 3 7

1 2 0 )

(21)

この行列に対してやはり基本変形で解を求める

.

連立一次方程式に対応する行列の基本変形は以下の三つの行基本変形 である.

4

(4)

1. 1

つの行に

0

でない定数を掛ける

2. 1

つの行の定数倍を他の行に掛ける

3. 2

つの行を入れ替える

この三つの操作で

A ˆ

の部分を

3

3

列の単位行列

I ˆ

2

=

( 1 0 0 1 )

(22)

へ変形する. 1行目の

2

行目を入れ替える.

(

2 3 7

1 2 0 )

(

1 2 0

2 3 7

)

(23) 1

行目の-2倍を

2

行目へ足す.

(

1 2 0

2 3 7

)

(

1 2 0

0 7 7

)

(24)

2

行目の

1/7

倍する.

(

1 2 0

0 7 7

)

(

1 2 0

0 1 1

)

(25)

2

行目の

2

倍を

1

行目へ足す.

(

1 2 0

0 1 1

)

(

1 0 2 0 1 1

)

. (26)

より答えは

 

x = 2 y = 1

(27)

5

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