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は じ め に

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Academic year: 2021

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は じ め に

 赤坂甲治先生(東京大学大学院理学系研究科教授)と裳華房の野田昌宏さ んから,「新・生命科学シリーズ」で,「動物行動の分子生物学」というタイ トルで一冊分担当して貰えないだろうか,との打診をいただいたのは,2011

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月のことであった.筆者(久保健雄)も,「新・生命科学シリーズ」の 前身が,太田次郎先生を初めとする錚々たるメンバーからなる編集委員会が 発刊された,名門の「生命科学シリーズ」であることは知っていたし,私で もお役に立つのであればお引き受けしようと考えたが,すぐに浅学な筆者で は単著での執筆は到底無理であることに思い至った.そこで,数名の著者で 分担執筆する案を赤坂先生と野田さんに申し出たところ,幸いご了承いただ けた.筆者の研究室には現在,メダカの社会性行動の分子遺伝学を研究テー マとしている竹内秀明博士(東京大学助教)が在籍され,研究室の卒業生に は,現在,ショウジョウバエの行動遺伝学を研究テーマとしている上川内あ づさ博士(名古屋大学教授)がおられたため,上川内博士には線虫とご専門 のショウジョウバエ,竹内博士にはご専門の小型魚類の行動分子遺伝学に関 する章の執筆をお願いすることとした.また,研究室の竹内グループでメダ カの行動遺伝学に関する研究で学位を取り,現在は米国マサチューセッツ工 科大学の利根川 進教授の研究室で博士後研究員を務めている奥山輝大博士 が,利根川先生の研究室で汎用されている光遺伝学(オプトジェネティクス)

に関する章を執筆して下さるとのことで,これに私の専門の,ミツバチの社 会性行動に関する章を加えて

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人で分担執筆することとした.

 4名の執筆スタイルはやや異なるが,いずれの章でも,それぞれの動物に 固有な行動特性や脳のしくみに基づいた,研究対象の特徴や魅力を活かした 研究成果を優先的にご紹介いただいた.竹内・上川内・奥山博士は研究熱心 なばかりでなく勉強家でもあったため,すでにご自身がお持ちの経験・知識 に加えて,多くの文献を調べて執筆していただけた.しかしそれでもなお,

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v 現代の,動物行動の分子生物学・分子遺伝学の広範な分野をカバーすること は難しく,たとえば本書では鳥の歌学習や刷り込みに関する知見や,ヒトの 高次脳機能や疾患の分子・神経的基盤に関する知見は紹介できていない.こ れらについては優れた著書がすでに数多く出版されているので,それをご参 照いただけると幸いである.また当初想定しなかったことだが,諸般の事情 で各人の執筆期間に差ができてしまった.具体的には上川内博士の執筆期間

2011

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月~

2012

4

月(6か月),竹内博士は

2011

11

月~

2014

2

月(

2

年と

4

か月),奥山博士は

2013

3

月~

7

月(

5

か月),筆者は

2011

11

月~

2014

3

月(2年と

5

か月)であり,このため,収録してい る研究成果の収集時期に

2

年程度のギャップが存在する.これは偏に筆者の 能力不足のゆえであり,読者の皆様には深謝申し上げると共に,予めご了承 下さるようお願い申し上げる次第である.

 なお,4人の執筆者は脱稿の後,各自の分担の章の記述の正確さを期して,

上川内博士は森 郁恵博士(名古屋大学教授),富岡征大博士(東京大学助 教),竹内博士は川上浩一博士(国立遺伝学研究所教授),小田洋一博士(名 古屋大学教授),東島眞一博士(岡崎統合バイオサイエンスセンター准教授),

平田普三博士(国立遺伝学研究所准教授),亀井保博博士(基礎生物学研究 所特任准教授),渡辺英治博士(基礎生物学研究所准教授),吉原良浩博士(理 化学研究所チームリーダー),岡本 仁博士(理化学研究所シニア・チームリー ダー),成瀬 清博士(基礎生物学研究所准教授),島田敦子博士(東京大学 助教),深町昌司博士(日本女子大学准教授),当研究室の大学院生の横井佐 織さん,磯江泰子さん,坪子理美さん,元学部生の小長谷有美さん,筆者は 尾崎まみこ博士(神戸大学教授,6章コラム②の部分)に原稿を査読してい ただき,数多くの貴重なご意見・コメントをいただくことができた.また,

上川内博士の担当の

3

章では上川内研究室の石元広志助教に筆者からご依頼 申し上げて,ご自身が最近発見された新知見「モデル生物を用いたステロイ ドホルモンと記憶の分子生物学」に関するコラムをご執筆いただいた.本シ リーズの編集委員である赤坂先生には,著者全員の原稿を査読していただき,

学術的内容のみならず,読者への分かり易さにも配慮した数多くの貴重なコ

(3)

vi

メントをいただいた.お陰で,かなりの部分で本書の学術的な正確さを裏付 けしていただけたと感じている.ご協力下さった先生方の学術的貢献に対し て著者を代表して,この場をお借りし,衷心よりの御礼を申し上げたい.筆 者が担当した

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章では,当研究室の元大学院生である塩田百合香博士,金子 九美博士,山根篤大修士から,ご自身が学位論文のために作成したイラスト を原図として,図版を作成させていただいた.この場をお借りして御礼を申 し上げる.裳華房の野田さんには,一般向けの副読本の執筆は初めてであっ

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人の著者に対して常に適切かつ迅速なアドバイスと対応をしていただ き,何よりも,執筆に時間がかかったことについて随分ご心配され,叱咤激 励していただいた.心からの感謝を申し上げたい.

 最後に,本書を手に取られ,この前書きを読んで下さった皆様,ご購入下 さった読者の皆様に衷心からの御礼を申し上げたい.本書が皆様の,この分 野の最近の進展に関する理解を深めるために少しでも役立つことを,心から 願っている.

 

 2014

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著者を代表して  久 保 健 雄 

参照

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