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分子生物物理学予習課題 ⇒ 解答

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Academic year: 2021

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全文

(1)

分子生物物理学予習課題(解答)

この演習課題は講義の中で出てくる基本的な数式を理解するためのものです。講義開始時までに、課題 を解いて講義に臨むと理解度が格段に違います。式の解は、講義の中でも解説しますので、完璧に解け なくても結構です。挑戦してから受講することを推奨します。

Ⅰ 下の設問①~③に答えよ。 <自己相関関数・相互相関関数に関する演習>

① 次の数式が成立することを示せ。

cos

2 sin 1

2 sin

lim 1 t t dt L

L L L

【答え】

ここでは以下の正弦・余弦の展開公式を用いる。

t t

t t

t

t t

t

t t

t

2 2

2

2 sin 2cos 1 1 2sin

cos 2

cos

cos sin

2 2

sin

sin cos

cos sin

) sin(

上の式を使って、

2cos 1 4

2 sin lim cos

2 lim cos

)]

2 2 sin ( 1

cos 2 [

lim 1 sin

2 sin lim 1

) 2 2 sin ( 1

cos

] 2 4 cos [ 1 sin ]

2 4 sin

1 [2 cos

2 2sin sin 1

) 2 2cos 1 2 (1 cos

cos sin

sin sin

cos

) sin cos

cos (sin

sin sin

sin

2









L

L

L L L

dt t

L t

L L

t t t

dt t dt

t

dt t t

dt t

dt t

t t

dt t

t

L L

L L

L L

L L L

L

L L L

L

L L L

L

L L L

L

② 2つの関数、f(t)Asintg(t)Bsin(t)があるとする。下の式で定義されるRff(自

(2)

己相関関数)、および、Rfg(相互相関関数)は、それぞれ のどのような式で表わされ るか。前問①の式を参考にして答えよ。ただし、 x(t) といった表記は期待値で、x(t)の時間的 な平均値を意味する。

dt t

f t L f

t f t f

R L

L L f

f ( ) ( )

2 lim 1 )

( )

(

dt t

g t L f

t g t f

R L

L L g

f ( ) ( )

2 lim 1 )

( )

(

【答え】

2 cos

) sin(

2 sin lim 1 )

( ) ( A2

dt t

A t L A

t f t f

R L

L f L

f

) 2 cos(

) sin(

2 sin lim 1 )

( ) (



B A

dt t

B t L A

t g t f

R L

L g L

f

③ 上の計算結果をもとに、Rff 、およびRfg との関係を図示せよ。

【答え】 下図のような関係になる。

つまり、RffRfgの値がピークとなるのは、それぞれ、 0 /の時となる。

(3)

Ⅱ 下の設問①~④に答えよ。 <フーリエ変換に関する演習>

①以下の式が成立することを示せ。ただし、mnは、正の整数値である。

) (

) (

cos 0

cos

のとき

のとき

n

m n dt m

nt

mt

【答え】

ここは、以下の正弦・余弦の展開公式を用いる。

nt mt

nt mt

t n m nt

mt

nt mt

nt mt

t n m nt

mt

sin sin

cos cos

] ) cos[(

) cos(

sin sin

cos cos

] ) cos[(

) cos(

この2つの式を足し合わせると、下の式となる。

nt t mt

n m t

n

m cos cos

2

] ) cos[(

] )

cos[(

これを利用して、

t dt n m t

n m

dt nt mt

2

] ) cos[(

] ) cos[(

cos cos

この後の計算はmnmn の2つの場合で,異なる。

a. mnの場合は、以下のようにとなる。

2 ) ( )

( 2

] ) (

sin[

) (

2

] ) sin[(

2 )

( 2

] ) sin[(

2

)]

0 cos(

] ) cos[(

cos cos

n m

n m n

m n m

t n

m t n dt m

t n m

dt nt mt

t

t

b. mn の場合は、以下のように0となる。

) 0 (

2

] ) (

sin[

) (

2

] ) sin[(

) (

2

] ) (

sin[

) (

2

] ) sin[(

) (

2

] ) sin[(

) (

2

] ) sin[(

2

]]

) cos[(

] ) cos[(

cos cos

n m

n m n

m n m n

m n m n

m n m

n m

t n m n

m t n dt m

t n m t

n m

dt nt mt

t

t

となる.以下のように、mnの時に限っての値を持つ。

(4)

) (

) (

cos 0

cos m n

n dt m

nt

mt

②同様にして、下の2つの式が成立することを示せ。

a) ( )

) (

sin 0

sin m n

n dt m

nt

mt

b) sinmtcosnt dt 0

【答え】

ここは、以下の正弦・余弦の展開公式を用いる。

nt mt

nt mt

t n m nt

mt

nt mt

nt mt

t n m nt

mt

sin sin

cos cos

] ) cos[(

) cos(

sin sin

cos cos

] ) cos[(

) cos(

この2つ式を減算すると、下の式となり,上の設問と同様にして(a)が証明できる.

nt t mt

n m t

n

m sin sin

2

] ) cos[(

] )

cos[(

また,

nt mt

nt mt

t n m nt

mt

nt mt

nt mt

t n m nt

mt

sin cos

cos sin

] ) sin[(

) sin(

sin cos

cos sin

] ) sin[(

) sin(

の2つの式を足し合わせると,下の式となり、

nt t mt

n m t

n

m sin cos

2

] ) sin[(

] )

sin[(

この後の計算も、mnmn の2つの場合で,以下のように分けられる。

n

m の場合は、以下のようにとなる。

) 0 (

2

] ) (

cos[

) (

2

] ) cos[(

) (

2

] ) cos[(

2

)]

0 sin(

] ) sin[(

cos sin

n m

n m n

m n m

n m

t n dt m

t n m

dt nt mt

t

t

n

m の場合は、以下のように0となる。

(5)

) 0 (

2

] ) (

cos[

) (

2

] ) cos[(

) (

2

] ) (

cos[

) (

2

] ) cos[(

) (

2

] ) cos[(

) (

2

] ) cos[(

2

]]

) sin[(

] ) sin[(

cos sin

n m

n m n

m n m n

m n m n

m n m

n m

t n m n

m

t n dt m

t n m t

n m

dt nt mt

t

t

となる.つまり、どのような条件下でも同じで、

) (

) (

cos 0

cos m n

n dt m

nt

mt

となる。

k N

k

k

k kt b kt

a t

f

1

cos sin

)

( とする。このとき次の積分計算の結果はどのような値となるか。前問 の①~②の計算結果を参考にして答えよ。ただし、k j(1 jN)は正の整数値とする。

a)

f t jt dt

( ) cos

b)

f t jt dt

( ) sin

【答え】

a) まず、 f(t)を式(a)に代入する。

dt jt kt

b dt

jt kt

a

dt jt kt

b jt kt

a

dt jt kt

b kt a

dt jt t

f

N k

k k N

k

k k

N k

k

k k

N k

k

k k

 

 

 

 

cos cos

cos sin

) cos cos

cos sin

(

cos ] cos sin

[

cos ) (

1 1

1 1

前問の解答より、上の最後の式の左側は常に0、右側は、k jの時だけの値となるので、

j

N k

k k N

k

k k

b

dt jt kt

b dt

jt kt

a

 

 

sin cos cos cos

1 1

(6)

b) f(t)を式(b)に代入して、上と同様の計算をすると、

aj

dt jt t

f

( ) sin

つまり、 の間で繰り返す関数(周期関数)の場合、(a)や(b)の計算を行うと、ある決まっ た目的の周期成分(振幅のajbj)をうまく抽出できることを意味する。これがフーリエ変換の本質 に関わる重要な原理である。ajは、もとの関数の中のsin jtの周期関数(tの左右で正負が逆転する 奇関数の成分)、bj は、もとの関数の中のcos jt の周期関数(tの左右で対称な偶関数の成分)の振 幅となる。

Ⅲ 下の式(1)で表わされる関係が f(t)g(t)の間に成立しているものとする。以下の設問①~③に答 えよ。 <伝達関数に関する演習>

) ( )

( )

(t a f t b g t dt g

d … 式(1)

ただし、 f (t) Aisint g(t) A0 sin(t)

2 2 2 0

Ai

G A とすると、Gを、abで表記せよ。また、 は、abとどのような関係

にあるか示せ。

【答え】

まず、 f(t)g(t)を式(1)に代入する。

) sin(

sin )

sin( 1 0

0 t aA tbA t

dt A d

左側は微分後に展開し、右側はそのまま展開すると、

sin cos

cos sin

sin

) sin sin

cos (cos

0 0

1 0

t A

b t

A b t A

a

t t

A

これが、すべてのtで成立するためには、sint costの係数が等しい必要があり、

) 3 ( sin

cos

) 2 ( cos

sin

0 0

0 1

0







A b A

A b A a A

(7)

それぞれの式を変形させると、以下のようになる。

) 3 ( tan

cos / sin

) 2 tan (

cos 1 sin

1 cos

0







b b

b a b

a A

A

これより、

) 3 ( )

/ (

tan 1   

b

この関係を使うと、上の式(2)から、さらに、

) 2 ) (

) ( 1 ) (

) ( 1 (tan

) (

cos cos ) sin

cos ( 1 ) (

2 2

2 2

2 2

2 2 2

2 2

2 2

2 2 2

2 2 2

2 2 2

2 2

2 2 2 2

1 2 0

 

b a b

b a b

b b a

b b a b

ab A

G A

となる。

② 上の式(1)は、あるブラックボックスへの入力信号 f(t)と、それに対して出力される出力信号

) (t

g との関係を示しているものとする。このとき、Gは、入力された信号の振幅に対して出力 される信号の振幅比(Gain, 増幅率)、 は、出力信号の遅延(Delay, 位相遅れ)を意味す る。上の計算結果をもとにGおよび が、それぞれとどのような関係にあるか、概要を図示 せよ。描いた図より、このブラックボックスの出力が、必ずしも入力信号を忠実に反映したもの ではないことが理解できるであろう。その応答特性・応答性能について考察せよ。

【答え】

上で求めた式は以下のようになり、に対して図示すると下図のようになる。

) 3 ( )

/ ( tan

) 2 ) (

/ ( 1

) / (

1

2 2 2

2 2 2



 

b

b b a b

G a

(8)

この系は、/b0.1 [rad/s]程度まで、一定の増幅率(Gain)、遅延0Delay0)として振る 舞うと予測される。すなわち、g(t)は、もとの f(t)の信号波形をほぼ忠実に反映していると考えられ る。しかし、/b0.11 [rad/s]の周波数付近を境にして、より高い周波数では、この反応が破綻 し、振幅は2b2に反比例して小さくなり、0に漸近すると同時に、/2の遅れが発生するように なる。このような図は、システムの応答特性をうまく表現したもので、伝達関数(ボード線図)とよば れる。

③ 下のような酵素反応において、物質Bの濃度をg(t)とする。その変化速度、dtd g(t)を示す式が、

上の式(1)と同じ形式となることを確認せよ。また、このとき、式(1)中の定数abは、速度定 数、k1k1を使ってどのように表わされるか示せ。

k1

A B

k1

【答え】

上の化学反応を式で表現すると、下のようになり、前問の式(1)と同じ形となる。

] [ ]

[ ]

[B k 1 A k 1 B dt

d

すなわち、ak1bk1として、応答特性に関して、上の解答と同じ議論が可能となる。この系は、

] / [ 1 . 0

/k1 rad s

程度まで、一定の増幅率(Gain k1/k1)、遅延0Delay0)として振る 舞うと予測される。すなわち、生成物Bは、もとの基質Aの濃度変化をほぼ忠実に反映して濃度変化す ると考えられる。しかし、/k1 0.11 [rad/s]の変化速度を境にして、より速い濃度変化では、

この化学反応系は破綻し、応答の大きさは2 k12に反比例して小さくなり、0に漸近すると同時に、

2

/

の遅れが発生するようになる。つまり、k1/k1は、応答の大きさを左右するパラメータ、k1 応答の速さを左右するパラメータである。

Ⅳ 図Aで示すような濃度パターンを持った試料がある(例えば電気泳動のパターンなど)。このパタ ーンの濃度変化は、左端のu 0を基点として、関数x(u)で表現できるものとし、図Aの上側に示すよ うな波形となる。以下の設問①~②に答えよ。 <畳み込み積分に関する演習>

図Bは、この試料を一定速度(v1)で左側へ移動させ、同時に手前に置かれた幅の狭い(幅が無 視できるほど狭い)スリットを通して観察される部分の濃度を光センサーで計測する実験である。

試料の左端がスリットの部分を通過する時点をt0として計測を始めた。計測される信号の波形は、

どのような関数になるか。

(9)

【答え】

位置uを時間tに置き換えただけなので、x(t)となる。

図Cは、上と同様に試料を一定速度(v1)で左側に移動させながら、幅dのスリットを通して濃 度を計測した場合である。試料の左端がスリット右端を通過する時点をt0として計測を始めた。

計測される信号の波形は、どのような関数になるか。

【答え】

位置uからud まで間のデータ(時間tからtd/vまで間のデータ)を加算したものとなるので、

/

0

) (

d j

j

j t

x となる。

d t x

0

)

( あるいは、0dx(t)dとも表記できる。0dx(t)d

図Dは、上と同様に試料を一定速度(v1)で左側に移動させながら、右から左に向かって関数g(u) で表現されるような透過率をもつフィルターを通して濃度を計測した場合である。試料の左端がス リット右端を通過する時点をt0として計測を始めた。計測される信号の波形は、どのような関数 になるか。

【答え】

位置uから、左に向けてだけズレたg()の透過率でx(t)を観察することになるが、その時の値は、

) (t

x よりもだけ遡った値、x(t)となる。全窓を通して観察される値は、それらをすべて積算した ものとなるので、0x(t)g()dと表記できる。これは、合成積x(t)g(t)x(t)g()d

の定義式と同じである。合成積とは、g(t)の窓を通してx(t)を観察したものを指す。合成積は、交換則



g t g t x t g t x d t

x( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) も成立するので、x(t)の窓を通してg(t)を観察したものと 同じとなる。

(10)

図A

図B

図C

図D

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