2011年度教育実践課是阜解決研究
「班制教育と進歩制度を生かした総合的な学習の時間のカリキュラム開発」
兵庫教育大学大学院学校教育研究科
一教育実践高度化専攻授業実践リーダーコースP09038C
大森頼宗
目次
第1章序論
第1節 問題の所在と研究目的・・・・・…
第2節 研究方法と研究内容・・・・・・…
・・・・・・・・・・・・・・・・・・…@ 1 ・・・・・・・・・・・・・・・・・… 5
第2章総合的な学習の時間編 中学校学習指導要領解説による検討 第1節 総合的な学習の時間の史的検討
第1項創設の背景とその経緯 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 8 第2項総合的な学習の時間改定の趣旨・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 9 第3項 総合的な学習の時間改定の要点・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 10 第4項 現任校の全体計画、年間指導計画の検討・・・・・・・・・・・・・・・・・… 11 第2節 総合的な学習の時間の目標の検討
第1項目標の構成・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 19 第2項 目標の趣旨・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 19 第3項現任校の目標の検討・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… … 20 第3節各校において定める目標及び内容の検討
第1項各校において定める目標の構成・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 23 第2項各学校において定める内容の構成・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 23 第3項各校において定める目標及び内容からみた現任校の目標及び内容の検討・・・… 24 第4節 指導計画の作成と内容の取扱いの検討
第1項指導計画の作成にあたっての配慮事項の構成・・・・・・・・・・・・・・・… 26 第2項 内容の取扱いについての配慮事項の構成… 二・・・・・・・・・・・・・… 28 第3項 現任校の指導計画作成および内容の取り扱いの検討・・・・・・・・・・・・… 30 第5節総合的な学習の時間の指導計画の作成方法の検討
第1項総合的な学習の時間における指導計画の構成・・・・・・・・・・・・・・・… 32 第2項各学校において定める目標の設定の構成・・・・・・・・・・・・… .・… 33 第3項育てようとする資質や能力及び態度の設定の構成・・・・・・・・・・・・・… 33 第4項学校において定める内容の設定の構成・・ ・・・・… ・.・・ . 34 第5項全体計画の作成の構成・・・・・・・・… ・・ .. .. 35 第6項現任校の指導計画の作成の方法の検討・・.. ・・ . .36
第6節 総合的な学習の時間の年間指導計画及び単元計画の作成の検討
第1項年間指導計画及び単元計画の基本的な考え方の構成・・・・・・・・・・・・… 38 第2項年間指導計画の作成の構成・・・・・・・・・・・・・・・・… r 38 第3項単元計画の作成の構成・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 39
第4項 現任校の年間指導計画、単元計画の作成の検討・・・・・・・・・・・・・・… 41 余7節総合的な学習の時間の謂面の検討
第1項訓面の基本的な考え方の構成・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 44 第2項生徒の学習状況の評価の構成・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 44 第3項指導計画・学習指導の評価の構成・・… .・・・・・・・・・・・・・・・… 45 第4項 現任校の言田面の検討・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 45 第8節総合的な学習の時間の学習指導の検討
第1項学習指導の基本的な考え方の構成・・・・・・… 二・・・・・・・・・・… 49 第2項総合的な学習の時間の学習指導のポイントの構成・・・・・・・・・・・・・… 49 第3項 現任校の学習指導の検討・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 51 第9節 総合的な学習の時間を推進するための体制作りの検討
第1項体制整備の基本的な考え方の構成・・・・・・・・・・・・・・・・・… 」・・53 第2項
第3項 第4項 第5項 第6項
校内組織の整備の構成・・・・・・・・・・・・・・・・・… 1・… 一… 53 年間授業数の確保と弾力的な授業日撤の運用の構成・・・… ・・・・・・… 54 環境整備の構成・・・… 一・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 55 外部との連携の構築の構成・・… 一・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 55 現任校の体制作りの検討・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 56
第3章横断的・総合的な課題についての先行実践の検討 第1節 国際理解についての先行雫践の検討
第1項 千葉市立打瀬中学校の検討・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 58 第2項新潟市立白新中学校の検討・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 59 第3項 現任校のカリキュラムヘの赤変・・・・・… .. . . ・60 第2節 情報についての先行実践の検討
第1項佐賀県武雄市立山内中学校の検討・・・… ... 62 第2項 現任校のカリキュラムヘの示唆・・・・… . . 63
第3節 環境についての先行実践からの検討
第1項 島根県海士町立海士中学校の検討・・・・・・・・・・・・・・… . ...64 第2項 東大阪市立英田中学校の検討・・・・… ・… I・・・・… 65 第3項現任校のカリキュラムヘの和変・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… . 66 第4節福祉についての先行実践の検討
第1項 新潟県柏崎市立第一中学校の検討・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… .68 第2項 新潟県三和村立三和中学校の検討・・・・・・・・・・・・・・… 68 第3項 現任校のカリキュラムヘの痢度・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 70 第4節 生命についての先行実践の検討
第1項東京都あきる野市立秋多中学校の検討… .・・・・・・・・・・・・・・・・… 71 第2項 現任校のカリキュラムヘの痢慶・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 72
第4章生徒の興味・関心に基づく地域や学校の特色等に応じた課題についての先行実践の検討 第1節 生徒の興味・関心に基づく先行実践の検討
第1項愛知県江南市立北部中学校の検討・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 74 第2項現任校のカリキュラムヘの示唆・・・・… r・・・・・・・・・・・・・・… 75
第2節 地域の人々の暮らしについての先行実践の検討
第1項愛知県大洗町立南中学校の検討・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 76 第2項新潟県板倉町立板倉中学校の検討・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 一 77 第3項 現任校のカリキュラムヘの示唆・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 78
第3節地域の伝統や文化についての先行実践の検討
第1項 北海道浦幌町立浦幌中学校の検討・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 80 第2項 現任校のカリキュラムヘの痢慶・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 81
第4節生き方、キャリアについての先行実践の検討
第1項大阪府大阪市立柴島中学校の検討・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 82 第2項松原市立松原第二中学校の検討・・・・・… . ... ...... 83 第3項 現任校のカリキュラムヘの痢慶・・・・・・・… . .... 84
第5節教科との関連についての先行実践の検討
第1項新潟県上越市立名y中学校の検討・・… . . .. . ...86 第2項現任校のカリキュラムヘの痢慶・・ . .... . ... 87
第5章班制教育と進歩制度の検討 第1節 班制教育の方法と樹敦
第1項班制教育とボーイスカウトの教育法・・
第2項 日本の班制教育・・・・・・・・…
第2節進歩制度の方法と樹敦
第1項進歩制度とボーイスカウトの教育法・・
第2項目本の進歩制度・・・・・・・・…
第3節 班制教育と進歩制度の実際の諸相・…
第4節 班制教育と進歩制度の採用の意義
第1項総合的な学習の時間への採用の意義・・
第2項班制教育の採用の意義・・・・・…
第3項進歩制度の採用の意義・・・・・…
・ . ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ … . ・ . ・ . … 89
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ … . . ・ … . . . . ・92
・ ・ ・ … . ・ … . ・ … . ・ ・95
・ . ・ … . . ・ ・ . ・ . . ・ ・ ・95
・ ・ . ・ … . . ・ ・ . ・ ・ . ・ … 101
・ ・.・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ … . ・ . . ・ ・ … 105
・ . ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ … 106
・ . . ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ … . ・ ・ . ・ … 107
第6章現任校のこれまでの計画実践と改善した授業の実際(1)
第1節 これまでの現任校の全体計画
第1項これまでの現任校の全体計画の課題と改善・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 110 第2節学年の単元計画と実践・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 115 第3節 成果と課題
第1項班制教育の成果と課題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 151 第2項進歩制度の成果と課題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 152
第7章 現任校のこれまでの計画実践と改善した授業の実際(2)
第1節 現任校の総合的な学習の時間の取り組み
第1項これまでの「一夏一善」の流れ・・・・・・・・・・・・… 二・・・・・・・… 155 第2項 平成21年度以降のリニューアルの取り組み・・・・・・・・・・・・・・・・・… 157 第2節 班制教育、進歩制度を取り入れた授業改善・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 171 第3節 成果と課題
第1項班制教育の成果と課題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 190 第2項進歩制度の成果と課題・・・・・・・・・・・・・・・… ・. 190
第8章結論
第1節 改善された全体計画
第1項 現任校のこれまでの全体計画の課題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 193 第2項改善の過程… .・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 193 第2節改善された年間計画
第1項 現任校のこれまでの年間指導計画の課題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 201 第2項 改善した年間計画・・・・・・・・・・・・・… . 201 第3節 改善された単元案
第1項 現任校のこれまでの単元計画の課題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 209 第2項改善した単元計画・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 209 第4節成果と課題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 一・218 参考文献・・・・・・・・・・・・・・・・・… ... .. 221
第1章序章
第1節間題の所在と研究目的
「総合的な学習の時間」が始まってから12年になる。しかし、中学校の現場において 1〕は、 「総合的な学習の時間」が順調に行われているとは言い難い。加納.によれば、中学校
における「総合的な学習の時間」の課題においては、ベネッセの調査から「総合的な学習 め時間」の取り組みにおいて中学校の教員の六割が否定的であり、 「なくした方が良い」
という回答も6割の教員が答えている。これは、いずれも小学校の教員を上回っている。
2)
小笠原は、この要因として「『総合的な学習の時間』の構想・指一導は極めて創造的な仕事 で中学碑の教員の現状でそれに十分な時間と労力を費やす余裕はない」「教科指導の準備、
評価、生徒指導、部活動指導などに時間をとられ、総合のために.じっくり考え、」準備する ことは不可能である。」とと一らえている。
大野「大阪府和泉市公立小学校・中学校における『総合的な学習の時間』の実施状況ヒ ついての考察」として3)中学校ではやや否定的に「総合的な学習め時間」をとらえている 様子があり・知識重桿の教育からの脱却ということで「生きる」力」一の転換は理解できる
ものの、結果として中学校てば最終的に高校入試を控えており、 「総合的な学習ρ時間」
どころではないと㌣・うのが現状としている。また、和泉市立中学校のアンケニトで一・)r総 合的な学習の時間」を実施するにあたっての困難点として、 「時間的問題」があげられて
いる一Bすなわち、 「総合的な学習の時間」の実施時間や準備時間の確保、その時間割編成 についてである。
次1F、。「施設・設備不足」.である。特に、職業体験の字け入れ先確保が大規模校になる につれて困難であり、神域の畢解の得なければならず、中には中学生の職業体験にっいて あまりいい印象を持っていない企業等も存在するとあ.る。さらに、「安全面」の問題や「教 員不足」 r予算・費用」の問題などの悩みもある。
そればかりではなく、生徒自身に関連する問題点もあげられている。すなわち、先述の アンケートによれば中学校の教師は、「生徒個人の関心に基づいた学習ができない」とい う意見余ある。生徒」人一人の興味関心に墓デいた学習を行うことは理想であるが、実行 するには教員側め多大な努力が必要なため、現実問題としては困難を極めるとしているの
1
である。また、生徒自身のr調べ学習、研究」「生徒の理解」などにも個人差があるので、
全体として進めていくことは難しいということもある。
実際、現任校をはじめ多くの中学校では、行事や特別活動の事前、.事後指導に使われて いる学校も少なくない。5)学校では、高校入試に直結しないこと等から「総合的な学習の 時間」が否定的にと.らえられており、体験活動や探究的な活動をさせる場面で、生徒指導 の問題も大きい。
確かに、小学校で6は生活科の流れからそれまでの研尭の成果がある。しか し、.中学校は 小学校ヒ比べ、実践報告や論文等が少ない事も事実である。特に、公立中学校の実践報告 や論文は、研究指定校のものが大部分を占めるのが現状である。中卒校の「総合的な学習 の時間」の研究会は、教科等に比べ市町村・都道府県単位で組織さ.れているところはあま
り多くなし一、。広島、長野、愛知県と仙台市で管見されるだけである。なお、現任校のある 西宮市、兵庫県にはない。
兵庫県では、平成10年度から「トライやる・ウィーク」の取り組みが始まっている。
」見、 「総合的な学習の時間」の取り組みに見えるが、平成7年.の阪神・淡路大震災で得 た、自他の生命や人権を尊重する心、ボランティ.ア精神、共に生きる心の酒養な」どの貴重 な教訓を生かした「生きる力」をはぐくむ教育の充実を図るため、および、平成9年に発 生した神戸市須磨区の大変痛ましい事件の発生をきっかけに、人間としてのあり方一・生き 方を一改めて考えさせるとともに社会生活上のルrルや倫理観の育成・善悪の判断・自己章 任の自覚や自立・自制の心の酒養などの「心の教育」の充実を図ることから始まっている。
6)つまり、この体験活動自体は、 「心の教育」が目的であり、実施要項にも、教育課程上 の取り扱いとして、年間指導計画の元に、特別活動を中心に各学校の実態により編成する
とある。この体験活動を生かした協同的・探究的な学習と育てようとする資質・能力およ び態度が明確になっていなければなら一ない。
「トライやる・ウィーク」は、職場体験活動だけではないので、職場体験活動としてと らえて、 「総合的な学習の時間」の単元にしていくことは「トライやる・ウィーク」の趣 旨からもはずれてしまう。現任校でも一A中学2年生の「総合的な学習の時間」は、これだ けで十分であるという意見が、学校評価などでみられる。このように、中学校で、協同的・
探究的な学習を計画実行していくに当たっては多くの課・題がみられる。
中学校において、「総合的な学習の時間」のカリキュラムを考えていくに.当たり、一つの 2
記事がある。すなわち、2001年8月2}日掲載の教育情報新聞の記事である。「ボーイスカ ウト日本連盟の教育規定には『青少年がその自発的活動により、自らの健康を築き、社会 に奉仕できる能力と人生に役立っ技能を体得し、かつ、誠実、勇気、自信及び国際愛と人 道主義を把握し、実睦できるよう教育すること。』と記されている。このボLイスカウトの 活動日的を読んで、中教審の答申や新学習指導要領の総則に示されている内容と一致して いる点が多いということから、極めて近い内容を持っている。
しかも、新学習指導要領よりも、はるか以前に、この文章は書かれている。新指導要領 では『生きる力』がキーワードだと言われているが、先述g『目的』に示された内容は、
『生きるカ』そのものと言っても良い。『総合的な学習の時間』が多くの学校で始まってい るが、ボーイろカウトの活動は、班制教育(パトロール・システム)、進歩制度(バッジ・
システム)を教育法として採用し、協同的左学習と探究的な学習を実践し・ていることから 総合の学習に極めて近い内容と目標を持って・いる。世界で最も成功している体験的総合学 習が、このメソッドなのだ。」とザう、記事である。」
ボーイスカウトは、中学生年代を対象に考え出されている教育法であり教育運動である。
目的がよく似ていることはもちろん、その教育法に注目した。・すなわ亨、班制教育(パト ロール・シス÷ム)、進歩制度(バッジ・システム)である。班制教育は、後にYMCAなど 他の青少年団体の実践やアメリカの進歩主義教育運動、それにグループ・ダイナミクス(集 団力学)の理論と融合しながら、1930年代には「グルドプワ]ク」理論として定式化
される。グループワークは、小集団を基本としながらその構成員と集団の成長をイ年す方法 論であ一り、青少年団体だけでなく学校教育と社会教育で広く普及したジボーイスカウトの 進歩制度は、創始者であるべ一デン・パウエルがアーネスト・トンプソン・シートン(1
860㌻1,946)の創設したウッドクラフトの活動をヒントに考えられたものである。
シートンのウッドクラフト・インディアンズのプログラムは、.野外活動をゲーム化しキャ ンプ・クラフトなどの技術に対して賞を与えるものである。べ一デン・パウエノレは少年た ちが特定の技術を習得すると指導茸か・らバ.ツジが与えられるバッジ・システムを考案した。
スカウト全般における進歩記章と個人の趣味や技能など特定の課目に対して与えられる章 があった。進歩記章はどれをとっても一定の習得期間を必要とするものになっている。個 人の趣味や技能など特定の課目に対して与えられる章は技能章として課目が設定され、自 分が目指すべき目標が明確に示され、し牢も修得した個々の技能が認知されることは大き な喜びである。これらの課目を修得するにあたりプロジェクト法を通して活動し修得して 3
評価される制度である7)。
この班制教育と進歩制度を生かして中学校の総合的な学習の時間のカリキュラムを開発 することは、課題の多い特に現任校のような都市部の公立中学校で有効であると仮定した。
現任校をはじめ都市部の公立中学校では、平成24年度から新学習指導要領の完全実施 に向けて、総合的な学習の時間の取組は進んでいるとはいえ.ない。
そこで、学習指導要領解説をもとに、現任校の指導計画や実践を検証し、現任校の条件 等.を鑑み、班制教育と進歩制度を生かした「総合的在学習の日寺間」のカリキュラムを開発 することを本研究の日的とする。
4
第2節研究方法と研究の内容
第1項研究方法
現任校の総合的な学習の時間の実践から、 「総合的な学習の時間」の課題を見いだし、
班制教育と進歩制度のメリットを生かした「総合的な学習の時間」のカリキュラムを開発
する。
現任校の現
行案
(全体計画)
(指導計画)
(単元計画)
(授業案)
批判的検討
團 学 習 指 導 要 領 解 説
問
題φ
点
進 班 歩 制
メリット 制 教
度 育
(
課 改
(全
Q体改兀 差 計日計画し画)た
題 叢口
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設 の
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蓑嘉窪業薯検案計の)画
定 )
成
実践・検証
第2項研究内容
本研究の目的は、学習指導要領解説をもとに、現任校の指導計画や実践を検証し、一現任 校の条件等を鑑み、班制教育と進歩制度を生かした「総合的な学習の時間」のカリキュラ
ムを開発することである。
そのために、第2章ではr中学校学習指導要領解説・総合的な学習の時間編」から学習 指導要領の内容を吟味し、現任校の「総合的乍学習の時間」の実践から全体計画、年間指 導計画、単元計画の課題を明らかにする。
第3,4章では、これまでの先進実践から、現任校の課題とその解決の示唆を抽出し、
中学校特有の問題点、兵庫県の実情、現任校の条件から、問題点を明らかにする。
第5章では、班制教育、進歩制度について特徴、方法、歴史、現在における実践などを 検討し、 「総合的征学習の時間」への採用方法を見いだして、現任校の「総合的な学習の 時間」への採用方法を見いだす。
5
第6,7章では、班制教育と進歩制度を取り入れた改善策を考え、全体計画、単元計画 に生かし授業実践を行い、成果と課題を明らかにする。
第8章では、実践を検討し、現任校の全体計画、年間指導計画を改善して作成し、本研 究の成果と課題をまとめる。
[註〕
1)
2)
3)
4)
5)
6)
7)
川納誠司『中学校における「総・合的な学習の時間」の可能性一学習指導要領改訂を 視野に入れて一』
上掲1)
大野順子『「総合的な学習の時間」の実態調査をふまえて一大阪府和泉市公立小学校・中学 校における「総合的な学習の時間」の実施状況についての考察一』
『桃山学院大学総合研究所紀要 箏30巻第2号』桃山学院大学2004年 pp.143 176 上掲3)
文部科学省『中学校学」K指導要領解説r総合的な学習の時間編」』2008年 p.4 兵庫県竿育委員李rrトライやる・ウーイーク」手引き1・…年
田中治彦『ボ」イスカウト』中公新書 1995年 pp.43・48
7
第2章 中学校学習指導要領解説r総合的な学習の時間絹」による検討
第1節 r総合的な学習の時間」に関する指摘の検討
第1項 創設の背景とその経緯
「知識基盤社会」(新しい知識・情報・技術が、政治・経済・文化をはじめ社会のあらゆ る領域での活動の基盤として飛躍的に重要性を増す社会)時代と.いわれる社会構造の変化 の対応として、「生きる力」を育むことが重要になっている。教育基本法、学校教育法改正 が行われ、知・徳・体のバランスと共に、基礎的・基本的な知識・技能、思考力・判断力・
表現力などおよび学習意欲を重視し、学校教育にっいてはこれらを調和的に育むことが必 要である旨が法律上規定された。
中央教育審議会では、平成20年1月Iに「幼稚園、小学校、中学校、高等学校および特 別支援学校の学習指導要領等g改善について」答申を行った。児童生徒の課題をふまえ、
次の7つを基本的な考え方として.学習指導要領の方向性が示された。
すな.わち、
その1、改正教育基本法寺幸ふまえた学習指導要領改定をすること。特に21世紀を切 り開く心豊!かでたくましい日本人の育成を目指すという観点。
その2,r生きる力」という理念の共有すること。
その3、基礎的=基本的な知識・技能の習得すること二特に読み、書き、計算などの基 礎的・基本的な技能および、体験的な理解や繰り率し学習の重視することである。
その4、思考カ・判断力・表現力等の育成すること。そのために、観察、実験、レポー トの作成、論述など知識・技能の活用を図る学習活動や学習活動の基盤となる言語に関す る能力の育成することである。このことを実現するために、小学校低・中学年の国語科に おいて音読・暗唱、漢字の読み書き等の基本的な力の定着を図る。各教科等において記録、
要約、説明、論述といった学習活動の取り組み等があげられる。
その5、確かな学」力を確立するために必要な授業時数の確保すること。
その6、学習意欲の向上や学習習慣の確立すること。
その7、豊かな心や健やかな体の育成のための指導の充実を図ること。特に、徳育や体 育の充実を図る。言語に関する能力の重視や体験活動の充実を図る一。これらの取り組みか ら、他者、社会、自然・環境と関わる中でこれらと共に生きる自分への自信を持たせる必 8
要がある。
第2項 総合的な学習の時間改定の趣旨
創設の趣旨と経緯について述べる。「生きる力」が全人的な力であるということをふまえ ると、横断的・総合的な指導を一層推進し得るような新たな手立てを講じて、豊かに学習 活動を展開していくことが有効であると考えられる」という平成8年7月の中央教育審議 会「21世紀を展望した我が国の教育のあり方について」(第一次答中)の提言のもとに各 字枝が地域や学校、生徒の実態に応じ、横断的・総合的な学習など創意工夫を生かした教 育活動を行うよ.うに、学校教育法施行規則に置いて、総合的な学習の時間を各学校におけ る教育課程上心置とすることを定め、標準授業時数を定め、総則に置いて、その趣旨、ね らいについて定めた。
次に、平成15年の一部改正の趣旨について述べる。実施に当たっての難しさの指摘か ら、・平成15年12月に学習指導要領の一部改正をした。すなわち、各教科や道徳、管別 活動で身につけた知識や技能を関連づけ、学習や生活に生かし総合的に働くようにするこ と。各学校において総合的な学習の時間の目標および内容を定めると共にこの時間の全体 計画を作成する必要がある土と。教師が適切な指導を行うこと。学校内外の教育資源の積 極的な活用などを工夫・する必要があることがあげられる。
次に改定の趣旨について述べる。まず、改善の基本方針についてである。課題として、
学校間の格差と校種間の乖離、子どもたちに具体的に育てたい力、学習活動の示し方の検 討する必要性、関連する教科内容との関係の整理、中学校の選択教科の整理、特別活動と の関係の整理。この課題に基づき、改善の基本方針として、自ら課題を見つけ、自ら学び、
.自ら考え、主体的に判断し、より良く問題を解決する資質や能力を育てることがねらいな ので、思考カ・判断力・表現力などが求められる「知識基盤社会」の時代においては重要 な役割を果たすものとあり、次のようなことが重裏である。
すなわち、教科では基礎的・基本的牟知識・技能の定着やこれを活用する学習活動。総 合的な学習の時間では、.体験的な活動に配慮しつつ、教科の枠を超えた横断的・総合的な 学習、探究的な学習となるよう充実を図る。総則から取り出し、新たに章立てする。前提 として教科において、基礎的・基本的な知識・技能の確実な習得やその活用を図るための 時間を確保する。このため、総谷的な学習の時間の改善については、総合的な学習の時間 と各教科、選択授業、特別活動のそれぞれの役割を明確化。総合的な学習の時間における 9
ねらいや育てたい力め明確化。学校段階間の連携にろいて配慮する一 Bがあげられる。
次に、改善の具体的事項について十の点について述べる。
第1に小・中・高等学校共通の総合的な学習の時間のねらいとする。
第2に教科等の枠を超えた横断的・総合的な学習、探究.的な活動を行うことをより明確 化する。育てたい力の例示として、学習方法に関すること、自分自身に関すること、他者 や社会との関わりに関することを挙げている。
第3に育てたい力、取り組む学習活動や内容を明確化する。
第4ヒ例示を追加する。小学校は地域の人々の暮らし、.伝統や文化に関する学習活動。.
中学校は職業や自己の将来に関する学習活動である。
」第5に小学校あ国際理解に関十る学習は問題解決や探究的な活動を通して、諸外国の生 活文化などの体験、調査の学習活動を挙げている。
第6に小学校の情.報に関する学習については問題解決や探究的な活動を通して、情報の 受信、収集・整理・発信、情報が社会に与える影響を考える学習を取り入れる。
第7に中学校では、問題解決や探究的な活動を通して、自己の生き方を考える学習を取
り入れる。
第8に他者と協働して課題を解決しようとする学習を重視する。また、言語による分析、
まとめ、表現する問題解決や探究的な活動を一重視する。論文にしてまとめるな.どがあげら
れる。
第9に効果的な事例の情報提供、ゴーディネイト役の人材の育成、地域の教育力を活用
する。
第10に教育委員会の指導、助言のもと・、学校全体として組織的に取り組み、指導計画 や指導体制、実施状況について、点検・評価する一。
第3項 総合的な学習の時間改定の要点
各学校における指導の重点を図るため、缶たに章立てする。目標および内容の改善とし て、「知識基盤社会」.の時代において重要な役割を持つ。従前のねらいと、「探究的な学習」
「協同的」に取り組む姿勢を重視する。内容の取扱い一の改善として、探究的な学習として の充実を挙げ、基礎的・基本的な知識・技能の定着やこれらを活用する学習活動を教科等 で行うこととし、体験活動に配慮しづつ探究的な学習の充実を図るとしている。
学校間の取組状況の違いと学校段階間 の取り組みの重複を解消するため、総合的な学習 10
の時間において育てようとする資質や能力及び態度の視点を例示する。すなわち、学習方 法に関すること、自分自身に関すること、他者や社会との関わりに関することなどである。
学校段階間の取り組みの重複の改善は学校段階間の学習活動の例示の見直しを行い、「例え ば国際理解、情報、環境、福祉・健康など横断的・総合的な課題、生徒の興味・関心に基 づく課題、地域や学校の特色に応じた課題などについて、学校の実態に応じた学習活動を 行うものとする。」に加えて小学校では「地域の人々の暮らし、伝統と文化など地域や学校 の特色に応じた課題についての学習活動」、中学校では、「職業や自己の将来に関する学習 活動」を追加している。
体験活動と言註活動の充実として、従前と.同様に体験活動を行うことを重視し、積極的 に学習活動に取り入れる。体験活動については、第1の目標並びに第2の各学校において 定める目標及び内容をふま千・問碑の解決や探究活動の過程に適切に位置づけるこ午一問 題の解決や探究活動の・過程においては、他者と協同して問題解決しよう一とする学習活動や、
言語により分析し、まとめたり表現したりするなどの学習を挙げている。さらに次のこと が重要である。すなわち、他者と協同して課題を解決しようとする学習活動を重視するこ と。言語により整理したり分析←たりして考え、それをまとめたり表現したりして自分の 考えを深める学習活動を重視すること。校長を中心に学校全体として組織的に取り組み、
指導計画や指導体制、実施状況について、点検・評価することとしている。
第4項 現任校の全休計画、年間指導計画の検討
まず、現任校の全体計画と年間指導計画を見てみることにする。以下の通りである。
=■=成21年唐(2009年唐)総合的崎学習②時間推遣計画(案)
1,研究主題
参画と協働社会の明日を担う心豊かな人づくりを目指した総合的な学習の時間 2,主題設定の理由
21世紀は、『参画と協働』の社会になるといわれている。20世紀の「要求型民主主義」は終焉を 迎えざるを得な←、。なぜなら、高度経済成長が終わり、低成長時代となった今日、国、地方の財汝 は逼迫し危機的状態である。また社会の価値観は多様化し、国・地方は、もはやすべてに応えるこ とはできない。さらに人口減一少時代が予測され、急激な高年齢化を迎える日本では、今までどおり の生活は不可能であると考えられる。国および地方ではすでにその取り組みが始まっている。兵庫 県では、平成14年に「参画と協働」条例を可決し、それに基づく政策が進められている。
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21世紀を担う中学生は、このような世の中に対応できるべくその資質を高めなければならない。
白一ェた芦が主体的に「地域」に参画しよう、共によりよくしていこうという気持ちが高まる・には、「地 域」を好きになることが大切であると考えた。「地域」を好きになるには、地域をよく知り、関わっていく 事が必要である。甲武中では、平成10〜11年度に、「地域の教育カを生かした開発的生徒指導」
をテーマにした研究発表が行われた。これをべ一スに、平成14年から「参画型民主主義」の担い手 となる資質を養うため、「地域を知り、地域に参加し(関わり)、地域に貢献する」を小テーマとし、生 徒にとって生活の場所である地域を「心のふるさと」にしたいという気持ちを込めて「ふるさと創生」と 名付けた取り組みをはじめた。兵庫県の取り組みせある一「トライやる・ウィーク」を最大.限に活用し、
地域と関わるための機会をたくさん作ることが大切であると考え計画した一。そこで地域の活性化、み んなが地域に参画するには「異世代交流」と「有用感(必要とされているということ)」の二つがキー ワードであると仮説を立て、このテーマを設定した。
3,学年別目標と共通目標
共通目標1地域の一員である自覚を促す 1年:地域を知る
・自分たちが住んでいる地域を五感で感じる。
・rトライやる・ウィーク」事前調査を中心に地域のことを自分たちで調べる。
・「一夏一善」を通して、小学生時代とは違う地域の側面を知り、異世代の人々と交流する。
2年=地域に参加、関わる
・「トライやる・ウィーク」に主体的に参加し、多くの世代の人々と交流する。
・後輩と共に、「一夏一善」に取り組み、多くの世代の人々から多くを学、sミ。
・「地域に提言発表会」等の取り組みを通して、色々な人々の意見の聴き自らの視野を広げる。
3年:地域に貢献する
・「一夏一善」の活動において、地域の人々と共に自分の「できることを、できるときに、で きるだけ」地域に貢献できる活動を行う。
・3年間の活動の経験から自分の進路について広い視野で切りひ.らく。
4,推進の重点
01年生「地域を知る」
・1学期、又は2学期前半までに、地域を五感で感じる取り組みを入れる。
(小学校区から中学校区F意識を広げる活動)
例:校区探索ハイク、KJ法等を使った地域にある物の再確認と新しい発見の取り組み 12
・「トライやる・ウィーク事前調査」の活動では、必ず、フィールドワークの手法を取り入れる。
(実際■地域の方に出会い、異世代交流を行うこと。)
例:フィールドワークに行くためのアポ取りや計画書の作成など。十分F率備させること。
02年生「地域に参加・関わる」
・「トライやる・一ウィーク」に主体的に参加させるため、その準備としてマナーの学習などを、ワーク ショップ形式の授業を展開する。
・福祉施設が多い校区であるため、前向きな気持ちで参加できるよう工夫をする。
(福祉講演会・先輩の体験談から学ぶ牢ど選ぶミ前に塒るとなお良い)
・「一夏一善」の取り組みは前年度の経験者として、.地域に出かけ、夏祭りの準備ボランティアに 行くのを中心とする。
・自分で、地域のボランティアに参加したりすることを、ふるさと創生大賞の表彰などで評価する。
側1夏祭りφ準備、店番、後がたづけ、rよさこいソーラン踊り隊」
・「地域に提言発表会」に関しては、校区のコミュニティや「子ども110番」の家探し、防犯灯の数 など、地域密着型の調査活動を中心とする物や西宮市程度に広げて社会的な視野で調査し 提案する物など、いずれにしても中学生なりの提案が出来ればよいとする。そのため、フィール ドワークの活動は必ず入れる。
・地域に提言に変わる取り組みとしてピア1サーポートの手法も取り入れつつ、公園、武庫川、福祉、
環境、文化・コミュニティ、等の分科会に分け、更に細かくテーマを設定して調査し。地域の 未 来予想図 などをまとめていく取り組みなどが考えられる。これは3年生での一夏一善につなげ る活動でもあり・ここでもやは}フイ■ルドワ■クの手法を取り入れる・
03年生「地域に貢献する」
・「一夏一善」の.活動は、三年間の総仕上げの活動となるので、自ら計画を立て、「できるとぎに 一できることをできるだけ」地域に貢献できる活動の計画を立てさせる。
・地域の方と共に活動できる物が一番望ましい。
(今までの経験.と人脈を生かす活動が出来るように指導する)
例=福祉施設にボランティアに行く、夏祭りに出店、「よさこいソーラン踊り隊」指導と参加 ・3年間の活動から、自らの進路に関して広.い視野で切り開いていくための活動を取り入れた計 画を立てる。
(進路指導と重ねる部分がたくさんあるので、進路指導にこれまでの活動を生かせる取り組みを行う)
例=高校説明会一や高校について調べる。出願、受験面接などのマナー学習 13
○共通
・教科、特別活動、道徳などとタイアップできるように工夫する。探究的な学習になるように工夫す る。
・各学年で指導案の検討をする時間を確保し、担当の教師を決めて指導案を分担する。
一指導に年全教師で当たる。
○備考と評価規準
総合的な学習の時間は 自己の生き方 を学、sミごとにある。その 生きるカ とは自分で課題を見 つけ、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、行動し、より良く問題を解一決する資質や能力であ り、また、自らを律しつつ他人と共に協調し、他人を思いやる心や感動する心豊かな人間性で ある・そg仁め、総合的な学習の時間のねらいは
(1)横断的・総合的な学習や探究一的な学習を通すこと
(2)白ら課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、より良く問題を解決す る資質や能力を育歳すること
(3)学び方やものの考えを身につけること
(4)問題の解決や探究活動に主体的、創造的、協同的に取り組む態度を育てること
(5)自己の生き方を考えることができるようにすること
である。ここから、我が校ではそれぞれの活動の評価規準を来年度に向けて作成し、また改良 をしながらこの活動を推進していきたいと考える。
〈評価の観点〉
【1年生】
・小学校時代より地域に対してイメージが広がる取り組みが出来たか。
1フィールドワークに行くまでのカリキュラムは適切であったか。
【2年生】
・主体的にトライやるウィニクに取り組めるカリキュラムだったか。
1一夏一善に向けて、意識を高める工夫が出来たか。
・地域に提言の活動で適切に発表できるカリキュラムだったか。
【3年生】
・一夏一善では実現に向けて適切な指導が出来たか。
1進路指導と上手く関連づけたカリキュラムが組めたか。
【共通】
14
・教科、特別活動、道徳など、関連づけてカリキュラムが出来たか。
・各学年で指導案を十分に検討し、全教師で指導に当たれたか。
5,年間指導計画
ミ1=成2,年度(2009年度)第,学年篇合的む学習②時間「ふるさむ副生」 学習年間計画
月 主題・時数 ねらい 教材・他の行事とのリンク 担当
・オリエソテー ・総合的な学習の時間とは何かを知る。 ・仲間づくり(GWT)
ション ・3年間の「ふるさと創生」1=ついて知る ・構成的エンカウンター
4
・校区を知る ・1年生のテーマであるr地域を知る」為の小学校区からの地域を ・オーjエンデーション説明プ■」ソト
KJ法 内面から広げる。 ・ウェビングのマニュアル
5 ・生徒の内面1こある地域を中学校区(甲東地区〕校区にまで広げ ・軍行動と共1=リンク
・校区探索ハ る。
イタ ・班で協力しながらの行動を共にするとともに協力する気時ちを育
6 ・校区を知る 成する。 ・祭ボランティアの実務者の打ち合わせ
KJ法 ・出会う地域の人と共1こ、同じ地域1こ生きるものとしての自覚ヒ日 覚める。
7 暑中見舞いを地域のお年寄り1こ書く
8 ・一ト一善
9 ・トライやる・ウィークオ1」エンデーションと
・トライやる・ウィーク事前調査場所オリエンテーション
兼ねる。
・調べ方学習(社会、国語とタイアップで
1o ・自分の調べたい業界の調査(2〜3h〕 きる〕
・トライやる・
・業界調べは必ず入れる。
ウィーク事前
・1班5名を超えないよう1=設定
…日査
一リサーチ場所の決定 ・下調べをしづかりしておく
11
・I」サーチ場所の調査(2〜3h) ・調査方法の検討
・インタビューの質問内容の検討一
・リサーチ場所の調査(2〜3h〕 』校外調査届けの検討
12
・アポ、マナー事前指導 ・アポイントを取る。 ・アポのとり方(アポの計画書)
15
・フィールドワーク ・フィールドワークが、メインなのでここ1こは 1
・調査のまとめ とことんこだわって下さい。
・冊子づくり 一フイ_ルドワニクまとめ
2
・冊子を調査場所1=進呈 (国語科とタイアップできる〕
トライやる・ ・トライやる・ウィークオリエンテーション ・トライやる・ウィークの概要 3
ウィーク準備 ・パッチ原案募集 ・トライやる1こ行くまでにすべきこと。
平成2,年度(2009年度)第2学年総合的な学習②時間「ふるさζ創生」学習年間計西
月 主題・時数 ねらい 教材・他の行事とのリンク 担当
・トライやる・ ・トライやる・ウィークに向1ナて、マナーや、心構えを養う。
4 マナー学習
ウイーク ・トライやる・ウンーク事業所分け
事前指。 一トライやる・ウィークに向1ナて、マナーや、心構えを養う。
5 トライやる・ウィーク事前挨拶
導 ・トライやる・ウィーク参加
・トライやる・ウィ
・トライやる・ウィークのまとめをする 新聞形式=冊子など
一クまとめ
・一ト一善計画
地域1こ住んでいるものとして、「できること
6 を、できるときに、できるだ1ナ」 何か貢献し
ていく前向きな気持ちをもたせる。
時間的、日程的1こ無理な生徒は、夏休みにな るまで1ヒ、ポスターや新聞1こより、広報活動
・一ト一善
を行う。
7 一夏一善計画
・一 ト一善の参加(.祭りボランティア、よさこいソーラン 8
等)
・一ト一善まとめ、ふるさと創生大賞表彰
・地域に提 ・発表の仕方オリエンテーション(2
9
言発表会 ・地域に提言発表会オリエンテーション h).
・調査のためのグループ分け
16
・社会科の地理とタイアップ
・如域に提言発表会調査計画 ・フィールドワークにこだわりた 1O
.アポ取り、補足調査 い。
・発表形式はポスターセッショ
・地域に提言発表会提言まとめ
11 ン、ショーアンドテルを基本と
・地域に提言発表会発表準備
する。
12 ・地域に提言発表会発表準備
1一 ・地域に提言発表会発表準備 ・リハーサルを入れる。
2 ・地域の方のご意見がいただくこ
・地域1=提言発表会
3 とが望ましい。
平成2一年唐(2009年1書)第3学年鰭合的ぢ学習②時間「ふるさむ創生」学習年聞計画 教 材・他の行事とのリン 担
月 主題・時数 ねらい
ク. 当
・4 ・一 ト一善の計画を一立て地域の人たち ・祭りボラシディアとの打ち合
5 との交.流を図る。 わせ
6 ・地域に貢献するために自分で出来るこ ・グループ分け
7 ・一
ト一善
とを考える ・アポ取り8 ・一 ト一善の実施
9 ・一 ト一善まとめ、ふるさと創生大賞表 彰
10
・一 ト一善の発表
11 ・進路決定に向けて
12 ・今までの経験を生かし進路に向けて自 ・受験準備 進路に向けて
1 己実現を図る。 ・願書作成
2 ・出願、面接練習
社会に旅立っ ・今までの活動をふりかえり、地域のi
・卒業文集 3 地域の一員と 負として、地球人として、いかに人と関わ
・卒業式に向けて
して り生きていくかについて考える。
17
現任校の全体計画では、テーマの設定や目標は読み取れ乱2学年での「トライやる・
ウイ」ク」を中心に計画がされており、体験活動を中心としたカ・リキュラムになっている。
しかし・育てたい力については明確に記載されていない。主題設定か≒「参画型民主主義 の担い手となる資質を養う」ということが読み取れるが、「参画型民主主義の担い手となる 資質」とはどんな資寅なのかにっいては言及されていない。学習方法に関すること、自分
自身に関すること、他者や社会との関わりに関十ることの視点はみられない。
次に、評価の観点と育てたい力との関係性が不明である。
カリキュラムに対する評価も観点は明確ではないが示されている。生徒がどのように変容 することを求めているのかについては言及されていない。
年間指導計画では、単元名は記載されているが時数が明記されていない。「総合的な学習 の時間」が移行措置により選択科目の兼ね合い.から1学年50h,2学年105h,3学 年ユ05hになっている。どの単元を何時間するのかということは必要である。さらに、
実際にはこの時数は行われておらず、教科や行事の時間となっている。単元計画は各学年 に単元名はあるものの、学年の担当者に任されており、同じ単元でも時数が大幅に違うこ ともある。研究紀要には単元の実施報告についての記載が一ないことから、実施されていな いことが読み取れる。単元計画の差は特に、課題設定に大きな違いがあり、体験活動のた めの主な作業の時間となっている学年もある。つまり、体験活動を通じてどんなカをつけ させたいかというこ幸は明確になっておらず、体験活.動のための準備とまとめに終始して いる。育てたい力が明確になっていない点と目標が不明確であるところから一この違いが生 まれる。取り組みの差異は「総合的な学習の時間」を教員がどのようにとらえているかに よって大きな差異がある。
教科と行事とのつながりについては年間指導計画から読み取ることができる。教科、特 別活動とのつながりを緊密にする工夫がとられている。しかしながら行事の事前事後指導 のために総。合的な学習の時間を利用しようとの意図がうかがえる。解説書の指摘する通り 行事の準備などに使われている。単元計画で、協同的探究的な学習活動にする計画を立て
る必要がある。
18
第2節 r総合的な学習の時間」の目標に関する検討
第1項 目標の構成
総合的な学習の時間の目標は
(1)横断的・総合的な学習や探究的な学習を通すこと
(2)自ら課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、より良く問題を解決す る資質や能力を育成すること
(3)学び方やものの考一ヲを身につけること
(4)問題の解決や探究法勅ヒ主体的、創造的、協同的に取り組む態度を育てること.
(5)自己の生き方を考えることができるようにすること
の5 ツの要素から構成.されている。(1)は総合的な学習の時間に特有な学習のあり方を示 すものである。横断的・総合的な学習や探究的な学習 を通すことが目標となっている。こ れを前提に(2)(3)(4)1干示された資質や能力、及び態度を育成していくことを求め てレ」、る。(5)はこれらの資質や能力及び態度を総合的に使いながら自己の生き方を考える ことができるようにすることを目指すものである。
第2項 目標の趣旨
(1)横断的・総合的な学習や探究的な学習を通すこと
これまでの総合的な学習の時間では問題の解決や探究活動に主体的、創造的に取.り組む 態度を育てることをねらいとして示していたが、今回の改訂ではその趣旨を一層明確にす るために、探究的な学習についても明確に位置づけている。一
「知の総合化」ρためにこの目標が設定されている一。探究的な学習では、課題の設定、
情報の収集、整理・分析、まとめ・表現の一連の知の営みを発展的に繰り返していくこと が期待されている。
(2)自ら課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、より良く問題を解決す る資質や能力を育成すること
ここでは、自ら主体的に課題の設定や判断、問題を解決する資質能力の育成について 述べられている。解決の道筋がすぐには明らかにならなかったり、唯一の正解が得られ ないなどについても、自らの具体的な問題に粘り図翌対処し解決しようとすることが、
より良く問題を解決することである。
19
(3)学び方やものの考えを身につけること
総合的な学習の時間に置いては、学び方やものの考え方を身につけることを目指して いる。この時間の学習活動を通して身につけていくことが求められる学び方やものの考 え方は、課題の見つけ方や作り方、目的や意図に応じた情報の集め方や調べ方、整理・
分析の仕方、まとめ方や表現の方法、報告や発表・討論の仕方などである。また、見通 しや計画の建て方、記録の取り方や活用の仕方、コミュニケーションの取り方、振り返 りや意思決定、自己評価の仕方などである。さらに、各教科等で身につけた、比較、分 類、関連づけ、類推、多面的多角的に物事を見るなどのものの見方考え方を学習活動に おいて総合的に活用できることも期待されている。そこで、各教科等で学んだことの有 用性を実感し、学び方やものの考え方を確かにしていくことが期待されている。
(4)問題の解決や探究活動に主体的、創造的、協同的に取り組む態度を育てること 他者と協力しながら身近な神域社会の課題の解決に主体的に参画し、その発展に貢献
しようとする態度を育むことが必要とされている。そのため、互いに考えや意見を出し 合い、見通しや計画を確かめ合ったり、他者の考えを受け入れなければならない。また、
幅広い交流活動が、他者の良さを発見し、自分の良さを自覚する機会にもなる。また、
地域社会に参画しようとする意識を高めることにもつながる。
(5)自己の生き方を考えることができるようにすること
自己の生き方を考えることは、社会や自然の中に生きる」負として、何をすべきか、
どのようにすべきかなどを考えること。学ぶこと一の意味を自覚すること。これらの二つ を生かしながら学んだことを現在及び将来の自己の生き方につなげて考えることである。
第3項 現任校の目標の検討
(1)の目標を前提に(2)(3)(4)の資算や能力及び態度を育成していくことを求 め、(5)に示された自己の生き方が考えることができるようにすることを目指す。これら めことから現任校の目標について検討する。
横断的・総合的な学習や探究的な学習という学習形態で、「トライやる・ウィーク」を中 心に、単元計画を組んでいる。ただし、意識して探究的な学習を組み込んでいるわけでは ない。現任校の計画では、地域という学習対象に3年間を通して「トライやる・ウィーク」
と「一夏一善」という活動を通して単元が展開されている。これらの計画では、計画書を 作り、事前の下調べ(書籍やインターネットによる)インタビュ」などの他者と関わる活 20
動、体験活動、ま とめの成果物作り又は発表会などが計画されている。選択的な要素が多 いが、課題設定では自分で「トライやる・ウィーク」に行きたい場所を探して調査したり、
3年生の「一夏一青」では自分でボランティアの場所を探しできることを考えたりして実 施している。これらの活動を通して自分の進路について広い視野で切り拓くとされている が、年間指導計画からも具体的な活動やまどめ、成果物などの計画は見受けられない。研 究紀要にも記載がないことから本来、学級活動で行われ一る受験のための面接練習や願書作 成などに当てられているという特別活動と混同した時間の使われ方がされている。
次に「トライやる・ウィーク」について検討すると、現任校の計画、実施されている「ト ライやる・ウィーク」は兵庫県の公立中学校で必ず行々れるものである。1)兵庫県の公立 中学校の「総合的な学習の時間」はこれを中心に地域の特色に応じた単元計画を作成する ことが多い。2〕この活動では、中学2年生で地域に出かけ1週間の体験活動を行うことに なっている。この体験活動は単なる職場体験活動ばかりではない。文化活動や奉仕活動な
ども含まれているものである。ここで何を目標にするのかを明確にしておかなければ、こ の体験活動を単なる1週間の体験活動だけ終わらせてしまうことになる。元々は心の教育 の一環として始まっている二単元の計画を十分に検討する必要がある。様々な切り口でこ の体験を生か章はより深い学びが期待できる。
次に目標の趣旨から検討するp「知の総合化」のために三の目標を設定・したとあり、総合 的な学習の時間における探究的な学習において、(1)の「日常生活や社会に目を向けたと
きにわき上がってくる疑問や関心に基づいて自ら課題を見つけ」3)という部分が非常に理 念的であり、現任校の実情にあっていない。なぜなら、現任校の生徒の多くはこれまでの 体験不足から、そのような疑問がわき上がってく.ることは期待できない。保護者や教師以 外の大人と接することがほとんどなく、TV個以外の新聞を読むことがなく、新聞を取っ ていない家も少なくない。情報はインターネットで検索して何の疑問も感じずにそのまま 信じてしまうという生徒も多い。課題を見つけられる生徒もいるが、格差が大きい。また、
学習活動の中で、情報収集二分析、話し合いなど言語活動に関わる部分は、大きな差が出 ることが予想され、段階的にモデルをつくるとかスキル的なものを用意手る必要がある。
本来教科で身に付いているものだと言う前提は機能しない。生徒が自らの疑問や関心に基 づいて課題を見つけるための「仕掛け」が必要である。さらに自分に自信が持てない生徒 も多いことから、しんどいことやめんどくさいことをさける傾向がある。4〕やってみたら できるかもという見通しを持たせる工夫も必要である。
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