第1回 東北病害虫講演討論 會講演要 旨
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一
般
講
演
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昭 和20年 度 に於 け る稻 苗 腐敗 病 發 生状 况とそ の防 除
島 田 昌 一 (秋 田縣 農事 試 験 場) 昭 和20年 度 に於 け る東 北 地 方 の 苗 代 の苗 の 生 育 状 况 は,倒 年 に な い不 良 な 状 態 で,各 地 共 苗 の 不 足 を來 した 。秋 田縣 に於 て は,苗 不 足 に よ る植 付 不 能 面積 は,2,000町 歩 以 上 に及 んだ 様 で あ る。 その 原 因 は 主 に稻 苗腐 敗 病 の 被 害 に よ る もの で あつ た。 本 年 の腐 敗 病 が,何 故 斯 く も甚 だ しかつ た か に 就 き,調 査 の結 果 を 述 べ る事 と す る。 本 年 の 稻 苗 腐 敗 病 の発 病 状 况 は,例 年 見 る如 く,発 芽 後 間 もな い苗 が,腐 敗 病 菌 に よ り包 ま れ て 腐 敗 枯 死 す る状 况 を呈 す る もの は 少 く,5分 或 は1寸 位 に迄 伸 長 した もの が,其 の 後 生 育 を 停 止 し,地 上 部 が べ とべ とに 腐 敗 して い る場 合 が 多 い 。 即 ち4月 下 旬 の 低 温 に よ り,例 年 の様 に,発 病 を 誘発 され た もの が,5月 上 旬 の天 候 の恢 復 に伴 い或 る程 度恢 復 し,そ れ が 更 に5月 中 旬 の 異常 の 低 温 に よ り,生 育 を 阻 害 され,病 原 菌 の 侵 害 を 受 け る結 果 となつ た 。 從 つ て 或 る 程 度 生 育 した 苗 が,腐 敗 す る と云 う例 年 と異 る 発 病 状 况 を 呈 した の で あ る。本 年 の 苗 代期 間 中 の水 温 の 調 査 結 果 は こ の関 係 を 物 語 つ て い る。 本 年縣 内の 播 種 は,例 年 よ り遅 れ,平 坦 地 で は4月20日 前 後,山 間 部 で は5月1日 前 後 で あ つ た。 播 種 期 と発 病 との 関 係 は,4月20日 前 後 の 早 播 を 行 い,5湾 中 旬 の低 温 來 襲 迄 に或 る程 度 伸 長 し,組 織 の 抵 抗 性 を獲 得 した もの は 被 害 軽 微 で あ つ た 。4月25日 前 後 播 種 して4月 中 に 播 種 後 間 もな く被 害 を受 け,再 び恢 復 も充 分 で な い もの が,5月 中 旬 被 害 を 受 け た もの が 最 も 被 害 程 度 が 甚 だ しかつ た の で あ つ た。 それ が5 月上 旬 播 種 した もの で は,5月 中旬 の み の被 害 で 終 つ て い るの で,苗 の 生 育 は 遅 れ た が,腐 敗 病 の 被 害 程 度 は最 も軽 微 で あ つ た 。 斯 か る被 害 事 情 の 下 に於 け る,本 病 防 除 上 の 効 果 に就 て ゞあ るが,試 瞼 結 果 に 基 く浸 水 後 催 芽 直 前 の水 銀 製 剤 一 號0.1%液12時 間 浸 漬 が, 最 も効 果 的 で あ っ た 。 本 年 の発 病 状 况に於 け る 種 籾消 毒 の効 果 は,4月 下 旬 に於 け る発 病 は, 消 毒 に よ り効 果 を現 し,5月 中 旬 に 於 け る被 害 は,初 期 発 病 の予 防 と其 の 後 の 生育 促 進 に よ り 回 避 した結 果 と なつ た もの と思 わ れ る。委 託 試 験 の結 果 を挙 げ る と次 の 如 くで あ る。東北 方地 に於 け る稻 小粒 菌 核 病 の發 生 と環 境 に就 いて
河 合 一 郎(山形縣 農事試 験場 庄 内分場)
東 北地方 に於 け る稻小粒菌 核病 (Helminth-osporium sigmoideum CAVAR. and H. sig-moideum C. var. irregulare) の発 生と環境
に関 し調 査 を 試 み た の で茲 に そ の概 要 を 記 述 す る。 1.分 布 青 森 縣 下 で は弘 前 市 字 富 田 大 字 高 田 野 に小 黒 菌 核 病 の 発 生 を認 め た 他,黒 石平 野, 木 造 町 附 近 に も本 病 の 発 生 を 認 めず,秋 田 縣 下 で は東 能 代 附 近 に発 生 を認 め,以 後 南 下 す るに 從 い発 生 大 と な り ,秋田 市以 南,特 に仙北 郡, 平 鹿 郡,雄 勝 郡,由 利 郡 等 に 発 生 多 き を 認 め た 。 山 形縣 に 入 つ て は 庄 内平 野 に は 随 所 に 発 見,特 に 飽 海 郡 に 多 く,最 上 郡 特 に 東 小 國 村 に は 常 発 地 帯 あ り,村 山,置 賜 盆地 に も至 る処 に 存 す るが 山 間 地 帯 に 発 生 多 い。 轉 じて 太 平 洋 沿 岸 で は 岩 手縣,青 森 縣 境 の金 田 市,北 福 岡,一 戸 町 附 近 に は本 病 の発 生 極 め て 少 く,盛 岡 市 附 近 に は 発 生 甚 大,以 後 南 下 ナ るに從 ひ 大,宮 城 縣 で は 松 島湾 沿岸 に 多 く,古 川 町,岩 沼 町,互 理 郡 に も随 所 に 発 生 し,福 島 縣 下 で は平 市 附 近 の 町 村 に 発 生 多 き を 認 め た。 2.氣 象 本 病 菌等 は概 ね25∼30℃ を繁 殖 適 温 と す る。 され ば 本 病 の発 生 は夏 期 高 温 め 年 に発 生 多 きが 如 く,東 北 地 方 で は田 植 後 の6月 中 ・下 旬 に 比較 的 高 温 な れ ば 本 有 菌 の寄 生 し易 く,出 穗 後 高 温,降 雨 瀕繁 な れ ば被 害 甚 大 で あ る。 3.地 勢 一 般 に高 台 に 少 く、 低 濕地 に 多 き 実 例 を踏 査 し た。 同 一水 由 内 で も表 土 に高 低 あ らば,低 地 に発 生 多 い。 4.土 性,土 質 本 病 の発 生 に は 一 定 の 傾 向 を 認 め な か つ た 。 肥 沃 土 に発 生 多 き傾 向 あ り, 瘠 地 で も多肥 を 施 用 し,生 育 の軟 弱 な る稻 に大 で あつ た。 5.耕 種 法 (1)水 稻 品種 本 病 に品 種 間 差 異 あ り,防 除 に 光 賜 を 認 め得 た。 一 般 に 出 穗 期 の 早 き品 種 に発 生 大 な る傾 向 あれ ど も,又 同 一 出 穗 期 で も必 ら ず し も発 病 率 同 一 で な く,耐 病 性 品 種 が存 在 す る。 (2)播 種,移 植 期 晩 播,晩 植 に 発生三多 き傾 向 あ り。 (3)栽 植 密 度 こ れ は施 肥 量 と相 関 々係 あ り, 施 肥 量特 に 窒 素 量 大 なれ ば密 植程 発 病 多 き も, 施 肥 量少 い 時 は 密 植 程 出 穂 当 時 残 肥 少 く,本 病 の 被 害軽 い 傾 向 あ り。 一 般 に密 植 す れ ば株 間 の 空 氣 濕 度 大 なの と,菌 核 の附 着 し易 い の と,隣 接 株 と交 錯 し,本 病 の 傳 染 に都 合 が 良 いの と で 発 病 大 で あ る。 (4)肥 料 窒 素質 肥 料 の 大 な る程 発 病 大 で あ る。 加 里 の 少 い 程 発 生 大 で あ る。 堆 厩 肥 の反 当 300貫 乃 至400貫 は 加 里 補 給 に 役 立 ち発 病 少 で あ るが,多 量 に失 し,窒 素 過 剰 と なれ ば却 つ て発 病 を助 長 す る。 木 灰 も加 里 補給 の 意 味 に於 て発 病 を少 くす る。 窒 素 肥 料 を 出 穗 間 際 に 追肥 す る は 発 病 を 大 な ら し め る。 (5>灌 漑 水 夏 期 旱 害 を 被 つ た水 稻 は生 育 衰 頽 し,本 病 の発 生 が 多 い 。 然 し常 時 湛 水 して稻 の 衰 弱 せ る もの に も発 生 多 い。 水 口 に 発 生少 く, 水 落 ち に発 生 大 で あ る。 (6)除 草 除 草 を 怠 り,雑 草 の繁 茂 せ る水 田 に は 本 病 の発 生大 で あ る実 例 を見 た 。 (7)落 水 余 りに早 く落 水 す れ ぱ稻 は 衰 弱 し発 病 多 く,又 枯 熟 期 過 ぎ迄 も湛 水 す る も 発 病 多 し。結 局 垂 穗 期 頃 落 水 が 一番 無 難 の 様 で あ る。
水稻小粒 菌核 病 防除試驗 に就て
工 藤 三 郎 (岩手 縣農事 試驗場) 1.品 種 試驗 本 縣 優 良 品種 に就 き耐 病 性 を 驗 知 せ ん とす る もの に して其 の 中6品 種 に 就 き調 査 し た るに次 の 如 き 成 績 を 得 た り。 考 察 上の 成 績 に於 て は或 る程 度 熟 期 の 早 き もの は 発 病 多 く遅 る ゝに從 い 少 な き傾 向 を 認 め られ る。 而 して此 等 熟 期 に 於 け る早 中 晩 の 関 係 は本 病 発 生繁 殖 時 期 に 於 け る病 原 菌 の 良 環 境下 に あ る もの ゝ如 く,又 品種 間 の細 胞 組 織 の 厚 薄或 は 剛 軟,珪 酸 の多 少 等 と大 な る相 関 々 成 績 係 を もて る もの ゝ如 き も其 の点 は不 明 な り。 2.藥 剤 撒 布 試 驗 石 灰 ボ ル ド ウ液 及 水 銀 製 剤 一 號 撒 布 に依 り本 病 を 防 除 す る場 合 其 の適 期 を 驗 知 せ ん と して 施 行 せ る もの に して 其 の結 果 次 の成 績 を得 た り。 備 考 1.供 試 藥 剤 は6斗 式 石 灰 ボ ル ド ウ液 及 水 銀 製 剤1號1000倍 液,椰 子 油 展着 剤 藥 液1斗 当 0.2勺 加 用 す 。 2.排 水 し坪4合 程 度 撒 布 後2時 間経 過 後 灌 水 す 。 考 察 上の成績 に依 り藥剤撒布 の効 果 は顯 著 に して其 の時期 は有効 分蘖 終 了期頃 より 穗 孕 期 の 間 に於 て撒 布 す る方 良 好 な るを認 めた り。稻紋枯病 防除藥剤 試驗成績に就て
武 田 亀 太 郎 (山形縣農事試験場) 近 時 稻 紋 桔 病 の被 害 著 し き もの あ る に鑑 み,本 病 防 除 に対 す る適 切 な る藥 剤,特 に有 効 な る粉 剤の 驗知 を 目的 と して 試 驗 せ り。 試 驗 年 次 は 昭 和13年 よ り昭和20年 に至 る3ヶ 年 に して,試 驗 方法 及 び成 績 次 の如 し。 試 驗 方 法 試 驗 区 内 容 耕 種 法 肥 料 を標 準 肥 料 の3割 増 と す る外 一 般耕 植法 に依 る。 区 制 及 び1区 面 積 2区 制,1区3坪 供 試 品種 日の 丸 各 液 剤 は藥 液1斗 に 対 して 椰 子 油 展 着 剤0.1勺 を 加 用 す 。 落 水 して液 剤 は 藥 鞘 部 へ撒 布,粉 剤 は手 にて 撒 布 す。 試 驗 成績 撒 布 期 日 昭 和18年 7月20日,8月3日 昭 和19年 7月7日,7月23日,8月3日 昭 和20年 7月10日,7月20日,7月30日 備 考 標 準 区()内 の数 字 は50株中 発 病 茎数 及 反 当 玄 米 容 量 を示 す。 成 績 考 察 以 上 の 成 績 よ り見 るに,供 試 藥 剤 中最 も効 果 大 な り しは,8斗 式 ボ ル ド ウ液 な り。6斗 式 ボ ル ド ウ液 は,2ケ 年 共8斗 式 ボ ル ド ウ液 に比 し, 発 病 大 な る結 果 を示 した るが,其 の 原 因 に関 し て は不 明 な り。銅 製 剤1號 及 び2號 はボ ル ド ウ液 に比 し,効 果 は 若 干 劣 りた る も,尚 相 当顯 著 な る効 果 を 示 し,而 して僅 少乍 ら銅 製 剤2號 は 銅 製 剤1號 に 比 して効 果 大 な る結 果 を 示 した り。 石 灰 乳 は 標 準区 に 比 し,発 病 は 少 な か り し も 効 果 は 大 な らざ り き。 粉 剤 の 効 果 に就 きて は,消 石 灰 粉 反 当10貫 撒 布 区 は18年,19年 の2ケ 年 は 石 灰 乳 と略々 同程 度 の効 果 を示 した る も,20年 に 於 で は,標 準 区
に比 し反 つ て 発 病 多 く,其 の 効 果 は 明 らか な ら ず。 又 硫 酸 銅 加 用 消(炭 酸)石 灰 粉 は標 準 区 と略 々 同 程度 の発 病 を示 し,其 の効 果 は認 め 難 く,更 に19年 に於 い て は,標 準 区 に比 し相 当 の減 牧 を 示 せ る結 果等 よ り して,防 除 剤 と して は不 適 当 の 如 く思 わ れ た り。 銅 製剤2號 加 用 消(炭 酸)石 灰 粉 は 粉 剤 中最 も 大 な る効 果 を 示 し,殊 に清 石 灰 に加 用 せ る場 合 に 比 し炭 酸 石 灰 に加 用 せ る場 合 に於 い て 大 な る 効 果 を示 した り。 此 の 事 実 は 主 剤 に 加用 す 可 き 増 量 剤 の 今 後 に於 け る研 究 上 考 慮 す 可 き点 の 如 く考 え られ たこり。 炭 酸 石 灰 の効 果 に関 して は1ケ 年 のみ の成 績 な る 爲 め明 らか な ら ざ る も標 準 区 に比 し反 つ て 発 病 多 き結 果 を示 した り。然 し乍 ら同年 度 の消 石灰 区 に比 し,発 病 増 加 の程 度 少 な か り しは 前 述 の事 実 と併 せ考 え,増 量 剤 と して の消 石灰, 炭 酸 石 灰 の 問 題 は 今 後 更 に 究 明 す 可 き もの ゝ如 く考 え られ た り。
覆雪 下 に於 け る紫雲 英 と菌核 病 との 關係
松 浦 義 (山形縣農事試驗場) 1.覆 雪 期 間 を 異 にす る紫 雲 英 に菌 核 病 菌 を 接 種 したこるに,覆 雪 朗 間 の 長 き もの程 單 位 時 間 内 に 於 け る病 斑 の 生 長 は 大 で あつ た。 2.覆 雪期 間 を 異 に す る紫 雲 英 の汁 液 を 取 り, 之 を 培 養 基 と な して,之 に菌 核 菌 を 培 養 す る と,覆 雪 期 間 の 長 き もの程,菌 の発 育 は 劣 つ て 居 た。 3.以 上 の事 か ら紫 雲 英,ま雪 下 に於 て 同 化 作 用 の 機 能 減 退 し,呼 吸 作用 比 較 的 多 く爲 に覆 雪 前 に 体 内 に貯 藏 せ る栄 養 を消 費 して 生 存 を続 く る爲 に,次 第 に 衰 弱 し抗 病 力 も亦 減 退 す る 爲 に,一 旦 病 菌 に 侵入 せ ら る る時 は,容 易に 病 勢 の 進捗 す る もの と考 え らる る も,共 の 汁 液 中 に は 栄 養 分 の 存 在 少 くな る爲,之 を培 養 基 と して 菌 を 培 養 す る時 は 菌 の発 育 は 覆 雪 前 の紫 雲英 よ り の もの に 比 して,劣 る結 果 とな る もの と考 え られ る。大
豆
赤
黴
病
に
就
て
島
田
昌
一
(秋田縣立農事試驗場)
大 豆赤 黴病 はFusariun菌 の寄 生 に よ り発 生 す る病 害 で,萎 黄 病,褐 紋 病 等 と共 に 秋 田 縣 で は 被 害 の甚 だ しい も の ゝ一 つ で あ る。 本 病 は大 豆 の 全 生育 期,莖 葉,莢,種 子 を 侵 す 。 莖 葉 に 対 す る発 病 は夏 期 濕 潤 な氣 候 條件 の下 に於 て 発 病 す るが,被 害 は 種 子 に 最 も多 い 。 生 育 期 間 中 に 莢 を 侵 され 褐 変 枯 死 す る場 合 もあ るが,多 く は 收 穫 乾 燥 期 間 に 於 て 侵 され る。 被 害 甚 だ しい 時 は 一面 に 白 色 の 菌 絲 が蔓 延 し,種 子 は 乾 燥 し て も縮 少 す る事 が な く凹 凸 の 不 正 形 を呈 し内 容 は 変 質 して い る。 被 害 軽 微 の 場 合 は 種 皮 の 一 部 に皺 を 生 じ,そ の 部 分 に 白色 の菌 叢 の現 れ て い る事 もあ る。 被 害 位 は大 豆 の 牧 量並 に 晶 質 に影 響 す るば か りで な く,そ の 発 芽 率 を著 し く低 下 せ しめ る。 大 豆 を栽 培 した 場 合 生 ず る屑 豆 は 主 に本 病 に よ る被 害 で あ る。 本 病 の発 生 は 品 種 に よ り相 当 に差 異 が あ る。 次 表 の 通 りで あ る。(昭 和12年) 品 種 に よ る発 病 の 差 異は成 熟期 の 差 異 に よ る もの ゝ如 く9月16日 前後 の 成 熟 期 の もの に被 害 甚 だ し く,10月 の 成 熟 期 の もの は 被 害 軽 微 で め る。 本 病 の発 生 は 莢 の 傷 と密 接 な る 関 係 が あ つ て,莢 に 傷 を つ け菌 を 接 種 す る 時 は 全 粒 が甚 だ しい被 害 を受 け る。 この 傷 は 莢 に鑢 で傷 を付 け る程 度 で は 大 な る被 害 が ない が,莢 の表 面 か ら針 で 種 子 に達 す る程 度 の 傷 が 出來 る と, 被 害 が 甚 だ しい 樣 で あ る。 斯 の様 に 傷 の 出來 た 莢 に 対 して は,藥 剤 撒 布 を 行 つ て も全 然効 果 を 認 めな い の で あ る。 本 病 の発 生 は 乾燥 の 際 認 め られ る事 か ら乾 燥 当 時 の濕 度 が 発 病 仁 影 響 あ る 事 と考 え られ る。 関 係 濃度70%以 下 に 於 て乾 燥 す れ ば 発 病 は殆 ん ど認 め られ ず,97%以 上 に於 て は,殆 ん ど全 粒被 害 を 受 け ろ。 又 最適 濕度 は 30℃ 内外 に あ り18℃ に於 て は 発 育 す るが,12℃ に於 て は 殆 ん ど発 育 を 見 な い。 本 病 が 品 種 の 成 熟 期 に よ り影 響 され るの は成 熟 期 の温 度 に よ る もの ゝ様 で9月10日 前後 の 平 均 氣 温 は20℃ 内外 で あ るが,之 が10月1日 とな る と15℃ と な り発 病 の 限 界 温 度 以 下 に低 下 す る爲 と見 るべ き もの ゝ 様 で あ る。 次 に 本病 防 除 とボ ル ド ウ液 撒 布 の効 果 で あ ろ が,開 花 終 期 頃 迄 の 撒 布 は 殆 ん ど効 果 を認 め な い。 落 葉 期 の 撒 布 の もの が相 当 の効 果 か あ る。 この 点 か ら も本 病 の発 生 が 成 熟 乾 燥 期 に於 て 起 る もの で あ る事 を結 論 で き るの で あ る。
大 根 細 菌 性 黒 斑 病 に 就 て
吉 田 攻 治 (福 島縣農事試 驗場) 福 島縣 山 間 地 に於 て は大 根 は必 需 蔬 菜 の 首 位 を 占 め るの み な らず,冬 季 蔬 菜 と して 極 め て重 要 な る もの で あ る。 昭和16年 頃 よ り河 沼 郡 柳 波 町 及 び耶 麻 郡 堂 島 村 附 近 に大 根 細 菌 性 黒斑 病 の 発 生 を認 め,年 々被 害 面積 を増 大 せ り。又 昭 和 19年 頃 よ りは 阿 武 隈 山系 地 帯 に も発 生 し,本 年 は 殆 ん ど全 縣 下 に被 害 を認 む るに至 れ り。 当 場 に於 て は 之 れ が 防 除 法 を確 立 せん と欲 し,昭 和 19年 よ り防 除 試 験 を行 い た る に,略 其 の 目的 を 達 し得 た るを 以 て 報 告 す る次 第 で あ る。 1.品 種 と發 病 との 關 係 会 津 山 間 地 帯 に於 て栽 培 せ る次 の6種 を発 病 地 に栽 培 し,発 病 程 度 を 檢 せ る に在 來 種 及 び 赤 筋 大 根 は発 病 最 も少 な く,宮 重 及 び練 馬 大 根 之 れ に 亜 ぎ方 領及 び聖 護 院 大 根 は発 病 大 な りき。 2.播 種 期 と 發 病 との 關 係 8月5日 以 降10日 隔 に2月25日 迄 播種 せ るに, 播 種 期 早 き もの は 発 病 大 に して,遅 延 す る に 伴 い被 害軽 微 な り。9月 に 入 り播 種 せ る もの は全 然 発 病 を 認 め さ りき 。 3.土 壤 消 毒 の 効 果 発 病 地 に耕 起 後 ホ ル マ リン100倍 液 又 は ウ ス プ ル ン0.1%坪3升 灌 注 又 は ク ロー ル ピ ク リン 2尺 平 方10cc注 入 せ る もの は 発 病 を認 め ざ り き。 4。種 子 消 毒 の効 果 ウ ス プル ン0.1%15分 又 は セ レサ ン種 子1升 に 3瓦 粉 衣 せ る もの は,種 子 の発 芽 良 好 に して 種 子 傳 染 を 略 完 全 に防 止 し得 た る も,温 湯 (50℃5分)消 毒 を 行 い た る もの は,種 皮 は 脱 し実 用 的 價値 な きが 如 し。 5、藥 剤 撒 布 の効 果 本 病 は 傷 痍 傳 染 を行 う事 実 に 鑑 み,昆 虫 の 喰害 跡 も亦有 力 な る侵 入 門 戸 と な り得 るを予 想 せ らる ゝを以 て,殺 虫 剤 及 び殺 菌 剤 の種類 及 び 濃度 を 異 に して 撒 布 せ るに,効 果 最 も顯 著 な るは発 生 期(9月 中 旬 及 び 下旬,10月 上 旬) 3回 砒 酸 石 灰 加用6斗 式 石 灰 ボ ル ド ウ液 又 は 砒 酸 石 灰 加 用 銅 製 剤1號 液 の 撒 布 を 行 い た る もの な りき。 以 上 要 す るに,本 病 は 強 烈 な る土壌 傳 染 性 病 害 な るを 以 て,無 病 地に栽 培 す るを 理 想 とす れ ど も,上 得 連作 を 行 う場 合 は,畑 地 は ホ ル マ リ ン100倍 液 又 は ウ ス プ ル ン0.1%液 坪3升 を 用 い 土 壤 消 毒 を 行 い,種 子は ウ ス ブル ン0.1%15分 又 は セ レサ ン種 子1升 に3瓦粉 衣 し8月 中 旬 頃 に播 種 し,発育 期 た る9月 中 ・下 旬 及 び10月 上 旬 の3回 砒酸 石 灰 加 用6斗 弍 石 灰 ボ ル ド ウ液 の 撒 布 に よ りて本病 の 発 生 を 略 完 全 に 防 止 し得 る な り。
昭
和20年
東 北 地 方 害 虫 發 生 状 况
山 下 善 平 (農林 省農事試驗場東北支場) 昭和20年 度 か ら農 林 省 農 事 試 驗 場 東 北 支 場 に も全 國 か ら予 察 資 料が送 付 され る事 に な つ たこの で,そ の 内,東 北 関 係 の資 料 に基 い て発 生 状況 を 調 査 した 。発 生報告 の あ つ た 害 虫 の種類 は 稻18 種,麦6種,馬 鈴 薯2種,稗1種,計26鍾 で あ つ た 。此 の内 重 要 な 害虫 及 び特 異 な発 生 を 見 た 害 虫 の発 生 状况竝 び に 氣 象條 件 との 関係 に就 い て 考 察 を 行 つ た 。 稻 葉 潜 蝿 は発 生 時期 か ら見 る と第1・2化 期 共 例年 よ り遅 延 の 傾 向 を 示 した が 第2化 期 の 遅 延 は 第1化 期 程 で なか つ た 爲 に 両 化 期 の間 隔 が短 かつ た 。 之 は冬 か ら羽化 期 に か け て の低 温 の爲,弱 化 そ の もの の 遅 れた 事 と弱 化 後 の活 動 が抑制 され た 爲 に 第1化 期 成 虫 の 出現 ガ 遅 れ且 不 規則 とな り,幼 虫 の 発 育 も遅 延 且 不 規 則 となつ て第2化 期 に続 き更 に7月 の 異常 低 温 の爲 に第2化 期 成 虫 の出現 及 び幼 虫 の発 育 に 遅 延 の傾 向 を与 えた もの と解 され る。発 生 量 を 見 る と特 に 第2化 期 の 卵 及 び幼 虫 が 多 く青 森, 秋 田,岩 手 共 例 年 以 上 で 本 年 の稻 作 害 虫 の 内 で 最 も加 害 の 多 い もの で あつ た 。之 は 第1化 期 産 卵 の本 田 持 込 量 が 多 くな つ た 事 や 第2化 期2成虫 最 盛 期 の6月 下 旬 ∼7月 上 旬 が 比較 的 高 温 に惠 ま れ産 卵 活 動 を 旺 に した 事 及 び7月2半 旬 以 後 の 異常 低 温 は 第2化 期 幼 虫 の 発 育 に対 して低 温 障 害 とな らず む しろ高 温抑 制 を防 い で 生育 條 件 を 良好 に した もの と恩 わ れ る。 稻 泥 負 虫 も前 種 と同 樣 初 発 生 が 遅 れ 然 も以 後 の発 生 が緩 慢 で発 生 期 間 が 長 期 に 及 ん だ 事 が 特 色 で あ る。 之 も5 月 中旬 迄 の低 温 及 び7月 の 低 温 に起 因 す る と 思 わ れ る。 発 生 量 は著 し く多 くは無 か つ たこが 例 年 山 間 部 に 多 い の が秋 田,岩 手 で平 坦 部 全 般 に発 生 の 及 ん だ 事 は 本 年 の 氣 象特挫 と関 係が あ る も の と考 え られ る。 加 害 は岩 手 ・福 島 で 多 か つ た が 之 は発 生量 の稍 多 かつ た事 に も依 るが 福 島 で は 本 年 発 生遅 延 の爲 特 に幼 虫 の 本 田 持 越 量が 多 くな り防 除 に 困 難 を 生 じたこ事 が 大 き な 原 因 で あ つ た。 二 化螟 虫 は例 年 よ り発蛾 量 被 害 共 に 少 く 終 つ て い る。浮 塵 子類 も何 れ も不 活溌 に終 つ た 。 元 來 浮 塵 子 の発 生 に 就 て は諸 説 が あ るが ツ マ グ ロ ヨ コバ ヒに関 す る岡崎 氏 の 説 は 本 年 は合 致 し た よ うで あ る。 又 セ ジ ロ ウ ン カ に対 す る八 木 氏 の説 は本 年 発 生 の 著 し く少 か つ た 事 を説 明 す る の に は困 難 で あつ た 。 大 廿 八 瓢 虫 は 昭 和19年 山 形 ・福 島 で 発 生 が 多 かつ た の で本 年 越 冬 成 虫 の 出 現 に 注 意 され,両 縣 共 第1回 成 虫 は 稍 多 か つ た が 以 後 の 発 生 は低 調 に終 つ た。 黄 金 虫 幼 虫 が 岩 手 北 部 に於 て約1000町 歩 発 生 し稗 に 大 害 を 均 え た 事 は 本 年 注 目す べ き現 象 で あ つ た 。 尚 福 島 で は野鼠 に よ る麦 の被 害甚 大 で麦 不 作 の重 大 原 因 とな つ た が 之 は 根 雪 の 時 期 の 早 か つ た 事 と根 雪 日数 が 異 常 の 長期 に及 ん だ 爲 に駆 除 が 徹 底 しな かつ た爲 と 思 わ れ る。秋 田縣 に於 け る稻 葉 潜 蝿 の發生 と氣 象 に就 いて
柴 辻 鐵 太 郎 (秋 田縣 農事試 驗場) 稻 葉 潜 蝿 発 生 の 多 少並 び に最 盛 期 の 遅 速 に関 す る機 構 は 極 め て復 雑 で あ るが,当 場 の 調 査 成 績 に拠 れ ば氣 象 殊 に温 度 との 間 に 深 い 関 係 が あ る の を 認 めたこ。 1.1化 期成 蟲 発 生 の 多 少 との関 係 1化 期成 蟲 発 生 の 多 少 は 前年 に於 け る2化 期 及3化 期 の 繁 殖 生 育 期 間 の温 度 の 影 響 を 受 け る。 而 も この 温 度 は2化 期 は 最 高 温 度,3化 期 で は 最 高 及 最 低 と深 い 関 係 を 有 す ろ よ う で あ る。 即 ち 1)前 年2化 期 繁 殖 生 育 期 間 の最 高 氣 温 が 平 年 よ り高 い 場 合 は1化 期 の 発 生 少 く,反 対 に低 い 場 合 は発 生 が 増 大 す る。 2)前 年3化 期 繁 殖 生 育 期 間 に於 て 平 年 よ り最 高 氣 温 の 低 い 場 合 該期 間 の 成 蟲 発 生 が増 加 し繁 殖 す る が,最 低 氣 温 が 平 年 よ り も低 い と途 中 で 斃 死 又 は蛹 化 不 能 とな り繁 殖 が 逆 に削 減 す る。 從 つ て 前 年 に於 け る2化 並 び に3化 の繁 殖 生 育 の 温 度 條 件 に依 つ て翌 年 に於 け る1化 期 成 蟲 発 生 の 多 少 に 著 し く影 響 す るのが 認 め られ る。 從 つ て稻 藥 潜 蝿1化 期発 生 多 少 の予 察 上 に (1)2化 期 繁 殖 生 育 当 時 の 最 高 温 度,特 に そ の 極 致 並 び に 之 が 持続 日数(時 間) (2)3化 期 繁 殖 生 育 当 時 に於 け る最 高,最 低温 度 及 其 の 極 致 並 び に そ の 持 続 日数(時 間)較 差 以 上2項 の調 査 と各 期 の幼 蟲 生存 率,蛹 化 率 を 併 行 す る事 に依 り或 る程 度 予 察 もで き るの で は な い か と思 わ れ る。 2.2化 期 成 蟲発 生 の 多 少 との関 係 2化 期 成 蟲 の 発 生 多 少 に は氣 象 的影 響 の 深 い 関 係 を 認 め る事 は 出 來 な い。 之 は 該 期 の発 生 〓 関 係 あ る1化 期 に於 て 防 除 等 の 入 爲 的 処 置 が 関 与 す る と共 に1化 期 当 時 に於 け る温度 は 概 して 稻 葉 潜 蝿 の 適 温 範 囲 内 に あ るに依 る と も 考 え る。 唯1化 期 発 生 が 著 し く遅 延 す る時 は2化 期 成 蟲発 生 は 増 大 す る。 之 は1化 期 成 蟲 の 一 部 が2化 期 成 蟲 と共 に混 発 す る結 果 と思 わ れ る。 3.1化 成 蟲 の最 盛期 の 遅 速 に就 い て 1化 期 成 蟲 発 生 の最 盛 期 は融 雪 後 の 温 度 とは 多少 関 係 が あ る も,殊 に4月 及 び5月 中旬 迄 に 至 る平均 氣 温 と地 表 面 温 度 の影 響 を 受 け る もの と思 わ れ る。 即 ち平 均 氣 温 又 は地 表面 の 温 度 が 平 年 に比 し 高 温 な 時 は 出 現 日 も早 く,低 くな る に從 つ て遅 延 の 傾 向 を辿 る。 尚,こ の 最 盛 期 の出 現 遅 速 は 亦 苗 代 に初 発 蝿 の 出現 す る遅 速 と常 に正 比 例 的 な関 係 に あ る。稻 葉 潜 蝿 防 除 試 驗 に 就 て
工 藤 三 郎 (岩手縣農事試驗場) デ リス乳 剤撒布 に依 り本害虫防除効果 を驗 知 1.被 害調査 す るた め施 行 した もの で あ る。2,生 育 調 査 備 考1.区 制 及面 積 苗 代1坪,本田10坪 1区制 2.供 試 品 種 陸 羽132號 3.藥 剤 デ リス乳 荊1斗12匁 油 脂 展 着 剤5匁 加 用 考 察 氣 象 及 発 主 概 况 5月 上 旬 以 降8月 上 旬迄 の 苗 代 及 本 田 の氣 象 は 一般 に例 年 に比 べ て低 温 且 寡 照 で あ つ て 曇 天 の 日が つ ごいた 爲,稻 の 生 育 遅 々 と して 進 まず 甚 だ 不 良 で あつ た 。 そ して 本 害 虫 の 発 生 も例 年 に比 べ て 遅 く其 の 増 加 も緩 慢 な 傾 向 を示 し,一 化 期 及 び 二 化期 共 成 虫 発 生 最 盛 期 は 例 年 に 比 べ て1週 間 乃 至10日 間 遅 延 した が 発 生 量 は 殆 ん ど 差 が な く,稻 の 生 育 不 良 と相 俟 つ て一 層 減 収 を 招 來 せ しめ た 。 以 上 成績 を 通 覧 す る と3回 撒 布 は最 も良 好 で 2回 撒 布之 に次 ぎ1回 撒 布 は稍 々劣 つ て い る。 即 ち本 藥 剤 の 撒 布 に依 り加 害 を軽 減 し8月 に入 つ て 天 候 快 復 と共 に 其 の 生 育 も容 易 に立 直 り出 穗 期 及 成 熟 期 共 に 無 撒 布 区 に 比 し稍 々早 い の を 認 めた 。
二 化 螟 虫 越 冬 幼 虫 誘 殺 試 験 成 績 に 就 て
岡
崎
勝 太郎 ・冨
樫
萬
次 ・上
野
正
市
(山形縣立農事試験場庄丙分場)
二 化螟虫越 冬幼虫誘殺 に関 し昭和14年 には誘 殺 材料 の装置位置に関 す る試 験を,昭 和(5年 に は誘殺 材料の装置期 間 に関 す る試 験を夫 々委 託 試験 に依つ て行 い,昭 和16年以 降は試験場 内の 收納 舎 で誘殺材料 の装 置期間及 び装置時期 に関 す る試 験 を継続施行 中であ るが共の成績 の概要 は訳の通 りであ る。 誘 殺材 料の装置位 置は稻藁 を收納舎 内に堆積 した場合 も或は屋外 に堪積 した揚合 も堆 積 され た稻藁 の最上部 が最 も潜入虫数 が多 い。特 に屋 外堆積 の場合 は誘殺 材料を覆蓋 の外(上)に 装 置 す るの が良 い。誘 殺材料 め装置期間 に関 して は昭和15年 の委詫試 験の結 果では比較 的潜入虫 数 の 多 い場 所 で は 誘 殺 材 料 装 置後20日 乃 至35日 の 頃 潜 入 虫 数 が最 も多 くな り其 の後 は 潜 入 虫 数 が減 少 す る傾 向 が認 め られ た 。 試 験 場内 の收 納 舎 に 於 て 行 昭 和16,18,19年 の成 績 に於 て も同 機 の傾 向を 示 し,誘 殺 材 料 装 置 後 前 記 各 年 に 於 て 夫 た24日,35日,22日 目 の 調 査 の 時 潜 入 虫 数 は 最 も多 くな り其 の後 は 朗 か に減 少 の傾 向 を 示 した。 誘 殺 材 料 装 置 時 期 に 関 して は稻 藁 の 堆 積 と同 時 に誘 殺 材 料 を 装 置 す る の が最 も良 い が,'当 場 の收 納 舎 で調 査 した 結 果 に依 れ ば11月 中 旬 頃 迄 に 装 置 す れ ば 相 当 の 潛 入 虫 数 が 得 られ る。尚,同 時 に行 つ た 收 納 舎 内 の 氣 温 調 査 の結 果 に 依 れ ば 露氏10度 以 上 の 氣 温 が 保 持 され て居る 問 は 二 化螟 虫 の 幼 虫 は 誘 殺 材 料 に潛 入 す る様 で あ る。
稻 稈蝿被 害の品種間差異竝に縣内分布状况に就 て
岡 崎勝 太 郎 ・武 田 龜 太 郎 ・上 野 正 市 ・富 樫 萬 次 (山形縣農事試驗場) 稻 稈 蝿 被 害 の 品種 間 差 異 に関 し庄 内 分 場 に 於 て 昭和17年 よ り昭和20年 迄 四 ケ年 間 調 査 した が,本 縣 の 主 要 な る水 稻 品 種 の 傷 穗 率 を観 る と,昭 和17年 に は 山錦 の34.9%を 最 高,北 陸11 號 の3.8%を 最 低 と して21品 種 平 均14.7%,昭 和18年 は17品 種 平均4.7%,昭 和19年 は20品 種 平 均2.3%,昭 和20年 は21品 種 平 均1.1%と なつ て 居 るが比 較 的 傷 穗 率 の 高 い,山 錦,坊 主愛 國 早 生,久 兵 衛 早 生,大 國早 生,昭 和 二號,愛国1號 玉 の 非 ・ 陸 羽132號,尾 花 沢1號 等 は何 れ も其 の 両 親 或 は 租 父 母 の 何 れ かに 愛 國 を持 つ こ とは 今 後 の耐 虫 性 品 種 育 成 上 注 意 を 要 す る こ と で あ る。 次 に 縣 内 の 分 布状況 に 関 して は 昭 和17年 に 本 場(山 形 市)尾 花 沢 試 験 地(尾 花 沢 町)置 賜 分 場(宮 内町)に 於 て 調 査 を 行 つ た が,本 場 に 於 て は 傷穗 率 は 殆 ど零 に 近 く,尾 花 沢 試 驗 地 に 於 て は玉 の 井 の18.5%を 除 き他 は8%以 下,置 賜 分 場 に於 て は 麝 香糯 の12.5%を 除 き他 は何 れ ち10%以 下 に し て前 記庄 内 分 場 に於 け る穗 穗率 に比 較 すれ ば 著 し く低 率 で あ つ た 。 然 るに本 年 懸 内11ヶ 市 町 村 に 就 き傷 穗 率 を 調 査 した所,調 査 品種 及 び調 査 品 種 数 は必 ず し も一 定 で は な い が 郡 別 の 平 均 傷 穗 率 に 於 て,飽 海0.9%,東 田 川1.9,西 田 川3.9,最 上1.2,北 村 山0.3,西 村 山0.4,東 村 上0.2,南 村 山0.1,東 置 賜3.8,西 置 賜1.8%で 昭和17年 の 傷 穗 率 に比 較 して庄 内 地 方 は 其 の 減 少著 し く,其 の 他 の 地 方 は概 して 少 な い 。 傷 穗 率 の 年 別 及 び地 方 別 の 差 異が 果 し て何 に 原 因 す るか に 関 して は 今 後 檢 討 を加 え た い と思 う。大 豆
ク キ
タ マ バ
エ に 就 て
吉 田 恭 平 (岩手縣 農業 会)1.名 •Ì Plopherotella soya MOXZEN
と して 置 くが 尚 研 究 を 要 す る こ と と思 う。 2.本 懸 に 於 け る發 生 史 明 治24年7月(18 91年)東 磐 井 郡 大 原 町 字 内 野 地 内 の 大 豆 畑 に 其 起 原 を 発 す る。(本 地 域 は縣 南 部 に位 し養 蚕 地 帯 で桑 樹 の 間 作 大 豆 及 其 附 近 一 帯 な りき と) 3.本 邦 に 於 け る發 生 分 布1938年3月 の調 査 に依 れ ば,北 海 道,青 森,岩 手,宮 城,福 島, 山 形,栃 木,長 野,富 山,岡 山,佐 賀,長 崎 等 1道11懸,更 に 朝 鮮 に於 て は 京 畿 道,平 安 南 道 の2道 で あつ た 。 省 発 生疑 問 の 地 域 と して 秋 田,岐 阜 の2縣 で あ る。(故 小 島 銀 吉 氏大 正 12年2月,西 原 農 事 試 驗場 昆 虫 部 に 於 て 話 され た るは,明 治40年 頃 前2懸 に発 生,標 本 待 参 飼 育 せ る こ と あ り と) 4.發 生 地 帯 の 特 殊 環 境 由 來 本 虫 は,夏 期 陰 濕 の 年 次 に は 必 らず発 生 す る傾 向 が あ る。 随 つ て 大 豆 の草 勢 か ら云 えば,徒 長 発 育 を な す場 合 に其 発 生 が 甚 し い の で,夏 期 陰 欝 な地 域,換 言 す れ ば,山 間地 帯 に多 い所 謂 谿谷 畑 地,桑, 桐 等 の 間 作 栽 培 地 等 日照 の 少 な い地 域 及 場 所 等 は そ れ で あ る。 5.加 害 状 况7月 中下 旬 頃 よ り嫩 葉 の 申央 即 ち中葉 の 第1及 第2側 脉 の分 岐 部又 は 葉 脚 部 に
産卵 せ られ た もの は孵 化 して,該 部 か ら小 葉 柄 内 都 を 喰 害 し更 に葉 脚 部 を 通過 し葉柄 内 に 喰 入 す る。 其 爲 め8月 下 旬 頃 よ り被 害 葉 は 萎 稠 し遂 に 早 期 枯 死 を な す の であ る。 因 て種 実 及 莢 の発 育 は 擦 止 され る。 爲 めに 或 もの は 畸型 と な り幸 い 整 型 を保 つ も小 粒 と な る。斯 るが 故 に年 に依 て3-6割 減 收 と云 う事 も珍 し くな い。 又 早 期 発 生 の もの は,葉 柄 を 通 過 し更 に 葉 序 を 貫 通 し て 莖 内 に迄 潛 入 す る。 6.生 活 史 年 一回 の発 生 で あ るが 相 当 長 期 に亘 る。 成 虫 の 出 現 期 は7月 中 旬 か ち下 旬 の 上 半 は最 も多 い 。産 卵 粒 数 は早 期 の もの は6-7粒,最 盛 期 の もの は50粒 位で 初 論 其 以 上 の も の もあ る が それ は 比 較 的 少 な い 。 大 体30-35粒 で あ る。 幼 虫 は 秋 期 落 葉 後,葉 柄 か ら脱 出 して 土 中 に潛 入 し越冬繭 を 作る 。翌 初 夏 の頃 繭 よ り 脱 出 し地 表 に 於 て 蛹 化 す る。 7.防除 法 畦幅 を廣 く2尺3寸 ×1尺,揺 種 量 を減 じ1本 立 と して,徒 長 を 抑 制 し採 光 通 風 を 可 良 な ら しむ る こ と で あ る。 又 大 豆 收 獲 後 直 ち に 秋 耕 す る こ と も有 効 で あ る。
ダ イ ヅ サ ヤ タ マ バ ヘ 防 除 対 策 の考 察
田 村 市 太 郎 (群 馬縣 農事試驗場) 1.品 種 本 種 は産 卵 過 程 た る大 豆 の 終 花 期 前 援 即 ち子 房 形 態 を脱 しな い 頃 の莢 表 の 形 態 的 特 性 に よつ て左 右 され,無 毛 茸 莢 は有 毛 茸 莢 よ り も被 害 少 く,有 毛 茸 莢 で は毛 茸 多 く,長 く 且 直 立 して 生 え て い る もの に少 い が,こ れ は恐 ら く成 虫 の産 卵 感應 に よ る もの で あ ろ う。 2.栽 培環 境 一般 に 欝 閉 環 境 に 多 く,疎 散 環 境 に 少 い。 君藷 との 混 作又 は單 作 に よ る株 間 の 調 整 と被 害 との 試 驗 例 は 次 の如 くで あ る 。 3.産 卵 忌避 産 卵 忌 避 剤 に つ い て の試 驗 の 一 例 は次 表 の如 くで あつ て ,デ リス乳 剤 最 も よ く除 虫 菊 石 鹸之 に 亜 い で い る。 之等 の嚴 密 な駆虫機 構につ いては尚判明 しな いが,唯,之 等 の中石灰硫 黄合 剤の如 く散布後 強 臭 を発 す る もの は,こ れ を1畦 置 き に 撒 布 して み る と加 害 虫 数 が 頗 る攪 乱 され る。 これ は本 剤 の臭 氣 が遊 離 ガ スか 何 等 か の忌 避 性 ガ ス体 に対 して 成 虫 が反 應 す る結 果 と判 断 で き よ う。 な お,別 の 試 驗 の結 果 か ら撤 布 時 期 は 開花 期(4.50%開 花 した株 が 全 畑 の4.50%を 占 め る状 態 の 時 期)前 後 が最 も 有 効 の よ う に考 え られ る。(講 演 な し)稗 作 に著害 を 輿 え し金 龜子 幼 蟲 に關 す る観 察 二,三
菅
原
寛
夫
(岩 手縣 農事試験場) 昭 和20年,岩 手 懸 々北 地 帯 特 に 二 戸,九戸 岩手 の三郡下 の稗作 に,金 竈 子の幼虫 が大発 生し,收穫 皆 無 の 地 域 や代 作 を した 地 域 が尠 な か らず あつ た 。 筆 者 は10月 以 降 再 三被 害 地 の 幼 虫 調 査 を行 つ た 。茲 で は,輪 作 を 以 て 防 除 対 策 を な す場 合 の 参考 事 項 二,三 に つい て述べ る。 1. 被 害 跡 地 よ り採 集 し得 た 金 龜 子 幼 虫 は,殆 ん ど大 部 分 が,ヒ メ コ ガ ネで あつ た。 他 に,マ メ コガ ネ,ス ヂ コガ ネ,ヒ メサ ク ラ コガ ネと認 む べ き種 類 も採 集 し得 た。 又 他 に,、ビ ロ ウ ド コ ガ ネ,ヒ メ ビ ロ ウ ド コガ ネ,ナ ラ ノ チ ヤ イ ロ コ ガ ネの 成 虫 も得 た 。 然 し ヒメ コガ ネ以 外 は,何 れ も個 体 数 が 極 め て 少 な く,從 つ て ヒメ コガ ネ の み を 対 象 と して 防 除 対 策 を進 あ て も大 過 な き もの と 思 わ れ た 。 2. 10月 よ り12月 に至 る期 間 に於 て は,小 形 の1∼2令 幼 虫 と殆 ん ど老 熟 に 近 い老 令 幼 虫 と で,前 者 は 当 年 幼 虫(翌 年 加 害 す る幼 虫),後 者 は2年 幼 虫(今 年 加 害 し た幼 虫)と 思 わ れ る。 10月の 調 査 に依 れ ば,当 年 幼 虫 は,地 下1寸 前 後 の 地 表 面 近 くに 多 く,5寸 以 下 には 極 く稀 れ で あつ た 。 しか し2年 幼 虫 は4-5寸 の深 所 に あ る もの が 多 く,両 者 の地 中 棲 息 位 置 は,自 づ か ら異 なつ て い た 。11月 末 よ り12月 に亘 る調 査 に依 れ ば,当 年 幼 虫 は 少 し下 降 して3-5寸 の 位 置 に 多 い が,2年 幼 虫 は5-6寸 の 位 置 に 多 い 。 即 ち越 冬 は2年 幼 虫 は 当 年幼 虫 よ り深 所 で な され るの で は な い か と 思 わ れ る。 3. 当 年 幼 虫 と2年 幼 虫 との 棲 息 密 度(個 体 数)は そ の場 所 に依 つて 著 し く差 異 が あ つ た。 次 に そ の観 察例 を述 べ る。 例(1)被 害 激 しい 稗 を 早 期(7月 上 旬)に拔 取 り,跡 地 は代 作 せ ず そ の まゝ 放 置 した畑 に 於 て は(畑 面 積2畝 歩,調 査 面 積 約8坪)2年 幼 虫1尺 平 方 約3頭 を 数 えた が,当 年 幼 虫 は 皆 無 で つ た。尚 土 質 が 殆 ん ど同 じ隣 接 畑(麦 間 作 大 豆畑 跡)で は,多 数 の 当年 幼 虫 を2年 幼 虫 と の 其 に認 め得 た 。(九 戸 郡 晴 山村), 例(2)被 害 稗 を拔 取 り蕎 を 代 作 し た畑 に 於 て は,2年 幼 虫 は 多 数 認 め られ たが,当 年 幼 虫 は 何 処 で も僅 少 で あ つ た 。(九 戸 郡軽 米 町,晴 山 村,二 戸 郡 斗 米 村,其 他 数 ケ所) 例(3)被 害 の程 度 の 激 し くな い稗 畑跡 地 に於 ては,当 年 幼 虫 が2年 幼 虫 と 略 々同 数 か又 は そ れ よ り多 かつ た 。(九 戸,二 戸,岩 手 郡 下 各 地) 以 上 を 要 約 すれ ば,例(1)は そ の 産 卵 期 に於 て空畑 な るが た め に,例(2)は 該 期 に 未 だ 作物 生長 せ ず 産 卵 に は環 境 不適 の た め,例(3)は 作 物繁 茂 し産 卵 環 境 が 適 当 な た め に,当 年 幼 虫 は 例(1)に 見 られ ず 例(2)に 少 な く例(3)に 多 い と云 う結 果 に な つ て い るの で は あ る ま い か 。 然 し,九 戸,二 戸 郡 下 各 地 で,大 豆跡 の 稗 作 に は被 害 激 しい個 所 が 多 い の に 反 し,前 年 蕎 麦 を植 え た跡 の 稗 作 に は被 害 の あ つ た個 所 が 殆 ん ど認 め られ な かつ た 。 之 れ は 金 竈 子 成 虫 の その 作 物 に対 す る嗜 好 の 差 に依 る もの と も考 え られ る。 4. ヒメ コガ ネの 生 活 環 は,本縣 に 於 て は 未 だ詳 細 な 調 査 が な い ガ, .筆者 の 之 れ 迄 の 観 察 に依 れ ば,恐 ら く一 生 活環2ケ 年(足 掛3年)を 要 す る もの が大 部 分 で あ る樣 に 思 わ れ る。 そ し て 最 も被 害 を 与 え る時 期 は,2齢 乃 至3齢 期 で 極 く若 齢 幼 虫 及 び 老 熟 幼 虫 は,加 害 が 少 い もの ゝ樣で あ る。 之 れ か ら見 て,本 縣 で は,.前 年孵 化 した幼 虫(2年 幼 虫)の6・7月 頃 の 加 害 が 最 も 激 しい もの で,そ の2年 幼 虫 も,8月 以 降 は恐 れ るに及 ぼ な い と考 え られ る。從 つ て,幼 虫 の 被 害 を 回 避 しよ う と す る に は此 の2年 幼 虫 の こ の 時 期 の み を 限 定 して対 策 を講 じて も大 過 な い もの と恩 わ れ る。 岩 手縣 の 場 合 の よ うに,本 害 虫 が 稗 作 に この よ うな 著 しい害 を与 え た 例 は他 に 余 り聞 か な い し,そ の対 策 も未 だ 確 立 せ られ て は い な い。 特 に そ の輪 作 に 依 る被 害回 避 は本縣 独 自の 立 場 か ら講 じて行 か ね ば な らな い 。
エ ン マ コホ ロ ギ の 晩 秋 に於 け る 活 動
山 下 善 平 (農林 省農事試驗場東北支場) 晩 秋 に於 け る ニ シ マ コホ ロ ギの 活 動 と環境 因 子 との関 係 を知 る爲 に,昭 和20年10月 中 旬 か ら 11月 初 旬 に か けて 農林 省農 事 試 驗 場 東 北 支場 内 の 圃場 で実 験 を行 つ た。 活 動 の指 標 と して は, 地 表 出 現 個 体 数,攝食 ・交 尾 ・産 卵 ・移 動 等 の 行 動,1分 間 の 鳴音 数 に着 目 し環 境 要 素 と して は 氣 温,濕 度,日 射,照 度,蒸 発 量,雲,風 等 を 観 測 した。 そ の結 果,此 の 頃 の 活 動 は 主 と し て 書 間 で先 づ 朝 は 低 温抑制 の 解 消 に依 つ て 棲 息 穴 か ら地 表 へ の 移 動 が 起 り,次 い で温 度 の 上 昇 と共 に 活 動 も落 發 と な り,攝食,産 卵,交 尾, 移 動 が 旺 と な る。 然 し交 尾,産 卵 等 の 爲 に 再 び 棲 息 穴 へ 戻 る もの が多 くな るの で,地 表 出現 偶 体 数 は減 少 す る。 從 つ て 生 殖 話 動 の指 標 と して の1分 間 の 鳴 音数 は 地 表 出現 個 体 数 の 清 長 よ り 稍 選 れ て,盛 衰 を 示 し之 は 棲 穴 の 温 度 と一 致 す る。 夕刻 に は 地 表 に 居 る個 体 は 殆 ど な くな り, 鳴 音 数 も温 度 の 低下 と共 に 減 少 し其 他 の 活 動 も 不 活 發 と な る。 之 等 の 活 動 に 最 も深 い 関 係 を 有 す るの は,温 度 で あつ て,照 度 は余 り関 係 が な い もの と思 わ て る。秋 田 縣 の 昆 虫相
に 就 い て
矢
部
長
順
(秋 田縣農事試 驗場) 秋 田 縣 の普 通 農 作 物 害 虫 の 分 布 状况 に 就 き, 縣 下 の 氣 象 状况 及 び過 去 の 多発 生 記 録 等 を も参 考 に 述 べ る 。 そ の 中特 に 注 意 す べ き二,三 害 虫 に就 い て弦 に記 述 す る。 稻 作 害 虫 と して は 稻 葉 潜 蝿 と泥 費 虫 が そ の発 生 量絶 対 に 多 く,背 白浮 塵 子 も昭 和19年 の如 き は 相 当 大 被 害 を及 ぼ した 。 二化螟 虫 は 大 舘 に 於 て は 殆 ど一 化 性 で あ り,二 化性 の個 体 は極 く一 部 と見做 す べ きで あ ろ う。 其 の 他 の 地 方 に 於 け る一 化性 の場 所 は今 の処明 かで な い。 ネ ソ ミ ド リウ ン カが相 当量 稻 に 加 害 して い る。 ツマ グ ロ ヨ コバ ヒは能 代 市 附 近 迄 分 布 して い るが こて が 恐 ら く日本 内地 に於 け る分 布 北 限 で は な か ろ う か と悪 う。同 議 能 代 市 附 近 を分 布 北 限 とす る も の に 瓜 守 が あ る。 これ も注 目す べ き ものゝ 一 つ で あ ろ う。 畑 作 害 虫 と して は ウ リハ ムシ モ ド キの害 大 き く又 針 金 虫 の害 も大 きい 。 針 金 虫 は 調 査 未 了 で あ るが マ ダ ラ チ ビ コ メ ツ キで ば な い か と思 う。 大 豆 の 心 喰 虫 は ア ヅ キサ ヤ ム シか と思 つ て い る が 葉 山 氏 の 意 見 では 左 に あ らず との こ と で あ る。 大 豆 と して は フタ スヂ ハ ム シは相 当 発 生 す る も同時 に ヒメ キバ ネサ ル ハ ム シ も場 所 に よ り 前 者 と 同量 程 発 生 す る時 が あ り,小 豆 に殊 に多 い(大 舘)場 合 が あ る。 大根 の発 芽 当 時 の キ スヂ ノ ミム シは 大 害 虫 と して任 意 す べ き も,本 縣 に 於 て は 馬 鈴 薯 の 跡 作 とす る爲 萎 縮 病 傳 播 者 と して の モヽンア カアブ ラ ム シは 注 意 せ ね ば な らぬ 。畑 作 と して は大 二 十 八 星 瓢蟲,蕪菁 夜 蛾,夜 盗 蛾,こ ほ ろ ぎ,牙蟲 類 等 は各 縣 に存 す る もの な が らや は り全 懸 的 に 大 害 を して い る。野 鼠 駆 除 用 錠 剤 其 他 に 就 て
川 島 耕 一 (農林 省農事試驗場東北支場盛岡試 驗地) 1.野 鼠驅 除 用 錠 剤 最 近 各地 に於 て 野 鼠 の被 害 著 増 の 傾向 あ り。 然 るに,之 が 駆 除 用 野 鼠 窒 扶 斯 菌 の輸 送 に 必 要 な る容 器(ビ ー ル 瓶 類)の 入手 至 難 な た め に, 駆 除 に支 障 を來 た せ る処 尠 か らず。 更 に他の 方 法 を講 ぜ ん に も,代用 品 も亦 容 易 に得 難 き結 果, 止 む を 得 ず容 器 の バ ー タ ー制 を採 用 せ る向 もあ り。斯 る際,帝 室 林 野 局 林 業 試 驗 場 に 於 ては, 駆 除 用錠 剤 を 考 案 し管 下 山 林 内 の 野 鼠 を 駆 除 し つ ゝあ り。 之 が 実 績 に 依 つ て は 從 來 の駆 除 法 に 比 し輸 送 並 に毒 團 子 調 製 其 他 の 作 業 も大 い に簡 易 化 され 労 力 も著 し く省 略 さる ゝが故 に,駆 除 上 至 極便 利 な り。 依 て 同場 に て 調 査 せ し概 略 を 述 べ,將 來 斯 種 新 考 案 の 出 現 を 期 待 しそ の参 考 に 資 せ ん と す 。 從 來 同 場 の 成 績 に よれ ば,野 鼠 窒 扶 斯 菌 の液 体 培 養 に よ る駆 除 効 果 は 余 り顯 著 な らず,依 て 予 め 菌 の毒 力 を 増 強 せ る生 菌 を使 用 し,駆 除 効 果 を 挙 げ ん が爲 に,本 剤 を 考 案 せ り。 調 製 法 次 の 如 し。 該 菌 は グ ニ ス氏 菌(注 射2回 添 食5回 後)を 使 用 し,斜 面 培 養 を蒸 溜 水 に て洗 滌 し,遠 心 分 離 器 に て 沈 澱 せ し め て添 加 す 。 錠 剤1個 の 重 量 は3.5瓦,有 効 期 間 は約1ケ 月,山 林1反 歩 当 り使 用 量 は300個 な り。 尚 お 同 場 の試 驗 に よれ ば,供 試 錠 剤 の約7割 は 野 鼠(主 と して ア カ ネ ズ ミ)に 喰 盡 さ る る 由 な り。 2.コ ガ ネ ム シ の 寄 生 菌 に 就 て 本 年 岩手 縣 下 に コ ガ ネ ム シの大 発 生 あ り。 特 に大 豆 の後 作 た る稗 及 粟 等 の 被害 著 し く,所 に よ り全 滅 の惨 状 を 呈 せ り。 之 が駆 除 に 就 きて長 谷 川,小 山 両 氏 のIsaria Kogane菌 を 利 用 せ る報 告 あ り。 概 述 すれ ば,次 の如 し。 本 菌 は 其 性 状 既 知 の イ サ リヤ属 菌 の 何 れ に も 合 致 せ ず(新 種),土 壌 中 の コガ ネ ム シの 幼 蟲 に は皆 寄生 し,之 を 斃 死 せ しむ る も,人 畜,作 物 及 び家 蚕 に は何 等 被 害 な し。又 各 種 物 質 に培 養 せ らる ゝも,作 物 に対 す る肥 効,菌 の 保 存 及 び 経 済 的 見 地 よ り培 養 基 と して は 蚕蛹 を 最 良 と す 。 但 しア オ カ ビ及 馬 鈴 薯 菌 は,発 育 を 阻 害 す。 本 菌 の施 用 時 期 は コガ ネ ム シの 孵化 期 に 胞 子 の 形 成(春 季 よ り秋 季 迄 は 施用 後 約1ケ 月) さ る ゝ様 に施 用 す れ ば 最 効 果 あ り。 害 蟲 の経 過 習 性 の不 明 な る場 合 は,秋 季 に 予 め施 用 す。 培 養 蛹 の施 用 量 は,反 当10貫(風 乾 物)を 標 準 と す 。 化 学 肥 料 との 混 用 及 日光 の直 射 は 避 く べ し。(詳 細 は 次 の 文 献参 照) 文 献 長 谷 川孝 三 ・小 山良 之 助 昭 和12年 森 林 害 虫 の病 源 に関 す る調 査 並 に 應 用 的 價 値 に就 て (帝 室 林 野 局林 業 試 驗 場 報告3, 3) ― 昭 和16年 森 林 害 虫 の生 物学 的 駆 除 特 に寄 生 虫傳 染 性 病 原 体 の應 用 に 関 す る研 究 (同 報 告4, 3) ―昭 和13年 病 原 体 應 用 コ ガ ネ ム シ駆 除 法 (新 農 業 第15號)冬 季 麥 畑 の草 間温 と氣温 に よる温 度型 につ い て
田
村
布 太 郎
(群 馬縣農事試驗場) 液体 寒 暖 計(ア ル コ ール)に よ り 麦 畑 氣 温 (100cm)と 草 間 温(麦 株 内 の 温 度 ・2cm高)との総 合 推 移 を考 察する と, 次 のや うな結果 が 得 ら れた. 晴 天 型(一 例) 日 中は 草 間 温 高 く, 日 入 よ り 約4時 間 で 気 温 草 間 温は交 る (降 温 交 叉 点)が, 結霜直前 に至 る と再び交 叉す る点 (結 霜 交 温 点)が あ る。か く し て, 氣 温は更 に過 冷却 曲線 を 辿 るか, 結霜期 に 於 て は 両線共 急 上 昇 を示 す そ 後, 再び 降温曲 線 を 画 き, 日出 直 前 か ら 上 昇 を 始め,霜が融けかゝ ると両 線は交 る(融 霜 交温点) し かし, 更 に1∼2 時間後 には再 び両 温 度 曲線 は交 叉 する点 (昇 温 交 叉 点)を 示 し, その 後 は書型 の 温度 配置 を示 して く る。 日 入 よ り 日 出 この 放熱降 温領 域 に 於 て は, 日 入 よ り 降温 交叉点潔まで 至 る時間的推移範 囲を保熱範 囲 となる ベき で あ ろ う。 曇 天 型(一 例)曇 天 の場 合 に は 日 中は 晴 天 と は 逆 に草 間 温 よ り も低 い 。 そ して 日入 推 定 点 よ り4∼5時 間 に して 両 温 度 曲線 は 交 つ て 直 に結 霜 して この 交 叉 が結 霜交 温 点 な る こ とを 示 す 。 か くして夜間 の温度変 異は晴天 の場合 に比 べ ると 変 異 は 少 い 。 日出 推 定 点 よ り温 度 は 昇 り始 め程 な く,両 線 は交 り融 霜 を 見,こ れ が 融 霜 交 温 点 で あ る こ とを 示 す 。 即 ち曇 天 の 特 徴 は草 間 温 の 低 い こ と と,降 温 交 叉 点 及 び 昇 温 交 叉 点 の な い こ とを 掲 げ られ よ う。 因 み に 上 記 調 査 は 標 高500∼800mの 高 冷 地帶 に 於 け る調 査 で あ つ て,調 査 の 温 度範 囲 は 晴 天 型 で は6℃ か ら-7℃,曇 天 型 で は25℃ か ら -22℃ で あ つ た 。