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Academic year: 2021

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博 士 ( 薬 学 ) 市 川    聡

     学位論文題名

ヨウ化サマリウムによるアルドール型C ―グリコシル    化 反応 を鍵 反応 とす るヌク レオ シド 系抗生物質     HerbicidinB の 全 合 成 及 び そ の 展 開

学位論文内容の要旨

1ユLよじ堕!三

  Hertlicidm類は三共株式会社の農業研究グループによりSf卩P加F館s昭釦0n印sむから単離されたヌクレオ シド系抗生物質 であり、双胚葉植 物の生育を選択的 に阻害するうえに、 イネの枯れ葉病の 原因菌である Xむmomon笛。′)伽eの増殖を抑制するため、除草剤として有望な化合物である。これらの化合物は、核酸塩 基としてアデニン環が、ll炭糖であるウンデコースとA巳グルコシル結合している。このll炭糖部は7 位か ら連続する4つの置換基がaxial位に配置し、分子内ヘミケタール構造を含む三環性紅伽opyranopyra弛骨格を 形成する特異な 構造を有している。その特異な構造から現在まで4つのグルーブによってその合成研究が行 わ れ て い る が 合 成 上 の 問 題 点 が あ る た め 、 未 だ そ の 全 合 成 は 達 成 さ れ て い な い 。   筆者は、興味 深い構造を有するうえに、これまで合成が困難であったHcrbicidm類の全合成を行うことを 目的とし、HerbiddinBを全合成標的に設定した。その研究過程において温和な条件下で反応が進行するヨウ 化サマリウムに よるアルドール型c―グリコシル化反応を開発し、これを用いてHcrbicidmBの全合成を行つ

2ユ金成註画

  Herbicidn類を合成するには、2゜ウ口ースを用いた5 位、6 位間におけるアルドール反応を利用するのが現 時点では最も効率的であると考えられる。これを達成するには、ヌクレオシド‐5..アルデヒド誘導体が耐えう る温和なアルドール反応を開発することが必要とされる。アノマー位を活性化した2−ウロースをエノラート 源として、さらに酸性および塩基性条件において非常に不安定なキシロシルアデニン‐5.‐アルデヒド誘導体を 基質として用いるこ とができるアルド ール反応を開発す ることができれば、 これを鍵反応として簡便に herbicidnBの全合成ができると考えた。2−ウロースとキシロシルアデニン−5.−アルデヒドはそれぞれ安価に入 手できるD‑グルコースとアデノシンから調製することにした。(Fig.2)

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  ヨ ウ化サマルウムはa‑ヘテロ置換ケトンに対して二電子還元を行った後、a位ヘテ口置換基を還元するこ とが知られている。

  筆者は、ヨウ化サマリウムによるa.ヘテロ置換ケトンの還元によって生成するサマリウムエノラートを用 い、 アクセプターとしてのカルボニル化合物と反応させることで本研究で目的としたアルドール反応を開発 できると考えた。すなわち、1.置換‑2‑ウ口一スをヨウ化サマリウムで還元することでサマリウムエノラート を発生させ、カルボニル化合物との間でアルド―ル型c゛グリコシル化反応を行い、2一ケト‑C‑グリコシドを得 るものである。

まずエ丿ラートァニオン源の探索を検討した。その結果、1_フェニルチオ体.2ーウロースを用いた場合に良好 な結果が得られ、2当量のヨウ化サマリウムのTHF溶液に対して室温で、1―フェニルチオ体‑2‑ウロースのTHF 溶液を滴下した後、シクロヘキサノンをアクセプターとして同温度下にて滴下したところ、c一グリコシドを 収率87ゲ。、a′B選択比79/21で与えた。

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  エノラートアニオン源となる3,4‑位にTIPDS基を有し、6位がメチルエステルされた1.フウニルチオ‑2‑ウ ロースはD‑グルコースを出発原料として9工程で得た。アクセプターとなるキシロシルアデニン−5 ‐アルデヒ

(2)

ド 体はア デノ シンを 出発 原料と して8工程で 得た 。

  ヨ ウ 化サ マ ル ウ ム のTHF溶 液に1‐フ ウ ニル チオ‑2‑ウ口ー スのTHF溶液 を‑78℃ におい て滴 下後、5.. アル デ ヒ ド 体 のTHF溶液 を 同 温 度 下 に て 滴下 し た 。 そ の 結 果、 目 的 と す る ウ ンデ コ ー ス ヌ ヶ レ オ シド で あ るア ルド ー ル 成 績 体 が収 率75% 、 ジア ス テ レ オ 選 択 比79:21で 得 ら れ た。 こ の よ う に ヨ ウ 化サ マ リ ウ ム を 用 いたア ル ド ー ル 型c・ グ リ コシ ル 化 反 応 は ヌ ク レオ シド5. アル デヒド 体の ような 化学 的に非 常に 不安定 な化 合物を 基質 と して有 効に 用いる こと ができ るこ とが示 され た。

  次 に 、得 ら れ た ア ル ド ール 成 績 体 を 分 子 内塩 で あ るBurgess塩 で 処 理 し た とこ ろ 、 目 的 と す るエ ノ ン体 が 得 ら れ た 。 続い て 、 こ の 化 合 物の 接 触 還 元 を 行 った と こ ろ6.位 の立 体配置 はherbicidmBの立 体配 置とは 逆の 立 体 配 置 を 有す る 還 元 体 が 得 られ た 。 こ こ で 、 脱保 護 の 際 、 あ る い は脱 保 護 に より得 られ る環化 体の 異性化 反 応 に よ り6. 位 が天 然 型 で あ るa配 置 に 、 すな わ ちherbicidmBへ 収 束 す る こ とを 期待し て、N.6位 &基お よ び8 、9 位のT卩DS基 を脱 保護し たと ころhe巾icidinBとは6 位の里った配置のみが異なる6 ーePthe巾icidmBが 得 ら れ た 。 この6 ‐ 印 トhaもiddnBをhe巾iddneBに異 性 化 す べ く 種 々検 討 を 行 った が、い ずれ の場合 も全 く 異 性 化 は 観 察さ れ な かっ た。ま た、 分子動 力学 計算に よる エネル ギー 計算を 行っ た結果 、6. ‐甲jーhaもiddnB の ほ う が 約3Kc刈mol安 定 で あ る こ とが 示 唆 さ れ た 。 こ れら 結 果 よ り 、6 。cpLherbiddinBはhcrbicidmBよ り も 熱 力 学 的 に 安 定 な 化 合物 で あ る こ と が 考え ら れ 、 当 初 期 待 した 異 性 化 は 困 難 であ る こ と が 示 唆 され た 。

亘ユ 生空里 ニ墨 部ヨZZ主嵳二2呈Z蛮 ゴヒ 主捌目LなHerbicidin旦Q全金底

  以上 の 結 果 よ り 、herbicidnBの 合 成を 達 成 す る た め には 、 脱 保護に よる 環化の 前段 階で6 位の 立体を あら か じ め 天然 型 で あ るa配 置 と し て 構築 す る 必 要 が あ ると 考 え ら れる 。接触 還元 におい て基 質とし て用 いたエ 丿 ン 体 の6.‑10'位 の6員 環 部 は9 位 が ピラ ノー ス環 のp面 に突出 した ハーフ チェ アー型 コン ホメー ショ ンを優 位 に と っ てい る こ と が 示 唆 され る 。 こ の コ ン ホメ ー シ ョ ン に お いて接 触還 元の際 、9. 位の 水素原 子と 試薬と の 間 に 立 体障 害 が 生 じ る た め、 エ ノ ン のa面 か ら 水 素 添加 し た 結 果 、p体 を 選 択 的に 与え たと 考えら れる 。目的 と す る6.a体 を 得 る には 水 素 添 加 の 方 向を 逆 転 し た 、 す な わち エノ ンのp面 から 反応を 進行 させる か、 望みと す る 還 元体 の6.a体 の5 位 炭素 置 換 基 が エカト リア ル位に 配向 するよ うに6員環部 コン フォメ ーシ ョンを 変化 させ る必要 があ る。

  筆 者は、 エノ ン体の8.位 およ び9.位 各々 に立体 的に 嵩高い 保護 基を導 入す ること で8. 位お よび9. 位置 換基 を ア キ シャ ル 位 に 固 定 し 、6員 環 部の コ ン フ ォ メ ー ショ ン 変 化 を ひ き 起こ す こ と で 、 接 触 還元 に お け る立 体 選択 性を制 御す ること とし た。

ひ グ ル ク口 ノ ラ ク ト ン を 出発 原 料 と し て 、TBS、TIPS、TBDPS基 を8 、9‐位 にそ れぞれ 有す る1‐フ ェニ ルチ オ‑2‑ウ 口ー ス を 調 製 し 、 さ きと 同 様 に し て エ ノン 体 を 合 成 し た 。エ ノ ン 体 の6員 環 部 はo.8'B型 の コ ンホ メ ー シ ョ ンで あ る こ と が 示 唆さ れ た 。 こ の よ うな エ ノ ン に 対 し て接触 還元 を行な った 場合、9.位 置換 基が立 体 的 に 嵩 高く 、 エ ノ ン の エ ンド 面 か ら の 水 素 添加 が 妨 げ ら れ る た め、 よ り 立 体 障 害の 小さ いと考 えら れるエ ノ ン の エ キソ 面 か ら 水 素 添 加が 有 利 に 進 行 す ると 考 え ら れ 、 そ の 結果 、 望 み と す る6 a体を あたえ るこ とが期 待 さ れ る 。 各 種 エ ノ ン に 対 す る 接 触 還 元を 検 討 し た 。 ま ず、 ジ‑TIPS体 お よび 、 シ‑TBDPS体 に つ い ては 還 元 反 応 が進 行 し な か っ た 。こ れ に 対 し て ジ‑1BS体 は メ タノ ー ル 中 、 バ ラ ジウ ム 炭 素触 媒下、 ギ酸 アンモ ニウ ムを 水素源 とす ること で反 応が進 行し 、a′B亅二ヒ3′1で 、予想通り、6 屯体を優先して与えていることが明かと な っ た 。こ の 化 合 物 を 、 引き 続 き 、 眦 基 、TBS基を 除 去 す る こ と で、hcrbicidinBに誘導 する ことが でき た。

し か し 、TIPS、TBDPS保 護 さ れ た エ 丿ン 体 は 各 種 条 件 に対 し 比 較 的 安 定 で あっ た の に 対 し 、TBS保護 さ れ た エ ノ ン 体は 化 学 的 に 安 定 では な く 、 接 触 還 元反 応 の 際 に 分 解 し て未 同 定 の 副 生 成物 を与 えるた め、 その収 率 は3工 程で5%と低 いも のであ った 。

  そこ で 、 コ ン フ ォ メー シ ョ ン の 変 化 と接 触 還 元 の 際 の 試 薬の 接 近 を 妨 げ ず 、か っあ る程 度の安 定性 を有す るエノン体として、8 .nSう ‐TBDPS体を設定した。同様にして合成した8 丿rBS‐9.―TBDPS−エノン体の接触還 元 反 応 を行 な っ た と こ ろ 、や は り 、 基 質 の 分解 が 起 き る も の の、立 体選 択性に つい ては完 璧なd選択 性をあ た え 、 さ らに 脱 保 護 す る こ とに よ りherbidd洫Bを31% の 収 率 で得 るこ とがで きた 。Hc由icidinBの 天然由 来お よ び 合 成 品 の1トn偲 ス ベ ク ト ル 、 質 量 分 析 等 に よ る 各 種 機 器 デ ー タ は 標 品 の そ れ と ー 致 し た 。   以上 のよ うに、 キシ ロシル アデ ニン.5 . アル デヒド 体を 基質と して 、ヨウ 化サ マリウ ムによるアルドール型 c一 グ リ コ シ ル化 反 応 を 用 い 、 ウ ンデ コ ー ス ヌ ク レ オシ ド を 合 成し た。さ らに 糖部水 酸基 に嵩高 い保 護基を 導 入 す る こと で コ ン フ ォ メ ーシ ョ ン を 制 御 し 、立 体 選 択 的 に 接 触 還元 を 行 な う こ とで 、ヌ クレオ シド 系抗生 物 質hc宀icidinBの 初の 全合成 を達 成した 。

(3)

学位論文審査の要旨 主査    教授    松田    彰 副査    教授    橋本俊一 副査   助教授   中島   誠 副査    講師    南川典昭

     学位論文題名

ヨウ化サマリウムによるアルドール型C ―グリコシル    化 反応 を 鍵 反応と するヌク レオシド 系抗生物 質     HerbicidinB の 全 合 成 及 び そ の 展 開

  Herbicidin 類 は 三 共 株 式 会 社 に よ り Streptmyces sa 鈩 n 〇 n 卸 蝣 か ら 単 離 さ れ た ヌ ク レ オ シ ド 系 抗 生 物 質 で あ り 、 核 酸 塩 基 と し て ア デ ニ ン 塩 基 と 三 環 性 furanopyranopyrane 骨 格 を 形 成 す る 11 炭 糖 か ら な る 特 異 な 構 造 を 有 し て い る 。 現 在 ま で 4 つ の グ ル ー プ に よ っ て そ の 合 成 研 究 が 行 わ れ て い る も の の 、 未 だ そ の 全 合 成 は 達 成 さ れ て い な い 。 申 請 者 は 、 hemicidinB の 全 合 成 を 行 う こ と を 目 的 と し た 。 そ の 研 究 過 程 に お い て 温 和 な 条 件 下 で 反 応 が 進 行 す る ヨ ウ 化 サ マ リ ウ ム に よ る ア ル ド ー ル 型 C − グ リ コ シ ル 化 反 応 を 開 発 し た 。 さ ら に そ の 展 開 と し て 、 開 発 し た ア ル ド ー ル 型 反 応 を 用 い て 有 望 な 糖 鎖 合 成 阻 害 剤 の 合 成 研 究 を 行 っ た 。

1 、 HerbicidinB の 全 合 成

   合成 法に は、 1 ― 置換‑methyl ー2 −ulos ーD −glucronate とN6 −benzoyl ー9 ―(3‑O‑tert‑

butyldimetylsily −2 −O‑methyl‑D −xyofuranos ―5 −urosyl)adenine (1 ) ̄を用いた5 位、

6 位 間 に お け る ア ル ド ー ル 反 応 を 鍵 反 応 と し た 。 こ れ を 達 成 す る に は 、 1 が

分 解 さ れ な い よ う な 温 和 な ア ル ド ー ル 反 応 を 開 発 す る こ と が 必 要 と さ れ る 。

   ヨ ウ 化 サ マ リ ウ ム は a ― ヘ テ ロ 置 換 ケ ト ン に 対 し て ニ 電 子 還 元 を 行 っ た 後 、

a 位 ヘ テ ロ 置 換 基 を 還 元 す る こ と が 知 ら れ て い る 。 こ の 際 生 成 す る エ ノ ラ ー

ト ア ニ オ ン を 利 用 す る こ と と し 、 ま ず モ デ ル 実 験 を 行 っ た 。 そ の 結 果 、

3 , 4 , 6 − ト リベ ンジ ル― 1 − フェ ニル チ オ― 2 ― ウロ ース を用 いて ヨ ウ化 サマ リウ ム と

処 理 し た 場 合 に 良 好 な 結 果 が 得 ら れ 、 種 々 の カ ル ボ ニ ル 化 合 物 と 反 応 す る こ

と で 、 目 的 と す る C ・ グ リ コ シ ド を 良 好 な 収 率 で 与 え る こ と を 明 ら か に し た 。

   化 合 物 1 は ア デ ノ シ ン を 出 発 原 料 と し て 8 工 程 で 得 た 。 エ ノ ラ ー ト ア ニ オ

ン源となるmethyl‑3 ,4 .0‑(1 ,1 ,3 ,3 ,−tetraisopropyl‑l ,3 − disiloxanediyl) −1 −

(4)

phenylthio‑2−ulos‑p‑Dーglucronate(2) はDグ ル コ ー ス を 出 発 原 料 と し て9工 程 で 得 た 。 1と2を 用 い て ヨ ウ 化 サ マ リ ウ ム に よ る ア ル ド ー ル 型C− グ リ コ シ ル 化 反 応 を 行 っ た と こ ろ 、 目 的 と す る ア ル ド ー ル 成 績 体 で あ るN6―benzoyl− 9‑[methyl6っlO‑anhydro−3一0‑( tert―butyldimethylsilyl)‑2‑ O‑methyl‑8っ9−0‑(1,1っ3,3− tetralSOpropyl−1,3‐diSilOXanediyl)‐D一繝6m伊L‐|く紅7−undeCulofuranuronyl]adenineが 収 率 75% 、 ジ ア ス テ レ オ 選 択 比 79:21で 得 ら れ た 。 ア ル ド ー ル 成 績 体 を 脱 水 し て エ ノ ン 体 と し た 後 、 接 触 還 元 を 行 っ た と こ ろ6. 位 の 立 体 配 置 はherbicidin Bの 立 体 配 置 と は 逆 の 立 体 配 置 を 有 す る 還 元 体 が 得 ら れ た 。 さ ら に N‐6位Bz 基 お よ び8 ,9 位 のTIPDS基 を 脱 保 護 し た と こ ろherbicidinBと は 6 位 の 配 置 の み が異 なる6 −ep卜herbicidinBが 得られ るのみ であっ た。

  HerbicidinBの 合 成 を 達 成 す る た め に は 、 脱 保 護 に よ る 環 化 の 前 段 階 で6 位 の 立 体 を あ ら か ヒ め 天 然 型 で あ るa配 置 と し て 構 築 す る 必 要 が あ る と 考 え ら れ た 。 申 請 者 は 、 工 ノ ン 体 の 8位 お よ び 9, 位 水 酸 基 各 々 に 立 体 的 に 嵩 高 い 保 護 基 を 導 入 す る こ と で 8. 位 お よ び9t位 置 換 基 を ア キ シ ア ル 位 に 固 定 し 、6員 環 部 の コ ン フ オ メ ー シ ョ ン 変 化 を ひ き 起 こ す こ と で 、 接 触 還 元 に お け る 立 体 選 択 性 を 制 御 す る こ と と し た 。8 、9 位 にTBS、 ま た はTIPS、TBDPS基 を 有 す る 各 種 エ ノ ン 体 を 先 と 同 様 に し て 合 成 し た 。 エ ノ ン 体 の6員 環 部 は 0.8.B型 の コ ン ホ メ ー シ ョ ン を 持 つ こ と が 示 唆 さ れ た 。 こ の よ う な エ ノ ン に 対 し て 接 触 還 元 を 行 な っ た 場 合 、 よ り 立 体 障 害 の 小 さ い と 考 え ら れ る ェ ノ ン の ェ キ ソ 面 か ら 水 素 添 加 が 有 利 に 進 行 す る と 考 え ら れ 、 望 み と す る 6 ぱ 体 を あ た え る こ と が 期 待 さ れ た 。 各 種 エ ノ ン に 対 し て 接 触 還 元 を 検 討 し た と こ ろ 、8 位 に TBS基 を 、9 位 にTBDPS基 を 導 入 し た エ ノ ン 体 を 用 い た 場 合 に 良 好 な 結 果 を 与 え 、herbicidinBを31ワ 。 の 収 率 で 得 た 。 以 上 の よ う に 申 請 者 はherbicidinBの 初 の全 合成を 達成し た。

3、糖 鎖合成 阻害 剤への 展開

  申 請 者 は さ ら にN− ア セ チ ル グ ル コ サ ミ ン 転 移 酵 素 阻 害 剤 で あ るtunicamycin の 構 造 と 作 用 機 序 に 着 目 し 、 有 望 な 糖 鎖 合 成 阻 害 剤 に な る こ と が 期 待 さ れ る 11位 に 種 々 の 糖 が 結合 し た1一 卩,11―anhydro―10,11−dideoxy−10‑amino―L−galacto‑

D‑aHo‑undecofuranosyl] uracil(3) を 設 計 し た 。3の 合 成 に は ョ ウ 化 サ マ リ ウ ムによるアルドール型を利用し、その結果3の鍵共通中間体である1―[5‑

acetyl−7,11―anhydro‑2,3ーdi‑O‑(tertーbutyldimethylsilyl)−10,11−dideoxy‑ll−phenylthio− lO‑phthalimidyl‑L‑ga/acto一D‑a/lo‑undecofuranosyl]uracilを 合 成 し た 。

   以上のように本研究は、新規アルドール反応を利用してherbicidinB の全合 成を達成するとともに、本反応の糖鎖合成阻害剤合成への足掛かりとなる知 見を得たものであり、博士(薬学)の学位を授与するに足る内容を持っもの と認定した。

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