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移動通信における直交偏波共用基地局アンテナ技術とシステム評価

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(1)

解説論文

移動通信における直交偏波共用基地局アンテナ技術とシステム評価

中野 雅之

a)

新井 宏之

††

Orthogonal Polarization Base Station Antenna Technology at Cellular Systems and System Evaluation

Masayuki NAKANO

a)

and Hiroyuki ARAI

††

あらまし 移動通信システムは当初自動車電話の形態では垂直偏波のみが採用されてきたが,携帯端末の形態 から直交偏波が利用されるようになった.具体的にダイバーシチから始まりMIMOにも事実上標準で使われる ようになっている.本論文では,これらの直交偏波技術を用いた無線基地局アンテナ及びシステムについて,い くつかの適用例とその効果について解説する.

キーワード 直交偏波,ダイバーシチ,MIMO,基地局アンテナ

1.

ま え が き

携帯電話の契約数が国内人口を超え,そしてスマー トフォンの台頭により通信トラヒックが急増している.

一方,電波は有限であるため,無線周波数の有効利用 の重要性はますます高くなっている.その中でも無線 基地局アンテナは,同一周波数繰返しセルを圏外や弱 電界を発生させることなく,かつ干渉電力を低減し高 いスループットのエリアを提供する極めて重要な役割 を担っている.今までに

IMT-2000

方式の基地局アン テナ設計についての報告

[1]

,携帯電話と

PHS

用アン テナシステムの解説

[2]

,次世代移動通信の基地局・端 末アンテナ技術についての解説がある

[3]

無線周波数を有効に利用する手段として,直交偏波 の利用が考えられる.過去からまた現在にわたって代 表的な直交偏波の利用として,固定マイクロ通信にお いて垂直偏波と水平偏波にそれぞれ別の情報を流して 伝送容量を拡大する方式

[4]

や,衛星通信における送 信と受信で右旋円偏波と左旋円偏波を使い分ける方 式

[5]

や,衛星放送でも隣接国で混信を防ぐために直

(株)KDDI研究所,ふじみ野市

KDDI R&D Laboratories Inc. 2–1–15 Ohara, Fujimino-shi, 356–8502 Japan

††横浜国立大学大学院,横浜市

Graduate School of Engineering, Yokohama National Uni- versity, Yokohama-shi, 240–8501 Japan

a) E-mail: [email protected]

交円偏波を使い分けることなどがある.また,移動通 信や

PHS

向けの無線エントランス回線に,直交偏波 を用いて伝送特性を評価した例もある

[6], [7]

.一方,

移動通信では,自動車電話システムとして開始され,

垂直偏波の利用を前提とした

[8]

.自動車電話システム における移動局用アンテナは,垂直に設置された垂直 偏波を励振する車載用トランクリッドアンテナ

[9]

を,

無線基地局では垂直偏波を励振するダイポール素子を 用いたアレーアンテナが利用されてきた.その結果,

無線基地局での上り受信品質を改善するダイバーシチ 受信技術には,垂直偏波を利用する空間ダイバーシチ

Space Diversity: SD

)方式が採用された.直交偏波 ダイバーシチ(

Polarization Diversity: PD

)方式は,

鉛直方向に設置された自動車電話用アンテナからの放 射では,垂直偏波が支配的であるため,ダイバーシチ 利得が

SD

受信方式と比較して,都心部で

1 dB

,開放 地で約

4 dB

低くなるとされ

[10]

,結果として普及に は至らなかった.

一方,

1990

年代から携帯端末が登場し,端末の小形 化が進んだ.携帯端末の通話形態ではきょう体とアン テナが約

60

度傾くとされ

[11]

,そのため水平偏波が 強く励振され,従来と比較して電波伝搬構造が大きく 変化すると考えられた.そこで無線基地局では上り回 線のこの水平偏波成分を受信することで通信品質を向 上する

PD

受信方式について改めて評価がなされ,そ の結果,従来の

SD

受信方式と同等以上の効果がある

(2)

ことが分かった(例えば

[12]

[14]

).このように自動 車電話では効果がないとされた

PD

受信について見直 しがされた.実際に携帯端末側で垂直偏波よりも水平 偏波が強く励振されることが,実人体と人体ファント ムを用いて確認されている

[15]

.その結果,多くの種 類の基地局用偏波ダイバーシチアンテナが開発・採用 され,現在の移動通信システムでは事実上,必須の技 術となっている.

本論文では,この直交偏波技術に焦点をあて,直交 偏波技術を用いた無線基地局アンテナ及びシステム について,いくつかの適用例とその効果について解説 する.

2.

では,直交偏波を用いたアンテナ技術と,直交偏 波の電波伝搬に関する研究,更に直交偏波を用いたシ ステム応用についての研究動向を記す.次に

3.

では,

2/3

世代以降,現在まで広く利用されている基地局 用直交偏波ダイバーシチアンテナについて紹介し,そ のアンテナを用いたシステム応用技術について報告す る.具体的には

CDMA

システムに適用し,システム 的な評価を行った例と,高速データ移動通信システム において,基地局間で送信偏波面を変えた場合の直交 偏波マクロダイバーシチ送信の評価例を紹介する.そ して

4.

では,低トラヒック地域でのエリア拡大に有 効な直接中継型リピータシステムにおいて,直交偏波 技術を適用した高アイソレーションアンテナについて 紹介し,送受信間のアイソレーションを改善・屋外環 境にて検証した例を説明する.また

5.

では直交偏波 技術の将来展望として,

2

ブランチを超える

MIMO

Multiple-Input Multiple-Output

)基地局アンテナ の構成や効果的にエリアを拡大するための送受信フロ ントエンド内蔵直交偏波共用アンテナについて述べる.

最後にまとめを述べる.

2.

直交偏波技術の研究動向

本章では,直交偏波技術を用いた基地局アンテナ,

電波伝搬,システム応用についての研究動向を記す.

はじめに,無線基地局用直交偏波偏波ダイバーシチ アンテナの報告例として,セクタビーム用

[16]

[20]

, オムニ指向性用

[21]

[23]

800 MHz

帯と

2 GHz

帯な どで動作するマルチバンド用として

[24]

[28]

などが 挙げられる.また,

PHS

1.9 GHz

帯において,垂 直偏波と水平偏波の無指向性アンテナをそれぞれ別々 に配置することにより

PD

を構成した報告がある

[29]

150 MHz

帯業務用移動通信用の偏波ダイバーシチア

1 偏波ダイバーシチアンテナのアレー構成方法 Fig. 1 Array configuration of polarization diversity

antenna.

ンテナの報告

[30]

などもある.これらのアンテナの直 交偏波の構成は,主に図

1

に示すように,

(a)

鉛直方 向に垂直偏波と水平偏波を並べるもの,

(b)

直交偏波 共用素子を構成し,それらを鉛直に配列するものがあ る.直交偏波共用素子の場合は垂直

/

水平偏波以外に

± 45

度斜め偏波の直交偏波が利用されることがある.

(a)

では,垂直偏波素子と水平偏波素子をそれぞれ個 別にチューニングできるため自由度が高いが,反面,

構造が複雑となる.

(b)

では共用素子のため,構造が 簡単であるが,パラメータが直交偏波間において共通 であり,チューニングの自由度が小さく高性能を実現 しにくいという特徴がある.また周波数共用アンテナ として,

(c)

に示すように低い周波数帯の間に高い周 波数帯の直交偏波素子を並べる構成が採用されている.

この場合,単周波に比べて,周波数間の結合軽減やア レー化のための素子間隔の最適化などの課題により設 計の難易度はかなり上昇する.

一方,セルラーシステムのエリアは屋外だけでなく,

屋内や地下街も重要である.従来より,垂直偏波専用 として,例えば

3

周波数に対応した屋内アンテナ

[31]

などの多くの報告がある.屋内用の直交偏波アンテナ としては,オムニエリア用

[32]

などが報告されている.

一方,屋内・地下街などの空間が通路に沿って直線上 に拡がる場合では,無指向性よりも双指向性をもたせ た方がエリア構築の面で有効である

[33]

.そこで垂直,

水平偏波素子を内蔵してダイバーシチブランチとして 使用することができ,

SD

方式に比べ設置本数を半減 することが可能な,低姿勢で双指向性,偏波間結合量 特性が良好な屋内用偏波共用双指向性アンテナについ ても報告されている

[34], [35]

また,直交偏波アンテナが着目されるにつれて,直

(3)

交偏波に関する電波伝搬の研究も盛んに行われるよ うになった.古くは

1980

年代に市街地における交差 偏波発生要因の検討

[36], [37]

があったが,近年,広帯 域移動伝搬における交差偏波識別度に関する研究

[38]

や,市街地における偏波の広がり特性などの研究があ る.今井らは伝搬路の偏波方向に対する電力プロファ イルを提案し,市街地マクロセル環境の実測データか ら分析した結果を明らかにしている

[39]

続いて,直交偏波アンテナ技術を用いたシステムへ の研究も進められている

[40], [41]

CDMA

方式への 適用

[42], [43]

や藤井らによる

CDMA

方式での送信偏 波切換のダイバーシチ評価

[44], [45]

,アダプティブア レーや

SDMA

への応用に関する研究がある

[46]

[49]

そして,近年,これまではマルチパス干渉による補 償技術として直交偏波技術が利用されてきたが,更に 通信容量を拡大するために

MIMO

技術が着目され,無 線基地局ではこの直交偏波ダイバーシチアンテナを利 用した直交偏波

MIMO

の研究が報告されている

[50]

. また

± 45

度偏波を用いた

MIMO

の多重モードとダ イバーシチモードについてシンボルエラーレートでの 評価を行われている

[51]

更に

OFDMA

を用いたモバイル

WiMAX [52]

LTE [53]

システムに適用した研究が盛んになっている.

特に

2

ブランチを超える

MIMO

の研究が進められて いる

[54]

.例えば,西森らは実環境において,基地局側 にて最大

8

ブランチを構成し,垂直偏波の空間

MIMO

2 直交偏波基地局アンテナ技術の変遷と発展

Fig. 2 Changes and development of orthogonal polarization base station antenna technology.

= VV-MIMO

),直交偏波

MIMO

= VH-MIMO

), 直交

±45

度偏波

-MIMO

のチャネル容量を評価し,特 にブランチ数が少ない場合に直交偏波

MIMO

の効果 が高いことを明らかにしている

[55]

1 移動通信における直交偏波技術

Table 1 Orthogonal polarization technique at cellular system.

(4)

一方,

MIMO

技術のうち,互いに干渉しない複数の 信号波を送信し,複数の端末に同時に信号を送信でき る技術をマルチユーザ

MIMO

と呼んでいる.本間ら は,このマルチユーザ

MIMO

について,基地局側に 直交偏波アンテナを水平方向に

4

本配置して

8

ブラン チを作り,屋外環境にて

MIMO

容量を測定・評価し た

[56]

.そして直交偏波を利用した

4

ブランチ

MIMO

の基地局アンテナの検討も進められている

[57]

直 交 偏 波 の

MIMO

伝 搬 に 関 す る 研 究 例 と し て は,

2 GHz

帯における伝搬実験に基づく偏波

MIMO

伝 搬 チャネ ル に つ い て

XPD

Cross Polarization Discrimination

)に着目してモデルの確立を行った ものがある

[58]

.そのほかに,単一偏波と直交偏波に おける

MIMO

チャネルを測定し,

MIMO

容量を推測 する研究もなされている

[59]

.更に直交偏波を用いた 中継局

MIMO

の屋外実験

[60]

や,屋内環境において 基地局側に

VH

の直交偏波を用いた

VH-MIMO

の研 究も進められている

[61]

屋内基地局アンテナの相関について,長らはレイ トレースにて伝搬解析を行い

[62]

,直交偏波

MIMO

チャネルについて

K

ファクタと

XPD

の特性を実測 とシミュレーションにより報告している

[63]

.以上,

VV-MIMO

では,その効果を高く得るためには特に

屋内環境のようなマルチパスリッチな環境が必要であ るが,

VH-MIMO

ではマルチパスリッチでない例え ば屋外見通し内環境でも,偏波間の相関が低いことか ら,高い

MIMO

多重の効果が得られやすい.そのた め,

MIMO

にも積極的に直交偏波技術が採用される ことが期待できる.

1

に移動通信の直交偏波技術としてアンテナ,伝 搬,システム応用と分類し,その研究項目と効果をま とめたものを示す.また,以上の経緯をまとめ,これ までの直交偏波技術を含むダイバーシチ技術,

MIMO

技術の流れについて示したものを図

2

に示す.

3.

基地局用直交偏波ダイバーシチアンテ ナとシステム評価

本章では,直交偏波共用アンテナとして国内におい てきっかけとなり普及に貢献した

3

セクタ内蔵小型偏 波ダイバーシチアンテナ

[16]

について紹介する,更に この偏波ダイバーシチアンテナにより

CDMA

システ ムに与える改善効果の報告,及び基地局ごとに送信偏 波面を直交とした場合のマクロダイバーシチとしての セル品質評価の報告について述べる.

3. 1 3

セクタ内蔵小形偏波ダイバーシチアンテナ

本アンテナは折り曲げた無給電素子付きプリントダ イポール素子

[62], [63]

により小形化を図り,これを鉛 直方向に垂直偏波素子と水平偏波素子が交互に並べた 構成をとっている.これが水平面内

120

度離れで

3

セ クタを構成している.また

3

素子

1

ブロックのサブア レーとなっており,合計

3

サブアレーによりアレーを 構成している.

そ の 結 果 ,こ の 偏 波 ダ イ バ ー シ チ ア ン テ ナ は

800 MHz

帯で直径

23 cm

の円形レドーム内に

3

セ クタ分の素子を内蔵でき,図

3

に示すように,空間 ダイバーシチ方式では最大

6

本必要としたアンテナ 本数を最小

1

本とすることが可能となっている.図

4

にアンテナ外観とアンテナ内部の給電系統図を示す.

また図

5

にアンテナ内部の写真を示す.前述のプリン トダイポールアンテナ素子は誘電率基板によって構成

3 空間と偏波のダイバーシチアンテナ構成 Fig. 3 Antenna construction of space and polarization

diversity.

4 3セクタ内蔵偏波ダイバーシチアンテナ Fig. 4 Polarization diversity antenna within 3-sector.

(5)

5 3セクタ内蔵偏波ダイバーシチアンテナ(レドー ム内)

Fig. 5 Polarization diversity antenna within 3-sector inside radome.

6 偏波間結合量

Fig. 6 Mutual coupling between polarizations.

7 水平面内指向性 Fig. 7 Horizontal antenna pattern.

しているため,波長短縮の効果がある.よって,同一 偏波素子の間隔は

以下となり,アレー構成時のグ レーティングローブの発生を抑えている.直交偏波ダ イバーシチの効果を引き出すためのアンテナに求め られる性能として,偏波間アイソレーションと交差偏 波特性が重要である.本アンテナの偏波間結合特性を 図

6

,交差偏波特性を図

7

に示す.偏波間結合量は利 用帯域

818

956 MHz

において

40 dB

以下(アイソ レーションとして約

40 dB

以上),交差偏波はメイン ビーム内にて

30 dB

程度と良好な直交偏波特性を得

ることができている.

以上,基地局用偏波ダイバーシチアンテナは,移動 局が携帯端末の形態において,優れたダイバーシチ受 信効果をもたらすと同時に,基地局におけるアンテナ 本数を削減することができ,移動通信の普及に大いに 貢献している.

3. 2 CDMA

システムにおける直交偏波ダイバー

シチ評価

移動通信システムは

FDMA

方式,

TDMA

方式を 経て,現在,

CDMA

方式が主流である.これまでの電 波伝搬実験によって基地局

PD

受信は,人体の影響を 考慮した携帯端末の形態において効果が高いことが明 らかになった.その後,

TDMA

方式における基地局

PD

受信効果の報告が

[66]

,更に

CDMA

のレイク受 信と

PD

の組合せによる研究

[67]

が進められている.

本節では,

CDMA

システムにおいて,無線基地局 用アンテナに直交偏波ダイバーシチアンテナを適用し,

そのシステム評価を行った例を紹介する.

3. 2. 1 IS-95

cdmaOne

)システムの移動機送信 電力制御

米 国 に て 規 定 さ れ た

IS-95 [68]

は 日 本 に て

ARIB [69]

によって標準規格名

ARIB-STD-T53

と して日本でいち早く導入された

CDMA

システムであ る.

CDMA

方式では,システム容量を向上させるた めに,基地局において各移動局からの上り受信レベル を等しくする必要がある(遠近問題といわれる).そこ で,基地局は移動局に対して指示を送り,移動局の送 信電力を細かく制御する.

IS-95

では,オープンルー プ制御として移動局の平均送信電力(

dBm

)を移動 局の平均受信電力(

dBm

)に

73

を減じた値を適用す る.またクローズドループ制御は基地局での受信レベ ルがあらかじめ定められたしきい値よりも,高いまた は低い場合,基地局は移動局に対して,移動局の送信 電力を

1 dB

減じまたは

1 dB

増やす制御を

1.25 ms

ご とに行っている.また,

IS-95

の移動局の最大電力は

23 dBm

である.ここで,上りダイバーシチ受信効果 が向上すると,基地局は移動局に対して,移動局の送 信電力を低く制御することができる.よって,移動局 の送信電力量から,上り回線のダイバーシチ受信効果 を評価できる.本節では上りダイバーシチ受信方式と して,

SD

PD

について比較評価を行った.

3. 2. 2

実 験 環 境

測定は,香港の屯門地区にて行った.アンテナは 前章で紹介した

800 MHz

帯偏波ダイバーシチアンテ

(6)

8 基地局からの周辺環境 Fig. 8 Environment from test base station.

9 偏波ダイバーシチアンテナと空間ダイバーシチアン テナ

Fig. 9 Polarization diversity antenna and space diversity antenna.

[16]

12 dBi

の低利得タイプを設置した.通信キャ リヤは香港ハチソンテレコムである.基地局高は

60 m

と高く,周辺建物も同等な建物高の建物が乱立してい る.周辺環境の写真を図

8

に示すように都市環境であ る.ここで比較用の空間ダイバーシチアンテナはオー ストラリアのデルテック社のもので偏波ダイバーシチ アンテナとほぼ同利得,同ビーム幅である.図

9

の写 真に示すように.平面状の左二つが空間ダイバーシチ アンテナ,中央の円柱状のものが偏波ダイバーシチア ンテナである.また実験は電測車両の後部ウィンドウ に,通話状態を模擬するため天頂より

60

度傾けたア ンテナを伸ばした状態の携帯端末を設置し

[11]

,その 携帯端末の受信電力及び送信電力を記録した.

3. 2. 3

走行試験結果

走行ルートを図

10

に示す.点線が走行ルート,赤い 点が基地局で,赤い点から放射されている線はセクタ 方向を示す.赤線で囲んだ基地局は

SD

評価用と

PD

評価用でアンテナ構成を組み換えた基地局である.こ の基地局の周りには

2

から

4

セクタで構成する四つの 基地局が存在する.

SD

PD

での場合の受信電力及 び送信電力の累積分布を図

11

に示す.受信電力(

Rx Power

)は

SD

PD

でほぼ同じである一方,送信電 力(

Tx Power

)は

PD

の方が

SD

よりも中央値で約

10 走行コース Fig. 10 Drive route.

11 移動機受信電力と送信電力の累積分布 Fig. 11 Cumulative probabilities of Rx power and Tx

power.

3 dB

の低減が図られていることが分かる.この結果よ り,

PD

の方が

SD

よりも移動局側の送信電力を低減で きることが分かる.また,同様に郊外地区として,山 梨県甲府市にて評価を行っている.その実験結果では ダイバーシチ無しのシングルブランチと比較して,

SD

1

5 dB

PD

では

7

11 dB

の送信電力を抑制で

(7)

きることを明らかにしている

[70]

.これらの結果より,

都市環境,郊外環境いずれにおいても,

PD

SD

よ りも,上り干渉量を低減できるため,

CDMA

移動通信 のシステム容量増大に貢献することが明らかになった.

3. 3

直交偏波を用いたマクロダイバーシチ効果の 評価

本節では,直交偏波をマクロダイバーシチに適用し た場合のシステムに与える効果の一例として,基地局 において送信偏波面を変えた場合のエリア品質につい て報告する.

3. 3. 1

高速データ移動通信システム

3.5

世代高速データ専用移動通信システムである

CDMA2000 1xEV-DO [71]

は移動局におけるパイ ロットチャネルの

CINR

Carrier to Interference plus Noise Ratio

)をもとに下りデータレートを決める方 式である.従来の音声通信では所要の

SNR

Signal to Noise Power Ratio

)を満足すれば,セル設計が 行えた.一方,無線データ通信では

CINR

が高けれ ば高いほど,移動局は基地局に高いデータレートを 要求する.そして基地局はセル内の移動局とのスケ ジューリングを行いながら,移動局に高いスループッ トをもたらすものである.図

12

にその制御フローを 示す.

CINR

は無線エリアの品質を表している.これ は

CDMA

OFDMA

など同一周波数を繰り返し利 用するシステムにおいて,最も重要なパラメータの一 つである.

CINR

は特にセクタ間干渉,セル間干渉に よって劣化するので,いかにセクタ間干渉,セル間干 渉を低減するエリアを構築することが重要となってい る.例えば

HDR

方式(

High Data Rate

CDMA2000 1xEV-DO

3GPP

標準化前の呼称)では,

CINR

6 . 5 dB

では

QPSK

を変調方式とし要求データレー

12 基地局と移動局の制御フロー

Fig. 12 Control flow of base station and mobile station.

トは

153.6 kbit/s

であるが,

9.5 dB

以上では

16QAM

の変調方式を適用でき,最大

2.4 Mbit/s

の伝送速度が 規定されている

[72]

本節ではこのように高速データ通信システムにおい て重要な

CINR

のエリア評価を移動局の受信偏波面及 び基地局の送信偏波面を変えて行った.

3. 3. 2

実 験 環 境

基地局配置と測定ポイントを図

13

に示す.基地局 は

3

セクタ構成の六番町局と

1

セクタの半蔵門局によ り構成し,全セクタの基地局アンテナの送信偏波面が 水平偏波の場合(

Case A

)と,六番町局のセクタ

2

の みを垂直偏波で送信し残りのセクタは水平偏波で送信 した場合(

Case B

)で行った.また測定ポイントは六 番町局と半蔵門局に囲まれたエリア内で,同じく図

13

に示す

16

ポイントにて静止状態で測定した.基地局 アンテナはアンテナ高約

35 m

に設置してあり,前章 で報告した偏波ダイバーシチアンテナ

[16]

を用いた.

移動局は図

14

に示すように地上高約

1.5 m

で利得 約

0 dBd

,水平面内無指向性の垂直偏波用モノポール アンテナ,水平偏波用ターンスタイルアンテナそして 水平面内無指向性を得る円偏波用ウィンドミルアンテ ナの

3

通りを

1

組約

1

波長離隔の空間ダイバーシチ 構成で接続し,

CINR

値及び

Rx Power

値を測定し た.ここで移動局にて垂直偏波と水平偏波に加えて円 偏波を評価した理由は,携帯端末の偏波面は小形きょ う体におけるアンテナ特性,携帯端末の傾き,人体の 影響などにより直線偏波ではなく,楕円偏波となって いることから,それを模擬するためである.

CINR

値 は移動局において,各基地局の

PN

Pseudorandom Noise

)を逆拡散して復調した値である.

13 基地局配置と測定ポイント Fig. 13 BS allocation and measurement points.

(8)

14 移動局側アンテナ Fig. 14 Mobile measurement antennas.

15 CINRの頻度分布 Fig. 15 Frequency distribution of CINR.

3. 3. 3

実 験 結 果

15

に全

16

ポイントの値を平均した

CINR

の累 積頻度分布を示す.図の

V

は垂直偏波,

C

は円偏波,

H

は水平偏波を示す.図より

Case A

の基地局が

H

偏 波送信の場合,移動局が

V

C

H

ともほぼ同じ傾向 を示すことが分かる.一方,

Case B

の基地局が

V

偏 波送信とした場合,移動局が

H

偏波受信とした場合,

CINR

は低い特性を示すが,移動局が

V

偏波受信と した場合は,

CINR

は高い特性を示す.これは移動局 が

V

偏波受信とした場合,周辺の干渉基地局群から送 信される

H

偏波は交差偏波に当たるため受信しにく くなる点と所望局から送信される

V

偏波に対しては,

16 送信偏波面を変えた場合の端末受信CINR Fig. 16 CINR in case of variable Tx polarization.

17 送信偏波面を変えた場合の端末受信電力 Fig. 17 Rx power in case of variable Tx polarization.

同一偏波のため受信レベルが向上するためである.そ れでも

CINR

が低いポイントが存在するのは,基地局 からポイントまでの伝搬路に反射,屈折,散乱を繰り 返しその結果,

V

H

のレベル差が縮まり

XPD

が小 さくなるためと考えられる.

次に,図

16

に図

13

に示したすべての測定点での データを平均化した

Case A

Case B

CINR

の棒 グラフを示す.

Case A

において,移動局では

H

受信 が

V

受信の場合に比べて

CINR

が約

1.5 dB

高い.一 方,

Case B

の場合は,移動局が

V

受信時に約

6 dB

と 高い

CINR

値を示した.これは実験対象セクタからは 同一偏波,他干渉局からは直交偏波を受信したためで ある.一方,

C

受信は

V

受信と

H

受信の中間の値と なることが分かる.次に図

17

に図

13

の全測定点の結 果を平均した受信電力特性を示す.

V

受信及び

H

受信 の場合は図

16

CINR

特性と強弱の傾向は同じであ るが,

C

受信の場合は高めの受信電力分布が得られた.

また図

16

より

Case A

B

では

C

受信による

CINR

差は

1 dB

以下と大きな差分が見られない.よって,現 状の携帯端末でもこのような傾向となると考えられる.

一方,将来,携帯端末の偏波面を適応的に変化させる ことが可能となるような偏波アダプティブ技術によっ

(9)

18 リピータシステムのコンパクト化 Fig. 18 How to compact of repeater system.

て,例えば

Case B

のような環境で

C

受信と

V

受信 の差にあるような約

3 dB

CINR

改善が期待できる.

以上,本節では,周辺基地局の送信偏波面及び移動 局アンテナの受信偏波面によって,

CINR

に与える影 響の基礎的データを得た.そして無線エリアの品質を 制御できる可能性を示した

[73]

4.

直交偏波技術を用いた直接中継型リピー タ用高アイソレーションアンテナ

本章では,郊外の低トラヒック地域でのエリア拡大 に有効な直接中継型リピータシステムに対して,直交 偏波技術を用いた高アイソレーションアンテナと,そ の屋外実施例について紹介する.

4. 1

直接中継型リピータ

直接中継型リピータは,基地局または移動局から到 来する電波を,周波数を変えるなどの処理をせず,直 接増幅し,再輻射するものであり,構成が簡単である 特長をもつ.一方,アンプの回り込み発振を抑制する ために,送受信間のアイソレーションの十分な確保が 必要である.アンプの発振を防ぐためにアンテナ間の アイソレーションを稼ぐには,送受信間のアンテナ間 隔を離すことが一般的である.アンテナの指向性にも よるが,

800 MHz

帯の場合,

10 m

以上の間隔を離す ことでアイソレーションを約

70 dB

確保することがで きる.一方,この構成では,アンテナ支柱が送受用と して

2

本必要となり,設置コストがかさむ問題がある.

アンテナ間隔を離さずにアイソレーションを改善でき る手法があれば,アンテナ支柱は

1

本で構成する場合 も考えられ,設置コストを大いに低減できる可能性が ある.図

18

にそのイメージを示す.

今までにアイソレーションを改善するために,ディ ジタル信号処理で回り込み干渉による遅延波に対し

19 直交偏波を用いたリピータアンテナ Fig. 19 Repeater antenna using orthogonal polarization.

てレプリカを生成し,抑圧する機能を有したリピー タ

[74], [75]

や,アンテナにチョークなどの工夫を設け ることによりアイソレーションを稼ぐ方法

[76], [77]

な どが報告されている.

一方,送受信間のアンテナの偏波面を変えること,

特に直交偏波を用いることによりアイソレーションを 改善することが考えられる.基地局からの送信偏波面 は垂直偏波が用いられる場合は,移動局側にはその直 交偏波である水平偏波を,基地局からの送信偏波面が 垂直及び水平偏波の場合は,右旋円偏波若しくは左旋 円偏波を用い,移動局側にはその直交偏波である左旋 円偏波若しくは右旋円偏波を利用することが考えられ る.ちなみに,前章までの報告により移動局はアンテ ナが

60

度近く傾き,移動局の主偏波は水平偏波であ ることが明らかになっているため,リピータの移動局 側送信に水平偏波を適用することは,移動機側及びリ ピータ側にて受信電力を向上させ,サービスエリアを 拡大できる相乗効果が得られることが期待できる.

4. 2

直接中継型リピータ用高アイソレーションア ンテナ

本節では,図

19

に示すようにこの直交偏波をリピー タアンテナに適用してアイソレーションを改善する検 討を行った.従来,直交偏波技術を用いた無線通信は メインビーム間で適用されてきた.本リピータシステ ムに適用する場合において大きく異なる点は,メイン ビーム対向でのアイソレーションではなく,指向性利 得の低いバックローブ対向での高い直交偏波分離度を 維持し,アイソレーションを改善することである.そ のためには,バックローブ比(

FB

比)並びにバック ローブ方向の交差偏波識別度を高めることが求められ,

難易度の高い技術が要求される.ここではバック方向,

サイド方向においても交差偏波レベルを低く抑え,広 角において高い交差偏波識別度を得るための,リピー タアンテナについて説明する

[78]

.またアンテナを試

(10)

20 リピータアンテナの構造 Fig. 20 Repeater antenna structure.

2 アンテナ諸元 Table 2 Specification of antenna.

作し同一偏波を用いた場合のアイソレーションと直交 偏波を用いたアイソレーションの比較評価を行い,直 交偏波によるアイソレーション改善効果を確認し,屋 外実験によりその効果を報告する.

4. 3

測 定 結 果

20

に試作アンテナの構造を示す.垂直偏波に対 しては縦方向に

2

素子,水平方向に

4

素子の

2 × 4

の アレー構成を,水平偏波に対しては,縦方向に

4

素子,

水平方向に

2

素子の

4 × 2

のアレー構成である.素子 はプリントダイポールを用い,背面にある反射板によ り反射板付きダイポールとして作用する.表

2

にアン テナの諸元を示す.図

21

に水平面内指向性の実測値 を示す.実線が垂直偏波,破線が交差偏波である.ア レー素子の振幅にテーパをつけることでビーム幅が若 干広がるもののサイドローブが抑制され,バックロー ブについては

30 dB

以下となっている.また交差偏 波特性についてはほぼ全方向にわたってより低く維持 できていることが分かる.

4. 4

アイソレーション結果と屋外評価

アイソレーションを測定するために図

22

に示すよ

21 水平面内指向性

Fig. 21 Antenna pattern at horizontal plane.

22 アイソレーション測定 Fig. 22 Isolation measurement.

23 相互結合量 Fig. 23 Mutual coupling.

うに電波暗室内の中央に支柱(金属:直径

100 mm

) を設置し,その支柱を介してアンテナを間隔

140 mm

の背面合せで設置した.ネットワークアナライザでア イソレーションを測定した結果を図

23

に示す.実線 がアンテナ間で直交偏波を用いた場合,破線が垂直 偏波のみを用いた場合である.直交偏波によってアイ ソレーションが改善するのは,図

21

に示すよう全方 位で交差偏波が主偏波よりも,常に低いためである.

24

に時間領域(タイムドメイン)波形の結果を示 す.アンテナ間直接結合の次に,電波暗室内の反射に

(11)

24 アイソレーション結果(タイムドメイン)

Fig. 24 Isolation result (time domain analysis).

25 愛媛県でのアイソレーション測定 Fig. 25 Isolation measurement at Ehime prefecture.

よる

2

波の遅延波が観測されている.同一偏波利用時 では,アンテナ間直接結合が

75 dB

に対して,直交偏 波利用時では,

88 dB

となっており,

13 dB

の改善が 図られている.ちなみに,直交偏波利用時では直接波 が壁面などの反射波と同程度のレベルとなるため,こ れらの反射波の影響を取り除くためには,タイムドメ インでの測定が適切である.上記はドナーとサービス アンテナの相対離角が

180

度の場合であるが,実環境 ではサービスエリアの位置が様々であり,相対離角や チルト角を変えた評価が行われている

[79]

25

に愛媛県内にて本アンテナを用いたリピータ 局の設置例を示す.ドナー局である基地局とリピータ 局との距離は約

4.5 km

で見通しがある.中心のコン クリート柱とドナーとサービスアンテナの離隔は約

120

度で,地上高

15 m

で設置している.周辺は山岳 エリアであり,リピータ局の周辺には特に大きな反射 物となる構造物は存在しない.図

26

に相互結合特性 のタイムドメインの結果を示す.アイソレーションは

82 dB

を達成した.

以上,屋外の実環境においても,直交偏波技術を用 いたリピータアンテナシステムによって高いアイソ

26 屋外での相互結合量実測例

Fig. 26 Measurement of mutual coupling at outdoor environment.

レーションを実現できることを示した.このリピータ システムにより,より広いエリアを構築できていると 考えられる.

5.

将 来 展 望

3.9

世代以降の移動通信では,大容量のデータ通信 を可能とすべく,以前よりも更に無線セルの干渉問題 への対策が重要である.その中で直交偏波を備えなが ら干渉電力を抑える基地局アンテナへの期待は大きい.

セクタ間干渉を低減する直交偏波シェイプドビームア ンテナ基地局アンテナ

[80]

や従来のセクタ構成とは異 なるリング・オムニセル構成とそのアンテナ技術など が挙げられる

[81]

更に次世代移動通信システムである

LTE

,モバイ ル

WiMAX

,そして

IMT-Advanced

においては

2

ブ ランチを超える

4

ブランチ,

8

ブランチの

MIMO

が 検討されているが,その実装面でも偏波共用

MIMO

技術は極めて期待されており,研究開発が進められて いる

[82]

.図

27

にこれらの直交偏波を適用したアン テナ構成を示す.具体的な

4

ブランチ

MIMO

アンテ ナを実現するために,直交偏波ブランチの適用を前提 に空間ブランチや角度ブランチの組合せ構成が考えら れる.更に空間ブランチについては,水平方向にアン テナを並列配置した場合と垂直方向に配置した場合が 考えられている.垂直配置は空間配置と比較して外観 上のアンテナ本数を増やすことなく実現できるが,十 分な上下離隔が取れない場合,相関係数が高くなるた め

[83]

,垂直面内のビーム方向をチルト制御によって,

ブランチ間で異ならせることにより相関を下げる研究 もされている

[84]

.この場合,上下ブランチではサー ビスエリアが異なってしまうことが,不等中央値を生 じさせ,

MIMO

効果を下げてしまうトレードオフの 課題がある.いずれにしろ

4

ブランチ以上では置局に

(12)

27 2ブランチを超えるMIMO構成例 Fig. 27 MIMO configuration over 2 branch.

与えるアンテナインパクトが大きくなるため,普及に は課題の解決が必要である.またシステムの高度化に 伴い直交偏波を用いたリピータシステムへの

MIMO

拡張の研究

[85]

や直交偏波での到来方向推定技術の 研究

[86]

も,今後大いに拡張・発展することが期待さ れる.

そして,次世代移動通信システムとして

3 GHz

帯 以上の高周波化での給電線損失軽減や基地局設備の軽 減のため,アンテナと高周波回路が一体化した送受信 フロントエンド内蔵基地局アンテナに期待が寄せられ ている

[87]

.そしてこれらのアンテナも

MIMO

対応 が前提と考えられ,直交偏波

MIMO

に対応したアク ティブアンテナ素子の研究が進められている

[88]

6.

む す び

移動通信システムは当初自動車電話の形態では垂直 偏波のみが採用されてきたが,携帯端末の形態では直 交偏波が利用されるようになった.具体的にダイバー シチから始まり

MIMO

にも事実上標準で使われるよ うになっている.本論文では,これらの直交偏波技術を 用いた無線基地局アンテナ及びシステムについて,い くつかの適用例とその効果について解説した.基地局 直交偏波ダイバーシチ受信について

CDMA

移動通信 システムに適用した効果を移動機の送信電力制御量に よって評価した.次に直交偏波マクロダイバーシチ送 信によるエリア品質の評価を行った.また直交偏波技 術を屋外用直接中継型リピータに適用し,アイソレー ションを改善する技術の紹介を行った.最後に将来展 望として,直交偏波技術を用いた多ブランチ

MIMO

や送受信フロントエンド内蔵アンテナについて述べた.

今後も直交偏波共用アンテナ・伝搬技術は移動通信 において欠かせない要素技術であり,更なる研究が進 むものと期待できる.

謝辞 我が国において偏波ダイバーシチアンテナ普 及のきっかけとなる研究開発に御協力頂いた日本電業 工作株式会社 松岡 徹氏,多大なる支援を頂いた元 日本移動通信株式会社 技術顧問 佐藤敏雄氏に感謝 する.

文 献

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(平成24720日受付,101日再受付)

中野 雅之 (正員:シニア会員)

2横浜国大・工・電子情報卒.平4 大大学院修士課程了.同年日本移動通信

(株)入社.以来,移動通信用アンテナ及 び電波伝搬,次世代移動通信の研究・開発 に従事,平13 KDDI(株),現在,(株)

KDDI研究所.第8回,第19回電波産業 会電波功績賞各受賞.博士(工学).

新井 宏之 (正員:フェロー)

57東工大・工・電気電子卒.昭62 大大学院博士課程了.工博.同年同大助手.

現在,横浜国立大学大学院工学研究院教授.

電磁波加熱用マイクロ波回路,移動体通信 アンテナ及び電波伝搬,EMCなどの研究 に従事.平元篠原記念学術奨励賞.第8回,

17回,第22回電波功績賞各賞受賞,著書「電波工学(共 著)」「新アンテナ工学」ほか,IEEEシニア会員.

表 1 移動通信における直交偏波技術
図 4 3 セクタ内蔵偏波ダイバーシチアンテナ Fig. 4 Polarization diversity antenna within 3-sector.
図 5 3 セクタ内蔵偏波ダイバーシチアンテナ(レドー ム内)
図 8 基地局からの周辺環境 Fig. 8 Environment from test base station.
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参照

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