自然法則の技術的応用を取り入れた「ものづくり」活動を基盤とする理科単元開発
ー「構成的探究」と「開発的探究」に基づく単元設計と授業による効果の検討一学校教育専攻 教育方法コース 樽 本 導 和
1 問題と目的
「理科離れJの問題に対処すべく博物館等で は,ハンズオンを取り入れた体験学習を施行し,
子供たちの人気を集めている。文部科学省も今 回の理科学習指導要領改訂の中で,
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実感を伴 った理解Jというキーワードを設け,性質や規 則性を具体操作や製作と結びつける活動を重視 しているつしかし,小川1(1998)はこのような活 動の留意点として,活動自体を楽しむことが目 的化しているがゆえに,科学を導く保証はないと 述 べ て い る コ そ こ で 活 動 を 楽 し む こ と 」 と「科学することJを接続させ,科学技術の素 地を築いていくために 本研究の目的を「科学 技術との関わりから「ものづくり」活動を取り 入れた特徴ある探究活動を構想し,学習活動モ デルをつくるっそして,小学校5年「おもりの はたらき(衝突)Jにおいて本モデルを適用し た単元を設計し,授業実践により効果の検討を 行うとともに他の単元適用への可能性を探るコ」
としたっ研究の枠組み及び単元開発の方略を図 1に示すコなお 技術的応用を「目的場面にお ける客観的法則性の意識的応用」と定義するコ 2 理科単元のモデル化
(1)
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構成的探究」と「開発的探究」の設置 (2)生活から生じる工作的目標の利用 (3)科学技術のプロセスの明確化及び適用 (4) 2つ の 探 究 活 動 の 接 続 と し て の 技 術 的 応 用事例の利用
指 導 教 官
益 子 典 文
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1: I 被術的応用事例適用の効県
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方略決定、単元郵十│一 一 』 │ 一+ 新 た な 観 康 かbの 間
│実践、評価、改善│
図 1 研究の枠組み(単元開発の方略) 以上の4点から,図2のような学習活動モデル を設定する〉ここでいう「構成的探究」とは身 近な世界から生じる工作的目標(何かを成し遂 げるとしづ課題)に基づき、「科学J
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技 術Jr
生 活」の 3相からE
しい法則を主体的に構成して いく活動であるつ「開発的探究」とは構成的探 究で形成された法則を技術的応用事例の適用に より,開発者への視点変換を促し,r
ものづくり」活動へとつなげていく活動であるコ
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図 2 科学技術のプロセスに基づく学習活動
3 児童の衝突事象に対する認識調査(調査1) 小学校 5年生(本単元学習前)のもつ「衝突 事象」に関する認識の現状及び特徴を明らかに し,構成的探究における教材の設定,指導方略 の考案に役立てるために,推測問題,分析問題 等の調査問題を作成し,実施した。その結果,
衝突事象に対する誤概念の現れ方は「衝突の場 面J
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法 則 を 構 成 す る 三 要 素Jr
問題の設定」により違いが見られ,どんな場面でも, どんな 要素にも,どんな設定でも 法則が
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しく適用 できるように認識を構成する必要があることが 示されたコまた,斜面を転がるおもりの速さに つ い て の 誤 概 念 が 強 固 で あ る こ と が 確 認 さ れ たっこれは,本単元の実験に影響を与えるもの であり,科学的に正しい概念に変換しておく必 要があるつ4
技術的応用事例適用の効果の検証(調査2 )
「規則確認読み物J
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一一般生活事例適用読み 物Jr
技術的応用事例適用読み物」という 3種 の読み物資料を作成し,それぞれの効果を測定,比 較 し た っ ま た , 理 科 学 習 も の づ く り J活 動 に 関 す る 児 童 の 特 性 を 調 査 も あ わ せ て 行 っ た,)その結果,技術的応用事例は①学習内容に 興味をもちやすいこと ②学習内容をもっと知 りたいという探究心をもちやすいこと,③科学 の有用性に関する認識が形成されやすいこと,
④発想力が高まること,が明らかになったつま た,ものづくりは好きではあるが,工夫したり,
アイディアを出すことを苦手としている児童の 実態が明らかになったっ
5 単元の設計及び授業実践による効果の検討 2つの予備調査の結果より,単元設計の指針 として①「異なる事象問でも適用可能な法則の 構成」と②「技術的応用の有効利用j を得たコ
①「異なる事象問でも適用可能な法則の構成」
を実現するために,
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実感を伴った理解の形成J と「橋渡し方略の採用(多事象帰納方略,速さ に関する誤概念変換方略,概念拡張方略)Jを 原則として単元設計を行った(図 3)0r
実感を 伴った理解」に関しては,法則の構造を分析し,どのような活動が必要か明確にした。そして,
教師が意図的に仕組む「感覚的実感」と児童が 法則を意図的に適用する「知的実感Jとに分け,
単元の中に位置付けた。
②「技術的応用の有効利用」に関しては,法 則の学習と「ものづくり」活動を橋渡しをする ために,技術的応用事例を提示するようにした。
これにより,児童のアイディア創出の支援と同 時に,科学的概念、を利用しながら開発的探究を 行い,知的実感の機会を増大させ,結果として 向上させるために 単なる実験場面の応用とし てのものづくりではなく,設計から実現にいた る過程でさまざまな探究活動を保証する「創作
④あてIJI.島丹田"の柑1実現陣茸伊一 的むる 1;1. 目的 I~ 応仁 fこ拘体l的応用 問!日一卜~神的坦一一 る を 帽 惇 Il"l l(~ 工手卜製作 停lモート ・蜘7 '"'‑1 卜修正
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図3 単 元 設 計
授業実践により, 2つの探究活動の効果が確 かめられ,本モデ、ルの適用の有効性及び他単元 への適用の可能性が示されたっ
6 今後の課題
ものづくりを苦手とする児童への配慮(女子 に傾向が現れやすいことが確認された。)また,
課題選択学習導入に伴う,