• 検索結果がありません。

りょうぶおよび竹葉の分解速度と分解土壌動物相の動態

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "りょうぶおよび竹葉の分解速度と分解土壌動物相の動態"

Copied!
18
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

業 近 畿 大 学 農 学 部 紀 要 第42 127‑ (20

近畿大学奈良キャンパス里山林におけるコナラ、ヒノキ、

りょうぶおよび竹葉の分解速度と分解土壌動物相の動態

多 羅 尾 ー 勤 * 三 宅 絢 * 苅 固 ま や * * 奥 村 博 司 * 若 月 利 之 *

本近畿大学大学院農学研究科環境管理学専攻 ホ*近畿大学農学部国際資源管理学科

Dynamics of s o i l  mesofauna i n  r e l a t i o n  t o  t h e  d e c o m p o s i t i o n  r a t e   o f  l e a f  l i t t e r  o f  Quercus s e r r a t a ,  Chamaecyparis o b t u s a ,  C l e t h r a   b a r v i n e r v i s ,  and Bamboo i n  satoyama f o r e s t  o f  t h e  N  ara campus , 

Kinki U n i v e r s i t y  

127 

K a z u n o r i  T  ARAO へ J u nMIYAKE へ MayaKARIT  A  *    , * H i r o s h i  OKUMURA へ

a n d  T o s h i y u k i  W  AKA  TUKI  * 

• Program in Environmental Management, Graduate School 

0 /  

Agriculture, Kinki Universi

•• Laboratoワ イInternationalNational Resource, Department o/International Resources Management,  Faculty 0/ Agriculture, Kinki Universi

Synopsis 

We researched the dynamics of soil  mesofauna in  relation to  the decomposition rate of leaf litters using the litterbag  method in  satoyama forest on the Nara campus of the Faculty of Agricultur Kinki University. Four kinds of leaf litter  were examined, i.e., Quercus serrata, Chamaecyparis obtusa, Clethra barvinervis, and Bamboo. The population of soil  mesofauna increased in November and December as the amount of litter fall increased And then decreased in mid winter.  From the end of March to ]uly, populations of soil animals were increased again using residuallitters on the forest floor.  In August, the populations became minimal. These tendencies were similar at all  of the research sites. The decomposing  rate of litter didn'  t have the clear peaks without Chamaecyparis obtusa that had the peaks in  April and ]une. The  decomposing of litter and carbon/nitrogen (C/N) rate are relatd;the nitrogen concentration in  litter was increased as  litter decomposing advanced. This result indicates that decomposing fauna and flora consumed carbon in the litter. Carbon  is  an element used by soil  animals and microorganisms to mceenergy, and nitrogen is  used by microorganisms as a  nutrient to meenzymes. As soil  decomposers, there are new spaces for soil  animals. Moreover, new litter is  supplied  to the soil  surface and soil  animals become activated again. The fact that soil  animals have a role as litter decomposers  is  indicated by the finding that increased soil animal population is  proportionate to the quantity of litter falL The greatest  contributor to litter decomposition in our test areas was Oribatida 

Keywords: soil animals, litterbag, decomposer, decomposing rate, C/N rate, Oribatida 

(2)

128  多羅尾ー勤・三宅絢・苅田まや・奥村博司・若月利之

はじめに

土壌動物とは一体どのようなものであろうか。

土壌動物とはその名のとおり、土壌に生息する動 物のことである。動物といっても主に節足動物を 指す。クモやムカデ、ヤスデ、ダニなど実に様々 な種が土壌中に存在している。彼らは生態系、特 に森林生態系においては無くてはならない存在で ある。以下に土壌動物の機能と題して一つの図 を示す (Fig.1)。そこに書かれているのは、すべ て土壌動物が持っている生態系に対する機能で ある。まず、図の左端に書かれている

4

つの機 能、粉砕・撹非・運搬・穴をあけるというような 機能を有しており、それが様々な影響を土壌に 与える。この中でも我々が主に研究してきた約

O.2mm

以上

2mm

以下の大きさの中型土壌動物 は粉砕という機能で重要である。

例えば森林では、落葉が栄養源として地表へ供 給されるが、そのままの形では、植物は利用出来 ない。そこで種々の微生物が落葉を分解し始め、

そこに中型土壌動物による粉砕が加わることによ り、分解つまり無機化が加速され、最終的に植物 が利用できる形となるのである。以上のことによ り、土壌動物は、昔から、養分として地面に供給 される落葉・落枝などを分解し、植物が利用でき るような形態にまで変化させる養分循環の大きな 役割を担っているとして研究されてきた。特に ターゲ、ツトとなるのは、中型土壌動物の中でもダ ニ目やトピムシ目である。彼らが落葉や落枝を分 解する主な分解者であるO では実際どれくらい、

落葉の分解に寄与しているのだろうか。

土壌の分解系に供給される落葉、落枝、枯死 根、動物遺体、動物の糞などの有機物の総称をリ ター(J

i t t e r )

と呼ぶ。リターは、その起源に対 応して動物遺体リターと植物遺体のリターに区別 される。植物の動態から見た場合、リター供給量 は、植物器官の枯死脱落の量を表している。リ ター供給量は、植物器官の枯死の季節的、年次的 な変化に対応して、時・空間的に異なる。森林生 態系においてリターにより供給される有機物や養 分物質の供給量は、森林生態系での物質の循環を 明らかにするうえでの重要なパラメーターとなっ ているO そして植物リターの分解は森林生態系の 炭素と栄養動態の中で重要な過桂である。この過 程を通して大気へ返される炭素の量は地球全体の

炭素量と重要なかかわりを持ち、また土壌へ放出 される栄養素の量は、植物生産性と土壌肥沃を決 定する要因となる。

落葉広葉樹は秋から冬の落葉期にかけて多くの 葉を有機物として土壌に供給する。また針葉樹も 落葉し、供給された落葉はたくさんの土壌動物の 住み場所になると同時に、数ヶ月から数年かけ て、降雨などによる物理的な溶脱作用、土壌中に 存在している土壌動物や土壌微生物の働きによる 微細化や異化作用などの作用を受けることによっ て重量や養分量の変化が現れる。このような土壌 における有機物の物理的溶脱、分解者による粉 砕、異化の過程を分解過程と呼び、土壌動物など により有機物が粉砕化されていく過程は、有機物 の消失と呼ばれる。そしてその分解速度は、どの ような土壌動物や土壌微生物が関わっているかと いう動物相の違いや、どのような樹木の落葉落枝 であるかという基材の違い、また季節や水分など の環境の違いによって左右される。また土壌での 有機物の異化作用はおもに土壌のバクテリア、糸 状菌などの微生物により行われる。これらの微生 物は有機物から得られる炭素と有機物質を利用し て成長する。その場合、炭素は、微生物の代謝エ ネルギー源として、また養分物質は原形質の形成 に利用されているO そのため微生物の代謝速度は それらが利用する有機物の炭素と養分物質の割合 である

C/N

比が重要になってくる。

近畿大学奈良キャンパスの里山林内において も、何種類もの樹木が存在することが確認され、

また季節によって土壌中の土壌動物に違いがある ことも確認されている。しかし落葉の分解速度に ついては未だ明確にはされていない。近畿大学奈 良キャンパスの里山林では、分解速度の差や、土

夏草荏7

回粒構造の形成

│粒干組成の変化

│孔隙の拡大

│保水・排水性の増大

│流亡の防止

│腐値の形成 1<化学性) iコロイド物質の増加 塩基置換容量の増加 石灰、マンガン、カリウム、

リン酸、有機物の増加

Fig.1  :土壌動物の機能

(3)

近畿大学奈良キャンパス里山林におけるコナラ、ヒノキ、りょうぶおよび竹葉の分解速度と分解土壌動物相の動態 129 

壌動物にどのような変化が現れるのであろうか。

基材の違いによって分解速度に変化が現れるのな らば、この里山林では樹木の違いでどのような変 化が現れるのであろうか。

本研究は近畿大学奈良キャンパス里山林におい て、コナラ ・ヒノキ・りょうぶ・竹の

4

種類の落 葉が分解されていく過程を

1

ヵ月ごとに観察し、

それぞれの落葉によっての分解速度の違いや、 リ ターバッグ内の土壌動物相の違いを明らかにする ために行った。

材料と方法

1実験地概要

近畿大学奈良キャンパスは、奈良市の南西部の 郊外、矢田

E

陵の中腹を造成して造られた。南側 を大和郡山市に、西側を生駒市に接している。矢 田正陵一帯は、基盤の地質が花両岩類からなり、

花両岩が至る所に露出しているとされている。矢 田丘陵は断層構造を持っており、その西斜面は険 しく、比較的なだらかな東斜面とは好対照な地形 を示している。 山間の棚田は放棄されて杉が植林 されたが、あまり手入れされておらず荒廃してい

奈 良 市 の 気 候 2005年月別

30  25 

20

3 IlIIl 

~ 15 

O c 

10  5  0 

1 2 3 4 5 6 7 8 9 1011  12 

奈良市の気候 2006年月別 350 

200  180  160  140 ":  120

100

80  ~

60 

m m  

40  20  0 

30 

る。一方、薪炭林となっていたコナラ、アベマ キ等の広葉樹は伐採されなくなったため、樹高 20 ~ 30mの豊かな高木林へと成長している。プ ロット内ではブナ科コナラ属がもっとも本数が多 く、 Fig

. 1

9に見られるようにコナラの落葉落枝量 が最も多い。そして、 Fig.24の樹種別室素供給量 とFig.25の樹種別炭素固定量を見るとプロット 内のどの場所でもブナ、すなわちコナラの寄与す るところが大きいことが分かる。調査したプロッ

ト内はコナラを優占樹種とする二次林と言える。 キャンパスが位置する奈良市の2006年度の気 候 は 年 平 均 気 温14

. 1 O C

、年降水量1391mmであ る (Fig.2)また2005年度の気候と比べると 2006 年度はエルニーニョの年であり、また

8

月の降水 量が極端に少なく、気温は高くなっていることが わかる。

本研究は、近畿大学奈良キャンパス里山林内 で行い、尾根より北側にある約2.5haのプロット 内 (Fig.3の緑色の固い)に斜面上部に①コナラ 上、斜面下部に②コナラ下、南側にある③ヒノキ 林、帝塚山2丁目付近の④竹林、尾根に到達する までの山道南側に⑤りょうぶの計

5

カ所で、行った (Fi

g .

3)

Fig.3  リターバッグ設置地点5)

2

調査方法

調査は落葉などの有機物の分解速度を測る標準 的な方法となっているリターバッグ法で行った。

調査落葉はコナラ、りょうぶ、ヒノキ、竹の 4種 とし、 2005年11月下旬に落葉採取を行った。採 取した落葉は実験室に持ち帰り風乾した後、コナ ラ3g 、りょうぶ1.5g 、ヒノキ3g 、竹1gを

(4)

130  多羅尾一勤‑三宅絢・苅固まや・奥村博司・若月利之

それぞれリターバッグに封入した。リターバッグ はナイロン製、メッシュサイズが5mm、大きさ が20cmx 

l O

cmものを 180個使用した (Fi

g .

4)。

それぞれの落葉をリターバッグに封入し、口を 閉じた後、コナラは斜面上部と斜面下部にわけ、

それぞれの落葉採取地点付近に2005年12月に設 置した。設置方法は、表面に堆積している落葉を 軽く取り除き、その上にリターバッグを縦横それ ぞれ6個ずつ計36個並べ、降雨や風、動物など によっての移動を避けるためにリターバッグの四 方をピンで固定した。その後取り除いた落葉をリ

ターバッグの上にかぶせた。

2006年1月から 12月まで 1ヶ 月 ご と に 計12 回回収し、

l

回の回収数は地点ごとに

3

個とし、

計15個回収した。回収したリターバッグは実験 室に持ち帰り、リターバッグの外部に付着した ほかの落葉や土などをそっと取り除き、 Tullgren 装 置 に

7 2

時 間 か け 土 壌 動 物 の 抽 出 を 行 っ た

(Fig.5)。その後リターバッグ内から落葉を取り 出し、乾燥重を測定し、

3

サンプルの平均をとり、

その減少率を調べた。また抽出した土壌動物はデ ジタルマイクロスコープGLB‑T3MM1(島?幸) 及び、 VH6300マイクロスコープ(キーエンス) を用いて同定を行い、個体数の変化を調べた。

Fig.4  リターノ τッグ

Fi

g .

5 : Tullgren装置

また養分測定として、各落葉内に含まれる窒素 濃度を 2ヶ月ごとに計30個をケルダール分解法 により調べた。

今回実験に利用したリターバッグ法とは一定量 の落葉をサランネットなどで作った網の袋(リ ターバッグ)に封入し、それを土壌上へ戻し、そ の後の時間経過に伴って落葉の重量、養分量の変 化から分解量を測定する方法である。この方法 は、落葉などの有機物の分解速度を測る標準的な 方法となっている。またリターバッグ法は同時 に、リターバッグ内に定着した、微生物量や土壌 動物の種類、個体数を測定することにより、分解 過程での分解者の寄与を測定することも可能であ る。またリターバッグの網目の大きさを変えるこ とにより、分解に関わる土壌動物を制限すること などが出来るため、落葉などの分解に寄与する土 壌動物、土壌微生物などの相対的な役割が測定可 能である。

Tullgren装置とは、乾燥を嫌うという土壌動 物の性質を利用して、土壌から逃げ出してくる土 壌動物を漏斗で受け、一箇所に集めるという簡単 な装置である。乾燥させるための熱源には、通常 下方に光を当てることのできるレフランプを用い る。この装置の基本的構造はきわめて簡単で、土 壌や落葉を上に置くためのふるいがあり、その下 に漏斗が取り付けられたものが本体である。この 本体は穴のあいた板により固定され支えられる。 漏斗の下には落下してくる動物を受ける容器が置 かれる。本体の上方には電球があり、土壌や落葉 を上方から照射する仕掛けになっている。本研究 ではふるいの網は孔径2mmのものを用いた。本 体を支えている板は木材を用い、その骨組みはス チールのアングルを用いた。下受けの容器はプラ スチックコップ (200ml容量ほど)などを用い、

中には 70%のエチルアルコールを入れた。この 装置に入れた土壌・落葉 ・コケなどの試料が電球 の照射によって徐々に乾燥してくると、その中 にいる土壌動物の多くは下へ下へと移動してゆ く。自然界では、地表面が乾燥しでも、下層に潜 入すれば必ず十分な湿度のある環境が存在するた め、ほとんどの土壌動物は乾燥条件にあうと必 ず乾燥していないところへ移動する習慣がある。

Tullgren装置の中で、下方へ移動していった動物 は、金網を通り抜け、漏斗を滑り落ち、受容器の 中に落ち込んでくる。

(5)

近畿大学奈良キャンパス里山林におけるコナラ、ヒノキ、りょうぶおよび竹葉の分解速度と分解土壌動物相の動態 131 

ケルダール法は、化学物質に含まれる窒素の量 を求める分析方法で、

1 8 8 3

年ケルダールによっ て提唱され、その後いろいろと改良が加えられて きた。この方法では含窒素化合物の一定量を濃硫 酸とともに強熱して分解し、すべての窒素を硫酸 アンモニウムに変える。この分解の際に、温度上 昇のために硫酸カリウムが、また分解促進のため に水銀剤、銅剤、セレン剤などが用いられる。こ のようにして出来た分解液を強アルカリ性として 水蒸気蒸留法により、アンモニアを蒸留して、濃 度既知の硫酸またはほう酸液に捕集する。希硫酸 液にアンモニアを捕集した場合は、標準アルカリ で逆滴定して窒素量を求める。 7)

結 果

1

葉リターの形態変化

結果を示している諸々の図は、 1ヶ月 2ヶ月と 経過した月数で表記しているが、

1

ヶ月は

1

月、

2

ヶ月は

2

月というように

1

~

1 2

月にそれぞれ 対応している。

リターバッグを Tullgren装置にかけ土壌動物 を抽出後、乾燥重を測定した後それぞれの落葉が どのような形態的変化を示すかを観察した。

全ての落葉に共通していたことは

1

ヶ月目には 大きな変化はなく、徐々に色の変化が現れ始めた ことである。その後、色の変化が現れた部分の葉 リターの厚さが特に薄くなり始め、その部分から 摂食されることが多かった。

コナラ上は 2ヶ月目、 3ヶ月日で表面の光沢が 失われた。 6ヶ月目には色の変化が大きく現れ始 め、その後形の変化がよく現れるようになった。

1 2

ヶ月目にはほとんどの部分が消失し、実験開 始当初の形態とは大きく異なるものとなった。

( F i g . 6 )  

コナラ下は 4ヶ月目までに表面の光沢が失わ れ、 10ヶ月目から形の変化が現れるようになっ たが、

1 2

ヶ 月 日 に も 実 験 開 始 当 初 の 形 態 に 近 い 状 態 の も の を 維 持 し て い る 落 葉 も 存 在 し た

( F i g . 7 )  

ヒノキは5ヶ月目までに色が黄緑色から茶色 へと変化していき、 6ヶ月目にはほとんどの部分 が黒色になり、リターバッグ内の葉リターが一 つのかたまりのようになった。 7ヶ月日以降から 葉の消失が現れ始め、

1 2

ヶ月目には葉のほとん

どが消失し木質部の露出が目立つようになった

( F i g . 8 )  

竹は

5

ヶ 月 日 ま で 徐 々 に 色 の 変 化 が 現 れ 始 め、 6ヶ月目には形態の変化が現れ始めた。その 後 11ヶ月日に大きな変化が現れ、

1 2

ヶ月目に は実験開始当初とは大きく異なるものとなった

( F i g . 9 )  

りょうぶは2ヶ月目までは大きな変化はなかっ たが、

3

ヶ月日から葉リターが一つにかたまり始 め、 6ヶ月目から形に変化が現れるようになった。

その後消失が進み、

1 2

ヶ月目には葉脈だけが残っ ている状態の葉リターも多く見られるようになっ た

( F i g

.l

O )

2葉リターの重量変化

リ タ ー バ ッ グ をTullgren装 置 に か け 土 壌 動 物を抽出後、

5

種 類 す べ て の 乾 燥 重 を 測 定 し 残 存 率 及 び 分 解 速 度 を 算 出 し 、 そ れ ぞ れ

F i g

.1

1 ‑ 1 . F i g

.1

1 ‑ 2

に示した。

5種でもっとも早く残存率に変化が現れたもの は竹であった。

1

ヶ月目にはヒノキとりょうぶの 残存率には大きな変化は見られず、コナラ上・コ ナラ下はともに似たような変化をあらわした。そ の後、

3

ヶ月日にヒノキとりょうぶの残存率がコ ナラ下の残存率を下回り、

6

ヶ月日にヒノキがす べての落葉の残存率を下回った。また

8

ヶ月目に

りょうぶがコナラ上と竹の残存率を下回った。

1 2

ヶ 月 後 の 残 存 率 が も っ と も 低 か っ た も の はヒノキであり、ついで、りょうぶ・竹・コナ ラ上・コナラ下となった。その残存率はヒノキ

15%

、りょうぶ

29%

、竹

38%

、コナラ上

44%

、 コナラ下

53%

であった。

1 2

ヶ月間でもっとも 残存率の変化が大きかったのは、ヒノキが6ヶ 月目、りょうぶが

7

ヶ月目、

t

1'カ'

5

ヶ月目、コ ナラ上が

7

ヶ月目、コナラ下が

9

ヶ月目であっ た。その変化はヒノキ

39%

、 り ょ う ぶ

2 3 . 9 %

、 竹

1 6

.2%、コナラ上が

16%

、コナラ下

9%

であっ た。それぞれの残存率の変化をみると、コナラ 上・コナラ下の変化はほかの落葉の残存率の変 化に比べ、なだらかであり、特にコナラ下は変 動幅が10%を超える時期はなかった。ヒノキは

6

ヶ月目に特に大きな変化が見られた。

9

ヶ月日 には残存率の順番に大きな変化は現れなくなり、

1 2

ヶ月日には残存率にもほぼ変化がなくなり、

横ばいで推移しているO

(6)

多羅尾一勤三宅 絢 .~ij 固 まや 奥村博司・若月利之

~ ~

勺掛 d

132 

コナラ上

1

市目 形態変化

Fig. 

;11"ラオF‑

b , ' "  

:1

f t

1

Fig. 7 コナラ 形態変化

じ1

字 b 力 月

l守

1

R

. . . .  

'r'r  12

調癖

f

Fig.8 ヒノキ 形態変化

Fig. :竹 形態変化

「 一 一 一

l / l I i

イ ' 6

地円 作ウ7

I

t

Fig.lO  りょうぶ 形態変化

(7)

近畿大学奈良キャンパス里山林におけるコナラ、ヒノキ、 りょうぶおよび竹葉の分解速度と分解土壌動物相の動態 133 

分解速度は1ヶ月日のコナラ上で9.l4mg/日、 コナラ下で9.03mg/日、竹で6.34mg/日と高い 値を示したの に 対 し 、 ヒ ノ キ で はO.l1mg/日、 りょうぶで1.18mg/日と低い値を示した。その 後の分解速度のピークはコナラ上で6ヶ月日の

1 O

.8mg/日、コナラ下では明瞭でなく、ヒノキで は一つ目のピークが4ヶ月目の13

. 5

6mg/目、 二 つ目のピークが6ヶ月目の28.67mg/日と二つの 山を示した。竹では

1

ヶ月目以降の分解速度は 1mg~ 3mgあたりで推移しており明瞭なピーク はなく、りょうぶでは7ヶ月目に7.53mg/日と いう高い値を示したが、その後は低い値で推移し ていた。

9

ヶ月日からヒノキを除く

4

樹種で分解 速度は減少し始めているが、ヒノキでは 10ヶ月 日でも 9.l4mg/日と高い分解速度を示し、11ヶ 月目から分解速度は減少した。しかしコナラ下で は10ヶ月目に0.81mg/日と低い値を示している のに 11ヶ月目で3.33mg/日、 12ヶ月目で3.9mg/ 日と分解速度が増加した。

8

ヶ月日の回

4

又時点で、ヒノキを除く+封種にお いて、分解速度が減少している。7ヶ月目と比 べると、コナラ上は 8.92mg/日から 2.80mg/日、

コ ナ ラ 下 は4.84mg/日 か ら 2.69mg/目、竹は 3.

O l

mg/日から 1.51mg/日、りょうぶは7.53mg/

日から 5

. 2

7mg/日 で あ っ た。ヒノキは逆に、

10 90 80 70 60

50 4 30 20 10

51重・残存率変化

│ー令ー上ー島ー下 ヒノキ 券ーりょうぶ│

宍工三瓦

〉 業 s:s ¥

て~

司 、

¥ ¥

‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑

\,~~ 、, 1

¥ ¥  

0%'  10  112(ヶ月)

mg/

25̲00  20.00  15.00  10.00  5.00  0.00  5.00 

Fig.ll‑1 : 5種・残存率変化

月毎の分解速度

← 上 ←ヒノキ ートりょう ぶ │

Fig.1l‑2: 5種‑経過月毎の分解速度

2.47mg/日から9

. 2

5mg/日と上昇していた。

3土壌動物個体数の変化

リターバッグをTullgren装置にかけ土壌動物 を抽出後、

O

.lm mのネットに通した後、顕微鏡 で観察し同定を行った。

1

ヶ月に

3

サンプjレある ため、

3

サンプルの個体数を測定した後、平均を とった (Fig.l2)。

最初の

3

ヶ月聞は

5

種類すべての葉リターに定 着した土壌動物の個体数に大きな変化はなかっ た。その後

3

ヶ月目以降からだんだんと個体数が 増え始め、個体数がもっとも多くなったのはコナ ラ上では6ヶ月目に 277個体、コナラ下は 11ヶ 月目に190個体、ヒノキは7ヶ月日 220個体、竹 は6ヶ月目で117個体、り ょうぶは5ヶ月目で 208個体となった。7ヶ月目以降に個体数は大き く減少し、

8

ヶ月日にすべての樹種において個体 数はもっとも少なくなった。9ヶ月目にはすべて の樹種で個体数は増え始めたが、その後はコナラ 上を除く樹種の個体数は減少した。12ヶ月目に はコナラ上、ヒノキ、りょうぶは個体数の増加が 見られ、コナラ下、りょうぶは個体数の減少が見

られた。

12ヶ月間のすべての個体数を合計した場合、

その個体数がもっとも多いものはコナラ上1678 個 体 で あった。そ の ほ か の 樹 種 で は コ ナ ラ 下 1098個体、ヒノキ973個体、竹648個体、りょ うぶ966個体となり、コナラ上下が1000個体を 超える結果となった。

(個体) 土壊動物個体数

│→ ー 上4 ヒノキ 4りょうぶ 3∞o 

250. 200. 150. 100. 50. 0.

10  1

Fig. 12土壌動物の個体数の変化

(8)

134  多 羅 尾 一 勤 ・ 三 宅 絢 ・ 苅 固 ま や 奥 村 博 司 若 月 利 之

4土壌動物の種類数の変化 で減少しているo 16種類の減少後にも確認され 土壌動物の個体数を測定した時と同様に、リ

ターバッグを

T u l l g r e n

装置にかけ土壌動物を抽 出後、土壌粒子等同定に邪魔となるものを取り除 くため、

O

1mm

のネットに通した後、顕微鏡で 観察し同定を行い、それをダニは亜日まで、トピ ムシは属まで分類し、そのほかの土壌動物もほと んどを属までの分類とし、ダニ目はササラダニ 亜日、トゲダニ亜日、コナダニ亜目の

3

種類と し、ケダニ亜日は調査期間全般を通して、個体数 が極小で、あったためカウントしなかった。トピム シ目はツチトピムシ属、アヤトピムシ属、トゲト ピムシ属、マルトピムシ属イシロトピムシ属、ム ラサキトピムシ属、ヤマトピムシ属、イボトピム シ属、アリノストピムシ属の9種類、そのほかは 甲虫目幼虫、甲虫目成虫、ハエ目幼虫、アザミウ マ目、ハチ目、クモ目、ヨコエピ目、ミミズ綱、

カニムシ目、ワラジムシ目、ヤスデ綱、ムカデ 綱、カマアシムシ目、全

2 5

種類の分類を行った

(Fig.13)。

個体数は

1

ヶ月目から

3

ヶ月目まで大きな変化 を示さなかったが、種類数は

1

ヶ月日から増加し た。 12ヶ月間でもっとも種類数が多かったのは コナラ上 6ヶ月目、コナラ下は 11ヶ月目、ヒノ キは

7

ヶ月目、竹は

6

ヶ月目、りょうぶは

5

ヶ月 目となり、コナラ下を除くすべての樹種で種類数 が 5 ヶ月目 ~7 ヶ月目に最大になるという結果に なった。またその種類はコナラ上で20種類、コ ナラ下は 18種類、ヒノキは16種類、竹も 16種 類、りょうぶが20種類となり、種類数がもっと

も多いのはコナラ上とりょうぶであった。コナラ 下を除くすべての樹種が 5 ヶ月日 ~7 ヶ月日で種 類数がもっとも多くなった後、 7ヶ月目以降に個 体数が減少を示したのと同様に、種類数も減少を 示し、その種類数は実験開始当初に出現した種類 数とほぼ同程度の種類数にまで減少した。その後 すべての樹種で種類数は増加したが、 9ヶ月目以 降はコナラ下を除くすべての樹種で種類数はいっ たん減少し、コナラ下、ヒノキ、竹は 11ヶ月 目に増加を示し、 12ヶ月目には減少した。また りょうぶは9ヶ月日から 11ヶ月日は減少を示し、

12ヶ月目には増加を示した。その問コナラ上の 種類数は大きな変化を見せなかった。

コナラ上の場合もっとも種類数が多い時期が 6ヶ月目の20種類であり、 8ヶ月目には4種類ま

た土壌動物は、ササラダニ亜日、トゲダニ亜日、

シロトピムシ属、カニムシ目であった。またその 聞に見られなくなった土壌動物は、コナダニ亜 日、ツチトピムシ属、アヤトピムシ属、マルトピ ムシ属、 トゲトピムシ属、ムラサキトビムシ属、

イボトビムシ属、アリノストピムシ属、甲虫目幼 虫、甲虫目成虫、ハエ目幼虫、アザミウマ目、ハ チ目、クモ目、ミミズ綱、ワラジムシ目、ムカデ 綱であった。

コナラ下の場合はもっとも種類数が多い時期が 11ヶ月日とほかの樹種と比べまったく違う時期 を示しているO そのため大きく減少した

8

ヶ月目 の7種類という土壌動物から、 11ヶ月目の最大 種類数である 18種類になるまでにどのような土 壌動物が増えたのかを示す。

8

ヶ月目で存在して いた土壌動物はササラダニ亜日、 トゲダニ亜目、

コナダニ亜目、アヤトピムシ属、マルトピムシ 属、アザミウマ属、カニムシ目であった。その後 11ヶ月目までに増えた土壌動物はツチトピムシ 属、シロトビムシ属、 トゲトピムシ属、ムラサキ トピムシ属、イボトピムシ属、甲虫目幼虫、ハチ 目、クモ目、ミミズ綱、ヤスデ綱、ムカデ綱、カ マアシムシ目であった。

ヒノキの場合はもっとも種類数が多い時期が

7

ヶ月目であるが、

7

ヶ月日の種類数は 16種類で あり、 8ヶ月目には種類数は6種類に減少してい る。減少後にも確認された土壌動物は、ササラダ ニ亜日、トゲダニ亜日、ムラサキトビムシ属、甲 虫目幼虫、甲虫目成虫、クモ目であった。またそ の聞に確認されなくなった土壌動物はコナダニ亜 日、ツチトピムシ属、アヤトビムシ属、マルトピ ムシ属、 トゲトピムシ属、シロトピムシ属、アザ ミウマ目、ハチ目、カニムシ目、カマアシムシ日 であった。

竹の場合はもっとも種類数が多い時期が6ヶ月 目の16種類であり、 8ヶ月日は8種類に減少し ていた。減少後にも確認された土壌動物はササラ ダニ亜日、トゲダニ亜日、コナ夕、ニ亜日、ツチト ピムシ属、 トゲトピムシ属、クモ目、カニムシ目 であった。またその聞に確認されなくなった土壌 動物はマルトピムシ属、シロトピムシ属、ムラサ キトビムシ属、イボトピムシ属、甲虫日幼虫、ハ エ目幼虫、ハチ目、ミミズ綱、ワラジムシ目、カ マアシムシ日であった。

(9)

近畿大学奈良キャンパス里山林におけるコナラ、ヒノキ、りょうぶおよび竹葉の分解速度と分解土壌動物相の動態 135 

りょうぶの場合はもっとも種類数が多い時期が 5ヶ月日の20種類であり、 8ヶ月目には6種類に 減少していた。減少後にも確認された土壌動物は ササラダニ亜目、トゲダニ亜目、コナダニ亜目、

ツチトピムシ属、ムラサキトピムシ属、甲虫目幼 虫であった。その聞に確認されなくなった土壌動 物はアヤトピムシ属、マルトピムシ属、 トゲトピ ムシ属、シロトピムシ属、イボトピムシ属、ヤマ トピムシ属、アリノストピムシ属、甲虫目成虫、

ハエ目幼虫、アザミウマ目、ハチ目、クモ目、ヨ コエピ目、カニムシ目、ワラジムシ目であった。

土壌動物種類数

│+ + +‑"' + + りょうる│ 

20  15  10 

10  1 1 (ヶ月)

Fig.13土壌動物の種類数

5土壌動物の内訳

樹種ごとに出現した土壌動物の全ての種類と個 体数の変化 (Fig.l4)とトピムシ目のみの種類と 個体数の変化 (Fig.l5)をみると、すべての樹種 に共通して言えることは、まず分解に関わってい るほとんどの土壌動物はササラダニ亜目であると いうことであった。

1 2

ヶ月の総個体数のうちサ サラダニが占める割合はどの樹種でも 45%前後 を占めており、

1

年を通して出現数の多かった土 壌動物であった。またトゲダニ亜日も同様に出現 数は多く、特にコナラ上、コナラ下は

8

ヶ月目以 前も以降も同程度の出現が見られた。またそのほ かでl年を通して観察された土壌動物にツチトピ ムシ属がいた。ツチトピムシ属はリターバッグ設 置当初から、ほかのトピムシ目よりも多く観察さ れており、

8

ヶ月以降もコナラ上、コナラ下では

8

ヶ月目以前とほぼ同程度の出現が、そのほかの 樹種でも

8

ヶ月日以前よりは減少を見せたが、そ の後も継続的に出現が見られた。また個体数は少 ないが、アヤトピムシ属・シロトピムシ属もすべ ての樹種で

1

年間を通して観察された。特にシロ トピムシ属は、コナラ上、コナラ下では

8

ヶ月目

以降に多く観察されたが、ほかの樹種では

8

ヶ月 以前の方が比較的多く観察された。トゲトピムシ 属、マルトピムシ属もすべての樹種で観察され、

トゲトピムシ属はコナラ上、コナラ下では

l

年間 を通して観察されたが、 8ヶ月日以前と以降を比 べると、

8

ヶ月日以前がはるかに多く出現してお り、その傾向はそのほかの樹種でも同じであっ た。マルトピムシ属は最初の

3

ヶ月ではほぼ観察 されず、ほかの土壌動物が増え始めた頃に出現し ている。またムラサキトピムシ属もすべての樹種 で観察はされているが、りょうぶで個体数が特に 多く

1

年聞を通してほかの樹種よりも多い結果と なった。また反対に竹ではムラサキトピムシ属の 出現はきわめて少ない結果となった。そのほかの 土壌動物では、甲虫の幼虫は

1

年間を通して観察 され、カニムシ目はりょうぶではほとんど確認さ れなかったが、そのほかの樹種では

8

ヶ月日まで に出現数が多かった。またミミズ綱はコナラ上、

コナラ下、竹で特に出現が見られたが、そのほと んどが

8

ヶ月日以降に見られるという結果になっ た。カマアシムシ目はコナラ上、コナラ下で特に 観察されたが、そのほとんどが9ヶ月日以降に出 現していた。またりょうぶで

7

ヶ月目にハチ目が 大量に観察されたがその原因はわからない。

(個 体) コナラよ

300 

固"ニムシ ロみ み ず ロヨコエピ ロ〈も 250 

200  150  100  50 

10  11(ilj

Fig.14‑Iコナラ上 土壌動物内訳

(個 体1

300  コナラ下

園 や す で 回ワラジムシ 250 

200 

園マ

・ァヤ

‑ハエ幼虫 .. 皇成 虫 150 

ロャマ

1∞  ar .. ・~司~・邑亀一一一ーイ姐‘己、--11 :¥j・ィm 50 

21

Fig.14‑IIコナラ下 土壌動物内訳

(10)

136  多羅尾一勤・三宅絢‑苅ま や 奥 村 博 司 若 月 利 之

(個体) ヒノキ

300 

白 泊三ム

250  日hみず

ロヨコエピ ロ〈も

200 

.,、エ拍車

150 

.

ロァ

串虫 居 盟

ロャマ

100  ‑ィボ

50  自マル

・ァャ

10  11  12ロョナトゲ

(ヶ月)サラ

Fig.14‑lli:ヒノキ 土壌動物内訳

(個体)

300  ロム拘デ

固や す で

250 

ロシロ

・トゲト 固マル

・ァャ ロョコエピ ロ〈も

200  150 

圃 ハ エ 幼虫

・母国民周貧血

100  ‑ィポ

50 

!

h︿

Fig.14‑N 竹 土 壌 動 物 内 訳

(個体) 300 

りょうぶ ロムカデ

固やすで

250 

ν

ゲト ロマル

・ァャ

200  150 

‑ハエ幼虫

・甲室.皇 ..塑幼虫

100 

ロャマ

・ィ

50 

10  ロコ7 11 (ヶ首):;:

Fig.14‑V りょうぶ 土壌動物内訳

(個体) f

••

100 

mm

10  11  1 (ヶ月)

Fig. 15‑1 ピムシのみ内訳 (コナラ上)

(個体) コナラ下

図ツチ・ァャロマルロト岨ン悶ムラサキ

mm

10  11  12  (ヶ月)

Fig. 15 ‑II:トピムシのみ内訳(コナラ下)

(健体) ヒノキ

図ツチ・ァヤロマルロトゲン口座ムラサキ 100 

mm o

1 11  12  (ヶ月)

Fig.15‑lli:トピムシのみ内訳 (ヒノキ)

(個体)

aチ・ァャロマルロトゲロ図ムラサキ 100 

O D O D O D O D 0   9 8 7 6 5 4 3 2 1  

10  11  12  (ヶ月)

Fig.15‑N トピムシのみ内訳 (竹)

(個体) りょうぶ

固ツチ・ァャロマルロトゲ圃ンロ図ムラサキ

mm o

1 1 12  (ヶ月)

Fig.15‑V トピムシのみ内訳 (りょうぶ)

(11)

近畿大学奈良キャンパス里山林におけるコナラ、ヒノキ、りょうぶおよび竹葉の分解速度と分解土壌動物相の動態 137 

6窒素濃度の変化

窒素濃度はリターバッグから取り出した落葉を ミルサーで粉末試料にし、ケルダール分解法で 1ヶ月日から2ヶ月おきに測定した。

実験開始当初の窒素濃度はヒノキがもっとも高 く、ついでりょうぶ、コナラ上・コナラ下・竹は ほぼ同じ値であった。実験開始から 3ヶ月固ま ではすべての樹種で緩やかな増加を示しており、

3

ヶ月日以降にヒノキ、りょうぶ、竹は大きく増 加し始めた。コナラ上とコナラ下は

5

ヶ月日まで は緩やかな増加を示し、

5

ヶ月目以降に大きく増 加し始めた。その後7ヶ月目からはまた徐々に緩 やかな増加に変化していき、ヒノキのみ9ヶ月白 から 11ヶ月目にかけて減少を示した。

2.000 1 . 800 1 . 600 1 . 400 1 . 200 1 .  000 0.800

600%

O判 明

200

∞明

窒素濃度

ト ← 上 ヒノキ り ょ う ぶ ー ト 竹

Fig.16窒素濃度の変化

補 足

11 ヶ月}

本文の要約の項より後ろから示している Fig.l8

~ Fig

. 2

8までのデータについて、 Fig

. 1

7は2006 年l月から 2008年11月 ま で の 降 水 量 と 気 温 の データである。気 温 ・降水量ともに一定の傾向 が認められる。気温は

8

月に最高値を取り、降 水量は7月に最もおおくなり、8月に最少となる 傾向がある。しかし、 2008年は、

5

月に降水量 が最大、

7

月に最少となり、気温は

7

月に最高に なるなど、傾向が異なっていた。Fig.l

9

~ 27ま で示したデータは、近大農学部生態工学研究室 の2007年度卒業生である (三宅2007)のデータ に今現在継続中の調査のデータを加えたものであ る。6)また、データラベルのブナはコナラのこと である。調査地はFig.3に示した本研究の調査地 の中の緑色で示した約

2 . 5 h a

のプロット内にてリ

ター トラップという落葉を集める方法を用いて 年間の月毎の落葉落枝量を求めた。示したデー

タは、 2006年4月から2008年7月現在までであ る。Fig.l

9

は、 2006年4月から 2008年7月まで のプロット内の落葉落枝量のグラフであるが、こ れはプロッ ト内を斜面上、中、下、谷部という地 形に区分し、そこに落ちる落葉を

5m m

以下の大 きさのもの、

5 m m

以上の大きさのもの、ブナ、

ブナ花、 ドングリ、種、ソヨゴ、ヒサカキ、タカ ノツメ、アケビ、モチツツジ、サクラ、コシアブ ラ、ネジキ、ムラサキシキブ、スギ、ヒノキ、マ ツ、ナワシログミ、サカキ、クロモジ、リョウ ブ、その他に分け、それに落枝量を加えたものを 落葉落枝とし、各地形区分で得られた値の平均を プロット内全体の落葉落枝量として月毎にその 量をあらわしている。どの年にも lO月から翌年 の

2

月頃までにかけて多く落ち、その他の月に は、ほとんど落ちていないことが分かる。Fig

. 2

0 はブナ (コナラ)の落葉落枝量、Fig

. 2

1はヒノキ の落葉落枝量、 Fig

. 2

2はりょうぶの落葉落枝量で ある。本調査で用いた樹種

3

種の月毎の落葉落枝 量を示した。どの樹種においてもlO月から翌年 の2月にかけて多く落ちている。これらの結果が Fig.l9の結果をもたらしたことがわかる。Fig

. 2

3 はプロ ット内落葉による窒素供給量、 Fig

. 2

4は プロッ ト内落葉による炭素固定量のグラフであ る。2007年1月から2008年3月までの落葉落枝 中に含まれる炭素量と窒素量をN.C‑ANALYZER

(SUMIGRAPH NC‑22シリーズ ・住友化学工業) を用いて求めた。これを見ると、窒素 ・炭素とも に落葉落枝量と同調して増減している。養分量は 落葉落枝量に依存していることがわかる。Fig

. 2 5

はプロット内樹種・場所別の窒素供給量、 Fig

. 2

6 はプロット内の樹種・場所別の炭素固定量を示し た。これらはFig

. 2

3、Fig

. 2

4を樹種別に細かく見 たものである。これらのグラフを見ると、どの場 所でもブナ(コナラ)による窒素供給量 ・炭素 固定量が大きいことがわかる。ブナ(コナラ)は Fig

. 2

0でも分かるようにプロッ ト内で最も落葉落 枝量が多い樹種である。このことからも養分量が 落葉落枝量に依存することがわかる。

Fig.27はFig.23とFig.24をもとに、プロット 内各場所ごとのC/N比の変動を表したグラフで ある。これを見るとどのような場所においても、

lO月から 12月にかけてC/N比は増加している。 これは新規落葉という炭素源の供給によるものと 考えられる。

(12)

138  多羅尾一勤・三宅絢・苅固まや・奥村博司・若月利之

考 察 る。トゲダニ亜日が増えた原因としては、

4

ヶ月

1残存率変化及び分解速度からみる落葉の分解 残存率がもっとも低かった樹種はヒノキであっ たが、本来針葉樹であるヒノキやマツは落葉樹に 比べ分解速度が遅いとされている。2.3)しかし本 研究ではヒノキの分解速度がもっとも速いという 結果になった。その理由として、本来樹木は葉を 落葉させる際、葉がもっ栄養分を出来る限り再吸 収するが、本研究の実験試料として用いたのは、

その再吸収という過程を経ていない新しい葉で あったため、栄養分を多く含み土壌微生物や土壌 動物が好んで、分解する試料であったのではないか と考えられる。またヒノキは乾燥するともろくな り細かくなりやすくなる。そのため網目の大きい リターバッグを用いると、降雨などの物理的作用 によりリターバッグからの流出が起こることも考 えられる。ヒノキの挙動が他樹種よりも異なる傾 向を示したのはこれらの影響があるものと考えら れる。より自然状態に近い値を得るためには、実 験方法の改良の必要性があるように思う。コナラ

は分厚く硬い葉を持つため、降雨などによる溶脱 に長時間かかり、土壌動物による粉砕や土壌微生 物による異化作用が起こるまでに時間がかかるた め、落葉樹であるにもかかわらず残存率が高いの ではないかと考えられる。また 11ヶ月目以降に 大きな変化が見られなくなっているのは、落葉の 分解がある程度まで進み、動物が苦手とする物質 の割合が大きくなってきており、その落葉を利用 することの出来る土壌動物の数が減り、分解が進

まなくなったのではないかと考えられる。 分解速度はヒノキを除く、全ての樹種で、大き な変化は無かった。ヒノキの二つのピーク、

4

ヶ 月日と 6ヶ月日であるが、 4ヶ月目の土壌動物の 個体数変化を見てみると、 トピムシ目のシロトピ ムシ属とムラサキトピムシ属の個イ本数が増えてい る。トピムシ日はササラダニ亜日と同様に落葉の 分解者であるので、個体数が増えることによっ て、物理的に分解できる量が増え、分解速度が上 がったものと思われる。続いて、 6ヶ月日のピー クの時の土壌動物の種別個体数を見ると、 トゲダ ニ亜日の個体数が7ヶ月目と共に、他の調査期間 より多くなっている (Fig.l4‑

m

ヒノキ)07ヶ月 日にも多くなっているのは、これは

6

ヶ月日に出 現した個体がそのまま推移したものと考えられ

~ 7 ヶ月日にかけて、段々とササラダニ亜目の 個体数が増加し、それに伴い、 トゲダニ亜日の数 も増加している。トゲダニ亜日はササラダニ亜日 を捕食することから、ササラダニ亜日が増えたこ とがトゲダニ亜日を増加させた原因であると思わ れる。一般に、 土壌動物が微生物を摂食すること によって植物の成長が促進され、植物による窒素 の吸収量が増え、細菌の個体数を減少あるいは増 加させ、二酸化炭素の放出を増加させ、窒素やリ

ンの無機化を促進し、さらに、有機物の分解速度 を増加させると考えられている。8)

これと同じようにトゲダニ亜日が増えることに よってササラダニ亜日に対する捕食圧が高まり、

ササラダニ亜日を活発にさせ落葉分解を促進させ たものと思われる。例えば、局所的に分布してい るササラダニ亜日は、分解できる落葉量が限られ てくるため、そのままでは餌にありつけない個体 も現れてくるだろう。しかしそこにトゲダニ亜目 が増えることによってササラダニ亜日が分散し、

分解できる範囲が広くなることによって全ての個 体が分解に参加できることで、分解が促進される ということも考えられる。その概念を示したのが Fig.l7である。

捕食者が多いとき

;'",,,,

@  隣+, 場 . +

S +~

i

明議

i当

・ . .

.分解者自島・落葉や腐植物質

. … 捕 食 者 一

Fig.l7捕食者の多さが分解に与える影響のイメージ図

また、

8

ヶ月目に分解速度がヒノキを除いて減 少しているのは、土壌動物の個体数が減少してい ることに関係していると思われる。

9

月以降土壌 動物の個体数が増えていくが、 9月の分解速度は コナラ下でのみ、 2.69mg/日から 5.94mg/日と増

(13)

近畿大学奈良キャンパス里山林におけるコナラ、ヒノキ、りょうぶおよび竹葉の分解速度と分解土壌動物相の動態 139 

えている。他の場所で分解速度が増えなかったの は、先ほども述べたが土壌動物にとって利用しや すい養分が分解が進行したことによって消費され つくしたためと考えられる。コナラ下の分解速度 の上昇は、土壌動物の個体数が増えたことによっ て分解が促進されたことを示していると思われ る。コナラ下は斜面下部であるが、他の調査地よ り水分含量が多い。このことが微生物の活性をよ り活発にさせ、分解を他の場所よりも促進させた ものと考えられる。

2

土壌動物からみる落葉分解

実験開始

3

ヶ月は個体数に大きな変動はない が、種類数は徐々に増加を示している。これは溶 脱が起こり、そのたびにその状態での落葉を使用 することが出来る土壌動物が徐々に定着していっ たことを示している。

ツチトピムシ属は実験開始当初から出現してい る。これはツチトピムシ属が落葉に溶脱作用が起 きる前や、少し溶脱した落葉にでも定着すること が出来るということではないかと考えられる。ま たマルトピムシ属のように、最初の

3

ヶ月にはほ とんど観察されず、それ以降に個体数の増加が見 られた土壌動物は、実験開始から

3

ヶ月目までは 落葉中に苦手とする物質が残っており、分解に参 加しないのではないかと考えられる。またシロト

ピムシ属のように8ヶ月目以降に個体数の増加が 見られた土壌動物などは、

8

ヶ月目以降にシロト ピムシ属を捕食する土壌動物が少なくなったため に個体数の増加が見られるようになったのでは ないかとも考えられるo

5

ヶ月目から

7

ヶ月目に かけて個体数が多くなっているのは、溶脱が終わ り、土壌微生物、土壌動物ともに種類が増え、落 葉を直接摂食するものだけでなく、菌食性の土壌 動物や、捕食性の土壌動物が増えたからではない かと考えられるO トピムシ、ササラダニのバイオ マスはリターの質やリター内の微生物の密度が重 要であると考えられている。 4)また

8

ヶ月日に個 体数、種類数ともに大きく減少しているのは、産 卵の為に活動を休止、または乾燥を避けるために 地中へともぐりこんでいるのではないかと考えら れる。特に

2 0 0 6

年の

8

月は例年に比べ気温は高 く、降水量が極端に少なかったため

8

ヶ月目の減 少がより大きくなっているのではないかと考えら れる。その後コナラ上とコナラ下に個体数が大き

く増加したが、そのほかの樹種は

8

ヶ月目以前の ような個体数には戻らなかった。これはコナラ 上、コナラ下ともにほかの樹種に比べると残存率 が高くまだ土壌動物が摂食することの出来る部分 がたくさん残っていることや、新しい落葉の供給 が始まり、その落葉の分解に関わっている土壌動 物が影響しているのではないかと考えられえる。

また12ヶ月日でも依然としてササラダニ亜目の 個体数が多いことなどから、ササラダニ亜日の中 でも分解の進んだ落葉を摂食することの出来る種 類のササラダニ亜日が出現してきたのではないか と考えられる。そのため、ササラダニ亜日をさら に細かく分類し観察する必要性があるように思

O

Fig.l8からFig.27のデータを考慮して見てみ ると、落葉量の多い時期には、土壌動物も多かっ たが、落葉量の少ない時期にも個体数が増える時 期があった。土壌動物の増加は落葉の分解が促進 され、土壌動物が利用できる養分が多くなるにつ れて顕著になると考えられる。 4 月 ~7 月は前年 の落葉が分解され、土壌動物が利用できる養分が 増えるため土壌動物の個体数が増える。落葉はす ぐに土壌動物が利用出来るわけではない、微生物 の分解等が加わって落葉自体の軟化があってはじ めて中型土壌動物が利用可能になる。そのことは 微生物の活性の面からも重要である。土壌動物は 落葉を粉砕するときに、微生物もまとめて餌とし て取り込む。生き残った微生物は別の場所で糞と 共に排出され、そこでまた新たな落葉があれば分 解を開始する。また菌糸などでは捕食されること

によりバイオマスが増加するという報告があるO

土壌動物の個体数が増えるのが落葉量のピークで ある 10 月~ 12月の時期以外に、 4月から 7月の 落葉の少ない時期に個体数が多くなるのはこのた めであると考えられる。

10月から 12月にかけて個体数が増えたように 見えるのは8月の夏の乾燥した時期に乾燥を嫌う 地下部へと潜り込んだ土壌動物個体が9月以降の 冷涼化と落葉の堆積による日光の遮蔽により、地 表部へと戻ってきたためであると考えられる。そ して次年度の

1

月から

3

月の聞に個体数が減るの は、冬の寒冷な気温による微生物の活性の低下 で、落葉の初期分解が滞り、土壌動物が利用でき る養分が少なくなるためであると思われる。

参照

関連したドキュメント

同研究グループは以前に、電位依存性カリウムチャネル Kv4.2 をコードする KCND2 遺伝子の 分断変異 10) を、側頭葉てんかんの患者から同定し報告しています

(Sexual Orientation and Gender

今回、子ども劇場千葉県センターさんにも組織診断を 受けていただきました。県内の子ども NPO

・沢山いいたい。まず情報アクセス。医者は私の言葉がわからなくても大丈夫だが、私の言

 かつての広葉樹は薪炭林としての活用が主で、20〜40年の周期