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論文審査の結果の要旨

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Academic year: 2021

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様式8の1の2 別紙2

論文審査の結果の要旨

専攻名 システム創成工学専攻 氏 名 田中 誠一

大画面高品質映像は,視聴者に臨場感や実物感を高める効果が期待されている.

しかし,大画面高品質映像の視聴に関しては,視聴距離を変化させて主観評価実験 を行った結果が報告されているのみであり,視聴者が楽しめる大画面高品質映像と は何か,ふさわしいコンテンツとは何かなど,視聴者の観点からの評価方法が確立 しているとは言えない状況である.そこで,大画面高品質映像にふさわしい映像コ ンテンツの感性評価手法を確立し,その手法に基づいた数多くの実験データを検証,

分析することが重要となっている.本論文では,大画面に4K解像度(横4096また は3840画素×縦2160画素)で表示した大画面高品質映像で視聴者が感じる印象につ いて定量的に評価できる感性評価手法を提案し, 220インチと64インチサイズの画 面に4K解像度と,その比較として2K解像度(横2048または1920画素×縦1080画 素)の映像を表示して行った感性評価実験結果から,大画面高品質映像にふさわし い映像コンテンツの条件について検討を行っている.その結果,提案した感性評価 手法は大画面高品質映像の品質感等について詳細に評価することができる有用な方 法であることを確認している.さらに,大画面高品質映像コンテンツには空間を表 現した映像と記憶印象を持たない被写体が適していること,空間表現方法として画 面全体に焦点を合わせた重なりや線遠近法が効果的であることなど,大画面高品質 映像コンテンツの制作に有用な知見を得ている.

本論文は6章から構成されており,以下に各章の内容を述べる.

第1章では,本研究の背景と本研究の目的について述べている.

第2章では,大画面高品質映像を広く社会に普及させる映像表示技術,映像撮影 技術,映像符号化技術の進展と,その開発設計の指針となった人間の視覚特性,感 性評価方法の現状とその展望について述べている.

第3章では,大画面高品質映像で視聴者が感じる印象を評価する感性評価手法を 提案している.そして,4K解像度と2K解像度の映像で視聴者が感じる印象の違 いについて,この手法に基づく感性評価実験の結果から,提案した感性評価手法は 大画面高品質映像から期待される映像の「品質感」等の印象を正確に評価できるこ とを明らかにしている.

第4章では,大画面高品質映像の代表的映像コンテンツを4K解像度と2K解像 度で見た時の印象の違いについて感性評価実験で検討している.その結果,大画面 高品質映像コンテンツには空間を表現した映像と記憶印象を持たない被写体が適し

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ていること,空間表現方法として画面全体に焦点を合わせた重なりや線遠近法が効 果的であると結論付けている.一方,映像をぼかす大気遠近法で大画面高品質映像 の質感印象を損なう可能性や,線遠近法による過度な空間表現で視聴者に違和感を 与える可能性があることを示唆している.

第5章では,前章で示された,ぼかし表現による大画面高品質映像の質感印象の 低下と過度に強調された空間表現による違和感について詳細に検討する実験につい て述べている.実験結果から,画面周辺部分のぼかし表現が線遠近法による過度な 空間表現の違和感を軽減させ,画面全体の印象を向上させることを明らかにしてい る.

第6章は本論文のまとめであり,得られた研究成果をまとめ,今後の課題と展望 について述べている.

本論文については,2015年8月5日に本学工学研究科アカデミアホールにおいて,

審査委員全員及びこの分野の研究者の出席のもとに公聴会が開催され,研究内容の 発表及び質疑応答が行われた.公聴会終了後ただちに学位審査委員会を開催し,本 論文の内容について詳細に検討した.その結果,本論文は工学的に価値があり,研 究内容の学術的水準の高さと独創性および有用性において優れていると判断した.

よって,本論文は博士(工学)の学位論文に値するものと認める.

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