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2014年度技術部活動報告集

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Academic year: 2021

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2014年度技術部活動報告集

著者 福井大学工学部技術部技術部活動報告集編集委員会

雑誌名 技術部活動報告集

巻 20 (2014年度)

発行年 2015‑03

URL http://hdl.handle.net/10098/8777

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研修参加報告

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平成 26 年度 東海・北陸地区国立大学法人等 技術職員合同研修(物理・化学コース)

宮川 しのぶ,山口 綾香**

日時 : 平成26年7月30日(水)~8月1日

会場 : 国立大学法人 三重大学(三重県津市栗真町屋町1577)

1. 目的

東海・北陸地区の国立大学法人等に所属する 技術職員に対し,その職務遂行に必要な専門的 知識及び技術等を習得させ,技術職員としての 資質向上を図るとともに技術職員相互の交流に 寄与することを目的とする.

2. 研修内容

講義(1)「環境と防災」

大学院生物資源学研究科 葛葉 泰久 教授 本講義では,環境学の概念やあらゆる災害(例 えば,地震・飛行機等)のリスクをベネフィッ トの視点を用いてどう利用していくべきかにつ いて話があった.特に環境学については,環境 保護に対する人間のさまざまな考え方,環境学 の定義のあいまいさなど倫理的な問題について 聞き,私たち自身も大変考えさせられる興味深 い内容であった.

講義(2)「森林・林業の現状と森林作業システム」

大学院生物資源学研究科 石川 知明 教授 日本の森林率(国土面積に占める森林面積の

割合)は66%であり,世界トップクラスの森林

率を有している.しかしながら,高い森林率に 対して日本の木材自給率は,27%程度と低い水 準である.本講義では,日本の森林資源の現状 から,日本の低い木材自給率の要因や木材搬出 作業の厳しい現状について話があった.

実習

実習では,8 コース用意されており,受講対 象者は実習の機器に対して初心者若しくは今後 携わる人を対象としていた.そのため,内容と しては基礎的な部分が多い実習となった.今回

第2技術室 物理計測班

** 第2技術室 化学計測班

は「頭髪の炭素および窒素の安定同位体比測定」

と「樹脂包埋と XPS による表面分析」の 2コ ースでそれぞれ実習を行った.

「頭髪の炭素および窒素の安定同位体比測定」

(宮川)

本実習では実習参加者の髪の毛をサンプルと して採取し,頭髪内の炭素および窒素の安定同 位体比を測定し,自身の食性解析を目的とした.

ここで安定同位体比とはサンプル中の安定同位 体の存在比である(例:炭素であれば 13C と 12C から求められる).また,この安定同位体 比から生態物質循環の中の自分の位置(食物連 鎖網の中の人の位置)及び食習慣による違いが 確認できる.作業としては毛髪を 2mm以下に 刻みスズ箔に入れ 2mm程度のボール状に固め る.毛髪を完全に包むためにスズ箔は2重にし た.今回の測定が元素分析であることから試料 の汚染をもっとも気にかけて実習を行った.作 成した試料は Thermo Fisher Scientific 社製

DELTA Vで測定を行った(図1参照).得られ

たデータより安定同位体比の算出及び量依存補 正などの解析方法を習得した.

図1. 安定同位体比質量分析装置

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(4)

「樹脂包埋とXPSによる表面分析」(山口)

測定したい試料の形状や分析したい条件によ ってはそのままの状態では目的の情報を得るこ とが出来ない場合がある.そこで,有効的な手 段の一つとして用いられているのが樹脂包埋で ある.本実習では,樹脂を用いて試料の包埋を 行い,また,光電子分光分析装置(XPS)を用 いて,樹脂に埋め込んだ試料(Ni 皮膜 Al2O3

粉末)と DVD記録表面の分析および解析の基 本的な技術を教わった.樹脂包埋では,試料を 粉末状熱可塑性樹脂に加えて圧縮成型して作製 する方法と常温硬化性樹脂を用いて作製する方 法の2通りを行った.比較的簡単に行える作業 であり,いろんな分析への応用が可能であるの で,たいへん有用性のある実習になった.XPS 測定では,Ni皮膜Al2O3粉末とDVD記録媒体 の表面の分析から得られたデータにより,構成 元素や化学状態に対する解析方法を学ぶことが できた.

講義 (3)「持続可能な地域社会をめざして~自 然エネルギーを利活用した地域内循環のしくみ づくり」

大学院生物資源学研究科 坂本 竜彦 教授 地球温暖化により,2100年までに地球の平均

気温は 1.8~4.0℃上昇するといわれている.こ

の 1.8~4.0℃という数値は,コンピュータシミ

ュレーションや過去の温暖化時代の実証解析に より算出されている.本講義では,過去の温暖 化時代の実証解析の手段として用いている海底 掘削や年代測定方法について話があった.また,

日本のエネルギー自給率の現状およびドイツの バイオエネルギー村といった,自然エネルギー 自給自足自治体についても話があった.

3. 施設見学

三重大学では,三重大学カーボンフリー大学 構 想 の 一 環 と し て , ス マ ー ト キ ャ ン パ ス

(MIESC)実証事業の運用を行っている.この

事業は,キャンパスの立地条件等を活かして再 生エネルギー(太陽・風)を有効に活用するな ど,学内から排出されるCO2を減らすことを目 的としている.本研修での施設見学では,三重 大学構内に設置されている再生可能エネルギー 設備等の見学をさせていただいた.

図2. 樹脂包埋により作製した試料

図3. 風車

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平成 26 年度 東海・北陸地区国立大学法人等 技術職員合同研修(複合領域コース)

伊藤 雅基*

期間:平成26年8月27日(水)~平成26年8月29日(金)

会場:国立大学法人 名古屋工業大学(名古屋市昭和区御器所町)

1. はじめに

東海・北陸地区の国立大学法人等に所属す る技術職員に対し,防災の最前線における技 術情報を示すことにより,幅広い知識を得る こと及び,関連技術に対する意識を高めるこ とを目的とし開催された.

2. 研修内容

講義(1) 「技術部組織に関する課題-名古屋 工業大学技術部運営からみえるもの-」

名古屋工業大学 技術部次長 玉岡 悟司 開講式のあと技術部次長より技術職員の変遷 や,技術部が取り取り巻く諸問題や状況,中期 目標などの講義を受けた.その後,受講者全員 による職務内容を含めた一人5分間のプレゼン テーション(図 1)を行い,改めて技術職員と しての自覚や役割について学ぶことができた.

図1 職務内容自己紹介

講義(2) 「震災から学ぶ耐震対策」

名古屋工業大学 教授 井戸田 秀樹

甚大な被害をもたらした阪神大震災や東日本 大震災を捉え直し,近い将来危惧される巨大地 震にどう活かし,いかに備えるかについて,地 震のメカニズム,津波,耐震,防災などについ

* 第2技術室 物理計測班

て学んだ.これまでの地震の揺れによる耐震対 策だけでなく,軟弱地盤による液状化による住 宅倒壊や津波や河川の氾濫による浸水などの被 害も考えられ総合的な対策が必要となってきて いる.

講義(3) 「通信インフラによる防災」

西日本電信電話株式会社 部門長 中村 好宏 大規模災害時の情報伝達として,災害用伝言ダ イヤル(171)がある.携帯又は固定電話を用い て音声による伝言板の役割を果たすシステムで 災害時の安否確認等を行うことができる.

講義(4) 「南海トラフ巨大地震と電力供給に ついて」

名古屋大学 准教授 都築 充雄

南海トラフ地震は,今後30年以内にM8以上 の規模で,発生確率70%程度と予測されている.

この地震による被害は,東日本大震災の 10 倍 以上と想定され,早急な防災対策を講じる必要 がある.また,電力会社では,時々刻々と変動 する電力需要に合わせて発電所の出力を調整し,

需要と供給力のバランスを保っている.

しかしながら,大規模災害時は,電力の需要 と供給のバランスが崩れ,電力需要が供給力を 上回ると,最悪の場合発電機が停止し,被災地 域以外の場所でも大規模停電が発生する恐れが ある.復旧には数日を要することもあるので,

非常用電源確保などの対策も必要と感じた.

講義(5) 「地盤災害の常識を理解して巨大地 震に備える」

名古屋工業大学 教授 前田 健一

地震時の災害として洪水による浸水被害や液 状化による地盤災害がある.多くの自治体では,

災害による被害を想定し,その被害範囲を地図

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化したハザードマップを作成している.ハザー ドマップでは,予測される災害の発生地点,被 害の拡大範囲および被害程度,避難経路,さら に避難場所などの情報が既存の地図上に図示さ れており,平時より災害リスクを認識したうえ で,危険箇所や避難場所についての情報を知る ことが重要である.

講義(6) 「近年多発する豪雨災害-新記録の 統計,推定と予測の違い」

名古屋工業大学 准教授 北野 利一

広島市土砂災害や丹波豪雨災害など,想定外 の異常降雨により被害が発生している.近年の 雨量は,局部的な集中豪雨や記録的な豪雨が多 くなっており,住宅地域の斜面や堤防などの設 計を見直す必要があると考えられる.

講義(7) 「緊急地震速報を用いた大学防災」

愛知工業大学 准教授 小池 則満

今後 30 年以内に起こるとされる南海トラフ 巨大地震に備えるため,愛知工業大学では地震 の発生直後に到達時刻や震度を予測し,可能な 限りすばやく知らせる緊急地震速報を運用して いる.また,教職員は避難計画等の見直しや避 難訓練なども定期的に行っており,防災意識の 向上に繋がっていると感じた.

施 設 見 学

場所:名古屋市港防災センター

地震体験コーナー(図 2)では,これまでに 行った地震を再現し,地震の揺れの特徴,揺れ に対してどう身を守るか,地震後の避難方法や 備えなど適切な対処方法をわかりやすく学べた.

他に火災時の煙による避難体験として,火災 発生状況の中で煙の特性を理解し,的確な判断 に基づく避難姿勢や避難方法や伊勢湾台風によ る水害や復旧作業の教訓などを学んだ.

図2 巨大地震体験

災害備蓄倉庫の見学(図 3)では,クラッカ ーやアルファ米(一度炊いたご飯を乾燥させた 保存用のお米)などの食料品から毛布,飲料水 など生活に必要な最低限の物品が揃っていたが,

災害時は不足する恐れもあり,各家庭において も備蓄が必要との説明があった.

図3 災害備蓄倉庫の見学

3. おわりに

今回の研修に参加して,地震・液状化・豪雨・

土砂崩れなど自然災害の知識やメカニズム,災 害時の取り組み及び他大学の防災対策について 学ぶことができた.

本学でも今後,災害発生時に教職員が適切な 行動がとれるよう防災マニュアルの策定,避難 訓練の定期的な実施,食糧備蓄など防災意識を 日頃から高め,万が一に備える必要があり,そ の際の参考になる内容であった.

表1 日程表

図 1.  安定同位体比質量分析装置

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