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雑誌名 福井大学大学院工学研究科研究報告

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(1)

タバコのポイ捨てゴミにおけるフラクタル分布の発 現 ‑観測事実とモデル解析‑

著者 飛田 英孝, 稲垣 成識

雑誌名 福井大学大学院工学研究科研究報告

巻 55

ページ 15‑22

発行年 2007‑03‑31

URL http://hdl.handle.net/10098/915

(2)

Mem. Grad. Eng. Univ. Fukui, Vol.

55 (March 2007)

タ バ コ の ポ イ 捨 て ゴ ミ に お け る フ ラ ク タ ル 分 布 の 発 現 一観 測事 実 とモデ ル解 析 一

飛 田 英孝*稲 垣 成識**

FractalDistributionFoundinLitteringofCigaretteButts

‑ObservationandModelAnalysis一

Hidet訊kaTOBITA㌔ndShigenoriINAGAKI**

(ReceivedJanuary30,2007)

Thestatisticalcharacteristicsofthelitteringofcigarettebuttsareinvestigated,inthecampusof

UniversityofFukuiandseveralotherpublicplaces.亘twasfbundthatthedistributionofthe

numberofbuttslitteredatonespotfbllowsapowerlaw,cη(κ)〜 κ一αwhereo〃(x)isthenumber

ofspotsinwhichmorethanorequaltoxbuttsareR)und.Wedevelopedasimplemodelfbrthe

litteringbehavioronthebasisofawel1‑knownprinciple,̀̀1漉 ε7加gα 〃アαo'81'"θr加g".Accordingto

ourmodel,thepowerexponentofσ 〃(κ)isequalto,α=1の βwhereρ 〆isdefinedastheノ ∂〃owθ ノ5

7α'8,theprobabilitythatapersonlitterstoaspotthatalreadyhasbuttsratherthancreatinganew

litteringspot.Thefbllowersratedeterminedfセomthepowerlawfbundinthelitteringdata,ρ1‑1/α

agreesreasonablywellwiththeattitudesurveyresultsofaquestionnaireconductedfbrthe

students,

κ咤ソ 肋 掘 ∫:Littering,CigaretteButts,PowerLaw, Simulation,Mathematica[Sociology

ScaleFreeDistribution,ModelAnalysis

1.緒

タ バ コ の ポ イ 捨 て は,公 共 空 間 の 美 観 を損 ね る と と も に,ポ イ 捨 て ゴ ミの 終 着 地 で あ る 海 洋 に お い て 野 生 動 物 へ の 影 響 も 危 惧 され て い る.タ バ コ の 煙 は 多 数 の 病 因 物 質 を含 み,タ バ コ に よ る健 康 被 害 川 は 大 き な 社 会 的 ・経 済 的 損 失[2M3】も 引 き 起 こ して い る.

2002年,東 京 都 千 代 田 区 が 路 上 禁 止 地 区 で の 喫 煙 及 び ポ イ 捨 て を 禁 止 して 以 来,自 治 体 単 位 で も ポ イ 捨 て 防 止 活 動 が 進 め ら れ て い る.

本 研 究 で は,福 井 大 学 文 京 キ ャ ン パ ス を は じ め, い くっ か の 観 測 地 点 に お い て タバ コ の ポ イ 捨 て ゴ ミ に つ い て の 調 査 ・検 討 を 実 施 した.本 研 究 を 通 じて

*材 料 開 発 工 学 専 攻

**材 料 開 発 工 学 科

* M aterials Science and Engineering Course,

School of Engineering

** D

ept. of Materials Science and Engineering

Graduate

以 下 の よ うな 結 果 が 得 られ た.

(1)タ バ コ の ポ イ 捨 て ゴ ミ分 布 は べ キ 分 布 に 従 う.

学 内 ・学 外 の観 測 地 点 で の ポ イ 捨 て 数 の 分 布 に つ い て,大 ま か に は べ キ 乗 則 が 成 立 す る こ と を 見 い だ した.こ の 関 係 は,1箇 所 に 落 ち て い る タ バ コ の ポ イ 捨 て 数 を κ と した 場 合,ポ イ 捨 て 数 が κ以 上 で あ る 箇 所 数oη(κ)が,oη(κ)死ビ1に よ り定 式 化 で き る.

(2)ベ キ 分 布 は,簡 単 な ポ イ 捨 て シ ミ ュ レ ー シ ョ ン モ デ ル に よ り再 現 で き る.

ポ イ 捨 て ゴ ミ に つ い て は,「 ゴ ミが ゴ ミを 呼 ぶ 」と い う経 験 則 が 知 られ て い る.そ こ で 我 々 は,こ の 経 験 則 に 従 う簡 単 な モ デ ル を 構 築 して ポ イ 捨 て 挙 動 の シ ミ ュ レー シ ョ ン 解 析 を 行 っ た.そ の 結 果,観 測 事 実 と 同 様 に タ バ コ の ポ イ 捨 て 数 の 分 布 は べ キ 分 布 と な っ た.さ ら に,そ の 指 数 α と 「追 従 率 」 と名 付 け た パ ラ メ ー タ 〃 の 問 に は,α=1勿 と い う き わ め て 簡 単 な 関係 が あ る こ と を見 い だ した.

(3)意 識 調 査 に よ り得 られ た 追 従 率 は,ポ イ 捨 て 数 分 布 の 実 測 デ ー タ と 良 好 に 一 致 し た.

◎ 福 井 大学

(3)

16

福 井 大 学 文 京 キ ャ ン パ ス に お い て は,ポ イ 捨 て を 行 っ て い る の は 主 に 福 井 大 学 の 学 生 で あ る と 推 定 さ れ る.そ こ で,ポ イ 捨 て ゴ ミの 調 査 と並 行 して 福 井 大 学 工 学 部 学 生 を 対 象 と した ア ン ケ ー ト調 査 を 行 い (回 答 者 数447),タ バ コ の ポ イ 捨 て に つ い て の 意 識 調 査 を 実 施 した.本 調 査 に よ り推 定 され た 追 従 率 は, ポ イ 捨 て ゴ ミ調 査 に よ り得 られ た べ キ 指 数 と,α=

1紛 な る 関 係 を 通 じて 良 好 に 一 致 す る こ と が 示 され た 。

以 下,具 体 的 な 検 討 結 果 に つ い て 報 告 す る 。

2.方

2.1ポ イ 捨 て デ ー タ の 収 集

工 学 部1号 館 周 辺 の 観 察 区 域 に お い て は,定 期 的 に タ バ コ ゴ ミの 清 掃 を 行 い,そ の 後 の ポ イ 捨 て 挙 動 に つ い て 観 察 した.前 期(4.月 一7月)の 観 察 で は, 目視 に よ る ポ イ 捨 て 挙 動 の 観 察 の 他,7分 割 した 区 域 内 の ポ イ 捨 て ゴ ミ数 の 変 化 を 測 定 し た.し か し な が ら,ポ イ 捨 て タ バ コ の 総 本 数 は 日 ご と の 変 化 が 大 き く,ま た,自 主 的 な 清 掃 活 動 等 の 影 響 も 無 視 で き ず,法 則 性 を 十 分 に 確 立 す る こ とは で き な か っ た, そ こ で,後 期(10月 一12月)の 観 測 で は,直 径

1m範 囲 内 に 落 ち て い る ポ イ 捨 て タバ コ数 に 着 目 し, ポ イ 捨 て 数 分 布 デ ー タ の 収 集 を 行 っ た.本 稿 で 報 告 す る の は 後 期 の デ ー タ で あ り,前 期 の デ ー タ に つ い て は,別 途 同報 告 す る.

ポ イ 捨 て タ バ コ 数 分 布 の 計 測 に お い て は,タ バ コ ゴ ミ が 落 ち て い る 場 所 に お い て 約1mの 円 を 描 き, 円 内 の タ バ コ 数 を 計 測 した.な お,タ バ コ ゴ ミは 側 溝 内 も含 め,肉 眼 で 観 察 で き る も の は す べ て 含 め て 計 測 し た.

上 記,観 察 区 域 外 の 福 井 大 学 キ ャ ンパ ス,お よ び 学 外 の 公 園 等 に お け る 調 査 で は,ゴ ミ清 掃 は 行 わ ず, 直 径1m範 囲 内 に 落 ち て い る タ バ コ数 分 布 の み を 計 測 した.

2.2ア ン ケ ー ト調 査

福 井 大 学 工 学 部 学 生 を 対 象 と し,授 業 担 当 教 員 に 依 頼 し て ア ン ケ ー ト調 査 を 実 施 した.実 施 期 間 は, 平 成18年6月 一7月 で あ り,回 答 者 数 は447名 で

あ っ た.具 体 的 な ア ン ケ ー ト内 容,お よび そ の 結 果 を付 録1に 示 す,

2.3モ デ ル 解 析

ポ イ 捨 て ゴ ミ が1個 存 在 し て い る 状 態 か ら シ ミ ュ レー シ ョ ン を ス タ ー ト し,(Dゴ ミ を 捨 て る 際 に, 確 率 ρ1です で に ゴ ミが 落 ち て い る ク ラ ス タ ー に ゴ

ミ を 落 と す.(2)す で に ゴ ミ が 落 ち て い る ク ラ ス タ ー に 捨 て る 場 合(1 一ρ/),ゴ ミ を 特 定 の ク ラ ス タ ー に 落 と す 確 率 は,す で に ク ラ ス タ ー 内 に 存 在 す る ゴ ミ の 数 κに 比 例 す る と し た.

以 降,確 率 乃 を 依 存 率 と 呼 ぶ.

上 記 の モ デ ル を モ ン テ ・カ ル ロ 法 に よ り シ ミ ュ レ ー シ ョ ン した .

3.結 果 と 考 察

3.1ポ イ 捨 て 数 分 布

図1に 観 察 区 域 内 を 清 掃 後,1日 目 お よ び2日 目 に お け る タ バ コ の ポ イ 捨 て ゴ ミの ク ラ ス タ ー 分 布 を 示 す.独 立 変 数 の κ は,直 径 約lmの 円 内 の ポ イ 捨 て タ バ コ 数 で あ り,η(κ)は κ 本 タ バ コ が 落 ち て い る ス ポ ッ ト数 で あ る.1日 目,2日 目の い ず れ に お い て も,(1)κ の 小 さ い ポ イ 捨 て 数 の 少 な い ス ポ ッ ト数 が 圧 倒 的 に 多 い が,(2)集 中 度 の 極 め て 高 い ス ポ ッ ト

も数 の 上 で は 少 な い も の の 存 在 す る こ とが わ か る.

κ本 以 上 タ バ コが 落 ち て い る 箇 所 数 をcη(κ)で表 す.

・η(κ)一 Σc(〃)

η=κ

12

(1)

(×)⊆

80

40

□2ndday

●1stday

0 12345678

X

図1清 掃 後,1日 目 お よ び2日 目 の ポ イ 捨 て タ バ コ 数 の 分 布.κ は ス ポ ッ ト内 の ポ イ 捨 て タ バ コ 数, η(κ)はκ 本 タ バ コ が 落 ち て い る ス ポ ッ ト数 を 表 す.

測 定 日:2006年10月12‑13日

タ バ コ 総 本 数:1日 目]07本,2日 目210本

100

蒼1・

1

slope=‑2.5

□2ndday Olstday

0

1

2 3456789

10 X

図2積 算 分 布cη(めの 両 対 数 プ ロ ッ ト.図1と 同 じ デ ー タ を 積 算 分 布 に 変 換 した,

(4)

図1で 示 し た 同 じデ ー タ を(D式 で 定 義 され る 積 算 箇 所 数 を用 い て 両 対 数 プ ロ ッ トし た 結 果 を 図2に 示 す.ば ら っ き は 大 き い も の の,お お よ そ 直 線 関係 を 示 す こ と が わ か る.ま た,タ バ コ ゴ ミが 時 間 と共 に 増 大 して も 、 ほ ぼ 同 じ傾 き の 直 線 関 係 が 成 立 す る

こ とが わ か る.

図3‑5に,別 の 日 に 実 施 した 同 様 の 測 定 結 果 の 両 対 数 プ ロ ッ トを 示 す.測 定 日に よ り,捨 て られ る タ バ コ 数 に は 大 き な 違 い が 見 ら れ る が,分 布 は い ず れ も(2)式 で 示 す よ うな べ キ 分 布 と な り,ベ キ 指 数 α

2 100

2

蒼1・

4

2

slope=‑2.5

00

△3rdday Olstday

図3

1

測 定 日 タ バ コ 総 本 数

2 3456789

10 X

積 算 分 布cη ω の 両 対 数 プ ロ ッ ト.

:2006年10月16‑18日

:1日 目56本,3日 目189本

2 100

810

2

5

4 2 噛

slopeニ ー2.5

△3rdday

□2ndday Olstday

1

2 3456789

10 X

図4積 算 分 布c〃(κ)の 両 対 数 プ ロ ッ ト.

測 定 日:2006年10月23‑25日

タ バ コ 総 本 数:1日 日40本,2日 日81本,3日 161本

に も 大 き な 変 化 が み られ な い こ と が わ か る。

cη(κ)〜κ一α(2)

図 中 に は α=2.5と した 直 線 を 目安 と して 書 き 入 れ た.個 々 に 細 か く観 察 す れ ば αニ2.5か らは ず れ る 場 合 も あ る が,人 ま か に は 傾 き 一25な る 直 線 に 乗 る と 考 え られ る.

以 上 の 結 果 は,(1)福 井 大 学 工 学 部1号 館 周 辺 の観 察 区 域 内 に お い て,(2)清 掃 に よ り タバ コ ゴ ミ を 皆 無 に した 後 で の ポ イ 捨 て 挙 動 で あ る.ベ キ 乗 則 が こ の よ う な 限 られ た 条 件 で の み 成 立 す る の か,あ る い は よ り一 般 的 に 成 立 す る の か を 検 討 す る た め に,観 察 区 域 外 で 清 掃 を 行 わ ず に ポ イ 捨 て 数 の観 測 を 行 っ た.

図6に 工 学 部 と 同 じ文 京 キ ャ ンパ ス 内 の 教 育 地 域 科 学 部,松 岡 キ ャ ンパ ス に あ る 医 学 部,さ ら に,福 井 県 立 大 学 の 福 井 キ ャ ン パ ス 内 に お け る ポ イ 捨 て 分 布 の 測 定 結 果 を 示 す.教 育 地 域 科 学 部 で は,ポ イ 捨 て が 目立 つ 汚 れ た 箇 所 も見 られ た が,医 学 部,福 井 県 立 大 学 は 比 較 的 きれ い な 状 況 で あ っ た.い ず れ の 場 所 に お い て も タ バ コ の ポ イ 捨 て ゴ ミ数 の 分 布 は, ほ ぼ ベ キ乗 則 が 成 立 し て い る こ と が わ か る.汚 れ の

目 立 っ た 教 育 地 域 科 学 部 の 場 合 の 傾 き が や や 小 さい 傾 向 が あ る も の の,傾 き 一2.5な る 直 線 か ら の 顕 著 な ず れ は 見 られ な か っ た.

大 学 と い う場 所 は,ほ ぼ 同 じ構 成 員 が 繰 り返 しポ イ 捨 て を行 う場 所 だ と考 え られ る.ベ キ 分 布 の 汎 用 性 を さ らに 検 討 す る た め に,不 特 定 多 数 の 人 た ち が 利 用 す る公 園 に お い て,同 様 の 測 定 を 行 っ て み た.

対 象 と した 公 園 は 、 福 井 市 内 の 運 動 公 園 内 こ ど も の 国(11月29口 実 施,ポ イ 捨 て観 測 総 数:74本),足 羽 山 公 園(ll月30目 実 施,10本),幾 久 公 園(11 月30日 実 施,8本),愛 知 県 安 城 市 に あ る今 村 公 園

(11月28日 実 施,26本),篠 目公 園(lL月28日 実 施,ll7本),安 城 公 園(11刀28日 実 施,9本)で あ る.い ず れ の 公 園 も美 観 を 損 ね る ほ どの タバ コ の ポ イ 捨 て ゴ ミ は 見 られ な か っ た.実 際 の と こ ろ 運 動

(×)5

2 100

'4201 42

slope=‑2.5

△3rdday

□2ndday olstday

1

2 3456789

10 X

図5積 算 分 布cη(κ)の 両 対 数 プ ロ ッ ト.

測 定 日:2006年IO月30日 一ll月1日

タ バ コ 総 本 数:1日 目85本,2日 目142本,3日 167本

100 8 ε10

1

● 福井県立大学

□ 福井大学医学部

△ 福井大学教育地域科学部

slope=‑2.5

1

23456789

10

2

X

図6積 算 分 布cη(κ)の 両 対 数 プ ロ ッ ト.

県 立 大:2006年ll月30口,総 本 数252本 医 学 部:2006年12月1目,総 本 数115本

教 育 地 域 科 学 部:2006年12月6日,総 本 数306本

(5)

18

公 園 と篠 目公 園 以 外 で は,ポ イ 捨 て 本 数 が 少 な す ぎ, 分 布 の 解 析 は で き な か っ た.

図7に 運 動 公 園(福 井 市)と 篠 目公 園(安 城 市) にお け る ポ イ 捨 て 分 布 を示 す.ど ち ら の 公 園 で も, お お よそ ベ キ 乗 則 が 成 立 し,し か も傾 き 一2.5な る直 線 と も ほ ぼ 一 致 し た.

図2‑7の 結 果 よ り,ポ イ 捨 て ゴ ミ が そ れ ほ ど 多 く な い 場 所 に お い て は,大 学,公 園 を 問 わ ず,ほ ぼ 指 数 α=2.5な る ベ キ 分 布 に 従 う こ とが 見 い だ され た.

一 方,文 京 キ ャ ン パ ス 全 体 に っ い て 調 査 した と こ ろ,極 め て タバ コ ゴ ミの 多 い 汚 い 場 所 が 多 数 観 察 さ れ た.そ こ で,文 京 キ ャ ンパ ス 全 体 に つ い て も調 査 を 実 施 した.

図8に 文 京 キ ャ ン パ ス 全 体 で の ポ イ 捨 て 分 布 を 示 す.観 測 した ポ イ 捨 て タバ コ の 総 本 数 は 、1476本 に の ぼ り,タ バ コ の ポ イ 捨 て が か な り 目 立 つ 状 況 で あ っ た.こ の 場 合 の ポ イ 捨 て 数 分 布 に も,両 対 数 プ ロ ッ トし た 場 合,良 好 な 直 線 関 係 が 見 られ,ベ キ 分 布 が 成 立 す る こ と が わ か る.し か し な が ら,直 線 の 傾 き は,他 の 観 測 結 果 に 比 べ 小 さ く な っ た(α 呂1.5).

傾 き が,他 の 測 定 結 果 と 一 致 し な い 原 因 は 現 在 の と こ ろ 明 確 で は な い が,以 下 の よ う な理 由 が 推 測 され る.(1)ポ イ 捨 て ゴ ミが 非 常 に 目立 つ 状 況 で は,ポ イ 捨 て 挙 動 が 変 化 す る.(2)ポ イ 捨 て が あ ま り に激 し く, 直 径lmの 円 で ポ イ 捨 て ス ポ ッ トを 区 分 す る こ とが

(×)8

2 100

'4201 421

篠 目公 園(愛 知 県 安城 市)

運 動 公 園(福 井 県 福 井 市)

図7

slope=‑25

1

篠 目公 園 運動 公 園

2 3456789

10

(×)8

X

積 算 分 布c〃(κ)の 両 対 数 プ ロ ッ ト.

:2006年11月28日,総 本 数ll7本 :2006年11月29日,総 本 数74本

1000

100

10

1

slope=‑15

1文京 キ ャ ンパ ス全 体1

図8

1

2345678

10

2345

X

積 算 分 布cη α)の 両 対 数 プ ロ ッ ト.

2006年12月6日,総 本 数1476本

困難 な 場 所 も 見 られ た.(3)ポ イ 捨 て され て か ら 日数 の 経 っ た 吸 い 殻 も多 く,雨 や 風 等 の 自然 現 象 に よ る 移 動 に よ る集 積 効 果 も あ っ た の で は な い か と 考 え ら れ る.

図8に 示 す よ う に,ベ キ 指 数 α=2.5と い う値 は,ど の よ う な 場 所 に 対 して も適 用 で き る わ け で は な い.

しか し な が ら 、 多 数 の ポ イ 捨 て ゴ ミ ク ラ ス タ ー か ら 構 成 され る集 合 が ベ キ 分 布 に は 従 う と い う観 測 結 果 は 大 変 興 味 深 い.

3.2モ デ ル に よ る シ ミ ュ レ ー シ ョ ン

ベ キ 分 布 を 生 み 出 す モ デ ル と して は,1999年 に BarabasiとAlbertが 提 案 し た 「優 先 的 選 択 成 長 モ デ ル 」[5]が知 られ て い る 。 こ の モ デ ル は,(1)系 の 大 き さ が 時 間 的 に 拡 大 し、(2)大 き い ク ラ ス タ ー ほ ど優 先 的 に さ ら に 大 き く な る と い う特 徴 を有 す る.1994年 にTobitaが 高 分 子 へ の連 鎖 移 動 を 含 む 乳 化 重 合 反 応 に対 し て 「直 接 シ ミ ュ レー シ ョ ン 法 」 と名 付 け て 発 表 し た 反 応 モ デ ル[6]も,上 記(D,(2)の 特 徴 を有 し,こ の モ デ ル は 分 子 量 分 布 が ベ キ 乗 則 に従 う高 分 子 をつ く り出 す こ と が 示 され て い る[7].BarabasiとAlbert に よ り提 案 され た モ デ ル で は,ベ キ指 数 を 自 由 に コ ン トロー ル す る こ と は で き な い.一 方,Tobhaモ デ ル で は,指 数 α を 反 応 条 件 に よ り 自 由 に 制 御 す る こ と が で き,し か も,指 数 α と分 岐 確 率 と名 付 け られ た 反 応 パ ラ メ ー タPウ との 問 に は,α=11P白 な る極 め て シ ン プ ル な 関 係 が 成 立 す る こ と も 見 い だ し て い る[8].

な お,Tobitaモ デ ル で の 解 析 を 通 じ て,上 記(1)の 系 の 継 続 的 拡 大 は 必 須 の 条 件 で は な く,物 質 の 出 入 り を伴 い な が ら 定 常 状 態 が 成 立 す る 「連 続 槽 型 反 応 器 」 に お い て も ベ キ 分 布 が 発 現 す る こ と が 見 い だ さ れ て い る191.連 続 槽 型 反 応 器 は,細 胞 内 で の 代 謝 反 応 モ デ ル に も適 用 で き る の で,生 物 系 で の フ ラ ク タル 分 布 形 成 モ デ ル と して も 展 開 で き る と 考 え られ る。

こ こ で は,高 分 子 へ の 連 鎖 移 動 を含 む 重 合 反 応 に 対 し て 提 案 され たTobi血 モ デ ル に 軽 微 な 変 更 を加 え た モ デ ル を 用 い て シ ミ ュ レー シ ョ ン を 行 う。

今 回 使 用 した タ バ コ ポ イ 捨 て モ デ ル は,次 の2つ の ス テ ップ か ら な る.

(1)タ バ コの ポ イ 捨 て を す る 際 確 率 ρズで す で に タバ コ が ポ イ 捨 て され て い る場 所 に捨 て る.こ の 確 率 ρ1を追 従 率 と呼 ぶ.

(2)追 従 して 捨 て る 際 に は,特 定 の ポ イ 捨 て ス ポ ッ トに 捨 て る確 率 は,す で に そ の 地 点 に 落 ち て い る タバ コ ゴ ミの 本 数 に 比 例 す る 。こ れ は,「 ゴ ミは ゴ ミ を 呼 ぶ 」 と い う経 験 則 を モ デ ル 化 し た も の で あ る.

上 記 の モ デ ル は,系(タ バ コ ゴ ミ の 総 本 数)の 継 続 的 増 大,多 数 の タ バ コ ゴ ミ を 有 す る ク ラ ス タ ー の

(6)

優 先 的 拡 大 と い う特 性 を 有 した 「優 先 的 選 択 成 長 モ デ ル 」 で あ る.

図9に 脅 値 を0.1か ら0.9ま で 変 化 さ せ て 行 っ た シ ミ ュ レー シ ョ ン 結 果 を示 す.グ ラ フ の 縦 軸 は,次 式 で 定 義 され る 数 基 準 の 累 積 分 布 関 数 で あ る,

cMx)一 Σ ノv(η)

π=κ

(3)

こ こ でM〃)は,次 式 で 表 され る確 率 密 度 関 数 で あ る.

Mκ)‑4(xL〃 ω(4)

Σ ηω 脚

κ=1

こ こ で,η 、1,。、は ポ イ 捨 て の あ る ス ポ ッ トの 総 数 で あ る.

cη(κ)一ぜ な る 関 係 が 成 立 す る と き,η(κ),ノVα),CMκ) は そ れ ぞ れ,以 下 の よ うな べ キ 乗 則 に 従 う.

η(κ)一ズ(α+1)(5) Mか ズ(副)(6) αV(κ)〜ズ α(7)

シ ミ ュ レ ー シ ョ ン は,タ バ コ の ポ イ 捨 て が1本 だ け あ っ た 状 態 か ら ス ター ト し,1本 ず つ タバ コ ゴ ミ を上 記(1),(2)の プ ロ セ ス に よ り増 大 させ,ポ イ 捨 て ス ポ ッ ト数 が10万 箇 所 以 上 に な る ま で 計 算 を 続 け た.

追 従 率 ρrが小 さ い 場 合 に は,ベ キ 乗 則 が 成 立 す る 領 域 が 小 さ い も の の,い ず れ もα=1勿 な るベ キ 分 布 に 従 う こ と が わ か る.な お,ベ キ 分 布 と呼 ば れ る 分 布 は 一 般 に,κ が あ る 程 度 大 き い 領 域 に お い て ベ キ 乗 則 が 成 立 す る よ うな 分 布 で あ る.

理 論 分 布 は,サ ン プ ル 数 が 無 限 大 で あ る場 合 の 分

100

10‑1

薯1・ ぞ

o

1♂

1♂

P,・ ・1隠 ・・ ㌧、

し 軋

Pf=09

012341010101010

X

図9ポ イ 捨 て モ デ ル に よ る シ ミ ュ レー シ ョ ン 結 果.左 側 か ら順 に 追 従 率 ρ1を0.1か ら0.9ま で0.1刻 み で 変 化 させ た 場 合 の 結 果 を 示 す.縦 軸 は,(3)式 で 与 え られ る 累 積 分 布 関 数 で あ り,ポ イ 捨 て タ バ コ 数 が κ本 以 上 で あ る 箇 所 数 の 分 率 を表 す.図 中 の 直 線 は, 傾 き 一1/乃な る 直 線

布 で あ る が,一 般 に 現 地 調 査 で は サ ン プ ル 数 が あ ま り大 き く 取 れ な い 場 合 が 多 い.そ こで,今 回 の 観 測 結 果 と ほ ぼ 同 じポ イ 捨 て タ バ コ総 本 数 η,にお い て も

シ ミ ュ レー シ ョ ン を行 っ て み た.

図10に η,=210で あ る 場 合 の シ ミ ュ レー シ ョ ン 結 果 と観 測 結 果 の 比 較 を示 す.シ ミ ュ レー シ ョ ン で は, ρ1=11α=1/2.5=0.4と して 計 算 を行 っ た.サ ン プ ル 数 が 210程 度 と小 さい 場 合 に は,シ ミ ュ レー シ ョ ン に お い て も κの 大 き い 領 域 で の 両 対 数 グ ラ フ 上 の ば らつ き は 大 き く,そ もそ も 誤 差 の 大 き な 観 測 実 験 で あ る こ と を 考 慮 す れ ば 極 め て 良 好 に 一 致 して い る と言 え る.

図11に 最 もサ ン プ ル 数 の少 な い 図4中 の1目 目 の デ ー タ に 対 す る シ ミ ュ レー シ ョ ン 結 果 を示 す.こ こで も,ρ π0.4と して シ ミュ レー シ ョン を 行 っ た.こ の 場 合 に も,実 測 デ ー タ,シ ミ ュ レー シ ョ ン結 果, そ して,図 中 に 引 い た 直 線 の3者 は 良 好 に一 致 す る こ とが わ か る.

分 布 デ ー タ で は,い くつ か の ク ラ ス タ ー を ラ ン ダ ム に 排 除 し て も全 体 の 分 布 は 変 化 し な い.し た が っ て,前 期 に 実 施 した ポ イ 捨 て タバ コ の 総 本 数 の 測 定 よ り も 自 主 的 な 清 掃 活 動 の 影 響 を受 け に く い,そ う い っ た 意 味 で,ポ イ 捨 て タ バ コ数 分 布 の 計 測 は ポ イ 捨 て 挙 動 を 簡 便 に 調 査 す る 優 れ た 方 法 だ と 考 え られ

る.

一 方,図8に 示 した よ う に,極 め て タ バ コ ゴ ミの 目立 つ 環 境 下 で は,α の 値 が 小 さ く な っ て い る.こ

100

§1・

1

□2ndday(nt=210)

× ●Simulation

slope=‑2.5

X X

● ● ×

1

2 3456789

10 X

図10図2で 示 した 学 内 観 測 区 域 内 で の 計 測 デ ー タ(2日 目)と シ ミ ュ レー シ ョ ン結 果 の 比 較.

)5

2 100

10

42

01stday(nt=40)

× ●Simulation

slope=‑2,5

×

× X×

1

2 3456789

10 X

図11図1で 示 した 学 内 観 測 区 域 内 で の 計 測 デ ー タ(1日 目)と シ ミ ュ レー シ ョ ン結 果 の 比 較.

(7)

20

こ で 提 案 した ポ イ 捨 て モ デ ル か らは,こ れ は,依 存 率 ρ1が増 大 した と解 釈 で き る.つ ま り,タ バ コ ゴ ミ が 増 え て く る と,そ れ ま で 新 た な ポ イ 捨 て ス ポ ッ ト を 開 拓 して い た 独 立 心 の 強 い 人 も 汚 れ た 場 所 に 捨 て や す く な る と い う挙 動 の 変 化 が あ る こ と を 示 唆 す る.

あ る い は,タ バ コ ゴ ミの 散 乱 が 激 しい 場 所 で は,た と え 独 立 に 捨 て て も ス ポ ッ ト内 に 入 っ て し ま う と い

う結 果 に な り,見 か け 上,依 存 率 が 高 く な る と い う こ と も 考 え られ る.

本 節 で 行 っ た モ デ ル 解 析 か ら は,α=2.5の 場 合 に は 依 存 率 ρ戸0.4と な り,ま た,図9で 示 した α=1.5の 場 合 に は 依 存 率 ρ1冨0.67と解 釈 で き る.

3.3意 識 調 査 結 果 と の 関 係

2006年6‑7.月,工 学 部 学 生 を 対 象 と し て,付 録 に 示 す よ う な ア ン ケ ー トを 実 施 し,タ バ コ の ポ イ 捨 て につ い て の 意 識 調 査 を行 い,447名 か ら 回 答 を 得 た.

ア ン ケ ー トか ら得 ら れ た 喫 煙 率 は62/447=13,8%で あ り,2005年 度,工 学 部 学 生 を 対 象 と して1253名 よ り 回 答 を 得 た 調 査 結 果16.9%よ り もや や 低 く な っ た.

問6,7の ポ イ 捨 て 挙 動 に つ い て の 集 計 結 果 を 表 1に 示 す.

表1ポ イ 捨 て 挙 動 の ア ン ケ ー ト結 果 学 内 で タ バ コ の ポ イ 捨 て を し た こ と が

あ る な い

42人 20人 ポ イ 捨 て を す る 際

きれ い な 場 所 で も ポ イ 捨 て を す る 2‑3本 落 ち て い れ ば 捨 て る た く さん 落 ち て い れ ば 捨 て る 意 識 した こ と が な い

14人 6人 7人 15人

「2‑3本 落 ち て い れ ば 捨 て る 」 「た く さん 落 ち て い れ ば 捨 て る 」 と答 え た 人 数 か ら依 存 率Prを 推 定 す る と ρノ=(6+7)/42=α31と な る.も ち ろ ん,「 き れ い な 場 所 で も ポ イ 捨 て を す る 」 と 答 え た 人 た ち が 従 属 し て 捨 て る こ と も 考 え 得 る の で,p/は0.31よ り も 大 き い と 考 え ら れ る.一 方,「 意 識 し た こ と が な い 」 と 答 え た 人 は 無 意 識 に 依 存 し て 捨 て て い る と も 考 え

られ る.そ こ で,こ の 人 数 を 依 存 し て 捨 て る 人 数 に 加 え る と 依 存 率 ρ1は,巧 《6+7+15)/42田0.67と

る,従 っ て,ρ/値 と し て は,最 低0.31,最 大0.67 程 度 で あ る と 推 定 さ れ る.

前 節 で 提 案 し た ポ イ 捨 て モ デ ル に 従 え ば,実 測 デ ー タ の α=2 .5は,ρ ∫=0.4と な る.こ の 値 は,上 記 の ア ン ケ ー ト結 果,ρ1=0.31‑0.67と も ま ず ま ず の 精

度 で 一 致 す る.

一 方,ポ イ 捨 て ゴ ミが 増 大 して く る と,無 意 識 に 捨 て て も ス ポ ッ ト内 に 入 る確 率 は 増 大 す る で あ ろ う.

そ の よ う に 考 え る と,図8で 示 さ れ た 直 線 の 傾 き よ り得 られ た ρrFO.67と い うの も,ア ン ケ ー ト結 果 と 大 き く矛 盾 す る結 果 とは 言 え な い.

意 識 調 査 に よ り得 られ た 追 従 率 は,ポ イ 捨 て 数 分 布 の 実 測 デ ー タ と ま ず ま ず の 精 度 で 一 致 す る と い え る で あ ろ う.

N(κ)〜 κ一(α+1)なる分 布 に 従 う場 合,タ バ コ の ポ イ 捨 て 数 が κ本 で あ る ス ポ ッ トに あ る ポ イ 捨 て ゴ ミの 合 計 の ポ イ 捨 て 総 本 数 に 占 め る 割 合 翅(κ)は,次 式 で 表 され る.

wω ≒ 蝉ω 一譜(8) Σ漁)

炉1

従 っ て,タ バ コ の ポ イ 捨 て 数 が κ本 以 上 の ス ポ ッ ト に 捨 て られ て い る タ バ コ の 総 数 の ポ イ 捨 て 総 本 数 に 対 す る 分 率C翅(κ)は,

cwω 一 Σw@)〜 κ1一α

π≡κ

(9)

(9)式 に お い て,α=2.5と す る と,C翅(x)〜 ズ15と な る.ベ キ 分 布 で は,κ=1ま で ベ キ 分 布 が 適 用 で き る と は 限 ら な い が,今,両 対 数 プ ロ ッ トに お け る 直 線 が(Ll)に 近 い 点 を 通 る と仮 定 して タバ コ ゴ ミの 回 収 に つ い て 試 算 を 行 う.図9に 示 す よ う に,一 般 に(1,1) よ り は 上 を 通 る 直 線 とな る の で,こ こ で の 試 算 結 果 は最 も低 く 見 積 も っ た 値 で あ る.x≧2な る ス ポ ッ ト に 捨 て ら れ て い る タ バ コ の 総 本 数 の 割 合 は, C贋2)=0.35程 度 と 見 積 も られ,2本 以 上 の ス ポ ッ ト の み 選 択 的 に清 掃 し て も35%し か タ バ コ ゴ ミが 回 収 で きず,1本 しか 落 ち て い な い ス ポ ッ トを 含 め て 清 掃 す る 必 要 が あ る こ とが わ か る.

一 方,汚 れ が 進 ん だ 状 態 に お け る 値,α=1.5を 用 い る とC贋 κ)畷那 と な る.こ の 場 合 に は,C贋2)=0.71 と な り,2本 以 上 捨 て られ た ス ポ ッ トの み を 選 択 的 に 清 掃 す れ ば,約70%の タ バ コ ゴ ミ が 回 収 で き る.

C贋3)=0.57で あ る の で,3本 以 上 落 ち て い る ス ポ ッ トの み を 清 掃 し て も,半 数 以 上 の タバ コ ゴ ミが 回 収 で き る.今 回 の 考 察 に 基 づ け ば,比 較 的 ポ イ 捨 て タ バ コ が 少 な い 場 所 で は,す べ て の タ バ コ ゴ ミ を 回 収 す べ き で あ る が,汚 れ た 場 所 で は,特 に ポ イ 捨 て の 目立 つ 場 所 の み 清 掃 して も,十 分 な 割 合 の タ バ コ ゴ ミが 回 収 で き る こ と が 示 唆 され る.

現 在 の ポ イ 捨 て モ デ ル は 極 め て 簡 素 化 され た モ デ ル で あ り,ま だ ま だ 改 善 の 余 地 は あ る と 考 え ら れ る が,タ バ コ の ポ イ 捨 て の 大 ま か な 挙 動 は 記 述 で き て

(8)

い る と考 え て い る.

4.結 論

学 内 で の 観 測 区 域 内 に お い て,清 掃 後 の ポ イ 捨 て タ バ コ 数 分 布 を 調 査 した と こ ろ,清 掃 後1日 後,2

日後,3日 後 の い ず れ の デ ー タ も α一25な るベ キ 分 布cη(x)〜 ズ αな る ベ キ 分 布 に 従 う こ と を 見 い だ した.

学 内 の 他 の 区 域 や 他 大 学,さ ら に は,一 般 の 公 園 に お い て,あ らか じめ 清 掃 を 行 う こ と な く,タ バ コ ゴ ミ分 布 の 状 況 調 査 を 行 っ た と こ ろ,あ ま り汚 れ の 目立 た な い 場 所 で は,先 の 知 見 と 同 じ く,ほ ぼ α=2.5 な る ベ キ 分 布 に 従 う こ と が 示 され た.

学 内 の 非 常 に 汚 れ た 地 区 を 含 む 観 測 に お い て もポ イ 捨 て タ バ コ数 は,ベ キ 分 布 に 従 うこ とが 見 い だ さ れ た が,こ の 場 合 に は 指 数 α の 値 は1.5程 度 と上 記 の 観 測 よ り小 さ くな っ た,

タ バ コ の ポ イ 捨 て 挙 動 に つ い て,ゴ ミが ゴ ミ を 呼 ぶ とい う経 験 則 に 基 づ い て 「優 先 的 選 択 成 長 モ デ ル 」 を 構 築 し,シ ミ ュ レー シ ョ ン を 行 っ た と こ ろ,観 測 事 実 と同 様 に ベ キ 乗 則 に 従 うポ イ 捨 て 数 分 布 が 得 ら れ た.こ の モ デ ル に 従 え ば,タ バ コ を 捨 て る 際 に, す で に 捨 て て あ る ス ポ ッ トに ポ イ 捨 て を 行 う確 率 ρズ

と,ベ キ指 数 αの 問 に は,α=1/ρ ∫ と い う極 め て 簡 単 な 関 係 が あ る.

学 内 で 主 に ポ イ 捨 て を 行 っ て い る の は,本 学 の 学 生 で あ る と推 測 さ れ る.そ こ で,工 学 部 学 生 を 対 象 と して ア ン ケ ー トに よ る 意 識 調 査 を 行 っ た と こ ろ, 追 従 率 は,ρ/=0.31‑0.67程 度 と な る こ と が 推 定 さ れ た.今 回 実 測 され た 指 数 α の 値 は,清 浄 な 環 境 下 で は2。5,汚 れ が 進 ん だ 環 境 で は1.5で あ っ た の で,

α=1/ρノな る 関 係 か らは,そ れ ぞ れ,0.4お よ び0.67 と な る.こ れ らの 値 は,意 識 調 査 に 基 づ く追 従 率 と も 良 好 に 一 致 して い る と言 え る.

今 後,こ の よ うな ポ イ 捨 て 挙 動 解 析 を,ポ イ 捨 て ゴ ミ を 減 らす 方 法 作 りに 生 か して い き た い と 考 え て い る.

付 録

タ バ コ の ポ イ 捨 て に 関 す る ア ン ケ ー ト調 査 2006年6‑7月,工 学 部 学 生 対 し て 実 施 。 同 答 者 数 は 447で あ っ た 。

(1)あ な た の 所 属 学 科(専 攻)は?

生 物応 用化 学 科 電 気 ・電子 工 学 科 知 能 システ ムエ 学科 材 料 開発 工学 科 機械 工 学科

情 報 ・メデ ィ ア工学 科

58人 56人 66人 76人 74人 66人

建 築 建設 工 学 科 原 子 力 安全 工学 専攻 (2)あ なた の 学年 は?

2年 生 3年 生 4年 生 大 学 院 生

48人 3人

54人 341人 31人 21人 (3)あ な た は 大 学 で タ バ コ を 吸 い ま す か?

1.ほ ぼ 毎 目 吸 う39人(8.7%) 2.時 々 吸 う23人(5.1%) 3.吸 わ な い385人

1お よ び2と 答 え た 人 は,問(4)以 降,順 3と 答 え た 人 は 問(8)へ

(4)あ な た は,携 帯 灰 皿 を 持 っ て い ま す か?

L持 っ て い る23人 2.持 っ て い な い37人

(5)あ な た が,大 学 内 で タ バ コ を 吸 う と き:

L一 人 で 吸 う こ と が 多 い24人 2.友 達 と 吸 う こ と が 多 い21人 3.ど ち ら と も 言 え な い15人

(6)あ な た は,大 学 内 で ポ イ 捨 て を し た こ と が あ り ま す か?

1.し た こ と が あ る 2.し た こ と が な い 1と 答 え た 人 は,問(7)へ 2と 答 え た 人 は,問(8)へ

42人 20人

(7)大 学 内 で ポ イ 捨 て を し た こ と が あ る 人 に 伺 い ま す.

(a)あ な た は ま っ た く タ バ コ が ポ イ 捨 て され て い な い き れ い な 場 所 で も ポ イ 捨 て を しま す か?

1.す る

2.2‑3本 落 ち て い れ ば 捨 て る 3.た く さ ん 落 ち て いれ ば 捨 て る 4.意 識 した こ とが な い

14人 6人 5人 15人

(b)あ な た は,大 学 内 の ど の よ うな 場 所 で ポ イ 捨 て を しま す か?(該 当 す る も の す べ て に ○) 1.汚 い 場 所

2.人 目 に つ き に くい 場 所 3他 人 が 捨 て て い る の を 見 て 4.ベ ン チ の あ る 場 所

5.排 水 溝 の 中 6.そ の 他()

ll人 8人 3人 7人 18人 4人

(8)タ バ コ の ポ イ 捨 て は 悪 い こ と だ と思 い ま す か?

1.はい411人(92%) 2.い い え33人

無 回 答3人

(9)あ な た は,大 学 内 の ポ イ 捨 て を な く し た い で す か?

(9)

22

Lは い378人(85%) 2.い い え65人 無 回 答4人

(10)あ な た は,タ バ コ の ポ イ 捨 て ゴ ミ を な くす た め に 週1回10分 程 度 の ボ ラ ン テ ィ ア 活 動 に 参 加 す る 意 志 は あ りま す か?

1.は い68人(15%) 2.い い え378人 無 回 答3人

(ll)あ な た だ っ た ら タ バ コ の ポ イ 捨 て を 減 ら す の に ど う い う方 法 を と りま す か?

謝 辞

福 井 大 学 工 学 部 生 物 応 用 化 学 科3年 の 伊 東 護 一 君, 材 料 開 発 工 学 科2年 の 徳 永 理 子 さん ・吉 川 千 裕 さ ん に は,工 学 部 共 通 科 目 「学 際 実 験 ・実 習 」 の エ コ ロ ジ ー&ア メ ニ テ ィ 部 門 で の 活 動 を 通 じ,実 験 デ ー タ の 収 集,ア ン ケ ー トの 作 成 ・整 理 等 に 協 力 し て 頂 き ま した.多 数 の 福 井 大 学 工 学 部 の 教 員 の 方 々 に は, 貴 重 な 授 業 時 間 を 割 い て ア ン ケ ー ト調 査 に ご 協 力 頂

き ま し た.福 井 大 学 医 学 部 看 護 学 科 長 谷 川 智 子 助 教 授,上 原 佳 子 助 手 に は,喫 煙 に 関 す る 意 識 に つ い て 貴 重 な ご 助 言 を 頂 き ま した.末 尾 な が ら心 か ら感 謝 の 意 を 表 し ま す.

参考文献

[1]加 濃 正 人 編:タ バ コ病 辞 典,実 践 社(2004), [2]後 藤 公 彦:日 本 医 師 会 雑 誌,116,370(1996).

[3](財)医 療 経 済 研 究 機 構:喫 煙 政 策 の コ ス ト ・ベ ネ フ ィ ッ ト分 析 に 係 わ る 調 査 研 究 報 告 書,平 成

6‑8年 度 厚 生 科 学 研 究 費 補 助 事 業(1997).

[4]稲 垣 成 識:卒 業 論 文,福 井 大 学 工 学 部(2007)。

[5] A.-L. Barabasi and R. Albert: Science, 286, 509 (1999).

[6] H. Tobita: Polymer, 35, 3023 (1994).

[7] H. Tobita: Macromolecules, 37, 585 (2004).

[8] H. Tobita: Macromol. Mater. Eng., 290, 363 (2005).

[9] B. Tobita: e-Polymers, no. 076 (2004).

参照

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