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智山學報 15 006長澤 實導「唯識三十論要釋に就いて : その依用せる「百法疏」を中心として」

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Academic year: 2021

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全文

(1)

そ の 依 用 せ る 「 百 法 疏 」 を 中 心 と し て

「 唯 識 三 十 論 要 釋 」 は し 改 め て 云 ふ ま で も な く 、 ペ リ オ に よ つ て 燉 煌 か ら 發 見 せ ら れ た 古 書 で あ る 。 曩 に 矢 吹 博 士 は

1

                                     

2

「 鳴 沙 餘 韻 」 中 に そ の

部 を 影 刊 せ ら れ

叉 「 鳴 沙 餘 韻

解 読 」 中 に は 本 書 の 簡 潔 な 解 説 を 試 み て お ら れ る 。 現 今 で は 大 正

第 八 + 五 卷 に 牧 め ら れ て ゐ る か ら そ の

を 窺

と が で き る ・   本 書 は そ の 書 名 の 示 す 如 く 唯 識 三 十 論 を 要 驛 し た も の で あ る が 、 獨 自 の 見 解 の 下 に な さ れ だ の で は な く

護 法 の 成 唯 識 論 中 の 異 説 を 略 し

專 ら 三 十 頌 の 直 接 的 解 釋 の み を 拔 萃 し た も の で あ る 。 唯 識 三 十 論 は 批 親 自 ら 長 行 釋 を 作 ら な か つ た 爲 に

所 謂 十 大 論 師 の 十 釋 が 各 々 別 行 し た と い は れ て ゐ る 程 、 そ の 研 究 は 盛 で あ つ た が 、 現 存 す る も の は 成 唯 識 論 と 安 慧 の 釋 日 鼠

罠 箇 く こ 凱 国 娼 試 ぴ ぽ 捌 皆 と の み で あ る 。 安 慧 釋 と 比 較 し て 感 ぜ ら れ る こ と は 、 成 唯 識 論 が そ の 本 頌 た る 三 十 頌 の 註 釋 に 止 ら す し て 、 餘 わ に も 異 読 を 引 き 餘 論 を 擧 げ 、 た め に 世 親 の 敏 學 に 達 せ ん と し て 、 却 て 護 法 の 教 學 に 留 る の 憾 が あ る こ と で あ る ρ 併 し こ の こ と は 既 に 唐 代 に 於 て も 問 題 と な つ て ゐ た や う で あ る 。 本 書 が 成 唯 識 論 を 指 し て 「 包 含 名 相 。 該 羅 邪 正 」 と い ひ

叉 「 今 取 正 義 而 釋 頌 文 」 と い つ て

謂 護 法 正 義 の 立 場 に 於 て に も せ よ 、           唯

識 三 十

認 要 経

に 蹴 い て                                                       三 七

(2)

          智 山 學 報                               三 八 頌 交 中 心 の 註 穩 を 作 つ た こ と は 、 こ の 間 の 淌 息 を 傳 へ る も の と し て 注 目 に 値 す る と い は ね ば な ら ぬ 。                            

T

  さ て 本 書 は そ の 緒 論 に 於 て は 四 鬥 分 別 を 試 み 、 本 文 に 於 て は 全 く 成 唯 識 論 の 釋 文 そ の ま 」 を 依 用 し 、 恰 も 成 嘸 識 論 の 單 な る 縮 小 に 過 ぎ ぬ 觀 も あ る が 、 叉 意 を 用 ぴ て 特 に 丈 句 を 前 後 に し て 釋 の 文 脈 を 整 頓 し て ゐ る と こ ろ も あ る 。 更 に 十 回 に 亘 つ て 「 百 法 疏 」 な る も の を 引 用 し て ゐ る 。 か く の 如

く 本 書 は 固 よ ウ 護 法 を

歩 も 出 る も の で は な い け れ ど も こ れ ら の 諸 點 を 考 察 し て そ の 意 圖 を 汲 む こ と も 亦 意 義 あ る こ と で あ ら う 。 併 し 今 は こ の 中 「 百 法 疏 」 に 關 し て の み 考 察 を 試 み 他 に 就 い て は 別 の 機 會 を 俟 た う と 思 ふ 。   世 親 の 百 法 明 門 論

具 名 は 大 乘 百 法 虜 門 論 本 事 分 中 略 録 名 敷 ) の 註 蹕 に は 、 現 存 の も の と し て 唐 代 の 慈 恩 の 大 乘 百 法 明 門 論 解 、 普 光 の 大 乘 百 法 明 門 論 疏 , 從 芳 の 大 乘 百 法 明 門 論 顯 幽 鈔

及 び 明 代 の 徳 清

智 旭

明 呈

廣 盆 の 註 を 合 し て 七 種 が あ る 。 こ れ ら は 古 來 周 知 の と こ ろ で あ る が

近 年 更 に 唐 代 の 曇 曠 の 大 乘 百 法 明 門 論 開 宗 義 記 と 大 乘 百 法 明 門 論 開 宗 義 決 と の 燉 煌 出 土 本 が 加 へ ら れ る に 至 つ た 。 本 書 は 玄 奘 の 學 徳 を 讃 へ る 文 の 中

「 我 唐 先 帝 講 爲 國 師 」 と い っ て ゐ る か ら 、 唐 代 の 撰 述 で あ る こ と は 明 か で あ る Q 從 つ て 本 書 の 引 用 せ る 百 法 疏 を 決 定 す る に は 前 出 の 慈 恩

普 光

曇 曠 の 疏 を 見 る の 外 は な い 。 從 芳 の 疏 は

二 末

七 末 の み を 殘 し 他 は 散 佚 し て ゐ る た め 今 は こ れ を 除 く こ と 」 す る 。 以 下 十 個 の 引 用 個 所 に つ い て 檢 討 を 試 み よ う 。   第

に 、 本 書 は 、 三 十 碩 の 「 次 第 二 能 變 。 是 識 名 末 那 。 依 彼 轉 縁 彼 。 思 量 爲 性 相 。 」 の 依 飜 跳

8、

9 を 釋 し た 後

「 此 中 應 明 三 所 依 義 。 恐 繁 不 録 ℃ 百 法 疏 明 。 」 と 言 っ て ゐ る 。 即 ち 成 唯 識 論

二 四 ) に は 「

因 縁 依 。 謂 自 種 子 。 諸 有 爲 法

(3)

皆 託 二 此 依 4 離 二 自 因 縁

必 不

生 故 。 二 堆

上 縁 依 。 謂

内 六 處 。 諸 心 心 所 皆 託 二 此 依 叩 離 二 倶

肩 粮

必 不 レ 轉 故 。 三 等 無 間 縁                                                                              

δ

謂 前 滅 意 。 諸 心 心 所 皆 託 二 此 依 叩 離 二 開 導 根

必 不 レ 起 故

8

と 定 義 を 附 し て ゐ る 。 然 る に 百 法 解 ( 大 正 藏

四 四

四 七

                                       

6 ) 下 ) に は こ の 黠 に つ き 何 等 觸 れ て ゐ な い 。 次 に 百 法 疏 ( 大 正 駁

四 四

五 四

下 ) に は

「 末 那 望 二 阿 媚

耶 識 二 得

有 三 二 縁 弔 謂 末 那 熏 = 阿 輯 耶 識

故 得

因 縁

末 那 縁 = 阿 頼 耶 識

得 レ 有 二 所 縁 々

不 二 相 障 礙

故 得

有 二 檜 上 縁 ご と 云 つ て 、 末 那 識 が 阿 頼 耶 識 を 縁 す る 場 合 の 三 縁 は ζ れ を 誂 い て ゐ る が 、 阿 頼 耶 識 が 末 那 識 を 所 依 と す る こ と に つ い て は 詮 か な い 。 次 に ( 5

百 法 義 記

大 正 藏

八 五

〇 五 三

中 ! 下 ) は

「 而 心 心 所 皆 有 所 依 。 然 彼 所 侯 總

有 三 種 。   :

因 縁 依 。 謂 自 種 子 。 諸 有 爲 法 皆 托 此 依 。 離 自 因 縁 必 不 生 故 。 :

二 増 上 縁 依 。 謂 内 六 處 。 諸 心 心 所 皆 托 此 依 。 離 倶 有 根 必 不 轉 故 。 : : 三 等 無 間 縁 依 。 謂 前 滅 意 。 諸 心 心 所 皆 托 此 依 。 離 開 導 根 必 不 起 故 。 」 と い つ て 、 成 唯 識 論 と 殆 ど 同 丈 で 喬 る 。 即 ち 百 法 解 及 び 百 法 疏 の 説 か ざ る 三 所 依 の 義 は

百 法 義 記 に は 明 瞭 に 説 か れ て ゐ る の で あ る 。 本 書 は 固 よ り 成 唯 識 論 を そ の ま 」 依 用 し た も の で あ ρ

又 百 法 義 記 も 護 法 詮 を 繼 い で ゐ る の で あ る が

三 所 依 に 關 し て 本 書 の 引 用 し た

「,

百 法 疏 」 は こ の 百 法 義 認 た る こ と 疑 を 容 れ な い 。   第 こ に 、 信 の 心 所 を 釋 し て 本 書 は 「 云 何 爲 信 。 於 實 徳 能 深 忍 樂 欲 心 淨 爲 性 。 封 治 不 信 樂 善 爲 業 。 忍 謂 勝 解 即 是 信 因 c 樂 欲 謂 欲 即 是 信 果 。 此 性 澄 清 能 淨 心 等 。 以 心 勝 故 立 心 淨 名 。 如 水 清 珠 能 清 濁 水 。 由 斯 封 治 不 信 心 愛 樂 證 修 世 出 世 善 。 三 信 差 別 。 百 法 疏 明 。 」 と 逑 ぺ て ゐ る 。 成 唯 識 論 ( 六

− 二 ) に は 、 「 云 何 爲 レ 信 。 於

深 怨 樂 欲 心 淨 爲 レ 性 。 對 二 治 不 信

善 爲

業 。 然 信 差 別 略 有 二 三 種 鱒

信 = 實 有

謂 於 二 諸 法 實 事 理 申

深 信 忽 故 。 二 信 = 有 徳

謂 於 三 二 寶 眞 淨 徳 中

深 信 樂

故 。 三 信 二 有 能 弔 謂 於

二 切 世 出 世 善

深 信 二 有 レ 力 能 得 能 域

起 こ 希

故 。 由 レ 斯 對

治 不

彼 心

愛 三 樂

修 世 出 世 善 刈 忽 謂 勝 解 。 此 脚 信 因 。 樂 欲 謂 欲 。 即 是 信 果 。 : : 此 性 澄 清 能 淨 二 心 等 相 以

心 勝

故 立

心 淨 名 叩 如 三 水 清           唯 議 三 十 論 要 釋 に 就 い て                                                 三 九

(4)

          智   山   學 報                                                         四 〇 珠 能 清

濁 水 ご と あ り 、 叉 百 法 解 ( 大 正 藏

四 四

四 八

中 ) に は 「 言 信 者 9 於 實 徳 能 深 忽 樂 欲 心 淨 爲 性 。 對 治 不 信 樂 善 爲 業 。 謂 於 諸 法 實 事 理 中 。 深 信 忍 故 。 於 三 賓 眞 淨 徳 中 。 深 信 樂 故 o 於

切 世 出 世 善 深 信 有 力 能 得 能 成 起 希 望 故 。 此 三 種 信 也 。 」 と 述 べ 、 百 法 疏

大 正 藏

四 四

五 六

に は 「 信 有 三 寶 四 諦 心 不 生 謗 。 名 之 爲 信

」 と 言 ひ

又 百 法 義 記

大 正 藏

八 五

〇 五 六

上 ) は 全 く 成 唯 識 論 と 同 文 で あ る 。 諸 法 の 中 、 事

理 と 非 事

非 理 と に 對 す る 理 解

三 寶 に 對 す る 信 心 、

切 の 善 事 に 樹 す る 願 望

こ の 信 の 三 種 の 誂 明 は 百 法 解

百 法 義 記 共 に 設 く が

特 に 後 者 は 成 唯 識 論 と 同 文 で あ っ て 、 太

書 の 立 場 並 に そ の 文 調 よ り 見 て も 、 所 謂 「 百 法 疏 」 と は 百 法 義 記 を 指 す こ と 明 か で あ る 。   第 三 に 、 勤 の 心 所 の 定 義 を 見 る に 、 こ の 黠

軍 書 は 全 然 成 唯 識 論 ( 六

五 ) に 依 據 し て ゐ る の で あ る が

勤 の 相 に つ い て 本 書 は

「 五 相 差 別 。 頁 法 疏 明 。 」 と 蓮 べ て ゐ る 〇 五 相 差 別 と は 成 唯 識 論 ( 六

六 ) に よ れ ば

「 此 相 差 別 略 有

五 種 弔 所 謂 被 甲

加 行

無 下

無 退

無 足 。 即

經 所

読 有 勢

有 勤

有 勇

堅 猛

不 捨 善 軛 。 如

弐 應

知 。 」 と 言 つ て

善 事 を 勤 め る に

甲 冑 を 着 け た 如 く に 威 勢 あ り 、 自 ら 心 を 策 勵 し 、 自 己 を 輕 蔑 せ す 又 怯 怖 す る こ と な く

能 く 困 苦 を 忍 び 又 少 善 と 難 も 癈 せ す 釜 々 奮 起 し 、 然 る 後 に 勤 め る こ と 恰 も 軛 せ ら れ た 牛 が 軛 外 に 出 る こ と な く 而 も 孜 々 と し て 止 る こ と な ぎ が 如 く

修 行 者 が 善 品 を 越 え す 而 も 止 足 す る こ と の な い こ の 五 種 の 相 を 読 く の で あ る 。 併 し 百 法 解

百 法 疏 は 共 に こ の 點 に 關 読 し て ゐ な い

然 る に 百 法 義 記 ( 大 正 繭 、 八 五

〇 五 六

は 「 此 相 差 別 略 有 五 種 。 所 謂 被 甲

加 行

無 下

無 退

無 足 。 以 初 發 心

長 時

無 間

慇 貫

無 餘 修 差 別 故 。 」 と 言 ふ 。 こ の 中

被 甲 等 の 五 種 は 成 唯 識 論 と 同

で あ                                                    

6

る が

初 發 心

長 時

無 間

慇 重

無 餘 は 成 唯 識 論 に 於 て は 四 解 の 中 の 第 二 解 と し て ゐ る 。 こ の 四 解 に っ い て 護 法 は 自 ら 正 義 と か 不 正 義 と か 決 擇 し て ゐ る の で は な く し て

先 の 有 勢

有 勤 等 の 五 種 は 經 に よ つ て 出 し た の で あ り

こ の 四 解 ほ 「 勤 」 の 位 異 を 擧 げ た に 過 ぎ な い の で あ る 。 然 ら ば 何 故 百 法 義 記 は そ の 第 二 解 を の み を 禺 し て ゐ る の か 。 思 ふ

(5)

                 

7

に 、 他 の 三 解 は 或 は 十 地 論

或 は 對 法 論 に 依 っ て ゐ る の に 對 し 第 二 解 は 百 法 明 門 論 の 原 本 た る 瑜 伽 論 の 菩 薩 地 及 び 決                                                      

 

擇 分 に も 依 由 し て ゐ る た め で も あ ら う 。 の み な ら す そ の 著 者 曇 曠 自 身 が 多 分 に 瑜 伽 論 研 究 の 傾 向 を 有 す る た め と も 思 は れ る 。 要 す る に 、 前 二 疏 が 五 相 差 別 を 読 か 呶 に 拘 ら す 、 獨 り こ れ を 詮 く 百 法 義 記 を 本 書 が 依 用 し て 「 百 法 疏 明 」 と 述 べ て ゐ る こ と は 容 易 に 認 め ら れ る と こ ろ で あ ら う 。   第 四 に は 、 善 位 の 十

心 所 即 ち 信

無 貪

無 瞋

無 癡

輕 安

不 放 逸

不 害 に 關 す る 諸 義 の 分 別 に 就 い て Ψ あ る 。 即 ち 本 書 は 「 諸 餘 門 義 百 法 疏 明 。 樂 博 閾 者 。 應 學 廣 論 c 」 と 云 つ て

そ の 中 の 四 門 の み を 擧 げ て 他 は 「 百 怯 疏 」 に 譲 つ て ゐ る の で あ る o 先 づ 、 成 唯 識 論

八 ) に よ れ ば

「 欣

厭 螺 善 心 所 法 o 雖 三 義 有 レ 別 論 二 種 種 名

而 髄 無

異 。 故 不 二 別 立 ご ( 義 聶 駈 餘 分 別 ) と い つ て

の 善 心 所 の 他 に 幾 多 の 善 に 麗 す る 心 所 は 種 種 に 考 へ ら れ 得 る が

そ の 實 質 に 於 て は こ の 十

を 出 で な い と し て ゐ る 。 百 法 義 記

大 正 瀬

八 五 二 〇 五 六

下 ) は 「 若 爾 欣 厭 不 慢 不 疑 不 摘 誑 等 應 非 善 法 。 答 。 雖 皆 善 收 而 無 別 體 。 」 と い ひ 、 本 書 は 成 唯 識 論 と 同 文 で あ る 。 叉 百 法 解

百 法 疏 は こ の 點 何 等 關 説 し て ゐ な い 。 衣 に 成 唯 識 論 ( 六

+ ) に よ れ ば 、 「 何 縁 諸 染 所 レ 飜 善 中 。 有 別 建 立 。 有 不 レ 爾 者 。 相

用 別 者 便 別 立

之 。 餘 善 不

然 故 不 レ 應

責 。 」

問 答 癈 立 分 別 ) と い つ て 、 二 十 六 の 煩 惱

隨 煩 惱 中

そ の 所 對 治 法 を 或 は 善 に 攝 し

癡 懈 怠

放 逸 等 の 所 飜 た る 無 貪

無 瞋

無 癡

不 放 逸 等 ) 、 或 は 善 に 攝 し な い ( 失 念

散 亂

不 正 知 の 所 飜 た る 念

慧 は 別 境 に 牧 め ら れ る ) の は 能 治 と 所 治 と が そ の 相 用 に 於 て 判 然 對 立 し て ゐ る も の の み を 善 に 攝 し 、 失 念

散 亂 等 の 如 く 癡 の 分 位 と 別 境 の 分 位 有 る も の は そ の 所 飜 を 別 境 の 善 分 に 牧 め る こ と を 読 く の で あ る 。 百 法 義 記

大 正 瓶

八 五

〇 五 六

下 ) に は 「 相 用 別 者 便 別 立 之 。 餘 善 不 然 。 不 應 爲 例 。 」 と 云 ひ

本 書 は 「 何 縁 諸 染 所 飜 善 中 。 有 別 飜 對 。 有 不 爾 者 。 相 用 別 者 。 便 別 立 之 。 餘 善 不 然 。 不 應 爲 例 。 」 と 言 ふ 。 然 る に 百 法 解

百 法 疏 は 共 に 關 論 し な い 。 特 に 成 唯 識 論           唯 識 三 十 論 要 糧 に 就 い て                                                 四

(6)

          智 虫 學 報      

 

 

     

 

 

     

 

 

     

 

 

     

 

四 二 が 「 不 應 責 」 と 言 ふ に 封 し 、 百 法 義 記 並 に 本 書 が 「 不 應 爲 例 」 の 語 を 用 ひ て ゐ る の は 明 か に

本 書 が 心 所 に 關 し て は 、 直 接 に は 、 百 法 義 記 を 參 照 し て ゐ る 證 左 と 云 ふ こ と が で き る で あ ら う 。 次 に 成 唯 識 論

+ ) に よ れ ば

「 染

淨 相 飜 。 淨 寧 少 レ 染 。 淨 勝 染 劣 。 少 敵 レ 多 故 。 又 解 。 理 通 説

多 同 體 噌 迷 情 事 局 随 F 相 分

多 。 故 於 = 染

不 レ 應 二 齊 責 ご ( 徴 責 多 少 分 別 ) と い つ て 、 善 法 の 十

に 對 し そ の 所 治 た る 不 善 法 の 二 十 六 の 多 き は 如 何

の 問 題 を 擧 げ て ゐ る 。 こ の 點 百 法 義 記 ( 大 正 藏

八 五

〇 五 七

上 ) 及 び 本 書 は 全 く 同 じ 論 明 で あ る 。 然 る に 百 法 解

百 法 疏 共 に 關 詮 す る と こ ろ が な い 。 次 に 成 唯 識 論

+ ) に よ れ ば

「 此

法 。 三 是 假 有 。 謂 不 放 逸

及 不 害 。 義 如

前 読

餘 八 實 有 。 相

用 別 故 。 」 〔 假 賃 分 題

と 言 ふ 。   こ の 中

不 放 逸 は 勤 と 無 貪

無 瞋

無 癡 の 四 を 體 と し て 善 法 を 堆 修 す る も の で あ る か ら 體 と し て 有 る も の で は な く

假 設 せ ら れ た も の で あ り

捨 は 同 じ く 別 體 あ る も の で は な く こ の 四 者 を 髑 と し て

心 の 李 等 性

正 渣 性

無 功 用 性 に 住 す る

も の で あ る か ら 假 設 せ ら れ た も の で あ り

叉 不 害 は 無 瞋 の

分 性 で あ つ て 、 矢 張 り そ の 別 體 あ る も の で は な く 假 設 せ ら れ た も の で あ る 。 此 の 如 く 、 こ の 三 心 所 は 假 有 で あ る 。 併 し 他 の 八 心 所 は 夫 々 相 爵 91 冨 と 用 胃 程 髯 貯 霹 と を 具 へ て ゐ る 。 ( 例 へ ば

信 に は 正 解

信 心

願 望 の 相 と 不 信 を 封 治 す る 用 と が あ り

勤 に は 斷 悪 修 善 に 樹 す る 奮 起 の 相 と 怠 惰 を 礬 治 す る 用 と が あ る 如 き ) か ら 自 體 あ る も の と せ ら れ る の で あ る 。 こ れ に つ い て

百 法 解 は 關 読 せ す

百 法 疏 は そ の 「 假 實 分 別 」 の 條 に 於 て

「 善 中 八 。 除 不 放 逸 捨 不 害 。 當 知 不 放 逸 捨 是 無 貪 無 瞋 無 癡 精 進 四 法 上 假 O 不 害 郎

是 無 脂 腿 上 假 故 O 」 ( 大 正 藏

四 四

五 七

上 ) と い ひ 、 又 「 蓋

二 是 假 有 。 謂 捨 不 放 漁

不 害 。 餘 是

買 有 。 」 ( 同

下 ) と 述 べ て ゐ る 。 然 る に 百 法 義 記 並 に 本 書 は こ の 假 實 分 別 に 關 し て は 何 等 觸 れ て ゐ な い 。 次 に 成 唯 識 論 ( 六

+ 二 ) に よ れ ば 、 「 信 等 十

法 中 。 十 遍

善 心 叩 輕 安 不 レ 遍 。 要 在 二 定 位

方 有 = 輕 安 叩 調

暢 身 心

餘 位 無 故 。 」

倶 起 分 別 、 こ Σ で は 護 法 説 の み を 學 げ る ) と 。 即 ち 護 法 に よ れ ば

輕 安 は 定 中 の み の 心 所 で あ ウ

そ の 他 は 夫 々 恒 に 善 心 と 倶 起

(7)

す る と 云 ふ の で あ る 。 こ れ に 關 し て は 、 百 法 解

百 法 疏

百 法 義 記 並 に 本 書 何 れ も そ の 読 明 を 鉄 い て ゐ る 。 衣 に 成 唯 識 論 ( 六

+ 二 ) に よ れ ば

「 読 二 第 七

八 識 隨 レ 位 有

無 崎 第 六 識 中 。 定 位 皆 具 。 若 非

定 位 唯 闕 二 輕 安 崎

有 義 。 五 識                                                                                  

1

亦 有 二 輕 安 司 定 所 レ 引 善 者 亦 有 二 調 暢

故 。 成 所 作 智 倶 必 有 二 輕 安

故 。 」

八 識 分 別 ) と 言 ふ 〇 三 疏 は こ れ を 篏 き 、 本 書 の み                                 「 第 七 八 識 隨 位 有 無 。 若 前

第 宇 正 し ) 六 識 定 位 皆 有 。 若 非 定 位 唯 闕 輕 安 。 由 其 五 識 亦 有 定 故 。 定 所 等 引 者 亦 有 調 暢                                            

9

故 。 成 所 作 智 倶 必 有 輕 安 故 。 」 と 述 べ て ゐ る 。 即 ち 第 八 識 は 有 漏 位 に 於 て は 異 熟 性 で あ る か ら 唯 だ 無 覆 無 記 性 で あ る                                                                            

−o

が 、 無 漏 位 に 於 て は 唯 だ 善 性 で あ る か ら 善 の 十

心 所 は 皆 こ れ と 相 應 す る の で あ る o 第 七 識 は 未 轉 依 位 に 於 て は 唯 だ 有 覆 無 記 性 に 牧 め ら れ 、 巳 轉 依 位 に 於 て は 唯 だ 善 性 に 收 め ら れ る か ら 善 位 の 十

心 所 は こ れ と 相 應 す る 。 前 六 識 に つ い て は こ の 文 意 で 明 か で あ る 。 本 書 が 成 唯 識 論 に 依 據 し て 「 八 識 分 別 」 を 出 し て ゐ る の は

「 諸 餘 門 義 百 法 疏 明 。 」 の 語 か ら 推 察 す る に

恐 く 百 法 義 記 の 不 備 を 補

つ た も の で あ ら う 。 次 に 成 唯 識 論

+ 三 ) に よ れ ば

「 此 善 十

何 受 相 應 。 十 五 相 應 。

除 二 憂

苦 4 有 二 逼 遉 受

無 二 調 鯣

故 。 」 ( 五 受 倶 分 別 〉 と 言 ふ 。 輕 安 は 樂

捨 の 三 受 と 相 應 し

他 の 十 は 苦

捨 の 五 受 と 相 應 す る 意 で あ る 。 百 法 義 記 ( 大 正 蔵

八 五

〇 五 七

上 ) に は 「 十 與

五 受 皆 得 相 應 。

除 憂 苦 。 所 謂 輕 安 。 有 逼 逍 受 無 調 暢 故 o 」 と 云 ぴ 、 爾 文 は 同 意 で あ る 。 然 る に 百 法 解

百 法 疏 は 關 読 せ す 、 本 書 も 亦 缺 い て ゐ る 。 次 に 成 唯 識 論

十 三 ) に ょ れ ば

「 此 與 二 別 境

皆 得 二 相 應 噌 信 等

欲 等 不 二 相 違

故 。 」

溺 境 相 應 分 別 ) と 。 百 法 義 記 ( 大 正 藏

八 五

Q 五 七

に は 同 文 を 出 し 、 百 法 解

百 法 疏 及 び 本 書 は こ れ を 読 か な い 。 こ の 分 別 は 善 の 心 所 が 別 境 の 心 所 と 如 何 な る 關 係 に あ る か を 読 い た も の で あ る 。 衣 に 成 唯 識 論 ( 六

十 三 ) に よ れ ば

「 十

唯 善 」

三 性 分 別 ) と 言 ふ 。 百 法 解 ( 大 正 藏

四 四

四 八

中 ) に は 、 「 勤 即 精 進 也 。 但 勤 通 二 三 性 → 進 唯 善 性 攝 也 」 と 云 つ て 、 唯 だ 勤 の み の 三 性 分 別 を 出 し て ゐ る に 過 ぎ な い が 、 百 法 疏 ( 大 正 藏

四 四

五 八

上 ) に は 「 若 善 十

唯 是 善 性 」 と 、 叉 「 善 十

          唯 臓 三 十 諭 要 釋 に 就 い て                                                 四 三

(8)

          智   山   學   報                                                         四 四 法

但 爲 非 通 三 性 」

下 ) 等 と 云 つ て ゐ る 。   ( 此 處 ま で 執 筆 し た 時

シ ン ガ ポ ー ル の 敵 軍 我 に 無 條 件 降 伏 す と の

ユ ー ス を 聞 く o 感 激 の 惰 抑 ふ る 能 は ず o 昭 和 十 七 年 二 月 十 五 目 午 後 + 時 孚 。 )   百 法 義 記 並 に 本 書 は こ の 點 何 等 觸 れ て ゐ な い o 蓋 し 善 の 心 所 が 三 性 中 の 善 性 に 攝 せ ら れ る こ と は 自 明 で あ ら う 。 次 に 成 唯 識 論 ( 六

十 三 ) に よ れ ば

「 輕 安 非

欲 。 餘 通 三 二 界 殉 」 ( 三 界 分 別

と 。 百 法 解 は 關 読 せ す

百 法 疏 ( 大 正 麟

四 四

五 八

上 ) に は コ

通 四 界 。 謂 遍 行 五 。 別 境 五 。 善 十

。 L と 云 ひ

輕 安 を も 欲 界 に 容 れ て ゐ る 。 然 る に 百 法 義 記 ( 大 正 藏

八 五

〇 五 七

は 成 唯 識 論 と 同 文 で あ り

本 書 は こ れ を 飲 く 。 家 に 成 唯 識 論

+ 三 ) に よ れ ば

「 皆 學 等 三 」 ( 三 學 分 別 ) と 。 絡 に 叉 「 非 二 見 所 斷 黠 瑜 伽 論

読 二 信

等 六 種

9 唯 修 所 斷 。 非 所 斷

故 o 」 ( 三 断 分 別 ) と o 百 法 義 記 ( 大 正 蔵

八 五 ∴ 〇 五 七

上 ) に は こ れ と 同 文 を 見 る の で あ り

本 書 は こ の 二 門 を 缺 く 。 以 上 放 唯 識 論 の 所 謂 十 二 門 分 別 に 基 き

百 法 論 の 諸 註 釋 と 比 較 し つ 」 本 書 を 眺 め て 來 た が

こ れ を 圖 示 す れ ば

  ( 成 唯 識 論

       

百 法 解 )     ( 百 法 疏 )    

百 法 義 記 )    

本   書 ) 123456 八 倶 假 後 問 義 識 起 實 責 答 攝 分 分 分 多 癡 所 別 別 別 少 立 餘 門 門 門 門 門 門

ィ ィ ィ

イ < ? イ

/ / /

OOO

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/ / ○ ○ ○

(9)

τ

8

12 

11

 

10

 

9

  三 三 三 三 別 五 斷 學

雰寡籍

     

別 別 應 倶

  門

單 單 單 門 單

   

  ロ

   

  コ

  .

   

iiiiii

 

 

    

 

 

 

  二  

 

  二 〇  

 

 

 

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イ イ

   

 

   

 

   

 

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三 下  

 

 

 

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7

 

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          為   :   :   :   :   :   ; に  

 

 

 

 

 

 

 

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i

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i

3

/ / / / / / と な る Q 詳 論 す る 遑 を 有 し な い が

思 ふ に 百 法 解 は 寧 ろ 百 法 論 そ の も の 』 釋 で あ つ て 餘 論 に 亘 ら す , 百 法 疏 は 往 々 護 法 読 を 用 び す

安 慧 の 意 に 通 す る 節 が 見 受 け ら れ

百 法 義 記 は 最 も 護 法 に 傾 到 し て ゐ る 迹 を 示 し て ゐ る 。 こ の 三 疏 の 中 、 「 今 取 正 義 而 釋 頌 文 」 と 云 ふ 本 書 が 參 照 し た も の は 百 法 義 記 で あ る こ と は 既 に

丸 の 個 所 に 於 て 指 摘 し た 通 り で あ る 。   第 五 に は

煩 惱 の 心 所

悪 見 に 關 す る 諸 義 を 分 別 す る の に

成 唯 識 論 は 十 二 門 を 以 て し て ゐ る の に 對 し

本 書 は そ の 中 の 四 門 の み を 出 し

他 の 義 に つ い て は

「 此 十 復 依 性

繁 地 等 諸 門 分 別 。 如 百 法 疏 巳 略 辨 説

此 無 繁 擧 。 」 と 云 つ て ゐ る 。 而 て 上 來 本 書 が 百 法 義 記 を 參 照 し た の み な ら す

そ の 用 句 そ の ま 」 を 依 用 し て ゐ る こ と を 指 摘 し た の で あ る が 、 今 や こ の 「 如 百 法 疏 已 略 辨 読 」 の

語 こ そ 本 書 の 著 者 が 百 法 義 記 の 著 者 曇 曠 と 同

入 で あ る ζ と の 有 力 な 證 左 と し て 注 冒 す べ き 容 あ る 。   さ て 、 成 唯 識 論 よ り 見 れ ば

十 二 門 分 別 に 關 し て 百 法 義 記 と 本 書 と は 具 缺 を 異 に し て ゐ る の で あ る 。 即 ち 成 唯 識 論 ( 六

十 七 ) に よ れ ば 、 「 六 通 = 倶 生 及 分 別 起 4 任 邏

思 察 倶 得

生 故 。 疑

後 三 見 唯 分 別 起 。 要 由

悪 友

或 邪 敏 力

自           唯 識 三 十 諭 要 釋 に 就 い て                                                 四 五

(10)

          智   山   學 報                                                       四 六 審 思 察

方 得

生 故 。 L

分 別 倶 生 門 ) と 。 百 法 解

百 法 疏 は こ れ を 缺 き 、 百 法 義 記 ( 大 正 藏

八 五

G 五 七

は 同 文 を 串 し 、 本 書 は 缺 い て ゐ る 。 次 に 自 類 相 應 門 に 於 て は

成 唯 識 論 ( 六

+ 七

十 九 ) に 於 て 、 貪 は 瞋

疑 と は 必 す 倶 起 せ す

慢 と 五 惡 見 と は 相 應 す る こ と も し な い こ と も あ る 。 瞋 は 貪

疑 と は 相 應 若 く は 不 相 應

見 取

戒 禁 取 と は 必 す 相 應 せ す 、 身 見

邊 見

邪 見 と は 或 は 相 應 し 或 は 相 應 し な い 。 癡 は 他 の 九 煩 惱 と は 必 す 相 應 し

慢 は 貪

疑 と は 相 應 若 く は 不 相 應 、 五 見 と は 必 す 絹 應 す る ( 但 し 邊 見 中 の 斷 見 と 及 び 身 見

邪 見 の 苦 を 縁 す る

分 と は 倶 起 せ す ) 。 疑 は 貪

慢 と 湘 應 若 く は 不 相 應

五 見 と は 必 す 不 相 應 。 五 見 は 貪

瞋 と は 相 應

不 相 應 、 慢 と は 相 應

疑 と は 不 相 應 で あ る 。 而 て 癡 は 必 す 他 の 九 煩 惱 と 倶 起 す る 。 こ の 點 百 法 義 記

大 正 藏

八 五

〇 五 七

以 外 は 何 れ も 關 読 し な い 。 次 に 成 唯 識 論 ( 六

+ 九 ) に は , 「 藏 識 全 無 Q 末 那 有 レ 四 〇 意 識 具 レ 十 。 五 識 唯 三 。 貪

癡 Q 」

識 相 應 門

と 。 本 書 も 亦 全 同 の 文 を 出 し て ゐ る が 、 三 疏 共 に こ れ を 缺 い て ゐ る 。 次 の 五 受 相 應 門 は 成 唯 識 論 ( 六

十 九 ) に よ れ ば 、 貪

慢 は 五 受 と 相 應 し 、 疑 と 三 見 ( 見 取

戒 取

邪 見 ) と は 苦 受 を 除 く 他 の 四 受 と 、 身 見 及 び 邊 見 は 喜

捨 の 三 受 と 相 應 す る と

説 く o こ れ は 本 書 並 に 三 疏 共 に 流

ぺ な い c 弐 の 別 境 相 應 門 は 成 唯

識 払 醐 ( 六

二 十

に よ れ ば

含 訊

偶 区 は 別 境 の 五 心 所 と 相 應 し

疑 と 五 見 と は 勝 解 を 除 く 四 心 所 の 別 境 と 相 應 す る と 云 ふ 。 こ の 點 本 書 及 び 三 疏 は 觸 れ て ゐ な い 。 次 に 成 唯 識 論 ( 六

二 +

に よ れ ば

「 瞋 唯 不 善 。 損

故 。 餘 九 通 レ ニ 。 上 二 界 者 。 唯 無 記 攝 。 定 所 レ 伏 故 。 若 欲 界 繋 分 別 起 者 。 唯 不 善 攝 。 發

惡 行

故 。 若 是 倶 生 。 發

惡 業

者 亦 不 善 攝 。 損 二 自 他

故 。 餘 無 記 攝 。 細 不 レ 障 レ 善 、 非 三 極 損 二 惱 自 他 處

故 。 」 ( 三 性 分 別 門

と 。 百 法 義 記

大 正 藏

八 五

〇 五 七

下 ) は こ れ と 同 意 の 文 で あ る の に 謝 し 、 百 法 解

大 正 藏

四 四

五 八

五 九

に は 「 煩 惱

六 法 錐 非 通 三 性

」 と 云 ふ の み で

そ の

汝 に つ い て は 言 及 し て ゐ な い 。 本 書 も 關 読 す る と こ ろ が な い 。 衣 に 咸 唯 識 論 ( 六

二 +

に よ れ ば

「 瞋 唯 在

欲 。 餘 通

三 界

」 ( 界 繋 門

と 云 ひ

百 法

(11)

義 記 ( 大 正 藏

八 五

〇 五 七

下 ) は 「 瞋 唯 在 欲 。 是 不 善 性 損 自 他 故 。 餘 通 三 界 。 通 二 性 故 。 」 と 、 全 く 同 意 で あ る こ と を

知 る の で あ る 。 又 百 法 疏 ( 大 正 藏 、 四 四

五 八

下 ) は 「 煩 惱

ハ 法 ;

但 爲 不 遍 九 地 。 」 と 云 つ て ゐ る 。 衣 に 墨 等 分 別 門 に つ い て 成 唯 識 論

二 十 二 ) は 「 非 二 學

無 學 4 彼 唯 善 故 。 」 と 云 ふ も 、 他 は 總 て こ れ に 觸 れ て ゐ な い 。 次 に 三 斷 分 別 門

に つ い て

成 唯

識 論 ( 六

二 十 二 ) は 「 分 別 起 者 。 唯 見 所 斷

o 鏖

易 協 斷 故 o 若 倶 生 者 o 唯 修

μ

所 斷

Q 細 難 レ 斷

故 o 」 と い ひ 、 百 法 義 認

大 正 藏

八 五

〇 五 七

下 ) は こ れ に 依 據 し て ゐ る 。 本 書 及 び 解

疏 共 に 關 説 し な い 。 家 に 成 唯 識 論

六 ・ 二 + 四 ) に は 、 「 雖 三 諸 煩 惱 皆 有 二 相 分 叩 而 所 杖 質 或 有 或 無 。 名 下 縁 二 有 事

無 事

 

煩 惱 坦 」

縁 有 事 無 事 門 ) と 。 本 書 は 亦 同 丈 を 擧 げ て ゐ る が 三 疏 は こ れ に 觸 れ な い 。 訳 に 成 唯 識 論 ( 六

二 + 四

に は

「 彼 親 所 縁 雖 二 皆 有 漏

而 所 杖 質 亦 通 二 無 漏 鴨 名 下 縁 ; 有 漏

無 漏

煩 惱 加 」 ( 有 漏 縁

無 漏 縁 分 別 門 ) と o 本 書 又 こ れ に 依 る が

し か し 三 疏 は こ れ を 読 か な い o 終 に 、 成 唯 識 論

二 + 四 ) に

「 縁 二 自 他

者 相 分 似

質 。 名 レ 縁 二 分 別 所 起 事 境 殉 縁

道 諦

及 他 地

者 。 相 分 與

質 不 = 相 似

故 。 名

縁 二 分 別 名 境 ご

豫 事 境 線 名 境 分 別 門

と 。 本 書 叉 こ れ に 依 り

三 疏 は 何 等 觸 れ る と こ ろ が な い 。 上 述 の 煩 惱 に 關 す る 諸 門 分 別 を 圖 表 に よ つ て

括 し て 見 よ う Q   ( 成 唯 識 譲

        ( 百 法 疏 )     ( 百 法 嚢 記

   

本   書 ) −                                                                

2345 分 別 倶 生 門

; ; :

      : ○ ; : :

/ 自 類 相 應 門 : :

: : :

: : : : ○ : : : : : / 識 相 應 門 : : = : : : /

: : : 〇 五 受 相 應 門 : :

: :

: / :

: : :

°

°

: :

: : / 別 境 相 應 門

: 二 : : :

: : :

: / ;

: : /       唯 識 三 十 論 要 釋 に 就 い て 四 七

(12)

678 12 11 109       智   幽   學 報 三 性 分 別 門 :

: : : 界   繋   門 : : : ; : 學 等 分 別 門 :

: :

: 三 斷 分 別 門

: : :

: 有 事 無 事 縁 門 :

: : 有 漏 縁 無 漏 縁 門

: 縁 事 境 縁 名 境 分 別 門 : :

○ : : : :

: ○ :

ー :

○ : : / : ; : : : /

: / :

: : ○

: /

: :

: / : :

: :

: /

: : : /

○ :

: :

: / 四 八 こ れ に よ つ て も 、 本 書

が 「 依 性

禁 地 等 諸 門 分 別 。 指 す こ と は 明 か で あ る Q 而 も 本 書 は そ の 缺 分 中 の 四 門 ま で も 補 説 し て ゐ る の で あ る 。   第 六 に は

本 書 は 隨 煩 惱 の 無 慚

無 愧 の 解 釋 を 施 し た 後

爾 者 の 共 通 點 と 差 別 黠 と に つ い て

「 通 別 等 相 。 百 法 疏 明 。 」 と 言 ふ 。 百 法 解

大 正 藏

四 四

四 九

下 ) に は 兩 者 の 定 義 の み 論 き 、 通 別 = 相 を 關 読 し な い 。 百 法 疏 は 爾 心 所 そ の も の の 註 釋 す ら 設 け て ゐ な い 。 成 唯 識 論 ( 六

二 十 八

に は

「 不 レ 恥 二 過 悪

是 二 通 相 。 :

不 善 心 時 隨 縁 二 何 境 → 皆 有 」 輜

p

拒 善

及 崇 二 重 惡

義 凶 故 此 二 法 倶 遍 二 惡 心

所 縁 不

異 無 二 別 起 失   L と

百 法 義 記

大 正 藏

八 五

〇 五 八

中 ) に は

「 不 恥 過 惡 是 二 通 相

以 無 慚 愧 皆 不 恥 故 。 拒 善 崇 惡 是 二 別 相 9 依 無 慚 愧 各 別 起 故 。 不 善 心 時 隨 縁 何 境 皆 有 輕 拒 善 及 崇 重 惡 義

」 と 述 べ て ゐ る 。 即 ち 過 悪 に 對 し て 恥 ぢ ざ る 點 が 兩 者 の 通 相 で あ り

そ の 別 相 は

自 己 と 教 法 ( 教 法 は 自 己 を 釜 す る 意 味 で 自 己 に 攝 め ら れ る ) と に 顧 み て そ の 過 惡 を 恥 ち な い の が 無 慚 、 世 間 と 聖 教 と に 顧 み つ 」 菊 敢 て 過 惡 を 犯 し て 恥 ち な い の が 無 愧 で あ る と の 意 で あ る 。 Z れ に よ つ て も 本 書 の 指 す 「 百 法 疏 」 と は 百 法 義 記 で あ る と 斷 言 す る こ と を 得 よ う 。 :

: / :

: : : /

: : / :

: ○

: :

: ○ : :

○   如 百 法 疏 巳 略 辨 説 pL と 云 へ る は 、 正 に 百 法 義 記 の 毘 す 五 門 の 分 別 を

(13)

  第 七 に は 、 同 じ く 隨 煩 惱 の 掉 擧 と 散 亂 と の 區 別 に っ い て 、 本 書 は 「 掉 擧 易 解 。 散 亂 易 縁 。 差 別 之 義 9 如 百 法 疏 。 」 と 云 ふ 。 二 者 共 に 心 の 甼 静 で な い 駄 態 を い ふ の で あ る が 、 掉 擧 は 止

託 影

 

境 性 ⇔ 饗 夢 旨 飾 臀 鋒 駒 の 障 と な る も の で あ る か ら 、

境 に 於 て 心 に 多 解 を 生 す る と と で あ り 、 散 亂 は 定 の 所 縁 罐

彰 勧 色 藁 部 智 三

弓 騨 か ら 外 に 心 の 動 搖 す る こ と で 、 心 中 に 多 境 を 浮 べ る こ と で あ る 。 こ れ に つ い て 成 唯 識 論

三 + 三

に は

「 掉 擧

散 亂 二 用 何 別 。 彼 令

易 レ 解 。 此 令

易 レ 縁 。 雖 三 刹 那 解 縁 無 7 易 。 而 於 二 相 繽

有 二 易 義

故 。 染 汚 心 時 由 = 掉 擧 力 叩 常 應

念 念 易 レ 解 易 ロ 縁

或 由 二 念 等 力

所 二 制 伏 叩 如 レ 繋

猥 猴

暫 時 住 つ 」 と 云 ひ 、 百 法 義 記 ( 大 正 藏

八 五

〇 五 八

は 同 意 の 文 を 出 し て

二 者 は

刹 那

に は 解

縁 を 易 へ る 義 は な く

相 縛

に n 於 て は

易 へ る

義 が あ る 。 又 染 汚 心 の 時 に は 有 つ て 、 念

定 の 如 く 心 が 寂 靜 性 を 得 た 時 に は 無 い と 読 く 。 百 法 解 ( 大 正 藏

四 四

五 〇

上 ) は 「 散 亂 念 心 易 縁 。 捕 擧 令 心 易 解 。 是 所 別 相

」 と 云 ひ 、 百 法 疏 は 關 読 し な い 。 帥

ち 本 書 の 「 通 別 等 相 。 百 法 疏 明 。 」 と 云 へ る は 百 法 義 記 を 指 す こ と 明 か で あ ら う 。   第 八 に は 、 二 十 隨 煩 惱 相 互 間 の 關 係 帥 ち 諸 門 分 別 を 詭 く に

本 書 は 成 唯 識 論 の 所 謂 「 諸 識 分 別 」 の み を 述 べ る に 止 め て 、 「 諸 門 分 別 o 百 法 疏 明 。 更 有 餘 義 。 非 要 不 述 。 」 と 言 つ て ゐ る g 以 下 諸 門 分 別 の

汝 を 成 唯 識 論 に 依 つ て 概 觀 し よ う 。 先 づ 假 實 分 別 門 ( 六

三 十 四 ) に つ い て 、 こ れ を 護 法 読 に よ つ て 圓 示 す れ ば 、

と な る 。 百 法 義 記 ( 大 正 藏

八 五

〇 五 九

上 ) も 同 意 で あ り 、 又 百 法 疏 ( 大 正 蔽

四 四

五 七

は 「 西 國 諸 徳 並 衰 。 隨           唯 識 三 十 論 要 釋 に 就

い て                                                 四 九

(14)

          智 山 學 報                                                     五 〇 燈 惱 中 七 是 實 有 。 謂 無 慚

無 篇 据 僭 沈

掉 擧 不 信 懈 怠 心 亂 」 と

即 ち 何

れ も 符 節

に し て ゐ る 。 衣 に 倶 生 分 別 門 に う い て . 成 唯 識 論 ( 六

三 + 四 ) の み コ

十 皆 通 二 倶 生

分 別 司 隨 三

煩 惱

起 故 。 」 と 索 ふ 。 こ れ は 自 明 の 理 で あ ら う 。 三 疏 皆 こ れ を 缺 く 。 次 に 自 相 應 門 に つ い て

成 唯 識 論 ( 六

三 + 四

の 意 は

十 小 隨 煩 惱 は 必 す 倶 起 せ す 、 二 中 鼈 煩 惱 と 八 大 隨 煩 惱 と は 必 す 倶 起 す る と 云 ひ 、 百 法 義 記

大 正 戡 、 八 五

〇 五 九

上 ) 慈 こ れ に 依 る 。 他 の 二 疏 は 關 論 し な い 。 衣 に 諸 識 倶 門 に つ い て

本 書 が 「 此 唯 染 故 非 第 八 倶 。 第 七 識 中 唯 有 大 八 。 第 穴 意 識 容 有

切 。 小 十 驫 猛 。 五 識 中 無 。 中 大 相 通 。 五 識 容 有 。 」 と 云 ふ は 全 く 成 唯 識 論

三 十 五 ) に 依 る も の で あ る 。   百 法 義 記 並 に 他 の 二 疏 の 關 読 し な い と こ ろ で あ る 。 帥 ち 第 八 識 に は 皆 無 、 第 七 識 と は 大 隨 煩 惱 の 八 は そ の 癡 の 分 位 の み 倶 起 し 、 第 六 識 と は

切 が 倶 起 し

五 識 に は 、 意 識 獨 自 の 作 用 た る 小 隨 煩 惱 の 十 は 無 く

無 慚

無 愧 乃 至 失 念

不 正 知 等 の 中

大 の 隨 煩 惱 は 五 識 を も 所 依 と し て 起 る も の で あ る か ら 五 識 と 倶 起 す る と 云 ふ の で あ る 。 攻 に 受 倶 門 に つ い て 、 中 及 び 大 の 隨 煩 惱 が 五 受 と 相 應 す る こ と は 成                                                                             丿 喉 識 論 ( 六

三 + 五

並 に 百 法 義 記 ( 穴 正 談

八 五

〇 五 九

上 ) は 共 に 「 中

大 五 受 相 應 。 」 と 云 ふ か ら 問 題 は な い 。 併 し 小 の 隨 煩 惱 に つ い て は

成 唯 識 論

三 + 五 ) に

「 有 義

小 十 除 レ 三 忿 等 唯 喜

捨 三 受 相 應 。 譖

僑 三 四 倶 。 除 レ 苦 。 有 義 。 忿 等 四 倶

樂 。 謚

僑 三 五 受 倶 起 。 意 有 二 苦 受

 

前 己 読 故 。 此 受 倶 如 二 煩 惱 読 → 實 義 如 レ 是 α 隨 ; 驫 相

読 。 忿

害 Q 憂

捨 倶 。 覆

慳 喜

捨 。 餘 三 増 レ 樂 。 中

大 隨 レ 驫 亦 如 二 實 義 ご と

三 読 を 出 し て                                                                                                

11

ゐ る が

護 法 自 ら は こ れ を 決 擇 し て ゐ な い 。 こ れ に 對 し て 、 百 法 義 記 ( 大 正 藏

八 五

〇 五 九

に は 「 小 十 不 定 忿 等 五 法 四 倶 除 樂 。 譖 等 五 法 容 五 受 倶 。 」 と 云 ひ 、 成 唯 識 論 の 異 読 に 更 に

読 を 加 へ た も の と 見 ら れ る 。   他 の 二 疏 は 關 読 す る と と ろ が な い 。 次 に 別 境 相 應 門 に つ い て

成 唯 識 論

三 + 五

は 「 與 二 別 境 五

皆 容 = 倶 起 叩 不 二 相 違

故 。 」 と

百 法 義 記

大 正 蔵

八 五

〇 五 九

上 ) に は 「 與 別 境 五 皆 容 倶 起 Q 行 相 相 望 不 相 違 故 。 」 と 、 全 く 同 意 で あ る 。 衣 に 程 本 相 應

(15)

門 は 根 本 煩 惱 と の 倶 起

不 倶 起 の 關 係 を 読 い た も の で あ る が

成 唯 識 論

三 十 六

に よ れ ば

中 と 大 と は 根 本 煩 惱 と 倶 起 す る が 、 小 は 倶 不 倶

定 し な い 。 こ れ を 圖 示 に よ つ て 簡 約 す れ ば 、     ( 根 本 熕 惱

                  ( 小 髓 煩 惱 )

疑 見 唯 識 三 十 論 要 釋 に 就 い て 嫉 、             、 / 堅 − 1 ー ー ! 、 − ー レ

1 − − 璽 ー イ             、           ’          

          ’         、           ’         ヘ                  

誑 ” 8 祿 ー

 

  ’ /                 ゴ ご 譌

   

覆 恨 忿       、  

r

  、  

    、    }    

、,’、       く  、    

” 、 、 SN  

     、   ’      

牧   丶   、

   

、、

        、 、       、

    1     、       、       L       1 、     覧 、     曁   、   L 、 、   、 、 、 、 、 、   、

、 ’ ・

 

   

、     I

 

i

 

i

瞋 の 分 位 故

瞋 と 倶 と 云 は ず

n

と は 行 相 異 な る

臥 倶 な ら ず

負 の 分 位 敬 こ 劇 と 倶 と 云 は ず

瞑 と は 行 相 異 な る 故 倶 な ら ず

行 相 相 違 せ ざ る 故 こ の 三 と 倶

貪 癡 の 分 位 敬 瞋 と 不 倶 ( 但 し 實 義 に よ れ ば 倶 )                           負 の 分 位 故 食 と ま は ず

僑     ー ー ー ー ー 鷲 ー 置 暫 ー 尹 謄 ー 1 ー 慢 と は 解 が 別

瞋 と は 行 相 異 な る 敬 不 倶

(16)

          智 山   離 報                                                     五 二 と な る 。 即 ち 疑

見 二 煩 惱 と 必 す 倶 起 せ す 、 叉 瞋 と は 、 或 は そ の

分 位 の 故 に 倶 不 倶 の 關 係 と 見 す

或 は こ れ と 行 相 異 る 爲 に 倶 起 せ す と 云 ひ

或 は 飃 相 に よ れ ば こ れ と 不 倶 、 實 義 に よ れ ば こ れ と 倶 な り と 云 ひ

結 局 小 隨 煩 惱 は 瞋 と は 倶

不 倶 關 係 が な い と さ れ て ゐ る 。 百 法 義 記

大 正 藏

八 五

〇 五 九

上 ) に は 全 同 の 文 を 出 し 二 疏 は こ れ を 読 か な い 。 次 に 三 性 門 に つ い て

成 唯 識 論

三 + 六 ) に 「 小 七

中 二 唯 不 善 攝 。 小 三

大 八 亦 通

無 記 → 」 と

百 法 義 記

大 正 藏

八 五

〇 五 九

上 ) 又 全 同 の 文 を 擧 げ

百 法 疏 ( 大 正 藏

四 四

五 八

上 ) は 「 二 性 謂 不 善 性 無 記 性 。 :

隨 煩 惱 中 十

。 謂 謚 誑 橋 僭 沈 樟 畢 不 信 懈 怠 放 逸 忘 念 散 亂 不 正 知 。 」 叉 「 若 瞋 忿 恨 覆 惱 嫉 慳 害 無 慚 無 愧 。 此 十 唯 不 善 。 」 と 鼓 ふ 。 こ の 中 根 本 煩 惱 た る 瞋 を 除 け ば 忿 等 の 九 の 小 と 中 の 二 が 不 善 に 攝 め ら れ る こ と に な る 。 帥 ち こ の 點 に 關 し て は 三 者 符 節 を 合 し て ゐ る 。 次 に 界

門 に つ い て 、 成 唯 識 論 ( 六

三 + 六

に は

「 小 七

中 二 唯 欲 界 攝 C 誑 讃

色 。 餘 通 二 三 界 ご と

百 法 義 記

大 正 離

八 五

〇 五 九

叉 こ の ま Σ の 文 を 出 し て ゐ る 。 百 法 疏

大 正 藏

四 四

五 八

上 ) に は 「 十 四 通 三 界 G 三 界 謂 欲 界 色 界 無 色 界

十 四 謂 貪 慢 疑 無 明 不 正 見 不 信 懈 怠 放 逸 僭 沈 掉 畢 忘 念 不 正 知 散 亂 僑 。 四 通 二 界 。 二 界 欲 界 色 界 。 四 數 謂 譖 誑 尋 伺 。 十 數 唯 欲 界

十 數 謂 瞋 忿 恨 惱 覆 嫉 慳 害 無 慚 無 愧 ご と 云 ふ 、 こ の 中 膸 煩 瑙 の み を 敏 へ れ ば 前 二 疏 と 同 意 で あ る 。 次 に 學 等 門

成 唯 識 論

六 二 二 + 七 ) に は

「 二 十 皆 非

無 學 攝

此 但 是 染

彼 唯 淨 故 。 」 と 、 百 法 義 記

大 疋 栽

八 五

〇 五 九

も と の ま N を 依 用 し て ゐ る 。 隨 煩 惱 が 學 に も 無 學 に も 屬 せ ざ る こ と は 自 明 で あ る

他 の 二 疏 に は 読 か れ て ゐ な い 。 衣 に 見 斷 等 門

い ま 成 唯 識 論

三 + 七 ) に よ つ て

護 法 読 を 見 る に

「 後 十 唯 遘 二 見 修 所 斷 司 與 二 二 煩 惱

相 應 起 故 。 見 所 斷 者 隨 下 迷 二 諦 相

或 總 或 別 煩 惱 上 倶 生 。 故 隨 二 所 應

皆 通 ご 四 部

諦 親 疎 等 皆 如 二 煩 惱 読 叩 前 十 。 有 義 。 : : 有 義 亦 通 二 見

修 所 斷

依 三

煩 惱 勢 カ

起 故 。 縁 二 他 見 等

生 二 忿 等

故 。 」 と 、 叉 百 法 義 記

大 正 藏 、 八 五

〇 五 九

上 ) は 同 じ く

切 皆 通 見 修 所 斷 。 隨 二 煩 惱 勢 力 起 故 。 此 等 亦 能 總 別 親 疎 迷 於 諦 理 。 皆 依 迷 諦 惑 所 起 故 。 」 と 露

(17)

ふ 。 即 ち 後 の 十 ( 中 二

大 八 の 十 隨 煩 惱 ) . 前 の 十 ( 小 の 十 隨 煩 惱 ) 共 に 見 所 斷

修 所 斷 に 通 ず る と い ふ の で あ る 。 但 し 二 疏 は こ れ に 觸 れ て ゐ な い 。 次 に 有 事 等 門 に つ い て 、 成 唯 識 論 ( 六

三 + 七 ) は 「 然 忿 等 十 但 縁 二 有 事 叩 要 託

本 質

方 得

生 故 、 」 と 。 邸 ち 無 慚

無 愧 等 の 中 二

大 八 の 膸 煩 惱 は 親 疎 二 所 縁 を 縁 じ

忿 等 の 小 隨 煩 惱 は 親 所 縁

本 質

を 縁 ず る と い ふ の で あ る 。 三 疏 共 に こ れ を 關 読 し な い 。 こ れ ら 諸 門 の 關 係 を 圖 表 に す れ ば 次 の 如 く で あ る 。   ( 成 唯 識 諭 )       ( 百 法 硫

    ( 百 法 義 記

    ( 本   書 ) 12345678 1211109 假 實 分 別

: : :

○ : : : : : ○ :

: : / 倶 生 分 別 :

: :

/ : :

: :

/ :

: : / 自 相 應 門

: : : /

; :

: : 二 / 諸 識 倶 門 :

: :

/ : : : : : / :

: : :

○ 受 倶 門

: : / : : 二 : : ○

: :

: : / 別 境 相 應 門

: : :

/ : : :

: :

: : / 根 本 相 應 門 : : : : / :

: : :

○ :

/ 三 性 門

: :

: ○ : : : : : ○ :

: :

: / 界     門

: : ○ :

: :

O

: :

/ 學 等 門 :

: :

: :

: : : :

/ 見 斷 等 門

: : :

/ :

: : :

: ; : : / 有 事 等 門 :

: :

; : : : / : :

/       唯 識 三 十 論 要 釋 に 就 い て 五 三

(18)

          智 山 學 莪  

 

 

 

       

 

 

 

 

 

       

 

 

 

 

 

   

 

五 四 こ れ に よ つ て 見 て も 、 本 書 が 第 四 の 諸 識 倶 門 の み を 擧 げ 「 諸 門 分 別 。 百 法 疏 明 。 」 と 云 ふ は 九 門 を 擧 げ て ゐ る 百 法 義 記 を 指 す も の で あ り 、 叉 「 更 有 餘 義 」 と は

百 法 義 記 に 於 て 省 三 門 が 省 略 せ ら れ て ゐ る こ と を 示 し た も の で あ つ て 、 本 書 の 著 者 が 即 ち 百 法 義 記 の 撰 者 で あ る べ き 口 吻 と 見 ら れ る の で あ る 。   第 九 に は 、 本 書 は 不 定 の 四 心 所 を 釋 し た 後 、 域 唯 識 論 の 所 謂 識 相 應 門 を 擧 げ て

「 四 皆 不 與 第 七 第 八 倶

與 第 六 識 可 容 倶 起 。 非 是 五 識 相 應 法 故 。 」 と 云 ひ

そ の 他 に つ い て は

「 餘 門 分 別 。 如 廣 論 明 。 取 要 而 言 。 如 百 法 疏 。 」 と 述 べ て ゐ る 。 以 下 そ の

々 に 就 い て 眺 め て 行 か う 。 先 づ 假 費 分 別 に つ い て 、 成 唯 識 論 ( 七

四 ) に よ り 、 護 法 読 を 見 れ ば

「 此 二 是 實 物 有 。 唯 後 二 種 読 二 偃 有

世 俗 有 言 隨 二 他 相

設 。 非

顯 二 前 二 定 是 假 有 噂 又 如 下 内 種 體 雖 二 是 實

而 論 亦 説 巾 世 俗 有 上 故 、 」 と あ る 。 即 ち 護 法 に よ れ ば

眠 は 實 で あ わ 、 尋

伺 は 假 で あ る と い ふ o 他 に 詮 を な す 者 は 、 瑜 伽 論 に 枇 俗 有 と 云 ふ か ら 悔

眠 も 假 と 云 ふ け れ ど も

そ の 世 俗 有 の 意 は 弛 の 心 所 の 行 相 、 鄙 ち 癡 の

分 で あ る 點 を 指 す の で あ り 、 且 つ か の 種 子 で も 實 の も の で は あ る が 、 勝 義 の 立 場 か ら は 世 俗 有 と 名 け ら れ る 程 で あ る か ら こ の 世 俗 有 を 假 の 意 に 取 る べ き で は な い と い ふ の で あ る 。 百 法 義 記 ( 穴 正 藏

八 五

〇 五 九

中 ) も 同 意 を 汲 み

「 四 中 尋 伺 定 是 假 有 。 思 慧 合 成 無 別 體 故 。 睡 眠 惡 作 定 是 貿 有 。 與 餘 心 所 行 相 別 故

」 と 云 つ て ゐ る 。 こ れ に 對 し て 百 法 疏 は 尋

伺 を 假 と す る こ と は 同

で あ る が

眠 に っ い て は

「 五 是 假 有 。 : : 隨 煩 惱 及 不 定 合 二 十 四 皆 是 假 立 。 」 ( 朱 正 藏 、 四 四

五 七

中 ) と 云 ひ 、 又 こ れ を 敷 衍 し て 、 「 不 定 四 數 中 。 睡 眠 惡 作 亦 言 是 愚 癡 分 。 亦 有 別 體 。 謂 睡 眠 用 想 欲 爲 性 。 離 想 外 無 別 體 故 。 故 顯 揚 論 言 。 夢 者 欲 想 所 作 。 此 亦 多 盧 。 故 知 睡 眠 是 欲 想 性 。 謂 是 癡 分 。 雖 離 癡 外 有 別 體 、 然 是 欲 想 性 故 。 當 知 Q 亦 是 假 立 。 悪 作 無 文 。 但 西 國 諸 師 相 傳 云 。 或 是 慧 。 雖 言 癡 分 離 癡 外 有 別 體 。 然 是 思 慧 性 。 離 思 慧 外 無 別 體 故 。 故 知 亦 是 假 立 。 蕁 伺 兩 數 離 思 離 彗

無 別 性 故

亦 具

假 立 。 」 ( 大 正 藏 、 四 四

五 七

下 ) と 、 印 ち 睡 眠 は 欲 想 を 性 と す

る か ら 癡 の

分 で あ る け れ ど も 、 貪

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