―巻頭に寄せて―
本日はお忙しい中、第114 回京都大学書道部冬樟展へお越しいただき誠にありがとうございます。 12 月も下旬、身に凍みる木枯らしに 1 年の終わりを感じる頃となりました。昨年のみやこめっせから会 場を再びこの建仁寺西来院禅居庵に移した今書展は、凍えるような寒さにも負けない、今年を締めくくる にふさわしい色とりどりの力作揃いとなりました。初出品となる1 回生の作品から卒業制作となる上回生 の作品まで、限られた制作時間の中で試行錯誤の末に完成した数々の作品に込められた部員の「熱」が、 ご来場いただいた皆様の心にきっと届くことと確信しています。 今年6 月の新幹部発足後初めての書展となる今回、様々な方面の方々からご支援・ご協力を賜りながら、 幹部のみならず部員全員が一丸となって今日のこの日を迎えることができました。日ごろからご指導いた だいている技術顧問の寺本蒼玄先生や顧問の阿辻哲次先生をはじめ関係者の皆様方には、この場をお借り して心よりお礼申し上げます。 2 会場にわたり数にして 80 以上もの作品を展示しており、年の瀬の街を思わせる賑わいとなっておりま す。皆様、心ゆくまで、どうぞごゆっくりご高覧ください。 平成26 年 12 月吉日 京都大学書道部部長 宗 哲仁「正月」とJanuary 阿辻 哲次(京都大学大学院 人間・環境学研究科 教授) まもなく新しい年がやってくる。 かつての小中学校には、冬休みに「書き初め」の宿題があった。私などいつも新学期がはじまるぎりぎ りの時に「初日の出」とか「希望」などと適当に書いて提出したものだが、いまでも小中学校では書き初 めという課題が出されているのだろうか。 日本の正月には、書き初めとか初詣など、日常的におこなわれるあらゆる行為が気持ちをひきしめてお こなわれる。この「正月」を英語でどういうのかと調べたところ、January とか New Year という表現し か出てこない。しかしJanuary は「一月」、New Year は「新年」にすぎず、正月の訳語としてはどうもし っくりこない。「寝正月」や「正月気分」、「盆と正月」の「正月」を、「一月」や「新年」ということばで 言い換えることは不可能である。私たちが気持ちをひきしめて、過ぎ去った年を反省し、できそうもない 目標を建てたりするのは、やはりそれが「正しい月」だからなのだろう。 この「正」という漢字は、クラス委員選挙やアンケートの集計などで、数を五ずつ読む時にも使われる。 「正」はちょうど五画で、また直線だけでできているから、こんな時には大変に便利な漢字である。しか し五画の漢字は別に「正」だけではなく、「田」や「白」「本」「左」「玉」などほかにいくつもある。それ なのに集計では「正」だけを使い、それ以外の漢字を使わないのは、そこにもやはり「正」がもつ「ただ しい」という意味が大きく作用しているからにちがいない。 「創作へ」応用 寺本 蒼玄(京都大学書道部 技術顧問) 前回までの話をふまえて、応用の仕方を学んでいきます。まずは楷書について考証していきましょう。 大きく分けて、力強い、穏やか、爽やか系等に分類できます。臨書作品はそれぞれの特徴を表現すれば いいのですが、創作となるとどの様なイメージで表現するかにより、ベースとなる古典を決めていきます。 タイプ別に分けて見ると、 ・力強い系 …(直線的)=造像記、張猛龍碑、高貞碑。 (曲線的)=顔真卿、白穏、米山。 ・穏やか系 … 魏晋小楷(鐘繇)、鄭道昭、孔子廟堂碑、良寛。 ・爽やか系 … 蘇孝慈墓誌銘、九成宮醴泉銘、雁塔聖教序。 以上のような古典が挙げられます。 次に行草についてですが、 ・力強い系 … 蘇東坡、顔真卿、白穏、米山、傅山、趙之謙。 ・穏やか(上品)系…懐素千金帖、八大山人、何紹基、王羲之、藤原行成、小野道風、空海、良寛、劉墉。 ・爽やか系 … 米芾、董其昌、懐素自叙帖、王鐸、張瑞圖、許友、陳鴻寿、呉昌碩。 等が挙げられます。 創作の場合、自分のイメージに合った古典を決めて、まず臨書をして、特徴を掴むと良い作品につなが ると思います。又、筆、紙、墨を選ぶことも注意して、イメージに合わせていきましょう。組み合せ方と か、他に分からない事は、先輩や先生にどんどん聞いて、これからの創作活動に生かしてください。
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臨
書
と
創
作
○ 臨 書 過 去 の 優 れ た 筆 跡 を 手 本 と し て 書 く こ と で す 。 臨 書 は 段 階 や 態 度 に よ っ て 三 種 類 に 分 け ら れ ま す 。 最 初 の ス テ ッ プ は 、 古 典 の 字 形 や 用 筆 に 迫 ろ う と す る 、 「 形 臨 」 と 呼 ば れ る も の で す 。 形 を ま ね る こ と は 、 そ の 古 典 に 迫 る 最 も 近 い 方 法 で す 。 形 が あ る 程 度 ま ね ら れ る よ う に な っ て く る と 、 次 は 古 典 に 漂 う 雰 囲 気 や 運 筆 の リ ズ ム な ど 、 形 以 外 の 要 素 に 重 点 を お い て と ら え よ う と す る 「 意 臨 」 の 段 階 に 進 む こ と が で き ま す 。 こ の よ う な 、 形 以 外 の 要 素 を と ら え よ う と す る 態 度 は 、 真 筆 が 歴 史 の 中 で 失 わ れ 、 模 写 し た も の や 拓 本 し か 残 っ て い な い よ う な 古 典 を 臨 書 す る 際 に 求 め ら れ る こ と が あ り ま す 。 古 典 を よ く 学 ん だ う え で 、 書 く と き は そ れ を 見 な い で 書 く 方 法 を 「 背 臨 」 、 臨 書 を 重 ね た 後 、 臨 書 か ら 学 び 取 っ た 古 典 の 特 徴 や 表 現 方 法 な ど を 生 か し て 、 そ の 古 典 と は 別 の 字 句 を 書 く こ と を 「 倣 書 」 と い い ま す 。 こ の 態 度 は 創 作 に つ な が る ス テ ッ プ と な り ま す 。 書 の あ ら ゆ る 作 品 は 、 こ の よ う な 過 去 の 作 品 か ら 学 ぶ こ と を 基 盤 と し て い ま す 。 書 道 に お け る 基 本 と 呼 べ る も の が 、 臨 書 な の で す 。 ○ 創 作 自 ら の 創 意 工 夫 に よ る 書 の 表 現 を い い ま す 。 自 分 が 伝 え た い こ と 、 表 現 し た い こ と を 明 確 に し て 、 そ れ に 合 っ た 素 材 ( 語 句 や 詩 文 ) や 表 現 方 法 を 選 び 、 試 行 錯 誤 し な が ら 、 自 分 の 主 張 や 個 性 が 表 れ た 作 品 に な る こ と を 目 指 し ま す 。 臨 書 に よ っ て 古 典 か ら 得 ら れ る 様 々 な 表 現 方 法 を 用 い る こ と で 、 作 品 に 味 わ い や 深 み を 出 す こ と が 出 来 る よ う に な り ま す 。 ○ 法 帖 芸 術 作 品 と し て 残 さ れ た 個 人 の 書 を 、 石 や 木 に 刻 し て 拓 本 を と り 、 臨 書 や 鑑 賞 に 便 利 な よ う に 帖 仕 立 て に し た も の で す 。 今 回 の 冬 樟 展 で は 、 各 臨 書 作 品 の 右 横 に 臨 書 し た 箇 所 の 法 帖 を 掲 示 し て 、 皆 様 に ご 覧 い た だ け る よ う に し て い ま す 。 作 品 鑑 賞 の 参 考 に 、 こ ち ら も 是 非 ご 覧 く だ さ い 。書
体
に
つ
い
て
『 行 書 』 隷 書 か ら 発 展 し た 字 体 で 、 点 画 や 線 に し な や か さ と 変 化 が み ら れ ま す 。 筆 の 速 度 や 点 画 の 流 れ が 最 も 重 視 さ れ る 書 体 と い え ま す 。 『 楷 書 』 隷 書 か ら さ ら に 記 号 化 さ れ 、 バ ラ ン ス の 取 れ た 字 体 で す 。 そ の 整 っ た 字 形 か ら 、 現 在 の 漢 字 の 基 本 と さ れ て い ま す 。 『 隷 書 』 役 人 が 複 雑 な 字 形 だ っ た 篆 書 を 早 書 き し た 際 生 ま れ た 字 体 で す 。 字 形 は 横 長 で 、 時 代 が 進 む に つ れ 、 線 の 終 わ り に 独 特 な 「 波 磔 」 が み ら れ る よ う に な り ま す 。 『 篆 書 』 漢 字 の も っ と も 古 い 形 で 、 現 在 使 わ れ て い る 漢 字 の も と に な っ た 字 体 で す 。 秦 朝 に 小 篆 と し て 統 一 さ れ た も の が 一 般 的 で す 。 均 一 な 太 さ の 線 が 特 徴 で す 。 『 前 衛 』 墨 の 跡 や 空 間 を 上 手 く 使 っ て 書 か れ て い る 書 体 で す 。 視 覚 表 面 芸 術 と し て 純 粋 に 造 形 ・ 線 ・ 墨 色 ・ 余 白 な ど の 美 し さ を 主 張 し て い る 点 が 魅 力 的 で す 。 『 調 和 体 』 日 本 語 の 近 代 詩 文 や 現 代 詩 な ど を 題 材 に 、 誰 に で も 親 し み や す い 書 体 で 書 い た も の で す 。 漢 字 か な 交 じ り と い う 日 本 語 独 自 の 特 徴 を 生 か し た 作 品 形 態 で す 。 『 か な 』 日 本 独 特 の 表 音 文 字 で す 。 草 書 の 簡 略 化 に よ っ て 生 ま れ ま し た 。 漢 字 に は な い 流 麗 な 筆 致 と 同 じ 音 を 表 す 複 数 の か な 、 「 変 体 仮 名 」 に よ る 創 意 工 夫 が 魅 力 で す 。 『 草 書 』 隷 書 を 早 書 き す る こ と か ら 発 展 し ま し た 。 線 の 省 略 や 筆 順 に 変 化 が あ り 、 自 由 度 の 高 い 作 品 と な り ま す 。 文 字 か ら 文 字 へ と 流 れ る 「 連 綿 」 の 美 し さ も 魅 力 で す 。5
作
品
一
覧
技
術
顧
問
寺 本 蒼 玄 創 作 ・ 『 閑 雲 相 與 遲 』p8 創 作 ・ 『 我 事 に お い て 後 悔 を せ ず 』p8一
回
生
笠 原 知 生 臨 書 ・ 王 羲 之 『 蘭 亭 序 』p27 木 下 有 羽 臨 書 ・ 柳 公 権 『 玄 秘 塔 碑 』p 28 清 水 麻 友 美 臨 書 ・ 米 芾 『 帳 季 明 帖 』p18 下 坂 桃 代 臨 書 ・ 伝 紀 貫 之 『 寸 松 庵 色 紙 』p 19 創 作 ・ 『 わ が や ど の 』p30 立 田 俊 也 臨 書 ・ 歐 陽 詢 『 九 成 宮 醴 泉 銘 』p30 津 金 澤 秀 行 臨 書 ・ 董 其 昌 『 千 字 文 』p12 深 谷 拓 未 創 作 ・ 『 中 也 詩 心 象 』p 32 堀 場 菜 摘 臨 書 ・ 王 羲 之 『 集 字 聖 教 序 』p 33 眞 嶋 優 一 創 作 ・ 志 貴 皇 子 『 冬 の 歌 』p 13 三 村 祐 貴 子 創 作 ・ 『 王 粲 詩 』p 21 矢 野 凱 己 臨 書 ・ 鄧 石 如 『 贈 曹 儷 笙 四 体 書 屏 』p 14 山 口 和 樹 臨 書 ・ 顔 真 卿 『 多 宝 塔 碑 』p23 山 崎 夏 野 臨 書 ・ 王 羲 之 『 集 字 聖 教 序 』p23 山 科 直 也 臨 書 ・ 王 羲 之 『 運 民 帖 』p35二
回
生
新 井 一 矢 臨 書 ・ 呉 譲 之 『 庾 信 詩 』p16 荒 巻 拓 哉 臨 書 ・ 王 鐸 『 臨 王 献 之 安 和 帖 幅 』p9 上 西 隆 太 臨 書 ・ 王 鐸 『 贈 張 抱 一 草 書 詩 巻 』p16 牛 山 泰 喜 創 作 ・ 『 李 白 の 詩 -静 夜 思 -』p 2 6 上 井 晴 仁 臨 書 ・ 蘇 軾 『 黄 州 寒 食 詩 巻 』p27 閻 姝 恒 臨 書 ・ 周 彗 君 『 望 廬 山 瀑 布 』p27 角 谷 遊 野 臨 書 ・ 傅 山 『 五 言 律 詩 幅 ~ 杜 甫 「 早 起 」 ~ 』p 10 釜 阪 紘 平 創 作 ・ 『 薔 薇 色 裏 紅 色 変 』p18 藏 岡 凌 平 創 作 ・ 『 返 照 』p 1 1 篠 原 理 那 臨 書 ・ 王 鐸 『 香 山 寺 作 』p 1 1 島 津 七 明 臨 書 ・ 傅 山 『 行 草 五 言 古 詩 巻 』p30 白 谷 暢 浩 創 作 ・ 『 蘭 亭 の 遊 び 』p19 宗 哲 仁 臨 書 ・ 王 羲 之 『 蘭 亭 序 』p12 惣 塚 勝 也 臨 書 ・ 黄 庭 堅 『 松 風 閣 詩 巻 』p30 武 田 桃 子 臨 書 ・ 趙 孟 頫 『 前 後 赤 壁 賦 』p20 徳 川 鈴 奈 臨 書 ・ 呉 昌 碩 『 七 言 絶 句 幅 』p13 疋 田 研 一 郎 臨 書 ・ 米 芾 『 審 定 帖 』p32 古 川 智 大 臨 書 ・ 聖 武 天 皇 『 雑 集 』p33 寳 官 紗 紀 臨 書 ・ 小 野 道 風 『 智 証 大 師 諡 号 勅 書 』p22 山 﨑 絢 香 臨 書 ・ 傅 山 『 五 言 絶 句 幅 ‐ 崔 國 輔 「 魏 宮 詞 」 ‐ 』p14 山 下 燎 亮 臨 書 ・ 勝 海 舟 『 詩 書 』p23 吉 村 友 希 臨 書 ・ 趙 孟 頫 『 玄 妙 観 重 修 三 門 記 』p35三
回
生
稲 葉 由 花 利 創 作 ・ 『 岳 陽 晩 景 』p 15 上 村 耕 平 臨 書 ・ 石 川 丈 山 『 夢 醒 』p26 王 隽 齐 創 作 ・ 『 心 経 』p17 片 野 裕 太 臨 書 ・ 黄 庭 堅 『 黄 州 寒 食 詩 巻 跋 』p28 北 堀 雄 大 創 作 ・ 『 冬 暮 』p10小 島 健 史 臨 書 ・ 『 禮 器 碑 』p18 石 博 昭 創 作 ・ 『 黒 羊 』p36 中 谷 百 花 創 作 ・ 『 窓 越 し に 』p31 創 作 ・ 『 我 』p36 中 野 綾 香 臨 書 ・ 智 永 『 真 草 千 字 文 』p21 藤 田 雄 也 臨 書 ・ 文 徴 明 『 行 書 詩 巻 』p21 松 澤 祐 実 臨 書 ・ 藤 原 行 成 『 白 樂 天 詩 卷 』p33 宮 下 拓 也 臨 書 ・ 伝 藤 原 伊 房 『 源 氏 物 語 絵 巻 〈 御 法 〉 』p22 創 作 ・ 『 山 』p33 家 倉 凌 臨 書 ・ 趙 之 謙 『 急 就 萹 』p 22 創 作 ・ 『 花 落 知 多 少 』p22 創 作 ・ 『 風 に 吹 か れ て 飛 ん で ゆ く 』p34
四
回
生
伊 東 優 治 臨 書 ・ 伝 藤 原 行 成 『 関 戸 本 古 今 集 』p 26 大 泉 陽 輔 臨 書 ・ 楊 峴 『 隷 書 文 語 四 屏 』p9 太 田 悠 子 臨 書 ・ 伝 紀 貫 之 『 高 野 切 第 三 種 』p17 川 上 澄 香 創 作 ・ 『 午 睡 』p28 菊 池 悠 里 臨 書 ・ 最 澄 『 久 隔 帖 』p28 小 松 聡 子 臨 書 ・ 鄧 石 如 『 世 慮 全 消 四 屛 』p29 柴 田 翔 創 作 ・ 『 迸 ― ほ と ば し る― 』p18 多 門 千 早 創 作 ・ 『 銀 河 鉄 道 の 夜 』p 20 臨 書 ・ 王 鐸 『 寄 山 中 無 我 禪 友 詩 』p31 創 作 ・ 『 よ い 年 を 願 っ て・・・ 』p 3 1 橋 詰 奈 央 創 作 ・ 『 星 の ひ と つ に 』p32 檜 山 葵 臨 書 ・ 伝 藤 原 行 成 『 針 切 』p 21 創 作 ・ 『 凛 』p36 平 野 泰 隆 臨 書 ・ 最 澄 『 久 隔 帖 』p32 藤 井 結 稀 模 刻 ・ 『 陽 湖 陶 氏 渉 園 所 輯 名 人 尺 牘 』p36 康 村 博 宣 臨 書 ・ 智 永 『 真 草 千 字 文 』p34 山 本 大 翔 臨 書 ・ 聖 武 天 皇 『 雑 集 』p23 創 作 ・ 『 名 前 の な い 鳥 』p24 吉 田 梨 沙 創 作 ・ 『 庭 中 の 』p35 渡 辺 健 介 創 作 ・ 『 良 寛 「 衆 星 羅 列 禿 樹 花 」 』p15修
士
一
回
生
大 庭 諒 介 創 作 ・ 『 紫 藤 樹 』p27 山 口 萌 創 作 ・ 『 刹 那 』p36修
士
二
回
生
中 川 和 也 創 作 ・ 『 命―in oc hi― 』p 3 1合
作
木 下 有 羽 ・ 立 田 俊 也 ・ 眞 嶋 優 一 ・ 矢 野 凱 己 ・ 山 科 直 也 ・ 渡 辺 顕 『 未 来 』p24 小 島 健 史 ・ 松 澤 祐 実 ・ 稲 葉 由 花 利 ・ 中 谷 百 花 ・ 家 倉 凌 『 明 清 扇 五 撰 』p37 二 回 生 合 作 『 他 己 紹 介 』p25 四 回 生 合 作 『 感 謝 ~ あ り が と う は 言 い ま せ ん ~ 』p25 修 士 二 回 生 合 作 『 と ま ど い な が ら ・ ・ ・― 祭 ( ま つ り )― 』p37 全 体 合 作 『 書 道 部Q &A 』p257
作
品
紹
介
賛
助
作
品
技
術
顧
問
寺
本
蒼
玄
先
生
○
西
来
院
作
品
『 閑 雲 相 與 遲 』 李 頎 「 閑 雲 ( か ん う ん ) 相 與 ( あ い と も ) に 遅 ( お そ ) し 」 : 悠 々 と し て 暮 す ゆ っ た り と し た 気 持 を 伝 山 の 書 風 で 豪 快 さ も 加 え て 仕 上 げ ま し た 。○
禅
居
庵
作
品
『 五 輪 書 』 宮 本 武 蔵 「 我 事 に お い て 後 悔 を せ ず 」 こ の 言 葉 は 私 の 座 右 の 銘 で す 。○
西
来
院
荒 巻 拓 哉 二 回 生 臨 書 草 書 王 鐸 『 臨 王 献 之 安 和 帖 幅 』 二 尺× 八 尺 「 奉 別 告 承 安 和 慶 慰 極 冷 不 審 尊 體 何 如 献 之 比 日 如 復 小 勝 因 夜 行 忽 復 下 如 欲 作 廗 今 服 薬 盡 温 燥 理 冀 當 可 耳 然 異 極 亦 不 得 近 生 冷 」 書 き 始 め る ま で は 、 こ こ を こ う し よ う と 考 え て い た り 、 あ る い は 全 く 違 う こ と を 考 え て い た り 。 で も い ざ 筆 を 動 か し 始 め る と 無 心 に な れ る 。 こ の 無 心 の 時 間 が と て も 好 き で す 。 大 泉 陽 輔 四 回 生 臨 書 隷 書 楊 峴 『 隷 書 文 語 四 屏 』 二 尺× 八 尺 「 三 館 生 或 至 … 」 京 大 書 道 部 で 楊 峴 を も っ と も よ く 書 け る の は 俺 。 根 拠 の な い 自 信 の も と 意 地 で 書 き 上 げ ま し た 。 楊 峴 ひ と す じ 三 年 。 本 作 を ひ と つ の 区 切 り と す る が 、 い つ か 必 ず 帰 り た い 。1
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角 谷 遊 野 二 回 生 臨 書 行 草 傅 山 『 五 言 律 詩 幅 ~ 杜 甫 「 早 起 」 ~ 』 二 尺× 八 尺 「 春 来 常 起 早 、 幽 事 頗 相 關 。 … 僕 来 城 市 、 缾 中 得 酒 還 。 」 力 強 さ と お お ら か さ を 備 え た 傅 山 の 字 に 魅 了 さ れ ま し た 。 筆 の 勢 い や 力 の 強 弱 が あ り あ り と 伝 わ る よ う な 、 生 命 力 の あ る 字 を 書 き た い と 思 い 、 試 行 錯 誤 を 重 ね て い ま す 。 北 堀 雄 大 三 回 生 創 作 前 衛 『 冬 暮 』 二 尺× 八 尺 「 記 号 」 と 「 意 味 」 の 接 近 。
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藏 岡 凌 平 二 回 生 創 作 行 草 『 返 照 』 二 尺× 八 尺 「 楚 王 宮 北 正 黄 昏 白 帝 城 西 過 雨 痕 返 照 入 江 飜 石 壁 歸 雲 擁 樹 失 山 村 衰 年 病 肺 唯 高 枕 絶 塞 愁 時 早 閉 門 不 可 久 留 豺 虎 亂 南 方 實 有 未 招 魂 」 初 め て の 条 幅 創 作 と な り ま し た 。 せ っ か く の 創 作 な の で 一 見 し て 臨 書 と は 違 う と 思 え る も の に し た い と 考 え な が ら も 、 臨 書 し て き た 要 素 を と り こ ま な け れ ば 良 い 作 品 に す る の は 難 し い … と い う ジ レ ン マ に 悩 ま さ れ る 見 切 り 発 車 で し た が 、 確 実 に 自 分 の 中 で 書 道 の 世 界 が ひ ろ が る 機 会 に な り 、 挑 戦 し て 良 か っ た と は 思 っ て い ま す 。 篠 原 理 那 二 回 生 臨 書 行 草 王 鐸 『 香 山 寺 作 』 二 尺× 八 尺 「 細 逕 翠 微 入 幽 香 塵 跡 稀 虚 潭 留 色 相 響 谷 發 清 機 人 淡 聽 松 去 儈 閒 洗 薬 歸 莫 窺 靈 景 外 漠 々 一 鷗 飛 」 大 胆 な 線 の 中 に 繊 細 さ と 力 強 さ を 含 む こ の 作 品 の 魅 力 に 惹 か れ 臨 書 し ま し た 。 全 体 と し て ま と ま っ た 作 品 に 仕 上 げ る の は 難 し く 行 き 詰 ま る こ と が 多 々 あ り ま す が 、 あ れ こ れ 試 行 錯 誤 し な が ら 作 品 制 作 を し て い く の は 本 当 に 楽 し い で す 。 見 ご た え の あ る 書 に な っ て い れ ば と 思 い ま す 。
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宗 哲 仁 二 回 生 臨 書 行 書 王 羲 之 『 蘭 亭 序 』 二 尺× 八 尺 「 永 和 九 年 歳 在 癸 丑 暮 春 之 初 會 于 會 稽 山 陰 之 蘭 亭 脩 禊 事 也 群 賢 畢 至 少 長 咸 集 此 地 有 峻 領 茂 林 脩 竹 又 有 清 流 激 湍 」 書 道 部 に 入 っ た か ら に は 必 ず こ の サ イ ズ に 挑 戦 し よ う 、 と い う こ と で 、 ち ょ う ど 一 年 前 の 書 展 の 時 と 同 じ 、 蘭 亭 序 を 臨 書 し ま し た 。 線 質 に こ だ わ り な が ら 、 行 を 感 じ ら れ る う に 気 を 配 り ま し た 。 柔 ら か さ と 鋭 さ が 共 存 で き て い れ ば と 思 い ま す 。 津 金 澤 秀 行 一 回 生 臨 書 楷 書 董 其 昌 『 千 字 文 』 二 尺× 六 尺 「 堂 習 聽 禍 因 惡 積 福 緣 善 慶 尺 璧 非 寶 寸 陰 是 競 資 父 」 こ の 本 は 、 あ る 日 母 親 か ら 煮 物 と と も に ク ー ル 便 で 送 ら れ て き ま し た 。 後 で 聞 く と 、 息 子 が 書 道 部 に 入 っ た と 聞 い た の で 送 っ て き て く れ た そ う で す 。 い い 母 親 を 持 っ た も の す 。 親 孝 行 も し な い と な ぁ 。
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徳 川 鈴 奈 二 回 生 臨 書 行 書 呉 昌 碩 『 七 言 絶 句 幅 』 二 尺× 八 尺 「 悲 盦 好 演 安 呉 筆 飽 墨 鋪 豪 意 斬 新 守 闕 抱 残 吾 輩 事 車 工 箸 述 又 何 人 」 初 め て 二 八 を 書 き 、 初 め て 呉 昌 碩 を 臨 書 し ま し た 。 今 ま で に 書 い た こ と の な い サ イ ズ に わ く わ く し て 一 文 字 一 文 字 お も い っ き り 書 き ま し た 。 そ の せ い も あ っ て 初 め は 文 字 が 入 り き り ま せ ん で し た 。 本 来 は 悲 し い 情 緒 を 表 し た 詩 で は ご ざ い ま す が 、 力 強 さ を 感 じ 取 っ て い た だ け れ ば 、 と 思 い ま す 。 眞 嶋 優 一 一 回 生 創 作 か な 志 貴 皇 子 『 冬 の 歌 』 二 尺× 六 尺 「 芦 辺 行 く 鴨 の 羽 交 に 霜 ふ り て 寒 き 夕 べ は 大 和 し 思 ほ ゆ 」 万 葉 集 第 一 巻 の 六 十 四 番 の 歌 で す 。 今 回 、 こ の 大 き さ の 仮 名 を 書 く の が 初 め て で 、 と く に 線 の 流 れ や 散 ら し の 調 子 、 全 体 の バ ラ ン ス を と る こ と に 苦 戦 し ま し た 。 墨 の 濃 淡 や 枯 筆 の 表 現 に も 注 目 し て 見 て い た だ け た ら と 思 い ま す 。
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矢 野 凱 己 一 回 生 臨 書 楷 書 鄧 石 如 『 贈 曹 儷 笙 四 體 書 屏 』 一 . 二 尺× 八 尺 「 周 續 之 宇 道 祖 鴈 門 人 居 豫 … 」 楷 書 と 隷 書 が 好 き な 自 分 に と っ て 、 こ の 法 帖 は ピ ッ タ リ で 見 た 瞬 間 に 一 目 惚 れ し た の で 書 く こ と を 決 め ま し た 。 原 本 の よ う に き れ い に ス ッ キ リ 仕 上 げ る こ と に 重 点 を 置 い て 張 り ま し た 。 ご 批 評 の 程 よ ろ し く お 願 い し ま す 。 山 﨑 絢 香 二 回 生 臨 書 草 書 傅 山 『 五 言 絶 句 幅 』 二 尺× 八 尺 「 朝 日 點( 照) 紅 妝 、 擬 上 銅 雀 臺 。 畫 眉 猶 未 竟 、 魏 帝 使 人 催 。 」 傅 山 が 残 し た 「 書 は 寧 ろ 拙 な る も 巧 な る こ と な か れ 、 寧 ろ 醜 な る も 媚 な る こ と な か れ 、 寧 ろ 支 離 な る も 軽 滑 な る こ と な か れ 」 と い う 言 葉 に 思 い を は せ つ つ 、 全 身 を 使 っ て 楽 し く 書 き ま し た 。 う ね る よ う な エ ネ ル ギ ー を 感 じ て い た だ け た ら と 思 い ま す 。
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渡 辺 健 介 四 回 生 創 作 行 草 『 良 寛 「 衆 星 羅 列 禿 樹 花 」 』 二 尺× 八 尺 「 衆 星 羅 列 禿 樹 花 遠 渓 流 落 無 弦 琴 」 良 寛 の 感 じ た 情 景 が そ の ま ま わ き あ が っ て く る よ う な 作 品 を 目 指 し ま し た 。 四 年 間 二 八 に 挑 戦 し て き ま し た が 、 今 回 も 二 八 と い う 魔 物 に 苦 し め ら れ ま し た 。 稲 葉 由 花 利 三 回 生 創 作 行 草 『 岳 陽 晩 景 』 全 紙 「 晩 景 寒 鴉 集 秋 風 旅 雁 帰 歸 水 光 浮 日 去 霞 彩 映 江 飛 洲 白 蘆 花 吐 園 紅 柿 葉 稀 長 沙 卑 濕 地 九 月 未 成 衣 」 初 め て 創 作 に 挑 戦 し ま し た 。 何 か ら 何 ま で い ろ い ろ な 人 に ア ド バ イ ス を 頂 い て 、 試 行 錯 誤 の 末 に や っ と 形 に な り ま し た 。 行 と 行 間 の 美 し い 作 品 を 目 指 し ま し た 。
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新 井 一 矢 二 回 生 臨 書 篆 書 呉 譲 之 『 庾 信 詩 』 半 切 二 連 「 高 閣 千 尋 跨 。 長 廊 四 望 齊 。 雲 度 三 分 近 。 花 飛 一 倍 低 。 吹 簫 迎 白 鶴 。 照 鏡 舞 山 雞 。 何 労 愁 日 暮 。 未 有 夜 烏 啼 。 聊 開 鬱 金 屋 。 暫 合 夫 容 池 。 水 光 連 岸 動 。 花 風 合 樹 吹 。 春 杯 猶 汎 酒 。 細 果 尚 連 枝 。 不 畏 歌 聲 盡 。 先 看 箏 柱 敧 。 」 呉 譲 之 の 篆 書 は 、 格 調 正 し く 伸 び や か な が ら も 、 起 筆 や 終 筆 に 流 麗 さ 感 じ ら れ る と 評 さ れ て い ま す 。 そ の 中 で も こ の 「 庾 信 詩 」 は 、 独 特 の 端 正 な 雰 囲 気 が 感 じ ら れ る 書 だ と 感 じ ま し た 。 端 正 な 文 字 と 清 ら か な 筆 遣 い を 少 し で も 感 じ て 頂 け れ ば と 思 い ま す 。 上 西 隆 太 二 回 生 臨 書 草 書 王 鐸 『 贈 張 抱 一 草 書 詩 巻 』 巻 子 「 有 酒 滄 池 烟 丘 相 招 者 誰 任 意 遊 晉 人 唐 人 曾 幾 度 泉 水 溪 水 還 同 流 鐘 鼓 此 城 鳴 白 露 戎 兵 何 處 領 高 秋 蘆 花 今 古 依 然 在 羨 尓 無 聲 眠 野 鷗 … 」 こ の 詩 巻 は 、 王 鐸 が 五 十 一 歳 の と き 、 地 方 官 で あ っ た 張 抱 一 か ら 宴 席 に 招 か れ 、 そ の お 礼 と し て 揮 毫 し た も の と い わ れ て い ま す 。 酔 後 の 王 鐸 の 奔 放 な 書 き ぶ り の た め か 、 書 く 楽 し さ は 格 別 で し た 。 条 幅 作 品 が 並 ぶ 中 、 少 し 屈 ん で 巻 子 作 品 も お 楽 し み い た だ け れ ば 幸 い で す 。
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王 隽 齐 三 回 生 創 作 行 書 『 心 経 』 半 切 三 連 「 觀 自 在 菩 薩 。 行 深 般 若 波 羅 蜜 多 時 。 照 見 五 蘊 皆 空 。 度 一 切 苦 厄 。 舍 利 子 。 色 不 異 空 。 空 不 異 色 。 色 即 是 空 。 空 即 是 色 。 受 想 行 識 亦 復 如 是 。 舍 利 子 。 是 諸 法 空 相 。 不 生 不 滅 。 不 垢 不 淨 不 增 不 減 … 」 不 思 議 で す が 、 心 が 静 め ま し た 。 太 田 悠 子 五 回 生 臨 書 か な 伝 紀 貫 之 『 高 野 切 第 三 種 』 古 筆 臨 書 紙 「 あ き の ゝ に な ま め き た て る を み な ( 那 ) へ し ( 志 ) あ な ( 那 ) か ( 可 ) し が ( 可 ) ま し ( 志 ) は ( 者 ) な ( 那 ) は ひ と ゝ き 」 お 手 本 の 美 し い 流 れ が 出 る よ う に 、 と 練 習 し て き ま し た 。 歌 は 秋 ~ 冬 の も の で 、 そ れ ぞ れ の 歌 に 含 ま れ る 爽 や か さ が 伝 わ る 作 品 に な っ て い れ ば と 思 い ま す 。
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釜 阪 紘 平 二 回 生 創 作 行 書 『 薔 薇 色 裏 紅 色 変 』 半 切 「 薔 薇 色 裏 紅 色 変 」 イ グ チ 科 の き の こB ole tu s r ho do ca rp us の 和 名 を 用 い て 創 作 し ま し た 。 そ の 名 の と お り 薔 薇 色 の と て も 美 し い 管 孔 が あ り ま す 。 ま た 、 こ す っ た り 傷 つ け た り す る と 、 す ぐ に 青 く 変 色 し ま す 。 こ の 管 孔 と 変 色 性 が 大 き な 魅 力 で 、 そ れ を ス ト レ ー ト に 伝 え る す ば ら し い 和 名 で す 。 コ メ ツ ガ 林 な ど 針 葉 樹 林 に 行 か れ る と 、 出 会 え る か も し れ ま せ ん 。 小 島 健 史 三 回 生 臨 書 隷 書 『 禮 器 碑 』 半 切 「 造 立 禮 器 楽 之 音 符 鐘 磬 瑟 皷 雷 洗 觴 觚 爵 鹿 柤 梪 邊 」 今 ま で の 自 分 に 無 い 、 清 閑 な 作 品 を 目 指 し て 書 き ま し た 。 で す が 制 作 中 のB G M は ウ ル フ ル ズ で し た 。 音 量 も 割 と 最 大 で し た 。 柴 田 翔 四 回 生 創 作 草 書 『 迸 ― ほ と ば し る ― 』 全 紙 四 分 の 三 「 迸 」 外 界 へ 激 し く 迸 る の は 、 内 に 強 く 秘 め て い た か ら こ そ 。 清 水 麻 友 美 一 回 生 臨 書 行 書 米 芾 『 張 季 明 帖 』 全 紙 「 余 収 帳 季 明 帖 云 秋 気 深 … 」 今 回 は 季 節 が 秋 、 と い う こ と で 「 秋 」 の 字 の 入 っ た 作 品 を 臨 書 し ま し た 。 で す が 一 か っ こ い い な と 思 っ た の は 「 気 力 復 何 如 也 」 の 部 分 で 、 こ の 部 分 が 映 え る よ う な 作 サ イ ズ 、 配 置 に し て み ま し た 。 こ の 作 品 の 良 い と こ ろ は 線 が の び の び と し て い る と ろ だ と 思 っ た の で 、 そ の 特 徴 を 表 現 で き る よ う 気 を 付 け ま し た 。 ( 作 品 写 真 は 次 ペ ー ジ に 掲 載 )
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下 坂 桃 代 一 回 生 臨 書 か な 伝 紀 貫 之 『 寸 松 庵 色 紙 』 色 紙 六 枚 ( 半 切 二 分 の 一) 「 す ( 春 ) が ( 可 ) は ( 盤 ) ら の あ そ ( 所 ) む ( 无 ) 秋 か ( 可 ) ぜ の ふ き ( 支 ) あ げ ( 介 ) に ( 尓 ) た て ( 弖 ) る ( 流 ) し ら ぎ ( 支 ) く ( 九 ) は ( 盤 ) 花 か ( 可 ) あ ら ぬ か ( 可 ) な み の よ す ( 春 ) る か ( 閑 ) 」 高 校 生 の 時 は 、 寸 松 庵 色 紙 を 十 六 枚 臨 書 し ま し た 。 今 回 は 、 一 枚 一 枚 の 完 成 度 を 上 げ ら れ る よ う に 六 枚 の 臨 書 に 取 り 組 み ま し た が 、 な か な か 納 得 の い く 作 品 は 書 け ま せ ん で し た 。 き れ い な 線 を 出 す こ と に 苦 労 し ま し た 。 白 谷 暢 浩 二 回 生 創 作 調 和 体 『 蘭 亭 の 遊 び 』 全 紙 「 清 ら か な 蘭 亭 の 流 水 で あ つ た 人 々 は 幽 か に 並 ん で 坐 り 閑 か な 一 日 の 遊 び に 耽 つ て ゐ た 」 清 ら か で 、 温 か み の あ る 、 そ ん な 字 を 書 き た い 。
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武 田 桃 子 二 回 生 臨 書 行 書 趙 孟 頫 『 前 後 赤 壁 賦 』 巻 子 「 赤 壁 賦 壬 戌 之 秋 七 月 既 望 蘇 子 興 客 泛 舟 遊 于 赤 壁 之 下 清 風 徐 來 水 波 不 興 … 」 前 回 初 夏 書 展 で 扱 っ た も の と 同 じ 作 品 を 、 今 回 は サ イ ズ を 変 え て 書 き ま し た 。 前 回 は 原 本 の サ イ ズ を 拡 大 し て 半 切 に 書 き ま し た が 、 今 回 は サ イ ズ を そ の ま ま 、 細 字 で 書 き 、 文 字 の 数 も 多 い で す 。 同 じ 作 品 で も 、 字 の 大 き さ の 違 い で こ ん な に 書 い て い る 感 覚 や 全 体 の 印 象 が 違 っ て く る の か と 思 い 、 面 白 く 感 じ ま し た 。 多 門 千 早 四 回 生 創 作 調 和 体 『 銀 河 鉄 道 の 夜 』 半 紙 「 ジ ョ バ ン ニ は ま た 両 手 で 顔 を 半 分 か く す よ う に し て 向 う の 窓 の そ と を 見 つ め て ま し た 。 す き と お っ た 硝 子 の よ う な 笛 が 鳴 っ て 汽 車 は し ず か に 動 き 出 し 、 カ ム パ ネ ラ も さ び し そ う に 星 め ぐ り の 口 笛 を 吹 き ま し た 。 」 夏 休 み 、 宮 沢 賢 治 氏 の 故 郷 で あ る 岩 手 県 に 旅 行 へ 行 っ た こ と を き っ か け に こ の 物 語 を 作 品 の 題 材 に 選 び ま し た 。 美 し く 切 な い 銀 河 鉄 道 の 物 語 と 、 生 き て い る 間 に 作 家 と し て 世 か ら 認 め ら れ る こ と な く 終 わ っ て し ま っ た 作 者 の 人 生 と に 思 い を 馳 せ な が ら 書 き ま し た 。