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教師は いざこざを相手の気持ちや考えに気付ける大切な場面としてとらえ 幼児の思いを汲みながら 共感 仲介 話し合う状況作りなどの 幼児同士が折り合いをつけるための援助に努めている しかし 表面的には解決したかのように見えても 実際には幼児自身が互いに納得のいくような援助ができていなかったことも多く

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‐幼児教1‐

友達と折り合いをつけて遊ぶ幼児の育成

-いざこざの場面における教師の援助に視点をあてて-

幼児教育研究班 桐生市立東幼稚園 我満 直子 桐生市立相生幼稚園 新井 克弥 桐生市立桜木幼稚園 鹿沼 寛子 Ⅰ 主題設定の理由 幼児期は、他者とのかかわり合いの中で、様々な葛藤やつまずきなどを体験することを通して、 将来の善悪の判断につながる、やってよいことや悪いことの基本的な区別ができるようになる時 期である。また、幼児同士が互いに自分の思いを主張し合い、折り合いをつける体験を重ねるこ とを通して、決まりの必要性などに気付き、自己抑制ができるようになる時期でもある。幼児は 友達と一緒に活動する楽しさや喜び、また自己主張のぶつかり合いなどによる怒り、悲しさ、寂 しさなどを味わう体験を重ねることによって、次第に、相手も自分も互いに違う主張や感情を持 つ存在であることにも気付き、その相手も一緒に楽しく遊んだり生活したりできるよう、自分の 気持ちを調整していくようになる。 本研究に取り組む3園の幼児の実態を見てみると、3 歳児は、教師との信頼関係を基盤に、安 心して自分の遊びを見つけて遊べるようになってきている。しかし、相手の思いよりも自分の思 いを通そうとし「やだ」「ダメ」と言ったり、人の嫌がる言葉を発したりし、いざこざがしばしば 起こる。また、すぐに貸してもらえないと叩いたり、相手が使っているものでも黙ってとってし まったり、怒ったりする姿が見られる。4 歳児は、一年間の集団生活の経験から仲間意識が芽生 え、欠席の友達や怪我をした友達を心配する姿や、数人の気の合う友達と好きな遊びを楽む姿も 見られる。その一方で、遊びのイメージや考えの違いや、自分の気持ちを受け入れてもらえない ことでいざこざになり、「まぜてくれない」「貸してくれない」「聞いてくれない」と教師に訴えた り、「もう一緒に遊ばない」と一方的に怒ったり、時には手が出たりすることもある。5 歳児は、 今までの経験から友達と遊ぶ楽しさも分かり、友達と誘い合って、遊びはじめるようになってき ている。しかし、自分の気持ちや考えを通そうとして強い口調で話したり、自分の思い通りにい かないと相手を批判したり、黙って遊びの仲間を抜けたり、自分の思いばかり主張して友達の話 を聞かなかったりするためにいざこざになり、友達と折り合いをつけて遊ぶことが難しい様子の 幼児も見られる。 本研究は2年計画の1年目であり、いざこざの場面に視点をあてて幼児が友達と折り合いを つけて遊ぶようになるための教師の援助を、実践を通して明らかにしようとするものである。 気持ちに折り合いをつけることの発達段階をとらえ、思いを出すこと、相手を受け入れること、 対等に話し合うことへの援助の工夫が有効であるかを、実践を通して検証したものである。 あらまし

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‐幼児教2‐ 教師は、いざこざを相手の気持ちや考えに気付ける大切な場面としてとらえ、幼児の思いを汲 みながら、共感、仲介、話し合う状況作りなどの、幼児同士が折り合いをつけるための援助に努 めている。しかし、表面的には解決したかのように見えても、実際には幼児自身が互いに納得の いくような援助ができていなかったことも多く、いざこざの場面における発達段階に応じた教師 の言葉掛けや援助、その場の状況を正しく把握することの難しさを感じている。 そこで、いざこざの場面に着目して、幼児が自分の気持ちや思いを十分に出し、互いの思いを 受け入れ合い、友達と折り合いをつけて遊ぶようになるためには、教師はどのように援助をして いくとよいのかを、実践を通して明らかにするために本主題を設定した。 Ⅱ 研究のねらい いざこざの場面に着目して、幼児が自分の気持ちや思いを十分に出し、互いの思いを受け入 れ合い、友達と折り合いをつけて遊ぶようになるための教師の援助を、実践を通して明らかに する。 Ⅲ 研究の見通し 保育の中のいざこざの場面において、幼児の発達に応じ1~6の援助の工夫を実践すること で、幼児は友達と折り合いをつけて遊ぶようになるであろう。 1 教師との信頼関係をもとに、幼児の思いを受け止めたり、聞き入れたりすることで、安 心感につながり、自分の思いを出すようになるであろう。 2 幼児の思いや気持ちを言葉や表情、態度から汲み取り、教師が言葉にして伝えていけば、 幼児も言葉で伝えるようになるであろう。 3 いざこざの際に相手の思いが分かるように、友達の言葉に付け加えをしたり、言葉を嚙 み砕いてわかりやすく伝えたりする橋渡しをすることによって、次第に相手の気持ちに気 付くようになるであろう。 4 互いの思いをぶつけ合う姿を見守るが、幼児同士で解決が難しい場合には仲裁に入り、 どうしたらよいのかを教師と一緒に考えるよう投げかけることによって、相手の考えを受 け入れるようになるであろう。 5 普段の友達関係を把握し、一方的な関係でなく、対等に話し合えるよう教師がかかわっ て、話し合う場を意図的に設けていけば、互いの意見が言い合えるようになるであろう。 6 公平さに欠ける場面を意識的に取り上げ、中立の立場で両者の思いをよく聞いてつなぎ、 どのようにしたらお互いが楽しむことができるかを考えられるようにしていけば、友達と 折り合いをつけて遊ぶようになるであろう。 Ⅳ 研究の内容と方法 1 研究計画 (1)研究の経過

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‐幼児教3‐ (2)検証計画 項目 検証の観点 方法 実践1 桜木幼稚園 (3歳児) 信頼関係をもとに、教師が幼児の思いを受け止めたり、聞 き入れたりすることで、幼児は安心感をもち、自分の思いを 出すようになったか。(見通し1) 保 育 記 録 や観察によ り、幼児の 変容をとら え環境の構 成や教師の 援助が適切 であったか を 分 析 す る。 実践2 幼児の思いや気持ちを言葉や表情、態度から汲み取り、教 師が言葉にして伝えていくことにより、幼児も言葉で伝える ようになったか。(見通し2) 実践3 相生幼稚園 (4歳児) 友達の言葉に付け加えをしたり、言葉を嚙み砕いてわかり やすく伝えたりすることにより、幼児は相手の気持ちに気付 くようになったか。(見通し3) 実践4 幼児同士で解決が難しい場合には仲裁に入り、解決方法を 教師と一緒に考えるよう投げかけることにより、幼児は相手 の考えを受け入れることができるようになったか。 (見通し4) 実践5 東幼稚園 (5歳児) 一方的な関係でなく、対等に話せるよう教師が友達関係の 調整をしながら、話し合いの場を意図的に設けることによ り、互いの意見が言い合えるようになったか。(見通し5) 実践6 両者の思いをつなぎ、どのようにしたらお互いが楽しむこ とができるかを考えられるようにしていくことにより、友達 と折り合いをつけて遊べるようになったか。(見通し6) 研究の対象 桐生市立桜木幼稚園 3年保育 3歳児 13名 桐生市立相生幼稚園 3年保育 4歳児 16名 桐生市立東 幼稚園 2・3年保育 5歳児 22名 研究の期間及び経過 1学期 ○研究課題の確認と共通理解 ○研究主題・サブテーマの検討 ○主題設定の理由・研究のねらいの検討 ○研究の内容・方法の検討、計画立案 ○資料収集、情報交換 2学期 ○実践記録の累積 整理・検討 ○中間検討会 ○研究保育 ○紀要原稿の作成 3学期 ○まとめと反省 ○次年度の課題 ○紀要原稿の作成

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‐幼児教4‐ 2 基本的な考え方 (1)折り合いをつけて遊ぶ幼児とは 発達段階 折り合いをつけて遊ぶ幼児とは (目指す幼児像) 3歳児 「教師と折り合う時期」 ・園の生活に慣れ、教師との信頼関係を築く。 ・教師には自分の気持ちを出せるようになる。 ・教師の援助があると、友達に伝えようとする。 自分なりの言葉で自分の気持ち を表す幼児。 4歳児 「自分と折り合う時期」 ・自己主張が盛んになり、ぶつかり合いが多く なる。 ・いざこざを自分たちでなんとかしようとする が、最後には教師に助けを求める。 ・教師の援助があると、譲れるようになる。 自分の思いを言葉で伝えながら、 教師の援助があると相手の思い を受け入れて遊ぶことができる 幼児。 5歳児 「集団の中で折り合っていく時期」 ・自分の気持ちや考えを友達に言葉で伝える。 ・友達の話を聞いたり、思いやったりする。 ・友達と相談しながら自分たちで遊びを進める。 友達に自分の思いや考えを伝え たり、友達の考えも受け入れたり しながら、自分たちで遊びを進め ていく幼児。 この発達段階の捉えと目指す幼児像から援助の工夫について見通しをもち、Ⅲ研究の見通し とした。 (2)いざこざとは いざこざとは、友達への興味関心や仲間意識の芽生えから自分の考えと違う考えをもった 他者との間で起こる意見のぶつかり合いととらえる。いざこざを通して、友達は自分とは違 う考えを持っているということに気が付き、次第に自分の思いを抑えたり譲ったりすること ができるようになり、良好なかかわりが続けられることを経験することができる。 Ⅴ 研究の実践 事例1 「ドレス、貸して」 (3歳児) 平成26年6月16日(月)~20日(金) 事例2 「僕だって入りたい」 (3歳児) 平成26年10月15日(火) 事例3 「そんなに使ってズルい!」(4歳児) 平成26年7月9日(水) 事例4 「鬼決めやっていいよ」 (4歳児) 平成26年11月5日(水) 事例5 「どうする?」 (5歳児) 平成26年6月17日(火) 事例6 「いい考えだね!」 (5歳児) 平成26年11月11日(火)

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‐幼児教5‐ 事例1 「ドレス、貸して」(3歳児) 平成26年6月16日(月)~20日(金) (1)検証の観点 見通し1 信頼関係をもとに、教師が幼児の思いを受け止めたり、聞き入れたり することで幼児は安心感をもち、自分の思いを出すようになったか 。 (2)幼児の実態 入園してから約3ヶ月経ち、園生活にも少しずつ慣れてきた様子が見られる。好きな 遊びの中で、同じ場にいる友達と遊ぶことも楽しみ始めている。しかし、一方で、友達 が道具や遊具を「貸して」と言っても貸せなかったり、使いたいが貸してもらえないと 思い遠慮したりする姿や、貸してもらえず怒ったり手が出たりする姿が出始めている。 (3)ねらい 先生や友達と一緒に自分の思いを出して遊ぶようになる。 (4)事例 ○幼児の姿 ・教師の受け止め☆教師の援助(_は有効であった援助) 6/16(月) 女児たちは、食後、ドレスを身 につけてお姫様ごっこをするこ とが好きである。A子は水色のド レスが気に入っていて、食後の 遊びになると、毎日のように着 ている。この日も着ようとして いた。 ○「先生、着させて。」と水色の ドレスを持ってくるA子。そこ へB子、「Bも着させて。」と、 白いドレスを持ってくる。A子 にドレスを着させていると、 「これはAちゃんのなんだよ ね。」と言う。 ○B子、「Bはこれでいいの。」と 白ドレスを着る。教師の言葉 に「うん。」とうなづきA子と 遊び始める。 ・A子は、友達に着られる前に、水色のドレスをすぐに手 に取り、着ようとするようだ。 ・B子は水色のドレスはA子が着るものと思うようにして いる様子が見られるが、本当はB子も着たいのではない か。 ☆「みんなのだからBちゃんだって着ていいんだよ。着た い?」と聞いてみる。これでいいというB子に、「水色の ドレスが着たいときには、先生に言ってね。一緒に貸し てっ言おうね。」とB子に伝える。 6/17(火) ○B子、初めて自分から水色のド レスを手に取る。それを見たA 子は「これ着たい!」とB子か ら取ろうとする。教師がB子に 貸すよう伝えると、「やだ!明 日貸してあげるから。」と泣き 出す。 ○A子が「今日がいい!」と譲ら ない様子を見て、B子「いいよ、 Aちゃんに貸してあげるよ。」と 言う。 ・B子が初めて自分から水色のドレスを選んだ。ずっと着 たい気持ちがあったようだ。A子はB子がもっているこ とに気づくと、すぐに借りようとするだろう。 ☆A子に「今日はBちゃんが先にもっていたからBちゃんだ よね。」と、B子が先に手にしたので、B子に貸してあげ ることを伝える。明日貸すというA子に「Aちゃんも着 たいよね。でも今日は、Bちゃんが先に見つけたから、 今着たいんだよ。今日はBちゃんに貸してあげよう。」と B子の思いを伝えたり、他にもドレスがあることを知ら せたりする。しかし、A子は聞き入れられない。

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‐幼児教6‐ ○A子、B子に「ありがとう」と 言う。 ○B子、「今度貸してね。」とA子 に言うと、A子、「いいよ。」と 返事をする。 ☆譲ってくれるというB子に再度A子に貸していいのか確 認する。貸すというB子を誉め、A子に「Bちゃん、使い たいけど、今日はAちゃんに貸してくれるって。ありが とうって言おうね。」とA子に伝える。B子には「Aちゃ んに、今度貸してね、って言っておこう」と伝える。 ・A子には、B子にドレスを貸せるようになってほしいが まだ難しいようだ。 6/20(金) ○B子、教師のところへ水色のド レスを持ってくる。A子、それ を見て、「A子も着たい!」と 言ってくる。B子、「B子の!」 と主張する。今日は貸してあ げようという教師の言葉に「 でも、着たい!」とA 子泣き 出す。 ○教師の言葉にA子、少し落ち着 き、「じゃあ、終わったら貸し てね。」とB子に話す。「今日は これ着る。」とピンクのドレス を身に付けた。 ○B子、「Aちゃん、終わったら 貸してあげるからね。」とA子 に話す。 ☆「今日はBちゃんが先に持ってきたからBちゃんに貸し てあげようね。今度は貸してあげようねって前にお話し たもんね。」とA子に伝える。 ・B子、自分の気持ちをA子にも言えるようになってきた。 A子にもう一度話をしよう。 ☆泣くA子に、再度「このドレス、Aちゃん着たいんだよ ね。でも、このドレスはみんなのものなんだよね。Aち ゃんだけじゃなくて、Bちゃんも他のお友達も着たいん だよ。順番だよね。終わったら Aちゃんに貸してあげよ うね。次貸してあげるからね。」とA子とB子に話す。 ☆「Aちゃん、我慢できてえらかったね。」と伝え、我慢で きたA子を誉める。「Bちゃん、よかったね。」とB子の気 持ちに共感する。 〈考察〉 ○いつも水色のドレスを着ているA子。B子も水色のドレスを着たかったが、A子が着るもの と思っていた。また、着たいと思っていてもA子が強く言い返すことが分かっているため、 自分の思いを言えずにいた。しかし、どうしても着たいという気持ちが出てきて、教師の ところへ自分の気持ちを伝えに来た。教師との信頼関係が築けてきたこともあり、教師に 伝えることで自分の思いを受け止めてもらえるだろうというB子の気持ちの変化を感じた。 ○A子は始めは貸すことができなかった。しかし、教師が、A子とB子を仲立ちする中で、A 子に対しては、B子の貸してほしいという思いを伝えていったり、B子には貸してもらえな い思いを受けとめたりといった援助をし、じっくりとかかわるようにした。A子が我慢した り友達に貸したりすることにつながるような言葉の掛け方を工夫していったことで、A子の 気持ちも少しずつ変化してきた。このように、教師が間に入りながら互いの気持ちを丁寧 に受けとめ、一人一人に平等に接することで、信頼関係を築き、教師に対する安心感をも ち、自分の思いを出せるようになってくると考える。

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‐幼児教7‐ 事例 2 「 僕だって入りたい」(3歳児) 平成26年10月15日(火) (1) 検証の観点 見通し2 幼児の思いや気持ちを言葉や表情、態度から汲み取り、教師が言葉にして伝え ていくことにより幼児も言葉で伝えるようになったか。 (2) 幼児の実態 幼児たちは、友達や仲間が見つかり、2~3人で遊ぶ姿が見られるようになってきた。自 分の思いを教師や一緒に遊ぶ友達に伝えられるようになってきた一方で、遊びの内容や仲間 関係によっては、あとから入ってくる友達を受け入れられない言動が見られたり、仲間に入 って一緒に遊びたい思いを伝えられない幼児たちの姿が見られた。特に遊びに夢中になって いる場面では、相手に思いをよせることが難しい幼児の姿が見られる。 (3)ねらい 先生と共に自分の思いを言葉にして伝えながら、遊ぶようになる。 (4)事例 ○幼児の姿 ・教師の受け止め☆教師の援助(_は有効であった援助) ○いつものようにスーパーマンご っこを始めようとする A 男、B 男、C 男。 ○「先生、付けて」とA 男がマント を持 ってくる。B 男、C 男も続 いてもってくる。付け終わると今 度は「先生、棒作って、剣にする から。」とA 男。作った棒を見て、 B 男、C 男も「僕にも作って。」 と教師のところへ来る。 ○剣ができたA 男、仲良しの B 男 の剣ができるのを待っている。C 男は、剣ができると、ホール(廊 下)へ行き、まずはプリキュアご っこをしている女児に興味をも ち、後を追いかけて遊び出す。 ○A 男は B 男の剣ができると、「B 君、一緒に行こう!」と行ってホ ールに行く。A 男と B 男は互いに 何でも真似をする姿がある。 ○A 男、B 男、ホールに行き、ヒー ローごっこ、二人で剣を振ってな りきっている。そのうち、ままご との家(4人くらいが入れるくら い)にA 男と B 男が「B 君ここ に入ろう。」「ここお家にしよう。」 などと言いながら入り始める。 ○そのうち、A 男と B 男のことが最 近少し気になり始めている C 男 が近寄ってきて、「入れて。」と家 に入ろうとする。 ○A 男、「ここはA と B 君のところ だから入っちゃだめ。」とC 男に 言う。C 男、「僕だって入りた い!」A 男「だめ!」C 男、怒り ・A 男、B 男を誘っていつものようにヒーローごっこを 始めるようだ。2人のことが気になっているC 男もヒ ーローごっこを始めようとしているようだ。様子を見 守ろう。 ☆幼児のイメージを聞きながら、棒をつくっていく。 ☆走ったり棒で友達を叩いたりなど、危険のないよう見 守る。 ・C 男は A 男、B 男のことが気になり始め、一緒に遊 びたい気持ちが出てきている。しかし、1学期からA 男と B 男のつながりは深いため、邪魔をされるのが 嫌で、C 男は時折仲間に入れてもらえないことがあ る。もし、C 男が途中で入ってきたら、A 男と B 男 はC 男を受け入れられるだろうか. ・C 男、A 男と B 男が二人で家に入って遊び始めたこ とにまだ気づいていない。もう少し様子を見よう。 ☆A 男、B 男、C 男の様子を近くで見守る。 ☆3人に声を掛けるか迷うが、手が出たりすることはあ まりないので、口を出さず、かかわりを見ていく。 ・C 男、A 男、B 男に受け入れてもらえるだろうか。 ・A 男、B 男、2人で遊びたいと感じているようだ。C 男の動きを見守ろう。

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‐幼児教8‐ ながら「入りたい。」B 男は A 男 の真似をして「だめなの!」 ○C 男、泣きながら教師のところへ 来て「A ちゃんが僕は入っちゃだ めっていうんだよ。」 ○教師の話に対してA 男、「だって ここはA と B 君のだからだめなん だよ。」と言う。 ○A 男、「でもだめなんだよ。」とど うしても入れられない様子。B 男 「だめなんだよね、A 君。」と A 男の顔を見ながら言う。 ○C 男、A 男、B 男に「でも僕は、 A 君 B 君のところに入りたいの …。」と言う。 ○C 男、教師と「入れて。」と一緒 に言う。 ○教師の言葉に、A 男「いいよ、入 っても。」B 男「僕もいいよ。」 ○「入れてもらえてよかったね。」 という言葉に C 男、嬉しそうに し、3人で遊び出す。 ☆困った表情をした C 男に「どうしたの?何かあった のかな?」と聞き、C 男が自分の言葉で話すのを待つ。 「入っちゃだめって言ったの?C 君それは嫌な気持 ちだったよね。」とC 男の気持ちを受け止める。入れ てもらえなかったC 男の気持ちを十分受けとめ、「先 生と一緒にA 君と B 君のところに一緒に行ってみよ う。」とA 男、B 男のところへ行く。 ☆A 男、B 男に「C ちゃんが A 君、B 君と一緒に遊び たかったのに入れてらえなかったみたいなんだ。どう して入れてもらえなかったのかな。C 君も一緒に遊び たいんだよね。入れてくれないかな。」とC 男の表情 も見ながら伝える。 ☆「A 君 B 君は一緒に遊びたいんだね。」2人の思いを 受け止める。どうしても入れられなそうだったので、 無理に仲間に入れようとせず、「一緒に遊びたいのに C 君ちょっと悲しい気持ちがするよね。みんなで一緒 に遊ぶと楽しいと思うけどな。C 君、じゃあ先生と一 緒に積み木でお家つくろうか。」と A 男と B 男に C 男の気持ちを代弁して伝え、一旦 C 男を違う遊びに 誘ってみる。 ・C 男、A 男、B 男と遊びたい気持ちが強いようだ。 ☆「C 君は、A 君 B 君と一緒に遊びたいんだね。」とい うC 男の気持ちを受け止める。 ☆もう一度A 男、B 男と話をする。「C 君、A 君、B 君 が大好きで一緒に遊びたいんだって。A 君と B 君が お友達に入れてもらえなかったらどうかな。C 君も入 れてくれると嬉しいな。」とA 男、B 男に伝える。C 男に対し、「僕も入れてってもう一回先生と一緒に言 ってみよう。」と話し、教師と言う ☆「A 君、B 君入れてくれてありがとう。」「C 君よかっ たね。よく言えたね。」と互いに伝える。 考察 ○A 男、B 男の中では2人で遊ぶことに夢中で、他の友達には邪魔されたくないという気持 ちがある。2人のことが気になり始めてきたC 男は、2人の後を追って一緒に遊びたいとい う気持ちを出してきている。一緒に遊べるときもあり、教師が話をすると、入れてもらえな い友達の気持ちをA 男も B 男も表情から見て、気付き分かる時もある。今回はどうしても 入れられない様子だったため、無理にC 男を入れるよりも、教師と一緒にということで援助 をしたが、それでも遊びたいというC 男にとっては納得がいかなかったようだ。それだけ、 友達と遊びたいという思いが強くなっていることも感じた。こうした繰り返しの中で、徐々 に友達関係が広がり、今まで受け入れられなかった友達とも仲良く遊べるようになっていく と思う。教師は常に一人一人の気持ちを察すると共に、友達関係の変化に配慮しつつ、一時 の現象だけで幼児を見ずに、多くの友達が受け入れられる関係を築いていけるような援助を していく必要がある。 ○A 男と B 男、C 男にはそれぞれの思いがある。その思いを表情や幼児から出た言葉から感 じ取り、教師が分かりやすい言葉にして伝え、受け止めているという気持ちを表すことで、 受け入れている安心感につながることを感じた。さらに、互いの思いに気付けるよう、教師 が仲立ちとなって丁寧に言葉を掛けていく援助の繰り返しが大切であることを感じた。

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‐幼児教9‐ 事例3 「そんなに使ってズルい!」 (4歳児) 平成26年7月9日(水) (1)検証の観点 見通し3 友達の言葉に付け加えをしたり、言葉を噛み砕いてわかりやすく伝えたりすること により、幼児は相手の気持ちに気付くようになったか。 (2)幼児の実態 ○気の合う友達が見つかり、「○○くん一緒に遊ぼう。」と声を掛け合って友達同士で遊ぶ姿が 多く見られるようになってきた。その中で、自分の思いをうまく言葉で伝えることができず に、思いを押し通そうとすることによって、友達といざこざになる姿も見られるようになっ てきている。 (3)ねらい 自分の思いやイメージを、自分なりに友達に分かるように言葉で伝えるようになる。 (4)事例 ○幼児の姿 ・教師の受け止め ☆教師の援助(_は有効であった援助) 食後、室内で自由に遊ぶ時間に思 い思いの遊びを楽しむ。男児はブロ ックで作った武器を持って戦いごっ こをすることを好む幼児が多い。 ○午前の遊びの続きでブロック遊び を始める、A男・B男。 ○A男は、かっこいい武器をつくるた めに必要な部品を使いたいが見つ からずにいる。 ○一緒に遊んでいるB男がA男の使 いたい部品をたくさん使って武器 をつくっているのを見つけたA男。 B男に「Bくん、それ貸して。」と 尋ねる。 ○B男は「まだ使ってるから、終わっ たら貸してあげる。」と答える。 ○「いっぱい使ってるから貸して よ。」とA男。しかしB男は「まだ 使ってるもん。」と答える。 ○A男は泣きながら、「Aも使いたい んだもん!そんなに使ってズル い!」と訴える。 ○A男は泣き止まずに癇癪を起して いる。 ○B男が自分の武器から部品を取り 外し「じゃあこれは貸してあげ る。」とA男に差し出すがすぐには ・今日も仲良しのA男とB男はブロックをして遊ぶのだ な。 ・A男は自分の気持ちをB男に伝えることができている な。B男はどのような返事をするのであろう。 ・確かにB男はまだ使っているし、B男の答え方は、B男 の気持ちが伝えられている。A男は我慢ができるか。 ・やはりA男は引き下がれなかったか。少し様子を見てみ よう。 ・2人の思いが拮抗してしまったな。お互いの話をじっく り聞くようにしよう。 ☆A男に話を聞き、A男の「かっこいい武器をつくるのにこ の部品を使いたい」という思いを十分受け止め、「Aく んはこれが使いたかったんだね。」と気持ちに共感する。 ☆B男には「武器をつくるのにはその部品が必要」という A男の思いを、「Aくんもかっこいい武器をつくるのにそ の部品が欲しいんだってさ。」と言葉を足して伝える。 「でも、Bくんは終わったら貸してくれるんだよね。」 とB男の「終わったら貸してあげる」という思いを十分 認める。 ・なかなかA男の気持ちが収まらないな。B男の思いをも う少し丁寧に伝えよう。 ☆「Bくんもその部品は使いたいんだよ。でも使い終わっ たら貸してくれるって言ってくれてるよ。」とB男の思い を分かりやすく伝える。 ・B男の方が我慢をすることができたな。でもB男の気持 ちをもう一度確認する必要があるな。すぐに手を出さな

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‐幼児教10‐ 手を出さない A 男。 ○「Bくん、本当にいいの?」とB 男に尋ねると「いいよ。」と答える。 ○涙を拭い、B男から部品を受け取 る。 ○「ありがとう!」とA男。「どうい たしまして。」とB男。また2人で 仲良く武器をつくり、たたかいご っこを続ける。 いのは気持ちの納得ができていないのか。A 男に言葉を 足して伝えよう。 ☆「Aくん、Bくんがこれ貸してくれるって。」とA男に改 めてB男が貸してくれることを伝える。 ☆「Bくんも使いたいけど、これ貸してくれたね。Bくん に何て言ってあげればいいかな?」と言葉を掛け、自分 でB男への対応を考える余地を与える。 ☆B男に「Bくん、よく貸してあげられたね!かっこよか ったよ!」と我慢をして譲ることができたことを十分認 める言葉を掛ける。 考 察 ○仲裁に入る際は、教師は2人の間に入る立ち位置にした。そのことによって、一人ずつ 思いをじっくりと聞いたことを、相手に教師を介して伝えることができたと思われる。 ○A男の「いっぱい使っているから、一つでも貸してほしい。」という思い、B男の「今は 使っているから貸せない。でも使い終わったら貸してあげる。」という思いは、状況は知 っていたが、お互いの話をよく聞きながらその気持ちに寄り添ったことによって理解す ることができたと思われる。いざこざの際には、目視の情報以外にも気持ちを理解する ための丁寧な語り掛けなどの援助も必要になると考える。 ○上記のことと関連して、いざこざの当事者の子どもたちは、相手の言った言葉しか耳に は入ってこないため、その言葉に納得がいかないことによっていざこざになると考える。 教師が相手の言葉の裏にある思いを十分に受け止め、それを相手に分かりやすいように 言葉を足すなどの援助をすることによって、相手の思いに気付くことができるようにな ると考える。

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‐幼児教11‐ 事例4 「鬼決めやっていいよ。」 (4歳児) 平成26年11月5日(水) (1)検証の観点 見通し4 幼児同士で解決が難しい場合には仲裁に入り、解決方法を教師と一緒に考えるよう 投げかけることにより、相手の考えを受け入れることができるようになったか。 (2)幼児の実態 ○戸外に出ると、男児を中心に毎日のようにドロケイをして遊ぶ幼児が多くなった。友達や教 師が、他学年の幼児と一緒に遊んでいる姿に刺激を受けて、女児も少しずつ交ざって遊ぶこ とが多くなってきている。その中で、友達や教師がやっている役をやりたいためにうまく人 数が分かれて遊ぶことができなかったり、途中で帽子の色を変えて役を変えてしまったりす ることが多くなってきた。その都度、教師が間に入り人数を調整したり、途中で役を変えて しまう幼児には「○○くんは速いから警察の方がいいと思うよ。」などと得意な役が生かせ るような言葉を掛けたりしている。また自分が納得いく結果にならないことによって、怒鳴 って思いをぶつける幼児も見られるようになってきた。 (3)ねらい 友達の考えや思いに耳を傾け、受け入れようとするようになる。 (4)事例 ○幼児の姿 ・教師の受け止め ☆教師の援助(_は有効であった援助) 戸外で思い思いの遊びをして遊ぶ 時間、いつものように男児を中心に 「先生、ドロケイしよう!」と言っ てくる。しかしこの日は女児と雲梯 をする約束をしていたため、「先生は 後から交ざりにいくから、先にやっ てて。」と伝える。 ○B男が「ドロケイやる人!」と声 を掛けると、A男・D男・E男・ F男 A子が「交ぜて。」とやってくる。 ○「じゃあ鬼決めで決めよう。」とB 男。B男が鬼決めをしているとき に、C男も「交ぜて。」とやってく る。A男が「もう一回最初から鬼 決めしよう。」と言うと、「今度は Cがやる!」と鬼決めをまた始め る。 ○「せっかく俺が鬼決めしたのに! もうやんない!」とB男は怒って 抜けてしまった。それでもC男は 鬼決めを続けようとしている。 ○A男が「Cくんが入ったからもう 一回鬼決めしようってなって、そ うしたらBくんが怒ったんだよ。」 と状況を説明する。 ○「だってもう俺が鬼決めしたのに、 またCくんがやっちゃうから。」と B男。 ○「Bくんも交ぜてもう一回鬼決め すれば?」とD男。 ☆雲梯をしている女児たちの安全確保などをしつつ、B男 たちのドロケイの様子を見守る。 ・自分たちで何とか遊びを進めようとしているな。 ・A男なりに、C男が入ってきたことに対してもう一度鬼 決めをする案を出したのだな。でもそれにB男は納得す るのか。 ・やはりB男は怒ってしまったな。もう少しだけ子どもた ちに任せてみよう。 ・B男は怒ったまま立ち尽くしている。そろそろ仲裁に入 りに行こう。 ☆「なんかBくん怒ってるみたいだけど、どうしたの?」 と子どもたちの輪の中に入りに行く。 ☆「そうだったんだ。Bくんは何が嫌だったの?」と目視 では知っていた事実をB男の口から思いを聞くように する。 ☆「Bくんがせっかく決めたのに、また鬼決めしたのが嫌 だったんだって。どうしたらみんなで遊べるかね?」と B男の思いを他児にも伝えつつ、解決方法を一緒に考え られるような投げ掛けをする。 ☆「Dくんが、Bくんも交ぜてもう一回みんなで鬼決めす るのはどうだって。みんなはどう?」とD男の考えを提 案する。 ・B男の気持ちが納得するような提案をするべきか。

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‐幼児教12‐ ○「いいよ。」と納得する幼児の中、 B男は怒ってまだそっぽを向いて いる。 ○C男が「Bくんが鬼決めやってい いよ。」と言うと、「じゃあもう一 回やるよ。」とB男も渋々輪に戻っ てくる。 ○B男の鬼決めによって、全員でド ロケイを始める。B男にも笑顔が 戻り、みんなでドロケイを楽しむ。 ○しばらく遊んでいると、B子・C 子・D子が「交ぜて!」とやって くる。 ○C男は「3人で鬼決めして、警察 か泥棒に分かれて!」と提案する が 、「 う ち ら は 3 人 で 泥 棒 や る の!」とB子が変な顔をしながら C男に言う。C男は泣きながら教 師の下にやってきて、一生懸命自 分が嫌だったことを話す。 ○C男と共に泥棒の陣地の山に行く と、B子たちは鬼決めをしていた。 ○「Cくんごめんね。」とB子。「い いよ。」とC男。 ○「Cくんが来る前に、うちらでも う鬼決めしといたよ!」とB子・ C子・D子もドロケイに交ざりみ んなでまた遊び始める。 ・C男はよく我慢ができたな。B男もC男の提案に納得す ることができたのだろう。 ☆「Cくんが、Bくんに鬼決めしていいよだって。Bくん がもう一回鬼決めしてくれるみたいだよ。」と状況を説 明する。 ・自分たちなりに考えを出したり、我慢したりして解決に 導くことができたか。 ・C男は先程の経験から「3人で鬼決め」という案を出し たのだろう。C男なりによく考えたな。 ・B子は随分強い口調でC男に言っているな。B子たちは 仲良しであるから、3人で泥棒をしたい気持ちも分かる な。 ・やはりC男は泣いてしまったか。仲裁に入ろう。 ☆「先生見てたけど、あの言い方は先生もされたら嫌だな。 Bちゃんとお話してこよう。」とC男の気持ちに共感し つつ、仲裁の場を設けるようにする。 ・罰が悪くなったB子はC男の案を受け入れたのだろう。 しかし仲裁はしっかりしないといけないな。 ☆「Bちゃんが3人で泥棒したい気持ちもよく分かるんだ けど、先生もCくんみたいに言われたらすごい嫌な気持 ちになるよ。Cくん、涙出ちゃったよ。」と、B子の言 い方では誰でも嫌な気持ちになってしまうことを伝え、 C男の悲しい思いを代弁する。 ☆B子には「今度は優しく言ってあげてね。」と伝えつつ、 C男には「Bちゃんたち、3人で鬼決めしてくれたみた いだよ。」とC男の案を受け入れたB子たちの様子を伝 える。 考 察 ○B男とC男の鬼決めをめぐるいざこざについては、A男やC男なりに、「新しい人が入っ たからもう一度鬼決めをする」と考えることができていたので見守る援助を行った。結 果としてB男は怒って一度抜けてしまったが、自分たちなりに遊びを進めようとする姿 に教師が深入りしないことも大事な援助であると感じた。 ○全員で解決のための話し合いの場を設けた際は、子どもたちの意見を聞きまとめる援助 を行った。幼児同士での考え合いによって、B男もC男も自分たちなりの妥協点を見つ け、互いの考えを受け入れることにつながったため、援助としては有効であったと思わ れる。またD男の考えを提案したことによって、D男も自信をもつことができたと考え る。 ○C男とB子のドロケイの参加をめぐるいざこざについては、B子の「3人で一緒に泥棒 をしたい」気持ちに共感しつつも、相手が嫌な気持ちになってしまうような言い方に気 付かせるような言葉を掛けたことによって、B子から自然と「ごめんね。」の言葉が出た と考える。いざこざの際には「ごめんね」を強要させるのではなく、真に心から「悪か ったな」と思えるような援助をしていくことが必要になると思われる。 ○B子が、一度はC男を突っぱねたが、それでもC男の提案で3人で鬼決めをしていたこ とから4歳児らしい心の葛藤がよく表れていると感じられた。この葛藤経験の積み重ね が、自分の気持ちを抑えたり友達の気持ちを受け入れたりすることにつながると考える。 ○2つのいざこざ共に、教師が目視によって状況をしっかりと把握していたことによって、 適切な援助をすることができたと考える。

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‐幼児教13‐ 事例5 「どうする?」(5歳児) 平成26年6月17日(火) (1) 検証の観点 見通し5 一方的な関係でなく、対等に話せるよう教師が友達関係の調整をしながら、話 し合いの場を意図的に設けることにより、互いの意見が言い合えるようになる であろう。 (2)幼児の実態 ○体を動かして遊ぶことが好きな幼児が多く、友達と誘い合ってリレーや鬼ごっこを始める ようになってきている。その中で、順番や勝敗のことで自己主張が強く、友達の話を聞い たり、思いを受け入れたりできず、いざこざになることがある。 ○自分がほしい物やしてほしいことがあるときなどは言葉で言うことができても、いざこざ や話し合いの場面になって、「どう思う?」「どうして○○になったの?」「なんで泣いてい るの?」のように、聞かれたときには黙り込んで無反応になる幼児が多い。 ○どの幼児も、我先に自分のことを話し始め、友達が話していても平気で割り込んで大声で 自分の話しを始める様子が見られる。自分が先に話していたということは主張するため、 「どっちが先だったか」のようないざこざが後を絶たない。 ○遊びの中で、負けそうになったり、自分の思い通りにいかなかったりすると、黙って遊び の仲間を抜ける幼児がいたり、他の遊びに興味を持つと、遊びの途中でも抜ける幼児がい たりする。 (3)ねらい 友達に自分の思いや考えを伝えたり、友達の気持ちも受け入れたりしながら、遊びを進 めていこうとしてほしい。 (4)事例 ○幼児の姿 ・教師の受け止め☆教師の援助(_は有効であった援助) ○A 男・B 男・C 男・D 男はハ チマキをしてリレーを始めよ うとしている。一方で、A 子・ B 子・C 子・E 男・D 子はコ ーンを出したり、「鍵鬼する者 よっといで」などと言い、仲間 を集めたりしながら、自分た ちで鍵鬼をはじめようとして いる。 ○リレーと鍵鬼は今までの経験 から、同時にできないことにA 男が気づき、園庭の中央でリ レーチームと鍵鬼チームの幼 児が、どちらが先にやるかで 言い合いになる。 ○ほとんどの幼児がどちらが先 でもいいと言うが、納得がい かないA 子と E 男は自分の気 持ちを通そうとする。しばら くして A 男が教師に訴えく る。 ○前日からの遊びの続きで、鍵鬼やリレーが始められるよう に、コーンやバトン、ハチマキ、CD などを、幼児の目に 付きやすいところに出しておき、自分たちで始められるよ うにしておく。また、日ざしが強く暑いときには、待って いる幼児が日陰になるように、簡易テントを出せるように しておく。 ・今日はどちらも、自分たちで遊びはじめようとしているな。 リレーと鍵鬼は園庭の広さや遊び方など、同じ場所で両方 同時にはできないが、誰か気付いて、話し合いになるとい いな。しばらく様子を見守ろう。 ☆遊びたい気持ちが持続したまま話し合いができるように、 場所を変えずに用意しておいた簡易テントを出し日陰を 作るようにする。 ☆教師も話し合いの仲間の一人としてその場にいるように し、内容を把握できるようにする。 ・自分たちの主張はできるが、意見がぶつかったときにどう したらいいか分からないのかな。どちらでもいいという幼 児も多いので、そのままでもどちらかの遊びが始まるかも しれない。 ☆教師は中立の立場で両者の話を聞き、話し合いの軌道修正 をするようにかかわる。

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‐幼児教14‐ ○幼児の姿 ・教師の受け止め☆教師の援助(_は有効であった援助) ○A 男が「ジャンケンで決めれば? 勝った方から先に遊ぶとか。」と 自分の考えを言うと、他の幼児も 賛成する。E 男は理解できず、ぽ かんとした表情をしている。 ○B 子が「もし、リレーが先になっ たら混ざってもいい?」と言う と、「A も」「D 子も」と鍵鬼チーム の幼児が言う。 ○A 男が「じゃあ、A 男達が負けて も鍵鬼しよう!」と、C 男や B 男 に話しかけている。 ○D 男と A 子が代表ジャンケンを する。E 男はよく見ている。A 子 が勝つ。 ○A 男「あーあ、負けちゃった。じ ゃあ、先に鍵鬼しよう。」と遊び 始めた。E 男も気持ちを切り替 え、鍵鬼に加わった。 ○A 男が「そろそろリレーがやりた いな」と言うと、他の幼児も「いい よ、リレーにしよう」と言い、準 備をはじめた。 ○B 子と C 子は黙ってその場を離 れようとしたが、それを見ていた D 子が「B ちゃん達ずるいよ、鍵 鬼の後はリレーやるって言って たでしょ」と大きな声で言うと、 「あっそうだ、ごめん。」と、戻っ てきて仲間に加わった。 ・E 男が集団遊びに興味をもって自分から仲間に加わっているの は珍しいな。解決の方法をみんなで話し合って、どの幼児も納 得して遊びが始められるといいな。 ・E 男はジャンケンで負けると、ごねる可能性があるので、事前 に確認しておいた方がいいかな。 ・B 子が妥協案を出したな。自分のやりたいことが後になっても、 それまで他の遊びをするという考えは、仲間も多くなって遊び が発展するかもしれないな。 ☆B 子の言ったことを取り上げ、ほかの幼児にも分かるように伝 え、ジャンケンをして、勝ったチームから遊び始めることを全 員に確認する。 ・B 子の一言で、他の幼児も自分のしたいことが先ではなくても 他の遊びにも加わる気持ちになったようだ。 ☆ジャンケンはどちらが勝つか分からないので、事前に両者に確 認しておくことで、事後にトラブルにならずスムーズに遊び出 せるようにする。特にE 男が同じ気持ちで遊びはじめられるよ うに配慮する。 ・ジャンケンで負けたD 男を責める幼児は一人もいないな。鍵鬼 チームの幼児は、自分のしたい遊びが終わっても、遊びを抜け たりしないでリレーに加わって遊びを続けられるようになっ てほしい。 ☆遊びはじめる前に全員に、鍵鬼が終わったらリレーをすること を確認しておく。教師も仲間の一人として遊びに加わり様子を 見守る。片付けの時間だけは全員の幼児に伝えておくことで、 自分たちで気付き、リレーに加われるようにする。 ・B 子と C 子は黙って抜けたな。ほかの幼児は気付くかな。D 子 が気付いたが、教師に助けを求めるかな、様子を見て見よう。 D 子が自分から言えるといいな。 ☆自分から友達を呼びに行った D 子の言動を認める言葉をかけ る。 考察 ○ ○互いが興奮してきた時には、気持ちを落ち着けてから話し合えるように、また、どちらの遊びが始ま っても待っている場所になるように、園庭に簡易テントを出し日陰を作ったことで、話し合うことに 集中できてよかったと思われる。 ○この時期の幼児は、自己主張はできても友達の考えも受け入れて遊ぶことは難しい様子が見られる。 また、遊びの経験など個人差があるので、一人の幼児の意見に偏らないように見守りながら、他の幼 児にも伝えたり、確認したりする教師のかかわりが大切になってくると思われる。 ○幼児が互いの気持ちを考えたり、気付いたり、自分の気持ちを伝えようとしたりする時には、仲の良 い友達の言葉がきっかけになることあることが分かった。また、友達の言葉に気付かない場合には、 教師が伝えていくことで、それぞれの思いに気付くようになっていったものと思われる。 ○友達とのかかわりも増え、人数や勝敗にこだわる様子も多くなっている。引き続き、いざこざを通し て自分の気持ちだけでなく、友達の気持ちにも気付けるように働きかけ、言葉で伝えるよさを十分に 味わわせることが、次第に折り合いをつけて遊びを楽しむ姿につながると考える。

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‐幼児教15‐ 事例6 「いい考えだね!」(5歳児) 平成26年11月11日(火) (1) 検証の観点 見通し6 両者の思いをつなぎ、どのようにしたらお互いが楽しむことができるかを考えら れるようにしていくことにより、友達と折り合いをつけて遊べるようになったか。 (2) 幼児の実態 登園するとすぐにドッジボールの仲間を捜し、自分たちで遊び始めるようになってきた が、ルールをよく理解していなかったり、自分の気持ちが優先してしまったりして、いざ こざになる。また、負けると遊びをやめたり、自分の思い通りにならないと抜けたりする 姿も見られる。 (3) ねらい 友達と考えやイメージを出し合いながら、自分たちで遊びを進める楽しさを味わう。 (4)事例 ○幼児の姿 ・教師の受け止め☆教師の援助(_は有効であった援助) ○A 男・D 男・E 男・A 子・B 子・

が集まって女児対男児でドッジ ボールを始める。 ○3対3でドッジボールをしてい るところへ、C 子・D 子が「まぜ て」と来る。女児達から「赤チーム に入って」と言われ、女児チーム に加わる。 ○男児チームから「ねえ、先生、5 対3になっちゃうよ!」と訴えて くる。 ○何人かの幼児が「まぜて」と加わ ってきた。どの幼児も自分のチー ムに入ってほしくて、個人的に誘 っている。 ○A 子が「じゃあ、並んで何人いる か数えてみようよ。」と言うと、 ほかの幼児も賛成して、中央のラ インのところで並ぶ。 ○男児チーム6人、女児チーム7人 になっていることに気付き、C 男 が「どうしよう。一人多い。じゃ あ、先生が抜ければ、いいじゃな い?」と言う。 ○A 子が「私も抜けてって言われた ら嫌だな。」と言うと、E 男が「じ ゃあ、誰か呼んでくる。」と言っ て、自分から実習生を誘って来 て、ルールを説明していた。 ☆教師が楽しそうに遊んでいる姿を見せることで、ほかの 幼児もドッジボールに興味を持って遊びに加わる、教師 も仲間の一人として遊びを見守る。 ・これまでのリレーなどの経験から、人数がそろっていた 方が試合が楽しいという感覚が育ってきている。 ☆「本当だ、赤チームが2人多いね。どうするといいかな」 と考えられるような言葉をかける。 ・受け入れる側の幼児が一方的に加わるチームを決めてい るな。あとから来た幼児の気持ちも考えてほしいな。 ☆「はじめに遊んでいた子が、あとから混ざった子のチーム を勝手に決めちゃっていいのかな。」と声をかけ、友達の 気持ちを聞いて遊びが進められるようにする。 ・どうしても同じ人数にしたいようだ。 ☆A子の考えに賛成して、教師も一緒に並ぶ。 ・C 男は、人数が合わないと、誰か一人抜かすという考え のようだ。一人増やすという考えに気付けるといいな。 ☆教師は「ドッジボールやりたいのに抜けてって言われた ら悲しいな。みんなだったらどうかな?7対7じゃダメ なのかな。」と、相手の気持ちを考えられるような声をか ける。 ・E 男が教師や A 子の言葉を聞いて、仲間を増やそうと気 付いたようだ。 ☆「E 男君が、誘ってきてくれたから7対7になって、ドッ ジボールができるね。」と、E 男の言動を認める言葉をか けるとともに、一人減らすことよりも仲間を増やすこと の方が、みんなが楽しいことに気付けるようにする。

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‐幼児教16‐ ○幼児の姿 ・教師の受け止め☆教師の援助(_は有効であった援助) ○男児チームの外野は2人いた が、立て続けにボールが相手 に当たり、外野の男児は喜ん で内野に戻ったため、男児チ ームの外野がいなくなる。 ○A 男は「だって、A 男は当てた もん。」と、当てたから入れる ことを主張している。 ○B 男が「じゃあ、次に誰かが当 たるまで A 男君がやっててく れないかな。」と、小さな声だ が、自分の考えを言う。 ○ほかの幼児も「B 男君、いい考 えだね。」と言うと、A 男が「A 男、外野でもいいよ。」と快諾 し、またゲームが再開した。 ○外野が出たことで、A 男も内野 に戻れることに気付き、ほか の幼児も「A 男くん、戻って。」 と、声をかけていた。 ・外野が不在になったが、A 男はそのことに気付かない で内野に戻ってしまったな。 ☆外野が不在になった場面を見逃さず、「外野がいない けど、これでドッジボールできるかな。」と投げかけ、 考えられる場面を作る。 ・A 男の「当てたから入れる」という気持ちを尊重しつ つも、このままではゲームが進まないことに気付ける ように「男児チームの外野はいないけど、そのままで いいかな?それとも、これで終わりかな?」と幼児達 から考えを引き出せるようにする。 ・いつもはあまり自分の考えを言わない B 男が、いい 考えを出したな。 ☆B 男の考えを他の幼児に分かるように嚙み砕いて伝 え、A 男にも「B 男君の考えはどうかな?」と気持ちを 聞くようにした。また、次の人が当たったら、A 男が すぐに内野に入れることも補った。 ☆A 男の行動を認めたり、B 男のいいアイディアをほめ たりし、遊びが楽しく続くようにした。 ☆教師はボールを内野の男児に当て、次の外野を作り、 A 男が自然な流れの中で内野に戻れる状況を意図的 に作った。 考察 ○ドッジボールの途中で、何人も「まぜて」と入ってくるときには、教師は受け入れ側が勝 手に加わるチームを決めずに、あとから来た幼児の気持ちに他の幼児が気付き、尊重し てチーム決めが進むように、意図的に試合を止める援助をした。このことで、あとから 加わった女児は、自分の気持ちが受け入れられ、好きなチームに入ることができ、友達 と遊ぶ良さを感じたと考える。また、受け入れる側の幼児にとっては、勝手に決めよう とする発言を教師に止められたことで、友達の気持ちを聞いて遊びを進める方がよいと いう感覚を感じることができたと考える。 ○人数を合わせたい気持ちから誰かを抜かすという考えの幼児に対しては、教師は「自分が 言われたらどう思うか。」と、相手の気持ちを自分のこととして考えられるような声をか けたり、仲間を誘って人数を増やすという考えを提示したりする援助を行った。また、 周りの幼児にも考えられるようにしたことで、他の幼児の意見や考えを聞いたり、気付 いたりできるようにした。そのことで、友達の気持ちに気付くことができたと思われる。 ○外野が不在になるという場面では、見逃さずに「どうしたら遊びが続くか」ということを 幼児に投げかける援助を行った。このことは、幼児同士で課題を解決しながら遊ぶため には、自分の考えを言ったり、友達の意見を受け入れたりして、みんなで考え合うよい 機会になったと考える。どのようにしたら、遊びが楽しく続くかをお互いに考えられる 時間を取ったことで、B 男が自分の考えを言ったり、A 男がみんなのために考えて行動 したりする場面が生まれた。また、教師が2人の言動を認めたことで、友達と折り合っ て遊ぶことの大切さを感じることができたと考える。

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‐幼児教17‐ Ⅵ 研究のまとめ 1 成果 幼児が自分の気持ちや思いを十分に出し、互いの思いを受け入れ合い、友達と折り合い をつけて遊ぶようになるための教師の援助について、実践事例から次のことが明らかにな った。 (1)幼児が自分なりの言葉で自分の気持ちを表わすようになるための援助 ○ 教師との1対1の関係の中で信頼関係を築くこと、幼児が自分の思いや気持ちを出 してよいことが分かるように教師がかかわることで、幼児は安心感をもって思いを出 すようになる。(見通し1) ○ 教師が幼児の表情やささやきなどから思いを汲み取り、言語化したり、相手に伝え たりすることで、受け止められている安心感をもったり、思いを表わす言葉を知った りし、幼児も伝えようとするようになる。(見通し2) ○ 気持ちの伝え方を一緒に考えたり、一緒に言ったりする教師の援助により、幼児は 伝え方が分かるようになり、自分で伝えようとするようになる。(見通し2) (2)幼児が自分の思いを言葉で伝えながら、教師の援助があると相手の思いを受け入れて 遊ぶようになるための援助 ○ 幼児なりの言葉では思いが十分に伝わらず、自分の思いを押し通そうとしてしまう 場合には、状況の確認、双方の思いの丁寧な受け止め、幼児にわかる言葉にして互い の思いを伝え合わせる援助をすることで、相手の気持ちへの気付きを促すことができ る。(見通し3) ○ 幼児が互いにやりとりしている場合は、すぐに介入せずに見守ることで、幼児が他 者の気持ちに触れる機会を作ることになる。また、幼児同士のやりとりの中から解決 の糸口がみつかることも期待される。(見通し4) ○ 上記のことからも、幼児同士のやりとりを観察し、タイミングを見極めていざこざ の仲裁に入ることが望ましい。教師が話し合いの場を設け、幼児から出た考えを聞い てまとめることによって、解決策を考えたり、課題を乗り越えて相手の考えを受け入 れたりして遊びを継続することを経験できる。(見通し4) (3)幼児が友達に自分の思いや考えを伝えたり、友達の考えも受け入れたりしながら、自 分たちで遊びを進めていくようになるための援助 ○ 自己主張はできても友達の考えを受け入れて遊ぶことが難しい場合は、教師が遊び の仲間に加わって見守りながら、いざこざの場面を捉え、遊びを止めて話し合う機会 を設けることで、幼児は相手と折り合うことに気付きやすくなる。(見通し5) ○ 話し合いでは、一人の意見に偏らないよう普段の友達関係に配慮し、他の幼児にも 伝えたり、納得できるか確認したり、話すよう促したりする援助によって、幼児が自

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‐幼児教18‐ 分の意見を言いやすくなり、他の意見も聞くことにつながる。(見通し5) ○ 幼児同士で課題を解決しながら遊ぶためには、教師が解決を急がず、どのようにし たら、遊びが楽しく続くかをお互いに考えるよう投げかけることが効果的である。自 分の考えを言ったり、友達の意見を受け入れたりして、みんなで考え合うよい機会に なったり、みんなのために考えて行動したり、友達の意見を受け入れる必要があるこ とに気付いたりすることが促される。(見通し6) ○ 教師が課題を解決して継続して遊びを楽しむ幼児の姿を認めることで、幼児は友達 と折り合って遊ぶことの大切さを感じるようになる。(見通し6) 2 今後の課題 ○ 本研究の実践を通し、幼児が友達と折り合いをつけるようになっていく育ちには、大き な個人差があることを実感した。次年度以降、今回の成果をもとに発達段階に応じた指導 を実践するが、年齢ごとに捉えた発達段階だけでなく、個々の幼児の発達段階を考慮した 援助に努めなければならない。 ○ 幼児が友達と折り合いをつけるためには「相手の気持ちに気付く」過程と並行して、「幼 児自身が納得する」過程があると思われた。「気付かせる」援助と共に「納得する」ことを 大切にした教師のかかわりを実践していくことで、より適切な教師の援助となるものと考 える。 ○ 今年度は焦点を絞り、日常で起こるいざこざの場面を捉えて事例検討を行うことで、い ざこざへのかかわりについて教師自身の課題にも迫ることができた。 研究2年目となる次年度は、視野を広げ、幼児が主体的な遊びを通して友達と折り合い をつけて遊ぶようになるための、教師の意図的な環境の構成について明らかにしてきたい と考える。 参考文献 ○幼稚園教育要領解説 文部科学省 ○「わたしを律するわたし」子どもの抑制機能の発達 森口佑介 著

参照

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