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地下タンク内に保存した地下水を用いるパイプヒーティングシステムの温度特性

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Academic year: 2021

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(1)土木学会論文集G Vol.66 No.4,211-221,2010.12. 地下タンク内に保存した地下水を用いる パイプヒーティングシステムの温度特性 安村成史1・志賀亮子2・菖蒲迫正之3・吉武. 勇4. 1正会員. 山口県宇部土木建築事務所(〒759-2212 山口県美祢市大峰町東分沖田3449-5) (山口大学大学院 理工学研究科 博士後期課程) E-mail: [email protected] 2正会員 広島市安佐南区役所農林建設部(〒731-0193 広島市安佐南区古市一丁目33番14号) E-mail: [email protected] 3正会員 株式会社エイト日本技術開発(〒700-0087 岡山県岡山市津島京町3丁目1-21) E-mail: [email protected] 4正会員 山口大学大学院准教授 理工学研究科(〒755-8611 山口県宇部市常盤台2-16-1) E-mail: [email protected]. 本報告では,地下10m程度にある地下水を備蓄保存して,循環させる「地中熱地下備蓄タンク方式パイ プヒーティングシステム」の設計・施工に関する基礎的データを示す.本システムの供用による路面状況 変化および融雪効果について示すとともに,熱源となるタンク内の水温の変化について報告する.本報で は3年以上におよぶ実際の国道における運用データを基に,気温・路面温度・タンク内水温・岩盤温度の 変化をまとめた.さらに,路面温度がタンク内水温より高い時に強制的に稼働させる(強制運転)ことで, 冬期においても短時間でタンク内水温を上昇させることができた.. Key Words :underground tank, pipe heating system, groundwater. 1. はじめに 近年,高い道路管理水準を求められる傾向にあり, 路面の積雪・凍結による交通障害に対して,i)交通 途絶や孤立集落の解消,ii)除雪の広域ネットワー ク化,iii)旅行時間の定時性,iv)緊急時の輸送手段 の確実性,などが求められるようになってきた. 年間の平均気温が+15℃程度と比較的温暖な地域 にある山口県において,冬期の山間部では,最低気 温が-10℃以下に達し,多くの降雪や積雪もみられ る.積雪・寒冷地区に比べて,雪道運転に不慣れな 人が多く,さらにタイヤのチェーンや冬用タイヤの 装備率は高くないことから,ひとたび大雪が降ると 事故が起こりやすく,交通への大きな影響がみられ る 1), 2).特に,橋梁での雪や凍結によるスリップ事 故が多発している.これらの事故を防止するために 数多くの研究が行われている 3), 4), 5). このような背景から,山口県を含む中国地方では, 路面積雪・凍結により危険となる山間部のカーブや 橋梁といった局所的な区間を中心に,路面融雪施設 の整備が近年活発に進められている.また,近年は. 211. 環境問題から地中熱利用についても活発に研究が行 われている 6)-10).ここで,比較的温暖な地方におい ては,地中熱などの自然熱エネルギーの利用可能性 が高いことが多く,さらに,降雪時間があまり長く ないことから,自然熱エネルギーを用いた無散水融 雪施設の適用が望ましいものと考えられる 11),12). そこで,本研究では地表近傍(地下10m程度)の深 さに構築したタンク内に,路面融雪に必要な熱量 (地下水)を備蓄保温し,路面下に埋設したパイプ内 に備蓄水を循環させる「地中熱地下備蓄タンク方式 パイプヒーティングシステム」を考案した.そして, 山口県内の山間部にある一般国道315号の葉の内3号 橋から同4号橋の区間において,このシステムを用 いた冬期路面管理を行った.同様のパイプヒーティ ングシステムとして,2つの大型貯水タンク(最大 φ2.6×240m)と集熱器(96@φ0.5×53m)を用いてチェ ーン着脱場に適用した事例が報告されている9), 10). 本研究で開発したシステムでは,このシステムに比 べて小規模な貯水タンク(φ5.5×12.75m)のみで循環 水の加温および保温を行い,これを橋梁路面の管理 に適用したところに特徴があげられる.本報では,.

(2) 土木学会論文集G Vol.66 No.4,211-221,2010.12. 延長L=116.4m. 温度(℃) 0. 4. 8. 12. 16. 20. 4月. 24. 5月. 0. 6月. 曲率半径 R=100.0m. 縦断 図-1. 深さ(m). -5. 4.2% 勾配. 計画地平面図. 7月 8月. -10. 9月 10月. -15. 11月. -20. 12月 1月. -25. 2月 3月. -30. システムの設計・施工について概説するとともに, 3年以上におよぶ計測による気温・路面温度・タン ク内水温・岩盤温度といった温度性状について報告 する.. 図-2. 地中熱の計測結果. 表-1. 計画地の気象データ cm/day m/h ℃ g/cm3 m/s kJ/(kgK). 日平均降雪深 時間降雪深 雪温(=気温) 雪密度 風速 雪の比熱. 2. 地中熱地下備蓄タンク方式パイプヒーティ ングシステム (1) 計画地と路面融雪方法 路面融雪装置の計画地は,一般国道315号の葉の 内3号橋から同4号橋(以下,計画地と呼ぶ)で計画 地 付 近 の 交 通 量 は 約 1600 台 / 日 で あ り , 標 高 約 570mの山間部である.図-1に示すように,計画地. 表-2. 必要熱量の算定結果. 橋梁部必要熱量 (W/m2) 2. 土工部必要熱量 (W/m ). はS字カーブ区間にあり,道路線形は縦断勾配4.2% である.また,中国地方の冬期の山間部においては, 降雪量も比較的少なく,長時間におよぶ降雪はあま りみられない.ところが,昼間は比較的温暖な気温 となるものの,夜間には,-10℃程度まで気温は降 下し,路面は積雪・凍結状態となる特徴を有してい る.このようなことから,冬用タイヤの装着率があ まり高くない本計画地では,路面積雪・凍結により スリップ事故が多発していた. これまで山口県を含む中国地方の冬期路面管理で は,主に機械除雪と塩化カルシウムなどの凍結防止 剤散布が行われてきた.本計画地は,河川を横断す る箇所であるため,このような凍結防止剤を使用し た場合,塩化物が河川内へ流出する危険性が考えら れた.また,広く普及している散水工法は,現地に おいて散水に要する水量確保が困難なことから,同 計画地においては適さないものであった.そこで本 研究では,環境負荷を低減できるとともに経済的な 路面管理を行えるよう,地中熱を利用した無散水融 雪施設のひとつであるパイプヒーティングを行うこ ととした. 本計画地で用いた「地中熱地下備蓄タンク方式パ イプヒーティングシステム」の設計にあたり,1992 年~2002 年の気象データを基に表-1 に示す気象条 件を仮定し,設計時の設計要領 13)に基づき表-2 の. 212. 表-3 橋梁部 土工部. 10.0 0.022 -1.9 0.07 2.0 2.1. 融雪. 凍結防止. 223. 82. 161. 59. 融雪・凍結防止に要する水温 融雪 11.5℃ 10.9℃. 凍結防止 4.9℃ 4.6℃. 必要熱量を算定した.ここで求めた必要熱量に基づ き,融雪面積(橋梁部 430m2,土工部 265m2)に対し て,表-3 に示すような融雪・凍結防止に要する水 温を算定した 14). (2) 地中熱分布の計測 一般に地表から深さ 10m 程度までは外気温変動 の影響を受けるため,季節変化する層(変温層)があ る.一方,地下 10m 以深では外気温変動の影響を ほとんど受けず一定となり,その温度は,ほぼ年平 均気温と一致する 5). 貯水用のタンク設置を行う上で,地下の地質条件 および温度変化を把握するため,本計画地の路肩近 くでボーリング調査を行い,このボーリング孔に, 計12点の熱電対(T-type)を設置し,1年間(2004年3 月~2005年5月)を通じて時間制御による自動計測を 行った.その計測結果を図-2に示す.この結果に示 されるように,路盤面より10m程度で地中熱はほぼ 一定となり,その温度は12℃程度であった.またこ.

(3) 土木学会論文集G Vol.66 No.4,211-221,2010.12. CL. 1.0m. 路盤面より-3m. 6.5m. 7.5m. タンク壁面. 砂質層. 6.5m. タンク内水. 岩盤層 路盤面より-10m. 9.5m. 5.5m. 12.75m. タンク底面. 42.0m. ロックボルト D25, L=3.0m. 3.25m. 路盤面より-15m. 岩盤. 22.75m. 熱電対設置個所 路盤面より-21m. 図-3. 図-4. 解析モデル図. 地中熱地下備蓄タンクの形状 表-4. れよりも浅い位置では,深度に応じて外気温と温度 の位相差が生じているものの,路盤面より5m以深 では,その差異はあまり大きいものではなかった. 以上から,本計画地における採熱位置の温度12℃は, 表-3に示す融雪・凍結防止に要する水温をいずれも 超過しており,適切な水量を確保し,かつ適切な運 転を行えば,特に人工的に加温することなく,この 自然熱エネルギーをもって融雪・凍結防止が可能で あると推察された. (3) 地中熱地下備蓄タンク 地中熱を熱源とした融雪施設として,熱交換杭と 路面下のパイプ内に不凍液を循環させることで融雪 する工法が実用化されている 15), 16) .しかしボーリ ング1本あたりの採熱量は比較的小さく,この工法 を本計画地に適用するには,多数のボーリングが必 要となる.本計画地は,橋梁部を含む区間があり, 且つ保安林と河川に囲まれているため,多数の熱交 換杭の設置が困難な場所であり,この工法の採用が できなかった. そこで本計画地では,必要な熱量(水)を地中熱地 下備蓄タンクに確保しておき,路面融雪・凍結防止 に必要な時のみ,システムを稼働させる工法を考案 した.地中熱地下備蓄タンクの概要を図-3 に示す. 計画地の融雪面積(橋梁部430m2 ,土工部265m2) について,必要とする熱量から地中熱地下備蓄タン クの水量の検討を行った.熱源として自然熱エネル ギーのみを利用する本システムでは,地中熱地下備 蓄タンク内の水温を短時間で上昇させることは,不 可能である.一方,計画地における最長継続降雪時 間は9時間程度であり,数日におよぶような長期の 降雪はみられない.そこで本研究では,最長のシス. 213. 名 称 熱伝導率 比熱 密度. タンク (タンク内水). 岩盤. 温度固定. 熱伝達境界. 解析条件. 記 号 内 水 岩 盤 W/(m℃) ――― 4.3 J/(kg℃) 4199 1100 kg/m3 999.9 2650 2 次元軸対象モデル 幅 2.75m×高さ 19.25m (幅 2.75m×高さ 12.75m) 要素数:23×8 (要素数:16×8) 2 次元軸対象モデル 幅 12.75m×高さ 42m 要素数:56×20 タンク壁面より 10m 位置の周辺岩盤 およびタンク底面より 22.75m の岩盤 :温度一定(12℃) タンクと岩盤の境界全周 (タンク上面を断熱するため,外気への 熱伝達はないものと仮定した). テム稼働時間分を担う(温められた)備蓄水量を必要 水量として設定した.本システムにおいて必要とな る熱量Qは,既往の設計要領 13) で与えられる式(1) から求められる. Q. cs  Ts  J s. .  hs   s. (1). ここに,Q:必要熱量(W/m2),cs :雪の比熱(2.1 J/g°C), Ts :雪温と水の融点との温度差(-1.9°C), Js:雪の融解熱(334 J/g),hs:降雪速度(0.022 m/hr),  s :雪の密度(70000 g/m3),  :熱効率(橋梁部: 0.65,土工部:0.9) 式(1)を用いて必要単位水量q((m3/hr)/m2)が下式 のように計算できる..

(4) 土木学会論文集G Vol.66 No.4,211-221,2010.12. 析対象とした岩盤は,タンク壁面から 10m(タンク. 温度(℃). 14 12. 橋梁部融雪必要温度11.5℃. 10. 土工部融雪必要温度10.9℃. 半径の約 3.6 倍),およびタンク底面から 22.75m までとし,それぞれの縁部を温度固定境界(12℃) とした. ここでは,表-4 に示す解析条件 17)において計算 を行った.なお,周辺岩盤およびタンク内の水の初 期温度は,ボーリング時の地中熱調査に基づいて 12℃と設定した.なお,1992 年~2002 年の気象観 測データの中で,最長の継続降雪時間が 9 時間であ ったことから,そのような気象が 3 日間連続した場 合を想定した解析を行った. タンク内の平均水温の解析結果を図-5 に示す. なお,9 時間連続稼動した際の温度低下は,既往の 設計要領 13)に基づき算定したものである.これら の結果より,融雪に必要な熱量を約 26 時間で確保 できなくなるものの,凍結防止に必要な熱量は 3 日 間連続稼働した場合においても確保されていた 14) .. 8 6. 橋梁部凍結防止必要温度4.9℃. 4. 土工部凍結防止必要温度4.6℃. 2 0 1. 6. 11 16 21 26 31 36 41 46 51 56 61 66 71 時間(h). 図-5. タンク内の平均水温の解析結果. q. Q cw   w  Tw. (2). ここに,cw:水の比熱(4.19 J/g°C),  w :水の密 度(1.0 ×106 g/m3)を表す.なお, Tw はパイプパネ ル(標準サイズ:3.0×5.1m,パイプ長:約100m)に 通水循環した場合の温度低下量を表し,本研究では 5°C と仮定した. 式(1),(2)を用いて,橋梁部・土工部における必 要単位水量(qu1 ,qu2)を計算すると,それぞれ0.65, 0.50 (l/min/m2)が求まる. これらの必要単位水量を基に,システム最長稼働 時間が9時間のときの必要水量Vは,同設計要領13)に より下式から得られる. V  qu1  A1  qu 2  A2   60 / 1000  h  225. (3). ここに,V:必要水量(m3),qu1:橋梁部の必要単位 水量(0.65 l/min/m2),qu2 :土工部の必要単位水量 (0.50 l/min/m2),A1:橋梁部の面積(430m2),A2: 土工部の面積(265m2),h:システム稼働時間(9hr) これらの結果に基づいて,タンク容量は 225m3 以上を確保できるサイズ(容量 230m3)とした.そし て,システム稼動時におけるタンク内の水温低下を 予め把握するため,汎用 FEM 数値解析ソフトウエ アを用いた非定常熱伝導解析を行い,タンク容量の 妥当性について検証した. 14). .そして,その解析モ. デルを図-4 に示す.本モデルは,概略設計段階で 考えた円筒状のタンクについて,その軸対称性を考 慮した上で 2 次元モデル化したものである.また解. 214. (4) パイプヒーティングシステム a) パイプヒーティングの構造 新しく設置される橋梁でパイプヒーティングシス テムを行う事例はいくつかみられるが 18),本例の ように既設の橋梁にこのようなシステムを設置する 事例はほとんどみられない.そこで,パイプヒーテ ィングに用いるコンクリート版の構造について検討 がされた事例 19), 20)を参考に橋梁の構造を検討した. 写真-1 に示すように,本計画地における既設の路 面 舗 装 を 切 削 し , 鋼 製 の パ イ プ (15A) を 埋 設 深 50mm 位置に設置することとした.埋設したパイプ は,標準サイズで 3.0×5.1m のパネル状になってお り,そのパイプ間隔は 150mm である.埋設したパ イプの総延長は,約 4600m におよぶ. なお,本システムでは一般的なコンクリート舗装 においてもアスファルト舗装に比べ,耐久性や熱伝 導率が高いことからこれを用いた.また,橋梁部の コンクリート舗装は,ポリプロピレン繊維補強コン クリートを用いることとし,ひび割れの抑制を図っ た 21). b) システムの運転方法 地中熱地下備蓄タンク方式によるパイプヒーティ ングシステムは,2005 年冬期より運用を開始した. 水中ポンプは降雪,気温,路面温度,水分センサー により自動稼働が可能であるため,外気温が+3℃以 下,あるいは橋梁部の路面温度が+1℃以下となっ た場合にシステムが自動制御するように設定してい た.しかし,供用開始後に明らかに路面が凍結しな い場合でもポンプが稼働するなど,不要と思われる.

(5) 土木学会論文集G Vol.66 No.4,211-221,2010.12 ←図-9 に対応(12/12~12/18)→ 35. 31. 降雪量(cm/日). 31. 28. 30. 26. 25 20. 16 13. 15. 13 10. 10 3 4. 5. 10. 6 2. 1. 3. 1 12/31. 12/29. 12/27. 12/25. 12/23. 12/21. 12/19. 12/17. 12/15. 12/13. 12/9. 12/11. 12/7. 12/5. 12/3. 12/1. 0. (2005年12月). 写真-1. パイプ設置状況. 図-6. 2005 年 12 月の日降雪量. 写真-6. 写真-2. 標準運転時の路面状況. 写真-4. 降雪直後の路面状況. 写真-6. 写真-3. 写真-5. 周辺橋梁の路面状況. 自動作動が多数みられたことから,作動基準の変更 について検討を行った(詳細は後述).その結果, 2006 年 11 月以降は+0.5℃以下となった場合にシス テムが自動制御するように設定を変更している 22) . (5) 温度計測方法 タンク内の貯留水やパイプヒーティング路面,タ ンク周辺岩盤の温度変化を把握するため,既設の調 査ボーリング孔内,タンク内およびその周辺,ロッ クボルト周辺,路面内に熱電対を計68点設置した. これらの熱電対を用いて,継続的にタンク内の水. 215. 降雪後の路面状況(6 時間後). 温,タンク周辺の岩盤温度,橋梁部路面内の温度, 土工部路面内の温度,外気温について測定を行った. この温度計測は調査ボーリング孔および路面内につ いては2004年3月~2009年3月まで,タンク内および ロックボルト周辺については2005年9月~2009年3月 まで計測を行った.なお,調査ボーリング孔はタン クとパイプヒーティングを行う道路との間に位置し, タンクの端部からおよそ10m離れている. 本研究では,図-3に示す熱電対設置個所のうち, タンク内水温,外気温の変動をほとんど受けない深 さと考えられる路盤面から21m深にあるタンク壁面.

(6) 土木学会論文集G Vol.66 No.4,211-221,2010.12. 20. 温度(℃). 16. パイプヒーティングなし パイプヒーティングあり. タンク内水温度15℃程度. 12 8 橋梁路面温度. 4 0 -4. 土工路面温度. 11/14. 外気温. 11/15. 11/16. 2005年. 写真-6. 図-7. パイプヒーティング有無の境界. 供用開始前のタンク内水温. (2005 年 12 月 14 日撮影). 写真-7. が窺えた23). b) 長期運転時の路面状況 本システムの設計に用いた気象データから,最長 継続降雪時間を 9 時間としており,これを超える長 時間の連続した運転は想定していなかった.しかし, 本システムを供用開始した最初の冬期において, 「平成 18 年豪雪」1),2),24)と命名されるほどの全国的 な記録的寒波が到来し,山口県においては,特に 2005 年 12 月に,この寒波の影響を大きく受けた. この期間においては,本計画地の外気温はほとんど 0℃以下であり,約 7 日間(12 月 12 日~18 日)の連 続的な降雪で設計値を大きく上回るものであった. 2005 年 12 月の日降雪量を図-6 に示す.2005 年 12 月 14 日には 31cm/日の降雪があった.同日にお ける降雪直後の路面状況を写真-4 に示す.さらに, この降雪後(6 時間後)における路面状況を写真-5 に 示す 25). 写真-4 に示すように,同日のような降雪に対し ては,パイプヒーティングを設置した区間において も,一般路面と同様に多くの残雪がみられた.しか しながら,これから 6 時間後においては,写真-5 に示すようにパイプヒーティングを設置した路面上 の雪は,ほぼ完全に融けており,コンクリート舗装 が露出していた.さらに,写真-6 は,パイプヒー ティングの設置区間と設置していない区間の境界を 撮影したものである.パイプヒーティング設置区間 外の路面上には残雪しているが,設置区間路面上は ほぼ完全に融雪できていた. 写真-6に示す境界部近傍を,熱赤外線カメラを用 いて撮影した(写真-7).これらの写真に示すように, パイプヒーティングが設置されている橋梁部路面で は,パイプヒーティング等を行わなくても地中から の熱供給によって徐々に融雪される一般路面に比べ, 若干早く無雪状態となるため,写真-3のような路面 状態の格差が生じにくい.そのため路面状態の格差. 設置区間起点側の熱赤外線写真 (2005 年 12 月 14 日撮影). およびロックボルト内,調査ボーリング孔内の温度 変化に着目することとした.. 3. 路面融雪・凍結防止効果と温度計測結果 (1) 路面融雪・凍結防止効果 a) 標準運転時の路面状況 本システムの標準的な運転例として,供用開始後 である2005年12月における冬期運転時の路面状況を 写真-2に示す.この写真の例に示すように,一般路 面と同様に,パイプヒーティングを設置した橋梁上 にはほとんど残雪はなく,充分に融雪できていた. なお,本システムを設置した区間に近接する複数 の橋梁では,パイプヒーティングのような路面融雪 施設がないため,写真-3のように路面には残雪が圧 雪・圧着し,アイスバーンが発生した.このため, アイスバーンの剥ぎ取り作業および塩化カルシウム 散布を行うこととなった.これに対し,本システム を設置した区間においては,このような路面管理作 業が不要であったことから,冬期路面の維持管理業 務における省力化にも貢献できる技術となる可能性. 216.

(7) 土木学会論文集G Vol.66 No.4,211-221,2010.12. 20 6. 土工路面温度 タンク内水温度8℃程度. 4. 土工路面温度 タンク内水温度1~2℃程度. 2. 12. 温度(℃). 温度(℃). 16. 8 4 橋梁路面温度 外気温 11/22. -4 -6. 0 -4. 0 -2. 11/23. -10. 11/24. 2005年. a). 外気温. 橋梁路面温度. -8 12/12. 12/13. 12/14. 12/15. 12/16. 12/17 12/18. 2005年. 各温度とタンク内水温変化. 図-9. 2005 年 12 月の豪雪時におけるタンク内水温. 12. システム稼働. 15 12. 低下. 上昇. 8. 6. 外気温. 6. システム停止. 3 0 -3 -6. 4. 11/22. 11/23. 11/24. -12 1/20. 稼働に伴うタンク内水温の低下と上昇 図-8. 橋梁部路面温度. -9. 2005年. b). タンク内水温. 9 温度( ℃). 温度(℃). 10. 土工部路面温度. 外気温 1/22. 1/24. 1/26. 1/28. 1/30. 2006年. 冬期標準運転時のタンク内水温. 図-10. に起因した車両のスリップ事故の低減に寄与できる ものと考えられる.. システム休止中の温度変化. テムでは,路面内に埋設したパイプを通じて冷却さ れた循環水がタンク内に再び戻るため,タンク内水 温は一時的に低下するが,システム停止時には,周 囲の地熱等によりタンク内水は温められた. c) 長期運転時の温度変化 本システム供用開始後である2005年12月から2009 年3月までの気象観測結果について,1年あたりの路 面凍結日数,積雪量の累計,気温が氷点下を下回っ た日数などにおいて,年ごとの大きな差異はみられ なかったが,2005年12月においては,4日以上にお よぶ連続した降雪が記録された.この時のタンク内 水温はいずれも0~3℃に低下し,連続運転を行って いた.特に,2005年12月の豪雪時20)における降雪量 は,地中熱地下備蓄タンクの設計に用いた1992年~ 2002年の10年間および2002年~2004年に観測した降. (2) 地中熱地下備蓄タンク内の水温変化 a) 運転開始前の温度変化 本システムの運用開始前である2005年9月から11 月までのタンク内水温について検証した.その一例 として2005年11月14日~16日におけるパイプヒーテ ィングシステムの非稼働時のタンク内水温,および 外気温・路面温度の変化を図-7に示す.この結果よ り,外気温が+3℃まで低下してもタンク内水温に はほとんど変化がみられず,ほぼタンク内初期温度 の+15℃を保持できていた.また,そのほかの期間 についてもタンク内水温にはほとんど変化がみられ なかった. b) 標準運転に伴う温度変化 本システムは設置した地域の気候特性上,夜間か ら早朝にかけて気温が氷点下となり,昼間は比較的 温暖な状況である.そのため主に夜間運転し,昼間 時に停止する.タンク内の水温については,本シス テムの稼働に伴い水温が低下し,停止時に水温が上 昇する.その一例として,2005年11月22日~24日に おける冬期標準運転時のタンク内水温,および外気 温・路面温度の変化を図-8 a),b)に示す.本シス. 雪量をも大きく上回るものであった. しかしながら,図-9 に示すように,外気温-8℃ を観測した 2005 年 12 月 15 日でさえ,橋梁部およ び土工部の路面温度が 0℃を上回っていた.さらに, このように長期間連続運転を行っても,(約+2~ 1℃にまで水温低下が生じたものの)タンク内水温は 0℃以下になることはなく,タンク内およびパイプ 内の凍結はみられなかった.. 217.

(8) 温度( ℃). 土木学会論文集G Vol.66 No.4,211-221,2010.12. 16 14 12 10 8 6 4 2 0 -2. 土工路面温度. 要と思われる自動作動が多数みられた.このような ことから,作動基準の変更について検討を行った. 図-10によると,同期間における現地の路面の温 度変化は外気温の変化に比べて小さかったことから, 運転の制御を橋梁部の路面温度変化によることとし た.図-11に本システム供用開始当初の温度変化を 示す.図-11中の黄色で着色した部分はシステムが 稼働した時間である.図-10および図-11に示すよう な温度結果に基づき,橋梁部道路路面温度が+0.5℃ 以下となった場合にシステムが自動作動するように 設定を変更した. 図-12に作動基準変更後の温度変化を示す.図-12 中の黄色で着色した部分も同様に,システムが稼働 した時間を表している.図-12から,同じような気 温変化で大きく運転時間が減少したことが認められ る.これにより,不要と思われるシステムの自動作 動を削減できるため,タンク内水温の低下は減少す る.このことは,熱源として自然熱エネルギーのみ を利用する本システムにとってより長い降雪などに 対応できることを意味する22).. タンク内水温. 気温3℃. 橋梁路面温度 路面温度1℃. 11/20. 外気温. 11/21 11/22 11/23 11/24. 11/25 11/26. 2005年. 図-11. 作動基準変更前の温度変化. 16 土工部路面温度. 温度( ℃). 12. 橋梁部路面温度. タンク内水温. 8 4 0.5 ℃. 0. 外気温. -4 12/16. 12/17. 図-12. 12/18. 12/19 12/20 2009年. 12/21. 12/22. 12/23. (3) タンク内水温の上昇方法 a) タンク内水温上昇の必要性 中国地方の気象特性を活かした本システムは,昼 間に地中熱を備蓄し,夜間に路面へ放熱することを 基本としている.そして,本システム設計に用いた 気象データから,最長継続降雪時間を9時間として おり,これを超える長時間の連続した運転は想定し ていない.このため,タンク内の水温が充分回復し ない状態で連続運転を行う結果となった.このよう な状況下では,地中熱だけでは採熱が間に合わず, タンク内水温がさらに低下した場合,路面融雪・凍 結防止効果が得られない可能性がある.熱源として 自然熱エネルギーのみを利用する本システムでは, 地中熱地下備蓄タンク内の水温を短時間で上昇させ ることは不可能である.そこで,タンク内に比べ比 較的温度の高い路面内のパイプに通水することで, 低下したタンク内水温を上昇させる方法について検 討した.そして,融雪装置の運転に伴う路面温度お よびタンク内水温の変化に加え,循環水で低温化す るタンクによって,周辺岩盤が徐々に温度低下する 程度を把握するため,温度計測結果を用いて検証を 行った. まず外部からの温度変化の影響をほぼ無視できる 路盤面からの深さ 21m のタンク内水温,ロックボ ルトに設置した温度計の温度,および同じ深さにあ る調査ボーリング孔の温度に着目することとした. ロックボルトに設置した温度計の温度変化はタンク. 作動基準変更後の温度変化. このような厳しい気象条件により,タンク内水温 が設計値より大きく低下したが,地中熱地下備蓄タ ンク方式パイプヒーティングを行った路面では,融 雪・凍結防止ができており,前述したように橋梁部 の路面においても,地中熱供給のある一般路面(パ イプヒーティングなし)より先に,無雪・非凍結状 態にすることができた. d) システム運転休止中の温度変化 本システム設置後に発生した停電などによりシス テム全体の停止を一ヶ月程度余儀なくされた.しか し,この間も温度計測ができていたため,冬期にお ける運転休止中のタンク内温度について温度変化の データが得られた.この休止中であった2006年1月 20日から2006年1月30日のタンク内水温および路面 温度,外気温の変化を図-10に示す.図-10に示すよ うに,外気温が大きく変化した場合,路面の温度は 変化しているが,タンク内水温の変化はほとんど認 められない.ここで,外気温の変化よりも路面温度 の変化に着目し,システム運転に伴うタンク内水温 の変化について検証を行った. 供用開始当初は,外気温が+3℃以下,あるいは橋 梁部の路面温度が+1℃以下となった場合にシステ ムが自動作動するように設定したため,明らかに路 面が凍結しない場合でもポンプが稼働するなど,不. 218.

(9) 土木学会論文集G Vol.66 No.4,211-221,2010.12. 25. 15. 橋梁路面温度 タンク内水温 土工路面温度. 16 12. 温度(℃). 20. 温度(℃). 20. 地盤 タンク壁面より3m タンク壁面より1.5m タンク壁面 タンク内水温. 10. 8 4 0. 5. 外気温 -4 6:00. 0. 8月. 9月. 10月. 11月. 12月. 1月. 2月. 9:00. 3月. 地盤 タンク壁面より3m タンク壁面より1.5m タンク壁面 タンク内水温. 温度(℃). 20. 15. 10. 5. 8月. 9月. 10月. 11月. 2008 年 8 月~2008 年 11 月の計測結果. 20. 外気温. 土工部. 橋梁部. 水温. 温度(℃). 15 10 5 0 -5 -10 12/13. 12/22. 図-15. 18:00. 21:00. 0:00. 3:00. 6:00. 冬期における逆熱交換実験結果. 2008 年 8 月~2009 年 3 月の計測結果. 25. 図-14. 15:00. 2008年3月10日. 図-16 図-13. 12:00. 1/1. 1/10. 1/20. 1/29. 2/8. 2008 年 12 月~2009 年 2 月の計測結果. と接する地盤温度,すなわちタンク近傍の地盤温度 である.そこで,2008 年 8 月から 2009 年 3 月まで における同深さのタンク内水温,タンク近傍の地盤 温度(ロックボルトに取り付けた熱電対を用いて計 測),および地盤の温度計測結果を図-13 に示す. この深さでは外気の影響をほとんど受けないため, 年間を通じて地盤の温度は約 12℃で一定であった. 2008 年 11 月下旬にシステムが稼働するとともにタ ンク内水温は低下し,12 月には約 3℃,1 月には約. 219. 1℃であった.一方,タンク壁面より 3m の位置の 地盤は 8℃程度に低下した.このことは,2 月以降 にみられるタンク内水温の上昇に関係しているもの と思われる. b) 夏期の強制運転による温度変化 橋台のコンクリート基礎杭を熱交換器と兼用して 地中熱を集熱し,車道を融雪するシステムにおいて, 夏期に循環ポンプを運転させ路面の熱を地中に蓄え 冬期の融雪に使う工法(逆熱交換)が実用化されて いる4).また,夏期と冬期両方に循環ポンプを運転 させることで,夏には涼しく冬には暖かくする試み が報告されている9), 10).これらの研究を参考に,路 面温度とタンク内水温の温度差が大きい2008年8月 の上旬および下旬の2回にわたって,それぞれ3日間 連続してシステムを稼働させ運転を行った.強制運 転における温度計測結果を図-14に示す. 図-14から,タンク内水温は25℃まで上昇し,冬 期運転開始前のタンク近傍の地盤温度およびタンク 内水温はともに15℃程度を維持していた.しかし本 システムの場合,冬期にパイプ内を循環した水がタ ンクに還流するため,いったんシステムが稼働する と,急激にタンク内水温が低下する.そのため,夏 期に水温を上昇させることは,その効果がごく初期 の運転時に限られるものであり,必ずしも効率のよ い熱源の確保方法ではなかった. c) 冬期の強制運転による温度変化 本システムの設置した場所の気候は冬期間であっ ても数日間,路面温度が 0℃以下にならず,且つ最 高気温が 10℃以上となり路面温度が上昇する日が みられた.このようにタンク内水温が路面温度に比 べて著しく低い場合に本システムを稼働させること によりタンク内水温を上昇させられる可能性がある. 図-15 に 2008 年 12 月中旬から 2009 年 2 月中旬の 土工部路面温度変化,橋梁部路面温度変化,タンク 内水温および外気温の計測結果を示す.図-15 の結 果によると,タンク内水温に比べて路面温度が高く.

(10) 土木学会論文集G Vol.66 No.4,211-221,2010.12. なっている場合もみられる.一方,1 月 14 日には 2008 年度の最低気温の-9℃にまで低下している. しかし,日中には 10℃以上まで外気温は上昇し, 24 時間連続して気温が氷点下以下となった状況で はない.このようなことから,システムの稼働によ り低下したタンク内水温を上昇させるため,冬期の 比較的気温の高い日中に数時間システムを稼働させ る実験を行った. 図-16 は 2008 年 3 月 10 日に行った運転時の温度 変化を示している.前日夜間から当日早朝の気温は 約 5℃であったが,日中には約 20℃まで上昇した. 本システムの運転は 9 時から 15 時まで行った.そ の結果,タンク内水温は 3.2℃から 6.0℃まで 2.8℃ 上昇した.夏期に行った強制運転の温度上昇と比較 するとその効果は小さいが,このように必要な時期 に短時間でタンク内水温を上昇させることができた ことから,凍結防止・融雪効果に少なからず寄与で きるものと考えられる.. プヒーティングに関する多くの基礎的データを収集 することができた.これらの詳細な分析を基に,効 果的な同システムの運用手法を確立し,今後におい て同様の融雪システムを検討する場合においてより 効率的な融雪システムを開発できるようにする必要 があると考えている. 謝辞:本研究は,(社)中国建設弘済会の「技術開発 支援制度」による研究助成(助成課題:「中国地方 における地熱を活用したパイプヒーティングによる 適切な冬季路面管理法の開発」,研究代表者:吉武 勇)を受け,実施したものである.また,本システ ムの開発ならびに各種計測にあたり,山口県周南土 木建築事務所の維持管理課各位,(株)エイト日本技 術開発の永井泉治氏をはじめとする多くの方々に協 力を頂いた.ここに記して,関係者各位に深甚の謝 意を表す. 参考文献 1). 4. おわりに. 古堅辰一,松村光太郎,荒木紀人,佐久本光章,安 岡真希:関西・中国地方の「平成18年豪雪」におけ る交通障害に関する研究,日本雪氷学会全国大会講. 本報では「地中熱地下備蓄タンク方式パイプヒー ティング」の設計・施工の要点をまとめ,路面融雪 効果および熱源について報告した.特に,システム 稼働後3年以上における計測結果に基づき,主に融 雪・凍結抑制効果および路面・タンク内温度変化に ついてまとめた. 比較的温暖な地方においては,地下10m程度の深 さに構築したタンク内に,路面融雪に要する熱量 (地下水)を備蓄保温し,降雪時など必要に応じてパ イプヒーティングシステムを稼働させ,システムの 非稼働時間中に周辺地中熱等によって,タンク内水 温を上昇させることで,経済的かつ効率的な路面融 雪を行うことができた. つぎに,設計値を上回る連続した降雪や連続した 低気温が生じたが,橋梁部においても融雪・凍結防 止効果がみられ,少なくとも地中熱供給のある一般 路面よりも先に無雪状態にすることができた. そして,熱源となるタンク内水の強制運転による 温度上昇について,夏期および冬期の両方で効果が 得られることが確認できた.冬期の強制運転でのタ ンク内水温の上昇効果は,夏期のタンク内水温と路 面温度との差が大きい場合と比較するとその効果は 小さいが,冬期においても短時間でタンク内水温を 上昇できた.このことは,凍結防止・融雪効果に少 なからず寄与できるものと考えられる. 本研究を通じて,地中熱地下備蓄タンク方式パイ. 演予稿集,Vol. 2006,p.112,2006. 2). 福原輝幸,金澤文彦:平成18年豪雪がもたらした福 井の冬季道路交通問題,日本雪工学会誌,Vol.22, No.3,pp.78-83,2006.. 3). 宮本重信,室田正雄:鋼床版橋路面の蓄熱材封入に よる凍結抑制の研究,土木学会論文集,No.574/VI36,pp.73-83,1997.. 4). 宮本重信,竹内正紀,永井二郎,菅原桂一郎:熱交 換杭群を用いた合成鋼床板橋での季節間蓄熱融雪の 一設計,土木学会論文集G,Vol.64,No.1,pp.10-25, 2008.. 5). 谷本俊夫,吉武. 勇,中村秀明,谷. 直彦,浜田純. 夫:温水パイプによる橋梁床版の融雪・凍結防止シ ステムに関する研究,土木学会論文集,No.595/VI39,pp.103-116,1998. 6). 宮本重信:地下水を利用した節水型融雪システムの 開発,土木学会論文集,No.492/VI-23,pp.77-86, 1994.. 7). 森井和宏:環境に優しい地中熱利用の融雪システム の施工について,ゆき,Vol.66,pp.26-29,2007.. 8). 川津孝徳,加藤. 禎,芳賀千賀子:一般国道13号主. 寝坂道路における消融雪設備計画~多様な熱源の効 率的活用について,日本雪工学会誌,Vol.22,No.1, pp.14-17,2006. 9). 福原輝幸,阪本信弘:地中熱利用による路面温度制 御 冬期融雪および夏期路面冷却,土木学会誌,. 220.

(11) 土木学会論文集G Vol.66 No.4,211-221,2010.12 Vol.84,No.10,pp.63-65,1999.. 夫:パイプヒーティングの構造設計に用いるコンク. 10) 福原輝幸,小寺健太郎,浅田興志男,河合源悟:地. リート版の要素実験,土木学会論文集,No.770/VI64,pp.53-63,2004.. 中熱を利用した貯水槽集熱システムの性能評価,土. 20) 辻. 木学会論文集,No.741/VII-28,pp.143-153,2003. 11) 永井泉治,吉武. 和秀,吉武. 勇,谷本俊夫,浜田純夫:パイプ. 勇,仁尾彰一郎,浜田純夫:パイ. ヒーティング機能を有するコンクリート版のライフ. プヒーティングによる路面融雪のためのトンネル坑. サイクルコスト,土木学会論文集,No.805/VI-69,. 内加温実験とコスト評価,土木学会論文集,. pp.131-136,2005.. No.707/VI-55,pp.219-224,2002.. 21) 菖蒲迫正之,安村成史,石田純一,海野達夫,永井. 12) 永井泉治:山岳トンネルの熱エネルギーを利用した. 泉治,吉武. 勇:地中熱地下備蓄タンク周辺の恒温. パイプヒーティングシステムの設計に関する研究,. 層地熱とタンク内水温,寒地技術論文・報告集,. 山口大学博士論文,2002.. Vol.21,pp.575-580,2005. 22) 東. 13) 建設省北陸地方建設局:「路面消・融雪施設等設計. 勇:地中熱地下備蓄タンク方式パイプヒーティング. 要領」,2000. 14) 菖蒲迫正之,安村成史,永井泉治,吉武. システムの効率的な温度管理,寒地技術論文・報告. 勇:地中. 集,Vol.23,pp.66-70,2007.. 熱地下備蓄タンク方式による路面融雪の実用化に関. 23) 菖蒲迫正之,安村成史,石田純一,吉武. する検討,寒地技術論文・報告集,Vol.20,pp.198204,2004. 15) 例えば. 克樹,安村成史,梅田高正,菖蒲迫正之,吉武. 勇:地中. 熱地下備蓄タンクによる路面融雪効果,寒地技術論. 森山和馬,林. 文・報告集,Vol.22,pp.234-238,2006.. 拓男:地中熱利用のBHES. 24) 国土交通省河川局防災課災害対策室:「平成18年豪. 融雪システム,自然・未利用エネルギーによる雪寒. 雪」について,土木学会誌,Vol.91,pp.38-39,2006.. 対策シンポジウム論文集,pp.9-14,1999.. 25) 安村成史,石田純一,菖蒲迫正之,吉武. 16) 雪センター:「平成14年度国土交通省のおける雪に. 勇:山口. 県における無散水路面融雪施設の冬期道路管理への. 関する施策概要資料」,2002. 17) 日本機械学会:「伝熱工学資料」改訂第4版,1986.. 活用,土木学会第61回年次学術講演会,VI-228,. 18) 例えば. pp.455-456,2006.. 宮本重信,竹内正紀:橋梁基礎杭を利用し. た地中への季節間蓄熱融雪,土木学会論文集, (2010. 5. 12 受付). No.797/VI-36,pp.51-62,2005. 19) 吉武. 勇,辻. 和秀,三村陽一,山口哲矢,浜田純. THERMAL PROPERTY OF NEW PIPE HEATING SYSTEM USING GROUNDWATER SAVED IN A LARGE UNDERGROUND TANK Narifumi YASUMURA, Ryoko SHIGA, Masayuki SYOBUZAKO and Isamu YOSHITAKE A new pipe heating system which uses only groundwater stored in a large underground tank was developed in the present study. This paper outlines its design and construction, and provides fundamental data on the developed system. Specifically, it reports on snow-thawing effects and ice prevention, and presents thermal properties based on long-term measurement over 3 years. In addition, the paper presents a possible heating method; circulate water in the tank to the pipes when the road temperature is higher than the water temperature. According to the test results, this method could increase the water temperature even by running the water for short periods of time in winter.. 221.

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