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中学生における日々の母娘関係の時系列的研究 -3組の母娘ペアデータを多集団同時分析に適用して-

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Academic year: 2021

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太成学院大学紀要 論文 第22巻(通号39号)pp.33-43

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導入し,因子(潜在変数)において系列依存性を取り 扱うモデルである。DFA は,構造方程式モデリングStructural Equation Modeling: 以下 SEM)の分 析モデルの一つとして,測定した変数から因子を特 定し,時間経過をラグ1(t-1)因子やラグ 2(t-2)因子と して,ラグ0 因子への影響の大きさを推定するもの である。その際,時間的な遅れであるラグ(lag)を 分析に取り入れることによって時系列の影響の大き さを推定しようとするものである(Figure1)。 Figure 1 動的因子分析の模式図 (小高・紺田, 2015) 小高・紺田(2015)は,過去の親子関係研究で得 られた「親和志向」,「独立志向」,「受容」,「統制」 に関する項目を作成し,母娘関係の質問紙に回答す るという内容の調査を,中学生の母と娘1組を対象 に100 日以上実施し,DFA を用いて母と娘の日々 の影響過程を検討している。その結果,その日の母 娘関係が次の日の母娘関係に影響することが確認さ れ,また両者の影響過程については,その日の「母 の統制の因子」から次の日の「娘の親和志向の因子」 へ,またその日の「娘の親和志向の因子」から次の 日の「母の受容の因子」へというように,娘と母の 関係は独立した関係ではなく,日々互いに影響を及 ぼしあっているということを明らかにしている。し かしながら小高・紺田(2015)の研究は一組の母娘 関係を分析したものであり,他の母娘関係との共通 点や相違点についての検討はなされていない。複数 の母娘関係を同時に分析し比較することで日々の母 娘関係の重要な因子を抽出することができ,共通因 子の中での比較が可能になり,法則定立的な関係を 導くことができると思われる。 小高・紺田(2017a, 2017b, 2018)は,複数の母娘 関係に共通した次元を探るために,小高・紺田 (2015)にさらに 2 組の母娘関係のデータを追加し, 日々の母娘関係の変化から,それぞれの母娘関係に 潜在する因子をP技法因子分析により検討している。 その結果,日々の母娘関係の構造は,母と娘それぞ れにおいて3~4 因子の因子で構成されていること を報告している。また,これらの因子には,3 組の 母と娘に共通する因子とそうでない個別の因子があ り,共通する因子として日々の母娘関係には,母と 娘それぞれに「母娘の親和的コミュニケーションに 関する因子(以下,親和因子)」と「娘の自己主張に 関する因子(以下,主張因子)」を見出している。こ れらの因子の内,「親和因子」は青年の「親和志向(信 頼関係)的な態度・行動」や親の「受容的な態度・ 行動」といった母と娘の結合的な様子を表し,「主張 因子」は青年の反抗的な態度を含んでいるがその中 で青年自身の考えを述べる様子を表しているとして いる。そしてこの共通の2 因子は,Grotevant & Cooper (1985, 1986)が述べる「結合性 (connectedness)」と「独自性(individuality)」の概 念と類似しているのではないかとしている。小高ら のP 技法を用いた研究は,時間経過を入れない当日 だけをそれぞれの母娘関係で探索的因子分析を行い, そこから類似した因子を探索的に抽出しているにと どまっており,これらの因子の不変性の検討は行っ ていない。複数の集団に潜在する因子の不変性を確 認するためには多集団を用いたSEM により分析す る必要がある。そして,これら因子の不変性を確認 した上で時系列を組み入れた分析を行うことで青年 期の親子関係のやりとりを明らかにすることができ ると考える。 本研究においては青年期の日々の母娘関係に焦点 を当て,小高・紺田(2018)で得られた母娘関係の共 通した2 つの枠組み(「親和因子」と「主張因子」) を用いて,母と娘が時間経過の中でどのようなやり とりを行っているのかということを動的因子分析よ

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り明らかにする。なお,本研究では,小高・紺田(2018) のデータを用いて分析を行った。 2.方 法 調査参加者と測定期間:中学生1 年生の女子 3 名 とその母親3 名であった。年齢と測定期間について はTable1 に示す。青年期の娘を持つ母親とその娘 に調査を依頼し,個人情報は関連法規を遵守するこ と,長期に亘る研究への参加は自由意志であること, 調査の中断あるいは中止に関しては対象者の子ども と親の双方の自由意思で判断できること等の説明を 行った。その際,心理療法などの心理カウンセリン グを受けていないことを確認した。調査にあたり, 調査参加への承諾をとり,記入した調査用紙は相互 に閲覧しないことを要請した。調査では,毎日同じ 時間くらい(寝る前)に,今日一日を振り返りそれ ぞれの項目にどのくらいあてはまるか評定してもら った。質問紙は,項目の順序をランダムに再配置し たもの16 種類用意し,これを 1 ヵ月分まとめた冊 子を参加者に手渡し,終了前に新しい冊子を手渡す ことを繰り返した。回答を行った後は, その質問紙 を封筒に入れて, 前日の回答とは比較しないように 指示をした。調査の内容と実施に関しては,K 大学 大学院心理学研究科研究・教育倫理委員会に諮り, その承認を得ている。 欠損処理:調査参加者の回答の中の欠損日があっ たが,ここではこれらの欠損値には,前後日の平均 (周囲平均値)を代入することにした。 Table1 本研究の対象者と測定期間 質問項目:1)小高・紺田(2018)で得られた親和因 子と主張因子に負荷を示した18 項目(母と娘それ ぞれ9 項目)を用いた。項目の詳細については Table 2 に示した。なお,評定は「1:全く当てはまらない」 「2:ほとんど当てはまらない」「3:どちらかとい えば当てはまらない」「4:どちらかといえば当ては まる」「5:ほぼ当てはまる」「6:非常によく当ては まる」の6 件法とした。 Table 2 本分析で使用した項目一覧 分析手続き:(1) 母娘関係の時間経過を入れない ラグ0 のモデルの作成:時間経過における影響関係 を検討する前に,時間差を考慮しない当日間の影響 において3 組に共通した状況と相違する状況を明ら かにすることを目的として,ラグ0 のモデルを構成 することにした。小高・紺田(2018)に基づき,親 和因子と主張因子に関する項目を用いて下位尺度 (小包)を構成した。項目をまとめて下位尺度を構 成する方法は,小包化(parceling)と呼ばれ(Cattell, 1956),SEM による分析において潜在因子を含むモ デルを構成する際に,項目そのものを観測変数とす るよりも,小包化した下位尺度を用いた方が,信頼 性が向上し,より適切な解を推定できる可能性が高 まるとされている(狩野, 2002a, 2002b ; 清水・山 本, 2007)。本研究で作成した小包は Table2 の小包 の欄に示した。なお,以上の分析はSPSSVer.21 と AMOS Ver.21 を用いて行った。モデルを作成する 際,母娘関係は一方向に影響を与えるのではなく, 相互に影響しあっていると考え,ラグ0 の母娘関係 注:,' については全体で 日の回答があったが途中約 週間中断しているため,前半日を分析対象とした。 小高・紺田  では 日の回答を用いて分析を行っ ている。  娘 母 娘 母 娘 母 年齢 (調査開始時) 12歳 45歳 13歳 43歳 12歳 43歳 測定期間

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参照

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