• 検索結果がありません。

糖尿病合併症に対する薬物療法の治療戦略と今後への展望

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "糖尿病合併症に対する薬物療法の治療戦略と今後への展望"

Copied!
4
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)第 28 回日本医療薬学会年会. 328. シンポジウム 30 糖尿病合併症に対する薬物療法の治療戦略と今後への展望 2018 年 11 月 24 日(土) 9:00-11:00  第 3 会場  神戸国際展示場 1 号館 2F 展示室 A オーガナイザー・座長:厚田 幸一郎(北里大学薬学部臨床薬学研究教育センター薬物治療学Ⅰ) オーガナイザー・座長:井上 岳(北里大学薬学部臨床薬学研究教育センター薬物治療学Ⅲ). <オーガナイザーの言葉>  糖尿病患者は増加の一途をたどり、社会の高齢化に伴い糖尿病患者も高齢化し、罹病期間の長期化から、糖尿病 3 大合併症であ る網膜症、神経症、腎症をはじめとし、糖尿病足壊疽、冠動脈疾患、感染症、認知症など多数の合併症を有する患者は散見される。 糖尿病患者に対して最適な薬物療法を提供するために、チーム医療の中で薬剤師は重要な役割りを担う一方で、糖尿病合併症に関 連する幅広い知識が求められる。しかしながら、糖尿病合併症に対する薬物療法において、質の高い取り組みに関して薬剤師同士 が情報共有できる場は少ない.. シンポジウム.  本シンポジウムでは、実臨床において少なからず遭遇するが、難渋することの多い糖尿病合併症に着目し、シンポジストから取 組みや今後の展望について講演いただく。質の高い糖尿病薬物療法をいかに実践するか議論し、明日からのチーム医療に貢献でき る薬剤師を育成する場としたい。. 24-3-S30-1 糖尿病合併症の発症進展リスク低減に向けた備えとアプローチ 藤井 博之. 1. 1:国家公務員共済組合連合会虎の門病院薬剤部. 糖尿病に伴う合併症や糖尿病との関連が指摘されている疾患について主なものを私なりにまとめてみると、「ウ・マ・と・サル」・「こ・ ガ・ニ」・「い・の・し・し」・「し・め・じ」・「コー・ヒー」などが挙げられる。これらの合併症は更なる血糖値の悪化、QOL の低下、 ポリファーマシーのリスク増大などに繋がり、問題が複雑化することで、その解決を困難にさせうる。 我々が糖尿病患者の薬学的ケアを実践する上で、まずは合併症の発症・進展のリスク低減に向け、薬物療法の側面から患者支援してい くことが重要となる。その際、人と人が関わりを持つ中で大切にしていきたいこととして、私自身は「A・B・C・D・E」を心に留めて いるが、皆さんはどうであろうか。 血糖値の問題は糖尿病患者だけとは限らない。日本の高齢者人口は今後も引き続き増加することが見込まれているが、高齢化に伴って インスリン分泌が低下するとともに、インスリン抵抗性が増大しやすくなることが指摘されている。また、重症の低血糖で入院する患 者の中には非糖尿病患者が含まれ、糖尿病患者の重症低血糖に比べて死亡率が高いとの報告もある。 薬剤師は、「医原性の血糖変動リスク」・「過栄養と寡栄養」という視点も交えた患者支援によって、糖尿病の有無に関わらず、重篤な低 血糖や著明な高血糖のリスクを回避することができるのではないだろうか。血糖値の変動に関連した合併症の発症・進展リスクの低減 という観点で、我々ができることを再確認しあうとともに、 「TEAM」で取り組むためのヒントや課題を共有し、薬剤の適正使用・より 良い療養指導について皆さんと共に考える機会になればと思う。. 2000 年 3 月 東京薬科大学大学院 医療薬学専攻修士課程 修了 2000 年 4 月 国家公務員共済組合連合会 虎の門病院 薬剤部 (2005 年 日本糖尿病療養指導士 取得). 2012 年 4 月 同薬剤部 病棟薬剤科 チーフ (2012 年  NST 専門療法士 取得). 2016 年 4 月 同薬剤部 病棟薬剤科 科長.    ▲ TOP.

(2) 第 28 回日本医療薬学会年会. 329. 24-3-S30-2 糖尿病足病変における外用薬療法の実践 西村 博之 1 、吉田 陽 1 、塩山 由紀 1 、守田 彩文 1 、高田 雅文. 1. 1:医療法人社団陣内会陣内病院薬剤部. 糖尿病足病変(以下、足病変)は、神経障害や末梢血流障害を有する糖尿病患者の下肢に生じる感染、潰瘍、深部組織の破壊的病変と定 義されている。足病変の成因としては、血流障害・神経障害(感覚、運動、自律神経) ・感染症であり、足病変増悪や治癒遅延の原因は、 これらの複合病態によるものである。足病変は慢性化することがしばしばで、治癒が遷延すると患者の経済的負担が大きくなるばかり でなく、運動機能の低下により社会復帰も困難になる。よって足病変は早期発見・早期診断・早期治療が重要である。足病変の治療開 始時には、虚血・感染・壊死組織・創の深さおよびポケット(皮膚欠損部よりも広い創腔)の有無を評価する。虚血に対しては血行再建 術の適応の診断が、感染および壊死組織に対しては速やかなデブリードマン(感染・壊死組織除去し創を清浄化する)が必要である。 その後の感染制御、壊死組織の除去、肉芽形成・上皮化の促進には外用薬療法を用いる。外用薬療法において、褥瘡に対して有効性が. の選択(水分量を適正に調整する)、局所環境の整備(褥瘡の保護・固定)を総合的に行うものである。本手法は足病変治療にも応用が 可能であり、当院の足病変治療でも活用している。糖尿病専門病院である当院では院外他科(循環器科、皮膚科、整形外科など)、足病 変患者に対して血糖管理や療養指導だけではなく足病変治療も実施している。その中で薬剤師は治療経過の記録、古田メソッドに基づ いた外用薬療法・除圧法の提案・処置方法の看護師・患者への説明、足病変の写真撮影、治癒および再発予防に向けた療養指導、連携医. シンポジウム. 示されている古田メソッドがある。本手法は褥瘡の病態(壊死組織、感染、肉芽の性状など)に応じた主薬の選択に加えて、適切な基剤. 療機関への情報提供書作成、病棟・外来間の足病変治療連携役などを担っている。足病変治療においては、速やかに足病変の変化を捉 え、多職種と情報共有し、治療方針を検討し、継続的に評価をするという流れが重要である。. 1997 年 福岡大学薬学部 薬学科 卒業 1998 年 医療法人社団 陣内会 陣内病院 2007 年 医療法人社団 陣内会 陣内病院 医療安全管理者 現在に至る.    ▲ TOP.

(3) 第 28 回日本医療薬学会年会. 330. 24-3-S30-3 多病性を示す高齢者糖尿病における薬物療法の実践 深野 光司. 1. 1:東京都立府中療育センター薬剤科. 高齢者糖尿病患者からよく「もう先が長くないから好きなものを食べたい」など「もう先が長くないから・・・」という言葉をよく聞 く。しかし、80 歳の女性の平均余命は平成 28 年では 11.8 歳、つまり 80 歳まで生きた女性はあと平均 11.8 年生きられる。糖尿病薬 物治療例や認知症の平均余命はこれよりは短くなるがそれでも残りの人生はまだまだ、続くのである。 平均寿命と日常生活に制限のない期間を示す健康寿命との差は、日常生活に制限のある「不健康な期間」を意味する。平均寿命と健康 寿命の差は、平成 22 年で、男性 9.13 年、女性 12.68 年、平成 28 年で男性 8.84 歳、女性 12.35 歳と差が縮小している。つまり、不健 康な期間が短くなっている。 今後、平均寿命の延伸に伴い、こうした健康寿命との差がさらに縮小すれば、医療費や介護給付費を消費する期間が縮小することにな. せる)ことは、個人の生活の質の低下を防ぐ観点からも、社会的負担を軽減する観点からも、重要である。高齢者糖尿病患者の場合、老 化という要素が加わることにより、特有な種々の老年症候群(フレイル、サルコペニア、ADL低下、認知機能低下・認知症、誤嚥、尿 失禁、便秘、低栄養、転倒・骨折、骨粗鬆症、変形性関節症、難聴、視力障害)の合併例が特に 75 歳以上の後期高齢者で高頻度である。 老年症候群は糖尿病療養上の問題となるばかりではなく、要介護の要因ともなる高齢者特有の合併症である。そこで、服薬や注射する. シンポジウム. る。疾病予防と健康増進、介護予防などによって、平均寿命の延び以上に 健康寿命を延ばす(つまり、不健康な状態になる時点を遅ら. にあたり、その患者のニーズにマッチした支援を行うことも欠かせない。そのためには患者と密にコミュニケーションをとり、ニーズ の本質を見抜いた上で支援しないと医療者側の自己満足だけで、終わってしまうこともありうる。患者とともに退院後の生活状況をイ メージし、それにあった具体的なアイデアを提供していかなければならない。 本日は高齢者糖尿病における薬物療法の実践とこのような様々な要素を踏まえて、患者自身がアドヒアランスを向上するために、私た ち医療者がいかにサポートできるか、一緒に考えていきたい。. 1994 年 明治薬科大学 薬学部 卒業 1994 年 東京都立府中病院 薬剤科 1999 年 東京都多摩老人医療センター 薬剤科 主任 2006 年 東京都立府中療育センター 薬剤科 主任技術員 2007 年 東京都老人医療センター(現:東京都健康長寿医療センター) 薬剤科 主任技術員 2009 年 都の組織改定により 東京都健康長寿医療センター 薬剤科 主任技術員. 2016 年 東京都立多摩総合医療センター 薬剤科 統括課長代理 2018 年 東京都立府中療育センター 薬剤科 科長.    ▲ TOP.

(4) 第 28 回日本医療薬学会年会. 331. 24-3-S30-4 糖尿病性腎臓病(DKD)における薬物療法の実践―腎症・心血管疾患の発症・進展の抑制をめざしてー 竹内 裕紀. 1. 1:東京薬科大学薬学部医療実務薬学教室.  典型的なアルブミン尿がある糖尿病性腎症(DN)に加え、顕性アルブミン尿を伴わないまま GFR が低下する非典型的な糖尿病関連 腎疾患も多く存在するため、糖尿病の病態が関与する慢性腎臓病(CKD)全般を包括した病名(概念)として、糖尿病性腎臓病(DKD) が提唱された。   DKD は高血糖状態による血管変化により糸球体構造が破壊され腎機能が低下していき、一般的に約 15-20 年の長期間をかけて末期 腎不全(ESKD)に至る病態である。CKD では心血管疾患(CVD)になりやすく、その死亡率も増加するが、さらに DN では心血管 死の頻度が高くなる。DN は新規透析導入患者の第 1 位で、DN 患者の透析導入患者の 5 年生存率は約 60 %と低く、糖尿病患者の生 命予後や QOL および医療経済的観点から、ESKD まで進行させない対策が重要となる。. 抑制できる。顕性腎症では厳格な血糖コントロールは低血糖が要因となる死亡率の増加が報告されており、過度の血糖低下には注意が 必要である。   DN において降圧療法はアルブミン尿(蛋白尿)を減少させ、腎症の発症・進展を抑制するために重要である。第一選択薬として、 糸球体濾過圧の減少により、アルブミン尿を減少させる効果があり、長期の糸球体への負担を減らすことで腎保護作用を持つ RAS 阻. シンポジウム.   DN の進行予防には第一に血糖コントロールが重要で、早期腎症においては厳格な血糖管理により、顕性腎症への発症および進行が. 害薬(ACE 阻害薬または ARB)が推奨されている。  腎不全患者ではインスリン抵抗性の増強、腎でのインスリン代謝の低下、腎での糖新生の低下など、血糖値が不安定になりやすい。 さらに腎排泄性(および腎代謝性)の糖尿病治療薬では腎機能に応じた減量が必要となり、禁忌薬も多いため、腎機能低下時の糖尿病 治療薬の使い方も重要となる。また RAS 阻害薬、ループ利尿薬、NSAIDs などの腎前性腎障害を起こしやすい薬の使用、特に併用で は腎機能低下の要因となるため、特に高齢者では十分な注意か必要となる。  多職種による生活習慣の改善や血糖・血圧・蛋白尿・脂質などの各危険因子に対する適切な集約的治療・管理・指導を行っていくこと で、DN による腎症や CVD への発症・進行抑制、生命予後の改善が報告されており、薬剤師はチーム医療の一員として DKD 患者へ の薬学的管理・患者指導を実践していく必要がある。. 1989 年 東京薬科大学薬学部衛生薬学科卒業 1991 年 東京薬科大学大学院医療薬学専攻修士課程終了 1999 年 博士号(薬学)(東京薬科大学 )取得 1991 年 東京医科大学八王子医療センター薬剤部勤務 1997 年 同センター薬剤部主任 2004 年 同センター薬剤部主査 2006 年 東京薬科大学薬学部 医療実務薬学研究室 講師 2006 年∼東京医科大学客員講師 2009 年∼東京薬科大学薬学部 医療実務薬学教室 准教授 現在に至る.    ▲ TOP.

(5)

参照

関連したドキュメント

こらないように今から対策をとっておきた い、マンションを借りているが家主が修繕

しかしながら、世の中には相当情報がはんらんしておりまして、中には怪しいような情 報もあります。先ほど芳住先生からお話があったのは

   遠くに住んでいる、家に入られることに抵抗感があるなどの 療養中の子どもへの直接支援の難しさを、 IT という手段を使えば

・沢山いいたい。まず情報アクセス。医者は私の言葉がわからなくても大丈夫だが、私の言

断するだけではなく︑遺言者の真意を探求すべきものであ

神はこのように隠れておられるので、神は隠 れていると言わない宗教はどれも正しくな

3月 がつ を迎え むか 、昨年 さくねん の 4月 がつ 頃 ころ に比べる くら と食べる た 量 りょう も増え ふ 、心 こころ も体 からだ も大きく おお 成長 せいちょう