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日本女性科学者の会 第13回学術大会 SJWS奨励賞・功労賞贈呈式,文部科学大臣賞伝達式および受賞記念講演会

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Academic year: 2021

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J. of SJWS, Vol. 21 (No. 1), 2021 ―41―

日本女性科学者の会 第 13 回学術大会

SJWS 奨励賞・功労賞贈呈式,文部科学大臣賞伝達式

および受賞記念講演会

日 時: 2020 年 9 月 13 日(日) 13:00~15:40 会 場: 東京工業大学蔵前会館 ロイアルブルーホール Zoom とのハイブリッド開催 新型コロナィルス感染拡大防止のため、今年の総会はオンラインで開催しました。それに伴い、SJWS 賞 贈呈式も当初の予定から延期となりました。また、文部科学大臣表彰が中止され、SJWS から推薦した若手 科学者賞の賞状・メダル が本会に送られてきました。そこで、第 13 回の学術大会にて、SJWS 奨励賞・功 労賞贈呈式、文部科学大臣賞 伝達式、および受賞記念講演会を、感染防止対策を十分に取ったうえで、対面 で開催することといたしました。会場は、通常 120 人入る会場ではありましたが、密を避けるため 30 名程 度での開催が東京工業大学から許可されました。 人数制限があるため、会場に来ることができない会員等のために、Zoom とのハイブリッドドミー ティン グとして開催しました。日曜日にも拘らず、会場参加 24 人、web 参加 22 人の方にご参加いただきました。 久々の対面開催とハイブリッドという初の開催形式で、混乱もありましたが、始終和やかな雰囲気の中で 開 催することができました。本学術大会は、関東ブロックが担当し、関東ブロックの理事が中心となり準備・ 運営を行いました。 【プログラム】 司会: 長谷川美貴 理事 開会挨拶 近藤 科江 会長 来賓挨拶 内閣府男女共同参画局長 林 伴子 氏(動画) 奨励賞選考経緯説明 梅津 理恵 理事 奨励賞贈呈式 坂田(柳元) 麻実子 氏、 服部 梓 氏 功労賞選考経緯説明 梅津 理恵 理事 功労賞贈呈式・受賞者挨拶 大島 範子氏、 森 義仁 氏 文部科学大臣表彰(若手科学者賞)伝達式 岡崎(高瀬) 恵子 氏 受賞者写真撮 受賞記念講演 坂田(柳元)麻実子 氏、服部 梓 氏、岡崎(高瀬)恵子 氏 来賓挨拶 国立女性教育会館 理事長 内海 房子 氏 閉会挨拶 近藤 科江 会長

開催報告

Journal of the Society of Japanese Women Scientists,

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J. of SJWS, Vol. 21 (No. 1), 2021 ―42― (全員マスク姿の記念撮影) ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 【奨励賞受賞者経歴と賞贈呈理由】 坂田(柳元) 麻実子(SAKATA-YANAGIMOTO MAMIKO) 筑波大学・医学医療系血液内科・准教授 博士(医学)東京大学 研究課題:T 細胞リンパ腫におけるトランスレーショナルリサーチ 賞贈呈理由:受賞者は悪性リンパ腫の一つである血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(Angioimmunoblastic T-cell lymphoma: AITL)に高頻度にみられる遺伝子変異(G17V RHOA変異)を発見した。この成果は、悪性リンパ腫の 世界的な分類方法に大きな影響を与え、さらに、G17V RHOA変異の検出法の開発を進めることで、AITLの 遺伝子診断の実用化に大きく貢献した。また、AITL発症の分子メカニズムを明らかにし、これを標的とする 臨床研究および医師主導治験を実現した。 経歴:2000 年 3 月 東京大学医学部医学科卒業、2000 年 5 月~2003 年 3 月 内科研修、2007 年 3 月 東京大学 大学院医学系研究科内科学専攻、博士課程修了、2007 年 4 月 東京大学医学部附属病院医員、2008 年 7 月 筑 波大学附属病院医員、2008 年 11 月 筑波大学大学院人間総合科学研究科講師、2011 年 10 月 筑波大学医学 医療系血液内科講師、2013 年 4 月 筑波大学医学医療系血液内科准教授、現職、2019 年 4 月 筑波大学学長 補佐、兼任 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 【奨励賞受賞者経歴と賞贈呈理由】 服部 梓 (HATTORI N. AZUSA) 大阪大学産業科学研究所 3 次元ナノ構造科学研究分野 准教授(PI) 博士(理学) 奈良先端科学技術大学院大学 研究課題:原子精度の立体造形技術による強相関金属酸化物のナノ相転移特性解明 賞贈呈理由:強相関酸化物は相転移により自らの状態を劇的に変え、巨大かつ急峻な物性値の変化をもたら す。相転移の最小単位はナノ電子相であることが分かってきたが、その発生起源解明への実験的なアプロー チはほとんどなかった。服部氏は、独自の 3 次元ナノ構造創製技術を開発し、相関金属酸化物の物性起源で

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J. of SJWS, Vol. 21 (No. 1), 2021 ―43― あるナノ電子相ドメインの閉じ込め(隔離)を可能とし、単一ナノ電子相の金属-絶縁体転移特性の計測に成功 した。そして、ナノ電子相の一次相転移特性、電子相の転移点分布を実験的に解明した。このナノスケール の物理現象の解明は、強相関電子系の相転移の本質に迫り、当該分野の学理構築および応用展開を可能とす る重要な成果である。 経歴:2001 年 3 月 大阪府立大学工学部機能物質科学科卒業、2003 年 3 月 奈良先端科学技術大学院大学 物 質創成科学研究科 博士前期課程修了、2003 年 4 月 奈良先端科学技術大学院大学物質創成科学研究科博士 後期課程入学、2007 年 6 月 同修了・学位取得。(2004 年 4 月-8 月、2005 年 10 月-2006 年 3 月は出産・育 児のため休学)。2007 年 7 月-2010 年 1 月 大阪大学 工学研究科 附属超精密科学研究センター 特任研究員、 2010 年 2 月-2019 年 7 月 大阪大学産業科学研究所ナノテクノロジーセンター 助教、2015 年 10 月-2019 年 3 月 JST さきがけ「素材・デバイス・システム融合による革新的ナノエレクトロニクスの創成」領域研究 者(兼任)、2019 年 8 月-現在 大阪大学産業科学研究所 3 次元ナノ構造科学研究分野 准教授(PI)。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 【功労賞受賞者経歴と賞贈呈理由】 大島 範子(OSHIMA NORIKO) 学校法人東邦大学理事・評議員、ダイバーシティ推進センター顧問 賞贈呈理由:大島氏は、29 年間にわたり日本女性科学者の会の理事・監事を務められた。1990 年度からの 17 年間は幾瀬マサ・数野美つ子・鈴木益子の各会長の下で、総務、日本女性科学者の会賞あるいは学術誌担 当理事として、事務局業務をはじめとする膨大な量の実務を担当し、2007~2010 年度の 4 年間は自ら会長と して、日本の科学技術政策・理系女性研究者育成への積極的な提言活動を展開された。さらに、2011~2018 年度の 8 年間は監事として重責を果たされた。自身の勤務校では文部科学省「女性研究者支援プログラム育 成」事業(2009 年度採択)の実施責任者として、初代男女共同参画委員長・男女共同参画推進室(現「ダイ バーシティ推進センター」)長を務められたが、現在もセンター顧問として活動されている。基礎研究にも力 を注ぎ、特に多彩な色彩と、その素早い変化を特徴とする「魚類の体色発現とその変化のメカニズム」の解 明に取り組んでこられた。研究者数の少ない当該分野では世界的に著名な存在であり、「構造色(物理色)」 に関する研究は産業界からも注目された。この間、多くの女子学生・院生の育成にも関わり、本会会員の中 にも教え子がいる。大島氏が、東邦大学では初の女性理学部長に選出されたことは、このような教育・研究 活動や、「日本女性科学者の会」を中心とした社会的な活動の実績が大学・学部内で認知された証しといえる。 経歴:1970 年お茶の水女子大学理学部生物学科卒、1972 年同大学院理学研究科修士課程修了。1972 年東邦 大学理学部生物学科助手、1983 年理学博士の学位取得(京都大学)。1984 年東邦大学理学部生物学科講師、 1988 年助教授。1989 年生物分子科学科(新設)に移籍後、1993 年教授。2009~2011 年度東邦大学理学部 長、東邦大学男女共同参画委員長・男女共同参画推進室長。2013 年定年退職(東邦大学名誉教授)。この間、 日本女性科学者の会理事・会長、公益社団法人日本動物学会や日本色素細胞学会等の学会および学校法人 東邦大学の理事・評議員等を歴任。現在、学校法人東邦大学理事・評議員、ダイバーシティ推進センター 顧問。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

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J. of SJWS, Vol. 21 (No. 1), 2021 ―44― 【功労賞受賞者経歴と賞贈呈理由】 森 義仁(MORI YOSHIHITO) お茶の水女子大学化学科 教授 賞贈呈理由:日本化学会男女共同参画推進委員として学会内での男女共同参加推進活動に従事した(2004 年 ~)。日本化学会選出として男女共同参画学協会連絡会(連絡会)運営委員を務め(2005 年~)、大規模アン ケート調査作業や女子中高生理系進路選択支援ワーキングの世話役として 2005 年開始の「女子中高生夏の学 校(夏学)」の調整役を果たしている。連絡会と国立女性教育会館(ヌエック)の共同作業である「夏学」の 運営実行委員(2005 年~)、2007 年には委員長を務めた。文京区男女平等参画推進委員を務め(2006 年~)、 区の条例作成などに参画または文京区女性団体連絡会と共同して文京区内の幅広い世代の女性に対するサイ エンスの紹介事業を行ってきた。一般に理科実験教室運営者に男性が多いことを考慮しお茶の水女子大学の 学生と共同で理科実験サークルを組織し、精力的に地域での活動を展開している(2003 年~)。お茶の水女 子大学附属中学校と放送大学文京学習センターとの共同事業である吉祥氏による「キュリー夫人の実験教室」 のスタッフとして参画した。お茶の水女子大学「ジェンダー研究」編集員(2008 年~)を務め、学術雑誌編 集を通じてジェンダー研究者と自然科学者との交流促進に貢献してきた。2002 年のアフガニスタン開放以来、 お茶の水女大学が展開しきた女性研究者支援事業の拠点である開発途上国女子教育協力センター長を兼任し、 自身の研究室でも長期留学生を 9 名受け入れ指導を担当した。 経歴:1979 年大阪府立大手前高等学校卒業、1983 年徳島大学薬学部卒業、1988 年北海道大学大学院薬学研 究科修了、薬学博士、同年富山医科薬科大学附属病院薬剤師、1989 年分子科学研究所技官、1995 年名古屋 工業大学工学部助手、1998 年お茶の水女子大学助教授、2014 年 4 月同教授、同年同大学いずみナーサリー 施設長、2018 年より同大学附属幼稚園園長を兼任して現在に至る。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 【文部科学大臣表彰 若手科学者賞受賞者経歴と SJWS 推薦理由】 岡崎(高瀬) 恵子(OKAZAKI-TAKASE KEIKO) NTT 物性科学基礎研究所・主任研究員、博士(理学)東京大学 研究課題:半導体量子ナノ構造のスピン状態制御および量子輸送の研究 推薦理由:近年、電子の自由度や多彩な量子現象を利用することで従来のエレクトロニクスを超えるスピン トロニクスや、新奇な量子効果の発現を利用する量子技術が精力的に研究されている。岡崎(高瀬)氏は、 グラフェンや III-V 属半導体ナノワイヤなど特徴的な材料を利用して独創的形状の電界効果トランジスタ (FET)を開発し、極低温・強磁場等の極限環境下での電気測定や系統的な理論モデル計算を行い、世界初の 量子現象の観測や機構解明、および世界最高級のスピン回転効率を達成した。とくに、スピンの回転を制御 するスピン軌道相互作用を世界最大級に変調できる半導体ナノワイヤ素子の実現は、低消費電力スピン FET 実現に貢献する革新的成果である。本研究成果の活用により低消費電力社会が実現すると期待される。 経歴:2004 年 3 月 東京大学理学部物理学科卒業、2006 年 3 月 東京大学大学院理学研究科物理学専攻 修 士課程修了、2009 年 3 月同博士課程修了、2009 年 4 月 日本電信電話株式会社 物性科学基礎研究所 量子 電子物性研究部 量子固体物性研究グループ所属研究員(常勤)、2014 年 7 月 同研究主任、2017 年 7 月 主 任研究員、2018 年 10 月 同主任研究員(管理職昇格)、2019 年 1 月 同主任研究員 兼 量子電子物性研究部 補佐

参照

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